JP3484115B2 - 縮合ピリダジン誘導体、その製造法および用途 - Google Patents

縮合ピリダジン誘導体、その製造法および用途

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JP3484115B2
JP3484115B2 JP29772599A JP29772599A JP3484115B2 JP 3484115 B2 JP3484115 B2 JP 3484115B2 JP 29772599 A JP29772599 A JP 29772599A JP 29772599 A JP29772599 A JP 29772599A JP 3484115 B2 JP3484115 B2 JP 3484115B2
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泰彦 川野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた抗アレルギ
ー作用、抗ヒスタミン作用、抗炎症作用、好酸球化学遊走
抑制作用などを有し、アトピー性皮膚炎、アレルギー性
鼻炎、気管支喘息、アレルギー性結膜炎、慢性蕁麻疹な
どの予防・治療剤として有用な縮合ピリダジン誘導体、
そのプロドラッグ、製造法および用途に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、多種類の疾病に対する薬剤とし
て、縮合ピリダジン骨格を有する化合物の合成が数多く
行われており、USP3,915,968には、式
【化4】 [式中、RとR3はそれぞれ水素原子または低級アルキ
ル(RとR3の少なくとも一方は低級アルキル)を、R1
とR2は窒素原子と共にピロリジン、ピペリジン、ピペ
ラジンまたはモルホリンから選ばれる複素環基を示
す。]で表される化合物またはその塩が、USP4,1
36,182には、式
【化5】 [式中、Rは水素原子、フェニルまたは低級アルキルカ
ルボニルアミノを、R1はモルホリノまたはピペリジノ
を、R2は水素原子または低級アルキルを示す。但し、
RとR2の少なくとも一方は水素原子以外の基であっ
て、さらにRがフェニルの場合、R1はモルホリノでR2
が低級アルキルである。]で表される化合物またはその
塩がそれぞれ気管支痙攣を軽減する気管支拡張剤として
有用であることが開示されている。
【0003】また、特開平6−279447には、式
【化6】 [式中、R1は水素原子、置換基を有してもよい低級ア
ルキル基またはハロゲン原子、R2およびR3はそれぞれ
水素原子または置換基を有していてもよい低級アルキ
ル、あるいはR2とR3は隣接する−C=C−と共に5な
いし7員環を形成してもよく、Xは酸素原子またはS
(O)p(pは0ないし2の整数を示す)、Yは式
【化7】 (R4およびR5はそれぞれ水素原子または置換基を有し
ていてもよい低級アルキル基を示す)で表される基また
は置換基を有していてもよい3ないし7員同素環または
複素環から誘導される2価の基、R6およびR7はそれぞ
れ水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル
基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基または
置換基を有していてもよいアリール基、あるいはR6
7は隣接する窒素原子と共に置換基を有していてもよ
い含窒素複素環基を形成してもよく、mは0ないし4の
整数、nは0ないし4の整数を示す。]で表される化合
物またはその塩、および合成例の1つとして
【化8】 の化合物が抗喘息作用、抗PAF作用、抗炎症作用、抗
アレルギー作用を有することが開示されている。
【0004】さらに、特開平6−279446には、式
【化9】 [式中、R1は水素原子、置換基を有してもよい低級ア
ルキル基またはハロゲン原子を示し、R2およびR3はそ
れぞれ水素原子または置換基を有していてもよい低級ア
ルキル基を示し(ただしR2およびR3の一方が水素原子
ある場合、他方は置換基を有していてもよい低級アルキ
ル基を示す)、R2とR3は隣接する−C=C−と共に5
ないし7員環を形成してもよく、Xは酸素原子またはS
(O)p(pは0ないし2の整数を示す)、Yは式
【化10】 (R4およびR5はそれぞれ水素原子または置換基を有し
ていてもよい低級アルキル基を示す)で表される基また
は置換基を有していてもよい3ないし7員同素環または
複素環から誘導される2価の基、R6およびR7はそれぞ
れ水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル
基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基または
置換基を有していてもよいアリール基を示し、R6とR7
は隣接する窒素原子と共に置換基を有してもいてよい含
窒素複素環基を形成してもよく、mは0ないし4の整
数、nは0ないし4の整数を示す。]で表される化合物
またはその塩が記載されており、これらの化合物は抗ア
レルギー作用、抗炎症作用および抗PAF作用(血小板
活性化因子)作用を有し、気管支痙攣や気管支収縮を抑
制することにより抗喘息剤として有効に用いられること
が開示されている。また、一方では、抗アレルギー作用
また抗ヒスタミン作用を有する化合物として、例えば、
テルフェナジン[ザ、メルク、インデックス(The
MerckIndex)、12版、9307]やエバス
チン[ザ、メルク、インデックス(The Merck
Index)、12版、3534]などが挙げられ、
それらは臨床において用いられている。
【0005】また、EP128536には、式
【化11】 などで示される抗菌性化合物が、USP4,499,0
88には、式
【化12】 などで示される抗菌性化合物が記載されているが、抗ア
レルギー作用、抗ヒスタミン作用、抗炎症作用などにつ
いては記載されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】優れた抗アレルギー作
用を有する新規縮合ピリダジン誘導体の開発が望まれて
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため、種々鋭意研究を行った結果、[1,
2,4]トリアゾロ[1,5−b]ピリダジンやイミダ
ゾ[1,2−b]ピリダジン骨格の6位からスペイサー
を介して置換ピペリジンやピペラジンを有するところに
化学構造上の大きな特徴を持つ、式
【化13】 [式中、Ar1およびAr2はそれぞれ置換基を有してい
てもよい芳香族基を示し、Ar1とAr2は隣接する炭素
原子と共に縮合環基を形成していてもよく、B環は置換
基を有していてもよい含窒素複素環を示し、XおよびY
はそれぞれ同一または異なって結合手、酸素原子、S
(O)p(pは0ないし2の整数を示す)、NR4(R4
は水素原子または低級アルキル基を示す)または置換基
を有していてもよく、ヘテロ原子1ないし3個を介して
いてもよい2価の直鎖状低級炭化水素基を示し、Aは窒
素原子またはCR7(R7は水素原子、ハロゲン原子、置
換基を有していてもよい炭化水素基、アシル基または置
換基を有していてもよいヒドロキシ基を示す)を示し、
1、R2およびR3はそれぞれ同一または異なって水素
原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水
素基、アシル基または置換基を有していてもよいヒドロ
キシ基を示し、R8は水素原子、低級アルキル基で置換
されていてもよいヒドロキシ基またはカルボキシル基を
示す。ただし、B環で示される含窒素複素環は式
【化14】 (式中、nは0または1を示す)で表わされる複素環で
ない。]で表される新規な縮合ピリダジン化合物または
その塩を合成することに成功し、なかでも、安定性に優
れた式
【化15】 [式中、Rは水素原子またはエチル基を示す。]で表さ
れる化合物の水和物、あるいは化合物(I)のコハク酸
塩またはクエン酸塩や、2−[6−[3−[4−(ジフ
ェニルメトキシ)ピペリジノ]プロピルアミノ]−3−
メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−2−イル]
−2−メチルプロピオン酸またはその塩が、優れた抗ア
レルギー作用を有することを見出した。本発明者らは、
これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねた結果、本
発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、 1.式
【化16】 [式中、Rは水素原子またはエチル基を示す。]で表さ
れる化合物の水和物、あるいは化合物(I)のコハク酸
塩またはクエン酸塩、 2.2−[6−[3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピ
ペリジノ]プロピルアミノ]イミダゾ[1,2−b]ピ
リダジン−2−イル]−2−メチルプロピオン酸二水和
物、 3.以下の粉末X線回折分析結果を示す第1項記載の化
合物。 D-面間隔、オングストローム 強度 I/I0 (%) 6.94 84 12.88 41 13.72 62 15.10 53 17.56 84 18.70 39 19.24 62 20.66 60 21.06 100 21.76 54 26.42 43 28.24 37 4.2−[6−[3−[4−(ジフェニルメトキシ)
ピペリジノ]プロピルアミノ]イミダゾ[1,2−b]
ピリダジン−2−イル]−2−メチルプロピオン酸エチ
ル 二コハク酸塩または2−[6−[3−[4−(ジ
フェニルメトキシ)ピペリジノ]プロピルアミノ]イミ
ダゾ[1,2−b]ピリダジン−2−イル]−2−メチ
ルプロピオン酸エチル クエン酸塩である第1項記載の
化合物、 5.2−[6−[3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピ
ペリジノ]プロピルアミノ]−3−メチルイミダゾ
[1,2−b]ピリダジン−2−イル]−2−メチルプ
ロピオン酸(以下、化合物(Ia)と略記する)または
その塩、 6.第1項ないし第5項のいずれかに記載の化合物のプ
ロドラッグ、 7.(1)式
【化17】 [式中、Q1は脱離基を示す。]で表される化合物また
はその塩と式
【化18】 [式中、Q2は脱離基、Rは第1項記載と同意義を示
す。]で表される化合物またはその塩とを反応して得ら
れる化合物またはその塩を水と接触させるか、または
(2)第1項記載の化合物(I)の遊離体とコハク酸ま
たはクエン酸とを反応させることを特徴とする第1項記
載の化合物の製造法、 8.第1項ないし第5項のいずれかに記載の化合物また
は第6項記載のプロドラッグを含有してなる医薬組成
物、 9.抗ヒスタミンおよび/または好酸球化学遊走抑制剤
である第8項記載の医薬組成物、 10.抗アレルギー剤である第8項記載の医薬組成物、
および 11.喘息、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、
慢性蕁麻疹またはアトピー性皮膚炎の予防・治療剤であ
る第8項記載の医薬組成物を提供する。
【0009】また、本発明は、 12.N−[6−[3−[4−(ジフェニルメトキシ)
ピペリジノ]プロピルアミノ]−3−メチルイミダゾ
[1,2−b]ピリダジン−2−カルボニル]グリシン
(以下、化合物(Ib)と略記する)またはその塩、 13.第1項ないし第5項のいずれかに記載の化合物ま
たは第6項記載のプロドラッグの有効量を哺乳動物に投
与することを特徴とするヒスタミンおよび/または好酸
球化学遊走の抑制方法、 14.第1項ないし第5項のいずれかに記載の化合物ま
たは第6項記載のプロドラッグの有効量を哺乳動物に投
与することを特徴とするアレルギー疾患の予防・治療方
法、 15.第1項ないし第5項のいずれかに記載の化合物ま
たは第6項記載のプロドラッグの有効量を哺乳動物に投
与することを特徴とする喘息、アレルギー性結膜炎、ア
レルギー性鼻炎、慢性蕁麻疹またはアトピー性皮膚炎の
予防・治療方法、 16.抗ヒスタミンおよび/または好酸球化学遊走抑制
剤を製造するための第1項ないし第5項のいずれかに記
載の化合物または第6項記載のプロドラッグの使用、 17.抗アレルギー剤を製造するための第1項ないし第
5項のいずれかに記載の化合物または第6項記載のプロ
ドラッグの使用、および 18.喘息、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、
慢性蕁麻疹またはアトピー性皮膚炎の予防・治療剤を製
造するための第1項ないし第5項のいずれかに記載の化
合物または第6項記載のプロドラッグの使用を提供す
る、さらに、化合物(I)またはその塩が構造中に不斉
炭素を含有する場合、光学活性体およびラセミ体の何れ
も本発明の範囲に含まれ、これらの化合物またはその塩
は水和物、無水物のどちらであってもよい。
【0010】上記式(I)中、Rは水素原子またはエチ
ル基を示す。Rとしては、水素原子が好ましい。化合物
(I)の水和物としては、例えば、1ないし5個のH2
Oを含む水和物が用いられ、なかでも二水和物が好まし
い。化合物(I)のコハク酸塩としては、例えば、1な
いし2個のコハク酸との塩が用いられ、なかでも二コハ
ク酸塩が好ましい。化合物(I)のクエン酸塩として
は、例えば、1ないし2個のクエン酸との塩が用いら
れ、なかでも一クエン酸塩が好ましい。化合物(I)の
コハク酸塩またはクエン酸塩は、無水物、水和物のいず
れであってもよい。化合物(I)のコハク酸塩またはク
エン酸塩の水和物としては、例えば、1ないし5個のH
2Oを含む水和物が用いられる。化合物(I)のコハク
酸塩またはクエン酸塩としては、無水物が好適である。
本発明の化合物(I)は、Rが水素原子である場合は水
和物であることが好ましく、Rがエチル基である場合は
二コハク酸塩またはクエン酸塩であることが好ましい。
【0011】本発明の化合物としては、特に、 2−[6−[3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペ
リジノ]プロピルアミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリ
ダジン−2−イル]−2−メチルプロピオン酸二水和
物、 2−[6−[3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペ
リジノ]プロピルアミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリ
ダジン−2−イル]−2−メチルプロピオン酸エチル
二コハク酸塩、および 2−[6−[3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペ
リジノ]プロピルアミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリ
ダジン−2−イル]−2−メチルプロピオン酸エチル
クエン酸塩が好適である。 また、2−[6−[3−[4−(ジフェニルメトキ
シ)ピペリジノ]プロピルアミノ]−3−メチルイミダ
ゾ[1,2−b]ピリダジン−2−イル]−2−メチル
プロピオン酸(化合物(Ia))またはその塩、N−
[6−[3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジ
ノ]プロピルアミノ]−3−メチルイミダゾ[1,2−
b]ピリダジン−2−カルボニル]グリシン(化合物
(Ib))またはその塩なども好ましく用いられる。
【0012】化合物(Ia)または(Ib)の塩として
は、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素
酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢
酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハ
ク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、メタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用いら
れる。さらに、これらの化合物が置換基としてカルボン
酸などの酸性基を有している場合、無機塩基(例えば、
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど
のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属など、または
アンモニアなど)または有機塩基(例えば、トリエチル
アミンなどのトリ−C1-3アルキルアミン)との塩を形
成してもよい。化合物(Ia)、(Ib)またはその塩
は、無水物または水和物のいずれであってもよい。化合
物(Ia)、(Ib)またはその塩の水和物としては、
例えば、1ないし5個のH2Oを含む水和物が用いら
れ、なかでも二水和物が好ましい。
【0013】上記した化合物(I)、(Ia)、(I
b)またはその塩(以下、本発明の化合物と略記する)
のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や
胃酸等による反応により本発明の化合物に変換する化合
物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こし
て本発明の化合物に変化する化合物、胃酸等により加水
分解などを起こして本発明の化合物に変化する化合物で
あってよい。本発明の化合物のプロドラッグとしては、
本発明の化合物のアミノ基がアシル化、アルキル化、り
ん酸化された化合物(例、本発明の化合物のアミノ基が
エイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボ
ニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソ
レン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロ
フラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメ
チル化、tert−ブチル化された化合物など);本発
明の化合物の水酸基がアシル化、アルキル化、りん酸
化、ほう酸化された化合物(例、本発明の化合物の水酸
基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピ
バロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、
ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物な
ど);本発明の化合物のカルボキシル基がエステル化、
アミド化された化合物(例、本発明の化合物のカルボキ
シル基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カル
ボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステ
ル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカ
ルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル
化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン
−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシ
カルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化
合物など)等が挙げられる。これらの化合物は自体公知
の方法によって本発明の化合物から製造することができ
る。また、本発明の化合物のプロドラッグは、広川書店
1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁
から198頁に記載されているような、生理的条件で、
本発明の化合物に変化するものであってもよい。
【0014】次に、化合物(I)、(Ia)および(I
b)を含む縮合ピリダジン誘導体(I')またはその塩
の製造法を述べる。 式
【化19】 [式中、Ar1およびAr2はそれぞれ置換基を有してい
てもよい芳香族基を示し、Ar1とAr2は隣接する炭素
原子と共に縮合環基を形成していてもよく、B環は置換
基を有していてもよい含窒素複素環を示し、XおよびY
はそれぞれ同一または異なって結合手、酸素原子、S
(O)p(pは0ないし2の整数を示す)、NR4(R4
は水素原子または低級アルキル基を示す)または置換基
を有していてもよく、ヘテロ原子1ないし3個を介して
いてもよい2価の直鎖状低級炭化水素基を示し、Aは窒
素原子またはCR7(R7は水素原子、ハロゲン原子、置
換基を有していてもよい炭化水素基、アシル基または置
換基を有していてもよいヒドロキシ基を示す)を示し、
1、R2およびR3はそれぞれ同一または異なって水素
原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水
素基、アシル基または置換基を有していてもよいヒドロ
キシ基を示し、R8は水素原子、低級アルキル基で置換
されていてもよいヒドロキシ基またはカルボキシル基を
示す。ただし、B環で示される含窒素複素環は式
【化20】 (式中、nは0または1を示す)で表わされる複素環で
ない。]で表される化合物(I')またはその塩は、
(A)式
【化21】 [式中、Q1は脱離基を、その他の各記号は前記と同意
義を示す。]で表される化合物またはその塩と式
【化22】 [式中、Q2は脱離基を、その他の各記号は前記と同意
義を示す。]で表される化合物またはその塩とを反応さ
せることにより製造することができる。
【0015】Q1で表される脱離基としては、例えばナ
トリウム、カリウムなどのアルカリ金属などが用いられ
る。また、Q1は水素原子であってもよい。Q2で表され
る脱離基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩
素、臭素、ヨウ素など)、C6-10アリールスルホニルオ
キシ基(例えばベンゼンスルホニルオキシ、p−トリル
スルホニルオキシなど)、C1-4アルキル−スルホニル
オキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシなど)など
が用いられる。
【0016】本反応において、化合物(III')またはそ
の塩1モルに対して化合物(II')またはその塩を、通
常約1ないし約5モル、好ましくは約1ないし約2モル
を用いる。本反応は、通常塩基の存在下で縮合させるの
がよく、該塩基としては、例えば、水素化ナトリウム,
水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属、ナトリウム
メトキシド,ナトリウムエトキシドなどのアルカリ金属
アルコキシド、水酸化ナトリウム,水酸化カリウムなど
の水酸化アルカリ金属、炭酸ナトリウム,炭酸カリウム
などのアルカリ金属炭酸塩などが用いられる。さらに、
本反応は、メタノール,エタノールなどのアルコール
類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル
類、ベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水
素類、アセトニトリルなどのニトリル類、N,N−ジメ
チルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミドなど
のアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド
類などの不活性溶媒中で行うこともできる。反応温度
は、通常約10ないし約200℃、好ましくは約50な
いし約100℃である。反応時間は、通常約30分ない
し約24時間、好ましくは約1ないし約6時間である。
【0017】また、化合物(I')またはその塩は
(B)式
【化23】 [式中、各記号は前記と同意義を示す。]で表される化
合物またはその塩と式
【化24】 [式中、各記号は前記と同意義を示す。]で表される化
合物またはその塩とを反応させることにより製造するこ
とができる。
【0018】本反応において、化合物(III')またはそ
の塩1モルに対して化合物(IV)またはその塩を、通常
約1ないし約5モル、好ましくは約1ないし約2モルを
用いる。本反応は、通常塩基の存在下で縮合させるのが
よく、該塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水素
化カリウムなどの水素化アルカリ金属、ナトリウムメト
キシド、ナトリウムエトキシドなどのアルカリ金属アル
コキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水
酸化アルカリ金属、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど
のアルカリ金属炭酸塩などが用いられる。さらに、本反
応は、メタノール,エタノールなどのアルコール類、ジ
オキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル類、ベン
ゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素類、ア
セトニトリルなどのニトリル類、N,N−ジメチルホル
ムアミド,N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド
類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などの
不活性溶媒中で行うこともできる。反応温度は、通常約
10ないし約200℃、好ましくは約50ないし約10
0℃である。反応時間は、通常約30分ないし約24時
間、好ましくは約1ないし約6時間である。
【0019】また、化合物(I')またはその塩は
(C)式
【化25】 [式中、各記号は前記と同意義を示す。]で表される化
合物またはその塩と式
【化26】 [式中、各記号は前記と同意義を示す。]で表される化
合物またはその塩とを反応させることにより製造するこ
とができる。
【0020】本反応において、化合物(VI')またはそ
の塩1モルに対して化合物(V)またはその塩を、通常
約1ないし約5モル、好ましくは約1ないし約2モルを
用いる。本反応は、通常塩基の存在下で縮合させるのが
よく、該塩基としては、例えば、水素化ナトリウム,水
素化カリウムなどの水素化アルカリ金属、ナトリウムメ
トキシド,ナトリウムエトキシドなどのアルカリ金属ア
ルコキシド、水酸化ナトリウム,水酸化カリウムなどの
水酸化アルカリ金属、炭酸ナトリウム,炭酸カリウムな
どのアルカリ金属炭酸塩などが用いられる。さらに、本
反応は、メタノール,エタノールなどのアルコール類、
ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル類、ベ
ンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素類、
アセトニトリルなどのニトリル類、N,N−ジメチルホ
ルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミ
ド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類など
の不活性溶媒中で行うこともできる。反応温度は、通常
約10ないし約200℃、好ましくは約50ないし約1
00℃である。反応時間は、通常約30分ないし約24
時間、好ましくは約1ないし約6時間である。
【0021】また、化合物(I')またはその塩は
(D)式
【化27】 [式中、各記号は前記と同意義を示す。]で表される化
合物またはその塩と式
【化28】 [式中、各記号は前記と同意義を示す。]で表される化
合物またはその塩とを反応させることにより製造するこ
とができる。
【0022】本反応において、化合物(VI)またはその
塩1モルに対して化合物(VII)またはその塩を、通常
約1ないし約5モル、好ましくは約1ないし約2モルを
用いる。本反応は、通常塩基の存在下で縮合させるのが
よく、該塩基としては、例えば、水素化ナトリウム,水
素化カリウムなどの水素化アルカリ金属、ナトリウムメ
トキシド,ナトリウムエトキシドなどのアルカリ金属ア
ルコキシド、水酸化ナトリウム,水酸化カリウムなどの
水酸化アルカリ金属、炭酸ナトリウム,炭酸カリウムな
どのアルカリ金属炭酸塩などが用いられる。さらに、本
反応は、メタノール,エタノールなどのアルコール類、
ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル類、ベ
ンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素類、
アセトニトリルなどのニトリル類、N,N−ジメチルホ
ルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミ
ド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類など
の不活性溶媒中で行うこともできる。反応温度は、通常
約10ないし約200℃、好ましくは約50ないし約1
00℃である。反応時間は、通常約30分ないし約24
時間、好ましくは約1ないし約6時間である。
【0023】さらに、化合物(I')またはその塩は、
(E)式
【化29】 [式中、各記号は前記と同意義を示す。]で表される化
合物またはその塩と式
【化30】 [式中、各記号は前記と同意義を示す。]で表される化
合物またはその塩とを反応させることにより製造するこ
とができる。
【0024】本反応において、化合物(VIII)またはそ
の塩1モルに対して化合物(VII)またはその塩を、通
常約1ないし約5モル、好ましくは約1ないし約2モル
を用いる。さらに、本反応は、メタノール,エタノール
などのアルコール類、ジオキサン,テトラヒドロフラン
などのエーテル類、ベンゼン,トルエン,キシレンなど
の芳香族炭化水素類、アセトニトリルなどのニトリル
類、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチル
アセトアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドな
どのスルホキシド類などの不活性溶媒中で行うこともで
きる。反応温度は、通常約10ないし約200℃、好ま
しくは約50ないし約100℃である。反応時間は、通
常約30分ないし約24時間、好ましくは約1ないし約
6時間である。かくして得られた化合物(I')は、遊
離体の場合定法に従って塩にすることかでき、また塩を
形成している場合は定法に従って遊離体またはその他の
塩にすることができる。得られた化合物(I')または
その塩が無水物である場合、水と接触させることによっ
て水和物とすることができる。
【0025】化合物(I')に含まれる本発明の化合物
(I)の水和物、および化合物(I)のコハク酸塩また
はクエン酸塩は、具体的には、(1)式
【化31】 [式中、Q1は脱離基を示す。]で表される化合物また
はその塩と式
【化32】 [式中、RおよびQ2は前記と同意義を示す。]で表さ
れる化合物またはその塩とを反応して得られる化合物
(I)またはその塩を水と接触させるか、または(2)
化合物(I)の遊離体とコハク酸またはクエン酸とを反
応させることによって製造することができる。反応条件
は、上記した化合物(I)またはその塩の製造法と同様
である。
【0026】かくして得られた化合物(I')またはそ
の塩は、公知の手段、例えば溶媒抽出、液性変換、転
溶、塩析、晶出、再結晶、クロマトグラフィーなどによ
って単離精製することができる。化合物(I')または
その塩が光学異性体を含む場合は通常の光学分割手段に
より、R体、S体に分割することもできる。化合物
(I')の塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩
酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは
有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル
酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ
酸、蓚酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸な
ど)との塩などが用いられる。さらに、これらの化合物
が置換基としてカルボン酸などの酸性基を有している場
合、無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシ
ウム、マグネシウムなどのアルカリ金属もしくはアルカ
リ土類金属など、またはアンモニアなど)または有機塩
基(例えば、トリエチルアミンなどのトリ−C1-3アル
キルアミン)との塩を形成してもよい。
【0027】次に、化合物(I')またはその塩の製造
に用いられる原料化合物(II')(原料化合物(II)を
含む)、(III')(原料化合物(III')を含む)、(I
V)ないし(VIII)またはそれらの塩の製造法を述べ
る。原料化合物の塩としては、化合物(I')の塩と同
様のものが用いられる。原料化合物(II')、(IV)ま
たはその塩は、例えば、ジャーナル オブ メディシナ
ルケミストリー(J.Med.Chem.)32巻、5
83頁(1989年)に記載の方法またはそれに準じた
方法により合成できる。原料化合物(III')またはその
塩は、例えばジャーナル オブ オルガニックケミスト
リー(J.Org.Chem.)39巻、2143頁
(1974年)に記載の方法またはそれに準じた方法に
より合成できる。原料化合物(V)またはその塩は、例
えば、特開昭62−2739などに記載の方法またはそ
れに準じた方法により合成できる。原料化合物(VI)お
よび(VIII)またはそれらの塩は、例えば、特開平3−
223287などに記載の方法またはそれに準じた方法
により合成できる。原料化合物(VII)またはその塩
は、例えば、ジャーナル オブ メディシナルケミスト
リー(J.Med.Chem.)38巻、2472頁
(1995年)に記載の方法またはそれに準じた方法に
より合成できる。かくして得られた原料化合物またはそ
の塩は、公知の手段、例えば、溶媒抽出、液性変換、転
溶、塩析、晶出、再結晶、クロマトグラフィーなどによ
って単離精製することができるが、単離・精製すること
なく反応混合物のまま次の工程の原料として供されても
よい。
【0028】また、前記本発明の各反応および原料化合
物合成の各反応において、原料化合物が置換基としてア
ミノ基,カルボキシル基,ヒドロキシル基を有する場
合、これらの基にペプチド化学などで一般的に用いられ
るような保護基が導入されたものであってもよく、反応
後に必要に応じて保護基を除去することにより目的化合
物を得ることができる。アミノ基の保護基としては、例
えば、ホルミル、置換基を有していてもよい、C1-6
ルキルカルボニル(例えば、アセチル、エチルカルボニ
ルなど)、フェニルカルボニル、C1-6アルキル−オキ
シカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシ
カルボニルなど)、フェニルオキシカルボニル、C7-10
アラルキル−カルボニル(例えば、ベンジルカルボニル
など)、トリチル、フタロイルまたはN,N−ジメチル
アミノメチレンなどが用いられる。これらの置換基とし
ては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素など)、C1-6アルキル−カルボニル(例えば、メ
チルカルボニル、エチルカルボニル、ブチルカルボニル
など)、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1ない
し3個程度である。カルボキシル基の保護基としては、
例えば、置換基を有していてもよい、C1-6アルキル
(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピ
ル、n−ブチル、tert−ブチルなど)、フェニル、トリ
チルまたはシリルなどが用いられる。これらの置換基と
しては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素など)、ホルミル、C1-6アルキル−カルボニル
(例えば、アセチル、エチルカルボニル、ブチルカルボ
ニルなど)、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1
ないし3個程度である。ヒドロキシル基の保護基として
は、例えば、置換基を有していてもよい、C1-6アルキ
ル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロ
ピル、n−ブチル、tert−ブチルなど)、フェニル、C
7-10アラルキル(例えば、ベンジルなど)、ホルミル、
1-6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、エチ
ルカルボニルなど)、フェニルオキシカルボニル、ベン
ゾイル、C7-10アラルキル−カルボニル(例えば、ベン
ジルカルボニルなど)、ピラニル、フラニルまたはシリ
ルなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲ
ン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、
1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピ
ルなど)、フェニル、C7-10アラルキル(例えば、ベン
ジルなど)、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1
ないし4個程度である。また、保護基の除去方法として
は、それ自体公知またはそれに準じた方法が用いられる
が、例えば酸、塩基、還元、紫外光、ヒドラジン、フェ
ニルヒドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリ
ウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラ
ジウムなどで処理する方法が用いられる。
【0029】化合物(I)の水和物は、化合物(I)の
無水物に比べ、より優れた安定性を有している。化合物
(I)のコハク酸塩またはクエン酸塩は、例えば、化合
物(I)のフマル酸塩などに比べて、より優れた安定性
を有している。本発明の化合物(I)の水和物、化合物
(I)のコハク酸塩もしくはクエン酸塩、化合物(I
a),化合物(Ib)もしくはその塩、またはそのプロ
ドラッグ(以下、本発明の化合物またはその塩と略記す
る)は、優れた抗アレルギー作用、抗ヒスタミン作用、
抗炎症作用、抗PAF(血小板活性化因子)作用、好酸
球化学遊走抑制作用などを有しており、かつ毒性が低い
(急性毒性:LD50>2g/kg)ので、哺乳動物(例え
ば、ヒト,マウス,イヌ,ラット,ウシなど)に対して
安全な抗アレルギー剤として使用できる。さらに、本発
明の化合物またはその塩は、抗ヒスタミン作用と共に好
酸球化学遊走抑制作用を併有し、前記哺乳動物における
慢性蕁麻疹,アトピー性皮膚炎,アレルギー性鼻炎,ア
レルギー性結膜炎,過敏性肺臓炎などのアレルギー性疾
患、湿疹,疱疹性皮膚炎,乾癬などの皮膚疾患(特に、
アレルギー性皮膚疾患)、好酸球性肺炎(PIE症候
群),慢性閉塞性肺疾患(COPD),喘息などの呼吸
器疾患などの治療または予防に用いることができる。な
かでも、喘息、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻
炎、慢性蕁麻疹またはアトピー性皮膚炎などの予防・治
療剤として有用である。さらに、本発明の化合物または
その塩は、鼻腔抵抗上昇、くしゃみ、鼻汁分泌、花粉
症、上気道過敏症などの予防・治療剤としても有用であ
る。これらの予防・治療剤の投与経路は経口、非経口の
いずれでもよい。
【0030】本発明で用いられる製剤は、活性成分とし
て、本発明の化合物またはその塩以外の他の医薬成分を
含有していてもよい。このような医薬活性成分として
は、例えば抗喘息剤(例えば、テオフィリン、プロカテ
ロール、ケトチフェン、アゼラスチン、セラトロダスト
など)、抗アレルギー剤(例えば、ケトチフェン、テル
フェナジン、アゼラスチン、エピナスチンなど)、抗炎
症剤(例えば、ジクロフェナクナトリウム、イブプロフ
ェン、インドメタシンなど)、抗菌剤(例えば、セフィ
キシム、セフジニル、オフロキサシン、トスフロキサシ
ンなど)、抗真菌剤(例えば、フルコナゾール、イトラ
コナゾールなど)などが挙げられる。これらの成分は本
発明の目的が達成される限り特に限定されず、適宜適当
な配合割合で使用が可能である。剤形の具体例として
は、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を
含む)、丸剤、カプセル剤(マイクロカプセルを含
む)、顆粒剤、細粒剤、散剤、シロップ剤、乳剤、懸濁
剤、注射剤、吸入剤、軟膏、点眼剤などが用いられる。
これらの製剤は常法(例えば日本薬局方記載の方法な
ど)に従って調製される。本発明の製剤において、本発
明の化合物の含有量は、製剤の形態によって相違する
が、通常製剤全体に対して約0.01ないし約100重
量%、好ましくは約0.1ないし約50重量%、さらに
好ましくは約0.5ないし約20重量%程度である。
【0031】具体的には、錠剤の製造法は、医薬品をそ
のまま、賦形剤、結合剤、崩壊剤もしくはそのほかの適
当な添加剤を加えて均等に混和したものを、適当な方法
で顆粒とした後、滑沢剤などを加え、圧縮成型するかま
たは、医薬品をそのまま、または賦形剤、結合剤、崩壊
剤もしくはそのほかの適当な添加剤を加えて均等に混和
したものを、直接圧縮成型して製するか、またはあらか
じめ製した顆粒にそのまま、もしくは適当な添加剤を加
えて均等に混合した後、圧縮成型しても製造することも
できる。また、本剤は、必要に応じて着色剤、矯味剤な
どを加えることができる。さらに、本剤は、適当なコー
ティング剤で剤皮を施すこともできる。 注射剤の製造法は、医薬品の一定量を、水性溶剤の場合
は注射用水、生理食塩水、リンゲル液など、非水性溶剤
の場合は通常植物油などに溶解、懸濁もしくは乳化して
一定量とするか、または医薬品の一定量をとり注射用の
容器に密封して製することができる。経口用製剤担体と
しては、例えば、デンプン、マンニット、結晶セルロー
ス、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどの製剤
分野において常用されている物質が用いられる。注射用
担体としては、例えば、蒸留水、生理食塩水、グルコー
ス溶液、輸液剤などが用いられる。その他、製剤一般に
用いられる添加剤を適宜添加することもできる。これら
の製剤の投与量は、年令,体重,症状,投与経路,投与
回数などにより異なるが、例えば、成人の喘息患者に対
して、1日当たり有効成分(本発明の化合物)に換算し
て通常約0.1ないし約100mg/kg、好ましくは約1
ないし約50mg/kg、より好ましくは約1ないし約10
mg/kgを1日1または2回に分割して経口投与するのが
よい。
【0032】
【発明の実施の形態】以下において、参考例、実施例、
製剤例および実験例により本発明をより具体的にする
が、この発明はこれらに限定されるものではない。実施
例および参考例における目的物を含む画分の検出は、T
LC(Thin LayerChromatography, 薄層クロマトグラフ
ィー)による観察下に行われた。TLC観察において
は、TLCプレートとしてメルク(Merck)社製の60
254を、検出法としてUV検出器を採用した。粉末X
線回折分析は次のようにして測定した。RINT 1100(理
学)測定器を用いて、試料を XRPD パターン測定のため
に石英(0散乱)の試料ホルダーに入れた。CuX線管源、第
一ビームモノクロメーターおよび位置検出器(PSD)を具
備した粉末回折計を使用した。入射ビームを1発散スリ
ットを使用して平行にした。X線管源を 40KV および 4
0mA に設定し、CuKα1 放射線を試料に照射した。XRPD
データを3-35θにおいて 6.000°/min の速度で測定し
た。最も顕著なピークを100%として、それに対して30%
以上に達するX線ピークを表示した。
【0033】
【実施例】参考例1 2-(6-クロロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-2-イル)-2-メ
チルプロピオン酸 エチルの製造 方法A 工程A:6-クロロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-2-酢酸エ
チル 3-アミノ-6-クロロピリダジン 11.2g をエタノール 150
ml に懸濁して4-クロロアセト酢酸エチル 28.6g を加え
て24時間加熱還流した。冷後、減圧下濃縮して残留物に
炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてpH 7 として酢酸エ
チルで抽出し、抽出液を食塩水で洗い、硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。減圧下濃縮して残留物をシリカゲルカラ
ムクロマトに付し、ヘキサン:酢酸エチル(2:3)で溶出し
た。目的のフラクションを集めて標記化合物12.7gを得
た。1 H-NMR(CDCl3)δppm:1.29(3H,t,J=7Hz),3.89(2H,s),4.2
3(2H,q,J=7Hz),7.05,7.85(各1H,d,J=9Hz),7.95(1H,s). 工程B:6-クロロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-2-酢酸エ
チル 6.8g を N,N-ジメチルホルムアミド 50ml に溶か
し、氷水下でかきまぜながら60%油性水素化ナトリウム
2.46g を少しずつ加え、室温にもどして、30分間かきま
ぜた。氷水下でよう化メチル 4.36ml を加えて室温で2
時間かきまぜた。氷水を注ぎ、酢酸エチルで抽出し、抽
出液を食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥した。減
圧下濃縮して残留物をシリカゲルカラムクロマトに付
し、ヘキサン:酢酸エチル(2:1)で溶出した。目的のフラ
クションを集めて濃縮して標記化合物 4.06g を得た。 融点 64-65 ℃ 元素分析値: C12H14N3O2Clとして 計算値 (%) : C,53.84 ; H,5.27 ; N,15.70 実測値 (%) : C,53.85 ; H,5.16 ; N,15.80 方法B 標記化合物は以下の方法によっても合成される。3-アミ
ノ-6-クロロピリダジン (80.0 g)、4-ブロモ-2,2-ジメ
チル-3-オキソブタン酸エチル (201 g)、およびリン酸
水素二ナトリウム (131 g) のエタノール(300 mL) 懸濁
液を 8 時間加熱還流した。反応混合物に水 (300 mL)
を加え、酢酸エチル (300 mL) で 2 回抽出した。合わ
せた有機層を水 (600 mL) で 2 回、飽和塩化ナトリウ
ム水溶液 (300 mL) で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾
燥、活性炭処理、ろ過、減圧濃縮した。残渣にジイソプ
ロピルエーテル (200 mL) を加えて不溶物をろ過し、減
圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:酢酸エチル 100:1、2:1の後 1:1) に供
し、ヘキサンから結晶化させて標記化合物 (99.3 g) を
得た。
【0034】参考例2 2-[6-[3-[4-(ジフェニルメトキシ)ピペリジノ]プロピル
アミノ]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-2-イル]-2-メチル
プロピオン酸エチル 二フマル酸塩の製造 4-(ジフェニルメトキシ)-1-ピペリジンプロパンアミン
4.2g と 2-(6-クロロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-2-イ
ル)-2-メチルプロピオン酸エチル 1.76g とを190-200゜C
で3.5時間かきまぜた。冷後重層水を加え、酢酸エチル
で抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。減圧下濃縮し、残留物をシリカゲルカラ
ムクロマトに付し、酢酸エチル:メタノール:トリエチル
アミン(100:5:1)で溶出した。目的のフラクションを集
めて酢酸エチル 16mL に溶かし、フマル酸867mg をメタ
ノール 16mL に溶かし溶液を加えて濃縮する。残留物に
アセトンを加えて析出した結晶を濾過して集めてアセト
ンで洗い、乾燥して標記化合物 2.30g を得た。 融点 126-128 ℃ 元素分析値: C41H49N5O11 として 計算値 (%) :C,62.50 ; H,6.27 ; N,8.89 実測値 (%) :C,62.28 ; H,6.15 ; N,8.97
【0035】参考例3 2-[6-[3-[4-(ジフェニルメトキシ)ピペリジノ]プロピル
アミノ]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-2-イル]-2-メチル
プロピオン酸(無水物)の製造法 実施例3で得られた2-[6-[3-[4-(ジフェニルメトキシ)
ピペリジノ]プロピルアミノ]イミダゾ[1,2-b]ピリダジ
ン-2-イル]-2-メチルプロピオン酸二水和物 3.20g(5.67
mmol) をエタノール500mL に加熱して溶かし、常圧で全
量が 250mL になるまで濃縮した。室温で静置して析出
した結晶を濾過して集めて、エタノールで洗浄し、乾燥
して標記化合物 2.67g を得た。 融点 205-206℃(分解) 元素分析値: C31H37N5O3 として 計算値 (%) :C,70.56 ; H,7.07 ; N,13.27 実測値 (%) :C,70.42 ; H,6.89 ; N,13.32 粉末X線回折分析結果 D-面間隔、オングストローム 強度 I/I0 (%) 3.20 32 3.48 100 11.62 30 15.46 35 16.60 37 17.56 33 18.46 72 19.26 33 20.12 30 20.58 38 23.38 32 23.40 33
【0036】実施例1 2-[6-[3-[4-(ジフェニルメトキシ)ピペリジノ]プロピル
アミノ]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-2-イル]-2-メチル
プロピオン酸エチル 二コハク酸塩の製造 参考例2で合成した 2-[6-[3-[4-(ジフェニルメトキシ)
ピペリジノ]プロピルアミノ]イミダゾ[1,2-b]ピリダジ
ン-2-イル]-2-メチルプロピオン酸エチル 0.278g をエ
タノール 1mL に溶かし、コハク酸 0.118g を加えて溶
かし、減圧で濃縮する。残留物にテトラヒドロフラン
0.5ml を加えて溶かし、酢酸エチル 2mL を加えて析出
した結晶を濾過して集めて酢酸エチルで洗い、乾燥して
標記化合物 0.382g を得た。 融点 98-101 ℃ (分解) 元素分析値: C41H53N5O11・1/3CH3CO2C2H5 として 計算値 (%) :C,61.92 ; H,6.83 ; N,8.53 実測値 (%) :C,61.54 ; H,6.83 ; N,8.50
【0037】実施例2 2-[6-[3-[4-(ジフェニルメトキシ)ピペリジノ]プロピル
アミノ]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-2-イル]-2-メチル
プロピオン酸エチル クエン酸塩(1:1)の製造 参考例2で合成した 2-[6-[3-[4-(ジフェニルメトキシ)
ピペリジノ]プロピルアミノ]イミダゾ[1,2-b]ピリダジ
ン-2-イル]-2-メチルプロピオン酸エチル 1.667g をエ
タノール 8mL に溶かし、クエン酸一水和物 0.631g を
加えて加熱して溶かし、減圧で濃縮した。残留物に酢酸
エチル 23mL を加えて析出した結晶を濾過して集めて酢
酸エチル 12mL で洗った。この結晶にメタノール 30mL
を加えて加熱して溶かし、減圧で濃縮した。残留物にエ
タノール 30mL を加えて溶かし、静置後析出した結晶を
濾過して集めてエタノール 10mL で洗い、乾燥して標記
化合物 2.007g を得た。 融点 176 ℃ (分解) 元素分析値: C39H49N5O10 として 計算値 (%) :C,62.64 ; H,6.60 ; N,9.36 実測値 (%) :C,62.50 ; H,6.56 ; N,9.43
【0038】実施例3 2-[6-[3-[4-(ジフェニルメトキシ)ピペリジノ]プロピル
アミノ]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-2-イル]-2-メチル
プロピオン酸二水和物の製造法 4-(ジフェニルメトキシ)-1-ピペリジンプロパンアミン
363.6g(1120mmol),2-(6-クロロイミダゾ[1,2-b]ピリダ
ジン-2-イル)-2-メチルプロピオン酸エチル 200.0g(747
mmol),炭酸ナトリウム 158.4g(1490mmol) をジメチルス
ルホキシド 600mL に懸濁して、窒素ガスを通じながら
油浴(浴温165-170゜C)中で加熱し、3.5時間かきまぜた。
室温まで冷却し、酢酸エチル 2000mL と水 2000mL を添
加して分液した。有機層を水 1000mL で2回洗浄し、有
機層を減圧濃縮した。残留物にエタノール 1000mL を添
加し、減圧下濃縮して粗2-[6-[3-[4-(ジフェニルメトキ
シ)ピペリジノ]プロピルアミノ]イミダゾ[1,2-b]ピリダ
ジン-2-イル]-2-メチルプロピオン酸エチル 588g を油
状物として得た。この油状物をエタノール 1400mL に溶
かし、水酸化ナトリウム 59.8g(1490mmol) を水 600mL
に溶解して添加した。反応液を 60 ℃(内温)に加熱して
1時間かきまぜた。反応液を減圧下濃縮して残留物に水
2000mL と酢酸エチル 2000mL を添加して分液した。水
層を酢酸エチル1000mL で2回洗浄し、水層にエタノール
2000mL を添加した。 1N 塩酸 1000mLを加えて 約 pH
6 として析出した結晶を濾過して集めて、水 800mL と
エタノール:水(1:1)800mL で洗浄し、乾燥して粗標記
化合物 353.6g を得た。 HPLC純度 面積百分率 97.7%,
収率 82.0%。ここで得られた粗標記化合物 353.6g にエ
タノール 1240mL を加えて1時間加熱還流した。反応液
を氷冷下かきまぜ、析出した結晶を濾過して集め、冷エ
タノール 930mL で洗い、乾燥した。得られた結晶を水
2000mL に懸濁して水浴(内温65-70゜C)中で加熱しながら
1時間かきまぜた。室温まで冷やし、析出した結晶を濾
過して集め、水 1000mL で洗い、乾燥して標記化合物 2
76g を得た。 融点 203-205 ℃(110-120 ℃で軟化しはじめ、再び固
化) 元素分析値: C31H37N5O3・2H2O として 計算値 (%) :C,66.05 ; H,7.33 ; N,12.42 実測値 (%) :C,66.35 ; H,7.29 ; N,12.39 粉末X線回折分析結果 D-面間隔、オングストローム 強度 I/I0 (%) 6.94 84 12.88 41 13.72 62 15.10 53 17.56 84 18.70 39 19.24 62 20.66 60 21.06 100 21.76 54 26.42 43 28.24 37
【0039】実施例4 2-[6-[3-[4-(ジフェニルメトキシ)ピペリジノ]プロピル
アミノ]イミダゾ[1,2-b]ヒ゜リタ゛シ゛ン-2-イル]-2-メチルプ
ロピオン酸二水和物の製造法 参考例3で得られた2-[6-[3-[4-(ジフェニルメトキシ)
ピペリジノ]プロピルアミノ]イミダゾ[1,2-b]ピリダジ
ン-2-イル]-2-メチルプロピオン酸(無水物) 0.250g
を水 10mL に懸濁して水浴(浴温 80゜C)中で3時間かきま
ぜた。室温まで冷却し、析出した結晶を濾過して集め
て、水 で洗浄し、乾燥して標記化合物 0.233g を得
た。ここで得られた 2-[6-[3-[4-(ジフェニルメトキシ)
ピペリジノ]プロピルアミノ]イミダゾ[1,2-b]ピリダジ
ン-2-イル]-2-メチルプロピオン酸二水和物は実施例3
で得られた化合物と、融点、元素分析値、粉末X線回折
分析等のデータが一致することから、同一化合物と決定
した。
【0040】実施例5 2-[6-[3-[4-(ジフェニルメトキシ)ピペリジノ]プロピル
アミノ]-3-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-2-イル]-
2-メチルプロピオン酸の製造 4-(ジフェニルメトキシ)-1-ピペリジンプロパンアミン
17.0g と 2-(6-クロロ-3-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダ
ジン-2-イル)-2-メチルプロピオン酸エチル 7.39g とを
N-メチル-2-ピロリジノン 25mL に溶かし、160゜C で8.
5時間かきまぜた。冷後、水層を加え、酢酸エチルで抽
出し、抽出液を飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで
乾燥した。減圧下濃縮し、残留物をシリカゲルカラムク
ロマトに付し、酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミ
ン(50:5:1)で溶出した。目的のフラクションを集めて減
圧下濃縮し、2-[6-[3-[4-(ジフェニルメトキシ)ピペリ
ジノ]プロピルアミノ]-3-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダ
ジン-2-イル]-2-メチルプロピオン酸エチル 10.4g を油
状物として得た。この油状物 10.4g をエタノール100mL
に溶かし、5N 水酸化ナトリウム水溶液 18.3mL を加え
て2時間加熱還流した。冷後、減圧下濃縮して残留物を
水で薄め、ジイソプロピルエーテルで洗い、水層に 5N
塩酸を加えて pH5 とした。析出した結晶を濾過して集
め、メタノール-水(10:1)から再結晶し、乾燥して標記
化合物 4.09g を得た。 融点 219-220 ℃ 元素分析値: C32H39N5O3 として 計算値 (%) :C,70.95 ; H,7.26 ; N,12.93 実測値 (%) :C,70.85 ; H,7.00 ; N,13.20
【0041】実験例1 モルモットにおけるヒスタミン惹起皮膚血管透過性亢進
反応に対する作用 雄性(ハートレー)Hartley系モルモット(体重約500g)を
使用した。エチルエーテル麻酔下に背部体毛を電気バリ
カンを用いて刈った後、2.5%ポンタミンスカイブルー液
1mL を静脈内投与し、直ちに背部左右二カ所の皮内に
3μg/mL のヒスタミン液 0.1mL をそれぞれ投与した。3
0分後に動物を頭部殴打により気絶させた後、頸部を切
断し放血により屠殺した。背部の皮を剥ぎそれぞれのブ
ルー・スポットの長径および短径(mm)を測定しその積を
求め、積の平均値を血管透過性指数とした。薬物はいず
れも 5% アラビアゴム液に懸濁し、ヒスタミン投与1時
間前に 0.2mL/100g 体重の容量で経口投与した。また対
照群の動物には同容量の 5% アラビアゴム液を投与し
た。被検体の本反応に対する抑制率を[数1]に従い算出
し、結果を〔表1〕に示した。 [数1] ヒスタミン惹起皮膚血管透過性亢進抑制率(%) =100 × (1−薬物投与時の血管透過性指数/対照群の血管透過性指数) [ヒスタミン惹起皮膚血管透過性に対する被検体の作用]
【0042】
【表1】
【0043】 製剤例1 (1)実施例3の化合物 10.0mg (2)乳糖 60.0mg (3)コーンスターチ 35.0mg (4)ゼラチン 3.0mg (5)ステアリン酸マグネシウム 2.0mg 実施例3で得られる化合物10.0mgと乳糖60.0mgお
よびコーンスターチ35.0mgの混合物を10%ゼラチ
ン水溶液0.03ml(ゼラチンとして3.0mg)を用い、
1mmメッシュの篩を通して顆粒化した後、40℃で乾燥
し再び篩過する。かくして得られる顆粒をステアリン酸
マグネシウム2.0mgと混合し、圧縮する。得られる中
心錠を、蔗糖,二酸化チタン,タルクおよびアラビアゴ
ムの水懸液による糖衣でコーティングする。コーティン
グが施された錠剤をミツロウで艶出してコート錠を得
る。
【0044】 製剤例2 (1)実施例3の化合物 10.0mg (2)乳糖 70.0mg (3)コーンスターチ 50.0mg (4)可溶性デンプン 7.0mg (5)ステアリン酸マグネシウム 3.0mg 実施例3で得られる化合物10.0mgとステアリン酸マ
グネシウム3.0mgを可溶性デンプンの水溶液0.07ml
(可溶性デンプンとして7.0mg)で顆粒化した後、乾
燥し、乳糖70.0mgおよびコーンスターチ50.0mgと
混合する。混合物を圧縮して錠剤を得る。
【0045】 製剤例3 (1)実施例4の化合物 10.0mg (2)乳糖 60.0mg (3)コーンスターチ 35.0mg (4)ゼラチン 3.0mg (5)ステアリン酸マグネシウム 2.0mg 実施例4で得られる化合物10.0mgと乳糖60.0mgお
よびコーンスターチ35.0mgの混合物を10%ゼラチ
ン水溶液0.03ml(ゼラチンとして3.0mg)を用い、
1mmメッシュの篩を通して顆粒化した後、40℃で乾燥
し再び篩過する。かくして得られる顆粒をステアリン酸
マグネシウム2.0mgと混合し、圧縮する。得られる中
心錠を、蔗糖,二酸化チタン,タルクおよびアラビアゴ
ムの水懸液による糖衣でコーティングする。コーティン
グが施された錠剤をミツロウで艶出してコート錠を得
る。
【0046】 製剤例4 (1)実施例4の化合物 10.0mg (2)乳糖 70.0mg (3)コーンスターチ 50.0mg (4)可溶性デンプン 7.0mg (5)ステアリン酸マグネシウム 3.0mg 実施例4で得られる化合物10.0mgとステアリン酸マ
グネシウム3.0mgを可溶性デンプンの水溶液0.07ml
(可溶性デンプンとして7.0mg)で顆粒化した後、乾
燥し、乳糖70.0mgおよびコーンスターチ50.0mgと
混合する。混合物を圧縮して錠剤を得る。
【0047】製剤例5 流動層造粒乾燥機(FD-5S,(株)パウレック)中で実施
例3に記載されている化合物1500g、乳糖2025
gおよびトウモロコシデンプン 556.5gを均一に
混合後、機内でヒドロキシプロピルセルロース 126
g を溶解した水溶液を噴霧して造粒し、ついで流動層
造粒乾燥機中で乾燥した。得られた造粒物をパワーミル
を用いて 直径1.5mm のパンチングスクリーンで解
砕して整粒末とした。この整粒末 3927gをとり、こ
れにクロスカルメロースナトリウム210g とステアリ
ン酸マグネシウム 63g を加え、タンブラー混合機で
混合して打錠用顆粒とする。この顆粒を打錠機で直径
6.5mm の枠を用いて重量300mg で打錠し裸錠と
した。得られた裸錠はドリアコータ―コーティング機中
でヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC
−5)とマクロゴール6000を溶解、酸化チタン、三
二酸化鉄を分散した液を噴霧し、1錠当たり100mg
を含有する下記処方のフィルム錠、約 13500錠を
得た。 錠剤処方: 組 成 配合量(mg) (1)実施例3記載の化合物 100.0 (2)乳糖 135.0 (3)トウモロコシデンプン 37.1 (4)クロスカルメロースナトリウム 15.0 (5)ヒドロキシプロピルセルロース 8.4 (6)ステアリン酸マグネシウム 4.5 合計(裸錠) 300.0 フィルム錠処方: (1)裸錠 300.0 (フィルム成分) (2)ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 7.485 (3)マクロゴール6000 1.5 (4)酸化チタン 1.0 (5)三二酸化鉄 0.015 合計 310.0
【0048】製剤例6 製剤例5に記載の方法に準じて実施例3に記載されてい
る化合物を1錠当たり、25mg 含有する下記処方の
フィルム錠約13500錠を得た。 錠剤処方: 組 成 配合量(mg) (1)実施例3記載の化合物 25.0 (2)乳糖 210.0 (3)トウモロコシデンプン 37.1 (4)クロスカルメロースナトリウム 15.0 (5)ヒドロキシプロピルセルロース 8.4 (6)ステアリン酸マグネシウム 4.5 合計(裸錠) 300.0 フィルム錠処方: (1)裸錠 300.0 (フィルム成分) (2)ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 7.485 (3)マクロゴール6000 1.5 (4)酸化チタン 1.0 (5)三二酸化鉄 0.015 合計 310.0
【0049】製剤例7 製剤例5に記載の方法に準じて実施例3に記載されてい
る化合物を1錠当たり、5mg 含有する下記処方のフ
ィルム錠約13500錠を得た。 錠剤処方: 組 成 配合量(mg) (1)実施例3記載の化合物 5.0 (2)乳糖 230.0 (3)トウモロコシデンプン 37.1 (4)クロスカルメロースナトリウム 15.0 (5)ヒドロキシプロピルセルロース 8.4 (6)ステアリン酸マグネシウム 4.5 合計(裸錠) 300.0 フィルム錠処方: (1)裸錠 300.0 (フィルム成分) (2)ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 7.485 (3)マクロゴール6000 1.5 (4)酸化チタン 1.0 (5)三二酸化鉄 0.015 合計 310.0
【0050】製剤例8 製剤例5に記載の方法に準じて実施例3に記載されてい
る化合物を1錠当たり、1mg 含有する下記処方のフ
ィルム錠約13500錠を得た。 錠剤処方: 組 成 配合量(mg) (1)実施例3記載の化合物 1.0 (2)乳糖 234.0 (3)トウモロコシデンプン 37.1 (4)クロスカルメロースナトリウム 15.0 (5)ヒドロキシプロピルセルロース 8.4 (6)ステアリン酸マグネシウム 4.5 合計(裸錠) 300.0 フィルム錠処方: (1)裸錠 300.0 (フィルム成分) (2)ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 7.485 (3)マクロゴール6000 1.5 (4)酸化チタン 1.0 (5)三二酸化鉄 0.015 合計 310.0
【0051】製剤例9 白色ワセリン 40g セタノ−ル 10g サラシミツロウ 5g セスキオレイン酸ソルビタン 5g ラウロモクロゴールド 0.5g パラオキシ安息香酸メチル 0.1g パラオキシ安息香酸プロピル 0.1g 精製水 適量 上記組成からなる局方吸水軟膏(100g)を予め70
℃に加熱して、その溶液中に実施例3の化合物1gをメ
タノール20mlに加熱して溶解した溶液を加えた。同
温度で10分間加熱混合し、残存するメタノールを除
き、室温まで冷却して吸水軟膏を得た。
【0052】
【発明の効果】本発明の化合物(I)の水和物、化合物
(I)のコハク酸塩もしくはクエン酸塩、化合物(I
a),(Ib)もしくはその塩、またはそのプロドラッ
グは、優れた抗アレルギー作用、抗ヒスタミン作用、抗
炎症作用および好酸球化学遊走抑制作用などを有し、喘
息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー
性結膜炎、慢性蕁麻疹などの予防・治療薬として有用で
ある。また、本発明の化合物(I)の水和物および化合
物(I)のコハク酸塩もしくはクエン酸塩は、優れた安
定性を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 27/02 A61P 27/02 27/16 27/16 29/00 29/00 37/08 37/08 43/00 111 43/00 111 113 113 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 487/04 144 A61K 31/5025 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 [式中、Rは水素原子またはエチル基を示す。]で表され
    る化合物の水和物、あるいは化合物(I)のコハク酸塩
    またはクエン酸塩。
  2. 【請求項2】2−[6−[3−[4−(ジフェニルメトキ
    シ)ピペリジノ]プロピルアミノ]イミダゾ[1,2−b]
    ピリダジン−2−イル]−2−メチルプロピオン酸 二
    水和物。
  3. 【請求項3】以下の粉末X線回折分析結果を示す請求項
    2記載の化合物。 D−面間隔、オングストローム 強度 I/I (%) 6.94 84 12.88 41 13.72 62 15.10 53 17.56 84 18.70 39 19.24 62 20.66 60 21.06 100 21.76 54 26.42 43 28.24 37
  4. 【請求項4】2−[6−[3−[4−(ジフェニルメト
    キシ)ピペリジノ]プロピルアミノ]イミダゾ[1,2−
    b]ピリダジン−2−イル]−2−メチルプロピオン酸エ
    チル 二コハク酸塩または2−[6−[3−[4−(ジ
    フェニルメトキシ)ピペリジノ]プロピルアミノ]イミダ
    ゾ[1,2−b]ピリダジン−2−イル]−2−メチルプ
    ロピオン酸エチル クエン酸塩である請求項1記載の化
    合物。
  5. 【請求項5】2−[6−[3−[4−(ジフェニルメトキ
    シ)ピペリジノ]プロピルアミノ]−3−メチルイミダゾ
    [1,2−b]ピリダジン−2−イル]−2−メチルプロ
    ピオン酸またはその塩。
  6. 【請求項6】(1)式 【化2】 [式中、Qは脱離基を示す。]で表される化合物または
    その塩と式 【化3】 [式中、Qは脱離基、Rは請求項1記載と同意義を示
    す。]で表される化合物またはその塩とを反応して得ら
    れる化合物またはその塩を水と接触させるか、または (2)請求項1記載の化合物(I)の遊離体とコハク酸
    またはクエン酸とを反応させることを特徴とする請求項
    1記載の化合物の製造法。
  7. 【請求項7】請求項1ないし5のいずれかに記載の化合
    物を含有してなる医薬組成物。
  8. 【請求項8】抗ヒスタミンおよび/または好酸球化学遊
    走抑制剤である請求項記載の医薬組成物。
  9. 【請求項9】抗アレルギー剤である請求項記載の医薬
    組成物。
  10. 【請求項10】喘息、アレルギー性結膜炎、アレルギー
    性鼻炎、慢性蕁麻疹またはアトピー性皮膚炎の予防・治
    療剤である請求項記載の医薬組成物。
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