JPH0444081Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、地下たび等の履物に用いる底に係
る。

「従来の技術」 足裏の中央部分は、他の部分より凹んでいる
が、この部分に底の表面が当接していると、接地
感が良く踏みごたえがあり、履物の中での足の移
動も防止し得る利点がある。このような観点か
ら、ふまず部に相当する底を膨出させた履物は、
実公昭37−16106号公報、実公昭41−20408号公報
或いは実開昭52−89220号公報等により既に知ら
れている。

「考案が解決しようとする問題点」 ところが上記の履物に於ける膨出部は、ゴム又
はスポンジで形成されている為、柔軟性があり過
ぎて例えば地下たびのように高所作業に使用する
場合に接地感触がにぶくなる。履用中、スポンジ
は緩衝材となり、接地感がこのスポンジに吸収さ
れ足に伝わつて来ない、所謂ふみごたえがなくな
り、地下たびとしては大きな欠点となる。又、履
物の中での足の移動も多くなる。例えば運動用の
履物に於て、走つている状態から急にとまろうと
する時、足は履物の中で前に移動する力が働き、
膨出部がスポンジ状のものであればこのスポンジ
が外圧によつて凹む分だけ足は前方に移動する。
且つ、吸湿性にも欠ける等の難点があつた。又、
この膨出部を含む底部を硬くしたのでは、足の接
地感覚が悪く、足のかえりも悪くなる欠点があつ
た。

本考案はかかる欠点を解決する為、独得の布地
製の中子を用いることを特徴とするものである。

「問題点を解決する為の手段」 即ち本考案は、足裏の中央部分の凹みに見合う
形状の布地片に、更に凹みの深い部分に見合う布
地小片を重ねて中子とし、該中子を中底と接地底
の間に介在させたことを特徴とするものである。

以下本考案を地下たびに適用した図面に基いて
説明すると、１が中底、２が接地底、３が中子、
４がアツパーである。これ等の図に於て３の中子
は、中底１と同じか或いはこれより若干薄い布地
を用い、足裏の中央部分の凹みに見合う形状の布
地片３Ａに、更に凹みの深い部分に見合う布地小
片３Ｂ，３B′を重ねて形成する。即ち立体的な
地図を製作する際に等高線に見合う形状の小片を
重ねていくのと同じ要領で中子３を制作する。

このようにして制作した中子３を、図示の例に
於ては履用の際に布地片３Ａと布地小片３Ｂ，３
B′の段差による履心地の低下を起さないように、
布地小片３Ｂ，３B′の面が接地底２側に位置す
るようにして、中底１と接地底２との間に介在さ
せる。尚この中子３は、布地片３Ａと布地小片３
Ｂ，３B′とを縫着或いは接着して重ね合せ、中
底１とも縫着或いは接着すれば良い。しかし、な
るべく縫着の方が良く、縫着によれば吸湿性が損
われることなく、又履用中の足のかえりが悪くな
るようなことがない。理想的には布地小片３
B′と３Ｂを縫着しこれを中子３Ａの別の位置に
縫着し、更に中底１に別の位置で縫着する如く
別々に縫着した方がよい。一度に同じ位置で中
底、及中子の３Ａ，３Ｂ，３B′を縫着すると若
干剛性が生じるからであるが、勿論目的によつて
はこれでも使用できる。又、布地片３Ａと布地小
片３Ｂ，３B′の使用枚数は、２枚に限られず１
枚でも良く、要は使用する布地の厚さによつて決
定すれば良い。尚中子３は、使用する布地の種類
或いは厚さによつては、向きを逆にして布地小片
の側を中底側にすることも出来るが、図のように
すると履用したときの違和感が少ない。

以上本考案を地下たびの例に基づいて説明した
が、本考案はこれに限られるものではなく、たび
や運動靴等にも適用できるものである。

「考案の効果」 本考案は以上の様になつている為、足裏の中央
部に相当する部分に、適度の硬さの膨出部が形成
された履物の底を提供でき、しかもこの中子は布
地製である為に吸湿性があり、且つ履き心地も低
下させない利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を示す拡大横断面図、第２図は
中底の裏面を示す正面図である。 図中１は中底、２は接地底、３は中子、３Ａは
布地片、３Ｂ，３B′は布地小片を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 足裏の中央部分の凹みに見合う形状の布地片
   に、更に凹みの深い部分に見合う布地小片を重
   ね合せて中子とし、該中子を中底と接地底の間
   に介在させたことを特徴とする履物の底。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項に於て、中子
   をその布地小片の面が接地底側に位置するよう
   に中底と接地底の間に介在させたことを特徴と
   する履物の底。