JP3234012B2 - センサレス多相直流モータの起動方法 - Google Patents

センサレス多相直流モータの起動方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、センサレス多相直流
モータの起動方法に関し、特に、その起動の確実性を向
上させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置の回転駆動用のモータ
として、従来から、ブラシレス多相直流モータが用いら
れている。この種のモータはスピンドルモータとも呼ば
れ、例えば、励磁状態において磁界を発生するステータ
コイルを備えたステータと、このステータコイルの磁界
との電磁相互作用により回転力を得るロータマグネット
を備えたロータと、ロータマグネットの回転位置を検出
するセンサとを有する構造のものがよく知られており、
このような構造のスピンドルモータでは、多くの場合、
半導体チップ化された電子回路により回転制御が行われ
ている。
【0003】この場合のステータ側の磁界発生タイミン
グは、センサによりロータマグネットの回転位置を検知
して制御され、この種のセンサには、従来からホール素
子が用いられていた。ところが、近時、モータの小型化
やセンサの特性劣化を回避するために、センサを使用し
ないで、休止中のコイルに発生する誘起電圧を利用して
ロータマグネットの位置を検知するいわゆるセンサレス
多相直流モータが一般化されつつある。
【0004】センサレスモータの起動に際し、モータ停
止時は、逆起電圧が得られないため、まず、ロータを揺
動させることがおこなわれる。例えば、3相コイルのス
ピンドルモータでは、ステータコイルに励磁電流を順次
供給する歩進工程が繰り返され、この歩進工程中には、
通常、正方向,休止,逆方向の励磁電流を各相に流すス
テップが含まれていて、このようなステップが含まれた
所定パターンの励磁電流を流すことによって発生する磁
界と、ロータマグネットとの間の吸引,反発力により駆
動トルクが発生してモータの起動が行われる。
【0005】しかしながら、このようなセンサレス多相
直流モータでは、特に、その起動方法に以下に説明する
技術的課題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、上記センサ
レス多相直流モータにおいては、コイルに鎖交する磁束
による誘起電圧によりロータマグネットの位置を検知し
ているが、モータの停止時には誘起電圧がなく、また、
マグネットの極性が不明なので、始動時には、強制的に
起動をかけている。ところが、ロータの位置によって
は、低トルクのために起動不良が発生したり、あるい
は、通電による磁界が逆方向に発生して、起動立上がり
において機械角60°以上逆回転することもある。
【0007】そこで、このような不都合を回避し、起動
信頼性を高めるために、本出願人は、歩進の一部をダブ
ル駆動方式とする起動方法を開発した。この起動方法で
は、センサレスモータの起動時に、休止時間を含まずに
通電方向が正から負、または、負から正に逆転する逆励
磁駆動動作を含む起動方法であって、この方法によれ
ば、大きな磁束密度変化幅が生じて、起動の死点が解消
するとともに、高トルクが発生し、起動信頼性が向上す
る。
【0008】ところが、このようなダブル駆動方式にお
いては、通常、所定の内部歩進パターンでステータコイ
ルに励磁電流を供給する第1歩進工程の後に、第2歩進
工程で、前記と同じ内部歩進パターンで励磁電流を供給
し、第2歩進工程の初期で逆励磁駆動動作が得られるよ
うに構成していたため、第1歩進工程でモータが全く起
動しない場合にも、第2歩進工程の初期に逆励磁駆動動
作が行われて起動する確率が非常に大きくなるが、例え
ば、第1歩進工程でモータが揺動すると、その直後の第
1加速工程、つまり、逆起電圧で検出したロータ位置に
応じて励磁パターンを変化,制御する工程で、励磁パタ
ーンが変化した場合、第2歩進工程の初期で確実に逆励
磁駆動動作が行われない場合が発生し、起動確率の点で
改良すべき余地があった。
【0009】本発明は、以上のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、第2歩進
工程において確実に逆励磁駆動動作が行われるようにす
ることで、起動確率を向上させることができるセンサレ
ス多相直流モータの起動方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1発明は、励磁状態で電流磁界を発生するステー
タコイルを備えたステータと、このステータコイルの電
流磁界との電磁相互作用により回転力を得るロータマグ
ネットを備えたロータと、前記ステータコイルの誘起起
電圧を検知する逆起電圧検出回路と、通電方向が休止期
間を含まないで正から負または負から正に逆転する逆励
磁駆動動作を有し、所定の内部歩進パターンで前記ステ
ータコイルに励磁電流を供給する第1および第2歩進工
程とを有するセンサレス多相直流モータの起動方法にお
いて、前記第1歩進工程と前記第2歩進工程との間に、
前記逆起電圧検出回路からの逆起電圧に基づく前記ロー
タの回転位置に応じて励磁パターンを制御する第1加速
工程を設け、前記第2歩進工程は、前記第1加速工程の
最終励磁パターンから前後方向に1スキップした内部歩
進パターンで前記ステータコイルに励磁電流を供給する
ことを特徴とする。
【0011】この第1発明においては、前記第1加速工
程に代えて、前記第1歩進工程の最終内部歩進ステップ
を維持する電流保持工程を設け、前記第2歩進工程は、
前記最終内部歩進ステップから前後方向に1スキップし
た内部歩進パターンで前記ステータコイルに励磁電流を
供給することができる。さらに、第2発明は、励磁状態
で電流磁界を発生するステータコイルを備えたステータ
と、このステータコイルの電流磁界との電磁相互作用に
より回転力を得るロータマグネットを備えたロータと、
前記ステータコイルの誘起起電圧を検知する逆起電圧検
出回路と、通電方向が休止期間を含まないで正から負ま
たは負から正に逆転する逆励磁駆動動作を有し、所定の
内部歩進パターンで前記ステータコイルに励磁電流を供
給する第1および第2歩進工程とを有するセンサレス多
相直流モータの起動方法において、前記第1歩進工程と
前記第2歩進工程との間に、前記逆起電圧検出回路から
の逆起電圧に基づく前記ロータの回転位置に応じて励磁
パターンを制御する第1加速工程を設け、前記第2歩進
工程は、前記第1加速工程の最終励磁パターンから前後
方向に2スキップした内部歩進パターンで前記ステータ
コイルに励磁電流を供給することを特徴とする。
【0012】この第2発明では、前記第1加速工程に代
えて、前記第1歩進工程の最終内部歩進ステップを維持
する電流保持工程を設け、前記第2歩進工程は、前記最
終内部歩進ステップから前後方向に2スキップした内部
歩進パターンで前記ステータコイルに励磁電流を供給す
ることができる。さらに、前記第1,2発明において
は、前記第1歩進工程は、その内部歩進中に、通電方向
が休止期間を含まないで逆転する逆励磁駆動動作を有す
ることができる。
【0013】
【作用】一般的に、多相直流モータでは、歩進工程で各
相に励磁電流を供給する内部歩進のパターンが決まって
いて、例えば、3相直流モータでは、励磁電流がu→
v,u→w,v→w,v→u,w→u,w→vの6ステ
ップが繰り返される。上記構成の第1発明の起動方法に
おいて、例えば、第1歩進工程で、このような内部歩進
パターンを採用したとすれば、第2歩進工程では、第1
歩進工程の直後に行われる第1加速工程の最終励磁パタ
ーンから前後方向に1スキップした内部歩進パターンで
ステータコイルに励磁電流が供給されるので、例えば、
いま、第1加速工程の最終励磁パターンがw→uであっ
たとすると、第2歩進工程の内部歩進パターンの最初の
ステップでは、u→vないしはv→wと励磁電流が供給
されることになり、このようにすると、第2歩進工程の
初期で確実に逆励磁駆動動作が行われる。
【0014】また、第2発明の起動方法において、上記
と同様に第1歩進工程で、励磁電流がu→v,u→w,
v→w,v→u,w→u,w→vの6ステップが繰り返
される内部歩進パターンを採用したとすれば、第2歩進
工程では、第1歩進工程の直後に行われる第1加速工程
の最終励磁パターンから前後方向に2スキップした内部
歩進パターンでステータコイルに励磁電流が供給される
ので、例えば、いま、第1加速工程の最終励磁パターン
がw→uであったとすると、第2歩進工程の内部歩進パ
ターンの最初のステップでは、2スキップさせた場合に
は、u→wと励磁電流が供給されることになり、このよ
うにすると、第2歩進工程の初期で確実に逆励磁駆動動
作が行われる。
【0015】この場合に特に注目すべきことは、第2歩
進工程の初期で行われる逆励磁駆動動作が、uおよびw
の2相で行われ、しかも、これらの相の逆励磁駆動動作
が、u相では負から正、w相では正から負となってい
て、互いに逆向きになることであり、このような逆励磁
駆動動作を行わせることにより、モータの起動立ち上げ
時間を小さくすることができる。
【0016】さらに、前記第1,2発明において、第1
歩進工程の内部歩進中に、通電方向が休止期間を含まな
いで逆転する逆励磁駆動動作が含まれている構成を採用
すれば、より一層起動確率が向上する。
【0017】
【実施例】以下本発明の好適な実施例について添附図面
を参照して詳細に説明する。図1から図4は、本発明に
かかるセンサレス多相直流モータの起動方法の第1実施
例を示している。同図に示す起動方法は、本発明を3相
のセンサレス直流モータに適用したものであり、図1に
はモータの制御系を含む全体構成が示されており、直流
モータは、励磁状態で磁界を発生する図外のステータ
と、このステータの磁界との電磁相互作用により回転力
を得る図外のロータとを有している。
【0018】ステータには、3相のステータコイルu,
v,wが施されていて、各ステータコイルu,v,wに
は、励磁電流が供給されない休止時間に各ステータコイ
ルu,v,wに誘起される逆誘起起電圧を検知する逆起
電圧検出回路1が接続されている。本実施例の制御系
は、逆起電圧検出回路1の検出信号が入力される制御部
2と、制御部2の出力側に接続されたドライバー回路3
およびパワー回路4と、制御部2の制御信号を受けて、
起動時に予め設定された内部歩進パターンの出力信号を
ドライバー回路3に出力するシーケンサ5とを有してい
る。
【0019】パワー回路4は、制御部2からの指令に基
づいて作動するドライバー回路3からの出力信号を受け
て、各ステータコイルu,v,wに設定されたパターン
で励磁電流を供給する。制御部2は、モータの起動およ
び起動後の定常運転の制御を逆起電圧検出回路1からの
信号に基づいて行う。図2には、制御部2で実施される
起動時の制御フローが示され、また、図3には、起動時
の歩進工程のタイムチャートが示されている。
【0020】図3に示した歩進工程では、第1および第
2歩進工程と、第1,第2加速工程とが設定されてい
て、歩進工程が2回繰り返されるようになっており、各
歩進工程では、9回の内部歩進ステップが行われる内部
歩進パターンが設定されている。また、この実施例で
は、第1歩進工程の内部歩進パターンは、図4に示すよ
うに、モータの慣性に同期した周期で、励磁電流がステ
ータコイルu,v,wにおいて、u→v,u→w,v→
w,v→u,w→u,w→vの順に繰り返される、第1
から第9までの9回の内部歩進ステップ〜が行われ
るように設定されている。
【0021】図2に示す制御フローでは、制御部2がス
タート信号を受けて作動すると、まず、ステップs1で
スタート励磁カウンターがセットされ、ステップs2で
第1歩進工程が実行される。このステップs2で実行さ
れる第1歩進工程では、制御部2の制御信号に基づいて
シーケンサー5を作動させ、その出力信号をドライバー
回路3に入力し、パワー回路4を介して、まず、第1内
部歩進ステップで、ステータコイルuから同vへと所
定時間だけ通電し、次の第2内部歩進ステップで、ス
テータコイルuから同wへと通電され、以後は図4に示
した内部歩進パターンに従って順次ステータコイルu,
v,wが励磁される。
【0022】そして、9回の内部歩進ステップ〜ま
での第1歩進工程が実施されると、ステップs3で第1
加速工程が所定の時間実施される。このとき、各ステー
タコイルu,v,wに接続されている逆起電圧検出回路
1の検出信号により、ロータマグネットとステータコイ
ルu,v,wとの相互位置が検出され、この検出位置に
応じて励磁パターンが変化され、運転制御が行われる。
【0023】続くステップs4では、第1加速工程の最
終励磁パターンを示す励磁カウンターの計数値に2を加
え、ステップs5で第2歩進工程が実行される。このよ
うに励磁カウンターの計数値に2を加えると、第2歩進
工程での内部歩進のパターンは、例えば、いま、ステッ
プs2で行われた第1歩進工程で、モータが全く起動し
なかったとすれば、その内部歩進の最終ステップは、図
4に示すように、第9内部歩進ステップであって、こ
のステップでは、ステータコイルv→wに励磁電流が供
給された状態になっている。
【0024】この最終内部歩進ステップに対して、ス
テップs5で励磁カウンターに2を加えると、第2歩進
工程の最初の内部歩進ステップは、従来のように、ステ
ータコイルv→uと励磁電流が供給されるのではなく、
1スキップした状態のw→uから内部歩進のステップが
実行されることになる。このような第2歩進工程の内部
歩進パターンを図5に示している。
【0025】このような状態で第2歩進工程を行うと、
その初期で、図4,5に示す状態では、ステータコイル
wで休止時間を含まないで、励磁電流が負から正に逆転
する逆励磁駆動動作が実行される。このような逆励磁駆
動動作が得られるのは、モータが全く起動しなかった場
合だけでなく、起動が不十分であった場合にも本実施例
では実行される。
【0026】すなわち、モータが若干起動したが、その
トルクが不十分で、第1歩進工程では、揺動だけに終わ
ったとしても、第1加速工程では、ロータマグネットと
ステータコイルu,v,wとの相対的な位置関係が逆起
電圧検出回路1で求められているので、これが、例え
ば、第2歩進工程の実施直前で内部歩進ステップであ
ったとすれば、第2歩進工程では、この内部歩進ステッ
プに2を加えたステップからの内部歩進が実行さ
れ、これによりステータコイルvで休止時間を含まない
で、励磁電流が負から正に逆転する逆励磁駆動動作が実
行されることになる。
【0027】なお、このような逆励磁駆動動作を得るた
めには、励磁カウンターに2を加える手段だけでなく、
励磁カウンターの計数値から2を減算して、第1歩進工
程の最終内部歩進ステップから前方に1スキップさせて
も、第2歩進工程の初期に上記と同様な逆励磁駆動動作
が実行される。そして、ステップs5で第2歩進工程が
実行されると、ステップs6で第2加速工程になり、そ
の後、ステップs7で定速工程が実行される。
【0028】定速工程に移行して、その状態に異常がな
ければその状態が維持されるとともに、定速工程に異常
が生じ、これがステップs8で検出されると、ステップ
s1に戻り再び起動時の処理が実行される。さて、以上
のような多相直流モータの起動方法によれば、第1歩進
工程で起動に失敗した場合に、第2歩進工程の初期に確
実に逆励磁駆動動作が行われるので、大きな磁束密度変
化幅が生じて、起動の死点が解消するとともに、高トル
クが発生して、モータの起動が確実に行われる。
【0029】図6および図7は、この発明の第2実施例
を示している。同図において、図6は、第1歩進工程で
行われる内部歩進パターンのステップを示しており、図
7は、第2歩進工程で行われる内部歩進パターンの一例
を示している。この実施例では、第1歩進工程の内部歩
進パターンは、ステータコイルu,v,wに対して、u
→v,v→w,w→uの励磁電流が供給されるステップ
が繰り返される。すなわち、前記図4で示した内部歩進
パターンに対し1ステップずつスキップしたステップが
実行される。
【0030】従って、この第1歩進工程の各ステップで
は、それぞれのステップにおいて、励磁電流の通電時間
が第1実施例に示したステップの2倍に設定されている
とともに、各ステータコイルu,v,wにおいて、それ
ぞれの内部歩進パターン中に、休止時間を含まないで励
磁電流が正から負、または、負から正に反転する逆励磁
駆動動作が少なくとも1回含まれている。
【0031】図7に示す、第2歩進工程の内部歩進パタ
ーンは、第1歩進工程でモータが全く起動されなかった
場合を示している。同図に示す第2歩進工程の内部歩進
パターンは、第1歩進工程の最終内部歩進のステップ
が、ステータコイルv→wに励磁電流を供給していたの
で、これから前方へ1スキップしたステータコイルw→
uに励磁電流を供給するステップから開始され、かつ、
各ステップにおいて第1実施例と同様に、励磁電流がス
テータコイルu,v,wにおいて、u→v,u→w,v
→w,v→u,w→u,w→vの順に繰り返されるよう
に設定されている。
【0032】このような内部歩進パターンに設定した場
合にも、第2歩進工程の初期にステータコイルwにおい
て、休止時間を含まないで、励磁電流が負から正に逆転
する逆励磁駆動動作が実行され、第1実施例と同様な作
用効果が得られるとともに、特に、第1歩進工程中に逆
励磁駆動動作が含まれているので、より一層起動の確実
性が向上する。
【0033】なお、この第2実施例においても、第1歩
進工程でモータが揺動し、ロータマグネットとステータ
コイルとの間に相対的な位置関係に変化が生じ、第1加
速工程において励磁パターンに変化が生じた場合には、
第1加速工程の最終励磁パターンから前後方向に1スキ
ップさせた状態で第2歩進工程の内部歩進を行う。ま
た、この第2実施例では、図7に示した第2歩進工程の
内部歩進のパターンは、図6に示した第1歩進工程の内
部歩進パターンと同様なパターンを採用することも可能
である。
【0034】図8および図9は、本発明にかかるセンサ
レス多相直流モータの起動方法の第3実施例を示してい
る。同図に示す起動方法は、本発明を上記第1,2実施
例と同様に、3相のセンサレス直流モータに適用したも
のであり、以下にその特徴てんについてのみ説明する。
この実施例の起動方法においてもモータの制御系は、図
1と同じであり、制御部2で実行される起動時の制御フ
ローに以下に示す特徴がある。
【0035】図8は、この実施例で行われる、起動時の
歩進工程の制御手順が示されている。図8に示す制御フ
ローでは、制御部2がスタート信号を受けて作動する
と、まず、ステップs1でスタート励磁カウンターがセ
ットされ、ステップs2で第1歩進工程が実行される。
このステップs2で実行される第1歩進工程では、制御
部2の制御信号に基づいてシーケンサー5を作動させ、
その出力信号をドライバー回路3に入力し、パワー回路
4を介して、まず、第1内部歩進ステップで、ステー
タコイルuから同vへと所定時間だけ通電し、次の第2
内部歩進ステップで、ステータコイルuから同wへと
通電され、以後は図9に示した内部歩進パターンに従っ
て順次ステータコイルu,v,wが励磁される。なお、
この第1歩進工程の内部歩進パターンは、第1実施例と
同じものである。
【0036】そして、9回の内部歩進ステップ〜ま
での第1歩進工程が実施されると、ステップs3で第1
加速工程が所定の時間実施される。このとき、各ステー
タコイルu,v,wに接続されている逆起電圧検出回路
1の検出信号により、ロータマグネットとステータコイ
ルu,v,wとの相互位置が検出され、この検出位置に
応じて励磁パターンが変化され、運転制御が行われる。
【0037】続くステップs4では、第1加速工程の最
終励磁パターンを示す励磁カウンターの計数値に3を加
え、ステップs5で第2歩進工程が実行される。このよ
うに励磁カウンターの計数値に3を加えると、第2歩進
工程での内部歩進のパターンは、例えば、いま、ステッ
プs2で行われた第1歩進工程で、モータが全く起動し
なかったとすれば、その内部歩進の最終ステップは、図
9に示すように、第9内部歩進ステップであって、こ
のステップでは、ステータコイルv→wに励磁電流が供
給された状態になっている。
【0038】この最終内部歩進ステップに対して、ス
テップs5で励磁カウンターに3を加えると、第2歩進
工程の最初の内部歩進ステップは、従来のように、ステ
ータコイルv→uと励磁電流が供給されるのではなく、
2スキップした状態のw→vに励磁電流が供給される内
部歩進のステップから実行されることになる。このよう
な第2歩進工程の内部歩進パターンを図9に示してい
る。
【0039】このような状態で第2歩進工程を行うと、
その初期で、図9に示す状態では、ステータコイルwで
休止時間を含まないで、励磁電流が負から正に逆転する
逆励磁駆動動作が実行される。この場合に特に注目すべ
きことは、第2歩進工程の初期で行われる逆励磁駆動動
作が、uおよびwの2相で行われ、しかも、これらの相
の逆励磁駆動動作が、u相では負から正、w相では正か
ら負となっていて、互いに逆向きになることであり、こ
のような逆励磁駆動動作を行わせることにより、モータ
の起動特性を向上させることができる。
【0040】このような逆励磁駆動動作が得られるの
は、モータが全く起動しなかった場合だけでなく、起動
が不十分であった場合にも本実施例では実行される。す
なわち、モータが若干起動したが、そのトルクが不十分
で、第1歩進工程では、揺動だけに終わったとしても、
例えば、第2歩進工程の実施直前で内部歩進ステップ
であったとすれば、第2歩進工程では、この内部歩進ス
テップに3を加えたステップからの内部歩進が実行
され、これによりステータコイルu,wで休止時間を含
まないで、励磁電流が負から正に逆転する逆励磁駆動動
作が実行されることになる。
【0041】なお、このような逆励磁駆動動作を得るた
めには、励磁カウンターに3を加える手段だけでなく、
励磁カウンターの計数値から3を減算して、第1歩進工
程の最終内部歩進ステップから前方に2スキップさせて
も、第2歩進工程の初期に上記と同様な逆励磁駆動動作
が実行される。そして、ステップs5で第2歩進工程が
実行されると、ステップs6で第2加速工程になり、そ
の後、ステップs7で定速工程が実行される。
【0042】そして、定速工程に移行して、その状態に
異常がなければその状態が維持されるとともに、定速工
程に異常が生じ、これがステップs8で検出されると、
ステップs1に戻り再び起動時の処理が実行される。さ
て、以上のような多相直流モータの起動方法によれば、
第1歩進工程で起動に失敗した場合に、第2歩進工程の
初期に確実に逆励磁駆動動作が行われるので、大きな磁
束密度変化幅が生じて、起動の死点が解消するととも
に、高トルクが発生して、モータの起動が確実に行われ
る。
【0043】なお、上記第3実施例では、第1歩進工程
に逆励磁駆動動作を設けていない内部歩進パターンを例
示したが、第1歩進工程に第2実施例と同様に逆励磁駆
動動作を設けることも可能である。また、上記実施例で
は、全て第1歩進工程の後にそれぞれ逆起電圧検出回路
1の出力信号に基づいて励磁電流を変化させる第1加速
工程を設けた場合を例示したが、この第1加速工程を省
略することも可能である。
【0044】第1加速工程を省略した場合には、第1歩
進工程の最終内部歩進ステップの状態をそのまま維持す
る電流保持工程を設け、第2歩進工程では、第1歩進工
程の最終内部歩進ステップから前後方向に1ないしは2
スキップさせた状態で通電すれば、上記実施例と同様な
作用効果が得られる。
【0045】
【発明の効果】以上、実施例で詳細に説明したように、
本発明にかかるセンサレス多相直流モータの起動方法に
よれば、第2歩進工程の初期に確実に逆励磁駆動動作が
実施されるので、モータの起動確率が非常に高くなり、
起動失敗の確率が殆ど零になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる起動方法が適用されるセンサレ
ス多相直流モータの制御系を含む全体構成図である。
【図2】本発明にかかる起動方法の第1実施例を示すフ
ローチャートである。
【図3】図2に示したフロチャートで実施される歩進工
程の説明図である。
【図4】図3に示した第1歩進工程の内部歩進パターン
の説明図である。
【図5】図3に示した第2歩進工程の内部歩進パターン
の説明図である。
【図6】本発明にかかる起動方法の第2実施例で採用さ
れる第1歩進工程の内部歩進パターンの説明図である。
【図7】同第2実施例で採用される第2歩進工程の内部
歩進パターンの説明図である。
【図8】本発明にかかる起動方法の第3実施例を示すフ
ローチャートである。
【図9】図8に示したフロチャートで実施される歩進工
程の説明図である。
【符号の説明】
1 逆起電圧検出回路 2 制御部 3 ドライバー回路 4 パワー回路 5 シーケンサ u,v,w ステータコイル

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励磁状態で電流磁界を発生するステータ
    コイルを備えたステータと、このステータコイルの電流
    磁界との電磁相互作用により回転力を得るロータマグネ
    ットを備えたロータと、前記ステータコイルの誘起起電
    圧を検知する逆起電圧検出回路と、通電方向が休止期間
    を含まないで正から負または負から正に逆転する逆励磁
    駆動動作を有し、所定の内部歩進パターンで前記ステー
    タコイルに励磁電流を供給する第1および第2歩進工程
    とを有するセンサレス多相直流モータの起動方法におい
    て、 前記第1歩進工程と前記第2歩進工程との間に、前記逆
    起電圧検出回路からの逆起電圧に基づく前記ロータの回
    転位置に応じて励磁パターンを制御する第1加速工程を
    設け、 前記第2歩進工程は、前記第1加速工程の最終励磁パタ
    ーンから前後方向に1スキップした内部歩進パターンで
    前記ステータコイルに励磁電流を供給することを特徴と
    するセンサレス多相直流モータの起動方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のセンサレス多相直流モー
    タの起動方法において、前記第1加速工程に代えて、前
    記第1歩進工程の最終内部歩進ステップを維持する電流
    保持工程を設け、前記第2歩進工程は、前記最終内部歩
    進ステップから前後方向に1スキップした内部歩進パタ
    ーンで前記ステータコイルに励磁電流を供給することを
    特徴とするセンサレス多相直流モータの起動方法。
  3. 【請求項3】 励磁状態で電流磁界を発生するステータ
    コイルを備えたステータと、このステータコイルの電流
    磁界との電磁相互作用により回転力を得るロータマグネ
    ットを備えたロータと、前記ステータコイルの誘起起電
    圧を検知する逆起電圧検出回路と、通電方向が休止期間
    を含まないで正から負または負から正に逆転する逆励磁
    駆動動作を有し、所定の内部歩進パターンで前記ステー
    タコイルに励磁電流を供給する第1および第2歩進工程
    とを有するセンサレス多相直流モータの起動方法におい
    て、 前記第1歩進工程と前記第2歩進工程との間に、前記逆
    起電圧検出回路からの逆起電圧に基づく前記ロータの回
    転位置に応じて励磁パターンを制御する第1加速工程を
    設け、 前記第2歩進工程は、前記第1加速工程の最終励磁パタ
    ーンから前後方向に2スキップした内部歩進パターンで
    前記ステータコイルに励磁電流を供給することを特徴と
    するセンサレス多相直流モータの起動方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のセンサレス多相直流モー
    タの起動方法において、前記第1加速工程に代えて、前
    記第1歩進工程の最終内部歩進ステップを維持する電流
    保持工程を設け、前記第2歩進工程は、前記最終内部歩
    進ステップから前後方向に2スキップした内部歩進パタ
    ーンで前記ステータコイルに励磁電流を供給することを
    特徴とするセンサレス多相直流モータの起動方法。
  5. 【請求項5】 前記第1歩進工程は、その内部歩進中
    に、通電方向が休止期間を含まないで逆転する逆励磁駆
    動動作を有することを特徴とする請求項1または2記載
    のセンサレス多相直流モータの起動方法。
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