JP3241125B2 - 天井付き部屋ユニット - Google Patents

天井付き部屋ユニット

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JP3241125B2 JP30358792A JP30358792A JP3241125B2 JP 3241125 B2 JP3241125 B2 JP 3241125B2 JP 30358792 A JP30358792 A JP 30358792A JP 30358792 A JP30358792 A JP 30358792A JP 3241125 B2 JP3241125 B2 JP 3241125B2
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啓明 伊東
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、壁パネルの上部に天
井パネルを取り付けてなる天井付き部屋ユニットに関
し、特に、壁式工法の適用によるユニット建物の部屋部
分に用いて好適な天井付き部屋ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】建物の工業生産化率を高めるために、従
来、例えば、特公昭58−30978号公報に記載され
ているように、壁式工法による部屋ユニットが知られて
いる。壁式工法による部屋ユニットは、床パネルの側縁
部に壁パネルを立設して構成されるもので、予め工場で
生産された後、建築現場において施工・組立されてユニ
ット建物を構成する。組立は、まず、下階部屋ユニット
を基礎の上に据え付け、次に、据え付けられた各下階部
屋ユニットの上部に上階部屋ユニットを据え付けて行わ
れる。
【0003】ところで、上記従来の部屋ユニットは、ユ
ニット単位では天井を備えていなかったため、天井パネ
ルの取付工事が現地施工となり、天井裏の電気工事、造
作工事等も、当然現地施工となるため、天井工事全般の
現地施工工数が多大となっていた。この状態を改善する
ものとして、この出願人の出願に係る特願平3−335
012号に記載されているように、予め工場で、床パネ
ルの側縁部に壁パネルを立設し、さらに、壁パネルの上
部に天井パネルを取り付けて構成される部屋ユニットが
提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、天井パ
ネルは、壁パネルや屋根パネルのように、風荷重等を支
えるためのものではなく、また、床パネルのように、人
間や設備等の積載荷重を支えるためのものでもないた
め、構造的に弱く、このため、上記出願に係る天井付き
の部屋ユニットを建築現場へ輸送する際には、床パネル
中央部と天井パネル中央部との間に天井パネルの荷重を
支える支柱を仮設して、輸送安全性を確保することが必
要となる。しかし、このような仮設支柱が部屋ユニット
の中央部に存在するのは、部屋ユニット内部の造作工事
や設備搬入作業の妨げとなり好ましくない。また、仮設
支柱を設置したり撤去したりするのは煩雑である。
【0005】この発明は、このような背景の下になされ
たもので、仮設支柱の助けなしに、輸送安全性を確保す
ることができる天井付き部屋ユニットを提供することを
目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の天井付き部屋ユニットは、壁パネル
の上部に取付固定される水平取付板と、天井パネルの側
縁部に固定される垂直取付板とからなる緊結金物を介し
て、前記天井パネルが壁パネルの上部に壁勝ちに取り付
けられてなり、天井パネルが、天井枠組と該天井枠組に
貼着された天井面材とからなると共に、前記天井枠組を
構成する長手方向最外側に配置される一対の枠材のう
ち、少なくとも一の枠材には形鋼が用いられていること
を特徴としている。
【0007】
【作用】上記構成によれば、水平取付板と垂直取付板と
からなる緊結金物を介して、前記天井パネルが壁パネル
の上部に壁勝ちに取り付けられてなり、長手方向最外側
に配置される枠材(天井梁)のうち、少なくとも一の枠
材は形鋼であるので、材積の増加を伴うことなく、天井
構面を一段と強化することができ、輸送安全性の向上を
図ることができる。それ故、輸送時の仮設支柱の設置が
不要となり、部屋ユニット内部の造作工事や設備搬入作
業を円滑迅速に行うことができる。なお、床パネルの3
つの側縁に壁パネルが立設されてなるコの字壁状の部屋
ユニットの場合には、壁パネルが立設されていない床パ
ネルの側縁の上方に架設される枠材が構造的に一番弱い
ので、この箇所の枠材に形鋼を適用すべきである。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例につ
いて説明する。図1は、この発明の一実施例である天井
付き部屋ユニット(以下、単に部屋ユニットともいう)
の構成を示す一部切欠斜視図であり、図2は同側面図で
ある。これらの図において、符号1はこの例の部屋ユニ
ットを示し、この部屋ユニット1は、床パネル2の側縁
部に壁パネル3a,3a,3bが全体としてコの字壁状
に立設され、さらに、壁パネル3a,3a,3bの上部
に天井パネル4が取り付けられて形成されている。
【0009】上記床パネル2は、複数の根太21,2
1,…及び最外側の側根太22,22の木口に3枚合わ
せの端根太23,23が突き付けられ釘打ちされて方形
状の枠組とされ、さらに、根太21,21,…及び側根
太22,22の相互間にジョイント材24が取り付けら
れ、端根太23,23及び一方の側根太22の下面には
頭つなぎ25,25,…も取り付けられて床枠組が構成
され、この床枠組の上面に構造用合板やパーティクルボ
ード等の床面材26が取り付けられて構成されている。
【0010】上記壁パネル3a,3a,3bは、図3に
その詳細を示すように、いずれも、互いに平行に配設さ
れた複数の縦枠31,31,…と、これら縦枠31,3
1,…の上端面を連結させた3枚合わせの上枠32と、
縦枠31,31,…の下端面を連結させた下枠33とか
らなる壁枠組を有している。壁パネル3a,3aは、床
パネル2の短辺側(端根太側)である一対の相対向する
側縁に沿って、また壁パネル3bは長辺側の一側縁に沿
って、それぞれ床パネル2へ下枠33が釘打ちされるこ
とにより立設されており、その壁枠組の内外両面に石膏
ボードや木片セメント板等の壁面材34,34が取り付
けられて耐力壁とされている。各壁パネル3a,3a,
3bの内部には断熱材等も装填され、また、必要に応じ
て出入口、窓等の開口部kも形成されている。なお、隣
合う壁パネル3aと3bとは、これらの壁枠組の最外側
の縦枠31,31同士を互いに当接させて釘打ちされて
緊結されている。図示した建物ユニットは、床パネルの
三方の側縁に壁パネルが立設された例であるが、部屋ユ
ニットが建物のどの箇所を構成するかに応じて、壁パネ
ルの立設箇所が決定される。
【0011】また、上記天井パネル4は、図4にその詳
細を示すように、互いに平行に配設された複数の天井根
太41,41,…と最外側の天井妻梁(短手方向の天井
梁)42,42の木口にコ字型形鋼の天井桁梁(長手方
向の天井梁)43,43が突き付けられ釘打ちされて方
形状の天井枠組が構成され、この天井枠組の上下両面に
石膏ボード等の天井面材44,44が貼着されて構成さ
れている。一対の天井桁梁43,43は、開口側を互い
に向かい合わせ、各ウェブの対応する位置には図示せぬ
複数の釘挿通孔が穿設されていて、これら釘挿通孔を通
して、天井桁梁43,43と天井根太41,41,…及
び天井妻梁42,42とが、ウェブ面と木口面とを当接
させて釘接合されている。天井パネル4の内部には、必
要に応じて、断熱材D(図6)や吸音材が装填されてい
る。また、天井パネル4の上面には構造用合板等の足場
板45が貼着されている。なお、天井根太41,41,
…及び天井妻梁42,42の先端部下面は、天井桁梁4
3,43の下部フランジとの干渉を避けるために、切欠
部が設けられており、これらの切欠部には、スペーサ
S,S,…が取り付けられている。
【0012】さらに、天井パネル4の短辺側(天井妻梁
側)である一対の相対向する側縁及び長辺側(天井桁
側)の一側縁には、壁パネル3a,3a,3bの上部と
天井パネル4とを接合するための複数の受け金物46,
46,…が互いに所定の間隔を置いて設けられている。
図5は図4のA−A線に沿う垂直断面図、図6は図4
B−B線に沿う垂直断面図である。これらの図に拡大し
て示すように、各受け金物46は、一対の天井妻梁4
2,42及び一の天井桁梁43の外側面に取付固定され
る垂直取付板46aと、該垂直取付板46aに折曲連設
され、壁パネル3a,3a,3bの上部に取付固定され
る水平取付板46bとからなっている。
【0013】垂直取付板46aには、ボルト挿通孔47
が穿設され、このボルト挿通孔47に対応して、天井妻
梁42,42及び天井桁梁43の側面の垂直取付板固定
位置にも、ボルト挿通孔48a,48bが穿設されてい
る。各垂直取付板46aは、垂直取付板46aのボルト
挿通孔47を経由して、天井妻梁42,42及び天井桁
梁43のボルト挿通孔48a,48bに挿通されたボル
ト49aと、梁側からボルト49aに螺着されたナット
49bとの締め付けによって、天井妻梁42,42又は
天井桁梁43に固定されている。一方、各水平取付板4
6bは、図7及び図8に示すように、壁パネル3a,3
a,3bの上枠32の上面に釘打ちされて固定されてい
る。このように、天井パネル4は、受け金物46を介し
て、壁パネル3a,3a,3bの上部に壁勝ちに緊結さ
れている。
【0014】上記構成の部屋ユニット1は、工場で生産
された後、建築現場おいて基礎、若しくは下階部屋ユニ
ットの上部に据え付けられてユニット建物を構成する。
上記構成によれば、壁パネルが立設されていない床パネ
ル2の長辺側の一側縁の上方に、コ字型形鋼の天井桁梁
43が架設されるので、仮設支柱の支えがなくても、部
屋ユニット1を工場から建築現場に輸送する最中に、天
井パネル4が破損したり、中央部分に垂れが生じたりす
ることはない。それ故、輸送時の仮設支柱の設置が不要
となり、部屋ユニット内部の造作工事や設備搬入作業を
円滑迅速に行うことができる。
【0015】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、天井桁梁
43,43に適用される形鋼はコ字型のものに限らず、
適宜ロ字型、H字型、L字型でも良い。
【0016】また、上述の実施例においては、天井パネ
ル4の長辺側に対向配置される一対の天井桁梁43,4
3に形鋼を適用する場合について述べたが、これに代え
て、図9に示すように、受け金物46を介して壁パネル
3bに固定される天井桁梁には、木質系の天井桁梁43
aを用いるようにしても、上述したと同様の効果を得る
ことができる。要するに、壁パネルが立設されていない
床パネル2の側縁の上方に架設される天井桁梁が構造的
に一番弱いので、この箇所の天井桁梁に形鋼を適用する
ようにすれば、この発明の目的を達成することができ
る。
【0017】また、上述の実施例においては3つの壁パ
ネルからなるコの字壁状の部屋ユニットに天井パネルを
取り付ける場合について述べたが、床パネルの相対向す
る側縁に2つの壁パネルが立設されてなる二の字壁状の
部屋ユニットに天井パネルを取り付けるようにしても良
く、このようにする場合、図10に示すように、受け金
物は、天井パネル4aの相対向する一対の側縁に取り付
けるようにする。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の天井付
き部屋ユニットによれば、水平取付板と垂直取付板とか
らなる緊結金物を介して、前記天井パネルが壁パネルの
上部に壁勝ちに取り付けられてなり、長手方向最外側に
配置される枠材(天井梁)のうち、少なくとも一の枠材
は形鋼であるので、材積の増加を伴うことなく、天井構
面を一段と強化することができ、輸送安全性の向上を図
ることができる。それ故、輸送時の仮設支柱の設置が不
要となり、部屋ユニット内部の造作工事や設備搬入作業
を円滑迅速に行うことができる。なお、床パネルの3つ
の側縁に壁パネルが立設されてなるコの字壁状の部屋ユ
ニットの場合には、壁パネルが立設されていない床パネ
ルの側縁の上方に架設される枠材が構造的に一番弱いの
で、この箇所の枠材に形鋼を適用すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である部屋ユニットの構成
を示す斜視図である。
【図2】この発明の一実施例である部屋ユニットの構成
を示す側面図である。
【図3】天井パネル取付前の部屋ユニットの構成を示す
一部切欠斜視図である。
【図4】同部屋ユニットに適用される天井パネルの構成
を示す平面図である。
【図5】図4のA−A線に沿う垂直断面図である。
【図6】図4のB−B線に沿う垂直断面図である。
【図7】同天井パネルの取付状態を拡大して示す拡大断
面図である。
【図8】同天井パネルの取付状態を拡大して示す拡大断
面図である。
【図9】変形例に係る天井パネルの取付状態を拡大して
示す拡大断面図である。
【図10】変形例に係る天井パネルの構成を示す平面図
である。
【符号の説明】
1 部屋ユニット(天井付き部屋ユニット) 2 床パネル 3a,3b 壁パネル 4 天井パネル 41 天井根太(天井枠組の構成部材) 42 天井妻梁(天井枠組の構成部材) 43 天井桁梁(枠材、天井枠組の構成部材) 44 天井面材46 受け金物(緊結金物) 46a 垂直取付板 46b 水平取付板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/348 E04B 1/10 E04B 1/38 - 1/60 E04B 5/02 E04B 9/30

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床パネルの側縁部に壁パネルが立設さ
    れ、壁パネルの上部に天井パネルが取り付けられてなる
    天井付き部屋ユニットにおいて、壁パネルの上部に取付固定される水平取付板と、天井パ
    ネルの側縁部に固定される垂直取付板とからなる緊結金
    物を介して、前記天井パネルが壁パネルの上部に壁勝ち
    に取り付けられてなり、 前記天井パネルは、天井枠組と該天井枠組に貼着された
    天井面材とからなると共に、前記天井枠組を構成する長
    手方向最外側に配置される一対の枠材のうち、少なくと
    も一の枠材には形鋼が用いられていることを特徴とする
    天井付き部屋ユニット。
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