JP3246389B2 - 直流分巻電動機の制御装置 - Google Patents

直流分巻電動機の制御装置

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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Control Of Direct Current Motors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、直流分巻電動機
の制御装置に係り、特に界磁電流の方向を短時間で切り
替えることができる制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6に従来の直流分巻電動機の制御装置
を示す。バッテリ1の正極にスイッチ2の一端が接続さ
れ、このスイッチ2の他端とバッテリ1の負極との間に
電動機の電機子3、電機子電流検出器4及び電機子チョ
ッパ素子5が直列に接続されている。互いに直列に接続
された電機子3と電機子電流検出器4とに並列にフライ
ホイールダイオード6が接続されると共に、スイッチ2
の他端とバッテリ1の負極との間にスナバコンデンサ7
が接続されている。このスナバコンデンサ7の両端間に
は、第1及び第2の界磁チョッパ素子8及び9の直列回
路と、第3及び第4の界磁チョッパ素子10及び11の
直列回路とが互いに並列に接続されて形成された界磁電
流制御回路部12が接続されている。この界磁電流制御
回路部12内において、第1及び第2の界磁チョッパ素
子8及び9の接続点Aと第3及び第4の界磁チョッパ素
子10及び11の接続点Bとの間に電動機の界磁巻線1
3及び界磁電流検出器14が直列に接続されている。
【0003】界磁電流制御回路部12の第1〜第4の界
磁チョッパ素子8〜11はそれぞれ図示しないドライブ
回路によって駆動され、例えば、界磁巻線13に接続点
AからBに向けて電流を流す場合には、第1の界磁チョ
ッパ素子8をオンして第4の界磁チョッパ素子11をオ
ン/オフする。第4の界磁チョッパ素子11がオンのと
きには、バッテリ1またはスナバコンデンサ7から第1
の界磁チョッパ素子8、界磁巻線13、界磁電流検出器
14及び第4の界磁チョッパ素子11を経てバッテリ1
またはスナバコンデンサ7へと電流が流れ、一方第4の
界磁チョッパ素子11をオフすると、界磁巻線13が有
するインダクタンスエネルギにより界磁巻線13から界
磁電流検出器14、第3の界磁チョッパ素子10及び第
1の界磁チョッパ素子8を経て界磁巻線13へと電流が
流れる。
【0004】ここで、界磁巻線13を流れる界磁電流の
方向を切り替えて接続点BからAに向けて流そうとする
場合には、界磁電流を一旦0とする必要がある。このと
き、第1及び第4の界磁チョッパ素子8及び11をオフ
すると、界磁巻線13が有するインダクタンスエネルギ
により、界磁巻線13から界磁電流検出器14、第3の
界磁チョッパ素子10、バッテリ1またはスナバコンデ
ンサ7、第2の界磁チョッパ素子9を経て界磁巻線13
へと電流が流れ、バッテリ1またはスナバコンデンサ7
と界磁抵抗分に界磁巻線13のインダクタンスエネルギ
が吸収、消費される。その結果、界磁電流は次第に減衰
して0となる。その後、第2及び第3の界磁チョッパ素
子9及び10をオンすることにより、接続点BからAに
向けて界磁巻線13に界磁電流が流れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように界磁電流の方向を切り替える際に、界磁電流を
一旦0にしようとしても、界磁巻線13のインダクタン
スが大きいために電流の減衰が遅く、また界磁電流が0
になって逆方向に電流を流そうとしても、界磁巻線13
のインダクタンスが大きいために電流の立ち上がりが遅
くなるという問題があった。このため、界磁電流の方向
の切り替えに時間を要し、直流分巻電動機の制御性に改
善の余地があった。この発明はこのような問題点を解消
するためになされたもので、短時間で界磁電流の方向を
切り替えることにより制御性の向上を図ることができる
直流分巻電動機の制御装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る直流分巻電動機の制御装置は、複数の界磁チョッパ素
子からなる界磁電流制御回路部により直流分巻電動機の
界磁巻線に流れる電流を制御する制御装置において、電
源と界磁電流制御回路部との間に接続されたコンデンサ
と、このコンデンサに並列に接続されると共にこのコン
デンサに界磁巻線のインダクタンスエネルギが吸収され
るように電流方向を制限するダイオードとを備えたもの
である。また、請求項2に係る直流分巻電動機の制御装
置は、複数の界磁チョッパ素子からなる界磁電流制御回
路部により直流分巻電動機の界磁巻線に流れる電流を制
御する制御装置において、電源と界磁電流制御回路部と
の間に接続された抵抗と、この抵抗に並列に接続される
と共にこの抵抗に界磁巻線のインダクタンスエネルギを
消費させるように電流方向を制限するダイオードとを備
えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添
付図面に基づいて説明する。 実施の形態1.図1にこの発明の実施の形態1に係る直
流分巻電動機の制御装置を示す。バッテリ1の正極にス
イッチ2の一端が接続され、このスイッチ2の他端とバ
ッテリ1の負極との間に電動機の電機子3、電機子電流
検出器4及び電機子チョッパ素子5が直列に接続されて
いる。互いに直列に接続された電機子3と電機子電流検
出器4とに並列にフライホイールダイオード6が接続さ
れると共に、スイッチ2の他端とバッテリ1の負極との
間にスナバコンデンサ7が接続されている。バッテリ1
の負極には、第1〜第4の界磁チョッパ素子8〜11か
らなる界磁電流制御回路部12が接続されている。この
界磁電流制御回路部12内において、第1及び第2の界
磁チョッパ素子8及び9の接続点Aと第3及び第4の界
磁チョッパ素子10及び11の接続点Bとの間に電動機
の界磁巻線13及び界磁電流検出器14が直列に接続さ
れている。さらに、界磁電流制御回路部12とスイッチ
2の他端との間に、界磁巻線13のインダクタンスエネ
ルギ吸収用のコンデンサ15と電流方向制限用のダイオ
ード16とが互いに並列に接続されている。すなわち、
この実施の形態1に係る制御装置は、図6に示した従来
の制御装置において、界磁電流制御回路部12とスイッ
チ2の他端との間にコンデンサ15とダイオード16と
を互いに並列に接続したものである。
【0008】次に、この制御装置の動作について説明す
る。まず、電動機の電機子3の印加電圧と電流は、電機
子チョッパ素子5をオン/オフすることにより制御され
る。電機子チョッパ素子5がオンのときには、バッテリ
1からスイッチ2、電機子3、電機子電流検出器4及び
電機子チョッパ素子5を経てバッテリ1へと電流が流
れ、一方、電機子チョッパ素子5がオフのときには、電
機子3から電機子電流検出器4及びフライホイールダイ
オード6を経て電機子3へと電流が流れる。
【0009】また、界磁巻線13により形成される界磁
は、界磁電流制御回路部12内の第1〜第4の界磁チョ
ッパ素子8〜11をオン/オフすることにより制御され
る。例えば、界磁巻線13に接続点AからBに向けて電
流を流す場合には、第1の界磁チョッパ素子8をオンし
て第4の界磁チョッパ素子11をオン/オフする。第4
の界磁チョッパ素子11がオンのときには、図1の矢印
a1で示されるように、バッテリ1またはスナバコンデ
ンサ7からダイオード16、第1の界磁チョッパ素子
8、界磁巻線13、界磁電流検出器14及び第4の界磁
チョッパ素子11を経てバッテリ1またはスナバコンデ
ンサ7へと電流が流れる。第4の界磁チョッパ素子11
をオフすると、界磁巻線13が有するインダクタンスエ
ネルギにより、図1の矢印a2で示されるように、界磁
巻線13から界磁電流検出器14、第3の界磁チョッパ
素子10及び第1の界磁チョッパ素子8を経て界磁巻線
13へと電流が流れる。
【0010】ここで、界磁巻線13を流れる界磁電流の
方向を切り替えて接続点BからAに向けて流そうとする
場合には、界磁電流を一旦0とするために、例えば図2
に示す時刻t1に第1及び第4の界磁チョッパ素子8及
び11をオフする。このとき、界磁巻線13が有するイ
ンダクタンスエネルギにより、図1の矢印bで示される
ように、界磁巻線13から界磁電流検出器14及び第3
の界磁チョッパ素子10を経てコンデンサ15に電流が
流れ込み、さらに電流はバッテリ1またはスナバコンデ
ンサ7及び第2の界磁チョッパ素子9を経て界磁巻線1
3へと流れる。これにより、界磁巻線13のインダクタ
ンスエネルギはコンデンサ15に急速に吸収され、図2
に曲線Cで示されるように次第に界磁電流が減衰すると
共にコンデンサ15が充電される。このときコンデンサ
15に蓄積される電荷はバッテリ1に対して逆極性とな
るため、スイッチ2に接続されたコンデンサ15の一端
Pの電位Vよりも、界磁電流制御回路部12に接続さ
れたコンデンサ15の他端Qの電位Vの方が高くな
る。なお、図2においては、バッテリ1の負極の電位を
0として電位V及びVが表されると共に、比較のた
めに図6の従来の制御装置による界磁電流の変化が曲線
Dで示されている。
【0011】このようにして時刻t2に界磁巻線13の
インダクタンスエネルギが全てコンデンサ15に吸収さ
れると、界磁電流は0となる。ここで、第2及び第3の
界磁チョッパ素子9及び10をオンすると、コンデンサ
15に蓄積された電荷によってコンデンサ15の他端Q
の電位Vが一端Pの電位Vよりも高くなっているた
め、図1の矢印cで示されるように、コンデンサ15か
ら第3の界磁チョッパ素子10、界磁電流検出器14、
界磁巻線13、第2の界磁チョッパ素子9及びバッテリ
1またはスナバコンデンサ7を経てコンデンサ15へと
電流が流れ始める。これにより、コンデンサ15が放電
し、コンデンサ15の電荷が0に近づいて時刻t3に電
位Vと電位Vがほぼ等しくなると、コンデンサ15
に並列に接続されたダイオード16がオンし、今度は図
1の矢印dで示されるように、バッテリ1またはスナバ
コンデンサ7からダイオード16、第3の界磁チョッパ
素子10、界磁電流検出器14、界磁巻線13及び第2
の界磁チョッパ素子9を経てバッテリ1またはスナバコ
ンデンサ7へと電流が流れる。
【0012】このようにして、界磁巻線13を流れる界
磁電流の方向が接続点BからAに向かうように切り替え
られるが、界磁巻線13のインダクタンスエネルギをコ
ンデンサ15で吸収するようにしたので、時刻t1から
t2にかけて短時間で界磁電流を減衰することができ
る。界磁巻線13のインダクタンスをLf、界磁電流を
If、コンデンサ15の容量をCsとすると、界磁巻線
13のインダクタンスエネルギEは、 E=Lf・If/2 と表され、これをコンデンサ15が吸収するため、式 Lf・If/2=Cs・Vs/2 を満たす電圧Vsだけ電位Vが電位Vよりも高くな
る。ここで、界磁巻線13の抵抗分を無視すると、界磁
電流Ifが0になるまでの減衰時間T1は、 T1=π(Lf・Cs)1/2/2 となり、コンデンサ15の容量Csを変えることによっ
て所望の減衰時間T1を設定することが可能となる。す
なわち、コンデンサ15の容量Csを小さくするほど、
減衰時間T1は短くなる。
【0013】一方、時刻t2からt3にかけての電流の
立ち上がりに要する立ち上がり時間T2は、界磁巻線1
3の両端間の電圧Vfを用いて、式 If=Vf・T2/Lf で表されるが、界磁巻線13の両端間の電圧Vfは、コ
ンデンサ15の他端Qとバッテリ1の負極との間の電圧
にほぼ等しいので、 T2=If・Lf/V と表すことができる。ここで、上述したように、コンデ
ンサ15に蓄積された電荷によって時刻t2には電位V
が電位Vよりも電圧Vsだけ高くなっているため、
その分立ち上がり時間T2が短くなる。
【0014】以上のように、減衰時間T1及び立ち上が
り時間T2が短くなるため、界磁巻線13を流れる界磁
電流の方向を短時間で切り替えることができ、直流分巻
電動機の制御性の向上を図ることが可能となる。
【0015】実施の形態2.図3に実施の形態2に係る
直流分巻電動機の制御装置を示す。この制御装置は、図
1に示した実施の形態1の装置において、界磁電流制御
回路部12とスイッチ2の他端との間に接続されていた
コンデンサ15及びダイオード16を界磁電流制御回路
部12とバッテリ1の負極との間に接続したものであ
る。このような構成としても、実施の形態1と全く同様
の効果を奏する。すなわち、界磁巻線13のインダクタ
ンスエネルギをコンデンサ15で吸収させるため、界磁
巻線13を流れる界磁電流の方向を短時間で切り替える
ことができる。
【0016】実施の形態3.図4に実施の形態3に係る
直流分巻電動機の制御装置を示す。この制御装置は、図
1に示した実施の形態1の装置において、界磁電流制御
回路部12とスイッチ2の他端との間にコンデンサ15
の代わりに抵抗17を接続したものである。この実施の
形態3の制御装置においては、第1の界磁チョッパ素子
8をオンすると共に第4の界磁チョッパ素子11をオン
/オフして接続点AからBに向けて界磁電流を流してい
るときに、界磁電流の方向を切り替えようとして時刻t
1に第1及び第4の界磁チョッパ素子8及び11をオフ
すると、界磁巻線13が有するインダクタンスエネルギ
により、界磁巻線13から界磁電流検出器14及び第3
の界磁チョッパ素子10を経て抵抗17に電流が流れ込
み、さらに電流はバッテリ1またはスナバコンデンサ7
及び第2の界磁チョッパ素子9を経て界磁巻線13へと
流れる。これにより、界磁巻線13のインダクタンスエ
ネルギは抵抗17にて消費され、図5に曲線Fで示され
るように急速に界磁電流が減衰する。
【0017】このとき抵抗17に電流が流れるため、ス
イッチ2に接続された抵抗17の一端Xの電位Vより
も、界磁電流制御回路部12に接続された抵抗17の他
端Yの電位Vの方が高くなる。界磁巻線13のインダ
クタンスエネルギは抵抗17で消費されて熱となるの
で、抵抗17の他端Yの電位Vは急速に低下して時刻
t2に一端Xの電位Vにほぼ等しくなる。その後、第
2及び第3の界磁チョッパ素子9及び10をオンするこ
とにより、接続点BからAに向けて界磁巻線13に界磁
電流が流れるようになる。なお、図5においては、バッ
テリ1の負極の電位を0として電位V及びVが表さ
れると共に、比較のために図6の従来の制御装置による
界磁電流の変化が曲線Dで示されている。
【0018】このように、実施の形態3に係る制御装置
では、界磁電流の減衰時間が短縮され、ひいては界磁巻
線13を流れる界磁電流の方向を短時間で切り替えるこ
とができる。
【0019】なお、界磁電流制御回路部12とスイッチ
2の他端との間に抵抗17とダイオード16を接続した
が、これら抵抗17及びダイオード16を界磁電流制御
回路部12とバッテリ1の負極との間に接続することも
できる。このような構成としても、実施の形態3と全く
同様の効果を奏する。すなわち、界磁巻線13のインダ
クタンスエネルギが抵抗17で消費され、界磁電流の減
衰時間が短縮される。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
直流分巻電動機の制御装置によれば、従来の制御装置に
コンデンサとダイオードを追加するだけで、界磁巻線を
流れる界磁電流の減衰時間及び立ち上がり時間を短縮で
き、電動機の制御性が向上する。また、コンデンサの容
量を変えることによって界磁電流の切り替え時間を調整
することができる。また、請求項2に記載の直流分巻電
動機の制御装置によれば、従来の制御装置に抵抗とダイ
オードを追加するだけで、界磁巻線を流れる界磁電流の
減衰時間を短縮でき、電動機の制御性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る直流分巻電動機
の制御装置を示す回路図である。
【図2】実施の形態1に係る制御装置の動作を示すタイ
ミングチャートである。
【図3】実施の形態2に係る直流分巻電動機の制御装置
を示す回路図である。
【図4】実施の形態3に係る直流分巻電動機の制御装置
を示す回路図である。
【図5】実施の形態3に係る制御装置の動作を示すタイ
ミングチャートである。
【図6】従来の直流分巻電動機の制御装置を示す回路図
である。
【符号の説明】
1 バッテリ 3 電機子 5 電機子チョッパ素子 7 スナバコンデンサ 8 第1の界磁チョッパ素子 9 第2の界磁チョッパ素子 10 第3の界磁チョッパ素子 11 第4の界磁チョッパ素子 12 界磁電流制御回路部 13 界磁巻線 15 コンデンサ 16 ダイオード 17 抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 5/162 B60L 3/00 B60L 15/18 - 15/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の界磁チョッパ素子からなる界磁電
    流制御回路部により直流分巻電動機の界磁巻線に流れる
    電流を制御する制御装置において、 電源と界磁電流制御回路部との間に接続されたコンデン
    サと、 前記コンデンサに並列に接続されると共に前記コンデン
    サに界磁巻線のインダクタンスエネルギが吸収されるよ
    うに電流方向を制限するダイオードとを備えたことを特
    徴とする直流分巻電動機の制御装置。
  2. 【請求項2】 複数の界磁チョッパ素子からなる界磁電
    流制御回路部により直流分巻電動機の界磁巻線に流れる
    電流を制御する制御装置において、 電源と界磁電流制御回路部との間に接続された抵抗と、 前記抵抗に並列に接続されると共に前記抵抗に界磁巻線
    のインダクタンスエネルギを消費させるように電流方向
    を制限するダイオードとを備えたことを特徴とする直流
    分巻電動機の制御装置。
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