JP3243744B2 - ポリカーボネートシート - Google Patents

ポリカーボネートシート

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JP3243744B2 JP51656199A JP51656199A JP3243744B2 JP 3243744 B2 JP3243744 B2 JP 3243744B2 JP 51656199 A JP51656199 A JP 51656199A JP 51656199 A JP51656199 A JP 51656199A JP 3243744 B2 JP3243744 B2 JP 3243744B2
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    • C08J2369/00Characterised by the use of polycarbonates; Derivatives of polycarbonates

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は少量の異種結合を持つポリカーボネートから
なるシート及び該ポリカーボネートによる表面光沢性改
良技術及び耐候性改良技術に関する。
背景技術 ポリカーボネートシートは耐衝撃性、透明性、耐熱
性、耐燃性などに優れ、窓材、テラスやベランダの屋根
材や腰板、カーポート屋根材等のエクステリア部材や体
育館等の屋根材、アーケードや通路の屋根材、タクシー
乗り場やバス停等シェルターなどに代表される建築資材
に、または透明防音板などの道路資材、鉄道車輌資材等
様々な分野で用いられており、今後も更に用途の拡大が
予想されている。
通常、ポリカーボネートシートを成形する場合は押出
成形法が行われることが多い。この押出成形法は、粉末
状またはペレット状の原料を押出機内で加熱、溶融、混
練し、シート用金型(Tダイ)に導き、このダイ内で拡
幅させダイリップから吐出する。次いで吐出された溶融
樹脂をポリッシングロールに導き、該ポリッシングロー
ルによってロール表面形状を転写し、板厚調整を行い、
シート形状に冷却固化して引き取ることによってシート
を作成する方法である。この一連のシート押出成形工程
の中でシートの外観を形成し、商品価値を決定づけるの
がポリッシングロールにおける工程である。通常のシー
ト押出成形においては2〜4本の鏡面仕上げされたポリ
ッシングロールが使用され、それらポリッシングロール
の温度は独立に制御され100〜150℃に保たれている。
従来、市販のポリカーボネートシートは表面光沢性が
悪く、外観上の改良課題となっており、各社様々な改良
研究がなされている。
文献によれば、シート押出成形において最も重要なの
は、ポリッシングロールの温度調節いかんであり、精密
なコントロールが必要であると記載されている。(プラ
スチック材料講座5 ポリカーボネート樹脂、日本国日
刊工業新聞社、昭和56年発行、185頁) また、例えば日本国特公昭51−25450号公報には、押
出機から押し出されたポリカーボネートシートを155〜1
90℃の表面温度を有する一対のロールで挟持、加圧して
冷却する方法が提案されているし、日本国特公平2−61
899号公報には、第一ロールの表面温度を30〜80℃に維
持し、第二ロール表面温度を100〜140℃で成形する方法
が、日本国特開平6−87151号公報には、第一ロールの
表面温度を80〜120℃、第二ロールの表面温度を100〜14
0℃にする方法が提案されている。また日本国特開平6
−344417号公報では、260〜280℃で押し出し、脱一ロー
ルの表面温度を130〜140℃、第二・第三ロールを180〜1
90℃、かつ第三ロール導入時のシート表面温度が190〜2
00℃になるように第二ロール部に設置したヒーターで加
熱する方法が提案されている。
一方で日本国特開平6−23827号公報では、ポリッシ
ングロール等の温度で解決するのではなくポリッシング
ロール表面に20〜80μmのハードクロムメッキを施すこ
とでシートの外観を改良する提案がなされている。
しかしこれらいずれの方法を用いてもポリカーボネー
トシートの表面光沢性を改良するには不十分で、更なる
改良提案が求められているのが現状である。
さて、ポリカーボネートシートの耐候性改良方法とし
ては、紫外線吸収剤が大量に配合されたポリカーボネー
トでポリカーボネートシート表面を被覆する方法が、近
年多数提案されており、例えば日本国特開昭55−59929
号公報、日本国特開昭59−101360号公報などを挙げるこ
とができる。
しかし、この方法は成形流動性の悪いポリカーボネー
トに大量の紫外線吸収剤を配合せねばならず、被覆層と
なるポリカーボネート層中での紫外線吸収剤の分散状態
が悪いうえに、しかも被覆層の厚みムラが大きくなるた
め、被覆層での紫外線遮断効果が小さく、思うような耐
候性改良効果を得るのは困難であった。
そこで、被覆層に厚みのムラがあっても、また紫外線
吸収剤の分散が悪くても十分な耐候性を得ようと、日本
国特開平1−165419号公報などに示されるように、更に
紫外線吸収剤を多量に配合することが検討されてきた。
しかしながらこの場合、ポリカーボネートシートそのも
のが大量の紫外線吸収剤によって黄色に着色されてしま
うだけではなく、シート成形時の押出機シリンダーの中
でこの紫外線吸収剤がまるで滑剤のように働くため押出
が非常に困難で、逆に被覆層の厚みムラが更に大きくな
り、外観上も商品価値をなくしてしまい問題であった。
また一方で、これまでポリカーボネートシートの改良
といえば、上記のようにロール温度等成形条件探索や、
多層シート等によるシートの機能付加技術研究などから
のアプローチばかりが多く、シートの原料となるポリカ
ーボネートそのものの構造等に言及されることは少なか
った。例えば国際特許公開番号WO97/32916号公報では少
量の異種結合を持つポリカーボネート組成物が提案され
ているが、ポリカーボネートシートの外観を改良する方
法についての記載はなかった。
本発明の課題は、表面光沢性に優れたポリカーボネー
トシートを提供し、かつ該ポリカーボネートシートの耐
候性改良技術を提供することにある。
発明の開示 前記課題を解決するため本発明者らは鋭意検討の結
果、少量の異種結合を有するポリカーボネートが、従来
の異種結合を持たないポリカーボネートに比べて熱変形
温度が低く、シート押出成形時にポリッシングロールの
鏡面転写性が良いことを見いだした。また該ポリカーボ
ネートは成形流動性が極めて優れており、紫外線吸収剤
の分散が良いばかりか、ポリカーボネート積層シートに
おいて、被覆層の厚みムラが少なくなることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記式(1)で表される複数の繰
り返し単位を含むポリカーボネート主鎖中に、 (式中、Arは2価のC5〜C200芳香族残基を表わす。)下
記グループ(2)の式群の中から選ばれる異種結合単位
を式(1)のモル量基準で0.01〜5モル%有するポリカ
ーボネートからなるポリカーボネートシートである。
(式中、Ar'は3価のC5〜C200芳香族基を表わし、Ar"は
4価のC5〜C200芳香族基を 表わし、Xはそれぞれ式 で表わされる繰り返し単位を含む、重量平均分子量214
〜100,000のポリカーボネート鎖を表わす。Yは、それ
ぞれ式 で表わされる繰り返し単位を含む、重量平均分子量214
〜100,000のポリカーボネート鎖を表わす。) また、上記式(1)で表される複数の繰り返し単位を
含むポリカーボネート主鎖中に、上記グループ(2)の
式群の中から選ばれる異種結合単位を式(1)のモル量
基準で0.01〜5モル%有するポリカーボネート、及び組
成物重量あたり0.01〜5重量%の紫外線吸収剤からな
る、ポリカーボネート組成物からなるポリカーボネート
シートである。
また、ポリカーボネート(I)を基材とし、上記式
(1)で表される複数の繰り返し単位を含むポリカーボ
ネート主鎖中に、上記グループ(2)の式群の中から選
ばれる異種結合単位を式(1)のモル量基準で0.01〜5
モル%有し、かつ紫外線吸収剤が0.1〜10重量%配合さ
れたポリカーボネート(II)で表面が被覆されたポリカ
ーボネート積層シートである。
発明を実施するための最良の形態 以下、本発明について詳細に説明する。
本発明でいう少量の異種結合を持つポリカーボネート
は、複数のポリカーボネート主鎖を包含してなるポリカ
ーボネートであって、各ポリカーボネート主鎖は上記式
(1)でそれぞれ独立に表わされる複数の繰り返し単位
を含み、且つ該複数のポリカーボネート主鎖は全体とし
て少なくとも1つの異種結合単位を該ポリカーボネート
主鎖中に有している。
該異種結合単位は上記のグループ(2)の式群から選
ばれる。但し該ポリカーボネート主鎖が複数の異種結合
単位を有する場合、複数の異種結合単位は同じであって
も異なっていてもよい。また、グループ(2)における
X,Y中にも異種結合を含んでもよい。
上記式(1)、及びグループ(2)の式群において、
Arは2価のC5〜C200芳香族残基を示し、Ar'は、該Arの
水素原子1つが置換された3価のC5〜C200芳香族残基で
あり、Ar"は該Arの水素原子2つが置換された4価のC5
〜C200芳香族残基である。
二価の芳香族残基であるArは、例えば、フェニレン、
ナフチレン、ビフェニレン、ピリジレンや、−Ar1−Q
−Ar2−で表される2価の芳香族基である。Ar1及びAr2
は、各々独立にそれぞれ炭素数5〜70を有する2価の炭
素環式又は複素環式芳香族基を表し、Qは炭素数1〜30
を有する2価のアルカンを表す。
2価の芳香族基Ar1、Ar2においては、1つ以上の水素
原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例え
ば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数
1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビ
ニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基な
どによって置換されたものであっても良い。
複素環式芳香族基の好ましい具体例としては、1ない
し複数の環形成窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有す
る芳香族基を挙げる事ができる。
2価の芳香族基Ar1、Ar2は、例えば、置換又は非置換
のフェニレン、置換又は非置換のビフェニレン、置換ま
たは非置換のピリジレンなどの基を表す。ここでの置換
基は前述のとおりである。
2価のアルカン基Qは、例えば、下記式で示される有
機基である。
(式中、R1、R2、R3、R4は、各々独立に水素、炭素数1
〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環構
成炭素数5〜10のシクロアルキル基、環構成炭素数5〜
10の炭素環式芳香族基、炭素数6〜10の炭素環式アラル
キル基を表す。kは3〜11の整数を表し、R5およびR
6は、各Zについて個々に選択され、お互いに独立に、
水素または炭素数1〜6のアルキル基を表し、Zは炭素
を表す。また、R1、R2、R3、R4、R5、R6において、一つ
以上の水素原子が反応に悪影響を及ぼさない範囲で他の
置換基、例えばハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル
基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノ
キシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、
ニトロ基等によって置換されたものであっても良い。) このような−Ar1−Q−Ar2−で表わされる2価の芳香
族基Arとしては、例えば、下記式で示されるものが挙げ
られる。
(式中、R7、R8は、各々独立に水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコ
キシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基または
フェニル基であって、mおよびnは1〜4の整数で、m
が2〜4の場合には各R7はそれぞれ同一でも異なるもの
であってもよいし、nが2〜4の場合には各R8はそれぞ
れ同一でも異なるものであってもよい。) さらに、2価の芳香族残基Arは、次式で示されるもの
であっても良い。
−Ar1−Z'−Ar2− (式中、Ar1、Ar2は前述の通りで、Z'は単結合又は−O
−、−CO−、−S−、−SO2−、−SO−、−COO−、−CO
N(R1)−などの2価の基を表ただし、R1は前述のとお
りである。) このような2価の芳香族残基Arとしては、例えば、下
記指揮で示されるものが挙げられる。
(式中、R7、R8、mおよびnは、前述のとおりであ
る。) 本発明で用いられる芳香族残基Arは、単独で用いても
よく、2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明における繰返し単位(1)の好ましい例として
は、下記の式(1')で示される、ビスフェノールA由来
の構造単位が挙げられる。特に、繰返し単位式式(1)
の85%以上が式(1')で表わされる繰り返し単位である
ことが好ましい。
また、異種結合単位は、下記のグループ(2')の式群
から選ばれる式で表わされることが好ましい。
(但し式中、X及びYは、上記式(2)において定義し
た通りである。) 本発明においては、異種結合単位は、複数のポリカーボ
ネート主鎖全体で1つ以上含有されている。
本発明においては、異種結合単位グループ(2)の合
計量が、繰り返し単位式(1)のモル量基準で0.01〜5
モル%の範囲にある。異種結合単位グループ(2)の合
計量が上記範囲より少ないと、異種結合を持たない従来
のポリカーボネートと熱変形温度が同じになり、シート
押出成形時、ポリッシングロールでの鏡面転写性が悪く
表面光沢性が悪くなる。また流動挙動の非ニュートン性
が減少するために、成形流動性が低下し紫外線吸収剤の
分散が悪くなるばかりか、ポリカーボネート積層シート
において、被覆層厚みムラが大きくなり外観上好ましく
ない。逆に上記範囲より多い場合には、熱変形温度が低
すぎるためシート押出成形中、ポリッシングロールから
のシートの剥離が難しくなり、表面がさざ波状になるた
め外観及び表面光沢性が悪いばかりか、シート押出成形
そのものが困難になり好ましくない。
異種結合単位グループ(2)の合計量は、好ましく
は、0.02〜3モル%の範囲にあり、より好ましくは0.03
〜1モル%の範囲にある。
本発明においては、ポリカーボネート中の繰返し単位
式(1)及び異種結合単位グループ(2)の定量は、該
ポリカーボネートを完全加水分解して、次の条件で逆相
液体クロマトグラフィーを用いて行なう。
すなわちポリカーボネート55mgをテトラヒドロフラン
2mlに溶解した後、5規定の水酸化カリウムメタノール
溶液を0.5ml添加し、室温で2時間攪拌して完全に加水
分解する。その後、濃塩酸0.3mlを加え、逆相液体クロ
マトグラフィーで測定する。
逆相液体クロマトグラフィーは、UV検出器として991L
型機(米国ウォーターズ社製)、Inertsil ODS−3カラ
ム(登録商標:日本国ジーエルサイエンス社製)、溶離
液としてメタノールと0.1%リン酸水溶液からなる混合
溶離液を用い、カラム温度25℃メタノール/0.1%リン酸
水溶液比率を20/80からスタートし100/0までグラジエン
トする条件下で測定し、検出は波長300nmのUV検出器を
用いて行い、標準物質の吸光係数から定量する。(標準
物質としては、式(1')、グループ(2')の構造単位を
加水分解した構造に相当するヒドロキシ化合物を用い
た。) ポリカーボネートの加水分解はPolymar and Stabil
ity 45(1994),127〜137に記載されているような常温
での加水分解法が、操作が容易で分解過程での副反応も
なく、完全にポリカーボネートを加水分解できるので好
ましい。
本発明で用いられる少量の異種結合を持つポリカーボ
ネートは、重量平均分子量が5,000〜300,000の範囲にあ
る。上記範囲より重量平均分子量が小さい場合は、機械
的強度が小さくて好ましくなく、上記範囲より大きい場
合は流動性が低下しすぎて好ましくない。好ましくは、
重量平均分子量が7,000〜100,000の範囲にあり、より好
ましくは10,000〜80,000の範囲にある。
また、ポリマーの末端分子構造は特に限定されない
が、ヒドロキシル基、アリールカーボネート基、アルキ
ルカーボネート基から選ばれた1種以上の末端基とする
ことができる。ヒドロキシル基は、用いた芳香族ジヒド
ロキシ化合物から誘導される末端である。
アリールカーボネート末端基は、下記式で表される。
(式中、Ar3は一価のC6〜C30芳香族残基であり、芳香環
は置換されていても良い。) アリールカーボネート末端基の具体例としては、例え
ば、下記式で表わされるものが挙げられる。
アルキルカーボネート末端基は、下記式で表される。
(式中、R9は炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐アルキル
基) アルキルカーボネート末端基の具体例としては、例えば
下記式で表わされるものが挙げられる。
これらの中で、フェニルカーボネート基、p−t−ブ
チルフェニルカーボネート基、p−クミルフェニルカー
ボネート基等が好ましく用いられる。また、ヒドロキシ
基末端と他の末端とのモル比は、特に限定されず、用途
に応じて0:100〜100:0の範囲で用いられる。しかし、耐
熱性や耐熱水性を向上するためには、ヒドロキシ基末端
は極力少ない方が好ましい 本発明で用いられる少量の異種結合を持つポリカーボ
ネートは、国際特許公開番号WO97/32916号公報に記載さ
れている反応系の複数の反応域における重合原料の温度
と滞留時間を特定の関係と満足するように制御する方法
で製造することができる。また本発明で用いられるポリ
カーボネートの構成を満足する限り公知のいかなる方法
で製造してもよい。
また、本発明で用いられる少量の異種結合を持つポリ
カーボネートが製造できる限り、分岐構造を導入するた
めの芳香族多価モヒドロキシ化合物を少量併用してもよ
いし、末端変換や分子量調節のために芳香族ヒドロキシ
化合物や脂肪族アルコールを併用してもよい。
本発明においてポリカーボネートシートは押出成形法
によって成形されることが好ましい。押出成形法は、原
料となるポリカーボネートをシート押出機内で加熱溶融
し、もしくはすでに溶融状態にある原料ポリカーボネー
トを混練し、該溶融ポリマーを定量的にシート用金型
(Tダイ)に導き、拡幅した上でダイリップから吐出す
る。吐出された溶融ポリマーをポリッシングロールに導
き、該ポリッシングロールによって鏡面を転写し、板厚
調整を行い、シート形状に冷却固化した上で引き取るこ
とによってポリカーボネートシートを作成する方法であ
る。
本発明ではポリカーボネートシートの押出成形に際
し、押出機先端での溶融ポリカーボネート樹脂温度が25
0〜310℃になるようにシリンダー温度を200〜320℃に設
定して成形することが好ましく、また、ポリッシングロ
ールの温度は100〜150℃で行うことが好ましい。
また、本発明におけるポリカーボネート積層シートの
成形は、共押出成形法によって行われることが好まし
い。共押出成形法は、基材層用ポリカーボネート(I)
を、押出機先端での溶融ポリカーボネート温度が250〜3
10℃になるようにシリンダー温度を200〜320℃の範囲で
温度設定された基材層用押出機に投入し、一方、被覆層
用ポリカーボネート(II)も、同様に押出機先端での溶
融樹脂温度が250〜310℃になるようにシリンダー温度を
200〜320℃の範囲で温度設定された被覆層用押出機に投
入する。
両押出機内で溶融された両該ポリカーボネートを定量
的に共押出シート用金型(フィードブロックタイプやマ
ルチマニホールドタイプ、もしくはスタックプレートタ
イプ等の共押出ダイ)に導き、基材層用該ポリカーボネ
ート(I)の両面に、被覆層用該ポリカーボネート(I
I)が積み重ねられるように合流・接合させた後、拡幅
した上で共押出ダイリップより吐出する。
吐出された該溶融積層ポリカーボネートは(好ましく
は100〜150℃に)温度が設定されたポリッシングロール
に導かれ、ポリッシングロールの鏡面をシート表面に転
写すると同時に、積層シート形状に冷却固化した上で引
き取ることによってポリカーボネート積層シートを作成
する方法である。
従来、ポリカーボネートシートの表面外観をよくする
ためには、前述の通りポリッシングロールの温度を精密
にコントロールする必要があったが、本発明で用いる少
量の異種結合を持った該ポリカーボネートをシートに成
形する場合は、該ポリカーボネートの熱変形温度が、従
来の異種結合を持たないポリカーボネートと比較して低
く、ポリッシングロールでの鏡面転写性が優れるため、
このような精密な温度コントロールは不要である。
本発明のポリカーボネートシート及びポリカーボネー
ト積層シートの板厚は特に制限はなく、用途に応じて0.
5mmから20mmまで自由に設定できる。板厚の調整は、シ
ート押出成形時に複数本あるポリッシングロールの間隙
を調整することによって容易に行うことができる。
本発明ではポリカーボネートシートの耐候性が極めて
改良される。
本発明の第一の好ましい態様は、本発明の少量の異種
結合を持つポリカーボネートに紫外線吸収剤を組成物重
量あたり0.01〜5重量%配合したポリカーボネート組成
物からなるポリカーボネートシートである。従来の異種
結合を持たないポリカーボネートでは、紫外線吸収剤を
配合しても押出機内での紫外線吸収剤の分散が悪く、思
ったような耐候性が得られていなかった。ところが本発
明で用いる少量の異種結合を持った該ポリカーボネート
は、押出機内での成形流動性が異種結合を持たない従来
のポリカーボネートに比べて極めて優れるため、配合す
る紫外線吸収剤の分散状態が極めてよく耐候性に優れ
る。配合する紫外線吸収剤の量としては0.01〜3重量%
が好ましく、特に0.02〜1重量%配合することが好まし
い。配合量が0.01重量%未満では耐候性の効果が得られ
ず、逆に5重量%を超えると大量の紫外線吸収剤による
初期着色(黄色)が大きく商品価値がなくなってしまい
問題である。
本発明の第2の好ましい態様は、本発明の少量の異種
結合を持つポリカーボネートに紫外線吸収剤を組成物重
量あたり0.1〜10重量%配合したポリカーボネート組成
物を用いて、保護したいポリカーボネートシートの表面
を被覆したポリカーボネート積層シートである。従来の
異種結合を持たないポリカーボネートでは、積層シート
中の薄い被覆層に厚みにムラができやすく外観上問題で
あるばかりか被覆層厚みムラの影響で耐候性も場所によ
ってムラができてしまい改善を求められていた。また、
前述同様被覆ポリカーボネート層中での紫外線吸収剤の
分散状態も悪いため、思うような耐候性が得られていな
かった。ところが、本発明で用いる少量の異種結合を持
った該ポリカーボネートは、前述のように押出機内での
成形流動性が異種結合を持たない従来のポリカーボネー
トに比べて極めて優れるため、特に本発明のように積層
シートの被覆層のような薄膜が必要とされる場合でも厚
みのムラが小さく、かつ前述のように紫外線吸収剤の分
散状態も良いため従来の異種結合を持たないポリカーボ
ネートを用いた場合に問題だった表面光沢性と耐候性が
一気に改良できる。本発明のポリカーボネート積層シー
トにおいて、被覆層に配合する紫外線吸収剤の量として
は0.1〜7重量%が好ましく、特に0.2〜5重量%配合す
ることが好ましい。配合量が0.1重量%未満では耐候性
の効果が得られず、逆に10重量%を超えると大量の紫外
線吸収剤による被覆ポリカーボネート層の初期着色(黄
色)が大きく商品価値がなくなってしまい問題である。
本発明においてポリカーボネート積層シートの被覆層
の厚みとしては、10〜500μmが好ましく、更に好まし
くは20〜200μmである。被覆層厚みが10μm未満だと
耐候性が悪く、逆に500μmを超えると大量の紫外線吸
収剤による初期着色(黄色)が大きくポリカーボネート
積層シートとしての商品価値がなくなってしまい問題で
ある。被覆層は基材層ポリカーボネートの両面に積層し
ても、どちらか片面だけに積層してもいずれでもかまわ
ない。
本発明のポリカーボネート積層シートにおいて、被覆
層となるポリカーボネート(II)に用いられるポリカー
ボネートは、表面光沢性及び耐候性を改良のため前述の
少量の異種結合を持つポリカーボネートでなければなら
ないが、基材層となるポリカーボネート(I)に用いら
れるポリカーボネートには特に制限はない。これまで述
べてきた少量の異種結合を持つポリカーボネートであっ
てもよいし、異種結合の量も前述の量以上でも以下でも
よい。もちろん異種結合を持たないポリカーボネートで
あってもよい。また他組成物とのポリマーアロイであっ
ても構わないし、必要に応じて各種耐熱安定剤、酸化防
止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、帯電防止
剤、可塑剤、他樹脂やゴム等の重合体、顔料、染料、充
填剤、強化剤、難燃剤等が添加されていてもよい。
本発明において用いられる紫外線吸収剤としては特に
制限はなく、例えばベンゾトリアゾール系化合物、アル
キリデンビスベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェ
ノン系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合
物、サリチル酸フェニルエステル系化合物などから選択
される紫外線吸収剤が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系化合物としては2−(5−メチ
ル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾー
ル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,αジメチ
ルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2
−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−
テトラメチレンブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾー
ル−2−イル)フェノール]、などが挙げらる。
アルキリデンビスベンゾトリアゾール系化合物として
は2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−ベンゾトリア
ゾリルフェノール)、2,2'−メチレンビス[4−(1,1,
3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾリル
フェノール]、2,2'−メチレンビス(4−クミル−6−
ベンゾトリアゾリルフェノール)、2,2'−オクチリデン
ビス(4−メチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノー
ル)、2,2'−オクチリデンビス[4−メチル−6−(5'
−クロロベンゾトリアゾリル)フェノール]などが挙げ
られる。
ベンゾフェノン系化合物としては2−ヒドロキシ−4
−オクトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4'−クロ
ルベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキ
シベンゾフェノン等が挙げられる。
またヒドロキシフェニルトリアジン系化合物として
は、例えば2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−
4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ
フェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニ
ル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2
−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−ト
リアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−
4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ
フェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ
フェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6
−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−
1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒド
ロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリ
アジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4
−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−(2−ブト
キシエトキシ)フェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−
ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキ
シフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−トル
イル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)
−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−
(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5
−トリアジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒ
ドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジ
ン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−
4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−
オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−
ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシ
ルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p
−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキ
シフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ−p−トル
イル−6−(2−ヒドロキシ−4−(2−ヘキシルオキ
シエトキシ)フェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げ
られる。
サリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤としては
パラ−t−ブチルフェニルサリチル酸エステル、パラ−
オクチルフェニルサリチル酸エステル等が挙げられる。
このうち押出成形など高温下での揮発性がより低いベ
ンゾトリアゾール系化合物、アルキリデンビスベンゾト
リアゾール系化合物、もしくはヒドロキシフェニルトリ
アジン系化合物からなる紫外線吸収剤がより好ましい。
本発明で用いられる少量の異種結合を持つポリカーボ
ネートには、必要に応じて、その他耐熱安定剤、酸化防
止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、帯電防止
剤、可塑剤、他樹脂やゴム等の重合体、顔料、染料、充
填剤、強化剤、難燃剤等を添加して用いても良い。更
に、これら添加剤等は、本発明で用いられる該ポリカー
ボネートの製造時に添加していてもよいし、ポリカーボ
ネートシートもしくはポリカーボネート積層シートを押
出成形する際、押出機に原料となる該ポリカーボネート
と同時に添加してもよい。
(実施例) 以下に実施例、比較例を用いて本発明の効果をさらに
具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限さ
れるものではない。
実施例と比較例においては本発明の効果を以下の方法
で測定、評価した。
(1)表面光沢(グロス):作成したシート片の60度鏡
面光沢度(グロス)を、JIS K 7105 プラスチック
の光学的特性試験方法(5.2光沢度)に準拠して測定し
た。
(2)耐候性(黄変度):作成したシート片をJIS A
1415 プラスチック建築材料の促進暴露試験方法に準
拠して、試験装置WS型、ブラックパネル温度63℃、スプ
レーサイクル18分/120分の条件で、5000時間暴露した。
そして暴露後のシート片の黄色度を、JIS K 7105
プラスチックの光学的特性試験方法(6.3黄色度及び黄
変度)に準拠して測定した。
実施例1 溶融エステル変換法により得られた上記繰り返し単位
式(1)のモル量基準で、上記グループ(2')の式群の
中から式(2')−(a)と式(2')−(f)で表される
2種類の異種結合を合計量で0.09モル%含有するポリカ
ーボネート(重量平均分子量;26,800)99重量%と、紫
外線吸収剤として1重量%の2,4−ジフェニル−6−
(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,
3,5−トリアジンをドライブレンドによって混ぜ合わ
せ、上記押出成形法によってポリカーボネートシートを
作成した。
押出成形の諸条件は次の通り。
押出機:スクリュー径100mm(L/D=32)の単軸ベント付
押出成形機。
ポリッシングロール:縦型3本ロール(径300mm、長さ1
200mm)。
シートの原料となる該ポリカーボネートを、押出機先
端での溶融樹脂温度が290℃になるようにシリンダー温
度を200〜310℃の範囲で温度設定された上記押出機に投
入する。
押出機内で溶融された該ポリカーボネートを定量的に
シート用金型(Tダイ、コートハンガータイプ)に導
き、拡幅した上でダイリップより吐出する。
吐出された該溶融ポリカーボネートは上記ポリッシン
グロール(ロール温度は、第1、第2ロール130℃、第
3ロール140℃に設定)に導かれ、ポリッシングロール
の鏡面をシート表面に転写すると同時に、シート形状に
冷却固化した上で引き取り、裁断して目的のポリカーボ
ネートシートを得た。
このとき、得られるポリカーボネートシートの厚みが
5mmになるように、ポリッシングロールの隙間を調整し
て押出成形した。
得られたポリカーボネートシートに関して上記の評価
を行った。評価結果を表1に示す。表1から明らかなよ
うに得られたポリカーボネートシートは優れた表面光沢
性と耐候性を有していた。
比較例1 実施例1と同じ重量平均分子量(26,800)をもった市
販のポリカーボネートと、実施例1と同じ紫外線吸収剤
1重量%をドライブレンドによって混ぜ合わせ、実施例
1と同じ諸条件でポリカーボネートシートを成形し、評
価を行った。
なお分析の結果、用いたポリカーボネートに異種結合
は存在しなかった。
評価結果を表1に示す。表1から明らかなように、実
施例1で得られたポリカーボネートシートと比較して表
面光沢性と耐候性が劣っていた。
比較例2 溶融エステル交換法により得られた上記繰り返し単位
式(1)のモル量基準で、グループ(2')の式群の中か
ら式(2')−(a)〜式(2')−(f)で表される全て
の種類の異種結合を合計量で7モル%含有するポリカー
ボネート(重量平均分子量;25,000)99重量%と、実施
例1と同じ紫外線吸収剤1重量%をドライブレンドによ
って混ぜ合わせ、実施例1と同じ諸条件でポリカーボネ
ートシートを成形し、評価を行った。
評価結果を表1に示すが、シート成形時、ポリッシン
グロールからの剥離が困難で、シート表面がさざ波状に
粗れてしまい、表面光沢性は悪かった。しかし耐候性に
ついてはほぼ良好な性能を有していた。
実施例2 実施例1で用いたポリカーボネートを用い、紫外線吸
収剤を配合しなかった以外は実施例1と同じ諸条件でポ
リカーボネートシートを成形し、評価を行った。
評価結果を表1に示す。表1から明らかなように、表
面光沢性は良好だったが、実施例1で得られたポリカー
ボネートシートと比較して耐候性が悪かった。
比較例4 比較例1で用いたポリカーボネートを用い、紫外線吸
収剤を配合しなかった以外は実施例1と同じ諸条件でポ
リカーボネートシートを成形し、評価を行った。
評価結果を表1に示す。表1から明らかなように、実
施例1で得られたポリカーボネートシートと比較して表
面光沢性が劣る上に耐候性も悪かった。
実施例3 実施例1で用いたポリカーボネートを基材層用のポリ
カーボネート(I)として用い、一方、被覆層用のポリ
カーボネート(II)として、実施例1で用いたポリカー
ボネート97重量%と、紫外線吸収剤として2,4−ジフェ
ニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェ
ニル)−1,3,5−トリアジン3重量%をドライブレンド
によって混ぜ合わせたものを用い、上記共押出成形法に
よってポリカーボネート積層シートを作成した。
共押出成形の諸条件は次の通り。
基材層用押出機:スクリュー径100mm(L/D=32)の単軸
ベント付押出成形機。
被覆層用押出機:スクリュー径50mm(L/D=32)の単軸
ベント付押出成形機。
共押出シート用金型:フィードブロックタイプ、ダイリ
ップ幅1000mm。
ポリッシングロール:縦型3本ロール(径300mm、長さ1
200mm)。
基材層用該ポリカーボネート(I)を、押出機先端で
の溶融樹脂温度が290℃になるようにシリンダー温度を2
00〜310℃の範囲で温度設定された上記基材層用押出機
に投入する。
一方、被覆層用該ポリカーボネート(II)も、同様に
押出機先端での溶融樹脂温度が290℃になるようにシリ
ンダー温度を200〜310℃の範囲で温度設定された上記被
覆層用押出機に投入する。
両押出機内で溶融された両該ポリカーボネートを定量
的に上記共押出シート用金型に導き、基材層用該ポリカ
ーボネート(I)の両面に、被覆層用該ポリカーボネー
ト(II)が積み重ねられるように合流・接合させた後、
拡幅した上でダイリップより吐出する。
吐出された該溶融積層ポリカーボネートは上記ポリッ
シングロール(ロール温度は、第1、第2ロール130
℃、第3ロール140℃に設定)に導かれ、ポリッシング
ロールの鏡面をシート表面に転写すると同時に、積層シ
ート形状に冷却固化した上で引き取り、裁断して目的の
ポリカーボネート積層シートを得た。
このとき、得られるポリカーボネート積層シートの厚
みが5mmになるように、ポリッシングロールの隙間を調
整して共押出成形した。
また、得られるポリカーボネート積層シートの被覆層
が、基材層の両面にそれぞれ30μmの厚みで積層される
よう、共押出成形時の被覆層用押出機の押出量及び共押
出シート用金型内の樹脂流路を調整して共押出成形を行
った。
得られたポリカーボネート積層シートに関して上記の
評価を行った。評価結果を表2に示す。表2から明らか
なように得られたポリカーボネート積層シートは優れた
表面光沢性と耐候性を有していた。
比較例5 比較例1で用いたポリカーボネートを基材層用のポリ
カーボネート(I)として用い、一方、被覆層用のポリ
カーボネート(II)として、比較例1で用いたポリカー
ボネート97重量%と実施例3で用いた紫外線吸収剤3重
量%をドライブレンドによって混ぜ合わせたものを用
い、実施例3と同じ諸条件でポリカーボネート積層シー
トを成形し、評価を行った。
評価結果を表2に示す。表2から明らかなように、実
施例3で得られたポリカーボネート積層シートと比較し
て表面光沢性と耐候性に劣ることが明らかである。
比較例6 比較例2で用いたポリカーボネートを基材層用のポリ
カーボネート(I)として用い、一方、被覆層用のポリ
カーボネート(II)として、比較例2で用いたポリカー
ボネート97重量%と実施例3で用いた紫外線吸収剤3重
量%をドライブレンドによって混ぜ合わせたものを用
い、実施例3と同じ諸条件でポリカーボネート積層シー
トを成形し、評価を行った。
評価結果を表2に示すが、比較例2の押出成形の時と
同様に、積層シート共押出成形時、ポリッシングロール
からの剥離が困難で、シート表面がさざ波状に粗れてし
まい、表面光沢性は悪かった。しかし耐候性については
ほぼ良好な性能を有していた。
比較例7 実施例1で用いたポリカーボネートを基材層用のポリ
カーボネート(I)として用い、一方、被覆層用のポリ
カーボネート(II)として実施例1で用いたポリカーボ
ネートを用い、被覆層用ポリカーボネート(II)に紫外
線吸収剤を配合しなかった以外は実施例3と同じ諸条件
でポリカーボネート積層シートを成形し、評価を行っ
た。
評価結果を表2に示す。表2から明らかなように、表
面光沢性は良好だったが、実施例3で得られたポリカー
ボネート積層シートと比較して耐候性が悪かった。
比較例8 比較例1で用いたポリカーボネートを基材層用のポリ
カーボネート(I)として用い、一方、被覆層用のポリ
カーボネート(II)として比較例1で用いたポリカーボ
ネートを用い、被覆層用ポリカーボネート(II)に紫外
線吸収剤を配合しなかった以外は実施例3と同じ諸条件
でポリカーボネート積層シートを成形し、評価を行っ
た。
評価結果を表2に示す。表2から明らかなように、実
施例3で得られたポリカーボネート積層シートと比較し
て表面光沢性が劣るうえに耐候性も悪かった。
実施例4 実施例1で用いたポリカーボネートを用い、それのみ
を実施例1と同じ諸条件で押出成形を行いポリカーボネ
ートシートを得た。
得られたポリカーボネートシートに関して上記の評価
を行った。評価結果を表3に示す。表3から明らかなよ
うに得られたポリカーボネートシートは優れた表面光沢
を有していた。
比較例9 比較例1で用いたポリカーボネートを用い、それのみ
を実施例4と同様にポリカーボネートシートを成形し、
評価を行った。
評価結果を表3に示す。表3から明らかなように、実
施例4で得られたポリカーボネートシートと比較して表
面光沢が低かった。
比較例10 比較例2で用いたポリカーボネートを用い、それのみ
を実施例4同様にポリカーボネートシートを成形し、評
価を行った。
評価結果を表3に示すが、比較例2の時と同様、シー
ト成形時、ポリッシングロールからの剥離が困難で、シ
ート表面がさざ波状に粗れてしまい、表面光沢は悪かっ
た。
産業上の利用可能性 本発明によって、表面光沢性、耐候性に優れたポリカ
ーボネートシート及びポリカーボネート積層シートを提
供することができ、今後更にポリカーボネートシートの
用途を広げることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 27/36 C08G 64/00 - 64/42 C08L 69/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の式(1')で示される繰り返し単位を
    含むポリカーボネート主鎖中に、 下記のグループ(2')の式群の中から選ばれる異種結合
    単位を式(1')のモル量基準で0.01〜5モル%有するポ
    リカーボネートからなり、押し出し成形後ポリッシング
    ロール処理されたポリカーボネートシート。 (式中、Xは式 で表される繰り返し単位を含む、重量平均分子量214〜1
    00,000のポリカーボネート鎖を表わす。)
  2. 【請求項2】上記式(1')で表される繰り返し単位を含
    むポリカーボネート主鎖中に、上記グループ(2')の式
    群の中から選ばれる異種結合単位を式(1')のモル量基
    準で0.01〜5モル%有するポリカーボネート、及び組成
    物重量あたり0.01〜5重量%の紫外線吸収剤を含有する
    ポリカーボネート組成物からなり、押し出し成形後ポリ
    ッシングロール処理されたポリカーボネートシート。
  3. 【請求項3】ポリカーボネート(I)からなる基材及
    び、上記式(1')で示される繰り返し単位を含むポリカ
    ーボネート主鎖中に、上記グループ(2')の式群の中か
    ら選ばれる異種結合単位を式(1')のモル量基準で0.01
    〜5モル%有するポリカーボネート、及び組成物重量あ
    たり0.1〜10重量%の紫外線吸収剤を含有するポリカー
    ボネート(II)組成物からなる表面被覆層からなり、両
    者が共押し出し成形後ポリッシングロール処理されたポ
    リカーボネート積層シート。
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