JP2014138635A - ヒールカウンターおよび靴 - Google Patents

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祥雅 櫻井
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Abstract

【課題】靴の脱ぎやすさとともにアッパー体の踵部を補強したヒールカウンターを提供する。
【解決手段】靴の踵部分に取り付けられるヒールカウンターであって、アッパー体5を構成する外皮の踵部外周面に沿って装着される弾性変形可能なゴム若しくは合成樹脂によって形成された円弧状の湾曲部を有する基部と、前記円弧状の湾曲部を含む前記基部の表面から突出するように設けられた凸条15を有し、当該凸条15は内足側から外足側に連続する円弧状の外縁19を有するとともに、凸条の内足側は左右の靴を並べて接近させた場合に他方の靴が有する凸条と重なり合うことができるように設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、靴の踵部外周に取り付けるヒールカウンターおよび当該ヒールカウンターを設けた靴に関するものである。
従来の作業靴には、特許文献1の図8に示すような月形芯が設けられている。当該月形芯は、足入れ部を形成するアッパー体の踵部に設けられるものであって、アッパー体を構成する表皮と内装布の間に挿入される半円形の芯である。このような月形芯は、アッパー体の踵部を補強して型くずれを防ぎ、形状を保つ目的で設けられているものである。
しかしながら、従来の月形芯は、踵部の補強と型くずれの防止を目的とするものであって靴の脱ぎやすさを目的としたものではなかった。また、アッパー体と靴底の接合部の踏みつけによる損傷防止を考慮したものではなかった。さらに、踵部の踏みつけによるアッパー体の踵潰れの改善を考慮したものではなかった。
特開2011−45654号公報
本願発明は、上記の課題に鑑み発明されたものであって、靴の脱ぎやすさとともにアッパー体の踵部を補強すること目的としたヒールカウンターおよび当該ヒールカウンターを装着した靴を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明は以下の構成を有する。すなわち、靴に取り付けるヒールカウンターであって、
アッパー体を構成する外皮の踵部外周面に沿って装着される弾性変形可能なゴム若しくは合成樹脂によって形成された円弧状の湾曲部を有する基部と、
前記円弧状の湾曲部を含む前記基部の表面から突出するように設けられた凸条を有し、
当該凸条は内足側から外足側に連続する円弧状の外縁を有するとともに、
内足側の凸条は、左右の靴を並べて接近させた場合に他方の靴が有する凸条と重なり合うことができるように設けられていること特徴とする。
基部はアッパー体に対する取付部位の形状にあわせて予め成型された1〜2mm程度の肉厚を有するシート状の部分である。当該基部は、展開すると半円に近い形状を成すものであり、一般的に月形芯等と称されるものと同様にアッパー体を構成する外皮の踵部外周面に取り付けられるものである。当該基部は、縫い糸による逢着若しくは接着剤を用いた接着と逢着によって柔軟なアッパー体に取り付けられるものであるから、当該アッパー体の柔軟性を極度に損なわないように適度な弾性を有する素材が用いられる。
基部は踵の後部外周を覆うように配置されるものであるから円弧状の湾曲部を有しており、その表面に当該円弧状の湾曲部を含めて内足側から外足側に連続する円弧状の外縁を有する凸条を有している。このため凸条は、平面視において薄い三日月状、U字状若しくは馬蹄形状といった形状を成している。当該凸条は、靴を脱ぐ際に左右の靴の踵部を擦りあわせるようにすることで一方の靴で他方の靴を押さえるものであるから、他方の靴側に突出しているものである。
また、本願発明は、靴に取り付けるヒールカウンターであって、
アッパー体を構成する外皮の踵部外周面に沿って装着される弾性変形可能なゴム若しくは合成樹脂によって形成された円弧状の湾曲部を有する基部と、
前記円弧状の湾曲部を含む前記基部の表面から突出するように設けられた凸条を有し、
当該凸条は内足側から外足側に連続する円弧状の外縁を有するとともに、
内足側から見た側面視における前記凸条の長さは、平面視における前記湾曲した外縁の曲率に近似させた円弧の半径と同一若しくは当該半径を超える長さであることを特徴とする。
また、本願発明は、靴に取り付けるヒールカウンターであって、外足側から見た側面視における前記凸条の長さは、平面視における前記湾曲した基部の曲率に近似させた円弧の半径の半分よりも長く、かつ当該半径よりも短く形成されていることを特徴とする。
また、本願発明は、靴に取り付けるヒールカウンターであって、前記凸条の上方に他の凸条を略平行に設けたことを特徴とする。
また、本願発明は、靴に取り付けるヒールカウンターであって、前記凸条の断面は略三角形であることを特徴とする。
また、本願発明は、靴に取り付けるヒールカウンターであって、前記凸条の頂部を成す外縁から基部に至る傾斜面の距離は、下面側よりも上面側を長く形成したことを特徴とする。
また、本願発明は、上記ヒールカウンターを設けた靴である。
本願発明に係るヒールカウンターは、ゴムまたはゴムと同等の弾性、機械的強度および耐久性を有する合成樹脂によって形成したものであって、アッパー体の踵部を外側から覆うように取り付けるものである。ゴムは靴底にも用いることができるほどの耐久性を有するものであり、かつ一定(1〜2mm)程度の肉厚を有しているので当該部位に作用する擦れや外力に耐える強度を有している。従来一般の踵部外周に設ける月形芯は、主としてアッパー体と同一素材である天然皮革や人工皮革を用いたものであり、月形芯にアッパー体と異なる素材を用いたものは見受けられない。したがって、踵部外周をゴム等の弾性と強度を備えた素材を用いたヒールカウンターによって覆うことで、従来よりも踵部の強度を高めた靴を提供することができるものである。
また、本願発明に係るヒールカウンターは、左右の靴に設けたヒールカウンター同士を擦りあわせるように接触させるものであるから、この擦り合わせによって靴の踵部が損傷しないことが必要である。本発明は、このような擦り合わせによって靴の踵部が損傷することがないように、ゴムまたは当該ゴムと同等の弾性、機械的強度および耐久性を有する素材によってヒールカウンターを形成している。
また、靴を脱ぐ際の擦り合わせは、靴の内足側同士を接触させることで行われる。ヒールカウンターの凸条は、靴を左右に並べた際に互いに重なり合って係合できるように、他方の靴側に向かって突出している。すなわち、靴を左右に並べた際に、両靴の凸条が互いに他方の靴の凸条に向かって突出しているので、靴を履いた状態から無理な姿勢を伴うことなく凸条同士を係合させて脱ぎ始めることができるようになっている。
また、本発明に係るヒールカウンターは、外側部にも内足側から連続する凸条を設けている。すなわち、凸条は平面視において薄い三日月状、U字状若しくは馬蹄形状といった形状を成している。板状の基部と一体にこのような内足側から外側部に連続する凸条を設けることで基部を横断する肉厚部を設けることになり、柔軟性を損なうことなく機械的な強度を向上させることができるようになっている。
また、凸条は上記のように平面視において薄い三日月状、U字状若しくは馬蹄形状といった形状を成しており、踵部における靴底の上縁部を覆い隠すようになっている。当該踵部における靴底の上縁部とは、当該靴底とアッパー体の境界部分につながる部分であるから、靴底の上縁部を他方の靴で踏みつけると、アッパー体から靴底を引きはがすような力が境界部分に作用することになる。具体的には、靴底とアッパー体は、成形時における素材の粘着性によってアッパー体の表面に接着しているものであるから、踏みつけ等の強い力を繰り返し受けるとアッパー体の表面から剥離するなど破損する場合がある。これに対して、本発明に係るヒールカウンターは、靴底の上縁部を覆い隠すように凸条が設けられていることから、踵の上縁部を直接踏みつける頻度が極めて低くなるので当該部位における破損を防止することができるようになっている。
さらに、上記踵の上縁部を覆うことができる凸条に加えて、さらに1または2以上の凸条を設けることができる。このように複数の凸条を平行に設けることで、対向する複数の凸条同士を噛み合わせるように係合させることができる。これにより接触面積が増え、接触する角度が変化しても、係合状体を保ちやすくなっている。
また、前記凸条の頂部を成す外縁から基部に至る傾斜面の距離について、これを下面側よりも上面側を長く形成すると、凸条の頂部と靴底の上縁とを近接させることになり、両者間に生じる隙間を小さくして損傷を生じさせるような物体の進入を抑制することができる。また、他方の靴によって踵周囲を踏みつけようとした場合でも、上から見た場合に靴底の上縁よりも凸条の上面が多く露出しているので、靴底の上縁が死角となり当該部位に作用する踏みつけ力を抑制することができる。
ヒールカウンターを装着した靴の側面図である。 ヒールカウンターの説明図である。 ヒールカウンターを装着した靴の踵部の説明図である。 ヒールカウンターを装着した靴を左右に並べて踵部において係合させた状態を表した説明図である。 ヒールカウンターを装着した靴を踵部において係合させ左右に一定角度開いた状態を表した説明図である。
以下、本発明の一実施の形態を図を用いて説明する。図1は、本発明に係るヒールカウンター1を装着した靴2を内足側から見た側面図を表している。ヒールカウンターは月形芯とも称されるパーツであり、足を入れるアッパー体の踵部に内包される外部から見えないタイプのものや、本実施の形態のようにアッパー体の踵部外周部に装着されて外部から見えるタイプのものがある。
本実施の形態に係るヒールカウンター1は、一例として長靴タイプの靴2の踵部外周に装着されるものである。靴2は、脛やふくらはぎ等から踵までの下脚部を覆う筒状部分3と、当該筒状部分3から連続して足先や側部を覆う甲被4から構成されている。これら筒状部分3および甲被4は、天然皮革や合成皮革、部位によってゴム素材で形成された各種形状のパーツを接着剤を用いた接着や縫製により足入れ部を構成する立体的な袋状を形成したものである。以下、本実施の形態では当該筒状部分3および甲被4からなる袋状の足入れ部分をアッパー体5と称する。
本実施の形態に係る靴2は、一例として安全靴のJIS規格(JIS T8101)に定められた重作業用(H)の作業区分を満たす安全靴若しくは当該作業区分に準じた作業靴として形成されている。なお、当該JIS規格上の普通作業用(S)、軽作業用(L)の作業区分を満たす安全靴、若しくはこれらの作業区分に準じた作業靴として形成しても差し支えがない。
また、本実施の形態に示す靴2は長靴タイプの靴であって本発明の効果を最もよく発揮するものであるが、筒状部分3が無い若しくは短い脛やふくらはぎを覆わない短靴タイプの作業靴として形成しても差し支えのないものである。
前述のように、靴2は長靴タイプのアッパー体5を有し、当該アッパー体5の下部に発泡性のウレタン樹脂若しくは発泡性のゴム素材による射出成形によって形成したミッドソール6と同素材による中実(非発泡)のアウトソール7を設けたものである。アッパー体5は、ミッドソール6の射出成形にともなって当該ミッドソール6に接着される。
ミッドソール6の射出成形は、靴型に装着したアッパー体5の下端部を靴底形成用の金型に装着し、成形空間内に露出したアッパー体5の底面および底面付近の外周に接着するように充填することで行われる。この成形の際、アッパー体5の下端部外周に接着されるミッドソール6には、接着部位の強度を保ち型崩れを防止するために、アッパー体5の表面から外周方向に5mm程度膨出した肩部8が形成される。この肩部8におけるミッドソール6とアッパー体5との接合部分は、発泡ゴム等のクッション性の素材とアッパー体5表面との接着部分であるから、両者を引き離すような強い力を繰り返し受けるのは好ましくない部位となっている。
アッパー体5は、先端部に足先を保護する硬質樹脂、鋼その他の強度の高い金属素材によって形成した先芯を内蔵しており(図示せず)、当該先芯を覆うようにアッパー体5の先端をゴム製の殻体9で覆っている。殻体9を設けた先端部は、一般的には他の甲被部分と同様に皮革などを用いて一体的に形成される部分であるが、本実施の形態では当該部分を肉厚が1〜2mm程度の椀状に形成したゴム製の殻体9によって代替している。
先芯を覆う先端部分を皮革で形成する場合には製造時に吊り込み行程が必要で、表面に張力を与えて皮革を靴型(先端部では先芯)表面に密着させる必要がある。また、固いものや鋭利なものに接触しやすく亀裂や摩耗によって先芯が露出しやすい部分である。これに対して殻体9を設けた靴の先端部はすでに形状が定まっているので製造工程において吊り込みの必要がなく、破損に対する強度が高く先芯を露出させにくくなっている。
アッパー体5の踵部分には、足首付近の背面側から両側部までを覆うヒールカウンター1が取り付けられている。ヒールカウンター1は、月形芯と称されることもある靴の部品であって、一般的なものは皮革やコルク等の均一な厚さを有する半月状に裁断されたシートであって、アッパー体5の内側面、外側面若しくは内部に湾曲させて取り付けるのである。ヒールカウンターの一般的な役割は踵周辺の型崩れを防止する補強体としての機能である。
本実施の形態に係るヒールカウンター1は、上記一般的な月形芯とは異なり単なるシート状ではなく、アウトソール7と同等の機械的性質を有するゴム素材によって、装着部位の形状に合わせて成形型を用いて立体的に形成されたものである。
図2はアッパー体5に装着する前のヒールカウンター1の説明図であり、図2(a)は側面図、図2(b)は平面図、図2(c)は平面図に示したA−A線における断面図を表している。図2(d)は図2(a)の反対面の側面図を表している。また、図2(a)は靴の内側面側に配置される側面を表しており、図2(d)は靴の外側面側に配置される側面を表している。
ヒールカウンター1は、側面視において足の後方上部から前方に向かって円弧を描きながら下降するような略扇状を成す側面10、11を有するとともに、平面視において背面部(湾曲部)12を境界として両側面10,11を対向させた略U字状をなすように形成された基部34を有している。
ヒールカウンター1は背面部12を中心として詳細については後述する左右の側面に設けた凸条14,15を除き全体的に1.5〜2mm程度の肉厚で形成され、円弧状の上縁13から15mm程度までの領域16は比較的薄く0.5〜1mm程度の肉厚で形成されている。また、両側面10,11の表面には、前記肉厚を薄く形成した領域16の円弧状の上縁13に近い部分に、当該上縁13に沿って2本の溝27が設けられている。当該溝27は、アッパー体5の外皮に縫い付ける糸が収容される縫い付けラインであり、溝27の底部は縫い針を貫通させることができる厚みに調整され、溝27の深さは縫い付けた糸が両側面10,11の表面よりも突出しない深さに調整されている。
ヒールカウンター1の下縁部17は、靴底を設けた際に靴底に隠れて見えなくなる部分である。当該下縁部17の上縁部分には、当該下縁部17の長手方向に沿って溝18が設けられている。また、当該溝18は凸条15の直下付近に設けられたものであり、靴型を成型する際の金型の開口縁と強く接する部分であるとともに、下縁部17を内側に向かって倒れやすくするために設けたものである。
ヒールカウンター1は、前述のように平面視において略U字状をなすように形成されており、当該U字状に近似する前記左右の側面10、11と、当該側面10、11との中間に位置する湾曲した前記背面部12を有している。背面部12は、ミッドソール6とアッパー体5との境界を成す肩部8の直近から、靴を着用した人間の踵部を覆う程度(踝の高さ程度)の高さを有している。
前記肩部8の直上部分には、前記背面部12から前記左右の側面10、11に亘って隆起させた円弧状の外縁を有する凸条15を設けており、さらに当該凸条15のすぐ上に当該凸条15と平行に凸条14を設けている。
凸条15と凸条14は、前述の通りともに平面視において馬蹄形若しくは三日月状を成す円弧状の外縁を有する突出部である。凸条15と凸条14の背面部12上における断面形状は、図2(c)に示すように頂部を直角若しくは直角よりもやや角度の狭い鋭角に形成した三角形状を成している。
より具体的には、凸条15の始点25から終点26までの頂部である稜線19が形成する境界面33を境として、その上面側31は下面側32よりも角度が広くなるように形成されており、また少なくとも当該境界面33に対する下面側斜面の角度は0度以上である(下面側斜面の角度が0度の場合とは、境界面と下面側斜面が一致している場合である)。
その結果、稜線19に対する上面側31の斜面の長さが下面側32と同等若しくはこれよりも長く、上面側31の斜面20の面積が少なくとも下面側の斜面21の面積よりも大きくなるように形成されている。
凸条14も上記凸条15と同様の条件のもとに形成されており、稜線22に対する上面側23の斜面の長さが下面側24と同等若しくはこれよりも長く、上面側の斜面の面積が少なくとも下面側の斜面の面積よりも大きくなように形成されている。
上記のように、凸条14および凸条15の上面の面積が広くなるように形成したのは、詳細には後述するが左右の靴が有する凸条同士を重なり合わせた際に、互いの係合が解除されにくく上方からの押圧力を有効に作用させるためである。
また、外周方向に向かう高さを一定にして下面側の面積まで大きくしてしまうと、先端の角度が広くなるとともに、上下面とも斜面が長くなって上下に隣り合う凸条の間隔が広くなってしまう。そうすると、凸条が有する稜線の角度が広くなることで押圧する上側の凸条が下側の凸条から滑り落ちやすくなって係合が解除されやすくなる。このような観点から、本実施の形態では凸条の形状を上記のように形成している。
なお、本実施の形態では、最適な例として上記のように2本の凸条を設けているが、3本もしくは3本以上の凸条を設けても差し支えが無く、本数の増加に合わせて凸条の大きさを上方に向かって段階的に小さく形成したり、同様の大きさのものを複数本設けるように構成してもよい。
図2に示したヒールカウンター1は、右足用の靴に装着する部材として形成されたものであり、左足用の靴に装着するヒールカウンターはヒールカウンター1と左右対称の形状に形成される。
本実施の形態では、図2(b)に示すように足の内側に配置される側面10上の凸条15の長さ(始点25の位置)が一定の条件を満たすようになっている。図2(b)に記載した仮想円Cは、概ね凸条15の外縁である稜線19の円弧と曲率を一致させた円である。
足の内側に配置される側面10上の凸条15の側面視上の長さ(仮想円CとA−A線との交点Xから始点25までの長さ)L1は、仮想円Cの半径rと同一か当該半径rよりも長くなるように形成されている。当該条件を満たすと、内側面に面した靴の前後方向と直交する方向に向かって凸条15を確実に突出させることができる。すなわち、他方の靴に向かって凸条15が突出しているということである。
なお、本実施の形態では一例として図2(b)に示すように側面10上における凸条15の始点25と、側面11上における凸条15の終点26の位置がA−A線を中心として左右対称ではない。具体的には、靴の内側に相当する側面10上における凸条15の始点25の方が、靴の外側に相当する側面11上における凸条15の終点26よりも背面部12側から見て遠い位置に設けられている。
上記の条件は、少なくとも内側面側では凸条は側方(他方の靴)側に向かって突出した部位を有していなければならず、外側面側の凸条はヒールカウンター1の形状を保持するための補強体としての役割を果たす最低限度の長さを有していれば良いからである。
なお、凸条15の仮想円Cの中心を通るA−A線と凸条15の稜線22との交点Xから終点26までの側面視上の距離L2は、仮想円Cの半径rよりも短く、半径rの1/2よりも長くなるように形成されている。当該条件を満たすと、外側側の凸条はヒールカウンター1の形状を保持するための補強芯としての役割を果たすことができる。
また、図3に示すように、ミッドソール6の直上位置に設けた凸条15は、アッパー体5とミッドソール6との境界部分(境界線B)を上方から覆い隠すように張り出している。当該境界線Bは、金型の開口縁が接する前記溝18とほぼ一致している。このため、靴を脱ぐ際にミッドソール6の肩部8付近を反対側の足の靴で踏みつけたりするような状況が生じても、アッパー体5とミッドソール6を引きはがすような力は直接作用せず、両者の接着部分を破壊したり拡幅するような力は作用しにくくなっている。
また、靴を着用して作業する際、鉄骨、コンクリート、重機、その他各種の作業用器具の使用に伴って靴には様々な衝撃や荷重が作用する。これに対して本実施の形態に係る靴は凸条15によってアッパー体5とミッドソール6の接合部分を保護することで、靴の耐久性を向上させるようになっている。また、ヒールカウンター1の基部34自体が耐久性の高いゴム等でできているため、アッパー体5の踵部全体を覆い保護するようになっている。
図4、図5は一方の靴2aを脱ぐ際に他方の靴2bを重なりあわせた状態を表したものである。
長靴タイプの靴は靴を脱ぐ際の抵抗が大きいので、少なくとも足の踵が筒状部分3に抜け出るまで靴(一方の靴2a)の一方を押さえておく必要がある。通常、この一方の靴2aを押さえる手段として他方の靴2bを用い、押さえる靴と押さえられる靴の踵部分を交互に入れ替えら(踏み換え)ながら脱ぐのが一般的である。本実施の形態に係る靴では、この踵部分の踏み換えの際に互いに擦り合わせて係合できる凸条を踵部分に張り出させることで靴を脱ぎやすくしている。
上記踵部の擦り合わせの際、左右の靴の成す角度は図4に示したθ1のように左右の靴の成す角度が比較的狭い場合であったり、図5に示したθ2のように左右の靴の成す角度が比較的広い場合であったり着用者によって様々であるが、θ1は概ね0度を以上、θ2は広くても90度程度である。
凸条14、15は、このような靴同士の成す角度が0〜90度程度の範囲であっても、互いの靴に設けた凸条同士が重なり合うことができるように、前述した位置に設けられている。
靴同士の成す角度が0度に近い場合というのは靴同士が横並びに並んで平行に近い場合である。この場合、互いの靴が有する凸条が隣り合う他方の靴に向かって設けられていなければ互いに係合することはできず、靴を脱ぐ際に凸条を利用することができない。本実施の形態では、少なくとも靴の内側面では、靴の中心線と直交する方向に張り出した凸条を設けているので、靴が略平行に近い状態でも、靴を脱ぐ際に凸条を利用することができるようになっている。なお、必ずしもミッドソール6の肩部8を大きく超えて突出している必要はなく、靴を内足側に傾けたり押し出すことによって凸条同士を突き合わせることができる程度に突出していればよい。
また、前記の通り、靴を脱ぐ際に両方の靴の成す角度は、広くても90度程度であるのが一般的であるので、当該角度であっても靴を脱ぐ際に両靴の凸条が係合できるようになっている。
本実施の形態に係る上記ヒールカウンター1は、靴底に使用するものと同等の耐久性を有するゴムによって、縫い付け部付近の領域を除いて少なくとも2mm程度の肉厚を有するように形成されている。また、ヒールカウンター1の内面全体には、織布が設けられている。当該織布は、ヒールカウンター1の成型時に一体的に設けられているものである。このため、ヒールカウンター1は屈曲が繰り返されるようなストレスを受けても破断したり砕けたりしにくく、元の形状に復元する能力を高めている。
また、両足の踵を擦りあわせながら靴を脱ぐ場合には、アッパー体の内側であるインナー側からアッパー体の踵部分を踏みつけるようなことが少なからず生じる。本実施の形態に係るヒールカウンター1は、アッパー体の外側に取り付けるものであり、一定程度の肉厚を有するように形成しても履き心地に影響を与えにくく、破断しにくくかつ弾性的な復元力を損なうことがないものである。すなわち、内側やアッパー体内部に積層させる場合と比較して肉厚に形成することができるので、その分機械的強度を高めることができる。このため、踵部分を踏みつけても破損しにくくアッパー体の踵部分の形状を保持できる効果が高くなっている。
本発明は、長靴タイプの安全靴や作業靴、短靴タイプの安全靴や作業靴に利用可能である。
1 ヒールカウンター
2 靴
3 筒状部分
4 甲被
5 アッパー体
6 ミッドソール
7 アウトソール
8 肩部
9 殻体
10、11 側面
12 背面部
13 上縁
14,15 凸条
16 肉厚を薄く形成した領域
17 下縁部
18 溝
19 稜線
20 斜面
21 斜面
22 稜線
23 上面側
24 下面側
25 始点
26 終点
27 溝
30 靴底
34 基部

Claims (7)

  1. アッパー体を構成する外皮の踵部外周面に沿って装着される弾性変形可能なゴム若しくは合成樹脂によって形成された円弧状の湾曲部を有する基部と、
    前記円弧状の湾曲部を含む前記基部の表面から突出するように設けられた凸条を有し、
    当該凸条は内足側から外足側に連続する円弧状の外縁を有するとともに、
    内足側の凸条は、左右の靴を並べて接近させた場合に他方の靴が有する凸条と重なり合うことができるように設けられていること特徴とするヒールカウンター。
  2. アッパー体を構成する外皮の踵部外周面に沿って装着される弾性変形可能なゴム若しくは合成樹脂によって形成された円弧状の湾曲部を有する基部と、
    前記円弧状の湾曲部を含む前記基部の表面から突出するように設けられた凸条を有し、
    当該凸条は内足側から外足側に連続する円弧状の外縁を有するとともに、
    内足側から見た側面視における前記凸条の長さは、平面視における前記湾曲した外縁の曲率に近似させた円弧の半径と同一若しくは当該半径を超える長さであることを特徴とするヒールカウンター。
  3. 外足側から見た側面視における前記凸条の長さは、平面視における前記湾曲した基部の曲率に近似させた円弧の半径の半分よりも長く、かつ当該半径よりも短く形成されていることを特徴とする請求項2記載のヒールカウンター。
  4. 前記凸条の上方に他の凸条を略平行に設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載のヒールカウンター。
  5. 前記凸条の断面は略三角形であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載のヒールカウンター。
  6. 前記凸条の頂部を成す外縁から基部に至る傾斜面の距離は、下面側よりも上面側を長く形成したことを特徴とする請求項5記載のヒールカウンター。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項記載のヒールカウンターを設けた靴。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018057579A (ja) * 2016-10-05 2018-04-12 学校法人杏林学園 スポーツシューズの踵部背面衝撃緩衝構造
US10477921B2 (en) 2017-02-08 2019-11-19 Bob J. Bode Air bladder boot fitting device

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018057579A (ja) * 2016-10-05 2018-04-12 学校法人杏林学園 スポーツシューズの踵部背面衝撃緩衝構造
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