JP3244499B2 - 指股付安全靴の金属芯製造方法及びこれを用いた指股付安全靴 - Google Patents
指股付安全靴の金属芯製造方法及びこれを用いた指股付安全靴Info
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- JP3244499B2 JP3244499B2 JP2000150370A JP2000150370A JP3244499B2 JP 3244499 B2 JP3244499 B2 JP 3244499B2 JP 2000150370 A JP2000150370 A JP 2000150370A JP 2000150370 A JP2000150370 A JP 2000150370A JP 3244499 B2 JP3244499 B2 JP 3244499B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築現場や土木現
場において、特に高所作業者が履くに適した指股付安全
靴の金属芯製造方法と、これを用いた指股付安全靴に関
する。
場において、特に高所作業者が履くに適した指股付安全
靴の金属芯製造方法と、これを用いた指股付安全靴に関
する。
【0002】
【従来の技術】建築現場や土木現場においては、落下物
や衝突から作業者の足先を保護するため、作業者は鉄芯
を内蔵した安全靴を履くのが通例である。この安全靴
は、使用目的の観点から、靴底部分が固く、しかも鉄芯
は足先の5本の指を一体に保護するように、足先全体を
覆う略半割椀型状(伏せたお椀を半割した立体形状で、
靴底に対面する側の下縁と足の指を挿入する立ち上がり
縁とを周縁とする)に形成してあった。すなわち、鉄芯
の範囲に指の動きが規制され、安全性は確保できるもの
の、足先に力を入れて踏ん張ることが難しく、高所作業
者には不向きな安全靴であった。
や衝突から作業者の足先を保護するため、作業者は鉄芯
を内蔵した安全靴を履くのが通例である。この安全靴
は、使用目的の観点から、靴底部分が固く、しかも鉄芯
は足先の5本の指を一体に保護するように、足先全体を
覆う略半割椀型状(伏せたお椀を半割した立体形状で、
靴底に対面する側の下縁と足の指を挿入する立ち上がり
縁とを周縁とする)に形成してあった。すなわち、鉄芯
の範囲に指の動きが規制され、安全性は確保できるもの
の、足先に力を入れて踏ん張ることが難しく、高所作業
者には不向きな安全靴であった。
【0003】高所作業者には、安全靴よりも地下足袋が
好まれている。理由は、(1)地下足袋は足先に指股を有
し、親指と残る4本の指が分かれている上、(2)靴底が
柔軟であるため、足の指の動きに自由があり、足先に力
を入れて踏ん張ることが可能であったからである。そこ
で、こうした地下足袋の構造上の特徴を取り入れて開発
したものが、実用新案登録第3056780号「高所作業用指
股付安全靴」である。各部位に、それまでの安全靴には
用いられなかった柔軟素材を配しているほか、指の保護
のために内蔵した鉄芯が、親指部と残余指部とに分割さ
れていることを特徴としている。
好まれている。理由は、(1)地下足袋は足先に指股を有
し、親指と残る4本の指が分かれている上、(2)靴底が
柔軟であるため、足の指の動きに自由があり、足先に力
を入れて踏ん張ることが可能であったからである。そこ
で、こうした地下足袋の構造上の特徴を取り入れて開発
したものが、実用新案登録第3056780号「高所作業用指
股付安全靴」である。各部位に、それまでの安全靴には
用いられなかった柔軟素材を配しているほか、指の保護
のために内蔵した鉄芯が、親指部と残余指部とに分割さ
れていることを特徴としている。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】鉄芯を2分割した上記
安全靴は、確かに構造的には地下足袋に近付き、足の指
の動きに自由度が与えられたが、それは期待した程のも
のではなかった。なぜなら、鉄芯を内蔵したことによ
り、どうしても足先の甲被と靴底との接合構造が複雑に
なり、地下足袋に比べて動きを制限する方向に働いてい
たからである。また、足先に力を込めて踏ん張ろうとし
た時、親指と人指し指との間が鉄芯の周縁角部に摺って
しまい、作業者の足の指を傷つける虞も見られた。そこ
で、地下足袋の単なる適用ではなく、安全靴に適した構
成の2分割金属芯について検討し、安全性と使用感とを
両立させる新しい安全靴を検討した。
安全靴は、確かに構造的には地下足袋に近付き、足の指
の動きに自由度が与えられたが、それは期待した程のも
のではなかった。なぜなら、鉄芯を内蔵したことによ
り、どうしても足先の甲被と靴底との接合構造が複雑に
なり、地下足袋に比べて動きを制限する方向に働いてい
たからである。また、足先に力を込めて踏ん張ろうとし
た時、親指と人指し指との間が鉄芯の周縁角部に摺って
しまい、作業者の足の指を傷つける虞も見られた。そこ
で、地下足袋の単なる適用ではなく、安全靴に適した構
成の2分割金属芯について検討し、安全性と使用感とを
両立させる新しい安全靴を検討した。
【0005】
【課題を解決するための手段】検討の結果開発したもの
が、親指部及び残余指部に2分割して足先に内蔵する金
属芯それぞれが靴底に対面する側の下縁と足の指を挿入
する側の立ち上がり縁とを有する略半割椀型形状である
指股付安全靴を作るに際し、左右一対の金属芯が各立ち
上がり縁を突き合わせたような平面視ハート形状の金属
製容器を金属板から絞り出し加工によって成形し、この
金属製容器を半割して製造して左右一対の金属芯とする
指股付安全靴の金属芯製造方法である。更に、半割した
金属製容器それぞれの下縁と立ち上がり縁とが形成する
周縁角部を切り欠くとよい。左右一対の金属芯が各立ち
上がり縁を突き合わせたような平面視ハート形状の金属
製容器を製造することで、割れの生じない良質の絞り出
し加工を可能とし、金属芯製造の歩留まりを向上させ
る。周縁角部を切り欠くのは、金属容器の状態又は分割
後のいずれでもよい。
が、親指部及び残余指部に2分割して足先に内蔵する金
属芯それぞれが靴底に対面する側の下縁と足の指を挿入
する側の立ち上がり縁とを有する略半割椀型形状である
指股付安全靴を作るに際し、左右一対の金属芯が各立ち
上がり縁を突き合わせたような平面視ハート形状の金属
製容器を金属板から絞り出し加工によって成形し、この
金属製容器を半割して製造して左右一対の金属芯とする
指股付安全靴の金属芯製造方法である。更に、半割した
金属製容器それぞれの下縁と立ち上がり縁とが形成する
周縁角部を切り欠くとよい。左右一対の金属芯が各立ち
上がり縁を突き合わせたような平面視ハート形状の金属
製容器を製造することで、割れの生じない良質の絞り出
し加工を可能とし、金属芯製造の歩留まりを向上させ
る。周縁角部を切り欠くのは、金属容器の状態又は分割
後のいずれでもよい。
【0006】こうして製造できる指股付安全靴は、親指
部及び残余指部に2分割して足先に内蔵する金属芯それ
ぞれが靴底に対面する側の下縁と足の指を挿入する側の
立ち上がり縁とを有する略半割椀型形状である指股付安
全靴において、前記下縁と立ち上がり縁とが形成する周
縁角部を切り欠き、立ち上がり縁を靴底に対して離隔し
た構造となる。切り欠く周縁角部は、親指と人指し指と
の間にあたる各金属芯の内側を基本とし、必要により外
側も併せて切り欠くとよい。
部及び残余指部に2分割して足先に内蔵する金属芯それ
ぞれが靴底に対面する側の下縁と足の指を挿入する側の
立ち上がり縁とを有する略半割椀型形状である指股付安
全靴において、前記下縁と立ち上がり縁とが形成する周
縁角部を切り欠き、立ち上がり縁を靴底に対して離隔し
た構造となる。切り欠く周縁角部は、親指と人指し指と
の間にあたる各金属芯の内側を基本とし、必要により外
側も併せて切り欠くとよい。
【0007】本発明の指股付安全靴の基本構造は、従来
の安全靴一般と同様である。すなわち、足の甲部と膝下
脚部を被覆するアッパーと、硬度40〜50mg/Lのアメゴ
ム製靴底と、特殊厚織布製の中底とからなる編上げ式深
靴である。特徴は、地下足袋用に親指部及び残指部に分
離して指股を形成し、アッパーの甲部内で親指部及び残
指部それぞれに金属芯を内蔵した点にある。しかも、各
指部に対応して2つの金属芯を隣接して内蔵することに
より、親指と人指し指との間が擦れ合わないように、各
金属芯の周縁角部を切り欠き、立ち上がり縁と靴底に対
して離隔させたことで、指股付安全靴の履き心地を改善
した。
の安全靴一般と同様である。すなわち、足の甲部と膝下
脚部を被覆するアッパーと、硬度40〜50mg/Lのアメゴ
ム製靴底と、特殊厚織布製の中底とからなる編上げ式深
靴である。特徴は、地下足袋用に親指部及び残指部に分
離して指股を形成し、アッパーの甲部内で親指部及び残
指部それぞれに金属芯を内蔵した点にある。しかも、各
指部に対応して2つの金属芯を隣接して内蔵することに
より、親指と人指し指との間が擦れ合わないように、各
金属芯の周縁角部を切り欠き、立ち上がり縁と靴底に対
して離隔させたことで、指股付安全靴の履き心地を改善
した。
【0008】金属芯は、例えば、耐圧度及び耐衝撃度に
おいてJIS-L級標準、好ましくはJIS-S級標準を満たす鉄
芯を用いる。具体的な金属芯の構造は、上記周縁角部の
切り欠きを除く下縁を内向きに折り返して押え面を形成
し、この押え面を中底により押さえ込むようにする。ま
た、周縁角部の切り欠きを除く立ち上がり縁に対して、
帯状緩衝シートを取り付けると、足の指と立ち上がり縁
との擦れ合いが緩和され、履き心地が改善される。この
場合、帯状緩衝シートは接着剤による貼着が最も簡易な
取付手段となるが、このために、金属芯に施す防錆処理
が接着性を損ねないものを採用する。一般には、防錆用
に金属芯に塗料を塗布するので、この塗料に接着性が存
在すればよい。
おいてJIS-L級標準、好ましくはJIS-S級標準を満たす鉄
芯を用いる。具体的な金属芯の構造は、上記周縁角部の
切り欠きを除く下縁を内向きに折り返して押え面を形成
し、この押え面を中底により押さえ込むようにする。ま
た、周縁角部の切り欠きを除く立ち上がり縁に対して、
帯状緩衝シートを取り付けると、足の指と立ち上がり縁
との擦れ合いが緩和され、履き心地が改善される。この
場合、帯状緩衝シートは接着剤による貼着が最も簡易な
取付手段となるが、このために、金属芯に施す防錆処理
が接着性を損ねないものを採用する。一般には、防錆用
に金属芯に塗料を塗布するので、この塗料に接着性が存
在すればよい。
【0009】この金属芯は、アッパーの甲部の表布及び
裏布の間に介装することになる。このとき、金属芯内面
と裏布との間に、緩衝シートを介装するとよい。この場
合、緩衝シートが直接金属芯内面に擦れ合って破損しな
いように、金属芯内面と緩衝シートとの間へ更に中布を
介装する。表布に対しては、金属芯に相当する範囲へ冠
皮又は布を取り付ける。これから、金属芯を含むアッパ
ーの甲部断面構造は、内側より裏布、緩衝シート、中
布、金属芯、表布、そして甲皮又は布の6層構造とな
る。ここで、金属芯はあくまで親指部と残指部とに分か
れているため、指股付近の強度が相対的に弱くなる虞れ
があるので、指股近傍の甲部中央のアッパー表布に対
し、緩衝シートを介した補強皮を別途取り付ける。
裏布の間に介装することになる。このとき、金属芯内面
と裏布との間に、緩衝シートを介装するとよい。この場
合、緩衝シートが直接金属芯内面に擦れ合って破損しな
いように、金属芯内面と緩衝シートとの間へ更に中布を
介装する。表布に対しては、金属芯に相当する範囲へ冠
皮又は布を取り付ける。これから、金属芯を含むアッパ
ーの甲部断面構造は、内側より裏布、緩衝シート、中
布、金属芯、表布、そして甲皮又は布の6層構造とな
る。ここで、金属芯はあくまで親指部と残指部とに分か
れているため、指股付近の強度が相対的に弱くなる虞れ
があるので、指股近傍の甲部中央のアッパー表布に対
し、緩衝シートを介した補強皮を別途取り付ける。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態について図
を参照して説明する。図1は本発明を適用した指股付安
全靴の一例を示す平面図、図2は同安全靴における足先
に内蔵した鉄芯1,2を左斜め後方から概観した斜視
図、図3は同鉄芯の残指部2における断面図、図4は使
用者が指3を曲げた状態を表す図3相当断面図である。
を参照して説明する。図1は本発明を適用した指股付安
全靴の一例を示す平面図、図2は同安全靴における足先
に内蔵した鉄芯1,2を左斜め後方から概観した斜視
図、図3は同鉄芯の残指部2における断面図、図4は使
用者が指3を曲げた状態を表す図3相当断面図である。
【0011】本例の安全靴は、図1及び図3に見られる
ように、足の甲部から足首上方までを覆うアッパー4
と、硬度40〜50mg/Lのアメゴム製靴底5と、特殊厚織
布製中底6とからなる編上げ式深靴である。特徴となる
足先は、地下足袋様に指股7を形成して親指部1と残指
部2とに分かれた鉄芯(金属芯、JIS-S級標準)を内蔵し
ている。この鉄芯1,2は、アッパー4の裏布8と表布
9との間に介装するが、特に鉄芯1、2と裏布8との間
には、表側に中布10を有する緩衝シート(ウレタン)11を
介装している。このうち、表布9、中布10及び裏布8
は、一体に吊り込み積層して靴底5に対して接合してい
る。そして、鉄芯1,2の円弧状下縁12から内向きに折
り返した押え面13を中底で押さえ込んで、靴底5に対す
る鉄芯1,2の位置安定性を確保している。アッパー4
の甲部には鉄芯1,2相当範囲に補強用の冠皮14を取り
付け、更に指股7補強用に別途補強皮15を取り付けてい
る。
ように、足の甲部から足首上方までを覆うアッパー4
と、硬度40〜50mg/Lのアメゴム製靴底5と、特殊厚織
布製中底6とからなる編上げ式深靴である。特徴となる
足先は、地下足袋様に指股7を形成して親指部1と残指
部2とに分かれた鉄芯(金属芯、JIS-S級標準)を内蔵し
ている。この鉄芯1,2は、アッパー4の裏布8と表布
9との間に介装するが、特に鉄芯1、2と裏布8との間
には、表側に中布10を有する緩衝シート(ウレタン)11を
介装している。このうち、表布9、中布10及び裏布8
は、一体に吊り込み積層して靴底5に対して接合してい
る。そして、鉄芯1,2の円弧状下縁12から内向きに折
り返した押え面13を中底で押さえ込んで、靴底5に対す
る鉄芯1,2の位置安定性を確保している。アッパー4
の甲部には鉄芯1,2相当範囲に補強用の冠皮14を取り
付け、更に指股7補強用に別途補強皮15を取り付けてい
る。
【0012】このほか、本例の安全靴は、(1)多数の突
起をグループ単位の向きを様々に変えながら複雑なパタ
ーンを形成して滑り止めを構成した靴底5とし、とりわ
け(2)爪先及び踵に相応する靴底5に防滑用吸盤を設
け、前記滑り止めと防滑用吸盤との働きにより、足の滑
りを防止し、踏張りが利き、作業の安全性を確保できる
安全靴としている。また、底上げした踵部内部に、軟質
弾性材により多数の通気孔を設け、通気性衝撃吸収材
(エアークッション)を埋設内蔵している。アッパー4
は、各所に皮革を取り付けて補強しており、このアッパ
ー4前面中央部に縫着した皮革16にハトメ17を穿設し
て、このハトメ17に編上げ靴紐18を通している。履き口
19には、前面上部にベロ20を設けている。このベロ20に
は、適宜靴紐18の乱れを防止するため、靴紐、特に靴紐
の結び目を押さえ付ける面ファスナーを取り付けるとよ
い。履き口19は、チャック21により開閉自在になってい
る。
起をグループ単位の向きを様々に変えながら複雑なパタ
ーンを形成して滑り止めを構成した靴底5とし、とりわ
け(2)爪先及び踵に相応する靴底5に防滑用吸盤を設
け、前記滑り止めと防滑用吸盤との働きにより、足の滑
りを防止し、踏張りが利き、作業の安全性を確保できる
安全靴としている。また、底上げした踵部内部に、軟質
弾性材により多数の通気孔を設け、通気性衝撃吸収材
(エアークッション)を埋設内蔵している。アッパー4
は、各所に皮革を取り付けて補強しており、このアッパ
ー4前面中央部に縫着した皮革16にハトメ17を穿設し
て、このハトメ17に編上げ靴紐18を通している。履き口
19には、前面上部にベロ20を設けている。このベロ20に
は、適宜靴紐18の乱れを防止するため、靴紐、特に靴紐
の結び目を押さえ付ける面ファスナーを取り付けるとよ
い。履き口19は、チャック21により開閉自在になってい
る。
【0013】本例の鉄芯1,2は、図2に見られる外観
を有する。鉄芯は、親指に対応した親指部1と、残る四
つ指に対応した残指部2とに完全に分かれた一組の塑性
加工部材(絞り出し加工品)からなる。鉄芯1,2それぞ
れは、靴底5に接する押え面13を内向きに形成した円弧
状下縁12と、足の指3を挿入する円弧状立ち上がり縁22
とを有する略半割椀型形状である。本例では、立ち上が
り縁22に別途帯状緩衝シート23を接着している。この帯
状緩衝シート23は、図3に見られるように、段差24を有
する薄い合成樹脂シートで、前記段差24を各鉄芯1,2
内面から立ち上がり縁22に係合するようにして宛てが
い、鉄芯1,2内面から接着する。
を有する。鉄芯は、親指に対応した親指部1と、残る四
つ指に対応した残指部2とに完全に分かれた一組の塑性
加工部材(絞り出し加工品)からなる。鉄芯1,2それぞ
れは、靴底5に接する押え面13を内向きに形成した円弧
状下縁12と、足の指3を挿入する円弧状立ち上がり縁22
とを有する略半割椀型形状である。本例では、立ち上が
り縁22に別途帯状緩衝シート23を接着している。この帯
状緩衝シート23は、図3に見られるように、段差24を有
する薄い合成樹脂シートで、前記段差24を各鉄芯1,2
内面から立ち上がり縁22に係合するようにして宛てが
い、鉄芯1,2内面から接着する。
【0014】この鉄芯の特徴的部分は、親指部1と残指
部2との対向する内面において、前記円弧状下縁12と円
弧状立ち上がり縁22とが形成する周縁角部25をそれぞれ
切り欠き、立ち上がり縁22と靴底部5とを離隔している
点にある。図2に明らかであるが、前記切り欠きによっ
て、各鉄芯1,2に挿入する親指と人指し指との間には
鉄芯1,2の壁面が存在しない指股7が形成できるよう
になり、使用者は指を傷めることなく本発明の安全靴を
使用できる。
部2との対向する内面において、前記円弧状下縁12と円
弧状立ち上がり縁22とが形成する周縁角部25をそれぞれ
切り欠き、立ち上がり縁22と靴底部5とを離隔している
点にある。図2に明らかであるが、前記切り欠きによっ
て、各鉄芯1,2に挿入する親指と人指し指との間には
鉄芯1,2の壁面が存在しない指股7が形成できるよう
になり、使用者は指を傷めることなく本発明の安全靴を
使用できる。
【0015】更に、本例では、立ち上がり縁22に沿って
各鉄芯1、2に帯状緩衝シート23を取り付けているの
で、例えば図3の状態から指3を曲げて図4の状態に至
った場合でも、指3が直接鉄芯2の立ち上がり縁22に押
し付けられることがなくなるので、鉄芯を持たない従来
の安全靴同様に本発明の指股付安全靴を使用できる。安
全靴の使用にあたっては、とりわけ足の踏ん張りが利く
ことが望ましい。踏ん張りを利かせるには、上述したよ
うな靴底5の構造についての改良はもちろんであるが、
実際に履いた際の使用感を改善することによって、より
十分なものにすることができる。
各鉄芯1、2に帯状緩衝シート23を取り付けているの
で、例えば図3の状態から指3を曲げて図4の状態に至
った場合でも、指3が直接鉄芯2の立ち上がり縁22に押
し付けられることがなくなるので、鉄芯を持たない従来
の安全靴同様に本発明の指股付安全靴を使用できる。安
全靴の使用にあたっては、とりわけ足の踏ん張りが利く
ことが望ましい。踏ん張りを利かせるには、上述したよ
うな靴底5の構造についての改良はもちろんであるが、
実際に履いた際の使用感を改善することによって、より
十分なものにすることができる。
【0016】次に、残指部2を挙げて、具体的な鉄芯2
の製造手順について説明する。図5は平板からプレス加
工により平面視略ハート形状に膨出させて形成した金属
製容器26の斜視図、図6は前記金属製容器26を半割した
状態を表した図5相当斜視図、図7は半割した金属製容
器26の一方における円弧状下縁12と円弧状立ち上がり縁
22とのが形成する周縁角部25を切り欠いた状態を表した
図5相当斜視図、図8は切り欠いた周縁角部25を除く円
弧状下縁12を内向きに折り返して押え面13を形成した状
態を表した図5相当斜視図であり、図9は切り欠いた周
縁角部25を除く円弧状立ち上がり縁22に帯状緩衝シート
23を取り付けた状態を表した図5相当斜視図である。
の製造手順について説明する。図5は平板からプレス加
工により平面視略ハート形状に膨出させて形成した金属
製容器26の斜視図、図6は前記金属製容器26を半割した
状態を表した図5相当斜視図、図7は半割した金属製容
器26の一方における円弧状下縁12と円弧状立ち上がり縁
22とのが形成する周縁角部25を切り欠いた状態を表した
図5相当斜視図、図8は切り欠いた周縁角部25を除く円
弧状下縁12を内向きに折り返して押え面13を形成した状
態を表した図5相当斜視図であり、図9は切り欠いた周
縁角部25を除く円弧状立ち上がり縁22に帯状緩衝シート
23を取り付けた状態を表した図5相当斜視図である。
【0017】図1からも分かるように、本発明の鉄芯2
は大きさが比較的小さく割に膨出深さがあるため、左右
それぞれの鉄芯2を個別にプレス加工して製造しようと
すると、割れが生じる虞れがある。幸いに左右の鉄芯2
は対称構造を有しているので、本発明では、膨出の段階
では左右を一体に加工して中間加工品として金属製容器
26を構成し、この金属製容器26を半割して、周縁角部25
の切り欠き、押え面13の形成を経て、左右一対の鉄芯2
を同時に製造することとした。これにより、一度に膨出
する容積は大きくなるので割れが少なくなると共に、効
率よく一足分ずつの鉄芯2を製造できるようになる。
は大きさが比較的小さく割に膨出深さがあるため、左右
それぞれの鉄芯2を個別にプレス加工して製造しようと
すると、割れが生じる虞れがある。幸いに左右の鉄芯2
は対称構造を有しているので、本発明では、膨出の段階
では左右を一体に加工して中間加工品として金属製容器
26を構成し、この金属製容器26を半割して、周縁角部25
の切り欠き、押え面13の形成を経て、左右一対の鉄芯2
を同時に製造することとした。これにより、一度に膨出
する容積は大きくなるので割れが少なくなると共に、効
率よく一足分ずつの鉄芯2を製造できるようになる。
【0018】原材料となる鉄板は平板であれば外形状は
問わないが、端材を少なくするために、予め略ハート形
状の外形にした鉄板を用いるとよい。こうした鉄板を、
まず図5に見られるように、プレス加工により平面視略
ハート形状に膨出させて金属製容器26に成形する。膨出
面27が対称に傾斜している場合は、対称軸線に山筋28が
形成される。本例では、図6に見られるように、金属製
容器26を半割する。図6においては、奥側の半割分が図
1以下に例示した残指部2となり、手前側の半割分が図
示を省略した左足用の残指部となる。以下では奥側の半
割分についてのみ説明するが、残る半割分も同様に加工
する。図5及び図6を比較して分かるように、プレス加
工の段階では金属製容器26の容積が残指部2の2倍にな
っており、割れの虞れが少なくなっている。
問わないが、端材を少なくするために、予め略ハート形
状の外形にした鉄板を用いるとよい。こうした鉄板を、
まず図5に見られるように、プレス加工により平面視略
ハート形状に膨出させて金属製容器26に成形する。膨出
面27が対称に傾斜している場合は、対称軸線に山筋28が
形成される。本例では、図6に見られるように、金属製
容器26を半割する。図6においては、奥側の半割分が図
1以下に例示した残指部2となり、手前側の半割分が図
示を省略した左足用の残指部となる。以下では奥側の半
割分についてのみ説明するが、残る半割分も同様に加工
する。図5及び図6を比較して分かるように、プレス加
工の段階では金属製容器26の容積が残指部2の2倍にな
っており、割れの虞れが少なくなっている。
【0019】次に、図7に見られるように、得られた金
属製容器26の半割分における円弧状下縁12と円弧状立ち
上がり縁22とのが形成する周縁角部25を切り欠き、続い
て図8に見られるように、周縁角部25を除く円弧状下縁
12を内向きに折り返して押え面13を形成すれば、基本的
な加工が終了する。最後に、図9に見られるように、周
縁角部を除く立ち上がり縁22に帯状緩衝シート23を接着
すれば、図1以下に示した残指部2ができあがる。本例
では、立ち上がり縁22が形成する平面視輪郭を直線とし
た(図1参照)ため、金属製容器26を半割してそのまま残
指部2としているが、前記平面視輪郭を円弧状にする場
合、周縁角部を切り欠く際に、併せて立ち上がり縁の平
面視輪郭を円弧状に形成すればよい。
属製容器26の半割分における円弧状下縁12と円弧状立ち
上がり縁22とのが形成する周縁角部25を切り欠き、続い
て図8に見られるように、周縁角部25を除く円弧状下縁
12を内向きに折り返して押え面13を形成すれば、基本的
な加工が終了する。最後に、図9に見られるように、周
縁角部を除く立ち上がり縁22に帯状緩衝シート23を接着
すれば、図1以下に示した残指部2ができあがる。本例
では、立ち上がり縁22が形成する平面視輪郭を直線とし
た(図1参照)ため、金属製容器26を半割してそのまま残
指部2としているが、前記平面視輪郭を円弧状にする場
合、周縁角部を切り欠く際に、併せて立ち上がり縁の平
面視輪郭を円弧状に形成すればよい。
【0020】
【発明の効果】本発明は、単なる地下足袋の構造の適用
ではなく、安全靴における指股構造を提供し、2分割金
属芯を用いながら、安全性と使用感とを両立させること
ができるようになる。基本的に、足先に地下足袋様の指
股を設けたことで、親指と四つ指の動きが独立し、足先
に力を入れやすく、フットワークに優れた安全靴を提供
できるようになる。加えて、金属芯による足の指の擦
れ、傷付きの虞れがなくなっているので、金属芯の存在
を気にすることなく足先に力を入れることができる。こ
れは、とりわけ高所作業を容易にし、ひいては事故防止
につながる効果を生み出すのである。
ではなく、安全靴における指股構造を提供し、2分割金
属芯を用いながら、安全性と使用感とを両立させること
ができるようになる。基本的に、足先に地下足袋様の指
股を設けたことで、親指と四つ指の動きが独立し、足先
に力を入れやすく、フットワークに優れた安全靴を提供
できるようになる。加えて、金属芯による足の指の擦
れ、傷付きの虞れがなくなっているので、金属芯の存在
を気にすることなく足先に力を入れることができる。こ
れは、とりわけ高所作業を容易にし、ひいては事故防止
につながる効果を生み出すのである。
【0021】また、本発明では、こうした金属芯の製造
を効率化し、生産性の高い指股付安全靴の提供を実現す
る。特に、中間加工品として金属製容器を構成すること
により、割れのないプレス加工を実現することができ、
これまで作られていた指股付安全靴の金属芯に比べて、
より硬い材料を用いることができるようになり、金属芯
の性能向上も図ることができる。実際に、これまでは加
工の観点からJIS-L級標準を満たす鉄芯しか作られてい
なかったが、本発明の製造方法を用いることで、より強
度の高いJIS-S級標準を満たす鉄芯の製造も可能となっ
ている。このように、本発明は、高所作業用の安全靴の
安全性及び使用感を両立しながら、共に改善する技術を
提供するのである。
を効率化し、生産性の高い指股付安全靴の提供を実現す
る。特に、中間加工品として金属製容器を構成すること
により、割れのないプレス加工を実現することができ、
これまで作られていた指股付安全靴の金属芯に比べて、
より硬い材料を用いることができるようになり、金属芯
の性能向上も図ることができる。実際に、これまでは加
工の観点からJIS-L級標準を満たす鉄芯しか作られてい
なかったが、本発明の製造方法を用いることで、より強
度の高いJIS-S級標準を満たす鉄芯の製造も可能となっ
ている。このように、本発明は、高所作業用の安全靴の
安全性及び使用感を両立しながら、共に改善する技術を
提供するのである。
【図1】本発明を適用した指股付安全靴の一例を示す平
面図である。
面図である。
【図2】同安全靴における鉄芯を左斜め後方から概観し
た斜視図である。
た斜視図である。
【図3】同鉄芯の残指部における断面図である。
【図4】使用者が指を曲げた状態を表す図3相当断面図
である。
である。
【図5】平板からプレス加工により平面視略ハート形状
に膨出させて形成した金属製容器の斜視図である。
に膨出させて形成した金属製容器の斜視図である。
【図6】前記金属製容器を半割した状態を表した図5相
当斜視図である。
当斜視図である。
【図7】半割した金属製容器の一方における円弧状下縁
と円弧状立ち上がり縁とが形成する周縁角部を切り欠い
た状態を表した図5相当斜視図である。
と円弧状立ち上がり縁とが形成する周縁角部を切り欠い
た状態を表した図5相当斜視図である。
【図8】切り欠いた周縁角部を除く円弧状下縁を内向き
に折り返して押え面を形成した状態を表した図5相当斜
視図である。
に折り返して押え面を形成した状態を表した図5相当斜
視図である。
【図9】切り欠いた周縁角部を除く円弧状立ち上がり縁
に帯状緩衝シートを取り付けた状態を表した図5相当斜
視図である。
に帯状緩衝シートを取り付けた状態を表した図5相当斜
視図である。
1 鉄芯(金属芯、親指部) 2 鉄芯(金属芯、残指部) 12 円弧状下縁 22 円弧状立ち上がり縁 25 周縁角部 26 金属製容器
Claims (2)
- 【請求項1】 親指部及び残余指部に2分割して足先に
内蔵する金属芯それぞれが靴底に対面する側の下縁と足
の指を挿入する側の立ち上がり縁とを有する略半割椀型
形状である指股付安全靴を作るに際し、左右一対の金属
芯が各立ち上がり縁を突き合わせたような平面視ハート
形状の金属製容器を金属板から絞り出し加工によって成
形し、該金属製容器を半割し、半割した金属製容器それ
ぞれの下縁と立ち上がり縁とが形成する周縁角部を切り
欠いて左右一対の金属芯とする指股付安全靴の金属芯製
造方法。 - 【請求項2】 親指部及び残余指部に2分割して足先に
内蔵する金属芯それぞれが靴底に対面する側の下縁と足
の指を挿入する側の立ち上がり縁とを有する略半割椀型
形状である指股付安全靴において、前記下縁と立ち上が
り縁とが形成する周縁角部を切り欠き、立ち上がり縁を
靴底に対して離隔したことを特徴とする指股付安全靴。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000150370A JP3244499B2 (ja) | 2000-05-22 | 2000-05-22 | 指股付安全靴の金属芯製造方法及びこれを用いた指股付安全靴 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000150370A JP3244499B2 (ja) | 2000-05-22 | 2000-05-22 | 指股付安全靴の金属芯製造方法及びこれを用いた指股付安全靴 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001327306A JP2001327306A (ja) | 2001-11-27 |
JP3244499B2 true JP3244499B2 (ja) | 2002-01-07 |
Family
ID=18656094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000150370A Expired - Lifetime JP3244499B2 (ja) | 2000-05-22 | 2000-05-22 | 指股付安全靴の金属芯製造方法及びこれを用いた指股付安全靴 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3244499B2 (ja) |
-
2000
- 2000-05-22 JP JP2000150370A patent/JP3244499B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001327306A (ja) | 2001-11-27 |
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