JP3244781B2 - タイヤにおけるベルト補強材の巻付構造 - Google Patents
タイヤにおけるベルト補強材の巻付構造Info
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Description
補強材の巻付構造に係わり、更に詳しくは、タイヤの縦
振れ(Radial Run Out:RRO)の改善を図り、もって
ユニフォミティを向上することが出来るタイヤにおける
ベルト補強材の巻付構造に関するものである。
カーカスとトレッドとの間に配置されたベルト上の左右
両端部に、ベルト補強材としてジョイントレスストリッ
プ材が配設されている。このジョイントレスストリップ
材は、例えば、10mm幅の帯状のゴムシート内にその長
手方向に沿って補強用の繊維コードが埋設されて構成さ
れている。
への巻付構造は、それぞれ1重巻、或いは2重巻きで相
互にジョイントレスストリップ材がラップせずに突き合
わされた状態で螺旋状に巻付けられている。そして、ベ
ルト上の左端部と右端部とが左右対称となるように、左
右のジョイントレスストリップ材の巻付はベルト3上の
左右対称位置から巻始められている。
巻の場合には、タイヤの内側から外側へ、或いは外側か
ら内側へ向かって螺旋状に巻付けられている。2重巻き
の場合は、タイヤの内側から外側へ向かって螺旋状に巻
付け、折り返されて更に内側に向かって螺旋状に巻付け
られるか、またはその反対に外側から内側へ向かって螺
旋状に巻付け、折り返されて更に外側に向かって螺旋状
に巻付けられるようなっている。
ベルト補強材の巻付構造にあっては、ベルト上にジョイ
ントレスストリップ材をラップさせずに螺旋状に巻付け
ていくため、ベルトの周方向に対してジョイントレスス
トリップ材が傾斜した状態で巻付けられると共に巻付幅
が異なり、また2重巻きの場合は、さらに1重と2重の
巻付部が生じて、加硫工程時にリフトがかかった場合
に、ベルト幅変化がタイヤ周上で不均一になりRROが
悪化し、タイヤのユニフォミティに大きな影響を及ぼす
と言う問題があった。
出されたもので、RROの改善を図り、もってタイヤの
ユニフォミティを向上することが出来るタイヤにおける
ベルト補強材の巻付構造を提供することを目的とするも
のである。
成するために、カーカスとトレッドとの間に配置された
ベルト上の両端部に、それぞれ該ベルトのタイヤ幅方向
中心に対して相互に対称にストリップ補強材(4B、4
C)を螺旋状に複数回巻付け、かつ該ストリップ補強材
の巻付幅方向の内側端部に、それぞれタイヤ幅方向中心
に対して対称にタイヤ軸方向に直交するようにストリッ
プ補強材(4A)を環状に巻きつけてなることを要旨と
するものである。
両端部にタイヤ幅方向中心に対して対称にストリップ補
強材(4B、4C)を螺旋状に巻付け、かつ該ストリッ
プ補強材の巻付幅方向の内側端部に、それぞれストリッ
プ補強材(4A)をタイヤ幅方向中心に対して対称でか
つ環状に巻付けてあるため、加硫工程時にリフトがかか
った場合に、環状のストリップ補強材がベルト幅方向の
変化を均一的に拘束し、ベルト幅変化をタイヤ周上で均
一にしてRROを改善することが出来る。そして、RR
Oと相関性の高いTFV(Tangential Fo
rce Variation)を一層改善することを可
能にすることができる。
けたストリップ材の巻付幅方向の内側端部に配置したの
は、ベルト端部には自由度があり、螺旋状に巻き付けた
ストリップ材の巻付幅方向の外側の位置に環状のストリ
ップ補強材を配置しても、ベルト端部がずれてしまうた
め拘束力が強くなく、それに対し巻付幅方向の内側の位
置にあるベルトは自由度がないため、環状のストリップ
補強材による拘束力が強くなるためである。
実施例を説明する。図1は、タイヤの断面図を示し、1
は補強コードをすだれ状に並べてゴム付けし、タイヤの
内圧を保持すると共に荷重を支えるためのカーカス、2
はタイヤが転動するときに路面に接触して力の受渡しを
直接行うトレッド、3は前記トレッド2の幅に近い幅
で、前記カーカス1とトレッド2の間に設けられた補強
帯としてのベルトである。
ト3aと、トレッド2側の第1ベルト3aよりも幅が狭
い第2ベルト3bとからなり、このベルト3の左右両端
部に、細幅の帯状のゴムシート内にその長手方向に沿っ
て補強繊維コードが埋設されたベルト補強材4(ジョイ
ントレスストリップ材)が巻付けられている。この補強
材4は図2及び図3に示すように、第2ベルト3b上に
補強材4の巻付始端部4aが配置され、ベルト3の周上
に環状(ベルト3の幅方向に対して直角な方向)にスト
リップ補強材4Aが1周巻付けられた後、タイヤのショ
ルダー側に向かって1重巻目のストリップ補強材4Bが
ラップしないで、かつ補強材4のサイド相互が接した状
態で第1ベルト3aの端部までベルト3周上に螺旋状に
巻付けられている。
返されて2重巻目のストリップ補強材4Cが、1重巻目
と同様にしてタイヤのセンター側に向かって巻付けら
れ、補強材4の巻付終端部4bが巻付始端部4aとラッ
プするように構成されている。ベルト3周上の両側の補
強材4のそれぞれの巻付始端部4aは、ベルト3の周上
の対称線M−Mに対して対称となる位置に配置される。
従って、ベルト3周上の左右のベルト補強材4は左右対
称の構成である。
旋状に巻付けられた補強材4の巻付幅方向の内側端部
に、ストリップ補強材4Aをタイヤ幅方向中心に対して
対称に、ベルト幅方向に直行するように環状に巻付ける
ことにより、加硫工程時にリフトがかかった場合に、環
状のストリップ補強材4Aがベルト幅方向の変化を均一
的に拘束し、ベルト幅変化をタイヤ周上で均一にするこ
とにより、ストリップ補強材の巻付幅方向の内側端部か
らタイヤ幅方向内側部分の剛性変動が小さくなるため、
RROを改善することが出来る。RROを改善すること
が出来る。そして、RROと相関性の高いTFV(Ta
ngential Force Variation)
を一層改善することを可能にすることができる。
けたストリップ材の巻付幅方向の内側端部に配置したの
は、ベルト端部には自由度があり、螺旋状に巻き付けた
ストリップ材の巻付幅方向の外側の位置に環状のストリ
ップ補強材を配置しても、ベルト端部がずれてしまうた
め拘束力が強くなく、それに対し巻付幅方向の内側の位
置にあるベルトは自由度がないため、環状のストリップ
補強材による拘束力が 強くなるためである。
に環状のストリップ補強材4Aを巻付けた例を示す。補
強材4の1重巻目をタイヤのショルダー側に向かって巻
付ける場合には、第2ベルト3b上に補強材4の巻付始
端部4aを配置し、ベルト3の周上に環状にストリップ
補強材4Aが1周巻付けられた後、タイヤのショルダー
側に向かって1重巻目のストリップ補強材4Bが上述同
様に螺旋状に巻付けられている。
た際に、その折り返し部で環状のストリップ補強材4A
がさらに1周巻付けられた後、2重巻目のストリップ補
強材4Cが、1重巻目と同様にしてタイヤのセンター側
に向かって巻付けられている。後は上述同様である。ま
た補強材4の1重巻目をタイヤのセンター側に向かって
巻付ける場合には、第1ベルト3aの端部上に補強材4
の巻付始端部4aを配置して、上述同様の方法で1重巻
目をタイヤのセンター側、2重巻目をタイヤのショルダ
ー側に行えばよい。
旋状に巻付けられた補強材4の巻付幅方向の両側端部
に、ストリップ補強材4Aを対称でかつ環状に巻付ける
ことにより、加硫工程時にリフトがかかった場合におい
て、環状のストリップ補強材4Aがベルト幅方向の変化
の不均一を両側の2箇所で拘束するので、ベルト幅変化
をタイヤ周上でより均一にしてRROの改善をさらに図
ることが出来る。
巻付構造を実施して製造したタイヤ(実施例)のRRO
の測定結果を従来例の構造のタイヤ(従来例)と共に示
す。RROの測定はユニフォミティマシンに使用条件に
適合した内圧を加えた後、タイヤを毎分60回転の速度
で回転させ、その時のタイヤセンターに生ずる縦振れ変
動(RRO)を測定した。測定に用いられた実施例及び
従来例のタイヤは、共にタイヤサイズが215/65R
15(幅215mm/偏平率65%,リムサイズ15イン
チ)で、補強材は幅10mmのものを使用した。タイヤ構
成材料は共に同じ材料である。
び図3で説明した構造のもので、環状に巻付けられたス
トリップ補強材4Aをベルト3上の両端部に対称で螺旋
状に巻付けられた補強材4の巻付幅方向の内側端部にそ
れぞれ設けたものである。従来例は実施例において配置
された環状のストリップ補強材4Aが具備されていない
構造のものである。図5から明らかなように実施例は従
来例と比べて縦振れ変動が大幅に少ないことが判り、R
ROにおいて約30%の改善がなされている。また、縦
振れ変動の1次成分にあっては約40%の改善効果が得
られている。
ッドとの間に配置されたベルト上の両端部に、それぞれ
該ベルトのタイヤ幅方向中心に対して相互に対称にスト
リップ補強材(4B、4C)を螺旋状に複数回巻付け、
かつ該ストリップ補強材の巻付幅方向の内側端部に、そ
れぞれタイヤ幅方向中心に対して対称にタイヤ軸方向に
直交するようにストリップ補強材(4A)を環状に巻き
つけたため、加硫工程時にリフトがかかった場合に、環
状のストリップ補強材4Aがベルト幅方向の変化を均一
的に保って、ベルト幅変化をタイヤ周上で均一にしてR
ROを改善することが出来るのである。なお、前述した
実施例では補強材4が2重巻構造の場合を説明したが、
1重巻構造のものであっても同様であり、この発明は前
述の実施例に限定されることなく、前述の実施例以外の
態様であってもこの発明を実施しうるものである。
ト上の両端部にタイヤ幅方向中心に対して対称にストリ
ップ補強材(4B,4C)を螺旋状に巻付け、かつ該ス
トリップ補強材の巻付幅方向の内側端部に、それぞれス
トリップ補強材(4A)をタイヤ幅方向中心に対して対
称でかつ環状に巻付けてあるため、加硫工程時にリフト
がかかった場合に、環状のストリップ補強材がベルト幅
方向の変化を均一的に拘 束し、ベルト幅変化をタイヤ周
上で均一にしてRROを改善することが出来、このRR
Oと相関性の高いTFV(Tangential Fo
rce Variation)を一層改善することを可
能にし、タイヤのユニフォミティの向上を図ることが出
来る効果がある。
けたストリップ材の巻付幅方向の内側端部に配置したの
は、ベルト端部には自由度があり、螺旋状に巻き付けた
ストリップ材の巻付幅方向の外側の位置に環状のストリ
ップ補強材を配置しても、ベルト端部がずれてしまうた
め拘束力が強くなく、それに対し巻付幅方向の内側の位
置にあるベルトは自由度がないため、環状のストリップ
補強材による拘束力が強くなるためである。
ト補強材の巻付構造を示す説明図である。
である。
示す説明図である。
ストリップ補強材 4C 2重巻目のストリップ補強材
Claims (1)
- 【請求項1】 カーカスとトレッドとの間に配置された
ベルト上の両端部に、それぞれ該ベルトのタイヤ幅方向
中心に対して相互に対称にストリップ補強材(4B、4
C)を螺旋状に複数回巻付け、かつ該ストリップ補強材
の巻付幅方向の内側端部に、それぞれタイヤ幅方向中心
に対して対称にタイヤ軸方向に直交するようにストリッ
プ補強材(4A)を環状に巻きつけたタイヤにおけるベ
ルト補強材の巻付構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18706292A JP3244781B2 (ja) | 1992-07-14 | 1992-07-14 | タイヤにおけるベルト補強材の巻付構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18706292A JP3244781B2 (ja) | 1992-07-14 | 1992-07-14 | タイヤにおけるベルト補強材の巻付構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0632110A JPH0632110A (ja) | 1994-02-08 |
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Family
ID=16199489
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18706292A Expired - Lifetime JP3244781B2 (ja) | 1992-07-14 | 1992-07-14 | タイヤにおけるベルト補強材の巻付構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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-
1992
- 1992-07-14 JP JP18706292A patent/JP3244781B2/ja not_active Expired - Lifetime
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