JP3242652B2 - ピロロアゼピン誘導体 - Google Patents

ピロロアゼピン誘導体

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JP3242652B2
JP3242652B2 JP50348093A JP50348093A JP3242652B2 JP 3242652 B2 JP3242652 B2 JP 3242652B2 JP 50348093 A JP50348093 A JP 50348093A JP 50348093 A JP50348093 A JP 50348093A JP 3242652 B2 JP3242652 B2 JP 3242652B2
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章 水野
秀連 長
美樹子 味谷
敏雄 立岡
高文 石原
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Suntory Ltd
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は新規なピロロアゼピン誘導体に関し、更に詳
細には、強力な抗α作用、抗セロトニン作用を有し、
しかも毒性が低く、高血圧症や心不全などの循環器系疾
患の治療薬として有用な新規ピロロアゼピン誘導体およ
びその塩、それらの製造法並びにそれらを有効成分とす
る循環器系疾患治療剤に関する。
背景技術 従来、循環器系に作用する薬剤として、多くのものが
知られており、このうち降圧剤としても多種多様なもの
が開発されている。
しかし、循環器系薬剤として用いられている薬剤のう
ち、α遮断剤は一般に起立性低血圧、反射性頻脈等の
副作用があり、特に、老人に対する投与は起立性低血圧
を起こしやすく、注意が必要であるという欠点があっ
た。
また、α遮断剤の有する副作用を起こしにくいもの
として、抗セロトニン作用および抗α作用をともに有
する薬剤が老人性高血圧症等に有効な薬剤として開発さ
れているが、これらも、降圧作用が十分でない場合があ
ったり、眠気、鎮静作用などの中枢性副作用が問題とな
っていた。
発明の開示 上記のような実情に鑑み、本発明者らは、抗セロトニ
ン作用および抗α作用の両作用を併有し、しかもその
降圧作用が強力で、かつ副作用や毒性の低い薬剤を得べ
く、数多くの化合物を合成し、その薬理作用を検討し
た。
そしてその結果、ピロロアゼピン構造を有する下記式
(I)で表される化合物が上記要求を満たすことを見出
し、本発明を完成した。
したがって本発明は、一般式(I) [式中、点線は結合の存在または不存在を示し、点線結
合が存在する場合、Z1は水素原子を、点線結合が存在し
ない場合、Z1が水素原子でZ2が水酸基であるか、Z1とZ2
が一緒になって、酸素原子または基NOR1(ここで、R1
水素原子、アルキル基、置換されていても良いアリール
基または置換されていても良いアラルキル基を示す)を
示し、Rは水素原子、アルキル基、置換されていても良
いシクロアルキル基、置換されていても良いシクロアル
キル−アルキル基、置換されていても良いアリール基ま
たは置換されていても良いアラルキル基を示し、Aは水
素原子の一つが水酸基で置換されていても良いアルキレ
ン基、アルケニレン基またはアルキニレン基を示し、Y
は基 (ここで、R2およびR3は同一または異なって、水素原
子、低級アルコキシ基もしくは置換されていても良いア
リールオキシ基で置換されていても良いアルキル基、置
換されていても良いアリール基、置換されていても良い
アラルキル基または一部が飽和されたナフチル基を示
す)または基 (ここで、R4およびR5は同一または異なって、水素原子
またはアルキル基を示し、Bはカルボニル基、スルホニ
ル基、アルキレン基、アルケニレン基または置換されて
いても良いフェニルメチレン基を示し、mは1または2
の数を、nは0または1の数を示し、Dはアルコキシ
基、置換されていても良い芳香族複素環基、置換されて
いても良いアリール基または1,4−ベンゾジオキサニル
基を示す)を示す] で表されるピロロアゼピン誘導体およびその塩、それら
の製造法並びにそれらを有効成分とする循環器系疾患治
療剤を提供するものである。
発明を実施するための最良の形態 本発明のピロロアゼピン誘導体(I)において、基R
の好ましい例としては、水素原子やメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基などの分
岐していても良いC1〜C8アルキル基、シクロプロピル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの置換さ
れていても良いC3〜C8シクロアルキル基、シクロプロピ
ルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシル
エチル基などの置換されていても良いC3〜C8シクロアル
キル−アルキル基、フェニル基、1またはそれ以上のフ
ッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、メチル基、エチル
基等のC1〜C4アルキル基、メトキシ基、エトキシ基等の
C1〜C4アルコキシ基で置換されたフェニル基、ナフチル
基等のアリール基、ジフェニルメチル基、ベンジル基、
フェネチル基等のアラルキル基が挙げられ、この際芳香
環部が1以上の上記ハロゲン原子、アルキル基、アルコ
キシ基で置換されていても良い。これらの中で、メチル
基、ベンジル基が特に好ましい。
また、基Aの好ましい例としては、エチレン基、トリ
メチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、オ
クタメチレン基、3,3−ジメチルペンタメチレン基、2
−ヒドロキシプロピレン基などの水素原子の一つが水酸
基で置換されていてもよく、また、分岐していても良い
C2〜C10アルキレン基、2−ブテニレン基、3−ペンテ
ニレン基などの分岐していても良いC4〜C10アルケニレ
ン基、2−ブチニレン基、2−ペンチニレン基、3−ペ
ンチニレン基などの分岐していても良いC4〜C10アルキ
ニレン基が挙げられ、このうち、エチレン基、トリメチ
レン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、オクタ
メチレン基、2−ヒドロキシプロピレン基が特に好まし
い。
更に、基Z1およびZ2についての好ましい例としては、
点線結合が存在せず、Z1が水素原子でZ2が水酸基である
ものや、Z1とZ2が一緒になって酸素原子または−NOR1
示すものが挙げられ、このうち、Z1とZ2が一緒になって
酸素原子または−NOR1を示すものが特に好ましい。ま
た、基−NOR1中のR1の好ましい例としては、水素原子、
メチル基、エチル基、イソプロピル基等の分岐していて
も良いC1〜C4アルキル基、フェニル基または1以上の上
記ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基で置換され
たフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル
基、ジフェニルメチル基等のアラルキル基が挙げられ、
この際、芳香環部が1以上の上記これら上記ハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基で置換されていても良
い。これらの中で、水素原子が特に好ましい。
更にまた、基−Yの好ましい例としては、ピペラジン
基、ホモピペラジン基等で代表される複素環基が挙げら
れ、これらは置換されていても良く、例えば、より好ま
しいものとして次の複素環基が挙げられる。
[式中、R4およびR5は、水素原子または分岐していても
良いアルキル基(好ましくは水素原子、メチル基、エチ
ル基等の低級アルキル基)を示し、Bはカルボニル基、
スルホニル基、分岐していても良いアルキレン基(好ま
しくはメチレン基)、アルケニレン基(好ましくは2−
プロペニレン基)、置換されていても良いフェニルメチ
レン基を示し、Dはアルコキシ基(好ましくはメトキシ
基、エトキシ基などの低級アルコキシ基)、置換されて
いても良い芳香族複素環基(好ましくはピリジル基、ピ
リミジル基、フラニル基)、置換されていても良いアリ
ール基(好ましくはフェニル基または1以上の水酸基、
ベンジルオキシ基、上記ハロゲン原子、アルキル基、ア
ルコキシ基で置換されたフェニル基)、1,4−ベンゾジ
オキサニル基を示し、mは1または2の数、nは0また
は1の数を示す] また、Yが基 である場合には、R2およびR3の好ましい例としてR2が水
素原子、R3がフェノキシエチル基であるものが挙げられ
る。
本発明化合物(I)中には、異性体が存在するものも
多く含まれるが、本発明においてはこれらの異性体すべ
てを含む。例えば、ピロロアゼピン環の4位にヒドロキ
シイミノ基またはO−置換ヒドロキシイミノ基を有する
場合、(E)−異性体および(Z)−異性体が存在する
が、本発明化合物にはこれら個々の異性体およびこれら
の混合物を含む。
本発明のピロロアゼピン誘導体(I)は、種々の方法
により製造することができるが、例えば以下に示す方法
の何れかにより製造することが好ましい。
方 法1: ピロロアゼピン誘導体(I)のうち、Z1とZ2が一緒に
なって酸素原子を示す化合物(I a)は、次の反応式に
従い、一般式(II)で表される化合物を式(IV)で表さ
れる化合物に変換し、次いでこの化合物(IV)に式
(V)で表わされる含窒素化合物またはその塩を反応さ
せることにより得られる。
(式中、A、RおよびYは前記した意味を有し、Xおよ
びX′は同一または異なってアミノ基と容易に交換しう
る基を示す) 化合物(II)から化合物(IV)への変換は、有機もし
くは無機塩基の存在下、化合物(II)に式(III)で表
される化合物を作用させることにより行なわれる。
化合物(III)の基XおよびX′における、アミノ基
と容易に交換しうる基としては、塩素、臭素等のハロゲ
ン原子、メタンスルホニルオキシ基のようなアルキルス
ルホニルオキシ基またはp−トルエンスルホニルオキシ
基のようなアリールスルホニルオキシ基等が挙げられ
る。また、この反応に使用される溶媒としては、反応に
関与しないものであれば何であっても良く、ジメチルホ
ルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、2−ブタ
ノン等が例示される。更に、有機もしくは無機塩基とし
ては、トリエチルアミン、ピリジン、コリジン、1,8−
ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブ
トキシド等が挙げられ、反応は−20℃〜還流温度で行な
われる。
化合物(IV)と含窒素化合物(V)を反応させ、化合
物(I a)を製造するには、化合物(III)に含窒素化合
物(V)またはその有機酸もしくは無機酸塩を、必要に
応じてトリエチルアミン、ピリジン、コリジン、DBU、
カリウムt−ブトキシドなどの有機塩基または炭酸カリ
ウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリ
ウムなどの無機塩基と共に、また必要に応じてヨウ化ナ
トリウム、ヨウ化カリウムなどのヨウ化物を添加し、無
溶媒で、またはジメチルホルムアミド、アセトニトリ
ル、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、
1−ブタノールなどの溶媒中で、室温〜150℃で反応さ
せれば良い。
含窒素化合物(V)の例としては、ジメチルアミン、
イソプロピルアミン、t−ブチルアミン、3−フェニル
プロピルアミン、2−フェノキシエチルアミン、N−プ
ロピル−2−(8−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒド
ロナフチル)アミン、1−フェニルピペラジン、1−
(2−メトキシフェニル)ピペラジン、1−(3−メト
キシフェニル)ピペラジン、1−(4−メトキシフェニ
ル)ピペラジン、1−(2−クロロフェニル)ピペラジ
ン、1−(3−クロロフェニル)ピペラジン、1−(4
−クロロフェニル)ピペラジン、1−(4−フルオロフ
ェニル)ピペラジン、1−(2−ピリジル)ピペラジ
ン、1−(2−ピリミジル)ピペラジン、1−ベンジル
ピペラジン、1−ジフェニルメチルピペラジン、1−シ
ンナミルピペラジン、1−(1,4−ベンゾジオキサン−
2−イルメチル)ピペラジン、1−ベンゾイルピペラジ
ン、1−(4−ベンジルオキシベンゾイル)ピペラジ
ン、1−(4−ヒドロキシベンゾイル)ピペラジン、2
−フロイルピペラジン、1−エトキシカルボニルピペラ
ジン等が挙げられ、これらは何れも公知であるか、公知
方法またはこれに準じた方法で容易に製造される化合物
である。
なお、上記反応において出発原料として用いられる化
合物(II)のうち、R=Hのものは公知であるが、それ
以外のものは新規化合物である。しかし、これらの新規
化合物は、次式にしたがって式(XI)で表されるピロー
ル−2−カルボン酸またはその誘導体を一般式(XII)
で表されるβ−アミノ酸若しくはその誘導体またはそれ
らの有機もしくは無機塩と反応させ、必要に応じて脱保
護して一般式(XIII)で表される化合物を得、この化合
物を閉環せしめることにより製造することができる。
(式中、Rは前記した意味を有し、R6は水素原子若しく
はカルボキシル基の保護基を示し、Wは水酸基、または
アミノ基と容易に交換しうる基を示す) 化合物(XI)の基Wにおけるアミノ基と容易に交換し
うる基としては、ハロゲン原子、カルボン酸残基等が挙
げられる。また、化合物(XII)の基R6において、カル
ボキシル基の保護基としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブ
チル基、t−ブ ル基等の低級アルキル基;ベンジル
基、9−アンスリルメチル基等のC7〜C20アラルキル基
のほか、「プロテクティブ グループス イン オーガ
ニック シンセシス(Protect−ive Groups in Organic
Synthesis)」(T.W.Greene著;John Wiley & Sons
社)等に記載の一般に使用されている保護基を利用する
ことができる。
また、化合物(XIII)の合成には、「コンペンディウ
ム オブ オーガニックシンセチック メソッズ(Comp
endium of Organic Synthetic Methods)」(WILEY−IN
TERSCIENCE;A Division of John Wiley & Sons社)等
に記載の多様な方法を利用することができる。これらの
方法の一例としては、ピロール−2−カルボン酸(化合
物(XI)中、W=OH)を必要に応じて有機または無機塩
基の存在下、ジエチルリン酸シアニド(DECP)、ジフェ
ニルリン酸アジド(DPPA)、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミ
ノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、2−ヨード−1−
メチルピリジニウムアイオダイド等の有機化合物または
四塩化ケイ素、四塩化スズなどの無機化合物で処理する
方法、ピロール−2−カルボン酸を常法により酸ハロゲ
ン化物、対称酸無水物、混合酸無水物、p−ニトロフェ
ニルエステル等の活性エステル等とした後反応させる方
法等を挙げることができる。
得られた化合物(XIII)は、必要に応じて酸若しくは
塩基の作用によりまたは接触還元等の適当な手段によっ
て保護基を除去した後、環化反応に付される。
この環化反応は、化合物(XIII)をメタンスルホン酸
などの有機酸又は硫酸、ポリリン酸などの無機酸と共に
又はこれらに五酸化リンを加えた混合物と共に室温〜17
0℃、好ましくは80〜120℃で処理することにより行なわ
れる。
この場合、必要に応じて反応に関与しない溶媒を加え
ても良い。また、環化反応は、必要に応じて触媒を添加
した後、化合物(XIII)を、塩化オキサリル、塩化チオ
ニル、臭化チオニル、臭化オキサリル、ホスゲン、三塩
化リン、三臭化リン、塩化ホスホリル、臭化ホスホリル
等で処理し、対応する酸ハロゲン化物とし、更にジクロ
ロメタン、1,2−ジクロロエタン、ニトロメタンなどの
溶媒中、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、三フッ
化ホウ素・エーテル錯体、四塩化スズ等のルイス酸の存
在下、−20℃〜還流温度で処理することによって、また
は酢酸中で加熱することによっても実施できる。
上記の方法により得られた化合物(II)は、そのまま
本発明化合物(I)を製造するための原料とすることも
できるが、必要に応じて一般に用いられる精製方法、例
えば再結晶やカラムクロマトグラフィーにより精製して
から利用しても良い。
方 法2: ピロロアゼピン誘導体(I)中、Z1およびZ2が一緒に
なってNOR1を示す化合物(I b)は、次に示す反応式に
従い、前記の反応で得られる化合物(I a)に式(V
I)で表されるヒドロキシルアミン若しくはその誘導体
またはそれらの塩を作用させるか、同じく前記の化合
物(IV)にヒドロキシルアミン若しくはその誘導体(V
I)またはそれらの塩を作用させた後、含窒素化合物
(V)またはそれらの塩を作用させることにより製造さ
れる。
(式中、A、R、R1、XおよびYは前記した意味を有す
る) 上記の化合物(I a)または(IV)と、ヒドロキシル
アミンまたはその誘導体(VI)との反応は、必要に応じ
て、ピリジン、トリエチルアミン、コリジン、DBU、酢
酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの有機塩基または炭酸
カリウム、水酸化ナトリウムなどの無機塩基の存在下実
施され、ヒドロキシルアミンまたはその誘導体(VI)
は、その有機酸塩若しくは無機酸塩も利用することがで
きる。
反応は、必要に応じて適当な溶媒、例えば、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、テトラヒドロフラン、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒
中、0℃〜還流温度、好ましくは0℃〜100℃で行なわ
れる。
化合物(IV)と化合物(VI)を反応させた時に得られ
る化合物(VII)は、更に前記した方法により含窒素化
合物(V)と反応させ、化合物(I b)に導くことがで
きる。
化合物(I b)の製造に当り、化合物(IV)にヒドロ
キシルアミンまたはその誘導体(VI)を反応させるか、
化合物(I a)に反応させるかは、含窒素化合物(V)
の構造、性質によって定められる。
すなわち、含窒素化合物(V)の中に、例えばカルボ
ニル基のようなヒドロキシルアミンまたはその誘導体
(VI)と反応する基がある場合には、化合物(IV)にヒ
ドロキシルアミンまたはその誘導体(VI)を反応させる
方法を選択することが好ましい。
方 法3: ピロロアゼピン誘導体(I)中、Z1とZ2が一緒になっ
て酸素原子を示し、基Aが−A′−CH(OH)CH2−(こ
こで、A′はアルキレン基を示す)で表される化合物
(I c)は、次の反応式に従い、一般式(II)で表され
る化合物を一般式(IX)で示される化合物に変換し、次
いで、この化合物(IX)に式(V)で表される含窒素化
合物またはその塩を反応させることにより得られる。
(式中、A′、R、XおよびYは前記した意味を有す
る) 化合物(II)から化合物(IX)への変換は、有機もし
くは無機塩基の存在下、化合物(II)に化合物(VIII)
で表わされる化合物を作用させることにより行なわれ
る。この変換は、前述の化合物(II)から化合物(IV)
への変換の際に用いる方法と全く同様な方法で実施でき
る。
また、化合物(IX)と含窒素化合物(V)を反応さ
せ、化合物(I c)を製造するには、化合物(IX)と含
窒素化合物(V)またはその有機酸もしくは無機酸塩
を、必要に応じて、トリエチルアミン、ピリジン、コリ
ジン、DBU、カリウムt−ブトキシドなどの有機塩基ま
たは炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化ナトリウムなどの無機塩基とともに、無溶媒で、
またはジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチ
ルスルホキシド、トルエン、メタノール、エタノール、
1−ブタノールなどの溶媒を加えて室温〜還流温度で反
応させれば良い。
方 法4: ピロロアゼピン誘導体(I)中、Z1とZ2が一緒になっ
て酸素原子を示す化合物(I a)は、次の反応式に従
い、一般式(II)で表される化合物と一般式(X)で表
される含窒素化合物またはその塩を反応させることによ
り得られる。
(式中、A、R、XおよびYは前記した意味を有する) 化合物(II)から化合物(I a)への変換は、前述の
方法1で示した化合物(IV)から化合物(I a)への変
換の際に用いる方法と全く同様な方法で実施できる。
方 法5: ピロロアゼピン誘導体(I)のうち、Z1が水素原子
で、Z2が水酸基で表される化合物(I d)は、次式に従
い、前述の反応式で得られる化合物(I a)を還元する
ことにより得られる。
(式中、A、RおよびYは前記した意味を有する) 上記の反応は、一般式(I a)で表される化合物を、
水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素
化シアノホウ素ナトリウム、水素化トリn−ブチルスズ
等の還元剤を用い、通常使用される溶媒中、−78℃〜還
流温度、好ましくは、−20℃〜室温で処理することによ
り得られる。
また、ラネーニッケル等を使用する接触還元によって
も化合物(I a)から化合物(I d)へ変換することがで
きる。
方 法6: ピロロアゼピン誘導体(I)のうち、点線結合が存在
して二重結合を示し、Z1が水素原子である化合物(I
e)は、次式に従い、前述の反応で得られる化合物(I
d)を脱水処理することにより製造される。
(式中、A、RおよびYは前記した意味を有する) 上記反応は、一般式(I d)で表される化合物を、必
要に応じて水、メタノール、エタノール、クロロホル
ム、トルエン、酢酸エチル等の溶媒中、塩化水素、臭化
水素、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸等の酸により、−20℃〜100℃、好ましくは、−20℃
〜室温の条件で処理することにより得られる。
また、一般式(I d)で表される化合物に、必要に応
じてジクロロメタン、クロロホルム、トルエン等の溶媒
中、メタンスルホニルクロライド、p−トルエンスルホ
ニルクロライド、三塩化リン、オキシ塩化リン、塩化チ
オニル等とトリエチルアミン、コリジン、ピリジン等の
塩基を作用させても化合物(I e)へ変換することがで
きる。
以上のようにして得られた本発明化合物(I)は、必
要に応じて種々の酸を作用させてその塩とした後、再結
晶、カラムクロマトグラフィー等の手段で精製すること
もできる。
ピロロアゼピン誘導体(I)をその塩とするために利
用される酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、臭化
水素酸等の無機酸およびマレイン酸、フマル酸、酒石
酸、シュウ酸、乳酸、クエン酸、酢酸、メタンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸、アジピン酸、パルミチン
酸、タンニン酸等の有機酸を挙げることができる。
叙上の如くして得られる本発明のピロロアゼピン誘導
体(I)およびそれらの塩は、後記試験例で示す如く抗
セロトニン作用および抗α作用を有し、また、毒性試
験の結果、安全性の高いものであった。したがって本発
明化合物は、高血圧症、心不全などの循環器系疾患治療
剤として利用することができる。
本発明のピロロアゼピン誘導体(I)を医薬として用
いる場合、それ自体で有効量を投与しても良いが、公知
の製剤の手法を利用し、各種の剤形とし、投与すること
もできる。
医薬としての投与剤形の例としては、錠剤、散剤、顆
粒剤、カプセル剤、シロップ剤等の経口投与薬剤、注射
剤、坐剤等の非経口投与薬剤を挙げることができ、何れ
の場合にも製剤上使用される公知の液体もしくは固体の
希釈剤または担体を使用することができる。
このような希釈剤や担体の例としては、ポリビニルピ
ロリドン、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、シク
ロデキストリン、トラガカント、ステアリン酸マグネシ
ウム、タルク、ポリエチレングリコール、ポリビニルア
ルコール、シリカ、乳糖、結晶セルロース、砂糖、澱
粉、リン酸カルシウム、植物油、カルボキシメチルセル
ロース、ラウリル硫酸ナトリウム、水、エタノール、グ
リセリン、マンニトール、シロップ等が挙げられる。
本発明化合物を医薬として使用する場合の投与量は、
投与の目的、投与対象者の年齢、体重、状態等により異
なるが、経口投与の場合、一般に0.1〜1000mg/日程度と
すれば良い。
次に参考例、実施例および試験例を挙げて本発明を更
に詳しく説明する。
参考例 1 エチル3−(N−メチル−2−ピロールカルボキサミ
ド)プロピオネート(化合物1)の合成: ピロール−2−カルボン酸50.0g(450mmol)、エチル
3−(メチルアミノ)プロピオネート64.9g(495mmol)
のDMF(200ml)溶液を0℃に冷却し、撹拌しながらジエ
チルシアノホスホネート80.8g(495mmol)のジメチルホ
ルムアミド(DMF)(100ml)溶液を加え、次いで、同温
度でトリエチルアミン50.1g(495mmol)のDMF(100ml)
溶液を1時間かけて滴下した後、室温で18時間撹拌す
る。
反応混合物を減圧下濃縮して得られる油状物に、酢酸
エチル−ベンゼン(3:1v/v)の混合溶媒(1200ml)を加
え、有機層を飽和炭酸カリウム水溶液、水、5%塩酸、
水(2回)、飽和食塩水の順に洗浄した後、無水硫酸ナ
トリウムにて乾燥する。減圧下、溶媒を留去して得られ
る油状物に、イソプロピルエーテル(200ml)とヘキサ
ン(1000ml)を加え振とうした後、1日静置する。
析出した結晶を濾取し、減圧下、乾燥すると、標題化
合物87.5g(収率87%)が、無色の粉末状結晶として得
られる。
本化合物は十分純粋であるが、必要に応じて、イソプ
ロピルエーテルより再結晶できる。
形状:無色プリズム晶 融点:57.0〜58.0℃ 参考例 2 参考例1に記載の方法において、エチル3−(メチル
アミノ)プロピオネートのかわりに、エチル3−(ベン
ジルアミノ)プロピオネートを用いると、化合物2が得
られる。
(化合物2) エチル3−(N−ベンジル−2−ピロールカルボキサミ
ド)プロピオネート 参考例 3 3−(N−メチル−2−ピロールカルボキサミド)プロ
ピオン酸(化合物3)の合成: 参考例1で得られる化合物1、37.00g(165mmol)、
2規定水酸化ナトリウム水溶液413ml(826mmol)、エタ
ノール(20ml)の混合物を室温で4時間撹拌する。反応
混合物を冷却し、撹拌しながら濃塩酸80mlを加える。更
に撹拌を続け、析出する結晶を濾取する。
濾液は食塩で飽和後、酢酸エチルで抽出する。抽出液
を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮すると、結晶
が得られる。
結晶を合せて酢酸エチルで再結晶すると、標題化合物
27.69g(収率86%)が得られる。
形状:無色プリズム晶 融点:125.0〜127.0℃ 参考例 4 参考例3に記載の方法において、化合物1のかわりに
化合物2を用いると、化合物4が得られる。
(化合物4) 3−(N−ベンジル−2−ピロールカルボキサミド)プ
ロピオン酸 参考例 5 7−メチル−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−c]アゼピン
−4,8(1H,5H)−ジオン(化合物5)の合成: 参考例3で得られる化合物3、7.00g(35.68mmol)と
ポリリン酸(約80%)250gの混合物を、100℃に保った
油浴中で、30分間メカニカルスターラーにより激しく撹
拌する。
反応混合物を(700ml)の氷水中に注ぎ、クロロホル
ムで抽出する。有機層を飽和食塩水(2回)で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムにて乾燥する。
減圧下、溶媒を留去すると、淡褐色結晶として、標題
化合物5.58g(収率88%)が得られる。
本化合物は十分純粋であるが、必要により、クロロホ
ルム−イソプロピルエーテルで再結晶できる。
参考例 6 参考例5に記載の方法において、化合物3の代わりに
化合物4を用いると化合物6が得られる。
(化合物6) 7−ベンジル−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−c]アゼピ
ン−4,8(1H,5H)−ジオン 参考例 7 7−ベンジル−1−(4−ブロモブチル)−6,7−ジヒ
ドロピロロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオ
ン(化合物7)の合成: 参考例6で得られる化合物6、0.76g(3mmol)、1,4
−ジブロモブタン3.24g(15mmol)および炭酸カリウム
2.07g(15mmol)のDMF(50ml)懸濁液を80℃で3時間撹
拌する。反応混合物に酢酸エチル−ベンゼン(2:1v/v)
200mlを加え、10%−クエン酸水溶液、水(3回)、飽
和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。溶
媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルとしてメルク社のAr
t.9385(以下の実施例においても同一の物を使用)を用
いるシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル
−ベンゼン=1:3)にて精製すると、0.83g(収率71%)
の標題化合物が得られる。
参考例 8 参考例7に記載の方法において、1,4−ジブロモブタ
ンの代わりに1,2−ジブロモエタン、1,3−ジブロモプロ
パン、1,5−ジブロモペンタン、1,8−ジブロモオクタン
を用いると、それぞれ化合物8、9、10、11が得られ
る。更に、化合物5と1,4−ジクロロブタン、1,4−ジブ
ロモブタン、1,5−ジブロモペンタンとから、それぞれ
化合物12、13、14が得られる。
(化合物8) 7−ベンジル−1−(2−ブロモエチル)−6,7−ジヒ
ドロピロロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオ
ン (化合物9) 7−ベンジル−1−(3−ブロモプロピル)−6,7−ジ
ヒドロピロロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジ
オン (化合物10) 7−ベンジル−1−(5−ブロモペンチル)−6,7−ジ
ヒドロピロロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジ
オン (化合物11) 7−ベンジル−1−(8−ブロモオクチル)−6,7−ジ
ヒドロピロロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジ
オン (化合物12) 1−(4−クロロブチル)−7−メチル−6,7−ジヒド
ロピロロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン (化合物13) 1−(4−ブロモブチル)−7−メチル−6,7−ジヒド
ロピロロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン (化合物14) 1−(5−ブロモペンチル)−7−メチル−6,7−ジヒ
ドロピロロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオ
ン 参考例 9 1−(4−クロロブチル)−4−ヒドロキシイミノ−7
−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピロロ[2,3−c]ア
ゼピン−8(1H)−オン(化合物15)の合成: 参考例8で得られる化合物12、4.031g(15mmol)とヒ
ドロキシルアミン塩酸塩5.212g(75mmol)を含むピリジ
ン(90ml)溶液を室温で18時間撹拌する。
反応混合物を減圧下濃縮した後、トルエンを加え、再
び減圧下濃縮する。残渣に10%クエン酸水溶液(200m
l)を加え、クロロホルムで抽出し、抽出液を飽和食塩
水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧
下、溶媒留去して得られる油状物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(7.5%メタノール−クロロホルム)
で精製すると、無色油状物3.84g(収率90%)が得ら
れ、イソプロピルエーテルで処理することにより結晶化
する。
本品は十分に純粋であるが、必要に応じて酢酸エチル
にて再結晶する。
参考例 10 7−ベンジル−1−(2,3−エポキシプロピル)−6,7−
ジヒドロピロロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−
ジオン(化合物16)の合成: 参考例6で得られる化合物6、509mg(2mmol)、エピ
ブロモヒドリン822mg(6mmol)、炭酸カリウム829mg(6
mmol)のアセトニトリル(50ml)懸濁液を14時間還流す
る。反応混合物を濾過後、溶媒を減圧留去し、残渣に酢
酸エチルを加え、飽和食塩水で洗浄する。有機層を無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキ
サン=1:1)で精製すると、520mg(収率84%)の標題化
合物が得られる。
実施例 1 7−ベンジル−1−[4−(4−フェニルピペラジン−
1−イル)ブチル]−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−c]
アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン(化合物17)の合成: 化合物7、389mg(1mmol)、1−フェニルピペラジン
811mg(5mmol)および炭酸カリウム691mg(5mmol)のDM
F(30ml)懸濁液を80℃で4時間撹拌する。冷後、反応
混合物に酢酸エチル−ベンゼン(3:1V/V)を加え、水
(3回)、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥する。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製すると、400m
g(収率85%)の標題化合物が得られる。
実施例 2 実施例1で化合物7のかわりに化合物8、9、10、1
1、13および14を用いると、それぞれ化合物18、19、2
0、21、22および23が得られる。
(化合物18) 7−ベンジル−1−[2−(4−フェニルピペラジン−
1−イル)エチル]−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−c]
アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン (化合物19) 7−ベンジル−1−[3−(4−フェニルピペラジン−
1−イル)プロピル]−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−
c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン (化合物20) 7−ベンジル−1−[5−(4−フェニルピペラジン−
1−イル)ペンチル]−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−
c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン (化合物21) 7−ベンジル−1−[8−(4−フェニルピペラジン−
1−イル)オクチル]−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−
c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン (化合物22) 7−メチル−1−[4−(4−フェニルピペラジン−1
−イル)ブチル]−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−c]ア
ゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン (化合物23) 7−メチル−1−[5−(4−フェニルピペラジン−1
−イル)ペンチル]−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−c]
アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン 実施例 3 4−ヒドロキシ−7−メチル−1−[4−(4−フェニ
ルピペラジン−1−イル)ブチル]−4,5,6,7−テトラ
ヒドロピロロ[2,3−c]アゼピン−8(1H)−オン
(化合物24)の合成: 実施例2で得られた化合物22、592mg(1.5mmol)をメ
タノール(30ml)に溶解し、冷却攪拌下に水素化ホウ素
ナトリウム1.50g(39.7mmol)を少量ずつ加えた後、室
温で2時間攪拌する。反応混合物を減圧濃縮し、酢酸エ
チルを加えて、飽和塩化カリウム水溶液で3回洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒を減圧留去し、残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル
→8%メタノール−クロロホルム)で精製すると、530m
g(収率89%)の標題化合物が得られる。
実施例 4 7−メチル−1−[4−(4−フェニルピペラジン−1
−イル)ブチル]−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−c]ア
ゼピン−8(1H)−オン(化合物25)の合成: 実施例3で得られた化合物24、119mg(0.3mmol)とト
リエチルアミン2.02g(20mmol)をジクロロメタン(20m
l)に溶解し、冷却攪拌下にメタンスルホニルクロリド3
44mg(3mmol)のジクロロメタン(5ml)溶液をゆっくり
加えた後、室温で3時間攪拌する。反応混合物に酢酸エ
チル(300ml)を加え、飽和炭酸カリウム水溶液(2
回)、水(2回)、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥する。溶媒を減圧留去し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(5%メタノール−ク
ロロホルム)で精製すると89mg(収率78%)の標題化合
物が得られる。
実施例 5 4−ヒドロキシイミノ−7−メチル−1−[5−(4−
フェニルピペラジン−1−イル)ペンチル]−4,5,6,7
−テトラヒドロピロロ[2,3−c]アゼピン−8(1H)
−オン(化合物26)の合成: 実施例2で得られた化合物23、163mg(0.4mmol)およ
び塩酸ヒドロキシルアミン139mg(2mmol)のピリジン
(20ml)溶液を、70℃で2時間攪拌する。反応混合物を
減圧濃縮し、残渣に飽和炭酸カリウム水溶液を入れ、ク
ロロホルムで抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去する。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%メタノ
ール−クロロホルム)で精製すると160mg(収率95%)
の標題化合物が得られる。
実施例 6 実施例5で、化合物23のかわりに化合物22を用いる
と、化合物27が得られる。
(化合物27) 4−ヒドロキシイミノ−7−メチル−1−[4−(4−
フェニルピペラジン−1−イル)ブチル]−4,5,6,7−
テトラヒドロピロロ[2,3−c]アゼピン−8(1H)−
オン 実施例 7 7−メチル−1−[4−[4−(4−フルオロフェニ
ル)ピペラジン−1−イル]ブチル]−6,7−ジヒドロ
ピロロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン
(化合物28)の合成: 化合物13、806mg(3mmol)と、1−(4−フルオロフ
ェニル)ピペラジン2.16g(12mmol)をDMF(70ml)に溶
解し、ヨウ化ナトリウム4.50g(30mmol)を加えて、80
℃で6時間攪拌する。
実施例1と同様の後処理、精製を行うと、1.19g(収
率96%)の標題化合物が得られる。
実施例 8 実施例5で化合物23のかわりに化合物28を用いると、
化合物29が得られる。
(化合物29) 4−ヒドロキシイミノ−7−メチル−1−[4−[4−
(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]ブチ
ル]−4,5,6,7−テトラヒドロピロロ[2,3−c]アゼピ
ン−8(1H)−オン 実施例 9 1−[4−[4−(3−クロロフェニル)ピペラジン−
1−イル]ブチル]−7−メチル−6,7−ジヒドロピロ
ロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン(化合
物30)の合成: 化合物12、109mg(0.39mmol)、1−(3−クロロフ
ェニル)ピペラジン塩酸塩108mg(0.46mmol)、炭酸カ
リウム117mg(0.85mmol)およびヨウ化ナトリウム54mg
(0.39mmol)のDMF(5ml)懸濁液を、80℃で12時間攪拌
する。実施例1と同様の後処理、精製を行うと、144mg
(収率86%)の標題化合物が得られる。
実施例 10 実施例9で化合物12のかわりに化合物15を使用すると
化合物31が得られる。また、化合物12または15と、1−
(4−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩を使用するこ
とにより、それぞれ化合物32、33が得られる。
(化合物31) 1−[4−[4−(3−クロロフェニル)ピペラジン−
1−イル]ブチル]−4−ヒドロキシイミノ−7−メチ
ル−4,5,6,7−テトラヒドロピロロ[2,3−c]アゼピン
−8(1H)−オン (化合物32) 1−[4−[4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−
1−イル]ブチル]−7−メチル−6,7−ジヒドロピロ
ロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン (化合物33) 1−[4−[4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−
1−イル]ブチル]−4−ヒドロキシイミノ−7−メチ
ル−4,5,6,7−テトラヒドロピロロ[2,3−c]アゼピン
−8(1H)−オン 実施例 11 1−[4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン
−1−イル]ブチル]−7−メチル−6,7−ジヒドロピ
ロロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン(化
合物34)の合成: 化合物13、313mg(1mmol)、1−(2−メトキシフェ
ニル)ピペラジン385mg(2mmol)および炭酸カリウム27
6mg(2mmol)のDMF(10ml)懸濁液を、80℃で16時間攪
拌する。反応混合物に酢酸エチル−ベンゼン(3:1V/V)
を加え、有機層を飽和炭酸カリウム水溶液、水(2
回)、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥する。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(3%メタノール−クロロホルム)
で精製すると、390mg(収率92%)の標題化合物が得ら
れる。
実施例 12 実施例11において、化合物13のかわりに化合物14およ
び10を用いると、化合物35および36が得られる。
(化合物35) 1−[5−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン
−1−イル]ペンチル]−7−メチル−6,7−ジヒドロ
ピロロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン (化合物36) 7−ベンジル−1−[5−[4−(2−メトキシフェニ
ル)ピペラジン−1−イル]ペンチル]−6,7−ジヒド
ロピロロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン 実施例 13 7−メチル−1−[4−[4−(2−ピリミジニル)ピ
ペラジン−1−イル]ブチル]−6,7−ジヒドロピロロ
[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン(化合物3
7)の合成: 化合物12、939mg(3.49mmol)、1−(2−ピリジミ
ジニル)ピペラジン2塩酸塩2.85g(12.0mmol)、炭酸
カリウム4.98g(36.0mmol)およびヨウ化ナトリウム1.0
5g(7.0mmol)のDMF(50ml)懸濁液を、80℃で16時間攪
拌する。実施例1と同様の後処理、精製を行なうと、1.
15g(収率83%)の標題化合物が得られる。
実施例 14 4−ヒドロキシイミノ−7−メチル−1−[4−[4−
(2−ピリミジニル)ピペラジン−1−イル]ブチル]
−4,5,6,7−テトラヒドロピロロ[2,3−c]アゼピン−
8(1H)−オン(化合物38)の合成: 化合物37、397mg(1.0mmol)、塩酸ヒドロキシルアミ
ン139mg(2.0mmol)および酢酸ナトリウム164mg(2.0mm
ol)のメタノール(30ml)懸濁液を16時間還流する。反
応混合物を減圧濃縮し、残渣に半飽和炭酸カリウム水溶
液を加え、クロロホルム(3回)で抽出する。有機層を
飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶
媒を減圧留去する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(5%メタノール−クロロホルム)で精製する
と、372mg(収率91%)の標題化合物が得られる。
実施例 15 実施例11において、1−(2−メトキシフェニル)ピ
ペラジンのかわりに1−(2−ピリジル)ピペラジン、
1−エトキシカルボニルピペラジン、1−ベンジルピペ
ラジン、1−ベンゾイルピペラジン、1−(4−ベンジ
ルオキシベンゾイル)ピペラジン、1−(2−フロイ
ル)ピペラジン、1−(ジフェニルメチル)ピペラジ
ン、1−シンチミルピペラジン、1−(1,4−ベンゾジ
オキサン−2−イルメチル)ピペラジンを用いると、そ
れぞれ化合物39、40、41、42、43、44、45、46、47が得
られる。
(化合物39) 7−メチル−1−[4−[4−(2−ピリジル)ピペラ
ジン−1−イル]ブチル]−6,7−ジヒドロピロロ[2,3
−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン (化合物40) 1−[4−(4−エトキシカルボニルピペラジン−1−
イル)ブチル]−7−メチル−6,7−ジヒドロピロロ
[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン (化合物41) 1−[4−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ブチ
ル]−7−メチル−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−c]ア
ゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン (化合物42) 1−[4−(4−ベンゾイルピペラジン−1−イル)ブ
チル]−7−メチル−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−c]
アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン (化合物43) 1−[4−[4−(4−ベンジルオキシフェニルカルボ
ニル)ピペラジン−1−イル]ブチル]−7−メチル−
6,7−ジヒドロピロロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,5
H)−ジオン (化合物44) 1−[4−[4−(2−フロイル)ピペラジン−1−イ
ル]ブチル]−7−メチル−6,7−ジヒドロピロロ[2,3
−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン (化合物45) 1−[4−(4−ジフェニルメチルピペラジン−1−イ
ル)ブチル]−7−メチル−6,7−ジヒドロピロロ[2,3
−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン (化合物46) 1−[4−(4−シンナミルピペラジン−1−イル)ブ
チル]−7−メチル−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−c]
アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン (化合物47) 1−[4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−2−イル
メチル)ピペラジン−1−イル]ブチル]−7−メチル
−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,
5H)−ジオン 実施例 16 1−[4−[4−(4−ヒドロキシフェニル)ピペラジ
ン−1−イル]ブチル]−7−メチル−6,7−ジヒドロ
ピロロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン
(化合物48)の合成: 実施例15で得られた化合物43、23mg(0.046mmol)を
メタノール(2ml)に溶解し、5%−パラジウム炭素16m
gを添加した後、過剰量の水素を系内に導入し、室温で1
5時間激しく攪拌する。不溶物を濾過によって除去し、
溶媒を減圧留去すると13mg(収率65%)の標題化合物が
得られる。
実施例 17 1−[4−(1−イミダゾリル)ブチル]−7−メチル
−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,
5H)−ジオン(化合物49)の合成: 水素化ナトリウム(60%)40mg(1mmol)のDMF(10m
l)懸濁液中へ、冷却攪拌下にイミダゾール68mg(1mmo
l)のDMF(5ml)溶液を滴下する。室温で1時間攪拌し
た後、この中へ、化合物13、313mg(1mmol)のDMF(5m
l)溶液を加え、80℃で3時間攪拌する。実施例1と同
様の後処理、精製を行うと、174mg(収率58%)の標題
化合物が得られる。
実施例 18 7−ベンジル−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]
−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,
5H)−ジオン(化合物50)の合成: 化合物6、254mg(1mmol)、2−(ジメチルアミノ)
エチルクロリド塩酸塩720mg(5mmol)および炭酸カリウ
ム1.38g(10mmol)のDMF(30ml)懸濁液を、80℃で3時
間加熱する。実施例1と同様の後処理、精製を行うと、
250mg(収率77%)の標題化合物が得られる。
実施例 19 7−ベンジル−1−[[2−ヒドロキシ−3−(1,1−
ジメチルエチルアミノ)]プロピル]−6,7−ジヒドロ
ピロロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン
(化合物51)の合成: 化合物16、155mg(0.5mmol)およびtert−ブチルアミ
ン1.00g(13.7mmol)のエタノール(20ml)溶液を48時
間還流する。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(5%メタノール−クロロ
ホルム)で精製すると、110mg(収率57%)の標題化合
物が得られる。
実施例 20 7−ベンジル−1−[[2−ヒドロキシ−3−(4−フ
ェニルピペラジン−1−イル)]プロピル]−6,7−ジ
ヒドロピロロ[2,3−c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジ
オン(化合物52)の合成: 化合物16、155mg(0.5mmol)および1−フェニルピペ
ラジン243mg(1.5mmol)のトルエン(30ml)溶液を48時
間還流する。実施例17と同様に後処理、精製を行うと、
180mg(収率76%)の標題化合物が得られる。
実施例 21 実施例1で化合物7または13と、2−フェノキシエチ
ルアミンとを用いると、化合物53、54が得られる。
(化合物53) 7−ベンジル−1−[4−[N−(2−フェノキシエチ
ル)アミノ]ブチル]−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−
c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン (化合物54) 7−メチル−1−[4−[N−(2−フェノキシエチ
ル)アミノ]ブチル]−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−
c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン 実施例 22 4−ヒドロキシイミノ−7−メチル−1−[4−(2−
フェノキシエチルアミノ)ブチル−4,5,6,7−テトラヒ
ドロピロロ[2,3−c]アゼピン−8(1H)−オン(化
合物55)の合成: 化合物15、1.14g(4mmol)、2−フェノキシエチルア
ミン549mg(4mmol)、炭酸水素ナトリウム672mg(8mmo
l)およびヨウ化ナトリウム1.20g(8mmol)のアセトニ
トリル(50ml)懸濁液を20時間還流する。実施例14と同
様の後処理、精製を行なうと636mg(収率41%)の標題
化合物が得られる。
実施例 23 実施例1で化合物13と、3−フェニルプロピルアミン
またはN−プロピル−2−(8−ヒドロキシ−1,2,3,4
−テトラヒドロナフチル)アミンとを用いると、化合物
56、57が得られる。
(化合物56) 7−メチル−1−[4−[N−(3−フェニルプロピ
ル)アミノ]ブチル]−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−
c]アゼピン−4,8(1H,5H)−ジオン (化合物57) 7−メチル−1−[4−[N−プロピル−2−(8−ヒ
ドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフチル)アミノ]
ブチル]−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−c]アゼピン−
4,8(1H,5H)−ジオン 次に、上記実施例で得られた化合物の物性データを表
1に示す。
試験例 本発明化合物について、その抗α作用および抗セロ
トニン(5−HT)作用を以下に示す試験方法により調べ
た。代表的化合物についての結果を下表に示す。
(1) 抗α作用: ハートレー系雄性モルモット(体重300〜500g)の胸
部大動脈を摘出し、螺旋状に切断した標本を95%O2+5
%CO2の混合ガスで飽和した37℃タイロード液の入った
マグヌス管内に1gの負荷をかけて懸垂し、等尺性トラン
スデューサー(日本光電製、TB−612J)および圧力用プ
リアンプ(日本光電製、AP−620G)を用いて張力変化を
測定し、熱書きレコーダー(日本光電製、WT−647G)上
に記録した。
10-5Mのノルエピネフリン(NE)による持続的な収縮
を100%として、被験薬添加時(10-8、10-7M)の収縮率
を求め、これを抗α作用とした。
(2) 抗セロトニン作用(抗5−HT作用): ハートレー系雄性モルモット(体重300〜500g)の上
部腸間膜動脈を摘出し、螺旋状に切断した標本を95%O2
+5%CO2の混合ガスで飽和した37℃タイロード液の入
ったマグヌス管内に0.3gの負荷をかけて懸垂し、等尺性
トランスデューサー(シンコー製、UL−10)および圧力
用プリアンプ(シンコー製、DSA−605A)を用いて張力
変化を測定し、ペン書きレコーダー(ナショナル製、VP
−6537A)上に記録した。10-5Mのセロトニン(5−HT)
による収縮を100%として、被験薬存在時(10-7、10
-5M)の10-6Mの5−HTによる収縮率を求め、これを抗5
−HT作用とした。
産業上の利用分野 本発明のピロロアゼピン誘導体は、優れた抗α作用
および抗セロトニン作用を有する薬剤であり、また、安
全性も高いため、新たな循環器疾患治療剤等として利用
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 43/00 114 A61P 43/00 114 (72)発明者 石原 高文 大阪府高槻市宮田町3丁目15−1−604 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 487/00 - 487/22 A61K 31/55 - 31/554 A61P 9/00 - 9/14 A61P 43/00 CA(STN) REGISTRY(STN) WPI(DIALOG)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式(I) [式中、点線は結合の存在または不存在を示し、点線結
    合が存在する場合、Z1は水素原子を、点線結合が存在し
    ない場合、Z1が水素原子でZ2が水酸基であるか、Z1とZ2
    が一緒になって、酸素原子または基NOR1(ここで、R1
    水素原子、アルキル基、1以上のハロゲン原子、アルキ
    ル基もしくはアルコキシ基で置換されていても良いアリ
    ール基または芳香環部が1以上のハロゲン原子、アルキ
    ル基もしくはアルコキシ基で置換されていても良いアラ
    ルキル基を示す)を示し、Rは水素原子、アルキル基、
    シクロアルキル基、シクロアルキル−アルキル基、1以
    上のハロゲン原子、アルキル基もしくはアルコキシ基で
    置換されていても良いアリール基または芳香環部が1以
    上のハロゲン原子、アルキル基もしくはアルコキシ基で
    置換されていても良いアラルキル基を示し、Aは水素原
    子の一つが水酸基で置換されていても良いアルキレン
    基、アルケニレン基またはアルキニレン基を示し、Yは
    イミダゾリル基、基 (ここで、R2およびR3は同一または異なって、水素原
    子、低級アルコキシ基もしくはアリールオキシ基で置換
    されていても良いアルキル基、アリール基、アラルキル
    基または一部が飽和されたナフチル基を示す)または基 (ここで、R4およびR5は同一または異なって、水素原子
    またはアルキル基を示し、Bはカルボニル基、スルホニ
    ル基、アルキレン基、アルケニレン基またはフェニルメ
    チレン基を示し、mは1または2の数を、nは0または
    1の数を示し、Dはアルコキシ基、芳香族複素環基、1
    以上の水酸基、ベンジルオキシ基、ハロゲン原子、アル
    キル基もしくはアルコキシ基で置換されていても良いア
    リール基または1,4−ベンゾジオキサニル基を示す)を
    示す] で表されるピロロアゼピン誘導体またはその塩。
  2. 【請求項2】一般式(I)中、Z1とZ2が一緒になって、
    酸素原子または基NOR1(R1は請求項第1記載の意味を有
    する)を示す請求項第1項記載のピロロアゼピン誘導体
    またはその塩。
  3. 【請求項3】一般式(I)中、Yが基 (式中、B、Dおよびnは請求項第1項記載の意味を有
    する) である請求項第1項記載のピロロアゼピン誘導体または
    その塩。
  4. 【請求項4】一般式(II) (式中、Rは請求項第1項記載の意味を有する) で表される化合物に式(III) X−A−X′ (III) (式中、Aは請求項第1項記載の意味を有し、Xおよび
    X′は同一または異なってアミノ基と容易に交換しうる
    基を示す) で表される化合物を作用させて一般式(IV) (式中、Rは請求項第1項記載の意味を有し、Aおよび
    Xは前記した意味を有する) で表される化合物とし、次いで一般式(V) H−Y (V) (式中、Yは請求項第1項記載の意味を有する) で表される含窒素化合物を反応させることを特徴とする
    一般式(I a) (式中、A、RおよびYは前記した意味を有する) で表されるピロロアゼピン誘導体の製造法。
  5. 【請求項5】一般式(I a) (式中、A、YおよびRは請求項第1項記載の意味を有
    する) で表されるピロロアゼピン誘導体に一般式(VI) NH2OR1 (VI) (式中、R1は請求項第1項記載の意味を有する) で表されるヒドロキシルアミンまたはその誘導体を反応
    させることを特徴とする一般式(I b) (式中、A、R、R1およびYは前記した意味を有する) で表されるピロロアゼピン誘導体の製造法。
  6. 【請求項6】一般式(IV) (式中、AおよびRは請求項第1項記載の意味を有し、
    Xはアミノ基と容易に交換しうる基を示す) で表される化合物に、式(VI) NH2OR1 (VI) (式中、R1は請求項第1項記載の意味を有する) で表されるヒドロキシルアミンまたはその誘導体を作用
    させて式(VII) (式中、A、R、R1およびXは前記した意味を有する) で表される化合物とし、次いで、式(V) H−Y (V) (式中、Yは請求項第1項記載の意味を有する) で表される含窒素化合物を反応させることを特徴とする
    一般式(I b) (式中、A、Y、RおよびR1は前記した意味を有する) で表されるピロロアゼピン誘導体の製造法。
  7. 【請求項7】一般式(II) (式中、Rは請求項第1項記載の意味を有する) で表される化合物に一般式(VIII) (式中、A′はアルキレン基を、Xはアミノ基と容易に
    交換する基を示す) で表される化合物を反応させて一般式(IX) (式中、A′およびRは前記した意味を有する) で表される化合物とし、次いで式(V) H−Y (V) (式中、Yは請求項第1項記載の意味を有する) で表される含窒素化合物を反応させることを特徴とする
    一般式(I c) (式中、A′、RおよびYは前記した意味を有する) で表されるピロロアゼピン誘導体の製造法。
  8. 【請求項8】一般式(II) (式中、Rは請求項第1項記載の意味を有する) で表される化合物に一般式(X) X−AY (X) (式中、AおよびYは請求項第1項記載の意味を有し、
    Xはアミノ基と容易に交換しうる基を示す) で表される化合物を反応させることを特徴とする一般式
    (I a) (式中、A、RおよびYは前記した意味を有する) で表されるピロロアゼピン誘導体の製造法。
  9. 【請求項9】一般式(I a) (式中、A、RおよびYは請求項第1項記載の意味を有
    する) で表されるピロロアゼピン誘導体を還元することを特徴
    とする一般式(I d) (式中、A、RおよびYは前記した意味を有する) で表されるピロロアゼピン誘導体の製造法。
  10. 【請求項10】一般式(I d) (式中、A、RおよびYは請求項第1項記載の意味を有
    する) で表されるピロロアゼピン誘導体を脱水処理することを
    特徴とする一般式(I e) (式中、A、RおよびYは前記した意味を有する) で表されるピロロアゼピン誘導体の製造法。
  11. 【請求項11】一般式(IX) (式中、Rは請求項第1項記載の意味を有し、A′はア
    ルキレン基を示す) で表わされる医薬品製造のための中間体。
  12. 【請求項12】請求項第1項記載のピロロアゼピン誘導
    体(I)若しくはその塩を有効成分として含有する高血
    圧治療剤。
  13. 【請求項13】請求項第1項記載のピロロアゼピン誘導
    体(I)若しくはその塩を有効成分として含有する心不
    全治療剤。
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