JP3243175B2 - コイル部品の製造方法 - Google Patents

コイル部品の製造方法

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JP3243175B2
JP3243175B2 JP09323696A JP9323696A JP3243175B2 JP 3243175 B2 JP3243175 B2 JP 3243175B2 JP 09323696 A JP09323696 A JP 09323696A JP 9323696 A JP9323696 A JP 9323696A JP 3243175 B2 JP3243175 B2 JP 3243175B2
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rectangular
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型で電流容量の
大きなインダクタンス素子、トランス等の用途に好適な
平角導線(平角ワイヤー)を巻回したコイル部品の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図20及び図21は平角導線を用いた従
来のコイル部品を示す斜視図及び平面図である。このコ
イル部品は、表面が絶縁被覆された平角導線1を幅広面
が周面をなして重なるように円筒状に巻回して円筒状巻
回体2を構成し、巻始め側及び巻終わり側にそれぞれ折
り返し部3,4を形成して同一方向にリード部5,6を
引き出したものである。
【0003】図22及び図23は、フェライト等の磁性
体ケースに組み込むために、同一方向に引き出されてい
るリード部5,6に対しさらに折り曲げ加工を施した状
態の斜視図及び平面図であり、図20及び図21と同一
部分に同一符号を付してある。
【0004】図24は、図22及び図23のようにリー
ド部5,6を折り曲げ加工したコイル部品を組み込むコ
イル装置の一例を示す分解正断面図である。10は上記
したコイル部品であり、該コイル部品10をフェライト
等の磁性体ケース11内に収納し、コイル部品の内周側
にフェライト等の磁性体である中脚コア12を挿置し、
さらに磁性体ケース11の上部開口をフェライト等の磁
性体の蓋コア13を被せて閉じることで前記コイル装置
が構成されている。
【0005】図25乃至図30で上記従来のコイル部品
の製造方法について説明する。まず、巻線装置の線材供
給用ボビン(テンション・ボビン)より表面が絶縁被覆
された平角導線1を図25のように引き出し、図26の
ように折り曲げ用治具15を用いて1回目の折り曲げを
行う。この1回目の折り曲げは、図27で説明する巻線
用スピンドル20に平角導線1をクランプする前に予め
行っておく。その後、図27のように、外側軸部21
と、それと同心でその先端より軸方向に突出しており、
かつ外側軸部21と一体に回転する軸心部22とからな
る巻線用スピンドル20を用い、平角導線1の折り返さ
れた先端部分を外側軸部21の平坦なクランプ部23に
クランプ手段によってクランプする(斜線部をクラン
プ)。そして、図28のように巻線用スピンドル20を
所定回数だけ回転させ、所定巻数の円筒状巻回体2を作
成する。その後、図29のように巻押さえ用クリップ2
5で円筒状巻回体2の外周を挟持し、巻線用スピンドル
20より取り出し、そのままオーブンに入れ加熱し、平
角導線1の絶縁被覆の熱融着性を利用して巻回状態で固
着させる。その後、図30のように円筒状巻回体2をオ
ーブンより取り出し、さらにクリップ25を外し、再び
折り曲げ用治具15を用いて折り曲げる。以上で巻線工
程が終了し、図20及び図21に示した従来のコイル部
品が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の平
角導線を巻回したコイル部品のリード部の折り曲げ及び
巻線作業の自動化を考えた場合、(1)折り曲げ、巻線作
業を連続的に行えること、(2)折り曲げ、巻線動作がで
きるだけ単純になること、(3)折り曲げ巻線されたコイ
ル部品の形状、品質が安定することが必要である。
【0007】しかし、従来のコイル部品及びその製造方
法は、(1)乃至(3)に関して以下の点で満足できなかっ
た。すなわち、図26及び図27で示したように平角導
線1の巻始め側リード部5の折り返し部3を最初に折っ
てから巻線用スピンドル20のクランプ部23につかま
せる方法は、図31及び図32に示すように、必ず持ち
替えが必要となる。つまり、最初は平角導線1の折り返
し部3より後ろ側の斜線部Aをワイヤーチャックでつか
んで巻線用スピンドル20のクランプ部23に移動し、
その後、折り返し部3より先端のリード部5をクランプ
部23にてクランプして保持することになるため、持ち
換えによるクランプ位置のばらつきが生じる問題がある
(図32のX,Y方向に位置ずれが生じるため、平角導
線1の巻線用スピンドル20に対するセットが安定しな
い。)。また、平角導線1のリード部5先端を引っ張る
ことができないので、クランプ不良が生じることがあ
る。さらに、巻始め側リード部5の長さをあまり長くす
ることができない(巻線用スピンドル20に保持させる
場合ワイヤーチャックより先の部分は張力がかけられな
いため)問題もある。
【0008】図33(A)乃至(D)は平角導線1の巻
始め(又は巻き終わり)のリード部5(又は6)の形成
方法を詳細に示すものであり、平角導線1を図33
(A)のように引き出した後、同図(B)のように折り
曲げ用治具15の斜めエッジ15aを平角導線1の上に
当て、同図(C)のように張力(テンション)をかけな
がら平角導線1の方向を変え、さらに同図(D)のよう
に折り曲げ用治具15を取り去り、折り返し部3をしご
き、きちんと折り曲げるようにしてリード部5を形成す
る。このような図33(A)乃至(D)で示す動作はす
べて手作業により行っており、正確な折り曲げのために
は、平角導線1の所定位置に折り曲げ用治具15を正し
く当て、張力をかけながら平角導線1の移動を行う必要
があり、自動化しようとする場合、メカニズムが複雑に
なる問題が生じる。
【0009】さらに、図34のように巻始め側の平角導
線1の折り返しによってリード部5を形成後、1巻きし
て折り返し部3の端部と重なるところ(図中点線円B
内)で2層目の平角導線1の絶縁被膜が損傷を起こす場
合があった。このため、図35のように平角導線2層目
と接触する折り返し部3部分に絶縁テープ30を貼り付
けることが行われていたが、折り返し部3に貼り付ける
ために、その凹凸で貼り付けにくく、また平角導線1の
幅からはみ出す問題もあった。
【0010】
【0011】本発明の目的は、平角導線の折り曲げ、巻
線動作が単純で、しかも折り曲げ、巻線作業を連続的に
実行可能であり、自動化によりコイル部品の形状、品質
の安定化を図ることが可能なコイル部品の製造方法を提
供することにある。
【0012】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0013】
【0014】
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のコイル部品の製造方法は、外側軸部と該外
側軸部の先端より軸方向に突出していて当該外側軸部と
一体に回転する軸芯部とからなる巻線用スピンドルを用
い、表面が絶縁被覆された平角導線を前記外側軸部にて
クランプした後、巻線ガイドにより前記平角導線を前記
巻線用スピンドルの軸方向に垂直な方向にまで旋回させ
かつ引っ張った状態で前記巻線用スピンドルを1回転以
下の所定回転角だけ回転させ、前記平角導線の折り返さ
れた部分を押し付け部材により前記軸芯部外周に押し付
けて内周側折り返し部を形成し、以後前記巻線用スピン
ドルを所定巻数だけ回転させてから停止し、この停止状
態にて前記軸芯部の外周に前記平角導線が巻かれて構成
された筒状巻回体の外周を巻き押さえ部材により押さえ
てから前記平角導線を巻線ガイドにより旋回させ、前記
平角導線の折り返された部分を押し付け部材により前記
筒状巻回体外周に押し付けて外周側折り返し部を形成す
ることを特徴とするものである。
【0016】前記コイル部品の製造方法において、前記
絶縁被覆を熱融着性物質のコーティングを有するものと
して、前記外周側折り返し部の形成後に、熱風を前記筒
状巻回体に吹き付けて前記平角導線を巻回状態で固着す
るようにしてもよい。あるいは、前記絶縁被覆が溶剤に
より溶融する融着性物質のコーティングを有するものと
して、平角導線の繰り出し側において溶剤を予め付着さ
せておくことで前記平角導線を巻回状態で固着すること
も可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るコイル部品
製造方法の実施の形態を図面に従って説明する。
【0018】図1乃至図3は本発明により得られるコイ
ル部品の実施の形態であって、図1はその斜視図、図2
は正面図、図3は平面図である。これらの図に示すよう
に、コイル部品40は平角導線1を用いて巻回した構造
であり、平角導線1は銅等の平角金属線(帯状金属体)
の表面に絶縁被覆を施したもので、その絶縁被覆は熱で
溶融する熱融着性物質のコーティングを有するもので、
いわゆるセメントワイヤーと呼ばれている。なお、熱融
着性物質は例えば熱又は溶剤により溶融する接着性樹脂
である。そして、平角導線1を、幅広面が周面をなして
重なるように円筒状に巻回して円筒状巻回体42を構成
し、該円筒状巻回体42の内周側においては平角導線1
の縁に対し45度をなす内周側折り返し部43により当
該円筒状巻回体42の軸方向に平行な第1の方向にリー
ド部45を形成し、該円筒状巻回体42の外周側におい
ては前記平角導線1の縁に対し45度をなす外周側折り
返し部44により当該円筒状巻回体42の軸方向に平行
でかつ前記第1の方向とは反対の向きの第2の方向にリ
ード部46を形成している。円筒状巻回体42の形状固
定は熱風により絶縁被覆にコーティングされた熱融着性
物質を溶融させて巻回状態の平角導線1の各層を相互に
固着することにより行うことができる。
【0019】図4乃至図6は、フェライト等の磁性体ケ
ースに組み込むために、相互に反対方向に折り返されて
いるリード部45,46に対しさらに折り曲げ加工を施
した状態の斜視図、正面図、平面図をそれぞれ示してい
る。この場合、内周側及び外周側折り返し部43,44
によりそれぞれ反対方向に引き出されたリード部45,
46はさらに円筒状巻回体42の直径の延長方向に折り
曲げ形成されている。
【0020】図7は、図4乃至図6のようにリード部4
5,46を折り曲げ加工したコイル部品を組み込んだコ
イル装置の一例を示す正断面図である。上記したコイル
部品40をフェライト等の磁性体ケース11内に収納
し、コイル部品の内周側にフェライト等の磁性体である
中脚コア12を挿置し、さらに磁性体ケース11の上部
開口をフェライト等の磁性体の蓋コア13を被せて閉じ
ることで前記コイル装置が構成されている。
【0021】図8乃至図16で上記コイル部品40の製
造方法を説明する。
【0022】まず、図8のように、外側軸部51と該外
側軸部51の先端より軸方向に突出していて当該外側軸
部51と一体に回転する軸芯部52とからなる巻線用ス
ピンドル50を用い、表面が絶縁被覆(熱融着性物質の
コーティング付き)された平角導線1を巻線装置の線材
供給用ボビン(テンション・ボビン)より該巻線用スピ
ンドル50の軸方向に平行に引き出して前記外側軸部5
1にてクランプする。すなわち、外側軸部51の平坦な
クランプ部51a上に図示しないクランプ手段によって
平角導線1をクランプする(斜線部をクランプ)。な
お、図中矢印で示すように張力は常にかかっている。
【0023】それから、巻線用スピンドル50は停止さ
せたままで、図9のように、巻線ガイ53を矢印Cの如
く90度旋回させることにより、前記平角導線1を前記
巻線用スピンドル20の軸方向に平行な状態から軸方向
に垂直な方向にまで張力を加えた状態で旋回させ、図1
0の状態とする。
【0024】前記巻線ガイド53の旋回と同じくして、
又は旋回後、平角導線1を引っ張った状態で図11の如
く前記巻線用スピンドル50を90度回転させて平角導
線1が折り返された部分43aを作り、図12のように
軸芯部52の外周面に一致する湾曲凹面を先端面に有す
る押し付け部材54により平角導線1の折り返された部
分43a(図1の内周側折り返し部43となる部分)を
前記軸芯部外周に押し付けて平角導線1の縁に対し45
度をなす図1の内周側折り返し部43を形成する。
【0025】以後、図13のように、前記巻線用スピン
ドル50を所定巻数だけ回転させて円筒状巻回体42を
作製するのであるが、その前に、軸芯部52の先端面に
対向する側から円環状先端面を有する巻線押さえ57が
矢印の如く前進し、軸芯部52の外周に嵌合して外側軸
部51の先端面に対して平角導線1の幅より僅かに大き
な間隔で対向する。この巻線押さえ57は平角導線1を
巻回する際の前後方向の位置ずれを防止するためのもの
で、図示しないストッパにより巻線押さえ57の前進終
端位置は規定されるようになっており、平角導線の線幅
に対応させて調整自在である。前記巻線用スピンドル5
0を所定巻数だけ回転させて円筒状巻回体42が得られ
たら、前記巻線用スピンドル50を停止し、この停止状
態にて前記軸芯部52の外周に前記平角導線1が巻かれ
て構成された円筒状巻回体42の外周に対し、図14の
如く先端面が湾曲凹面となった巻き押さえ部材55を押
し当てる。図14のように平角導線1の巻き押さえ部材
55による押さえを継続した状態にて平角導線1を巻線
ガイドにより前記巻線用スピンドル20の軸方向に平行
となるまで旋回させて図15の状態として平角導線1の
折り返された部分44aを作る。なお、巻き押さえ部材
55は巻線用スピンドル50と一体的に回転できるよう
になっている。
【0026】その後、図16のように、巻き押さえ部材
55及び巻線用スピンドル50を90度回転させ、湾曲
凹面を先端面に有する押し付け部材56により平角導線
1の折り返された部分44a(図1の外周側折り返し部
44となる部分)を前記円筒状巻回体外周に押し付けて
前記平角導線1の縁に対し45度をなす図1の外周側折
り返し部44を形成する。なお、図12の前記押し付け
部材54に湾曲の程度の異なる2種の湾曲凹面を形成し
ておくことで、前記押し付け部材54をここで使用する
押し付け部材56として兼用することができる。
【0027】図16の状態では図示しない熱風発生手段
(エアーヒーター)で円筒状巻回体42に対して熱風を
吹き付け、平角導線1の絶縁被覆にコーティングされた
熱融着性物質を溶融させて円筒状巻回体42の平角導線
1の各層を巻回状態で固着する。この熱風吹き付けは、
前記外周側折り返し部の形成後しばらく継続する。
【0028】その後、リード部46となる部分を残して
平角導線1を切断し、巻始め側のクランプ及び巻き押さ
え部材55の押さえを解除して完成したコイル部品を排
出する。
【0029】なお、平角導線1の繰り出し側は切断前に
予めワイヤーチャックで保持しておくことで、図8の巻
線用スピンドル50にクランプする工程に直ちに移行す
ることができる。すなわち、図1のように、コイル部品
40のリード部45とリード部46が相互に反対向きの
場合、巻終わり側のリード部46の平角導線1の引き出
し方向(図16)と、次のコイル部品の巻始めの平角導
線1の引き出し方向(図8)とが一致するから、連続的
にコイル部品の作製が可能である。
【0030】なお、コイル部品40の内周側折り返し部
43と2層目の平角導線内側が当たる箇所に絶縁被膜の
損傷が生じる恐れがある場合、これを解決するため、本
発明の実施の形態においては、巻線用スピンドル50に
よる折り曲げ、巻線処理の前の段階で、巻始め側の折り
返し部43に接触する2層目の内側となる部分に、図1
7のように、巻線用スピンドルへの平角導線繰り出し側
に設けられた治具61を用いて絶縁テープ60を貼り付
けておく。すなわち、絶縁テープ60の貼り付け位置は
図18の如く平角導線1の内周側幅広面部分であり、巻
線用スピンドルに平角導線1の先端をセットして折り曲
げ、巻線処理を実行した際に、図19のように内周側折
り曲げ部43に絶縁テープ60がちょうど対接するよう
にしている。
【0031】この第1の実施の形態によれば、次の通り
の効果を得ることができる。
【0032】(1) コイル部品40は、表面が絶縁被覆
された平角導線1を、幅広面が周面をなして重なるよう
に巻回して円筒状巻回体42を構成しており、平角導線
1を用いた構造であるため、小型化可能で電流容量を大
きくとることができる。また、円筒状巻回体42の内周
側において平角導線1の縁に対し45度をなす内周側折
り返し部43により当該円筒状巻回体42の軸方向に平
行な第1の方向にリード部45を形成し、該円筒状巻回
体42の外周側においては平角導線1の縁に対し45度
をなす外周側折り返し部44により当該円筒状巻回体4
2の軸方向に平行でかつ前記第1の方向とは反対の向き
の第2の方向にリード部46を形成しており、巻線の自
動化に適した構造であって、多数のコイル部品40の作
製(折り曲げ、巻線)を連続的に実行可能である。
【0033】(2) コイル部品40の製造において、巻
線用スピンドル50に対する平角導線1の先端クラン
プ、巻始め側リード部45の折り曲げ形成、所定回数の
巻線、巻終わり側リード部46の折り曲げ形成に至る一
連の動作を、平角導線1の持ち換えなく実行できるた
め、巻線されたコイル部品40の形状、品質が安定する
(持ち換えによるトラブルがなく、折り曲げ位置が正確
になる等)。
【0034】(3) コイル部品40の製造において、平
角導線1の繰り出す方向を変えることにより、簡単に所
定の方向、位置で折り曲げることができるため、折り曲
げのための機構が簡単となる。
【0035】(4) コイル部品40の製造において、平
角導線1の絶縁被覆が熱融着性物質のコーティングを有
していることを利用し、外周側折り返し部44の形成後
に、熱風を前記円筒状巻回体42に吹き付けることで前
記平角導線の各層を巻回状態で固着することができる。
【0036】(5) 短絡防止用の絶縁テープ60の貼り
付けを簡単に行うことができ、絶縁性能の向上を図るこ
とが容易である。
【0037】なお、上記実施の形態では、巻線用スピン
ドル50の軸芯部52は、断面円形の円柱状であった
が、断面長円形の長円柱状、断面楕円形の楕円柱状、多
角柱の角部分を丸めたアール付き多角柱状等としてもよ
い。また、軸芯部52が外側軸部51で保持された樹脂
等の巻枠(ボビン)自体であってもよい。
【0038】また、上記実施の形態では、平角導線1の
縁に対して45度をなす内周側折り返し部43及び外周
側折り返し部44を形成し、相互に反対向きで円筒状巻
回体42の軸方向にリード部45,46を形成したが、
これに限らず折り返し部の形成の際の平角導線1の旋回
角度を変えることでリード部45,リード部46の引き
出し方向を円筒状巻回体42の軸方向に対して多少変更
することができる。さらに、内周側折り返し部43を形
成する際の平角導線1の旋回後に実施する巻線用スピン
ドル50の回転角度は90度である場合を例示したが、
1回転以下の適切な回転量に設定可能である(但し略9
0度前後が好ましいと言える。)。
【0039】さらに、上記実施の形態では、円筒状巻回
体42に対して熱風を吹き付け、平角導線1の絶縁被覆
にコーティングされた熱融着性物質を溶融させて円筒状
巻回体42を固着したが、熱風の代わりに溶剤を用いて
平角導線1の絶縁被覆にコーティングされた融着性物質
(接着性樹脂等)を溶融させて円筒状巻回体42の平角
導線1の各層を巻回状態で固着することも可能である。
この場合には、平角導線1の繰り出し側において平角導
線に溶剤を付着させて(溶剤で湿らせて)おき、溶剤付
着状態にて巻線用スピンドル50に対する平角導線1の
先端クランプ、巻始め側リード部45の折り曲げ形成、
所定回数の巻線、巻終わり側リード部46の折り曲げ形
成に至る一連の動作を実行すればよい。
【0040】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により得ら
れるコイル部品は、表面が絶縁被覆された平角導線を、
幅広面が周面をなして重なるように巻回して筒状巻回体
を構成しており、平角導線を用いた構造であるため、小
型化可能で電流容量の増大が可能である。また、その筒
状巻回体の内周側にて内周側折り返し部により当該筒状
巻回体の軸方向に略平行な第1の方向にリード部を形成
し、該筒状巻回体の外周側においては外周側折り返し部
により当該筒状巻回体の軸方向に略平行でかつ前記第1
の方向とは反対側の第2の方向にリード部を形成してお
り、巻線の自動化に適した構造であって、多数のコイル
部品の作製(折り曲げ、巻線)を連続的に実行可能であ
る。
【0042】さらに、上記コイル部品の製造において、
巻線用スピンドルに対する平角導線の先端クランプ、巻
始め側(内周側)リード部の折り曲げ形成、所定回数の
巻線、巻終わり側(外周側)リード部の折り曲げ形成に
至る一連の動作を、平角導線の持ち換えなく実行できる
ため、巻線されたコイル部品の形状、品質の安定を図る
ことができる。つまり、持ち換えによるトラブルがな
く、折り曲げ位置が正確になる等の長所を有する。ま
た、平角導線の繰り出す方向を変えることにより、簡単
に所定の方向、位置で折り曲げてリード部を形成するこ
とができるため、折り曲げのための機構が簡単となる利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であって、完成状態のコイ
ル部品を示す斜視図である。
【図2】同正面図である。
【図3】同平面図である。
【図4】磁性体ケースに組み込むためにリード部にさら
に折り曲げ加工を施したコイル部品を示す斜視図であ
る。
【図5】同正面図である。
【図6】同平面図である。
【図7】実施の形態に係るコイル部品を収納したコイル
装置の1例を示す正断面図である。
【図8】実施の形態に係るコイル部品の製造方法におい
て平角導線先端をクランプした状態の斜視図である。
【図9】同じく平角導線をクランプ後に巻線ガイドで9
0度旋回させる工程を示す斜視図である。
【図10】同じく平角導線の旋回後の状態の斜視図であ
る。
【図11】同じく巻線用スピンドルが90度回転した状
態の斜視図である。
【図12】同じく平角導線の内周側折り返し部を形成す
るための工程を示す斜視図である。
【図13】同じく平角導線を所定回数だけ巻回して円筒
状巻回体を作製する工程を示す斜視図である。
【図14】同じく円筒状巻回体の外周を巻き押さえ部材
で押さえた状態の斜視図である。
【図15】同じく外周側折り返し部を形成するために平
角導線を旋回させた状態を示す斜視図である。
【図16】同じく外周側折り返し部を形成するための工
程を示す斜視図である。
【図17】同じく絶縁確保のための絶縁テープを平角導
線の予想される位置に貼り付ける工程を示す斜視図であ
る。
【図18】同じく平角導線への絶縁テープ貼り付け位置
を示す平面図である。
【図19】同じく平角導線を1回巻いたときの絶縁テー
プ位置を示す斜視図である。
【図20】従来のコイル部品を示す斜視図である。
【図21】同平面図である。
【図22】磁性体ケースに組み込むためにリード部にさ
らに折り曲げ加工を施した従来のコイル部品を示す斜視
図である。
【図23】同平面図である。
【図24】従来のコイル部品を収納したコイル装置の1
例を示す分解正断面図である。
【図25】従来のコイル部品の製造方法において平角導
線を引き出した状態の平面図である。
【図26】同じく平角導線を治具で折り曲げて内周側折
り返し部を形成する工程を示す平面図である。
【図27】同じくリード部の先端を巻線用スピンドルに
クランプした状態の斜視図である。
【図28】同じく平角導線を所定回数だけ巻回して円筒
状巻回体を作製する工程を示す斜視図である。
【図29】同じく円筒状巻回体の外周を巻き押さえ用ク
リップで保持した状態の斜視図である。
【図30】同じく外周側折り返し部を治具で形成する工
程を示す斜視図である。
【図31】従来のコイル部品の製造方法における平角導
線の持ち換え工程を説明する斜視図である。
【図32】同じく平角導線の持ち換えに伴う平角導線先
端の位置ずれを説明する斜視図である。
【図33】従来のコイル部品の製造方法において、平角
導線の折り返し部形成のための折り曲げ工程の説明図で
ある。
【図34】従来のコイル部品の製造方法における平角導
線の絶縁被膜損傷箇所を示す斜視図である。
【図35】同じく絶縁テープ貼り付け位置を示す斜視図
である。
【符号の説明】
1 平角導線 2,42 円筒状巻回体 3,4,43,44 折り返し部 5,6,45,46 リード部 10,40 コイル部品 15 折り曲げ用治具 20,50 巻線用スピンドル 21,51 外側軸部 22,52 軸芯部 30,60 絶縁テープ 54,56 押し付け部材 55 巻き押さえ部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−114417(JP,A) 特開 昭51−25760(JP,A) 特開 平7−288210(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 41/00 - 41/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外側軸部と該外側軸部の先端より軸方向
    に突出していて当該外側軸部と一体に回転する軸芯部と
    からなる巻線用スピンドルを用い、表面が絶縁被覆され
    た平角導線を前記外側軸部にてクランプした後、巻線ガ
    イドにより前記平角導線を前記巻線用スピンドルの軸方
    向に垂直な方向にまで旋回させかつ引っ張った状態で前
    記巻線用スピンドルを1回転以下の所定回転角だけ回転
    させ、前記平角導線の折り返された部分を押し付け部材
    により前記軸芯部外周に押し付けて内周側折り返し部を
    形成し、以後前記巻線用スピンドルを所定巻数だけ回転
    させてから停止し、この停止状態にて前記軸芯部の外周
    に前記平角導線が巻かれて構成された筒状巻回体の外周
    を巻き押さえ部材により押さえてから前記平角導線を巻
    線ガイドにより旋回させ、前記平角導線の折り返された
    部分を押し付け部材により前記筒状巻回体外周に押し付
    けて外周側折り返し部を形成することを特徴とするコイ
    ル部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記絶縁被覆が熱融着性物質のコーティ
    ングを有しており、前記外周側折り返し部の形成後に、
    熱風を前記筒状巻回体に吹き付けて前記平角導線を巻回
    状態で固着する請求項記載のコイル部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記絶縁被覆が溶剤により溶融する融着
    性物質のコーティングを有しており、前記平角導線の繰
    り出し側において溶剤を付着させておくことで前記平角
    導線を巻回状態で固着する請求項記載のコイル部品の
    製造方法。
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