JP3240499B2 - 高速回転電機 - Google Patents

高速回転電機

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JP3240499B2
JP3240499B2 JP20199795A JP20199795A JP3240499B2 JP 3240499 B2 JP3240499 B2 JP 3240499B2 JP 20199795 A JP20199795 A JP 20199795A JP 20199795 A JP20199795 A JP 20199795A JP 3240499 B2 JP3240499 B2 JP 3240499B2
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直行 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速で回転する回転子を
有する高速回転電機に係り、特に内燃機関を始動させる
始動電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の始動電動機を図7に示す。従来の
始動電動機は、回転子1とステータ2、ブラシ3によっ
て構成される直流電動機と、回転子1の回転を減速する
遊星歯車減速機4と、ピニオン2とエンジンのリングギ
ヤ20とを噛み合わせるためのマグスイッチ9から構成
されている。
【0003】回転子1の軸である回転子軸8は、遊星歯
車減速機4の出力軸であるピニオン軸12と、ステータ
2に嵌合されている始動電動機後端に位置するリアブラ
ケット13によって、燒結金属製のすべり軸受101
(リアブラケット13側)、102(ピニオン軸12
側)を介して支持されている。
【0004】またマグスイッチ9内にはソレノイド5、
プランジャ6、可動接点10、固定接点11、リターン
ばね19が存在している。又、ピニオン2とプランジャ
6の間にはシフトレバ−7が介在しており、プランジャ
6の動きにしたがってピニオン2をシフトさせるような
構造となっている。
【0005】以下、その動作を説明する。
【0006】運転者がキ−スイッチ(図示せず)をオン
にすると、まずマグスイッチ9内のソレノイド5に通電
されて、プランジャ6を引き込む。プランジャ6が引き
込まれるに従って、シフトレバ−7は支点を中心にして
ピニオン2を押し出し、リングギヤ20に噛み合わせ
る。(もしくは端面に押しつける。)次にさらにプラン
ジャ6が引き込まれ、固定接点11が可動接点10によ
って閉じられ、その結果、回転子1に電流が流れ回転子
1が回転し、エンジンをクランキングする。
【0007】エンジンが始動した後、運転者はキ−スイ
ッチ(図示せず)をオフにすると、マグスイッチ9内の
ソレノイド5に流れていた電流がカットされ、プランジ
ャ6はリターンばね19によって初期の位置に戻され
る。この時固定接点11から可動接点10が離れること
によって回転子1への電流がカットされて回転子1は回
転を停止する。さらにプランジャ6が初期の位置に戻る
に従って、シフトレバ−7は支点を中心にしてピニオン
2を引き戻し、ピニオン2はリングギヤ20から離脱す
る。
【0008】上述した始動電動機の振動および騒音低減
策として、従来以下のようなものが行われている。例え
ば特開昭61-108869号公報に記載の技術ではピニオンと
リングギヤ噛み合い時のスラスト方向の衝撃をリアブラ
ケットに伝えないようにするため、回転子軸とリアブラ
ケット間に弾性体を介在させてスラスト方向の振動を吸
収させている。このような構造とすることでピニオンと
リングギヤ衝突時における衝撃でリアブラケットの破損
を防いでいる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記公知例では、ピニ
オンとリングギヤの噛み合い時のスラスト方向の衝撃力
緩和を目的としており、その他の防振については言及し
ていない。
【0010】上記の例では機器を破損させる振動を防止
するものであるが、最近では高速回転電機において振動
による騒音発生を抑制することが重要視されている。始
動電動機等の回転電機の騒音としては、負荷をかけずに
始動電動機単体で動作させたときに発生する騒音(以下
無負荷時騒音と呼ぶ)がある。無負荷時騒音の発生メカ
ニズムは以下のようである。
【0011】振動源は直流電動機の回転子の回転アンバ
ランスによって発生する回転振動であり、この回転振動
が回転子軸〜軸受〜リアブラケットへ伝搬し、リアブラ
ケットがスピーカとなって無負荷時騒音を発生させてい
る。この無負荷時騒音が大きな時は、回転子の回転周波
数のN次成分(N=自然数)に大きなピークを持ち、回
転周波数の1次成分は300〜400Hzであるためエン
ジンのクランキング中及びエンジン始動後にも非常に耳
障りな騒音となる。
【0012】無負荷時騒音を低減するためには、回転子
が回転するときに発生する回転振動を低減する必要があ
る。この回転振動を少なくするためには回転子の回転質
量不釣り合いを修正し、回転振動の発生を抑制する必要
があり、それ故回転子の修正作業(以下、アンバランス
修正作業と呼ぶ。)の手間がかかり、コストが高くなる
という問題があった。
【0013】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり回転子のアンバランス修正作業の短縮化を図
ることにより、製造工程の簡略化及び製品コストの低減
を図った高速回転電機を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の高速回転電機
は、高速で回転する回転子の軸である回転子軸の少なく
とも一方の軸端を支える軸受が、ステータに嵌合される
ブラケットによって支持される高速回転電機において、
前記ステータに嵌合されるブラケットによって支持され
る軸受の内、少なくとも一方をばね定数が小さく、かつ
振動減衰の大きい材料で形成したことを特徴とする。
【0015】また本発明の高速回転電機は、高速で回転
する回転子の軸である回転子軸の少なくとも一方の軸端
を支える軸受が、ステータに嵌合されるブラケットによ
って支持される高速回転電機において、前記ステータに
嵌合されるブラケットによって支持される軸受の内、少
なくとも一方を樹脂で形成された樹脂軸受としたことを
特徴とする。
【0016】また本発明の高速回転電機は、高速で回転
する回転子の軸である回転子軸の少なくとも一方の軸端
を支える軸受が、ステータに嵌合されるブラケットによ
って支持される高速回転電機において、前記ステータに
嵌合されるブラケットによって支持される軸受の内、少
なくとも一方は樹脂で形成された樹脂軸受であり、該樹
脂軸受の外周面とブラケット軸受支持部内周面の間およ
び樹脂軸受の内周面と回転子軸外周面の間にそれぞれ50
〜150μmのクリアランスを設け、回転子軸が回転したと
きに樹脂軸受の外周面及び内周面がリアブラケット軸受
支持部内周面、回転子軸外周面に対して双方にすべりを
生ずるように構成したことを特徴とする。
【0017】また本発明の高速回転電機は、高速で回転
する回転子の軸である回転子軸の少なくとも一方の軸端
を支える軸受が、ステータに嵌合されるブラケットによ
って支持される高速回転電機において、前記ステータに
嵌合されるブラケットによって支持される軸受の内、少
なくとも一方は燒結金属製軸受であり、該燒結金属製軸
受の外周面とブラケット軸受支持部内周面の間および燒
結金属製軸受の内周面と回転子軸外周面の間にそれぞれ
50〜150μmのクリアランスを設け、回転子軸が回転した
ときに燒結金属製軸受の外周面及び内周面がリアブラケ
ット軸受支持部内周面、回転子軸外周面に対して双方に
すべりを生ずるように構成したことを特徴とする。
【0018】また本発明の高速回転電機は、高速で回転
する回転子の軸である回転子軸の少なくとも一方の軸端
を支える軸受が、ステータに嵌合されるブラケットによ
って支持される高速回転電機において、ブラケット軸受
支持面および回転子軸の軸受面の間に同心の複数の性質
の異なる材質で形成された軸受部からなる軸受を構成
し、該複数の軸受部のうち少なくとも1つは樹脂で形成
されると共に、前記ブラケット軸受支持面と軸受外周面
との間、軸受を構成する各軸受部間および回転子軸の軸
受面との間にクリアランスを設けることを特徴とする。
【0019】また本発明の高速回転電機は、高速で回転
する回転子の軸である回転子軸の少なくとも一方の軸端
を支える軸受が、ステータに嵌合されるブラケットによ
って支持される高速回転電機において、ブラケット軸受
支持面および回転子軸の軸受面の間に同心の燒結金属で
形成された複数の軸受部からなる軸受を構成し、前記ブ
ラケット軸受支持面と軸受外周面との間、軸受を構成す
る各軸受部間および回転子軸の軸受面との間にクリアラ
ンスを設けることを特徴とする。
【0020】また本発明の高速回転電機は、高速で回転
する回転子の軸である回転子軸の少なくとも一方の軸端
を支える軸受が、ステータに嵌合されるブラケットによ
って支持される高速回転電機において、前記ステータに
嵌合されるブラケットによって支持される軸受の内、少
なくとも一方について、回転子軸を支持している軸受と
前記リアブラケットの間に緩衝材を介在させたことを特
徴とする。
【0021】また本発明の高速回転電機は、前記緩衝材
は樹脂であることを特徴とする。
【0022】また本発明の内燃機関の始動電動機は、直
流電動機、オーバーランニングクラッチ付きピニオン、
ピニオンを軸方向にシフトさせると共に前記直流電動機
に通電するためのマグネットスイッチとシフト機構を有
する始動電動機であって、前記直流電動機の回転子軸の
一方の軸端を支える軸受が、前記始動電動機の後端のリ
アブラケットによって支持されている内燃機関の始動電
動機において、前記軸受をばね定数が小さく、かつ振動
減衰の大きい材料で形成したことを特徴とする。
【0023】また本発明の内燃機関の始動電動機は、前
記軸受は樹脂軸受であることを特徴とする。
【0024】また本発明の内燃機関の始動電動機は、直
流電動機、オーバーランニングクラッチ付きピニオン、
ピニオンを軸方向にシフトさせると共に前記直流電動機
に通電するためのマグネットスイッチとシフト機構を有
する始動電動機であって、前記直流電動機の回転子軸の
一方の軸端を支える軸受が、前記始動電動機の後端のリ
アブラケットによって支持されている内燃機関の始動電
動機において、前記軸受は樹脂で形成された樹脂軸受で
あり、該樹脂軸受の外周面とリアブラケット軸受支持部
内周面の間および樹脂軸受の内周面と回転子軸外周面の
間にそれぞれ50〜150μmのクリアランスを設け、回転子
軸が回転したときに樹脂軸受の外周面及び内周面がリア
ブラケット軸受支持部内周面、回転子軸外周面に対して
双方にすべりを生ずるように構成したことを特徴とす
る。
【0025】また本発明の内燃機関の始動電動機は、直
流電動機、オーバーランニングクラッチ付きピニオン、
ピニオンを軸方向にシフトさせると共に前記直流電動機
に通電するためのマグネットスイッチとシフト機構を有
する始動電動機であって、前記直流電動機の回転子軸の
一方の軸端を支える軸受が、前記始動電動機の後端のリ
アブラケットによって支持されている内燃機関の始動電
動機において、前記軸受は燒結金属製軸受であり、該燒
結金属製軸受の外周面とリアブラケット軸受支持部内周
面の間および燒結金属製軸受の内周面と回転子軸外周面
の間にそれぞれ50〜150μmのクリアランスを設け、回転
子軸が回転したときに燒結金属製軸受の外周面及び内周
面がリアブラケット軸受支持部内周面、回転子軸外周面
に対して双方にすべりを生ずるように構成したことを特
徴とする。
【0026】また本発明の内燃機関の始動電動機は、直
流電動機、オーバーランニングクラッチ付きピニオン、
ピニオンを軸方向にシフトさせると共に前記直流電動機
に通電するためのマグネットスイッチとシフト機構を有
する始動電動機であって、前記直流電動機の回転子軸の
一方の軸端を支える軸受が、前記始動電動機の後端のリ
アブラケットによって支持されている内燃機関の始動電
動機において、リアブラケット軸受支持面および回転子
軸の軸受面の間に同心の複数の性質の異なる材質で形成
された軸受部からなる軸受を構成し、該複数の軸受部の
うち少なくとも1つは樹脂で形成されると共に、前記ブ
ラケット軸受支持面と軸受外周面との間、軸受を構成す
る各軸受部間および回転子軸の軸受面との間にクリアラ
ンスを設けたことを特徴とする。
【0027】また本発明の内燃機関の始動電動機は、直
流電動機、オーバーランニングクラッチ付きピニオン、
ピニオンを軸方向にシフトさせると共に前記直流電動機
に通電するためのマグネットスイッチとシフト機構を有
する始動電動機であって、前記直流電動機の回転子軸の
一方の軸端を支える軸受が、前記始動電動機の後端のリ
アブラケットによって支持されている内燃機関の始動電
動機において、リアブラケット軸受支持面および回転子
軸の軸受面の間に同心の燒結金属で形成された複数の軸
受部からなる軸受を構成し、前記ブラケット軸受支持面
と軸受外周面との間、軸受を構成する各軸受部間および
回転子軸の軸受面との間にクリアランスを設けることを
特徴とする。
【0028】また本発明の内燃機関の始動電動機は、直
流電動機、オーバーランニングクラッチ付きピニオン、
ピニオンを軸方向にシフトさせると共に前記直流電動機
に通電するためのマグネットスイッチとシフト機構を有
する始動電動機のうち、直流電動機の回転子軸の一方の
軸端を支える軸受が、前記始動電動機の後端のリアブラ
ケットによって支持されている内燃機関の始動電動機に
おいて、前記軸受は軸に嵌合される含油燒結金属製のメ
タルと、該メタルを被覆する緩衝材を介してハウジング
である前記リアブラケットに支持されていることを特徴
とする。
【0029】また本発明の内燃機関の始動電動機は、前
記緩衝材は樹脂であることを特徴とする。
【0030】
【作用】上記のような構造とすることで、騒音レベルは
現状のままで回転子の残留アンバランス(許容残留アン
バランス量)を拡大することができる。そのため回転子
アンバランス修正作業を短縮することとなり、高速回転
電機の製造工程を簡略化でき、製品コストを下げること
ができる。
【0031】ここで許容残留アンバランス量とは騒音基
準値をクリアできる回転子の回転質量バランス量をい
う。
【0032】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。本発明の高速回転電機の実施例として内燃機関の始
動電動機を例にとり説明する。
【0033】図1に本発明に係る高速回転電機としての
内燃機関の始動電動機の構成を示す。
【0034】基本的構成は図7に示す従来の始動電動機
と同じであるが、図7の従来の始動電動機と構成上、異
なる点はステータ2に嵌合されたリアブラケット13と
回転子軸8との間に介在する軸受(図7における10
1)を従来の焼結金属製軸受から樹脂軸受103に変更
した点である。
【0035】従来、始動電動機などの電動機は小型軽量
化を図るために回転子1を高速回転させている。しか
し、回転子1を高速回転させると問題になってくるの
は、回転子1の残留アンバランスである。図7に示す従
来の始動電動機では回転子1の残留アンバランスが大き
くなると、回転子1の回転に伴い、ラジアル方向への起
振力が増加し、この振動が回転子軸8〜軸受101〜リ
アブラケット13へ伝搬し、リアブラケット13がスピ
ーカとなって無負荷時騒音を増大させている。
【0036】図2は、従来の焼結金属製軸受(図7にお
ける101)を使用して回転子1を高速回転させた場合
におけるの残留アンバランスの大小による無負荷時騒音
の相違を示したものである。同図に示すように残留アン
バランスが大きいと回転子1の回転N次成分が極端に大
きくなり、全体的に騒音は大きく増大する。そのため騒
音を抑制するためには振動自体を小さくする必要があ
り、回転子1の回転質量不釣り合いを修正して回転振動
の発生を抑制する必要がある。従来は無負荷時騒音の基
準値をクリアするために回転子のアンバランス修正作業
を行い、小さな残留アンバランスとしていた。
【0037】本実施例では、上述したような起振源の振
動を抑制するのではなく、振動が伝達する経路の内に絶
縁要素を挿入しようとする発想である。具体的には振動
の伝達経路である回転子軸8〜軸受〜リアブラケット1
3において、回転子1の回転のラジアル方向の振動絶縁
を図るために、従来の焼結金属製軸受(図7における1
01)よりもばね定数が低く、かつ振動減衰の大きい材
料で形成された軸受、本実施例では樹脂軸受103に変
更した。その結果、振動伝達経路中に減衰要素が挿入さ
れることとなり、図3に示すように、回転子1の残留ア
ンバランスが大きな場合において、回転子1の回転N次
ピークを減衰することで大幅な騒音の低減が実現でき
る。このことから軸受を燒結金属製軸受(図7における
101)から樹脂軸受103にすることで、残留アンバ
ランスが大きな時においても騒音をある基準以下にする
ことができるため、回転子1の残留アンバランスを拡大
することができ、アンバランス修正作業を短縮できる。
【0038】またさらに騒音低減効果を得るには回転子
軸8を支持する軸受のうち前記したリアブラケット13
側の軸受103を樹脂化するだけでなく、他方のピニオ
ン軸12側で支持している軸受104を樹脂化すればよ
い。
【0039】尚、本実施例では焼結金属より、ばね定数
が小さく振動減衰の大きい材料として軸受に樹脂を用い
たが、これに限らず例えばゴム、アルミニウム等の材料
を用いてもよい。
【0040】次に本発明における第2の実施例について
説明する。
【0041】上記実施例において樹脂軸受(図1におけ
る103)によって騒音を低減し、残留アンバランスの
拡大を図ったが、樹脂軸受(図1における103)を用
いることで耐久性が低下する恐れがある。そこで、図4
に示すように、樹脂軸受103の外周面とリアブラケッ
ト13の軸受支持部内周面の間、および樹脂軸受103
の内周面と回転子軸外周面の間にそれぞれ50〜150μmの
クリアランスを設け、回転子軸8が回転したときに樹脂
軸受103の外周面及び内周面がリアブラケット13の
軸受支持部内周面、回転子軸8外周面に対して双方にす
べりを生ずるように構成する。このように構成すること
によって、樹脂軸受103に発生するすべりを内外周両
方のすべり面で受け持つようになり、樹脂軸受103の
許容すべり速度に対して余裕のある設計ができる。
【0042】また、このような構成では樹脂軸受の内外
周両面に潤滑油の油膜が形成されるため、油膜によるダ
ンピング(振動抑制)効果が大きくなる利点もある。
【0043】本実施例では軸受103を樹脂軸受とした
が、これに限らず焼結金属軸受の場合でもプラケット1
3の軸受支持部内周面と軸受103の外周面の間、軸受
103と回転子軸外周面との間に50〜150μmのクリアラ
ンスを設けることにより潤滑油の油膜によりダンピング
効果が得られる。
【0044】次に本発明における第3の実施例を示す。
【0045】本実施例では、図5に示すように、リアブ
ラケット13の軸受支持面および回転子軸8の軸受面の
間に同心の複数の性質の異なる材質で形成された軸受部
103A、103Bからなる軸受103を構成し、その
うち少なくとも1つの軸受部を樹脂材料としたことを特
徴としている。この場合にブラケット13、及び軸受部
103A、103B、回転子軸8間には第2実施例と同
様にクリアランスが設けられている。この構成により、
第2の実施例よりもさらに多数の面にすべりを発生さ
せ、潤滑油の油膜によるダンピングと耐久性を増す効果
がある。
【0046】また、本実施例では軸受103を同心の複
数の性質の異なる材質で形成された軸受部103A、1
03Bで構成したが、これに限らず軸受部103A、1
03Bを焼結金属で形成しても各軸受部103A、10
3B、回転子軸8及びリアブラケット間にクリアランス
を設ければ同様の効果が得られる。
【0047】次に本発明における第4の実施例を示す。
【0048】本実施例では、回転子軸8の支持方法で、
図6に示すように、回転子軸8に嵌合される含油燒結金
属製の軸受200を樹脂材料(緩衝材)200Aで被覆
し、この樹脂材料で形成された被覆部200Aがハウジ
ングであるリアブラケット13に支持されるように構成
されている。このような構成とすることで、回転子軸8
の軸受面に用いる部分は許容すべり速度及び許容荷重の
高い材料とし、リアブラケット13軸受支持面に用いる
部分はダンピングの大きな材料とすることで1つの樹脂
材料では不可能な耐久性、振動低減性を確保している。
具体的には、回転軸8の軸受面には実績のある焼結金属
製の軸受200を用いて耐久性を確保しながら、樹脂材
料(緩衝材)で形成された被覆部200Aによって騒音
を発生するスピーカの役割をするリアブラケット13に
振動を伝達しないようにしている。
【0049】以上、始動電動機について実施例を説明し
たが、始動電動機に限らず、高速で回転する回転体で残
留アンバランスが騒音に関与する高速回転電機一般(例
としては電気掃除機のファン駆動モータ、低負荷高回転
汎用モータなど)についても適用可能である。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、高速回転電機の回転子
軸の一方の軸端を支持する軸受のうち、前記高速回転電
機の後端のリアブラケットによって支持されている軸受
を、ばね定数が小さく、かつ振動減衰の大きい材料で形
成することによって、振動伝達経路内に減衰要素を挿入
して振動絶縁を図り、騒音の低減を図ることができる。
【0051】また騒音レベルが基準に達しているときは
回転子の残留アンバランスを現行基準より拡大しても騒
音基準値をクリアすることができるので、回転子のアン
バランス修正作業の短縮及び、高速回転電機の低コスト
化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される内燃機関の始動電動機の全
体構成を示す図である。
【図2】従来の焼結金属製軸受を使用して回転子を高速
回転させた場合における残留アンバランスの大小による
無負荷時騒音への影響の分析結果を示す図である。
【図3】回転子の残留アンバランスが大きい場合におい
て樹脂軸受を用いたときの騒音低減効果を示す図であ
る。
【図4】本発明の第2の実施例を示す始動電動機の軸受
支持構造を示す説明図である。
【図5】本発明の第3の実施例を示す始動電動機の軸受
支持構造を示す説明図である。
【図6】本発明の第4の実施例を示す始動電動機の軸受
支持構造を示す説明図である。
【図7】従来の内燃機関の始動電動機の全体構成を示す
図である。
【符号の説明】
1 回転子 2 ステータ 3 ブラシ 4 遊星歯車減速機 5 ソレノイド 6 プランジャ 7 シフトレバー 8 回転子軸 9 マグスイッチ 10 可動接点 11 固定接点 12 ピニオン軸 13 リアブラケット 19 リターンばね 20 リングギア 101 焼結金属製軸受 102 焼結金属製軸受 103 樹脂軸受 104 樹脂軸受
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 弓山 茂 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所 自動車機器事業 部内 (56)参考文献 特開 平7−151041(JP,A) 特開 平6−229418(JP,A) 実開 昭61−105761(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 5/16,5/24 F02N 11/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高速で回転する回転子の軸である回転子
    軸の少なくとも一方の軸端を支える軸受が、ステータに
    嵌合されるリアブラケットによって支持される高速回転
    電機において、 前記ステータに嵌合されるリアブラケ
    ットによって支持される軸受は樹脂で形成された樹脂軸
    受であり、該樹脂軸受の外周面とリアブラケット軸受支
    持部内周面の間および樹脂軸受の内周面と回転子軸外周
    面の間にそれぞれ50〜150μmのクリアランスを設け、回
    転子軸が回転したときに樹脂軸受の外周面及び内周面が
    リアブラケット軸受支持部内周面、回転子軸外周面に対
    して双方にすべりを生ずるように構成したことを特徴と
    する高速回転電機。
  2. 【請求項2】 高速で回転する回転子の軸である回転子
    軸の少なくとも一方の軸端を支える軸受が、ステータに
    嵌合されるリアブラケットによって支持される高速回転
    電機において、 前記ステータに嵌合されるリアブラケットによって支持
    される軸受は燒結金属製軸受であり、該燒結金属製軸受
    の外周面とリアブラケット軸受支持部内周面の間および
    燒結金属製軸受の内周面と回転子軸外周面の間にそれぞ
    れ50〜150μmのクリアランスを設け、回転子軸が回転し
    たときに燒結金属製軸受の外周面及び内周面がリアブラ
    ケット軸受支持部内周面、回転子軸外周面に対して双方
    にすべりを生ずるように構成したことを特徴とする高速
    回転電機。
  3. 【請求項3】 高速で回転する回転子の軸である回転子
    軸の少なくとも一方の軸端を支える軸受が、ステータに
    嵌合されるリアブラケットによって支持される高速回転
    電機において、リア ブラケット軸受支持面および回転子軸の軸受面の間
    に同心の複数の性質の異なる材質で形成された軸受部か
    らなる軸受を構成し、該複数の軸受部のうち少なくとも
    1つは樹脂で形成されると共に、前記リアブラケット軸
    受支持面と軸受外周面との間、軸受を構成する各軸受部
    間および回転子軸の軸受面との間にクリアランスを設
    け、前記リアブラケット軸受支持面と軸受外周面との
    間、軸受を構成する各軸受部間および回転子軸の軸受面
    との間に滑りが生ずるように構成したことを特徴とする
    高速回転電機。
  4. 【請求項4】 高速で回転する回転子の軸である回転子
    軸の少なくとも一方の軸端を支える軸受が、ステータに
    嵌合されるリアブラケットによって支持される高速回転
    電機において、リア ブラケット軸受支持面および回転子軸の軸受面の間
    に同心の燒結金属で形成された複数の軸受部からなる軸
    受を構成し、前記リアブラケット軸受支持面と軸受外周
    面との間、軸受を構成する各軸受部間および回転子軸の
    軸受面との間にクリアランスを設け、前記リアブラケッ
    ト軸受支持面と軸受外周面との間、軸受を構成する各軸
    受部間および回転子軸の軸受面との間に滑りが生ずるよ
    うに構成したことを特徴とする高速回転電機。
  5. 【請求項5】 直流電動機、オーバーランニングクラッ
    チ付きピニオン、ピニオンを軸方向にシフトさせると共
    に前記直流電動機に通電するためのマグネットスイッチ
    とシフト機構を有する始動電動機であって、前記直流電
    動機の回転子軸の一方の軸端を支える軸受が、前記始動
    電動機の後端のリアブラケットによって支持されている
    内燃機関の始動電動機において、 前記軸受は樹脂で形成された樹脂軸受であり、 該樹脂軸受の外周面とリアブラケット軸受支持部内周面
    の間および樹脂軸受の内周面と回転子軸外周面の間にそ
    れぞれ50〜150μmのクリアランスを設け、回転子軸が回
    転したときに樹脂軸受の外周面及び内周面がリアブラケ
    ット軸受支持部内周面、回転子軸外周面に対して双方に
    すべりを生ずるように構成したことを特徴とする内燃機
    関の始動電動機。
  6. 【請求項6】 直流電動機、オーバーランニングクラッ
    チ付きピニオン、ピニオンを軸方向にシフトさせると共
    に前記直流電動機に通電するためのマグネットスイッチ
    とシフト機構を有する始動電動機であって、前記直流電
    動機の回転子軸の一方の軸端を支える軸受が、前記始動
    電動機の後端のリアブラケットによって支持されている
    内燃機関の始動電動機において、 前記軸受は燒結金属製軸受であり、 該燒結金属製軸受の外周面とリアブラケット軸受支持部
    内周面の間および燒結金属製軸受の内周面と回転子軸外
    周面の間にそれぞれ50〜150μmのクリアランスを設け、
    回転子軸が回転したときに燒結金属製軸受の外周面及び
    内周面がリアブラケット軸受支持部内周面、回転子軸外
    周面に対して双方にすべりを生ずるように構成したこと
    を特徴とする内燃機関の始動電動機。
  7. 【請求項7】 直流電動機、オーバーランニングクラッ
    チ付きピニオン、ピニオンを軸方向にシフトさせると共
    に前記直流電動機に通電するためのマグネットスイッチ
    とシフト機構を有する始動電動機であって、前記直流電
    動機の回転子軸の一方の軸端を支える軸受が、前記始動
    電動機の後端のリアブラケットによって支持されている
    内燃機関の始動電動機において、 リアブラケット軸受支持面および回転子軸の軸受面の間
    に同心の複数の性質の異なる材質で形成された軸受部か
    らなる軸受を構成し、該複数の軸受部のうち少なくとも
    1つは樹脂で形成されると共に、前記リアブラケット軸
    受支持面と軸受外周面との間、軸受を構成する各軸受部
    間および回転子軸の軸受面との間にクリアランスを設
    け、前記リアブラケット軸受支持面と軸受外周面との
    間、軸受を構成する各軸受部間および回転子軸の軸受面
    との間に滑りが生ずるように構成したことを特徴とする
    内燃機関の始動電動機。
  8. 【請求項8】 直流電動機、オーバーランニングクラッ
    チ付きピニオン、ピニオンを軸方向にシフトさせると共
    に前記直流電動機に通電するためのマグネットスイッチ
    とシフト機構を有する始動電動機であって、前記直流電
    動機の回転子軸の一方の軸端を支える軸受が、前記始動
    電動機の後端のリアブラケットによって支持されている
    内燃機関の始動電動機において、 リアブラケット軸受支持面および回転子軸の軸受面の間
    に同心の燒結金属で形成された複数の軸受部からなる軸
    受を構成し、前記リアブラケット軸受支持面と軸受外周
    面との間、軸受を構成する各軸受部間および回転子軸の
    軸受面との間にクリアランスを設け、前記リアブラケッ
    ト軸受支持面と軸受外周面との間、軸受を構成する各軸
    受部間および回転子軸の軸受面との間に滑りが生ずるよ
    うに構成したことを特徴とする内燃機関の始動電動機。
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