JP3246312U - 遊星歯車機構を使用したロール排出装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図2はトイレットペーパーを取付けられるように考案された装置の実施例であり、左手のみでの操作が可能な機器のレイアウトの記載である。右手のみでの操作が可能な機器は、ロール取り付け面を基準面とし左右対称に機器をレイアウトすることで可能となる。
たとえば、排出スイッチ310を人感センサーにより電気的に動作させる機構とした場合、機器に触れることなく、ロールに指先のみで直接アクセスでき、より衛生的に使用できる装置とすることが可能となる。
(ロールの取付け及び交換手順)
(弾性力蓄勢機能)
(ロールカット機能)
(ロール排出機能)
遊星歯車支持台207は、スライドスリーブ304と連結固定されているので、遊星歯車支持台207は、太陽歯車軸201の軸方向にスライド移動可能な形態でワンウェイクラッチ301と連結配置されている。さらに、ワンウェイクラッチ301の機能により、ワンウェイクラッチ301と共に遊星歯車支持台207もロールを送り出す方向にのみ回転する構成を有する。(図4参照)
排出スイッチ310とスライドカム311は連結されており、右フレーム305には、スライドカムガイドA312とスライドカムガイドB313が固定配置されており、スライドカム311は上下方向にのみ自由に稼働可能な形態であり、スライドカム311のカム機構面がスライドスリーブ304と接する形態で位置している。(図2および図4参照)
本図の弾性体A404は引張により弾性力が蓄勢される形態とし、弾性体A404はインターナル歯車支持台204に固定されて位置する円弧状の弾性体ガイド407の外周に配置する形態とする。以上が回転角度リミッター機構4の構成である。(図5参照)
カバー502の開放操作は、ストッパー501を片手(左手)の指先(人差し指あるいは中指)でストッパーレバー506を左方向にスライドさせることで、ストッパー501の四角錐台形状の突出物を左フレーム507右側面の貫通穴で隠れる位置まで移動させることができ、その状態を維持させた状態において、残りの指先(親指)で、カバー502を上方向に跳ね上げることで、カバー502は開放される。指を放すと、ストッパー501は弾性体C505の加圧の弾性力により元の位置に戻ることで、カバー502がストッパー501より下に落下を防止する構造として働く構成である。(図6および図9参照)
ベースフレーム515には、滑り止め524を有することで卓上設置を可能としている。(図5参照)
図9はカバー類が開放されロールが取付けられる前の状態を示す斜視図であり、説明は、図1において、ロールが取付けられていない状態を仮定して、説明を開始する。さらに、図は左手のみでの操作を可能とした装置の機器配置であるので、左手のみで操作を実施する場合の手順を例として説明する。
新しいロールをロール軸101の左方向からロール軸101にロールのロール芯をロール軸リブ108まで差し込み、ロール固定ノブ105を左方向からロール軸101に、ロールのロール芯が固定するまで差し込み、ロール固定ネジ106を締めて固定し、左カバー503をヒンジ支持軸519より右方向に回転させ、マグネット520の着磁力により垂直位置で固定し、カバー502をストッパー501より下に押し下げることで、ロールの設置(図1参照)が完了する。
ロールがカッター歯511より下に手に取れる量、引き出されている状態(図11参照)において、手動でロールを手に取り、必要量引き出す動作をすることにより、手動で引き出す力の一部を弾性体A404の弾性力として蓄勢する機能である弾性力蓄勢機能について、ロール固定機構1と、遊星歯車機構2と、回転角度リミッター機構4と、ワンウェイクラッチ301と、トルクリミッター210により実現される機能と役割について説明する。
以降は、手動で引き出したロールをカットさせる、ロールカット機能につて説明する。
Tr=T×X (1)
F=T×cosθ (2)
F=(Tr×cosθ)÷ X (3)
トルクリミッター210のトルク:Tr は、上記の式(1)となり、カッター歯511には、カッター歯511によるカットを助ける力:F が引張り張力:Tとカッター歯角度512:θ(度)の位置関係により、上記の式(2)となる。上記の式(1)と式(2)を整理すると、カッター歯511によるカットを助ける力:F は上記の式(3)となる。(図10参照)
FR=(Tr×cosθR)÷ R (4)
Fr=(Tr×cosθr)÷ r (5)
この時、上記の式(4)と式(5)を、カッター歯511によるカットを助ける力が等しくなる(FR=Fr)条件として整理すると、想定される最大径の未使用ロールが設置されている時(図7参照)、カッター歯511は、ロール外径円に対して、正接する(カバー502の円カーブの先端点526からロール中心点と結ぶ線と垂直)下方向に位置するため、想定される未使用ロールの最大半径:Rにおけるカッター歯角度:θR = 0(度)となる。
カッター歯511によるカットを助ける力:Fを、近似値(FR≒Fr)とすることのできる力学的な関係式は、上記の式(4)と式(5)を整理すると、想定されるロール芯の最小半径:r におけるカッター歯角度:θr(度)を下記の数式1の式(6)の位置関係に配置する時に構成される。(図7および図10参照)
F ≒Tr÷R (7)
次に弾性力蓄勢機能により、弾性体A404に弾性力が蓄勢され、かつ、ロールカット機能により引き出したロールがカットされた状態において、機械的に排出スイッチ310を押下げることで、ロールをカッター歯511より下に排出する機能である、ロール排出機能について説明する。(図11参照)
インターナル歯車支持台204はロールを取付けているロール軸101と連結固定されていることで、ロールもロールを引き出す方向に回転し、ロールがカッター歯511より下に排出される。(図2、4、5、11参照)
本考案では、遊星歯車機構をトルクリミッター210が機能し、太陽歯車202が固定された条件で働く機構としたので、太陽歯車202の回転数:NS=0となる。また、本考案は、インターナル歯車203と遊星歯車支持台207の回転の差を利用する機構としているので、その回転数の差:dNとすると遊星歯車支持台207の回転数:NCは上記数式2の式(10)となり、上記数式2の式(9)に代入してまとめると、上記数式2の式(11)となる。
本考案は、回転角度差を利用しているので、手動でロールを引き出しカットするまでにロール軸101が回転する角度:D (度)、この考案のロール排出機能によりロール軸101がロールを排出するために回転する角度:Delta (度)とし、回転数を角度に変換して表すと、上記数式2の式(12)となり、上記数式2の式(8)の歯車比:Grを置き換えて、分かり易く表すと上記数式2の式(13)となる。(図2および図3参照)
未使用ロールが配置されている時、未使用ロールの半径:Rにおいてロールを引き出しカットするまでにロール軸101が回転する角度:DR(度)、未使用ロールの半径:Rにおいて引き出す長さ:LRとし、ロール芯が配置されている時、ロール芯の半径:r においてロールを引き出しカットするまでにロール軸101が回転する角度:Dr(度)、ロール芯の半径:r において引き出す長さ:Lrとすると、上記数式3の式(14)、式(15)となるが、未使用のロールとロール芯部分で引き出す長さが同じ(LR=Lr)となるのは、無次元式として表すと、上記数式3の式(16)が条件となる。
この考案のロール排出機能によりロール軸101がロールを排出するために回転する角度:Delta(度)は、上記数式2の式(12)により求めることができるので、未使用ロールが配置されている時、未使用ロールの半径:R においてロール軸101がロールを排出するために回転する角度:d R(度)、未使用ロールの半径:Rにおいてロール排出機能により送り出されるロールの長さ:dLRとし、ロール芯が配置されている時、ロール芯の半径:r においてロール軸101がロールを排出するために回転する角度:dr(度)とし、ロール芯の半径:r においてロール排出機能により送り出されるロールの長さ:dLr とする時、ロール排出機能により送り出されるロールの長さも同じ(dLR=dLr)関係となる条件は、上記数式3の式(14)、式(15)に置き換えて計算すると、上記数式3の式(16)と同様な関係式となり、まとめると、上記数式3の式(17)と表すことができる。上記数式3の式(17)を、ロールを引き出しカットするまでにロール軸101が回転する角度と、ロール排出機能によりロール軸101が回転する角度の比にとして並び替えると、上記数式3の式(18)となる。
ロール軸101がロールを排出するために回転する角度:Delta(度)の計算式、上記数式2の式(12)もロールを引き出しカットするまでにロール軸101が回転する角度:D(度)と、ロール軸101がロールを排出するために回転する角度:Delta(度)の比として並び替え、無次元式で表すると、上記数式3の式(19)となる。
歯車比:Gr を上記数式4の式(22)の近似値とすることで、未使用のロールを使用した時とロール芯部分を使用した時に、手動でロールを引き出しカットする間隔が同じであれば、この考案のロール排出機能においては、ロールがカッター歯511より下に排出されるロールの量を、未使用のロールを使用した時に送り出されるロールの量とロール芯部分を使用した時に送り出されるロールの量を、ほぼ同量(近似)とする構成である。(図11参照)
上記までが、ロール排出機能の説明である。
まず、ロール排出機能により、排出スイッチ310を押すと、ロールをカッター歯511より下に、手に取れる量排出する。(図11参照)
次に、人力によりロールを必要量引き出すことで、弾性力蓄勢機能により、ロールを引き出す力の一部を必要な時に使用できるように、弾性体A404に弾性力として蓄勢させておき、ロールカット機能により、片手のみでロールをカットすることを可能とする構成である。(図5および図10参照)
一連の流れを構成させることで、未使用のロール取付け後は、ロール芯まで連続して使用出来ることを可能としている。
トイレットペーパーを取り付け使用する装置(本実施例)において、本考案は片手のみにより取り付け及び使用することが可能なことから、脳梗塞の後遺症により半身不随になられた方でも片手のみでの操作が可能であれば使用することができ、機器のレイアウトを左右対称にすることで右手のみでの操作を可能とした配置、あるいは、左手のみでの操作を可能とした配置とする事ができ、簡単な操作「排出スイッチ310を押す、用紙を指先で引き出し、上に持ち上げカットする」のみの操作で可能であり、リハビリ用機器の機能もそなえている。
卓上型としても使用可能であり、人力のみで使用できるため使用する場所が制限されず、持ち運んでの使用が可能であり、汚物などで両手が汚れたままでも、腕の一部位たとえば肘で、排出スイッチ310を押すことで、装置を汚すことなく、指先でつまむことで手に取れるので介護用としての応用が期待できる。
トイレットペーパーを取り付け使用する装置において、排出スイッチ310を人感センサーにより電気的に動作させる機構としたとき、機器に触れることなく、トイレットペーパーに指先のみで直接アクセスでき、より衛生的に使用できるので、公共施設での使用が期待できる。
キッチンにおける作業では、キッチンペーパー、アルミホイルなどを使用する場合、水・油・食材等により両手が汚れたままで取り出そうとすると、取り付けてある機器を汚してしまうので、一度手を洗い布巾などでふき取った後で取り出す必要があるが、本考案の装置では、両手が塞がっている状態でも腕の一部位たとえば肘で、排出スイッチを押すことができ、装置を汚すことなく、指先でつまむことで手に取れるので、業務用機器としての応用が期待できる。
2 遊星歯車機構
3 遊星歯車開放機構
4 回転角度リミッター機構
5 カバー機構
101 ロール軸
102 軸受B
103 ロール軸スリーブ
104 軸受C
105 ロール固定ノブ
106 ロール固定ネジ
107 センターフレーム
108 ロール軸リブ
109 ロール固定ノブリブ
110 ロール軸リブ角度
111 ロール固定ノブリブ角度
201 太陽歯車軸
202 太陽歯車
203 インターナル歯車
204 インターナル歯車支持台
205 遊星歯車A
206 遊星歯車B
207 遊星歯車支持台
208 遊星歯車支持軸A
209 遊星歯車支持軸B
210 トルクリミッター
211 軸受D
212 遊星歯車支持台ピン
301 ワンウェイクラッチ
302 スライドリング
303 軸受E
304 スライドスリーブ
305 右フレーム
306 加圧ピン
307 加圧板
308 弾性体B
309 軸受F
310 排出スイッチ
311 スライドカム
312 スライドカムガイドA
313 スライドカムガイドB
314 クラッチ歯車形状
315 レール状リブ
401 円弧状の貫通穴
402 リミッター角度
403 弾性体固定ピン
404 弾性体A
405 回転始点
406 回転終点
407 弾性体ガイド
501 ストッパー
502 カバー
503 左カバー
504 ストッパーカバー
505 弾性体C
506 ストッパーレバー
507 左フレーム
508 ストッパー角度
509 カバーの円半径
510 未使用ロールの想定される最大外径半径
511 カッター歯
512 カッター歯角度
513 カバー取付け支点
514 カバーベース
515 ベースフレーム
516 リアフレーム
517 本体カバー
518 ヒンジ
519 ヒンジ支持軸
520 マグネット
521 軸受A
522 ロール半径
523 ロール芯
524 滑り止め
525 取付け穴
526 円カーブの先端点
527 円カーブの開始位置
Claims (7)
- トイレットペーパー、キッチンペーパー、アルミホイルなど、ロール状に巻き取られた製品を手動で巻き戻して、カットして使用する製品(以降はロールと記載)を取り付けるロール軸の取付け面には、ロール軸に対し40度の角度の付いた複数個の楔形のリブを有し、ロールのロール芯を反対側より挟み込み固定させるロール固定ノブにも、楔形の複数個の角度の付いたリブを有し、その角度は、ロール軸に対し10度以下の角度とし、ロール軸の外周を軸方向にのみ移動およびロール軸と同じ回転角度での回転を可能とした、ロール固定ノブをロール芯に差し込むことで、楔形の複数個のリブとロール芯の間の摩擦力により、取り付けるロールをロール軸に固定することで、ロールが手動で巻き戻し方向に引き出される時に、ロールの回転角度に合わせロール軸も同じ回転角度で遊星歯車機構を構成する太陽歯車軸の外周を自由に公転できる構成を有し、かつ、遊星歯車機構を構成するインターナル歯車もロール軸と連結配置されていることで、同時に太陽歯車軸の外周を公転することを特徴とするロール固定機構が構成される。
- カバーは、本考案の装置にロールを取り付け配置した状態において、ロールの外径面と接触する部分の形状を円形状とし、未使用のロールを配置した状態で、ロールの外径面と接触するカバーの円半径:Rを、未使用のロールの想定される最大外径円半径:Rと同じ円半径:Rとし、カバーの円カーブの先端点は、未使用のロールの外径円と接する位置に配置し、さらに、ロールが使用されて小さくなると、ロールの外径円がカバーの円カーブと接する位置関係とし、ロールの芯部分においてもロールの外径円が、カバーの円カーブと接する位置となるよう配置することで、常にロールの外径面がカバーと円接触となるように位置し、かつ、ロールと接する面の摩擦係数:μ=0.2以下とすることを特徴とする。
想定される最大径の未使用ロールが配置された状態において、カバーの円カーブの先端点の接触点より、ロール外径円に対して、正接する(カバーの円カーブの先端点からロール中心点と結ぶ線と垂直)下方向に、直線部分を有するカッター歯を配置し、カバーの円カーブの開始位置は、ロールの中心点より鉛直上方向に伸ばした直線と接する位置とし、カバー取付け支点位置まで、カバーの円カーブの開始位置より、カバーは水平に位置する構成とすることを特徴とする。 - 想定される最大径の未使用ロールがロール軸に回転しないように固定設置され、かつ、カバーが、想定される最大径の未使用ロールの外径面と接する位置関係に配置された状態において、カバーには、カバー取付け支点位置より水平に位置する部分を有し、その水平に位置する部分と接する位置にカバーが上に回転しないようにストッパーを配置し、想定される最大径の未使用ロールの外径面とカバーの接触点には、ロールの外径円に対して、正接する(カバーの接触点からロール中心点と結ぶ線と垂直)下方向に、カッター歯を有している。ロールを固定するロール軸は、遊星歯車機構の構成部品であり、その遊星歯車機構の構成部品である太陽歯車軸の外周を自由に公転できる形態で配置され、かつ、太陽歯車軸を介して装置フレームに配置されているトルクリミッターと連結されている構成とする。
ロールをカットする時に、ロールを手に取り上方向に持ち上げると、カバーはカバー取付け支点を中心点として上方向に回転するが、ストッパーにより回転は停止固定される。カッター歯とロールの間の位置関係は、カッター歯角度:θ(度)となる角度を有し、ロールをカットする時には、ロールが固定されているロール軸とトルクリミッターは、遊星歯車機構を介して連結し、トルクリミッターのトルク:Tr が機能し、ロール軸を固定するトルクが働き、ロール軸が回転しない条件設定とすることで、手動でロールをカットする動作を実施する時に、カッター歯には、カットを助ける力:F が働く構成となる。
未使用ロールが配置されている時、想定される未使用ロールの最大半径:Rにおけるカッター歯角度:θRとすると、カットを助ける力:FR=(Tr×cosθR)÷R となり、カッター歯でカットする時、カッター歯は、ロール外径円に対して、正接する(カバーの接触点からロール中心点と結ぶ線と垂直)下方向に位置するため、想定される未使用ロールの最大半径:Rにおけるカッター歯角度:θR = 0(度)となる。
次にロール芯が配置されている時、想定されるロール芯の最小半径:r におけるカッター歯角度:θr(度)とするとき、カットを助ける力:Fr=(Tr×cosθr)÷r となり、想定される未使用ロールの最大半径:Rと、想定されるロール芯の最小半径:r の両方においてもカッター歯によるカットを助ける力を、近似値(FR≒Fr)とすることのできる力学的な関係は、下記の数式1の位置関係となる時に構成される。
ロールをカッター歯でカットする力を未使用ロールからロール芯まで、ほぼ同じ(近似)力でのカットが可能であり、かつ、カッター歯によるカットを助ける力:F ≒Tr÷R も機能することを特徴とし、さらに、ストッパーを配置したことで、ロールをカットする時に、カバーが水平位置より上に回転せず、カバーを手で押える必要が無くなり、片手で容易にロールをカットすることを可能とした構成を特徴とした、ロールカット機能が構成される。
本考案においては、簡易的な装置として遊星歯車機構を使用せず、ロールが固定されているロール軸を太陽歯車軸の替りに回転の中心軸とし、トルクリミッターを直接、ロール軸に接続させる構成とすると、手動で、ロール固定ノブを回転させ、ロールを手に取れる量を引き出す操作を実施する必要はあるが、全ての操作を片手のみで実施することが可能な構成とすることができることを特徴とする。
- ロールはロール軸に回転しないように固定配置されている形態であり、ロール軸を遊星歯車機構のインターナル歯車の支持台と連結させ、ロール軸は太陽歯車軸の外周を公転する形態で配置していることで、ロールを手動で巻き戻し引き出すと、インターナル歯車支持台に固定配置されているインターナル歯車も巻き戻す方向に公転する。遊星歯車機構は、インターナル歯車と太陽歯車との間に2個の遊星歯車を介してかみ合わせたダブルピニオン式であり、かつ、2個の遊星歯車は、1つの遊星歯車支持台に自由に自転できる状態で取付けられ、さらに、太陽歯車は太陽歯車軸に固定された状態で配置し、太陽歯車軸と装置フレームの間にはトルクリミッターが有し、トルクリミッターが機能し、太陽歯車が自転しない形態で配置されている構成とする。この構成の時、遊星歯車機構は、遊星歯車機構の原理により、遊星歯車支持台はインターナル歯車と同じ方向に、インターナル歯車より早く公転する。
回転角度リミッター機構は、インターナル歯車支持台に、太陽歯車軸の中心軸を中点とする円弧状の貫通穴を配置し、その貫通穴には遊星歯車支持台と連結された遊星歯車支持台ピンを貫通配置させることで、インターナル歯車支持台と遊星歯車支持台の間の回転角度差を制限する構成である。
回転角度リミッター機構のインターナル歯車支持台と遊星歯車支持台ピンの間には、弾性体Aを設置し、巻き戻す力の一部を巻き戻し方向に回転する時に生じるインターナル歯車支持台と遊星歯車支持台の間の回転角度差を弾性体Aに引張り力として働く弾性力として蓄勢させる構成である。
遊星歯車支持台と太陽歯車軸の間には、ワンウェイクラッチが有し、遊星歯車支持台が、ロールを巻き戻す方向にのみ回転するように配置されていることで、手動でロールを巻き戻すのを途中で停止しても遊星歯車支持台は逆転せず、弾性力が蓄勢された状態を維持する構成である。
インターナル歯車支持台と遊星歯車支持台の間の回転角度差が回転角度リミッター機構の回転終点までくると、遊星歯車機構が機械的にロックし働かなくなる構成を有し、トルクリミッターのトルク値は、回転角度リミッター機構の回転終点まで弾性体Aを蓄勢させることのできるトルク値以上とすることを条件とする。回転角度リミッター機構の回転終点において、手動でロールを引き出すトルクがトルクリミッターのトルク値以上になると、太陽歯車軸に配置されているトルクリミッターが滑りを起こし、弾性力を蓄勢させる機構(ロール固定機構、遊星歯車機構および回転角度リミッター機構)全体が太陽歯車軸と共に回転する。これにより、ロールを必要なだけ、制限されずに手動で巻き戻すことができることを可能とし、かつ、手動で巻き戻す力の一部を引張り力として働く弾性力として蓄勢させることを可能とした弾性力蓄勢機能が構成される。
トルクリミッターのトルク値は、前記に加え、ロール芯部分でのロールの引張り切断(ロールがロールの芯部分において、引き出し途中に切れる)トルクより小さい値とし、かつ、トイレットペーパー、キッチンペーパーなど、定量間隔でミシン目が配置されているミシン目付きロールを使用する場合は、トルクリミッターのトルク値をロール芯部分に配置されているミシン目部分の引張り切断(ロールがロールの芯部分において、引き出し途中にミシン目が切れる)トルクよりも小さい値とすることを条件とする。 - 請求項4にて、弾性力蓄勢機能により弾性体Aに引張り力として働く弾性力が蓄勢された状態において、太陽歯車軸に対して垂直上方向である天面に配置されている排出スイッチを、外側より太陽歯車軸方向に押し下げると、遊星歯車支持台には、太陽歯車軸方向に水平に移動し太陽歯車と遊星歯車Bのかみ合わせが開放されるカム機構を有し、太陽歯車と太陽歯車とかみ合う遊星歯車Bには、クラッチ歯車形状を有することで、太陽歯車と遊星歯車Bとのかみ合わせを、開放状態とかみ合わせ状態とに切り分けることが可能な構成とし、インターナル歯車と遊星歯車Aは太陽歯車と遊星歯車Bが開放された状態においてもかみ合わせを維持する形態を有し、遊星歯車支持台は弾性体Bにより太陽歯車と遊星歯車Bのかみ合わせが維持できるように常に太陽歯車軸方向に加圧の弾性力を与える構成とすることで、遊星歯車開放機構が構成されている。
排出スイッチを押し下げ、遊星歯車開放機構を機能させると、遊星歯車支持台が太陽歯車軸方向に水平移動し、太陽歯車と遊星歯車Bが開放され、遊星歯車機構は解除される。
弾性体Aに弾性力が蓄勢されている状態のとき、遊星歯車支持台はワンウェイクラッチの働きにより、弾性体Aの弾性力により引張りの力が働いても、太陽歯車軸に対し反転せず静止する。一方、インターナル歯車支持台には弾性体Aの弾性力により引張りの力が働き、ロールを送り出す方向に、回転角度リミッター機構の回転始点まで回転する。インターナル歯車支持台の回転により、ロール軸に固定されているロールも回転し、ロールがカバーのカッター歯より下に排出されるロール排出機能が構成される。
排出スイッチを押すことを停止すると、弾性体Bの加圧の力として働く弾性力により、カム機構が働き、排出スイッチは元の位置に戻り、遊星歯車支持台にも戻る力が働き、太陽歯車と遊星歯車Bの合わせ面は、クラッチ歯車形状を有するため、すみやかに歯車のかみ合わせを回復し、遊星歯車機構が再構成される。
手動でロールを引き出しカットするまでにロール軸が回転する角度:D(度)とする時、この装置のロール排出機能により送り出されるロール軸の回転角度:Delta(度)は、下記の数式2により構成される。
- 本考案は、請求項3から5を組み合わせることで、下記の機能を可能とした構成である。
まず、ロール排出機能(請求項5)により、排出スイッチを押すと、ロールをカッター歯より下に、手に取れる量排出する。
次に、ロールを指先でつまみ、手動でロールを必要量引き出すことで、弾性力蓄勢機能(請求項4)により、ロールを引き出す力の一部を必要な時に使用できるように、弾性体Aに弾性力として蓄勢させておき、ロールカット機能(請求項3)により、ロールを片手でカットする構成である。
上記の一連の流れを構成させることで、片手のみの操作で、未使用のロール取付け後は、ロール芯まで連続して使用出来ることを特徴とする。
排出スイッチを天面に配置することで、手の指以外の部位、たとえば、肘などで押し下げることが可能であり、両手が汚れた状態においても、装置を汚さずにロールを排出させ、ロールを指先でつまみ、片手のみでカットすることを可能とした構成が特徴である。
構成されている機器の配置を、ロール取り付け面を基準面として左右反転配置することで、左手のみでの操作を可能とした配置から、右手のみでの操作を可能とした配置へと変更可能とし、装置底面に滑り止めを配置することで、卓上型としても構成出来ることを特徴とする。
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JP2023002530U JP3246312U (ja) | 2023-07-14 | 2023-07-14 | 遊星歯車機構を使用したロール排出装置 |
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