JP4954643B2 - 先芯、靴の製造方法および靴 - Google Patents

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Description

本発明は、靴の先端部に内蔵する先芯および当該先芯を用いた靴の製造方法および先芯を内蔵した靴に関するものである。
従来より、作業用の靴として爪先部に加わった圧迫や衝撃から足先を保護するための先芯を内蔵した安全靴等の作業靴が知られている。当該作業靴に内蔵される先芯は、合成樹脂若しくは鋼板を足の指先付近全体を覆うことができるドーム状に形成したものである。当該先芯としては、特許文献1または特許文献2記載の先芯が知られている。
特許文献1記載の技術は、特に合成樹脂製の先芯に関するものであり、先芯の内面に複数の突起を形成して内装材に固定するというものである。また、特許文献2記載の技術は、荷重がかけられた際の先芯部の容積低下を防止することを目的としたものである。
実開平7−39514号公報 特開2001−252101号公報
上記特許文献1記載の技術は、内面に複数の突起を設けて内装に固定する先芯に関するものの、当該突起は荷重を受けた際の変形防止には何等関係のないものである。また、特許文献2は、荷重を受けた際の足先の収容容積の減少を低減させる技術を開示するものの、製造工程時の先芯のずれ防止に関する技術は開示されていない。
また、靴の製造工程において、従来は靴型に対して先芯を強く押し込んで固定し、その上から甲被を被せて釣り込みを行っていた。釣り込みとは、甲被等を構成する所謂アッパーの末端を引っ張りながら、靴型底面に巻き込むように固定する工程である。当該釣り込み工程では、先芯は甲被の引っ張りとともに爪先側へ強く引きずられるため、適正な固定位置から動いたり抜けてしまうという問題点があった。
当該先芯の移動等を防止する手段として、先芯が大きく変形するほど強く押し込んで靴型に対して強固に嵌合させる方法もあるが、特に合成樹脂製の先芯の場合には、先芯自体の破損等も発生しかねず採用することはできなかった。
本願発明は、上記課題に鑑み発明されたものであって、製造工程時の先芯のずれを防止するとともに、靴完成後において先芯部に荷重がかけられた際に先芯の変形量を低減させる先芯の構造、当該先芯を用いた靴の製造方法および当該先芯を用いた靴を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の発明は下記の構成を有する。すなわち、靴先の甲被内に内蔵される足先保護のための先芯であって、底面側と足入側に開口を形成した偏平させた半球状の外殻を有し、前記底面側の下端外周には、外殻を内側に向かって屈曲させた形状の下辺折曲げ部が設けられており、前記下辺折曲げ部には、上方に向かって突出させた突起が設けられていること。
また、本願請求項2記載の発明は下記の構成を有する。すなわち、
靴先の甲被内に内蔵される足先保護のための先芯であって、底面側と足入側に開口を形成した偏平させた半球状の外殻を有し、前記底面側の下端外周には、外殻を内側に向かって屈曲させた形状の下辺折曲げ部が設けられており、前記下辺折曲げ部には、足入側の開口に近い部位に下降傾斜しながら内側に向かって突出する突出片が設けられており、当該突出片の上面に突起が設けられていることを特徴とする先芯。
また、本願請求項3記載の発明は下記の構成を有する。すなわち、
甲から爪先に亘る甲被を皮革や合成皮革素材等により形成するとともに、当該甲被の裏面に布生地等により形成した裏布を設けたアッパー体と、底面側の下端外周に内側に向かって突出した下辺折曲げ部を有するとともに、当該下辺折曲げ部に上方に向かって突出させた突起を形成した足先保護用の先芯と、略足裏の輪郭形状に形成された板状の中底とを形成し、足の形状に形成された靴型の底面に前記中底を仮止めし、前記中底を含む靴型の先端を前記アッパー体の甲被裏面に設けた裏布によって覆い、前記裏布によって覆われた靴型の先端に、前記先芯に設けた前記突起を前記中底の裏面に食い込ませつつ前記先芯を装着し、前記装着した先芯を覆いつつアッパー体の末端を中底の裏面に接着して釣り込みを完了し、前記釣り込みが完了したアッパー体の下端を含む中底の裏面に、予め形成された靴底を接着もしくは成形型に装着して直接靴底を形成することを特徴とする靴の製造方法。
また、本願請求項4記載の発明は下記の構成を有する。すなわち、
先芯と、略足裏の輪郭形状に形成した板状の中底と、足の収容空間を形成しつつ前記先芯を覆うとともに前記中底に対して末端を固定したアッパー体と、前記アッパー体の末端および中底を含む底面に設けられた予め形成された靴底もしくは成形型への装着によって直接に成形された靴底を有する靴であって、前記先芯に、底面側の下端外周に内側に向かって突出した下辺折曲げ部を形成するとともに当該下辺折曲げ部に上方に向かって突出させた突起を形成し、前記先芯の底面側の下端外周に内側に向かって突出した下辺折曲げ部を形成するとともに、当該下辺折曲げ部に上方に向かって突出させた突起を形成し、前記突起を前記中底の底面に食い込むように固定したことを特徴とする靴。
本願発明に係る先芯は、下辺折曲げ部(所謂「スカート」)に比較的硬質の中底に食い込むように係合する突起を設けたものである。当該構造によって、甲被によって先芯を覆いながら中底裏面まで釣り込む際に、中底に食い込んだ突起の作用によって先芯の移動を防止できるという効果を有している。
また、下降傾斜する方向に傾斜角度を有した突出片を設けることにより、当該傾斜角度によって突出片の横方向への移動を妨げて先芯底部の広がりを防止し、荷重を受けた際の先芯内部の収容空間の減少を少なくすることができるという効果を有している。
さらに、本願発明に係る先芯は、靴型の底面に合わせた角度で下辺折曲げ部を舌片状に突出させ、さらに当該突出させた突出片上に突起を設けた構造である。当該構造により、前記突出片上に設けた突起が安定的に中底裏面(裏布を介在させる場合も含む)と係合し、傾斜させたことによる突出片の効果とともに加重を受けた際の先芯底部の広がりを防止するという効果がある。
以下、本願発明の最良の形態を説明する。
図1は、先芯1の説明図であり、図1(a)は先芯1の断面図(図1(b)に示す背面図のA−A’線断面図)、図1(b)は足入れ側から見た先芯1の背面図、図1(c)は、前記断面図に対応した先芯1の底面図、図1(d)は先芯1のスカート(下辺折曲げ部)の上面に設けた突起の説明図である。
先芯1は、合成樹脂を材料とする射出成型によって形成された所謂樹脂先芯であり、足入れ側に設けられた開口2と足底側に設けられた開口3を有する殻体4として形成されている。なお、図示した先芯1は、ガラス繊維等の強化素材を含まないポリカーボネートを射出成形することで形成したものであるが、ガラス繊維を混練したポリプロピレン(PP)等によって形成してもよい。その場合には、素材が有する強度等の物性に応じて肉厚等
の形状は適宜変更されるものである。その他の素材としては、ナイロン、ポリブチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの合成樹脂や、これらの合成樹脂にガラス繊維を加えたもの、または前記合成樹脂にミネラル等を混ぜて強度を高めたものやポリマーアロイによって形成してもよい。
先芯1を構成する殻体4の肉厚は、部位によって異なるものであるが概ね2〜9mmとなっている。特に爪先部では5〜9mmの厚さに形成され、高い耐衝撃性および耐圧迫性を備えるように形成されている。
殻体4は、足入れ側開口2の上部を最高位置として、爪先側および周囲の側面に亘ってなだらかに下降する湾曲面を有した椀状体(偏平させた半球状のドーム体)であり、内側面に足先全体を覆う程度の容積を有した収容空間5が形成されたものである。
殻体4の下端外周には、内側に向かって折曲げられたフランジ状の帯幅縁である下辺折曲げ部6が設けられている。当該下辺折曲げ部6は、一般的にはスカートととも称されている部分であり、鋼製先芯の場合にはJIS規格によって形状等が定められた部分となっている。本実施の形態では下辺折曲げ部6の幅は均一ではなく、先端部分および開口2付近の左右部分の幅が突出片(30、31、32)として幅が広く形成されている。
当該下辺折曲げ部6を図1(c)に示した底面図で説明すると、外形は殻体4の下端形状と同じく靴先としての先細形状になっており、足底側開口3の形状はM型に似た形状を成している。当該下辺折曲げ部6の肉厚は、約1〜2mmである。
また、足入れ側開口2の近傍の左右の下辺折曲げ部(突出片31、32)上面には、それぞれ2個づつの三角錐状の突起7(7a、7b、7c、7d)が設けられている。当該突起7の高さは約1mm程度であり、頂点から開口2側に向かって緩やかな傾斜縁を有するとともに、頂点から先端側に向かう部分は比較的角度が鋭角な側面を有した形状になっている(図1(d)参照)。
当該突起7は、靴型に対する先芯1の装着時に、靴型の底面に取り付けた後述する中底8に食い込むようになっており、緩やかな傾斜縁によって装着時の抵抗が少なく、鋭角な側面によって抜け出ないように作用するものである。なお、当該突起7の形状は図示した形状に限るわけではなく、装着時には抵抗が少なく、脱落方向には抵抗が大きくなるような形状であることが好ましい。
次に、図2乃至図5を用いて靴の製造手順等の概略を説明する。
靴は事前に製造若しくはサブアセンブリされた各種のパーツを用意し、当該各パーツを靴型13を用いて一体的に組み付けることにより形成されるものである。靴を構成するパーツ群は、主としてアッパー体9、中底8、先芯1、靴底10に分けることができる。図2は、当該各パーツを表した斜視図である。
アッパー体9は、所定形状に裁断された皮革や布生地を縫製によって組み合わせて立体的に縫着したものであり、主として靴の外観および足の収容空間を形成する部品である。当該アッパー体9は、組立前の状態では上部に足入れ部となる開口11を有し、下部には円錐状に裾を広げたような形状の開口12を設けた形状に形成されている。後に、当該下部の開口12を介して靴型13に被せ、裾部分を引っ張って靴型13の底面に貼り付ける釣り込み作業が行われる。
靴型13は、JIS規格等により外径形状が予め定められたもの等もあり、足のサイズや形状に応じて種々の靴型が用意されるものである。靴型13は、土踏まず付近において、爪先側と踵側が屈曲部14において、前後方向に屈曲可能に連結されている。このように屈曲可能となっているのは、靴が完成した後に靴内部に残された靴型の抜き取りを容易にするためである。
前記靴型13の底面には、予め足の裏の形状に裁断された中底8となる板体が、テープやベルト等(図示せず)により仮止めされている。当該テープやベルト等は、靴型13の底に仮止めされた中底8の裏面(靴底側)に、アッパー体の末端18を引き延ばしながら貼り付けた後(釣り込んだ後)に取り除かれる。中底8には、ウール等の繊維を高圧で押し固めて堅い板状体としたもの等、種々の素材のものが用いられる。また、必要に応じて補強部材として柔軟性を保ちつつ引っ張りに強い金属網を介在させた中底を用いたり、先芯を設けた領域に補強部材として金属板を併用した中底を用いてもよい。
図3は、靴型13にアッパー体9を被せて甲被となる皮革16を除く部分を密着させ、アッパー体9の先端に裏布17を密着させ皮革16をめくり上げた状態を表している。
前述したように、アッパー体9の甲被部分は表面の皮革16と裏布17を部分的に縫製して一体とした表裏二枚合わせの構造になっている。そして、皮革16をめくり上げた裏布17の表面に先芯1が装着される。裏布17表面にはホットメルトやその他の接着剤が塗布されているので、先芯1の内面に裏布17の表面が接着され、後に先芯1の内面から裏布17が剥離して靴内に垂れ下がるのを防いでいる。また、先芯1の開口2の内側には、先芯の厚みによって生じる段差部分の落差を緩衝するために緩衝用のテープ(図示せず)が予め貼り付けられる場合がある。
図4(a)は、靴型13に装着された先芯1の状態を表す部分断面図であり、図4(b)は図4(a)のB−B’断面であって、突起7(7a、7b、7c、7d)付近の断面を表している。なお、図4は、説明の都合上アッパー体9の図示を省略している。
図4(a)および図4(b)は、説明の都合上裏布17の厚みを拡大して表現しているが、実際には薄く、先芯1内面と靴型13表面および中底8との隙間は極僅かであり、実質的に密着しているのと相違がないものとなっている。また、中底8は比較的堅く押し固められているが、靴型13の底面形状に追従可能な程度の柔軟性は有しており、外形は靴型13の底面形状とほぼ同一の形状に形成されている。
先芯1が装着される付近の靴型13の底面形状は、図4(a)に示すように先端付近に向かってやや上方に向かって湾曲し、図4(b)に示すように中央付近を最下部として左右上方に向かって湾曲した形状となっている。そして、当該湾曲した底面に接触する先芯1の下辺折曲げ部6も、ほぼ靴型13の底面形状に沿った角度および湾曲形状に形成されている。
前述したように先芯1の左右の下辺折曲げ部6(31、32)には突起7が設けられているので、先芯1が装着された際、当該突起7が靴型13下面に仮付けされた中底8の裏面に裏生地17を介して食い込むようになっている。これによって、靴型13に装着された先芯が脱落したり、位置がずれたりしないようになっている。
さらに、下辺折曲げ部6は、内側に突出する3つの突出片(30、31、32)を有し足底側開口3の形状はM型に似た形状をしている。当該突出片は、殻体4の側部および上部よりも薄く形成され(1〜2mm)、その厚み方向に比較的弾性変形しやすい構造となっており、靴型13に対して弾性をもって密着させて先芯をますます外れにくく嵌め込む作用を有している。
また、先芯1を合成樹脂の射出成形によって成形する場合には、合成樹脂の結合力を向上させるため、インジェクションゲートを下辺折曲げ部6の内縁の略中央部(突出片30)に相当する位置に設けることが望ましい(例えば特許第3776158号のような構造)。しかし、ゲート位置は他の部位に比べて強度的に弱くなる傾向があるため、先芯1を靴型13に嵌め込む際、ゲート部分の変形量が多くなるような装着のしかたをするとゲート位置に亀裂が入る恐れがあった。しかし、本実施の形態のように突出片30を設けることにより、先芯の開口を広げようとする嵌め込み時に作用する大きな応力を突出片30周囲の下辺折曲げ部6全体に分散させて、突出片30の先端まで及ばないようにすることができる。その結果、突出片30の先端付近に設けられたゲート部に大きな応力が作用する
ことがなく、ゲート部の破損を回避することができる。
前記先芯1の装着後、当該先芯1の表面を覆うように表面の皮革16を底面側まで引っ張りつつ、アッパー体9の下端部18全周を中底8の底面に接着して所謂釣り込みが完了する。当該釣り込みは、アッパー体9の下端部18を専用機械によって挟んで引っ張るので、先芯部分には比較的大きな力が作用する。従来は、当該皮革の引っ張りに伴って先芯が適正位置から外れてしまうことがあった。これに対して、本願発明に係る先芯1は、弾性を有する突出片30、31、32が中底8の底面に密着するとともに、突起7が中底8に食い込むようになっているので釣り込みによる先芯1の移動を防止することができるようになっている。
なお、突起7は、頂点から先端側に向かって緩やかな傾斜縁を有するとともに、頂点から先端側に向かう部分が比較的角度が鋭角な側面を有した形状になっているため、先芯1は靴型13に対して嵌め込みやすく、嵌め込んだ後には抜けにくいという効果を有する。
その他の実施例として、図8(a)のように突出片31、32のみを設けて底に突起7(7a、7b、7c、7d)を設ける形状としても前述の釣り込みによる先芯の移動を防止しつつ、先芯を靴型に深く嵌め込むことが可能となる効果を達成することができる。また図8(b)のように下辺折曲げ部6のみの構成として該下辺折曲げ部6に突起7(7a、7b)を設けても釣り込みによる先芯の移動を防止しつつ、先芯を靴型に深く嵌め込むことが可能となる効果を達成することができる。
図5は、釣り込み完了後の靴の底面を表している。当該底面に対して、予め作成されていた靴底10が接着剤を介して加圧接着され、接着完了後に靴型13を取り外して靴が完成する。
また、前記図4に示した釣り込み完了後の靴底の取り付けは、前述したように予め形成した靴底を貼り付ける手法の他、靴底成型用の成形型に取り付けて靴底の成形と取り付けを一工程で行う射出成形方式にしても差し支えない。
図6は、本願発明の作用を説明する原理図であり、靴型13を抜き取った後の使用状態を想定したものである。なお、当該図は原理を示す模式図であるから細部の寸法等については実際と異なる部分がある。
図6(a)は、荷重を受ける前の靴先を簡略化して表した断面図であり、荷重を受けていないので先芯1、ゴム製の靴底10の変形はなく、中底8の裏面に裏生地17を介して先芯1の突起7が食い込んだ状態となっている。また、左右の下辺折曲げ部(突出片31、32)および先端の下辺折曲げ部(突出片30(図示せず))は、水平方向に突出するのではなく、斜め下方を向く方向に設けられている。
図6(a)の状態から甲被16に垂直荷重Fが加えられると、図6(b)に示すように先芯1が潰れるように変形するとともに靴底10に対して沈み込む。この際、先芯1の両側面は荷重Fによって両側(H方向)に広がろうとする。しかし、本願発明に係る先芯1は、中底8に対する突起7の食い込みと、斜め下方を向いた下辺折曲げ部30、31、32の作用によって、下端部の横方向への移動に対する抵抗力を発生し、先芯1下端のH方向への移動を妨げる効果を有している。
図6(c)は、前記図6(a)、図6(b)に示した先芯1との比較のための説明図であり、下辺折曲げ部(30’、31’、32’)をの突出方向を斜め下方ではなく水平方向に向かって設けた先芯1’に関するものである。
当該先芯1’に垂直加重Fが加わると、先芯1’の下端は靴底10に対して沈み込み、先芯1’の下辺折曲げ部に対して加重Fに対する反力が作用する。すなわち、図6(c)のように下辺折曲げ部31’、32’が上方に向かって押し上げられ、端部が斜め上方を向くように変形してしまう。その結果、下辺折曲げ部31’、32’が中底8を押し上げ
る。また、下端部の横方向への移動に対する抵抗力が弱く先芯1下端のH方向への移動を十分に防止することができない。これは、足先部の収容空間の容積減少を招き、先芯としては好ましくない。これに対して、前記構造の先芯1は、先芯1下端のH方向への移動を防止することができ、足先部の収容空間5の容積減少を低減させることができるという効果を有している。
前述した先芯1は、合成樹脂を主成分とする所謂樹脂先芯であるが、次に、先芯の他の例として鋼板をプレスして形成した所謂鋼製先芯について説明する。
図7は、鋼製先芯101を示しており、図7(a)は鋼製先芯101の断面図(図7(b)のC−C’線断面)であり、図7(b)は足入れ側から見た鋼製先芯101の背面図、図7(c)は前記断面図に対応した先芯101の底面図である。また、図7(d)は鋼製先芯101のスカート(下辺折曲げ部の突出片132)の上面に設けた突起107の説明図である。
鋼製先芯101は、肉厚がほぼ均一である点と、下辺折曲げ部106に対する突起107の形成の方法等を除き、前述した合成樹脂性の先芯1とほぼ同様のドーム型に形成されている。鋼製先芯101の下辺折曲げ部106には、前方部分と足入れ側の開口102側の両側に、それぞれ突出片130、131、132が設けられている。当該突出片130、131、132は、前述した先芯1の下辺折曲げ部30、31、32に相当する構成であり、下辺折曲げ部30、31、32と同様に先端に向かって下降傾斜するように設けられている。当該傾斜の角度は、概ね靴型の底面に沿った形状になっている。
開口102側の両側に設けた前記突出片131、132には、上面方向への打ち抜きにより突起107が形成されている。当該突起107は、一端を折り曲げ支点として所定範囲の板を打ち抜いて端部を起こし、足入側に向かって斜めに下降傾斜する面を有するように端部を隆起させたものである。
当該突起107は、前述した先芯1の突起7と同様の作用を有するものであり、図の最も隆起した稜線部や陵線部の両端に位置する角部が中底に食い込むようになり、先芯1を装着した後に靴型から外れにくくする作用を有している。当該構造によって、アッパー体の釣り込み時における先芯のずれを防止することができ、脱落防止のために必要以上に強く押し込んで嵌め付けるような作業をする必要が無いという効果を有している。
また、各突出片130、131、132は、舌片状の部位であるのである程度撓みやすくなっており、靴型に対する嵌め込みの際に、突起107および当該突起107を構成したスカート部が撓んで逃げるので、嵌着時に邪魔にならないようになっている。
以上説明した先芯は、安全靴や足先の潰れを防止できる作業靴に利用可能である。
本願発明に係る樹脂先芯の説明図であり(a)は断面図、(b)は背面図、(c)は底面図、(d)は要部拡大斜視図を表している。 本願発明に係る先芯を用いた靴の分解斜視図である。 本願発明に係る靴の製造手順を説明するための斜視図である。 (a)は先芯を装着した靴型側部の要部断面図であり、(b)は(a)のB−B’線断面である。 釣り込みが完了した状態の靴底側を表した斜視図である。 本願発明に係る靴の作用を説明するための部分断面図であり、(a)は加重前、(b)は加重後、(c)は他の形態先芯における加重時の状態を表す断面図である。 本願発明に係る鋼製先芯の説明図であり(a)は断面図、(b)は背面図、(c)は底面図、(d)は要部拡大斜視図を表している。 本願発明に係る他の実施形態の樹脂先芯の底面図を表している。
符号の説明
1 先芯
2 開口
3 開口
4 殻体
6 下辺折曲げ部
7(7a、7b、7c、7d) 突起
8 中底
9 アッパー体
10 靴底
11 開口
12 開口
13 靴型
14 屈曲部
16 甲被
18 末端
17 裏布
30、31、32 突出片
101 鋼製先芯
106 スカート(下辺折曲げ部)
107 突起
130、131、132 突出片

Claims (4)

  1. 靴先の甲被内に内蔵される足先保護のための先芯であって、
    底面側と足入側に開口を形成した偏平させた半球状の外殻を有し、
    前記底面側の下端外周には、外殻を内側に向かって屈曲させた形状の下辺折曲げ部が設けられており、
    前記下辺折曲げ部には、上方に向かって突出させた突起が設けられていることを特徴とする先芯。
  2. 靴先の甲被内に内蔵される足先保護のための先芯であって、
    底面側と足入側に開口を形成した偏平させた半球状の外殻を有し、
    前記底面側の下端外周には、外殻を内側に向かって屈曲させた形状の下辺折曲げ部が設けられており、
    前記下辺折曲げ部には、足入側の開口に近い部位に下降傾斜しながら内側に向かって突出する突出片が設けられており、
    当該突出片の上面に突起が設けられていることを特徴とする先芯。
  3. 甲から爪先に亘る甲被を皮革や合成皮革素材等により形成するとともに、当該甲被の裏面に布生地等により形成した裏布を設けたアッパー体と、
    底面側の下端外周に内側に向かって突出した下辺折曲げ部を有するとともに、当該下辺折曲げ部に上方に向かって突出させた突起を形成した足先保護用の先芯と、
    略足裏の輪郭形状に形成された板状の中底とを形成し、
    足の形状に形成された靴型の底面に前記中底を仮止めし、
    前記中底を含む靴型の先端を前記アッパー体の甲被裏面に設けた裏布によって覆い、
    前記裏布によって覆われた靴型の先端に、前記先芯に設けた前記突起を前記中底の裏面に食い込ませつつ前記先芯を装着し、
    前記装着した先芯を覆いつつアッパー体の末端を中底の裏面に接着して釣り込みを完了し、
    前記釣り込みが完了したアッパー体の下端を含む中底の裏面に、予め形成された靴底を接着もしくは成形型に装着して直接靴底を形成することを特徴とする靴の製造方法。
  4. 先芯と、
    略足裏の輪郭形状に形成した板状の中底と、
    足の収容空間を形成しつつ前記先芯を覆うとともに前記中底に対して末端を固定したアッパー体と、
    前記アッパー体の末端および中底を含む底面に設けられた予め形成された靴底もしくは成形型への装着によって直接成形された靴底を有する靴であって、
    前記先芯の底面側の下端外周に内側に向かって突出した下辺折曲げ部を形成するとともに、当該下辺折曲げ部に上方に向かって突出させた突起を形成し、
    前記突起を前記中底の底面に食い込むように固定したことを特徴とする靴。
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