JPS6018083Y2 - 靴 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、甲皮の履口に柔軟なバットが挿入された靴
に関する。

従来の、例えば運動靴は、甲皮の履口周縁に柔かいバッ
トが挿入されるが、この靴を製造するには、まず、布等
で縫製された甲皮の履口周縁内側に沿って、バット材で
あるスポンジ等の細長いクッション材を沿わせ、甲皮の
上端縁に縫着されたシート材でクッション材の内側を囲
み、このシート材を、甲皮の履口周縁から多少下った個
所に沿って縫着して履口にバットを形成した。

この為、履口の加工に手間が掛ると共に、履口の周縁に
沿って位置ずれなくクッション材を納めるのに高度な技
術を要し、更に、履口のバットが甲皮周縁の内側に突出
する為、最初履いたときには、バットが足の表面を強く
押圧して履心地を悪くすることかり、しかも、もともと
平面状であった布地や皮革でもって突出するバットを形
成する為、突出するバットが使用後短期間で押し潰され
て型くずれを起こし易い等の欠点があった。

この考案はこれ等の欠点を除去すべく、甲皮の履口ある
いは甲皮全体を、合成樹脂でもって立体曲面状に成形す
ると共に、履口周縁の外側に突出してバットの嵌入溝を
形成したもので、この考案の重要な目的は、従来の靴が
有する前述の欠点を除去し、更にすぐれた特長、即ち、
耐久性があっていつまでも型くずれを起こさず、しかも
履心地が良くて履口の加工に高度な技術を必要とせず、
非熟練者が能率よく加工できて生産性が向上する靴を提
供するにある。

以下、この考案の実施例を図面に基いて説明する。

第１図に示す靴は、甲皮１の、足先部１ａ、踵部１ｂ、
履口周縁部１ｃ、並びに靴紐で締め付けられる部分が軟
質の合成樹脂でもって一体的にしかも立体曲面状に成形
されており、甲皮の中央部両側は、成形時に、なるべく
は通気性のあるシート材、例えば布地、皮革、皮革がメ
ツシュに編込まれたもの、あるいは多数の通気孔が穿設
された合成樹脂シート材がインサートされている。

底２は、甲皮を成形する合成樹脂と一体的に成形するこ
とも可能であるが、好ましくは、甲皮１を成形する合成
樹脂よりも硬い合成樹脂で成形されるのがよい。

甲皮の履口周縁１ｃは、第２図に示すように、内側に沿
って細長いクッション材３が挿入できるように、上端縁
から、例えば１〜３Ｃ７＋１、好ましくは１．５〜２．
５Ｃ７１下った線に沿って、外側に折曲されており、こ
の折曲個所から上縁に向って緩く内側に湾曲されて、こ
れによって、甲皮１の履口周縁部内側にクッション材３
の嵌入溝４が形成されている。

合成樹脂でもって成形された甲皮１の上端縁には好まし
くは吸湿性に富む布地等の裏地５の上縁が縫着されてい
る。

この裏地５は、まず第２図の鎖線で示すように、甲皮１
の外側に沿わせて縫着され、縫着後甲皮１の内側に折り
返される。

甲皮の嵌入溝４には、比較的柔軟でクッション性に冨む
材料、例えば合成樹脂発泡体やスポンジゴム等でもって
、細長状に形成されたクッション材３が挿入され、裏地
５がこのクッション材３の内側を覆い、クッション材３
が嵌入溝４から出るのを阻止する。

よって、裏地５は、上端縁で甲皮の内側に折り返された
後、甲皮の内側に接着又は縫着される。

第２図に示すように、裏地５を、嵌入溝４の下縁に沿っ
て縫着するなら、クッション材３の位置ずれはより効果
的に阻止される。

この考案は、甲皮の履口周縁さえ合成樹脂で成形される
なら、甲皮のその他の部分は合成樹脂で成形されていて
も、あるいは他のシート材であってもよい。

よって、図示しないが、例えば甲皮全体が合成樹脂で成
形された靴も含むのは言うまでもない。

この考案に係る靴は、前記の如く、少なくとも甲皮の履
口部が合成樹脂でもって立体曲面状に成形されると共に
、上縁から多少下った線に沿って外側に折曲され、折曲
線から上端縁に向って内側に湾曲し、この形状によって
、甲皮の履口周縁部内側にクッション材の嵌入溝が形成
されて、甲皮のバット部分が外側に突出すべく成形され
ているので、クッション材が嵌入溝に挿入されることに
よって、裏地でもって位置ずれなく固定でき、最も手間
が掛って高度な技術と長年の熟練を要する履口部の湾曲
する曲線が成形金型で成形される為、全ての靴の履口が
形状を揃えて美しく製造でき、しかも迅速に多量に生産
できる特長があり、更に、履口のバットが甲皮の内側に
突出する量が減少する為、クッション材に太いものを使
用してもバットが足の表面を強く押して履心地を悪化す
ることがなく、太いクッション材を使用してバットの効
果を増大できて履心地を快適にでき、更に又従来のよう
にバットが連続して、常に強い力で足の表面に押圧され
ず、履口に強い力が掛ったときにだけバットが有効に作
用し、更に、もともと平面状ものを縫着して突出させた
ものでないから、使用後におけるバットの変形、特に押
し潰されてバットとしての効果を失う変形が少なく、更
に又、最も型くずれを起こし易い履口が合成樹脂で成形
されているので、甲皮の立体曲面自体も型くずれを起こ
さず、耐久性があっていつまでも快適な履心地が失われ
ない等数々の卓効を備える。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの検案の一実施例を示す靴の側面図、第２図
は第１図に示す靴の端面図である。 １・・・・・・甲皮、２・・・・・・底、３・・・クッ
ション材、４・・・嵌入溝、５・・・・・・裏地。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）少なくとも甲皮の履口周縁部が軟質の合成樹脂で
   もって立体曲面状に成形されると共に、この甲皮の履口
   周縁部は、内部にクッション材が取り付けられるように
   、上縁から多少下った線に沿って外側に折曲されており
   、かつ折曲個所から上縁に向って内側に湾曲すべ←成形
   されて、甲皮の履口周縁にクッション材の嵌入溝が形成
   されており、更に、この甲皮の上縁には裏地の上端縁が
   縫着されており、この裏地が、甲皮の履口周縁の嵌入溝
   に挿入された細長状のクッション材の内側を覆い、この
   裏地が甲皮の内面に沿って取り付けられている靴。
2. （２）甲皮の足先部と踵部と履口周縁部とが合成樹脂で
   もって足甲に沿う立体曲面状に成形されている実用新案
   登録請求の範囲第＜１１項記載の靴。
3. （３）甲皮が底と一体的に成形されている実用新案登録
   請求の範囲第（１）項記載の靴。
4. （４）甲皮が底とは別に成形されいる実用新案登録請求
   の範囲第（１）項記載の靴。