JPH1044357A - 撥水性積層シート - Google Patents

撥水性積層シート

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JPH1044357A
JPH1044357A JP20494196A JP20494196A JPH1044357A JP H1044357 A JPH1044357 A JP H1044357A JP 20494196 A JP20494196 A JP 20494196A JP 20494196 A JP20494196 A JP 20494196A JP H1044357 A JPH1044357 A JP H1044357A
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JP
Japan
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polycarbonate
laminated sheet
sheet
alkyl group
water
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Withdrawn
Application number
JP20494196A
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English (en)
Inventor
Masahiro Miyauchi
雅弘 宮内
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリカーボネートシートに撥水性を付与し、
かつポリカーボネートシートそのものの耐候性を改良す
るとともに、耐候処方による熱劣化を防止することによ
って初期着色を防止し、かつ撥水層との密着性をも改良
した撥水性ポリカーボネート積層シートを提供する。 【解決手段】 撥水性を付与するポリカーボネートシー
トとして、3種ないし4種の特定の化合物を特定量組み
合わせて配合したポリカーボネート組成物であらかじめ
被覆したポリカーボネート積層シートを用い、このポリ
カーボネート積層シートにフッ素系樹脂層を積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は撥水性表面を有すポ
リカーボネートシートに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートシートは透明性、耐衝
撃性、耐熱性、難燃性などに優れ透明防音板やシェルタ
ーなどの道路資材、体育館やドームの屋根、アーケード
の屋根、建物の窓など建築資材、その他カーポートの屋
根やテラスの腰板、サンルームの屋根など幅広く用いら
れており、今後も更に用途の拡大が期待されている。
【0003】このように屋外で、雨風にさらされる場所
で使われることの多いポリカーボネートシートである
が、一般にポリカーボネートシートの表面は水滴をはじ
きにくく、雨粒などでシートの表面が濡れ、それが乾燥
した際に雨粒などに含まれる塵やほこりがシートの表面
で汚れとなって残ってしまう。ポリカーボネートシート
はその特徴から美観を重視するシーンで用いられること
が多いため、このシートの汚れは市場で大きな問題とな
っている。
【0004】このため汚れたポリカーボネートシート表
面を清掃し、元の表面状態に戻す作業が欠かせなかっ
た。しかし一般にポリカーボネートシートの表面は柔ら
かく傷が付きやすく、拭き上げる際にシート表面に傷を
付けてしまう。そこでポリカーボネートシート表面の硬
度を高める表面硬化処理が近年一般に行われてるように
なった。例えば、特公昭60−53701号公報、特公
昭63−5155号公報、特公昭63−52668号公
報などが挙げられる。
【0005】この表面硬化処理は確かに汚れたポリカー
ボネートシート表面を拭き上げる際の傷防止には大きな
効果があったが、拭き上げなければならない原因である
シート表面が汚れることについては何ら改善されておら
ず、市場では雨でも表面が汚れないポリカーボネートシ
ートが強く望まれている。そこで、雨でもポリカーボネ
ートシートの表面が汚れない表面処理が盛んに検討され
ており、塵を含んだ雨粒そのものをはじかせるため、水
との接触角が高分子材料の中でも高いフッ素系樹脂を表
面に積層する検討がなされている。例えば、特開昭62
−151475号公報、特公平1−49551号公報、
特開平5−100684号公報、特公平7−91402
号公報などが挙げられる。
【0006】これらの方法により、ポリカーボネートシ
ート表面の撥水性は高まり、確かに汚れ防止に効果があ
った。しかしポリカーボネートシートは一般に耐候性が
悪く、紫外線にさらされると着色してくるなどの問題が
ある。上記方法においてフッ素系樹脂はほとんど紫外線
を吸収することができないため、すぐにポリカーボネー
トシートが耐候変色するため実用には耐えなかった。
【0007】そこで接着剤に大量の紫外線吸収剤を配合
して、フッ素系樹脂が積層されるポリカーボネートシー
ト表面に紫外線が到達しないようにする検討が行われて
いる。例えば特公昭63−34890号公報、特公平5
−27543号公報などが挙げられる。しかしこれらの
方法では、接着剤に大量の紫外線吸収剤を添加しなけれ
ばならず、接着剤が着色してしまい外観上の問題である
とともに、紫外線吸収剤を大量に配合した影響で、肝心
の密着性が低下するといった重大な問題が発生してしま
うため、更なる改良が求められていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ポリ
カーボネートシートに撥水性を付与し、かつポリカーボ
ネートシートそのものの耐候性を改良するとともに、耐
候処方による熱劣化を防止することによって初期着色を
防止し、かつ撥水層との密着性をも改良した撥水性ポリ
カーボネート積層シートを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明者らは鋭意検討の結果、撥水性を付与するポリカ
ーボネートシートとして、3種ないし4種の特定の化合
物を特定量組み合わせて配合したポリカーボネート組成
物であらかじめ被覆したポリカーボネート積層シートを
用い、このポリカーボネート積層シートにフッ素系樹脂
層を積層することによって、前記課題が全て解決できる
ことを見いだし本発明を完成するに至った。
【0010】即ち本発明は、ポリカーボネート(I)を
基材とし、少なくとも(A)下記化5で示されるヒドロ
キシフェニルトリアジン系化合物0.1〜5重量%、
(B)下記化6及び/又は化7で示されるフェノール系
化合物0.001〜1重量%、(C)下記化8で示され
るリン系化合物0.001〜1重量%を含有するポリカ
ーボネート組成物(II)が、10〜100μmの厚み
で被覆されてなるポリカーボネート積層シートの表面
に、1〜300μmの厚みでフッ素系樹脂層が積層され
た撥水性積層シート。
【0011】
【化5】
【0012】(式中、R1は水素または炭素数1〜18
のアルキル基または炭素数1〜12のアルコキシ基もし
くはハロゲンで置換された炭素数2〜6のアルキル基ま
たはベンジル基、R2は水素またはメチル基。)
【0013】
【化6】
【0014】(式中、R1およびR2は炭素数1〜4の
アルキル基、R3は炭素数1〜30のアルキル基、nは
1〜10。)
【0015】
【化7】
【0016】(式中、R1およびR2は炭素数1〜4の
アルキル基、R3は炭素数1〜30のアルキル基、nは
1〜10。)
【0017】
【化8】
【0018】(式中、R1、R2は炭素数1〜4のアル
キル基またはいずれかが水素。) 以下、本発明を詳細に説明する。本発明の基材部ポリカ
ーボネート(I)、及び被覆層ポリカーボネート組成物
(II)に用いられるポリカーボネートは、下記化9で
表される繰り返し単位からなる主鎖を有する。
【0019】
【化9】
【0020】(式中、Arは二価の芳香族残基であり、
例えばフェニレン、ナフチレン、ビフィニレン、ピリジ
レンや、化10で表されるものが挙げられる。)
【0021】
【化10】
【0022】(式中Ar1 及びAr2 はそれぞれアリレ
ーン基である。例えばフェニレン、ナフチレン、ビフェ
ニレン、ピリジレン等の基を表し、Yは化11及び化1
2で表されるアルキレン基または置換アルキレン基であ
る。)
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】(式中R1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞ
れ水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基であって、場合によりハロゲン原
子、アルコシ基で置換されていてもよく、kは3〜11
の整数であり、化12の水素原子は、低級アルキル基、
アリール基、ハロゲン等で置換されてもよい。) また化13で示される二価の芳香族残基を共重合体成分
として含有していてもよい。
【0026】
【化13】
【0027】(式中Ar1 、Ar2 は化2と同じ。Zは
単なる結合、または、−O−、−CO−、−S−、−S
2 −、−CO2 −、−CON(R1 )−、(R1 は前
記と同様)等の二価の基である。) これら二価の芳香族残基の例としては、下記化14及び
化15で表されるもの等が挙げられる。
【0028】
【化14】
【0029】
【化15】
【0030】(式中R5 及びR6 はそれぞれ水素、ハロ
ゲン、C1 〜C10アルキル基、C1 〜C10アルコキシ
基、C1 〜C10シクロアルキル基またはフェニル基であ
る。m及びnは1〜4の整数で、mが2〜4の場合には
各R5 はそれぞれ同一でも異なるものであってもよい
し、nが2〜4の場合は各R6 はそれぞれ同一でも異な
るものであってもよい。) 中でも、下記化16で表されるものが好ましい一例であ
る。特に、上記化16をArとする繰り返しユニットを
85モル%以上含むものが好ましい。
【0031】
【化16】
【0032】また、該ポリカーボネートは、三価以上の
芳香族残基を共重合成分として含有していてもよいし、
脂肪族または芳香族のエステル成分を共重合成分として
含有してもよい。ポリマー末端の分子構造は特に限定さ
れないが、ヒドロキシ基、アリールカーボネート基、ア
ルキルカーボネート基から選ばれた1種以上の末端基を
結合することができる。アリールカーボネート末端基
は、下記化17で表され、具体例としては例えば化18
が挙げられる。
【0033】
【化17】
【0034】(式中Ar3 は一価の芳香族残基であり、
芳香環は置換されていてもよい。)
【0035】
【化18】
【0036】アルキルカーボネート末端基は、下記化1
9で表され、具体例としては例えば下記化20等が挙げ
られる。
【0037】
【化19】
【0038】(式中R7 は炭素数1〜20の直鎖もしく
は分岐アルキル基)
【0039】
【化20】
【0040】これらの中で、フェニルカーボネート基、
p−t−ブチルフェニルカーボネート基、p−クミルフ
ェニルカーボネート基等が好ましく用いられる。またヒ
ドロキシ基末端と他の末端との比率は1:100以上で
あることが好ましく、更に好ましくは1:40以上であ
る。これらポリカーボネートの分子量は特に限定されな
い。また該ポリカーボネートに含有される加水分解可能
な塩素は1ppm以下、更に好ましくは0.5ppm以
下であることが好ましい。1ppmを超える量の塩素が
ポリカーボネート樹脂中に含有されていると、成形加工
時等長時間高温下にさらされることによって着色してし
まいポリカーボネートの特徴である透明感が失われてし
まう。
【0041】また該ポリカーボネートは公知の方法で製
造できる。具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物とカ
ーボネート前駆体とを反応せしめる公知の方法、例えば
芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンを水酸化ナトリウ
ム水溶液及び塩化メチレン溶媒の存在下に反応させる界
面重合法(ホスゲン法)、芳香族ジヒドロキシ化合物と
ジフェニルカーボネートを反応させるエステル交換法
(溶融法)、結晶化カーボネートプレポリマーを固相重
合する方法(特開平1−158033、特開平1−27
1426、特開平3−68627)等の方法により製造
できる。
【0042】該基材部ポリカーボネート(I)には必要
に応じて各種添加剤を配合してよく、例えば耐熱安定
剤、酸化防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、離型剤、滑
剤、帯電防止剤、可塑剤、他樹脂やゴム等の重合体、顔
料、染料、充填剤、強化剤、難燃剤等を挙げることがで
きる。また被覆層ポリカーボネート組成物(II)に用
いられるポリカーボネートには、本発明で必須の3種ま
たは4種の化合物以外の耐熱安定剤、酸化防止剤、耐候
剤、紫外線吸収剤が配合されてもよいが、これらの添加
量は合計で2重量%以下、好ましくは1重量%以下にし
なければならない。
【0043】また被覆層ポリカーボネート組成物(I
I)に用いられるポリカーボネートにも、必要に応じて
各種添加剤を配合してよく、例えば離型剤、滑剤、帯電
防止剤、可塑剤、他樹脂やゴム等の重合体、顔料、染
料、充填剤、強化剤、難燃剤等を挙げることができる。
これら添加剤等は、重合終了後のポリカーボネートが溶
融状態の間に添加してもよく、ポリカーボネートを一旦
ペレタイズした後、添加剤を添加再溶融混練してもよい
し、シート成形時にポリカーボネートと同時にもしくは
成形の途中で添加してもよい。
【0044】本発明で用いる(A)ヒドロキシフェニル
トリアジン系化合物としては、下記化21で示され、例
えば2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−
メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフ
ェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニ
ル−6−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)
−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−
(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,
5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒド
ロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−
トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキ
シ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリ
アジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−
4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジ
ン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−
ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−(2
−ブトキシエトキシ)フェニル)−1,3,5−トリア
ジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキ
シ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジ
ン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ
−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4
−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4
−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,
4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘ
キシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ−4
−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジ
ン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキシ
−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリア
ジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロキ
シ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリ
アジン、2,4−ジ−p−トルイル−6−(2−ヒドロ
キシ−4−(2−ヘキシルオキシエトキシ)フェニル)
−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。このうち特
に紫外線吸収効果に優れた2,4−ジフェニル−6−
(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−
1,3,5−トリアジンが更に好ましい。
【0045】
【化21】
【0046】(式中、R1は水素または炭素数1〜18
のアルキル基または炭素数1〜12のアルコキシ基もし
くはハロゲンで置換された炭素数2〜6のアルキル基ま
たはベンジル基、R2は水素またはメチル基。) 上記ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物は、本発明
の被覆層ポリカーボネート組成物(II)において、
0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%、更に
好ましくは1〜3重量%配合されることが好ましい。該
化合物の配合量が0.1重量%未満の場合、被覆層ポリ
カーボネート組成物(II)層によって紫外線を吸収し
きれず、基材部ポリカーボネート(I)が紫外線にさら
されることになり、着色や透失、強度低下等が発生しい
わゆる耐候性が悪く、接着剤の密着性も悪くなる。ま
た、逆に5重量%を越えて配合すると、ほぼ完全に紫外
線を吸収することはできるため耐候性は改良されるが、
被覆層にそれだけ大量の該化合物を配合することになる
ため、接着剤との密着性が悪くなるだけでなく、着色が
目立ち外観上重大な問題が発生する。
【0047】本発明で用いられる(B)フェノール系化
合物としては、例えばトリエチレングリコール−ビス
[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオー
ル−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n
−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペ
ンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’
ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジ
エチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6
−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)ベンゼン等が挙げられ、一種または二種以上用
いることができる。特にシート成形時の熱安定性や熱に
よる着色防止効果に優れた下記化22及び/又は、化2
3で示される化合物、すなわち、オクタデシル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート又は、もしくはかつ、ペンタエリスリチ
ル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好ましい。
【0048】
【化22】
【0049】(式中、R1およびR2は炭素数1〜4の
アルキル基、R3は炭素数1〜30のアルキル基、nは
1〜10。)
【0050】
【化23】
【0051】(式中、R1およびR2は炭素数1〜4の
アルキル基、R3は炭素数1〜30のアルキル基、nは
1〜10。) 上記フェノール系化合物は、本発明の被覆層ポリカーボ
ネート組成物(II)において、0.001〜1重量
%、好ましくは0.01〜0.5重量%、更に好ましく
は0.01〜0.1重量%配合されることが好ましい。
該化合物の配合量が0.001重量%未満の場合、シー
ト化の際の被覆層ポリカーボネート組成物(II)の熱
安定性が不十分で熱劣化が起きるため、着色し接着剤と
の密着性も悪くなるばかりでなく、長期間で使用する
と、更に密着性が悪化するなどきわめて重大な問題が発
生する。逆に1重量%を越えて配合すると、接着剤と接
する被覆層ポリカーボネート組成物(II)にそれだけ
大量に該化合物を配合することになるため、着色が目立
ちかつ接着剤との密着性が悪くなるばかりでなく、該化
合物は耐候性に劣るため、長期間使用すると、更に着色
や密着性が悪化するなどきわめて重大な問題が発生す
る。
【0052】本発明で用いられる(C)リン系化合物と
しては、例えばトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイ
ト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリフェ
ニルホスファイト、トリス(エチルフェニル)ホスファ
イト、トリス(ブチルフェニル)ホスファイト、トリス
(ヒドロキシフェニル)ホスファイト等が挙げられ、一
種または二種以上用いることができる。特にシート成形
時の熱安定性や熱による着色防止効果に優れた下記化2
4で示される化合物、すなわち、トリス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)ホスファイトが好ましい。
【0053】
【化24】
【0054】(式中、R1、R2は炭素数1〜4のアル
キル基またはいずれかが水素。) 上記リン系化合物は、本発明の被覆層ポリカーボネート
組成物(II)において、0.001〜1重量%、好ま
しくは0.001〜0.5重量%、更に好ましくは0.
001〜0.1重量%配合されることが好ましい。該化
合物の配合量が0.001重量%未満の場合、シート化
の際の被覆層ポリカーボネート組成物(II)の熱安定
性が不十分で熱劣化が起きるため、着色し接着剤との密
着性も悪くなるばかりでなく、長期間で使用すると、更
に密着性が悪化するなどきわめて重大な問題が発生す
る。逆に1重量%を越えて配合すると、接着剤と接する
被覆層ポリカーボネート組成物(II)にそれだけ大量
に該化合物を配合することになるため、着色が目立ちか
つ接着剤との密着性が悪くなるばかりでなく、該化合物
は耐候性に劣るため、長期間使用すると、更に着色や密
着性が悪化するなどきわめて重大な問題が発生する。
【0055】本発明では、被覆層ポリカーボネート組成
物(II)の中に、少なくとも前述(A)ヒドロキシフ
ェニルトリアジン系化合物0.1〜5重量部、(B)フ
ェノール系化合物0.001〜1重量部、(C)リン系
化合物0.001〜1重量部が組み合わせられて配合さ
れていることが重要である。これら(A)、(B)、
(C)の化合物うち、いずれか一種でも配合されない場
合や、配合量が少ない場合、逆に多い場合は本発明の課
題を全て満足させることはできない。
【0056】ポリカーボネートと(A)ヒドロキシフェ
ニルトリアジン系化合物及び(B)フェノール系化合
物、(C)リン系化合物を配合し、被覆層ポリカーボネ
ート組成物(II)にする時期ならびに配合する方法に
ついては特に制限はない。例えば重合終了後のポリカー
ボネートが溶融状態の間に添加してもよく、ポリカーボ
ネートを一旦ペレタイズした後、添加剤を添加再溶融混
練してもよいし、シート成形時にポリカーボネートと同
時にもしくは成形の途中で添加してもよい。
【0057】ポリカーボネート積層シートの成形方法に
ついては特に制限はなく、例えば基材部ポリカーボネー
ト(I)と被覆層ポリカーボネート組成物(II)を同
時に溶融押出してシートダイ内で積層しシート化する共
押出法や、シート押出成形された基材部ポリカーボネー
ト(I)に被覆層ポリカーボネート組成物(II)をT
ダイより溶融押出してラミネートして積層にする方法、
あらかじめフイルム状に成形された被覆層ポリカーボネ
ート組成物(II)を基材部ポリカーボネート(I)の
シート製造工程途中で加熱ロール等を用い該シート表面
に連続的にラミネートして積層する方法、シート状に成
形された基材部ポリカーボネート(I)とフイルム状に
成形された被覆層ポリカーボネート組成物(II)をプ
レスで熱圧着して積層する方法などを挙げることができ
る。
【0058】被覆層ポリカーボネート組成物(II)は
基材部ポリカーボネート(I)の片面、もしくは両面に
被覆され、その被覆厚みは10〜100μmが好まし
く、更に好ましくは20〜50μmである。被覆厚みが
10μm未満では、耐候性改良効果が不十分で、逆に1
00μmを越えると、被覆層ポリカーボネート組成物
(II)の着色が目立ち外観上重大な問題となる。
【0059】本発明のポリカーボネート積層シートの厚
みには特に制限はなく、好ましくは0.5〜20mm、
更に好ましくは2〜15mmである。本発明のフッ素系
樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレン、フ
ッ化エチレンプロピレンコポリマー、テトラフルオロエ
チレン−パーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマ
ー、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレンテトラ
フルオロエチレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、
ポリフッ化ビニルなどが挙げられ、これらフッ素系樹脂
を配合した樹脂でもよい。
【0060】本発明のフッ素系樹脂層は、ポリカーボネ
ート積層シートの片面もしくは両面に1〜300μmの
厚みで積層され、好ましくは5〜200μm、更に好ま
しくは10〜100μmである。該フッ素系樹脂層の厚
みが1μmより薄い場合、撥水性が低く効果がなく、逆
に300μmを越える場合フッ素系樹脂層の着色が目立
ち外観上問題である。
【0061】フッ素系樹脂をポリカーボネート積層シー
ト表面に積層する方法としては特に制限はなく、例えば
フッ素系樹脂をあらかじめフイルム状に成形しておき、
該フッ素系樹脂フイルムを接着剤を介して熱や圧力によ
って貼り付けるフイルムラミネート方法などが一般的で
ある。フッ素系樹脂とポリカーボネート積層シート表面
を接合する接着剤については特に制限はなく、例えば酢
酸ビニル樹脂系エマルジョン形、酢酸ビニル共重合樹脂
系エマルジョン形、EVA樹脂系エマルジョン形、アク
リル樹脂系エマルジョン形、水性高分子−イソシアネー
ト系、合成ゴムラレックス系等の水性形接着剤や、エポ
キシ樹脂系、シアノアクリレート系、ポリウレタン系、
アクリル樹脂系等の反応形接着剤などを挙げることがで
きる。これら接着剤には必要に応じて最小量の各種添加
剤を配合することができ、例えば帯電防止剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、熱安定剤、レベリング剤、難燃剤、
老化防止剤、焼け防止剤、光安定剤、光拡散剤、着色剤
などを挙げることができる。
【0062】本発明の撥水性積層シートは、加工するこ
とによって様々な形に成形できる。例えば、切断、穴あ
け、切削、研磨等の機械加工や、突き上げ成形、フリー
成形、ヒーター曲げ、真空成形、圧空成形等の熱成形、
せん断打ち抜きや冷間折り曲げ加工等の冷間加工、溶接
や接着、印刷や塗装などを挙げることができ、これらの
加工は積層シートの成形中や成形後、いずれの工程でも
施すことができる。
【0063】本発明のフッ素系樹脂が積層されるポリカ
ーボネート積層シートは平板の形状でも、平板から成形
された波板の形状になっていてもよい。波状の形状はシ
ート成形中もしくは成形後に、波型の形状を持ったロー
ル等でプレスすることで成形される。
【0064】
【発明の実施の形態】以下に実施例、比較例を用いて本
発明の効果をさらに具体的に説明する。なお各項目の評
価は以下の方法で測定した。 (1)撥水性 平置きした本発明の撥水性積層シートに噴霧器で20分
間水を吹き付けた後、該シートを45度の傾斜がつくよ
うに傾けたとき、該シート表面に残る水滴の状態を下記
の判定に従って評価した。
【0065】○:傾けるとすぐに水滴は全て粒となって
落ち、シート表面はすぐに乾いた状態になった。 ×:傾けた直後はシート表面が濡れた状態である。シー
ト表面が現れるのに時間がかかる、もしくは濡れたまま
残る。 (2)初期着色 フッ素系樹脂層を積層した直後の本発明の撥水性積層シ
ートの黄色度をJIS K 7105に準拠して測定し
た。黄色度が4を超えると着色していることが目視で明
らかにわかる。
【0066】本評価では、黄色度が4未満の場合を初期
着色◎、つまり初期着色が小さいとし、逆に黄色度が4
以上の場合を初期着色×、つまり初期着色が大きいとし
て評価した。 (3)密着性 本発明の撥水性積層シートの表面を100個のゴバン目
(1mm2)に切り、ゴバン目部分にセロファンテープ
を密着させ、次いで密着したセロファンテープを直角に
かつ急激に剥離する。
【0067】本評価では、このとき剥離せずに残ったゴ
バン目の目数を数え、全目数100に対し何個残ったか
で密着性として示した。 ◎(塗膜密着性良好):残り目数100個 (全部残っ
ている) ×(密着力が弱い ):残り目数99個以下(部分的に
剥離) (4)耐候性 スガ試験機製のサンシャインウエザーメーターでサンシ
ャインスーパーロングライフカーボンを使用し、温度6
3℃一定下、降雨無し2時間と降雨18分のサイクルを
繰り返す条件で試験片を3000時間暴露した。
【0068】評価としては暴露前後の黄色度及びヘイズ
(曇価)の変化をJISK 7103に準拠して測定し
た。 黄変度(ΔYI)=(暴露前の黄色度)−(暴露前の黄
色度) 黄変度(ΔYI)の値が大きいと初期値に比べて耐候性
試験の結果黄色味が濃くなった(着色した)ことを意味
し、この黄変度が4を超えると着色したことが目視で明
らかにわかる。
【0069】ヘイズ差(ΔH%)=(暴露後のヘイズ)
−(暴露前のヘイズ) ヘイズ差(ΔH%)の値が大きいと初期値に比べて耐候
性試験の結果曇りが大きくなったことを意味し、このヘ
イズ差(ΔH%)が2を超えると透明感の喪失が目視で
明らかにわかる。本評価では、黄変度(ΔYI)が4未
満でかつヘイズ差(ΔH%)が2未満、つまり黄変も曇
りもしない場合を光学性能◎とし、黄変度(ΔYI)が
4以上もしくはヘイズ差(ΔH%)が2以上の場合、
つまり黄変するまたは曇る場合を光学性能×
として評価した。
【0070】
【実施例1】ポリカーボネート(帝人化成製 商品名
パンライト)に対して、2,4−ジフェニル−6−(2
−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,
3,5−トリアジンからなる(A)ヒドロキシフェニル
トリアジン系化合物3重量%、オクタデシル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネートからなる(B)フェノール系化合物0.
05重量%、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイトからなる(C)リン系化合物0.01
重量%を混合し、ベント付き30mm二軸押出機内で押
出温度280℃で溶融混練しペレット状に押出すことに
よって、被覆層ポリカーボネート組成物(II)を得
た。
【0071】このようにして得られた被覆層ポリカーボ
ネート組成物(II)を東芝機械製、直径50mm、L
/D=32の押出機を用い、また同時に基材ポリカーボ
ネート(I)(帝人化成製 商品名 パンライト)を東
芝機械製、直径100mm、L/D=32の押出機を用
い共押出によって基材部ポリカーボネート(I)の両面
に被覆層ポリカーボネート組成物(II)が被覆された
2種3層のポリカーボネート積層シートを得た。共押出
ダイはフィードブロック方式を用い、ダイ設定温度は2
70℃、押出機シリンダー温度はいずれも290℃で実
施した。被覆層ポリカーボネート組成物(II)の厚み
は片面30μmずつになるよう両押出機の吐出量とダイ
の流量調整ボルトを調整することによって調整を行っ
た。またダイから吐出された積層溶融樹脂は120℃に
温調された艶付けロールによって板厚5mmに調整し、
外観上良好なポリカーボネート積層シートを得た。
【0072】このようにして得られたポリカーボネート
積層シートの両面に、エチレンテトラフルオロエチレン
からなる厚み50μmの市販のフッ素系樹脂フイルム
を、エポキシ系反応形接着剤を介して貼り合わせること
によって外観良好な撥水性ポリカーボネート積層シート
を得た。得られた撥水性ポリカーボネート積層シートを
前述の評価方法に従って評価した結果、十分な撥水性が
あり、初期着色も小さく(黄色度=1)、密着性も良好
で、かつ耐候性に優れていることが確認された。(黄変
度=2、ヘイズ差=0.5%、耐候性試験後の密着性も
良好。)結果を表1に示す。
【0073】
【実施例2】被覆層ポリカーボネート組成物(II)に
配合する化合物の内、(B)フェノール系化合物として
オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート0.04重量%とペ
ンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
0.03重量%の計0.07重量%を用いた以外は実施
例1と同様に行い、外観良好な撥水性ポリカーボネート
積層シートを得た。
【0074】得られた撥水性ポリカーボネート積層シー
トを前述の評価方法に従って評価した結果、実施例1同
様に十分な撥水性があり、初期着色も小さく(黄色度=
1)、密着性も良好で、かつ耐候性に優れていることが
確認された。(黄変度=2、ヘイズ差=0.5%、耐候
性試験後の密着性も良好。)結果を実施例1とともに表
1に示す。
【0075】
【比較例1】被覆層ポリカーボネート組成物(II)に
配合する化合物の内、(A)ヒドロキシフェニルトリア
ジン系化合物を配合しなかった以外は実施例1と同様に
行い、撥水性ポリカーボネート積層シートを得た。得ら
れた撥水性ポリカーボネート積層シートを前述の評価方
法に従って評価した結果、実施例1と比較して耐候性が
悪く、(黄変度=15、ヘイズ差=20%)かつ耐候性
試験後のフッ素系樹脂層の密着性も悪いことがわかっ
た。
【0076】結果を実施例とともに表1に示す。
【0077】
【比較例2】被覆層ポリカーボネート組成物(II)に
配合する化合物の内、(B)フェノール系化合物を配合
しなかった以外は実施例1と同様に行い、撥水性ポリカ
ーボネート積層シートを得た。得られた撥水性ポリカー
ボネート積層シートを前述の評価方法に従って評価した
結果、被覆層ポリカーボネート組成物(II)の熱安定
性が悪く、積層シート成形時に着色してしまい、撥水性
積層シート全体として見たときの初期着色が大きい(黄
色度=5)だけでなく、フッ素系樹脂層との密着性も悪
い。
【0078】また耐候性試験によってフッ素系樹脂層と
の密着性が更に悪くなることも確認された。結果を実施
例とともに表1に示す。
【0079】
【比較例3】被覆層ポリカーボネート組成物(II)に
配合する化合物の内、(C)リン系化合物を配合しなか
った以外は実施例1と同様に行い、撥水性ポリカーボネ
ート積層シートを得た。得られた撥水性ポリカーボネー
ト積層シートを前述の評価方法に従って評価した結果、
比較例2同様に被覆層ポリカーボネート組成物(II)
の熱安定性が悪く、積層シート成形時に着色してしま
い、撥水性積層シート全体として見たときの初期着色が
大きい(黄色度=5)だけでなく、フッ素系樹脂層との
密着性が悪い。
【0080】また比較例2と同様、耐候性試験によって
フッ素系樹脂層との密着性が更に悪くなることも確認さ
れた。結果を実施例とともに表1に示す。
【0081】
【比較例4】積層シート押出機の吐出量を調整すること
によって、被覆層ポリカーボネート組成物(II)の被
覆厚みを薄くして5μmにした以外は実施例1と同様に
行い、撥水性ポリカーボネート積層シートを得た。得ら
れた撥水性ポリカーボネート積層シートを前述の評価方
法に従って評価した結果、実施例1と比較して耐候性が
悪く(黄変度=8、ヘイズ差=8%)、かつ耐候性試験
によってフッ素系樹脂層の密着性が悪くなることが確認
された。
【0082】結果を実施例とともに表1に示す。
【0083】
【比較例5】積層シート押出機の吐出量を調整すること
によって、被覆層ポリカーボネート組成物(II)の被
覆厚みを厚くして150μmにした以外は実施例1と同
様に行い、撥水性ポリカーボネート積層シートを得た。
得られた撥水性ポリカーボネート積層シートを前述の評
価方法に従って評価した結果、比較例4と比較して耐候
性は良くなったが(黄変度=2、ヘイズ差=0.5
%)、初期着色が目立ち(黄色度=4)問題である。
【0084】結果を実施例とともに表1に示す。
【0085】
【比較例6】被覆層ポリカーボネート組成物(II)に
配合する化合物の内、(A)ヒドロキシフェニルトリア
ジン系化合物の配合量を減らし0.05重量%とした以
外は実施例1と同様に行い、撥水性ポリカーボネート積
層シートを得た。得られた撥水性ポリカーボネート積層
シートを前述の評価方法に従って評価した結果、実施例
1と比較して耐候性が悪く(黄変度=10、ヘイズ差=
10%)、かつ耐候性試験によってフッ素系樹脂層の密
着性が悪くなることが確認された。
【0086】結果を実施例とともに表1に示す。
【0087】
【比較例7】被覆層ポリカーボネート組成物(II)に
配合する化合物の内、(A)ヒドロキシフェニルトリア
ジン系化合物の配合量を増やし10重量%とした以外は
実施例1と同様に行い、撥水性ポリカーボネート積層シ
ートを得た。得られた撥水性ポリカーボネート積層シー
トを前述の評価方法に従って評価した結果、実施例1と
比べて耐候性は非常に良いが(黄変度=1、ヘイズ差=
0.2%)、被覆層ポリカーボネート組成物(II)が
大量の(A)ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物に
よって着色され、撥水性積層シートとして見たときの初
期着色が大きくなり(黄色度=4)、しかも表層に大量
の該化合物があるためフッ素系脂層の密着性が悪くな
り、かつ耐候性試験によって更にフッ素系樹脂層の密着
性が悪くなることが確認された。
【0088】結果を実施例とともに表1に示す。
【0089】
【比較例8】被覆層ポリカーボネート組成物(II)に
配合する化合物の内、(B)フェノール系化合物の配合
量を減らし0.0005重量%とした以外は実施例1と
同様に行い、撥水性ポリカーボネート積層シートを得
た。得られた撥水性ポリカーボネート積層シートを前述
の評価方法に従って評価した結果、耐候性は良好であっ
たが(黄変度=2、ヘイズ差=0.5%)、被覆層ポリ
カーボネート組成物(II)の熱安定性が悪く、シート
成形時に該組成物がが着色してしまい、撥水性積層シー
ト全体で見たときの初期着色が大きい(黄色度=5)だ
けでなく、フッ素系樹脂層との密着性が悪くなる。また
耐候性試験によってフッ素系樹脂層の密着性が更に悪く
なることも確認された。
【0090】結果を実施例とともに表1に示す。
【0091】
【比較例9】被覆層ポリカーボネート組成物(II)に
配合する化合物の内、(B)フェノール系化合物の配合
量を増やし1.5重量%とした以外は実施例1と同様に
行い、撥水性ポリカーボネート積層シートを得た。得ら
れた撥水性ポリカーボネート積層シートを前述の評価方
法に従って評価した結果、耐候性が悪く(黄変度=5、
ヘイズ差=1.5%)、被覆層ポリカーボネート組成物
(II)が大量の(B)フェノール系化合物によって着
色され、撥水性積層シート全体として見たときの初期着
色が大きくなり(黄色度=4)、しかも該被覆層ポリカ
ーボネート組成物(II)に大量の該化合物があるた
め、フッ素系樹脂層の密着性が悪くなるばかりでなく、
耐候性試験によって更に密着性が悪くなることが確認さ
れた。
【0092】結果を実施例とともに表1に示す。
【0093】
【比較例10】被覆層ポリカーボネート組成物(II)
に配合する化合物の内、(C)リン系化合物の配合量を
減らし0.0005重量%とした以外は実施例1と同様
に行い、撥水性ポリカーボネート積層シートを得た。得
られた撥水性ポリカーボネート積層シートを前述の評価
方法に従って評価した結果、耐候性は良好であったが
(黄変度=2、ヘイズ差=0.5%)、被覆層ポリカー
ボネート組成物(II)の熱安定性が悪く、シート成形
時に該組成物がが着色してしまい、撥水性積層シート全
体で見たときの初期着色が大きい(黄色度=5)だけで
なく、フッ素系樹脂層との密着性が悪くなる。また耐候
性試験によってフッ素系樹脂層の密着性が更に悪くなる
ことも確認された。
【0094】結果を実施例とともに表1に示す。
【0095】
【比較例11】被覆層ポリカーボネート組成物(II)
に配合する化合物の内、(C)リン系化合物の配合量を
増やし1.5重量%とした以外は実施例1と同様に行
い、撥水性ポリカーボネート積層シートを得た。得られ
た撥水性ポリカーボネート積層シートを前述の評価方法
に従って評価した結果、耐候性が悪く(黄変度=5、ヘ
イズ差=1.5%)、被覆層ポリカーボネート組成物
(II)が大量の(B)フェノール系化合物によって着
色され、撥水性積層シート全体として見たときの初期着
色が大きくなり(黄色度=4)、しかも該被覆層ポリカ
ーボネート組成物(II)に大量の該化合物があるた
め、フッ素系樹脂層の密着性が悪くなるばかりでなく、
耐候性試験によって更に密着性が悪くなることが確認さ
れた。
【0096】結果を実施例とともに表1に示す。
【0097】
【比較例12】フイルム厚みを延伸することによって
0.5μmに調整したフッ素系樹脂フイルムを用いた以
外は実施例1と同様に行い、外観良好な撥水性ポリカー
ボネート積層シートを得た。得られた撥水性ポリカーボ
ネート積層シートを前述の評価方法に従って評価した結
果、実施例1と比べて表撥水性が悪い、つまり表面が濡
れやすいことが確認された。
【0098】結果を実施例とともに表1に示す。
【0099】
【比較例13】フイルム厚み500μmの市販のフッ素
系樹脂フイルムを用いた以外は実施例1と同様に行い、
外観良好な撥水性ポリカーボネート積層シートを得た。
得られた撥水性ポリカーボネート積層シートを前述の評
価方法に従って評価した結果、実施例1と比べてフッ素
系樹脂層の着色が目立ち、撥水性積層シート全体として
見たときの初期着色が大きいことが確認された。
【0100】結果を実施例とともに表1に示す。
【0101】
【比較例14】フッ素系樹脂フイルムを貼り付けずポリ
カーボネート積層シートそのものを前述の評価方法に従
って評価した結果、実施例1と比べて撥水性が悪い、つ
まり表面が濡れやすいことが確認された。結果を実施例
とともに表1に示す。
【0102】
【比較例15】被覆層が積層されていない市販のポリカ
ーボネートシートそのものに、実施例1同様にフッ素系
樹脂フイルムを貼り付け、外観良好な撥水性ポリカーボ
ネートシートを得た。得られた撥水性ポリカーボネート
シートを前述の評価方法に従って評価した結果、比較例
1同様に耐候性が悪く(黄変度=15、ヘイズ差=20
%)、かつ耐候性試験によってフッ素系樹脂層の密着性
が悪くなることが確認された。
【0103】結果を実施例とともに表1に示す。
【0104】
【表1】
【0105】
【発明の効果】本発明によって、ポリカーボネートシー
トに撥水性を付与し、かつポリカーボネートシートその
ものの耐候性を改良するとともに、耐候処方による熱劣
化を防止することによって初期着色を防止し、かつ撥水
層との密着性をも改良した撥水性ポリカーボネート積層
シートを提供することができ、今後更に屋外でのポリカ
ーボネートシートの用途の拡大が期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 69/00 LPU C08L 69/00 LPU

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート(I)を基材とし、少
    なくとも (A)下記化1で示されるヒドロキシフェニルトリアジ
    ン系化合物0.1〜5重量%、 (B)下記化2及び/又は化3で示されるフェノール系
    化合物0.001〜1重量%、 (C)下記化4で示されるリン系化合物0.001〜1
    重量%、を含有するポリカーボネート組成物(II)
    が、10〜100μmの厚みで被覆されたポリカーボネ
    ート積層シートの表面に、1〜300μmの厚みでフッ
    素系樹脂層が積層された撥水性積層シート。 【化1】 (式中、R1は水素または炭素数1〜18のアルキル基
    または炭素数1〜12のアルコキシ基もしくはハロゲン
    で置換された炭素数2〜6のアルキル基またはベンジル
    基、R2は水素またはメチル基。) 【化2】 (式中、R1およびR2は炭素数1〜4のアルキル基、
    R3は炭素数1〜30のアルキル基、nは1〜10。) 【化3】 (式中、R1およびR2は炭素数1〜4のアルキル基、
    R3は炭素数1〜30のアルキル基、nは1〜10。) 【化4】 (式中、R1、R2は炭素数1〜4のアルキル基または
    いずれかが水素。)
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6441071B1 (en) 1999-09-01 2002-08-27 Dow Global Technologies Inc. Polycarbonate resin compositions comprising cyanacrylic acid ester stabilizer compounds
WO2010081625A2 (en) 2009-01-19 2010-07-22 Basf Se Organic black pigments and their preparation
WO2011108594A1 (ja) * 2010-03-03 2011-09-09 三菱化学株式会社 積層体
WO2011120686A1 (en) 2010-03-31 2011-10-06 Styron Europe Gmbh Thermally oxidatively stable carbonate phosphite copolymer
JP2013010238A (ja) * 2011-06-29 2013-01-17 Mitsubishi Plastics Inc ポリカーボネート樹脂系積層板及びその製造方法

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