JP3244800B2 - センサレスモータの起動方法 - Google Patents

センサレスモータの起動方法

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JP3244800B2
JP3244800B2 JP25090492A JP25090492A JP3244800B2 JP 3244800 B2 JP3244800 B2 JP 3244800B2 JP 25090492 A JP25090492 A JP 25090492A JP 25090492 A JP25090492 A JP 25090492A JP 3244800 B2 JP3244800 B2 JP 3244800B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロータに永久磁石、ス
テータにモータコイルを有し、特に、ホール素子等のロ
ータの位置検出用センサを含まないセンサレスモータに
関し、より詳細には、センサレスモータの起動制御方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスクや光ディスクなどの記録
媒体の回転駆動用に用いられるモータとして、直流モー
タの一種であるセンサレスモータが知られている。この
センサレスモータは、駆動コイルの近傍を永久磁石を有
するロータが通過すると、磁場変化からモータの駆動コ
イルに起電圧が生じるので、ロータ回転中は、特に、ロ
ータの位置検出用センサを設けなくても、モータコイル
に生じる起電圧を測定すればロータの位置を検出できる
ことに着目して、モータの小型化や構造の簡略化を図っ
ている。
【0003】ところで、この種のセンサレスモータの駆
動制御回路では、モータコイルに発生しているコイル起
電圧を信号に変換する回路を設け、この回路で変換され
た信号をロータ位置信号として用いて駆動制御回路を動
作させる。ところが、モータの起動時には、当然のこと
ながらモータがまだ停止状態にあって、駆動コイルには
起電圧が発生していない。
【0004】このため、この種のモータでは、ロータの
位置が不明な状態で起動を行なうことになる。この起動
時には、通常、ステータの駆動コイルとロータの永久磁
石との位置に関係なく、決まったシーケンスでロータを
周方向回転させる励磁電流を供給する歩進工程が行なわ
れる。図10には、従来採用されていたセンサレスモー
タの駆動部の回路構成を示している。同図において、モ
ータ21の駆動コイルは、制御回路22によって制御さ
れる出力トランジスタ23から励磁電流を受ける。モー
タ21が回転している時は、駆動コイルに生じる起電圧
が検出回路24で検出され、ロータ位置信号として制御
回路22に供給される。この位置信号に基づいて、制御
回路22は、出力トランジスタ23をオン/オフし、ロ
ータを所定方向に回転させる。
【0005】一方、起動時には、モータ21が回転して
いないので、検出回路24の出力は送出されない。そこ
で、まず、切換スイッチ27が起動回路25側に接続さ
れる。起動回路25は、所定シーケンスで駆動コイルを
励磁するための信号を制御回路22に供給する。そし
て、ロータが回転を始めると駆動コイルに起電圧が発生
するので、切換スイッチ27は検出回路24側に切換え
られる。
【0006】しかし、起動時は、ロータの位置に拘ら
ず、決まった手順の励磁電流を供給する歩進工程を行う
ため、当初はロータが逆向きに僅かに動いたり、所定時
間が経過しても必要な回転速度に達していないことがあ
る。このような起動失敗に対処するため、例えば、図1
1に示すような制御システムが組み込まれている。この
制御システムは、スタート指示が与えられ、制御がスタ
ートすると、まずステップS1で、スタート/ブレーキ
信号S/Bをハイレベルからローレベルに変化させ、モ
ータ21の起動工程を実行する。この起動工程は、切換
スイッチ27が起動回路25に接続され、所定順序で駆
動コイルを励磁するための歩進信号が制御回路22に送
られる。この歩進信号に基づいてモータ21の駆動コイ
ルが励磁される。
【0007】次に、駆動コイルに誘起される超電力を検
出すること等により、実際にモータが起動したか否かが
ステップS2で判定される(検出モード)。この場合、
例えば、所定回転速度の90%以上の回転速度を得た
時、起動は成功したと見なす。起動に成功した時は、さ
らに加速し、定速回転工程に移る。起動に失敗した時
は、S/B信号をローからハイに変化させ、所定の制動
を行なう(ステップS3)。これはブレーキ工程と呼ば
れ、その後再び、ステップS1に戻り、S/B信号をハ
イからローに変化させ、再度起動工程を実行する。
【0008】このようなセンサレスモータの起動方法に
おいては、例えば、パソコンのハードディスク駆動用モ
ータにおいては、パソコンのスイッチオンと同時にハー
ドディスクの駆動が指示され、通常、ハードディスクの
立上動作は10秒程度で完了させる必要がある。そこ
で、例えば、上記駆動部の制御回路にカウンターを準備
し、起動失敗でカウンターを順次歩進させ、起動失敗が
所定回数(たとえば8回)になったらパソコンのディス
プレイに「リセットボタンを押して下さい」等のメッセ
ージを表示させ、再度立上動作を繰り返すようにしてい
る。
【0009】しかしながら、このような従来のセンサレ
スモータの起動方法には、以下に説明する技術的課題が
指摘されていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、上述したセ
ンサレスモータの起動方法においては、ロータの位置を
確認せずに起動手順が行なわれる。このため、僅かな確
率であっても起動失敗が生じることは避け難い。たとえ
ば、1000回に1回の起動失敗が生じる。起動が失敗
した時は、ブレーキ工程に進入し、モータを停止させて
初期の状態に復活させ、再び起動工程を行なうことによ
って起動をさせている。ここで、繰り返される起動工程
はそれぞれ独立のものである。したがって、1回の起動
モードによる失敗が1/1000であるとすれば、起動
モードを2回繰り返した場合も各回について1/100
0の失敗の確率がある。起動失敗は可及的に減少させる
ことが望まれる。
【0011】本発明は、以上のような従来の問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的とするところは、ヘ
ッドスティクションなどにより大きな負荷が作用した場
合でも、起動失敗の発生確率を著しく減少させることの
できるセンサレスモータの起動方法を提供することであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、永久磁石を有するロータと、駆動コイル
を有するステータとを含み、前記ロータの回転検出用の
センサを有さないセンサレスモータの起動方法におい
て、スタート信号の送出後に、励磁電流を前記駆動コイ
ルに供給する第1起動工程と、前記第1起動工程の後
に、前記駆動コイルに供給されている励磁電流を所定時
間(T1 )保持する第1保持工程と、前記第1保持工程
の後に、前記駆動コイルに励磁電流を供給する第2起動
工程と、前記第2起動工程の後に、前記駆動コイルに供
給されている励磁電流を所定時間(T 2 )保持する第2
保持工程と、前記第2保持工程の後に、前記駆動コイル
に励磁電流を供給する第3起動工程と、前記第3起動工
程の後に、加速乃至定速信号電流を前記駆動コイルに供
給する加速乃至定速工程とを含み、前記第1保持工程の
周波数f1 (1/2T1 )と前記第2保持工程の周波数
2 (1/2T2 )とが、センサレスモータの回転系の
固有振動数F0 に対して、f1 >F0 >f2 の関係を満
足することを特徴とする。
【0013】前記構成のセンサレスモータの起動方法に
おいては、前記第1起動工程の前に、前記駆動コイルに
励磁電流を供給する予備起動工程と、この予備起動工程
の後に、前記駆動コイルに供給されている励磁電流を所
定時間(T0 )保持する予備保持工程とを設け、この予
備保持工程の周波数f0 (1/2T0 )と前記第1保持
工程の周波数f1 (1/2T1 )と前記第2保持工程の
周波数f2 (1/2T 2 )とを、センサレスモータの回
転系の固有振動数F0 に対して、f1 >f0 ≧F0 >f
2 の関係を満足するように設定することができる。
【0014】また、前記センサレスモータの起動方法に
おいては、前記第1起動工程,第2起動工程,第3起動
工程のうち、少なくとも1つの工程は、その初期に、励
磁電流が零となる休止時間を実質上含まないで前記駆動
コイルの供給電流の方向が逆転する逆励磁駆動動作を含
むことができる。さらに、前記第1起動工程,第2起動
工程,第3起動工程および予備起動工程は、それぞれ所
定パターンの歩進電流を前記駆動コイルに供給する歩進
工程を含むことができる。
【0015】
【作用】請求項1のセンサレスモータの起動方法におい
ては、第1保持工程の周波数f 1 (1/2T1 )と第2
保持工程の周波数f2 (1/2T2 )とが、センサレス
モータの回転系の固有振動数F0 に対して、f1 >F0
>f2 の関係を満足しており、第1保持工程の周波数f
1 (1/2T1 )は、モータの回転系の固有振動数F0
よりも大きくなっていて、すなわち、回転系の進み側と
なっているので、1回めの起動(第1起動工程と第1保
持工程)において逆回転することが防止される。
【0016】また、2回目の起動(第2起動工程と第2
保持工程)においては、第2保持工程の周波数f2 (1
/2T2 )が、モータの回転系の固有振動数F0 よりも
小さくなっていて、すなわち、回転系の遅れ側となって
いるので、回転が確実に行われる。なお、第1保持工程
の周波数f1 (1/2T1 )を、モータの回転系の固有
振動数F0 よりも小さくすると、初期にてロータの回転
が遅れ側となるためモータは逆回転する可能性が大きく
なる。
【0017】また、請求項2の構成によると、予備保持
工程の周波数f0 (1/2T0 )と第1保持工程の周波
数f1 (1/2T1 )と第2保持工程の周波数f2 (1
/2T2 )とが、センサレスモータの回転系の固有振動
数F0 に対して、f1 >f0>F0 >f2 の関係を満足
しており、予備保持工程の周波数f0 (1/2T0 )と
ヘッドおよびヘッドアームを含むヘッド系の固有振動数
とがほぼ同じ大きさになっているので、この予備起動
(予備起動工程と予備保持工程)でモータを起動させる
確率が大きくなり、モータの起動により、例えば、回転
系に含まれているディスクを介してヘッドに回転力が伝
達され、この回転力によりヘッドをディスク面から浮上
させることができる。
【0018】さらに、請求項3の構成によれば、第1起
動工程,第2起動工程第3起動工程のうち、少なくとも
1つの工程は、その初期に、励磁電流が零となる休止時
間を実質上含まないで前記駆動コイルの供給電流の方向
が逆転する逆励磁駆動動作を含んでいるので、この動作
を含む工程でモータが起動する確率が非常に大きくな
る。さらにまた、第1起動工程,第2起動工程,第3起
動工程および予備起動工程は、それぞれ所定パターンの
歩進電流を前記駆動コイルに供給する歩進工程を含んで
いるので、この歩進工程によりモータが起動する確率が
大きくなる。
【0019】
【実施例】以下に本発明の好適な実施例について、添付
図面を参照にして詳細に説明する。図1から図4は、本
発明にかかるセンサレス多相直流モータの起動方法の第
1実施例を示している。同図に示す起動方法は、本発明
を3相のセンサレスモータに適用したものであり、図1
にはモータの制御系を含む全体構成が示されており、セ
ンサレスモータは、励磁状態で磁界を発生する図外のス
テータと、このステータの磁界との電磁相互作用により
回転力を得る図外のロータとを有している。
【0020】ステータには、3相の駆動コイルu,v,
wが施されていて、各駆動コイルu,v,wには、励磁
電流が供給されない休止時間に各駆動コイルu,v,w
に誘起される逆誘起起電圧を検知する逆起電圧検出回路
1が接続されていて、ロータの回転位置を検出するセン
サは設けられていない。本実施例の制御系は、逆起電圧
検出回路1の検出信号が入力される制御回路2と、制御
回路2に起動時に歩進電流を供給する歩進信号発生回路
3と、制御回路2の出力側に接続された通電切換回路4
および出力ドライブ回路5とを有している。
【0021】出力ドライブ回路5は、制御回路2からの
指令に基づいて作動する通電切換回路4からの出力信号
を受けて、各駆動コイルu,v,wに設定されたパター
ンで励磁電流を供給する。制御回路2は、モータの起動
および起動後の定常運転の制御を逆起電圧検出回路1か
らの信号に基づいて行う。図2には、制御回路2で実施
される起動時の制御フローが示され、また、図3には、
この制御フローで行われる起動時のタイムチャートが示
されている。
【0022】この実施例で実行される制御フローは、制
御回路2にスタート信号が入力されると始動され、ま
ず、ステップs1で、第1起動工程が実行される。この
第1起動工程では、例えば、駆動コイルu,vにおい
て、コイルuから同vに向かう励磁電流が供給される。
続く、ステップs2,s3は、図3に示す第1保持工程
を実施するためのものであり、ステップs2では、第1
起動工程の励磁電流をそのまま維持するための保持信号
が制御回路2から通電切換回路4に送出され、ステップ
s3では、励磁電流の保持時間T1 が経過したか否かが
確認される。
【0023】続くステップs4では、第1保持工程で保
持していた励磁電流が、休止時間を含まないで、+から
−または−から+に逆転する逆励磁駆動(D.S.S)
動作が行われ、その後、ステップs5で第2起動工程が
実行される。この第2起動工程では、例えば、駆動コイ
ルu,vにおいて、コイルvから同uに向かう励磁電流
が供給される。ここで、ステップs4で実行される励磁
電流が休止時間を実質上含まないで、+から−または−
から+に逆転する逆励磁駆動(D.S.S)動作につい
て詳述する。本実施例の逆励磁駆動動作は、例えば、図
4に示されている駆動コイルuへの歩進電流の供給パタ
ーンで説明すると、同図の内部歩進3までを参照すると
明らかなように、駆動コイルuには、内部歩進1で+方
向の励磁電流が供給され、続く内部歩進2で励磁電流が
零になる休止期間を経て、内部歩進3で−の方向の励磁
電流が供給されている。このような励磁電流の供給パタ
ーンが通常の励磁動作である。これに対して、本実施例
で採用している逆励磁駆動(D.S.S)動作は、励磁
電流が零となる休止期間を実質上経ることなく、励磁電
流の供給方向が+から−または−から+に逆転する。こ
のような逆励磁駆動動作を行なわせると、以下の作用効
果が得られ起動確率が向上する。すなわち、励磁電流が
零となる休止期間を経て励磁電流の供給方向を+から−
または−から+に逆転させると、励磁状態が一旦零にな
ってから、いずれかの方向に励磁されるので、この時の
励磁状態の変化率は、あまり大きくならないが、励磁電
流が零となる休止期間を実質上経ることなく、その供給
方向を+から−または−から+に逆転させると、励磁状
態の変化率は、休止時間を設けた場合の2倍になり、高
トルクが得られ、モータの起動確率が向上する。なお、
この逆励磁駆動(D.S.S)動作の理論的な根拠は、
本発明者らが平成3年電気学会産業応用部門全国大会に
て、『ダブル駆動によるセンサレススピンドルモータの
起動特性改良』の表題で既に発表している。
【0024】続く、ステップs6,s7は、図3に示す
第2保持工程を実施するためのものであり、ステップs
6では、第2起動工程の励磁電流をそのまま維持するた
めの保持信号が制御回路2から通電切換回路4に送出さ
れ、ステップs7では、励磁電流の保持時間T2 が経過
したか否かが確認され、その後、ステップs8でステッ
プs4と同様に逆励磁駆動動作が実行される。
【0025】続くステップs9,s10は、図3に示す
歩進工程を実行するものである。この歩進工程では、制
御回路2の信号に基づいて歩進信号発生回路3から各駆
動コイルu,v,wに予め設定されたパターンの励磁電
流が供給される。図4は、このような歩進電流の一例を
示している。同図に示す歩進電流は、順次設定されたパ
ターンで励磁電流の方向が切り換えられる9回の内部歩
進電流から構成されている。
【0026】そして、ステップs10で所定数の歩進電
流信号が発生したことが確認されると、ステップs11
に移行し、このステップs11では、逆起電圧検出回路
2の出力信号に基づいて加速・定速工程が実施され、そ
の後定速運転に移行する(ステップs12)。以上の制
御フローにおいて、本実施例では、特に、以下に説明す
る点に顕著な特徴がある。すなわち、上記制御フロー中
において、ステップs2,3で実行される第1保持工程
の周波数f1 (1/2T1 )と、ステップs6,s7で
実行する第2保持工程の周波数f2 (1/2T2 )と
は、センサレスモータの回転系の固有振動数F0 に対し
て、f1 >F0 >f2 の関係を満足するように設定する
ことである。
【0027】このような関係を満足するように周波数な
いしは保持時間を設定すると、第1保持工程の周波数f
1 (1/2T1 )は、モータの回転系の固有振動数F0
よりも大きくなっているので、モータの回転系に進み側
の駆動力が生じ、1回めの起動(第1起動工程と第1保
持工程)において逆回転することが防止される。また、
2回目の起動(第2起動工程と第2保持工程)において
は、第2保持工程の周波数f2 (1/2T2 )が、モー
タの回転系の固有振動数F0 よりも小さくなっているの
で、モータの回転系に遅れ側の駆動力が作用し、回転が
確実に行われる。
【0028】この場合、第1保持工程の周波数f1 (1
/2T1 )を、モータの回転系の固有振動数F0 よりも
小さくすると、初期にてモータの回転系が遅れ側になる
ため、モータは逆回転する可能性が大きくなる。さら
に、本実施例では、第2起動工程,歩進工程のそれぞれ
の初期に休止時間を含まないで駆動コイルの供給電流が
逆転する逆励磁駆動動作を含んでいるので、この動作を
含む工程でモータの起動力が大きくなり、この起動力の
増大により、起動する確率が非常に大きくなり、より一
層モータの起動信頼性が向上する。
【0029】なお、本実施例の逆励磁駆動動作は、モー
タの起動信頼性をより一層高めるために採用しているの
で、この動作は本発明の起動方法においては必ずしも必
要としない。また、この第1実施例では、第2保持工程
の後に歩進工程を行っているが、この歩進工程に代えて
第1起動工程と同様な励磁電流を供給する第3起動工程
(さらに複数回の起動工程の繰り返しでもよい)を遂行
し、その後加速・定速工程を行うようにしてもよい。か
かる場合には、歩進信号発生回路3を用いることなく制
御回路2による内部制御だけで行うことができる。
【0030】図5および図6は、この発明にかかるセン
サレスモータの起動方法の第2実施例を示しており、こ
の実施例における制御系の構成は、図1に示したものと
同じ構成のものが用いられる。図5は、制御回路2で実
施される起動時の制御フローであり、また、図6は、こ
の制御フローで行われる起動時のタイムチャートであ
る。
【0031】この実施例で実行される制御フローは、第
1実施例と同様に、制御回路2にスタート信号が入力さ
れると始動され、まず、ステップs20,s21で、第
1歩進工程が実行される。この第1歩進工程では、ステ
ップs20で、制御回路2の信号に基づいて歩進信号発
生回路3から、例えば、図4に示すような、9回の内部
歩進が順次繰り返される励磁電流が、各駆動コイルu,
v,wに供給され、ステップs21で所定の歩進信号が
発生したか否かが確認される。
【0032】続く、ステップs22,s23は、図6に
示す第1保持工程を実施するためのものであり、ステッ
プs22では、第1歩進工程の最後の内部歩進で供給さ
れていた励磁電流をそのまま維持するための保持信号が
制御回路2から通電切換回路4に送出され、ステップs
23では、励磁電流の保持時間T1 が経過したか否かが
確認される。
【0033】続くステップs24では、第1保持工程で
保持していた励磁電流が、休止時間を含まないで、+か
ら−または−から+に逆転する逆励磁駆動(D.S.
S)動作が行われ、その後、ステップs25,s26で
第2歩進工程が実行される。この第2起動工程では、ス
テップs20と同様な9回の内部歩進に基づく励磁電流
が供給され、ステップs26でその発生回数が確認され
る。
【0034】続く、ステップs27,s28は、図6に
示す第2保持工程を実施するためのものであり、ステッ
プs27では、第2歩進工程の最終内部歩進の励磁電流
をそのまま維持するための保持信号が制御回路2から通
電切換回路4に送出され、ステップs28では、励磁電
流の保持時間T2 が経過したか否かが確認され、その
後、ステップs29でステップs24と同様に逆励磁駆
動動作が実行される。
【0035】続くステップs30,s31は、図6に示
す第3歩進工程を実行するものである。この第3歩進工
程では、上記第1および第2歩進工程と同様に歩進電流
信号が各駆動コイルu,v,wに供給され、その供給回
数がステップs31で確認される。そして、ステップs
31で所定数の歩進電流信号が発生したことが確認され
ると、ステップs32に移行し、このステップs32で
は、逆起電圧検出回路2の出力信号に基づいて加速・定
速工程が実施され、その後定速運転に移行する(ステッ
プs33)。
【0036】以上の制御フローにおいて、本実施例でも
上記第1実施例と同様にステップs22,s23で実行
される第1保持工程の周波数f1 (1/2T1 )と、ス
テップs27,s28で実行する第2保持工程の周波数
2 (1/2T2 )とは、センサレスモータの回転系の
固有振動数F0 に対して、f1 >F0 >f2 の関係を満
足するように設定する。
【0037】これらの周波数の関係をより具体的に明示
すると、例えば、2.5インチのディスクを2枚含むハ
ードディスクの回転系では、その固有振動数F0 が約4
0Hzになるので、第1保持工程の周波数f1 (1/2
1 )を150Hz、第2保持工程の周波数f2 (1/
2T2 )を20Hzに設定する。このように構成された
本実施例の起動方法においては、上記第1実施例で得ら
れる作用効果に加えて、第1歩進工程,第2歩進工程に
それぞれ所定パターンの歩進電流を駆動コイルu,v,
wに供給する歩進工程を含んでいるので、この歩進工程
によりモータが起動する確率が大きくなる。
【0038】図7は、本発明の第3実施例を示してい
る。この実施例の起動方法では、図5に示した第2実施
例に対して、第1保持工程の信号を送出するステップs
22と、同保持工程の保持時間を確認するステップs2
3との間に、モータが起動したか否かを判断するステッ
プs40を挿入したものである。そして、ステップs4
0でモータが充分に起動したことを確認すると、ステッ
プs32に移行して加速・定速工程を実行するととも
に、まだ充分に回転していないと判断された場合には、
ステップs23に移行する。
【0039】この場合の起動判断には、例えば、逆起電
圧検出回路1の検出信号に基づいて、第1保持工程での
逆起電圧のゼロクロスやロータ加速度の大きさ、あるい
は、ロータの回転数などが利用できる。このようなセン
サレスモータの起動方法に依れば、上記実施例で得られ
る作用効果に加えて、モータが充分に起動したと判断さ
れると、その後の起動工程が停止されるので、起動に要
する消費電力を低減させることができる。
【0040】なお、この実施例では、第1保持工程を送
出するステップと、この保持工程の保持時間を確認する
ステップの間に加えて、またはこれに代えて、第2保持
工程を送出するステップと第2保持工程の保持時間を確
認するステップとの間に、モータが回転したか否かを確
認するステップを設け、回転が確認されたときに加速・
定速工程に移行するように構成することもできる。
【0041】図8および図9は、この発明にかかる起動
方法の第4実施例を示している。この実施例における制
御系の構成は、図1に示したものと同じ構成のものが用
いられる。図8は、制御回路2で実施される起動時の制
御フローであり、また、図9は、この制御フローで行わ
れる起動時のタイムチャートである。この実施例で実行
される制御フローは、第1実施例と同様に、制御回路2
にスタート信号が入力されると始動され、まず、ステッ
プs50,s51で、予備歩進工程が実行される。この
予備歩進工程では、ステップs50で、制御回路2の信
号に基づいて歩進信号発生回路3から、例えば、図4に
示すような、9回の内部歩進が順次繰り返される励磁電
流が、各駆動コイルu,v,wに供給され、ステップs
51で所定の歩進信号が発生したか否かが確認される。
【0042】続く、ステップs52,s53は、図9に
示す予備保持工程を実施するためのものであり、ステッ
プs52では、予備歩進工程の最後の内部歩進で供給さ
れていた励磁電流をそのまま維持するための保持信号が
制御回路2から通電切換回路4に送出され、ステップs
53では、励磁電流の保持時間T1 が経過したか否かが
確認される。
【0043】続くステップs54では、予備保持工程で
保持していた励磁電流が、休止時間を含まないで、+か
ら−または−から+に逆転する逆励磁駆動(D.S.
S)動作が行われ、その後は、図5に示したステップs
20〜s33の制御フローが実行される。このような制
御フローにおいて、本実施例では、ステップs52,s
53で実行される予備保持工程の周波数f0 (1/2T
0 )と、ステップs22,s23で実行される第1保持
工程の周波数f1 (1/2T1 )と、ステップs27,
s28で実行する第2保持工程の周波数f2 (1/2T
2 )とは、センサレスモータの回転系の固有振動数F0
に対して、f1 >f0 ≧F0 >f2 の関係を満足するよ
うに設定する。
【0044】このように構成された本実施例の起動方法
においては、上記第実施例で得られる作用効果に加え
て、予備保持工程の周波数f0 (1/2T0 )とヘッド
及びアームを含むヘッド系の固有振動数とがほぼ同じ大
きさになっているので、この予備起動(予備起動工程と
予備保持工程)で回転系に含まれているディスクを介し
てヘッドに回転力が伝達され、この回転力によりヘッド
をディスク面から浮上させることができ、ヘッドスティ
クションを防止して、モータの起動確率を一層向上させ
ることができる。
【0045】なお、上記各実施例では、3相のセンサレ
スモータを例にして説明したが、本発明の実施はこれに
限定されるものではなく、他の多相センサレスモータに
も本発明を適用することが可能である。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
励磁電流の保持工程の時間(周波数)の大きさをモータ
の回転系の固有振動数との関係において特定したので、
起動時に失敗する確率を可及的に低減することが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の起動方法が適用されるセンサレスモー
タの制御系を含む全体構成ブロレック図である。
【図2】本発明にかかる起動方法の第1実施例を示すフ
ローチャート図である。
【図3】同第1実施例のタイムチャート図である。
【図4】図2に示したフローチャートで実行される歩進
工程の説明図である。
【図5】本発明にかかる起動方法の第2実施例を示すフ
ローチャート図である。
【図6】同第2実施例のタイムチャート図である。
【図7】本発明にかかる起動方法の第3実施例の要部を
示すフローチャート図である。
【図8】本発明にかかる起動方法の第4実施例の要部を
示すフローチャート図である。
【図9】同第4実施例のタイムチャート図である。
【図10】従来のセンサレスモータの制御系を含む全体
構成図である。
【図11】図10に示した制御系で行われる制御の腰部
フローチャート図である。
【符号の説明】
1 逆起電圧検出回路 2 制御回路 3 歩進信号発生回路 4 通電切換回路 5 出力ドライブ回路 u,v,w 駆動コイル

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石を有するロータと、駆動コイル
    を有するステータとを含み、前記ロータの回転検出用の
    センサを有さないセンサレスモータの起動方法におい
    て、 スタート信号の送出後に、励磁電流を前記駆動コイルに
    供給する第1起動工程と、 前記第1起動工程の後に、前記駆動コイルに供給されて
    いる励磁電流を所定時間(T1)保持する第1保持工程
    と、 前記第1保持工程の後に、前記駆動コイルに励磁電流を
    供給する第2起動工程と、 前記第2起動工程の後に、前記駆動コイルに供給されて
    いる励磁電流を所定時間(T2)保持する第2保持工程
    と、 前記第2保持工程の後に、前記駆動コイルに励磁電流を
    供給する第3起動工程と、 前記第3起動工程の後に、加速乃至定速信号電流を前記
    駆動コイルに供給する加速乃至定速工程とを含み、 前記第1保持工程の周波数f1(1/2T1)と前記第2
    保持工程の周波数f2(1/2T2)とが、センサレスモ
    ータの回転系の固有振動数F0に対して、f1 >F0
    2の関係を満足することを特徴とするセンサレスモー
    タの起動方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のセンサレスモータの起動
    方法は、 前記第1起動工程の前に、前記駆動コイルに励磁電流を
    供給する予備起動工程と、 この予備起動工程の後に、前記駆動コイルに供給されて
    いる励磁電流を所定時間(T0)保持する予備保持工程
    とが設けられ、 この予備保持工程の周波数f0(1/2T0)と前記第1
    保持工程の周波数f1(1/2T1)と前記第2保持工程
    の周波数f2(1/2T2)とが、センサレスモータの回
    転系の固有振動数F0に対して、f1>f0≧F0>f2
    関係を満足することを特徴とするセンサレスモータの起
    動方法。
  3. 【請求項3】 前記第1起動工程,第2起動工程,第3
    起動工程のうち、少なくとも1つの工程は、その初期
    、励磁電流が零となる休止時間を実質上含まないで前
    記駆動コイルの供給電流の方向が逆転する逆励磁駆動動
    作を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のセ
    ンサレスモータ起動方法。
  4. 【請求項4】 前記第1起動工程,第2起動工程,第3
    起動工程および予備起動工程は、それぞれ所定パターン
    の歩進電流を前記駆動コイルに供給する歩進工程を含む
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    センサレスモータの起動方法。
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