JP3241068B2 - 光露光用マスク及びその形成方法 - Google Patents

光露光用マスク及びその形成方法

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JP3241068B2
JP3241068B2 JP25766791A JP25766791A JP3241068B2 JP 3241068 B2 JP3241068 B2 JP 3241068B2 JP 25766791 A JP25766791 A JP 25766791A JP 25766791 A JP25766791 A JP 25766791A JP 3241068 B2 JP3241068 B2 JP 3241068B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置等の製造に利
用される光露光装置用のマスク及びその製造方法並びに
その補修方法に係る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近年
生産されている超LSI半導体装置ではシリコン基板上
にミクロンオーダーのトランジスタや配線が多数集積さ
れている。これらの微細なパターンの形成には、半導体
基板上に塗布された光感光性の樹脂(レジスト)膜にマ
スクパターンを縮小転写(通常1/5倍)する事により
ミクロンオーダーのパターンを形成する光露光技術が使
用されている。 現在量産がなされている1Mbit
(メガビット)DRAMや4MbitDRAMにおける
最小線幅はそれぞれ1.2μm、0.8μmが用いられ
ている。これらを生産する光露光装置(ステッパ)は大
部分がg線と呼ばれる超高圧水銀ランプから発する波長
436nmの輝線を用いており、一部でi線と呼ばれる同ラ
ンプから発する波長365nmの輝線の利用が始まってい
る。
【0003】将来生産が予定される16MbitDRAM、64
MbitDRAMでは使用される最小線幅はそれぞれ0.6〜0.5μ
m、0.4〜0.3μmと予想されている。これらの半導体装置
を量産するためにはより解像度の高い光露光技術の開発
が求められている。露光光の短波長化により解像度の向
上を図るためg線に代えてi線、更に波長248nmの
クリプトン・フッ素エキシマレーザーの利用が検討され
ている。
【0004】これらの露光装置では石英等の透明基板上
に通常金属薄膜で形成された不透明パターンを配置した
マスクに裏面より光を照射し、マスクを透過した光束を
投影レンズを介して縮小して基板上に結像している。基
板上での光像のコントラストはパターンサイズが波長に
近ずくにつれ、パターン端での光の回折により悪くな
り、レンズの開口数:NAと波長によって決まる限界解
像度より遥かに悪い解像度しか実現できていない。最近
マスク上のパターン講造を改良し光像のコントラストを
高め、実用解像度を飛躍的に改良する方法が提案されて
いる。
【0005】上記技術では位相シフトマスクと呼ばれる
マスクが使用される。1つの例を図23に示す。図23
において、31は露光波長に対して透明な石英基板であ
り、33は露光光を遮るクロム薄膜である。32は露光
光に対して透明な薄膜(位相シフト膜)であり、その膜
厚Tsは屈折率nと露光波長λと次の関係にある。 Ts=λ/{2・(n−1)} (1)式 この条件は薄膜32を透過した露光光の位相がちょうど
半波長だけずれるように設定されている。開口部39は
通常マスクの開口部に対応しており、この位相シフトマ
スクではその周辺に単独では解像しない、微細な開口部
30,30aが位相シフト膜32を伴って配置されてい
る。
【0006】本位相シフトマスクでは開口部39を透過
した光の位相と微細な開口部30,30aを透過した光
の位相とが180度異なるため、開口部39から周辺部
へ回折した光波と微細な開口部30,30aからの光波
が打ち消し合い、投影面では開口部39から周辺部への
光の染みだしが抑制され、投影面のコントラストが改善
される。
【0007】また、図25は、位相シフト膜の形状が薄
膜32と多少異なる形状で、やはり(1)式を満たす膜
厚Tsの薄膜63を有する位相シフトマスクを示す。図
25において、60は露光波長に対して透明な石英基板
であり、62は露光光を遮るクロム薄膜である。64、
65は開口部である。この様に図23のごとき位相シフ
トマスクではレジストに投影されるイメージのコントラ
ストが改善されるため、実用解像度は大幅に向上する。
しかし図23のごときマスクを製造するためには、電子
ビーム描画装置によりクロムパターンを形成するための
第1のレジスト像を描画した後、位相シフト膜を規定す
るための第2のレジスト像を形成しなければならない。
長時間を要する電子ビーム描画を2度行う必要がある上
に第1のパターンに第2のパターンを高精度に重ね合わ
せる必要があり、マスク作製は技術的に困難度が増すと
同時にコストが高くなってしまう。このことは図25の
位相シフトマスクについても同様のことが言える。
【0008】これらの問題点を改良する為に従来図24
に示す位相シフトマスクが提案されている。図24にお
いて、41は露光波長に対して透明な石英基板であり、
43は露光光を遮るクロム薄膜である。42は位相シフ
ト膜となるレジスト膜でありその膜厚Tsは(1)式の
関係を満たしている。本マスクの作製工程では電子ビー
ム描画装置で図示しないレジストで開口部49を形成し
た後、クロム膜43をエッチングし、開口部49でのク
ロム膜を除去した後、位相シフト膜であるレジスト42
を塗布し、透明基板41側から遠紫外線によりクロム膜
43をマスクとして露光することにより位相シフト膜4
2に開口部49を形成する。その後、位相シフト膜42
下のクロム膜をエッチングすることでクロム膜43の開
口部は上記開口部49より大きくなり、クロム膜の周辺
部にはレジスト膜が覆いかぶさった領域40が形成され
る。
【0009】開口部49を透過した光と領域40を透過
した光の位相は180度異なっているため、投影像にお
いて両者が重なる場合には互いに打ち消し合うため、開
口部49から周辺部への光の染みだしは抑制される。従
って、結像面での光の強度分布は非常にシャープとな
り、実用解像度を向上する事ができる。しかし、このマ
スク作製法では電子ビーム露光装置の描画回数は増えな
いが、マスク作製工程は繁雑である。また、位相シフト
膜として残されたレジスト膜は脆い材料であるため、マ
スク上のゴミを除去するための洗浄を実施することが困
難であり、実用的な方法ではない。
【0010】一方、例えば図25の位相シフトマスクに
おいては、図26に示すように、位相シフト膜63a
に、形成時の膜質不良や欠陥をもつていたレジスト膜を
用いたために、欠陥66が発生した際、欠陥66と位相
シフト膜63aの間に位相差を生じ、投影面上に余分な
像を形成することになってしまう。しかもその位相シフ
ト膜の欠陥の補修は難しい。このことは図24の42は
位相シフト膜に図示しないが欠陥が生じた場合でも同様
の不都合が起こる。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の様にこれまでに提
案されている、位相シフトマスクは実用的な観点からは
大きな問題点を持っており、作製方法が容易で、耐久性
に富む位相シフトマスクが求められている。また、位相
シフト膜の欠陥の補修も容易にできる位相シフトマスク
が求められている。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】この発明では、パターン転写用の可視光又
は紫外光などの露光光に対して透明なマスク基板上に、
露光光に対して不透明な不透明パターンと、該不透明パ
ターンの両側の透明部に位相差を生じさせ得る位相部材
とが形成されてなり、前記不透明パターンが前記位相部
材上に配置し、かつ前記該位相部材が前記不透明パター
ンを挟む両側の少なくとも一方において上部位相部材及
び下部位相部材の2層積層構造で形成されてなる露光光
用マスクが提供される。
【0017】また、別の観点から、パターン転写用の可
視光又は紫外光などの露光光に対して透明なマスク基板
上に、露光光に対して不透明な不透明パターンと、該不
透明パターンの両側の透明部に位相差を生じさせ得る位
相部材とが形成されてなり、前記不透明パターンが前記
位相部材上に配置し、かつ前記該位相部材が前記不透明
パターンを挟む両側の少なくとも一方において上部位相
部材及び下部位相部材の2層積層構造で形成されてなる
露光光用マスクを形成するに際して、位相部材の上部位
相部材及び/又は下部位相部材の欠陥を含む領域に開口
を有するレジストパターンを形成し、該レジストパター
ンと不透明パターンとをマスクとして用いて、不透明パ
ターンに対して自己整合的に、欠陥を含む位相部材の上
部位相部材及び/又は下部位相部材を除去して補修する
ことからなる光露光用マスクの形成方法が提供される。
【0018】すなわち、パターン転写用の可視光または
紫外光などの露光光に対して透明なマスク基板上に、露
光光に対して不透明な不透明パターンを形成してなる光
露光用マスクで、不透明パターンの周辺に2層の透明材
料よりなる位相シフトマスクを作成できるとともに、万
一位相シフト部に欠陥が発生して場合の補修も可能であ
る。
【0019】
【作用】本発明では電子ビーム描画装置によるパターン
形成が1回で済み、これにより自己整合的に位相シフト
領域を形成できる。位相シフト部はCVD堆積膜によっ
て構成されるため、マスク板の洗浄工程等によって損な
われることがない。また、不透明パターンの下部に設け
た2種類の材質の異なった透明材料により位相シフト部
を形成することで簡便な補修方法で位相部材を補修でき
る。
【実施例】
【0020】実施例1 本発明の第1の実施例を図1〜図6に従って説明する。
図1に示すように、石英製のマスク基板1の上に透明膜
2を堆積し、その上に遮光膜3を堆積した後、更にその
上に電子ビーム用レジストを塗布し、電子ビーム描画装
置により所望のパターンを描画し、レジストを現像後レ
ジストパターン4を得る。
【0021】次に、レジストパターン4をマスクとし
て、反応性イオンエッチング法又はウエットエッチング
法で遮光膜3を加工することにより不透明パターン5を
形成した後、レジストパターンを除去する[図2参
照]。 続いて、上記の工程で形成された不透明パター
ン5を有する石英基板1上にシリコン酸化膜6を堆積し
[図3参照]、反応性イオンエッチング法によりシリコ
ン酸化膜6をエッチバックし、側壁部にシリコン酸化膜
7を残す[図4参照]。
【0022】更に、上記の工程で形成された不透明パタ
ーン5及び側壁部のシリコン酸化膜7をマスクとして、
反応性イオンエッチング法により透明膜2を加工するこ
とにより透明膜パターン8を形成[図5参照]した後、
通常の希フッ酸溶液で側壁部のシリコン酸化膜7を除去
し、マスク作成工程を終了する[図6参照]。本実施例
に示す方法では、透明パターン8のうち、遮光膜3より
も長い部分すなわち側壁部のシリコン酸化膜7の下部に
あった部分を位相シフト膜として利用する。従って位相
シフト部の実効的な厚さは透明膜パターン8の膜厚Ts
に等しいため、透明膜2の膜厚は、(1)式により設定
した。又、位相シフト部の長さは、シリコン酸化膜6の
エッチバックにおいて残った側壁部のシリコン酸化膜7
の長さに等しく、側壁部のシリコン酸化膜7の長さはシ
リコン酸化膜6の膜厚と対応するためシリコン酸化膜6
の膜厚によって制御することができる。但し、段差部の
膜厚は平坦部の膜厚に比べて薄い場合が多く、種々のC
VD法によって、また使用する装置によって異なるた
め、注意を要する。
【0023】本実施例に従ったi線(365nm)ステ
ッパ用マスク作成工程では、位相シフト部である透明膜
2としては、ジクロルシラン(SiCl22)+アンモ
ニア(NH3)を原料ガスとする減圧CVD法による膜
厚約170nm、屈折率2.05のシリコン窒化膜(Si3
4)を用いた。シリコン窒化膜のエッチングには、四
フッ化炭素(CF4)+酸素(O2)を反応ガスとする平
行平板電極を有する反応性イオンエッチング装置を用い
た。
【0024】また遮光膜としては膜厚約400nmのク
ロム(Cr)膜を用いた。遮光膜のエッチングは四塩化
炭素(CCl4)+酸素(O2)を反応ガスとする平行平
板電極を有する反応性イオンエッチング装置により行っ
た。更に、シリコン酸化膜はシラン(SiH4)+酸素
(O2)を原料ガスとする常圧CVD法により膜厚約4
00nmを堆積させた。シリコン酸化膜のエッチングに
は三フッ化炭素(CHF3)を反応ガスとする平行平板
電極を有する反応性イオンエッチング装置を用い、側壁
部の膜厚Wは約300nmであった。
【0025】これらの個々のプロセス技術はLSI製造
工程においては公知の技術である。以上の材料、工程で
作製されたマスクを用い、NA=0.45のi線ステッパで
露光テストを行った結果、従来のマスクでは0.40μmの
ライン&スペースを解像するのが限界であったのに対
し、本発明のマスクではより微細パターンである0.35μ
mのライン&スペースを解像することができるまで限界
が伸び、10%以上の解像度の向上を確認した。
【0026】本実施例の作製工程としては上記材料、手
法以外に多用な材料、手法を用いることができる。例え
ば、遮光膜はモリブデン、コバルト、ニッケル、アルミ
ニウム等の金属膜、あるいは、タングステンシリサイド
(WSi2)、モリブデンシリサイド(MoSi2)等の
シリコン金属化合物及びシリコン合金膜、シリコン等の
半導体膜であっても良い。エッチング法としては反応性
イオンエッチング法以外にも遮光膜材質に応じて適切な
方法を採用する事ができる。モリブデン等の金属では液
相エッチングにより、ほぼ端部の傾斜角度が90度に近
いパターンを形成することができる。
【0027】一方、最上部に堆積させた側壁部用膜はシ
リコン酸化膜に限らずシリコン・リンガラス膜、シリコ
ン・リン・ボロンガラス膜等の堆積膜でも良い。更に、
遮光膜は不透明膜単膜である必要は無く、透明膜と不透
明膜の積層構造でも良い。同様に、透明膜も単一膜であ
る必要は無く、複数の層からなっても良い。
【0028】実施例2 本実施例と上記第1の実施例との相違点は、遮光膜をオ
ーバーエッチングし、同一レジストパターンをマスクと
して用い透明膜をエッチングすることにより、位相シフ
ト部を設けた点にある。
【0029】この発明の第2の実施例を図7〜図10に
従って説明する。まず、図7に示すように、石英製のマ
スク基板21の上に透明膜22を推積し、その上に遮光
膜23を推積した後、更にその上に電子ビーム用レジス
トを塗布し、電子ビーム描画装置により所望のパターン
を描画し、レジストを現像後レジストパターン24を得
る。
【0030】次に、レジストパターン24をマスクとし
て、反応性イオンエッチング法で遮光膜23をオーバー
エッチングしてレジストパターン24よりも細い不透明
パターン25を形成する。レジストパターン24は除去
しない[図8参照]。続いて、レジストパターン24を
マスクとして、反応性イオンエッチング法により透明膜
22を加工することにより透明膜パターン28を形成
[図9参照]した後、レジストパターン24を除去し、
マスク作製工程を終了する[図10参照]。
【0031】本実施例に示す方法でも、透明膜パターン
28のうち、遮光膜25よりも長い部分を位相シフト膜
として利用する。従って位相シフト部の実効的厚さは透
明膜パターン28の膜厚Tsに等しいため、透明膜22
膜厚は(1)式により設定する点は実施例1と同じであ
る。又、位相シフト部の長さ は、遮光膜23のオーバ
ーエッチング量に相当するため、遮光膜23のエッチン
グにより制御することができる。本実施例によっても実
施例1と同様の効果を得ることができた。遮光膜、透明
膜等の材質、作成方法、加工方法等は実施例1と同様多
用な選択が可能である。
【0032】実施例3 この発明の第3の実施例を図11〜図14に従って説明
する。図11に示すように、石英製のマスク基板11の
上に下部透明膜15を堆積し、その上に上部透明膜16
を堆積し、更にその上に遮光膜12を堆積する。続い
て、電子ビーム用レジスト(図示せず)を塗布し、電子
ビーム描画装置により所望のパターンを描画し、レジス
トを現像後レジストパターンを得る。 次に、そのレジ
ストパターンをマスクとして、通常の液層エッチング法
により遮光膜12を加工し、不透明パターン12を形成
する。その後、レジストパターンを除去する[図12参
照]。
【0033】続いて、電子ビーム用レジストを塗布し、
電子ビーム露光装置により図13のように所望の位置に
位相シフタ部を描画し、現像後レジストパターンを得、
続いて得られたレジストパターン18と不透明パターン
12をマスクとして、通常のドライエッチング法により
自己整合的に上部透明膜16を加工し[図13参照]、
その後レジストパターン18を除去して位相シフタ部を
形成する[図14参照]。
【0034】本実施例に示す方法では、図14に示した
様に、透光部14aを通過した光と透光部14bを通過
した光の間に位相差が180°生じ、投影面上でのコン
トラストが増強される。本実施例に示す方法では上部透
明材料および下部透明材料の膜厚は上記(1)式で示さ
れる膜厚にほぼ等しいことが望ましい。本実施例に従っ
たi線(365mm)ステッパ用マスク作製工程では、
石英製透明基板上に下部透明膜として屈折率2.00の
Si3 4 膜を183nm堆積し、上部透明膜として屈
折率1.46のSiO2 膜を397nm堆積し、遮光膜
としてはトータル膜厚100nmのクロム酸化膜/クロ
ム(Cr)の2層金属膜を用いた。さらに、遮光膜パタ
ーン形成用レジストとしては500nmのポジ型レジス
トを用い、遮光膜のエッチングは通常の液層法により行
った。位相シフト部形成用レジストとしては500nm
のポジ型レジストを用い、上部透明膜のエッチングには
反応性イオンエッチング法(RIE法)を用いた。これ
らの個々のプロセス技術はIC製造工程において公知の
技術である。以上の材料、工程で作製されたマスクを用
いて開口数(NA)=0.45のi線ステッパで露光テ
ストを行った。従来のマスクでは0.4μmのライン&
スペースの解像が限界であったのに、本マスクでは0.
35μmのライン&スペースを解像することができ、1
0%以上の解像度向上を確認した。
【0035】本実施例の作製工程としては上記材料、手
法以外に多用な材料、手法を用いることができる。例え
ば、遮光膜はモリブデン、コバルト、ニッケル、アルミ
ニウム等の金属膜、あるいは、タングステンシリサイド
(WSi2)、モリブデンシリサイド(MoSi2)等の
シリコン金属化合物及びシリコン合金膜、シリコン等の
半導体膜であっても良い。遮光膜のエッチング法として
は通常の液層法以外にも遮光膜材質に応じて適切な方法
を採用する事ができる。モリブデン等の金属では反応性
イオンエッチングによりパターンを形成することができ
る。一方、それぞれの透明膜としては回転塗布が可能な
シリコンガラス膜、シリコン・リンガラス膜、シリコン
・リン・ボロンガラス膜等の透明膜でも良い。
【0036】実施例4 本実施例は、上記実施例3で述べた方法と同等の方法で
上部透明材料として有機膜を用い下部透明材料としてS
iO2 膜を用いた。いうまでもないがそれぞれの膜厚は
式(1)で示される膜厚にほぼ等しいことが望ましい。
本実施例に従ったi線(365nm)ステッパ用マスク
作製工程では、石英製透明基板上に下部透明膜として屈
折率1.46のSiO2 膜を397nm堆積し、上部透
明膜として屈折率1.34の高分子フッ素膜を537n
mの膜厚に回転塗布により塗布した。遮光膜としてはト
ータル膜厚100nmのクロム酸化膜/クロム(Cr)
の2層金属膜を用いた。さらに、遮光膜パターン形成用
レジストとしては500nmのポジ型レジストを用い、
遮光膜のエッチングは通常の液層法により行った。位相
シフト部形成用レジストとしては500nmのポジ型レ
ジストを用い、上部透明膜のエッチングには反応性イオ
ンエッチング法(RIE法)を用いた。これらの個々の
プロセス技術はIC製造工程において公知の技術であ
る。以上の材料、工程で作製されたマスクを用いて開口
数(NA)=0.45のi線ステッパで露光テストを行
った。従来のマスクでは0.4μmのライン&スペース
の解像が限界であったのに、本マスクでは0.35μm
のライン&スペースを解像することができ、10%以上
の解像度向上を確認した。
【0037】本実施例の作製工程としては上記材料、手
法以外に多様な材料、手法を用いる事ができる。遮光膜
はモリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル、ア
ルミニュウム等の金属膜、あるいは、タングステンシリ
サイド(WSi2 )、モリブデンシリサイド(MoSi
2 )等のシリコン金属化合物及びシリコン合金膜、シリ
コン等の半導体膜であっても良い。エッチング法として
は通常の液層法以外にも遮光膜材質に応じて適切な方法
を採用することができる。モリブデン等の金属では反応
性イオンエッチングにてパターンを形成することができ
る。下部透明膜としては回転塗布が可能なシリコンガラ
ス膜、シリコン・リンガラス膜、シリコン・リン・ボロ
ンガラス膜等の透明膜でも良い。
【0038】実施例5 本実施例は上記第3及び第4の各実施例で述べた位相シ
フトマスクの補修に関わる実施例で図15〜図17に従
って説明する。実施例3及び4で述べた方法で位相シフ
トマスクを作成した際に透光部14bに図15に示すよ
うなハガレ等の欠陥70が発生した場合の補修は、電子
ビーム露光用レジストを塗布し、電子ビーム描画装置に
より欠陥発性場所のみ露光し、現像後レジストパターン
53を得る(図16参照)。得られたレジストパターン
53と遮光膜12をマスクとしてRIEにより自己整合
的に上部透明膜51および下部透明膜50をエッチング
し、新たに透光部71を得、補修を完了する。このよう
にして形成された透光部71と透光部14aを通過した
光は、欠陥のない部分と同様に180°の位相差を生
じ、投影面上でのコントラストは欠陥のない部分と同等
にすることができる。
【0039】本実施例で示した方法で補修した位相シフ
トマスクを用いて開口数(NA)=0.45のi線ステ
ッパ露光テストを行った結果、補修のない位相シフトマ
スクと同等の解像度が得られた。
【0040】実施例6 本実施例は上記第3及び第4の各実施例で述べた位相シ
フトマスクの補修に関わる第2の実施例で図18〜図2
0に従って説明する。実施例3及び4で述べた方法で位
相シフトマスクを作成した際に透光部14aの下部透明
膜72に図18に示すような欠陥80が発生した場合の
補修は、電子ビーム露光用レジストを塗布し、電子ビー
ム描画装置により欠陥発性場所のみ露光し、現像後レジ
ストパターン75を得る(図19参照)。得られたレジ
ストパターン75と遮光膜74をマスクとしてRIEに
より自己整合的に下部透明膜72をエッチングし、新た
に透光部81を得(図20参照)、補修を完了する。こ
のようにして形成された透光部81と透光部14bを通
過した光は、欠陥のない部分と同様に180°の位相差
を生じ、投影面上でのコントラストは欠陥のない部分と
同等にすることができる。
【0041】本実施例で示した方法で補修した位相シフ
トマスクを用いて開口数(NA)=0.45のi線ステ
ッパ露光テストを行った結果、補修のない位相シフトマ
スクと同等の解像度が得られた。
【0042】実施例7 本実施例は上記第3及び第4の各実施例で述べた位相シ
フトマスクの補修に関わる第3の実施例で図21、図2
2に従って説明する。上記実施例6で述べた欠陥補修方
法によると工程が複雑であり、電子ビーム露光を2回行
わなければならず、多大な時間を要する。本実施例では
より簡便な補修方法を述べる。上記第3及び第4の各実
施例で述べた方法で位相シフトマスクを作成した際に透
光部14aの下部透明膜72に図21に示すような欠陥
90が発生した場合の補修は、遮光膜74をマスクとし
てRIEにより適当な条件を選ぶことで自己整合的に透
光部14bの上部透明膜73と透光部14aの下部透明
膜72を同時にエッチングし、エッチング時間を制御す
ることで新たに透光部91、92を得(図22参照)、
補修を完了する。このようにして形成された透光部91
と透光部92を通過した光は、欠陥のない部分と同様に
180°の位相差を生じ、投影面上でのコントラストは
欠陥のない部分と同等にすることができる。
【0043】本実施例で示した方法で補修した位相シフ
トマスクを用いて開口数(NA)=0.45のi線ステ
ッパ露光テストを行った結果、補修のない位相シフトマ
スクと同等の解像度が得られた。
【0044】
【発明の効果】以上の様に本発明に従えば、パターン転
写用の可視光または紫外光に対して透明な基板上に、前
記光に対して透明な第一の薄膜を推積し、前記第一の薄
膜上に前記露光光に対して不透明なパターンが形成され
ており、該不透明パターンの周辺部のみに前記第一の透
明薄膜を残すことにより、電子ビーム描画装置によるパ
ターン形成が1回で済み、これにより自己整合的に位相
シフト領域を形成できる。位相シフト部はCVD法によ
る堆積膜によって構成されるため、マスク板の洗浄工程
等によって損なわれる恐れが少なくなる。更に、不透明
端部の透明段差部により、透過部の端部での位相差を1
80度に近い値になるように設定すれば、透過光を全体
として不必要に減退させる事なく、透過光束の端部のみ
をシャープに整形することができ、従来マスクに比べて
大幅な解像度向上が期待できる。
【0045】また、パターン転写用の可視光または紫外
光などの露光光に対して透明なマスク基板上に、露光光
に対して不透明な不透明パターンを形成してなる光露光
用マスクで、不透明パターンの周辺に2層の透明材料よ
りなる位相シフトマスクを作成できるとともに、万一位
相シフト部に欠陥が発生して場合の補修も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のマスク作成工程の第1
ステップを示す構成説明図である。
【図2】上記 第1の実施例のマスク作成工程の第2ス
テップを示す構成説明図である。
【図3】上記第1の実施例のマスク作成工程の第3ステ
ップを示す構成説明図である。
【図4】上記第1の実施例のマスク作成工程の第4ステ
ップを示す構成説明図である。
【図5】上記第1の実施例のマスク作成工程の第5ステ
ップを示す構成説明図である。
【図6】上記第1の実施例のマスク作成工程の第6ステ
ップを示す構成説明図である。
【図7】本発明の第2の実施例のマスク作成工程の第1
ステップを示す構成説明図である。
【図8】上記第2の実施例のマスク作成工程の第2ステ
ップを示す構成説明図である。
【図9】上記第2の実施例のマスク作成工程の第3ステ
ップを示す構成説明図である。
【図10】上記第2の実施例のマスク作成工程の第4ス
テップを示す構成説明図である。
【図11】本発明の第3の実施例のマスク作成工程の第
1ステップを示す構成説明図である。
【図12】上記第3の実施例のマスク作成工程の第2ス
テップを示す構成説明図である。
【図13】上記第3の実施例のマスク作成工程の第3ス
テップを示す構成説明図である。
【図14】上記第3の実施例のマスク作成工程の第4ス
テップを示す構成説明図である。
【図15】本発明の第5の実施例のマスク作成工程の第
1ステップを示す構成説明図である。
【図16】上記第5の実施例のマスク作成工程の第2ス
テップを示す構成説明図である。
【図17】上記第5の実施例のマスク作成工程の第3ス
テップを示す構成説明図である。
【図18】本発明の第6の実施例のマスク補修工程の第
1ステップを示す構成説明図である。
【図19】上記第6の実施例のマスク補修程の第2ステ
ップを示す構成説明図である。
【図20】上記第6の実施例のマスク補修程の第3ステ
ップを示す構成説明図である。
【図21】本発明の第7の実施例のマスク補修工程の第
1ステップを示す構成説明図である。
【図22】上記第7の実施例のマスク補修程の第2ステ
ップを示す構成説明図である。
【図23】従来の位相シフトマスクの問題点を説明する
図である。
【図24】従来の位相シフトマスクの問題点を説明する
図である。
【図25】従来の位相シフトマスクの問題点を説明する
図である。
【図26】従来の位相シフトマスクの問題点を説明する
図である。
【符号の説明】
1、21 石英マスク基板 2、22、15、16、50、51、72、73 透明
膜 3、12、23、74 遮光膜 4、18、24、53、75 電子ビーム用レジストパ
ターン 5、25 不透明パターン 6 シリコン酸化膜 7 側壁部のみに残ったシリコン酸化膜 8、28 透明膜パターン 10、20 位相シフト部 14a、14b、71、91、92 透光部 70、80、90欠陥部
フロントページの続き (72)発明者 渡邊 健夫 大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャー プ株式会社内 (72)発明者 高木 悛公 大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャー プ株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−259147(JP,A) 特開 平3−196041(JP,A) 特開 平3−81769(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 1/00 - 1/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パターン転写用の可視光又は紫外光など
    の露光光に対して透明なマスク基板上に、露光光に対し
    て不透明な不透明パターンと、該不透明パターンの両側
    の透明部に位相差を生じさせ得る位相部材とが形成され
    てなり、前記不透明パターンが前記位相部材上に配置
    し、かつ前記該位相部材が前記不透明パターンを挟む両
    側の少なくとも一方において上部位相部材及び下部位相
    部材の2層積層構造で形成されてなる露光光用マスク。
  2. 【請求項2】 位相部材が、不透明パターンを挟む両側
    の他方において下部位相部材から形成されてなる請求項
    1に記載の露光光用マスク。
  3. 【請求項3】 パターン転写用の可視光又は紫外光など
    の露光光に対して透明なマスク基板上に、露光光に対し
    て不透明な不透明パターンと、該不透明パターンの両側
    の透明部に位相差を生じさせ得る位相部材とが形成され
    てなり、前記不透明パターンが前記位相部材上に配置
    し、かつ前記該位相部材が前記不透明パターンを挟む両
    側の少なくとも一方において上部位相部材及び下部位相
    部材の2層積層構造で形成されてなる露光光用マスクを
    形成するに際して、 位相部材の上部位相部材及び/又は下部位相部材の欠陥
    を含む領域に開口を有するレジストパターンを形成し、
    該レジストパターンと不透明パターンとをマスクとして
    用いて、不透明パターンに対して自己整合的に、欠陥を
    含む位相部材の上部位相部材及び/又は下部位相部材を
    除去して補修することからなる光露光用マスクの形成方
    法。
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