JP3239599B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

Info

Publication number
JP3239599B2
JP3239599B2 JP05728894A JP5728894A JP3239599B2 JP 3239599 B2 JP3239599 B2 JP 3239599B2 JP 05728894 A JP05728894 A JP 05728894A JP 5728894 A JP5728894 A JP 5728894A JP 3239599 B2 JP3239599 B2 JP 3239599B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
absorbent
exhaust
fuel ratio
exhaust gas
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP05728894A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07259542A (ja
Inventor
康 荒木
俊明 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP05728894A priority Critical patent/JP3239599B2/ja
Publication of JPH07259542A publication Critical patent/JPH07259542A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3239599B2 publication Critical patent/JP3239599B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の排気浄化装置
に関し、詳細には排気中の硫黄酸化物によるNOX 吸収
剤の被毒を防止する手段を備えた内燃機関の排気浄化装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】リーン空燃比の燃焼を行う内燃機関の排
気通路に、流入排気の空燃比がリーンのときにNOX
吸収し、流入排気中の酸素濃度が低下したときに吸収し
たNO X を放出するNOX 吸収剤を配置して排気中の窒
素酸化物(NOX )を吸収させ、NOX 吸収後に機関に
供給する燃料を増量して前記NOX 吸収剤に流入する排
気空燃比をリッチにすることにより前記NOX 吸収剤か
ら吸収したNOX を放出させるとともに放出されたNO
X を排気中の未燃HC、CO等の還元成分により還元浄
化する内燃機関の排気浄化装置が本願出願人により既に
提案されている(国際公開公報第WO93−7363号
参照)。
【0003】NOX 吸収剤は、上述のようにリーン空燃
比の排気中のNOX を吸収し、排気中の酸素濃度が低下
すると吸収したNOX を放出するNOX の吸放出作用を
行う。この吸放出作用については後に詳述するが、排気
中に硫黄酸化物(SOX )が存在するとNOX 吸収剤は
NOX の吸収作用を行うのと全く同じメカニズムで排気
中のSOX の吸収を行う。一般に機関の燃料、潤滑油に
は硫黄分が含まれているため機関排気中にはNOX とと
もにSOX が存在し、上記のように機関排気通路にNO
X 吸収剤を配置した場合にはNOX 吸収剤にはNOX
みならずSOXも吸収される。
【0004】ところが、NOX 吸収剤に吸収されたSO
X は時間が経過すると安定な硫酸塩を形成するため、通
常のNOX 吸収剤からのNOX の放出、還元浄化(以下
「NOX 吸収剤の再生」という)を行う条件では分解、
放出されにくくNOX 吸収剤内に蓄積されやすい傾向が
ある。NOX 吸収剤内のSOX 蓄積量が増大すると、N
X 吸収剤のNOX 吸収容量が減少して排気中のNOX
の除去を十分に行うことができなくなりNOX の浄化効
率が低下する、いわゆる硫黄被毒(SOX 被毒)が生じ
る問題がある。
【0005】このNOX 吸収剤のSOX 被毒を防止する
ために本願出願人は、NOX 吸収剤のSOX 吸収量が増
大したときに、NOX 吸収剤を通常再生時より高温に
し、かつ排気空燃比をリッチにして吸収したSOX を放
出させる構成(特願平4−216145号参照)や、或
いは流入する排気空燃比がリーンのときに排気中のSO
X を吸収し、流入する排気の酸素濃度が低下したときに
吸収したSOX を放出するSOX 吸収剤をNOX 吸収剤
の上流側の排気通路に配置して排気中のSOX がNOX
吸収剤に到達することを防止し、このSOX 吸収剤のS
X 吸収量が増大したときに排気空燃比をリッチにする
ことによりSOX 吸収剤から吸収したSO X を放出させ
るとともに放出されたSOX をリッチ空燃比下でNOX
吸収剤を通過させて、放出されたSOX がNOX 吸収剤
に再吸収されることを防止する構成(特願平4−324
279号参照)等を既に提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特願平
4−216145号のようにNOX 吸収剤に吸収された
SOX を高温かつリッチ空燃比の条件で放出させる場合
には、NOX 吸収剤の排気入口側に近い部分から放出さ
れたSOX はNOX 吸収剤内部を通過して下流側に排出
されることになる。また、後述のように、NOX 吸収剤
内のSOX 吸収量の分布は排気入口側になる程多くなっ
ているため、上記特願平4−216145号の構成では
放出されたSOX の大部分が、下流側に放出される前に
NOX 吸収剤内で比較的長い距離を移動することにな
る。
【0007】本来、リッチ空燃比雰囲気ではNOX 吸収
剤はSOX を吸収しないため上記のように放出されたS
X がNOX 吸収剤内を通過してもこのSOX がNOX
吸収剤に再吸収されることはないはずであるが、実際に
はNOX 吸収剤表面には流入する排気空燃比がリーンな
ときに酸素が吸着されているため、流入する排気の空燃
比がリッチになってもNOX 吸収剤表面全体は直ちに酸
素濃度が低下しない。このため、NOX 吸収剤入口側で
放出されたSOX がNOX 吸収剤内を通過する途中でN
X 吸収剤に再吸収されてしまう場合が生じる。
【0008】また、上記特願平4−324279号のよ
うに、NOX 吸収剤の上流側にSO X 吸収剤を設けた構
成では、SOX 吸収剤からのSOX 放出時に放出された
SO X がNOX 吸収剤中を通過するために上記と同様に
放出されたSOX がNOX 吸収剤に再吸収されてしまう
場合が生じる。このようにしてNOX 吸収剤にSOX
再吸収された場合でも、その後引き続きNOX 吸収剤に
流入する排気をリッチに維持することにより、吸収され
たNO X は安定した硫酸塩を生成する前にNOX 吸収剤
から離脱するが、SOX はNO X 吸収剤と極めて高い親
和性を呈するため、吸収されたSOX の全量をNOX
収剤から離脱させて下流側に排出するためには通常のN
X 吸収剤の再生に要する時間より大幅に長い時間排気
を高温かつリッチ空燃比に維持する必要がある。例え
ば、NOX 吸収剤の再生のためには数秒から数十秒、ま
たSOX 吸収剤からのSOX 放出のためには長くても1
分程度の時間排気空燃比をリッチに維持すれば足りる
が、上記によりNOX 吸収剤に吸収されたSOX の全量
が離脱してNO X 吸収剤NOX 吸収剤下流側に排出され
るためには最大10分程度排気を高温かつリッチ空燃比
に維持する必要がある。このため、NOX 吸収剤に吸収
されたSOX を完全に放出させることは実際の運転では
困難な場合が多く、NOX 吸収剤に吸収されたSOX
が次第に増加し、SOX 被毒が進行してしまう問題が生
じる。
【0009】本発明は、上記問題に鑑み、NOX 吸収剤
に流入する排気を高温かつリッチ空燃比に長時間保持す
ることを必要とせずに、効果的にNOX 吸収剤のSOX
被毒を防止することが可能な内燃機関の排気浄化装置を
提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
によれば、内燃機関の排気通路に配置された、排気空燃
比がリーンのときに流入する排気中の硫黄酸化物を吸収
し、流入する排気の酸素濃度が低下したときに吸収した
硫黄酸化物を放出する吸収剤と、前記吸収剤に排気中の
硫黄酸化物を吸収させるときには排気を第1の方向に吸
収剤中を通過させ、前記吸収剤から吸収した硫黄酸化物
を放出させるときには、排気を前記第1の方向と反対の
第2の方向に吸収剤中を通過させる逆洗手段と、前記逆
洗手段により前記第2の方向に排気を流すときに、吸収
剤に流入する排気の空燃比をリッチまたは理論空燃比と
する排気空燃比調節手段とを備えた内燃機関の排気浄化
装置が提供される。
【0011】また、請求項2に記載の本発明によれば、
請求項1において、前記逆洗手段は、前記吸収剤上流側
排気通路に設けられ前記吸収剤への排気の流入を略遮断
する排気切換弁と、該排気切換弁と吸収剤との間の排気
通路に接続可能な負圧源とを備え、前記排気空燃比調節
手段は、前記吸収剤下流側排気通路に還元剤を供給する
還元剤供給装置を備え、前記逆洗手段は、吸収剤に排気
中の硫黄酸化物を吸収させるときには前記排気切換弁を
開弁して吸収剤中を上流側から下流側に向けて排気を通
過させるとともに、吸収剤から硫黄酸化物を放出させる
ときには、前記排気切換弁を閉弁して前記負圧源を前記
排気通路に接続することにより吸収剤中を下流側から上
流側に向けて排気を通過させ、前記排気空燃比調節手段
は、吸収剤から硫黄酸化物を放出させるときに前記還元
剤供給装置から吸収剤下流側排気通路に還元剤を供給す
ることにより吸収剤に流入する排気の空燃比をリッチま
たは理論空燃比とする内燃機関の排気浄化装置が提供さ
れる。
【0012】さらに、請求項3に記載の本発明によれ
ば、請求項1において、前記排気空燃比調節手段は、吸
収剤から硫黄酸化物を放出させるときに前記内燃機関の
運転空燃比をリッチまたは理論空燃比に制御する空燃比
制御手段を備え、前記逆洗手段は、前記吸収剤の上流側
と下流側との一方を前記内燃機関の排気通路に選択的に
接続する第1の排気切換手段と、前記吸収剤の上流側と
下流側との一方を選択的に大気に開放する第2の排気切
換手段とを備え、吸収剤に排気中の硫黄酸化物を吸収さ
せるときには前記第1の排気切換手段により内燃機関の
排気通路を吸収剤の上流側に接続するとともに前記第2
の排気切換手段により吸収剤下流側を大気に開放し、吸
収剤から硫黄酸化物を放出させるときには前記第1の排
気切換手段により内燃機関の排気通路を吸収剤の下流側
に接続するとともに前記第2の排気切換手段により吸収
剤上流側を大気に開放する内燃機関の排気浄化装置が提
供される。
【0013】また、請求項4に記載の本発明によれば、
請求項1において、前記内燃機関の排気通路は、それぞ
れ大気に開放された2つの分岐通路を備えるとともに、
前記吸収剤は、前記2つの分岐通路上の分岐点から略等
距離にある部分を相互に接続する連通路上に配置され、
前記排気空燃比調節手段は、機関運転空燃比をリッチま
たは理論空燃比に制御する空燃比制御手段を備え、前記
逆洗手段は、前記連通路と前記分岐通路とのそれぞれの
接続部に設けられた、前記連通路を分岐通路の内燃機関
側と大気開放側との一方に選択的に接続する排気切換弁
を備え、機関がリーン空燃比で運転されるときには一方
の排気切換弁を前記連通路が分岐通路の内燃機関側に接
続される位置に、かつ他方の排気切換弁を前記連通路が
分岐通路の大気開放側に接続される位置に保持し、機関
がリッチまたは理論空燃比で運転されるときには、前記
それぞれの排気切換弁を機関リーン空燃比運転時とは逆
の接続位置に切り換える内燃機関の排気浄化装置が提供
される。
【0014】さらに、請求項5に記載の本発明では、請
求項4において、前記それぞれの排気切換弁は、前記連
通路を前記分岐通路の前記接続部上流側に連通する第1
のポートと、前記連通路を前記分岐通路の前記接続部下
流側に連通する第2のポートと、回動軸と、該回動軸ま
わりに回動して前記第1のポートと第2のポートとの一
方を選択的に閉鎖する板状の弁体とを備え、前記それぞ
れの排気切換弁の前記回動軸は、前記連通路の中心軸線
を含む同一の平面内に配置され、同一の排気切換弁にお
いては前記第1のポートと第2のポートとは前記平面に
対して互いに対称の位置に配置されるとともに、排気切
換弁相互間では、前記第1のポートと第2のポートとの
位置関係は前記平面に対して反対になるように配置され
ている内燃機関の排気浄化装置が提供される。
【0015】
【作用】以下、本発明の作用を図7から図8を用いて説
明する。図7は実際の内燃機関の排気通路に装着して一
定時間NOX の吸収と放出とを繰り返したNOX 吸収剤
について、化学分析によりNOX 吸収剤に吸収された硫
黄分の分布を測定した結果を示している。図7に示すよ
うに、NOX 吸収剤内に吸収された硫黄分の量は排気入
口側になるほど増大し、排気入口側部分に集中して蓄積
されていることが判る。
【0016】また、図8点線は、NOX 吸収剤に流入す
る排気空燃比をリッチにしたときに、NOX 吸収剤に吸
収されたSOX 量とSOX の放出が開始される温度との
関係を示している。図8点線に示すように、SOX の吸
収量が低い場合にはNOX 吸収剤からのSOX 放出が開
始される温度は極めて高くなっており、SOX の吸収量
が増大するにつれてSOX の放出が開始される温度は低
下して行く傾向がある。
【0017】NOX 吸収剤に吸収されたSOX は、吸収
剤表面に吸着され、ある程度時間が経過すると安定な硫
酸塩を形成するが、NOX 吸収剤の温度がある程度上昇
するとNOX 吸収剤表面に吸着されたSOX が表面から
離脱を始め、また硫酸塩も温度がある程度上昇すると分
解してSO2 の形でSOX を放出するため、NOX 吸収
剤からSOX が放出されるようになる。このため、本来
SOX の放出開始温度はNOX 吸収剤内のSOX 吸収量
には影響を受けないはずである。ところが、実際には図
8点線に示すようにSOX の放出開始温度はSOX の吸
収量が少ない程高くなっている。これは以下の理由によ
ると考えられる。
【0018】すなわち、図7に示すようにNOX 吸収剤
に吸収されたSOX はNOX 吸収剤入口に近い側から蓄
積されるため、SOX の吸収量が少ない間は吸収された
SO X は排気入口近傍に集中し、排気出口側近傍では殆
ど存在しない。この状態でNOX 吸収剤入口側からリッ
チ空燃比の排気を流しながらNOX 吸収剤温度を上昇さ
せると、SOX 吸収量が多い排気入口近傍ではある温度
でSOX が放出されるようになる。ところが、このよう
にして排気入口近傍で放出されたSOX はNO X 吸収剤
内を排気出口側に到達するためには、SOX 吸収量の少
ない部分を比較的長い距離移動する必要があり、移動中
にSOX 吸収量の少ないNOX 吸収剤部分に再吸収され
てしまいNOX 吸収剤の排気出口まで到達しない。この
ため、SOX 吸収量が少ない間はSOX 放出が開始され
る温度までNOX 吸収剤の温度を上げてもNOX 吸収剤
全体としてはSOX の放出は生じない。しかし、この状
態で更にNOX 吸収剤温度を上昇させると、NOX 吸収
剤内でのSOX の放出と再吸収との平衡が次第に放出側
にずれて放出量が再吸収量を上回るようになるため高温
ではNOX 吸収剤全体としてSOX が放出されるように
なる。
【0019】一方、NOX 吸収剤に吸収されたSOX
が増大すると次第にNOX 吸収剤の出口側でもSOX
蓄積量が増大するようになる。このため、出口に近い領
域でもSOX が放出されるようになるが、この領域で放
出されたSOX はNOX 吸収剤内の長い距離を移動する
ことなく出口に到達するため、再吸収されずに出口に到
達するSOX 量が増大する。また、NOX 吸収剤出口に
近い側ではSOX 吸収量が増大したため、比較的低い温
度でもSOX の放出量が再吸収量を上回るようになり、
放出されたSOX は再吸収されずに出口に到達しやすく
なる傾向が生じる。このため、図8点線に示すように、
NOX 吸収剤のSOX 吸収量が少ないうちは大幅に温度
を上昇させないとNOX 吸収剤からのSOX 放出が開始
されないが、SOX 吸収量が増大するにつれてSOX
出が開始される温度が低下する現象が生じるのである。
【0020】このことは、SOX 吸収量が比較的少ない
間はNOX 吸収剤から吸収したSO X を放出させること
は困難であり、通常の方法ではSOX 吸収量の増大(S
X被毒の進行)を防止し得ないことを意味している。
しかし、NOX 吸収剤のNO X 吸収能力を高く維持する
ためには、SOX 被毒が進行する前にNOX 吸収剤から
吸収したSOX を放出させる必要がある。
【0021】ところで、上述の説明から判るように、S
X 吸収量が低い間はNOX 吸収剤から吸収したSOX
を放出させることが困難な理由は、吸収されたSOX
大部分がNOX 吸収剤の排気入口付近に集中して蓄積さ
れており、この部分から放出されたSOX がNOX 吸収
剤のSOX 濃度が低い部分を通ってNOX 吸収剤出口ま
で長い距離を移動しなければならないためである。した
がって、NOX 吸収剤の入口付近で放出されたSOX
従来のようにNOX 吸収剤出口側ではなく、NOX 吸収
剤入口側に放出するようにすれば上記問題は解決できる
はずである。
【0022】すなわち、NOX 吸収剤からSOX を放出
させる場合に、SOX 吸収の際とは逆の向き(すなわ
ち、NOX 吸収剤の出口側から入口側に向けて)リッチ
空燃比の排気を流すようにすれば、NOX 吸収剤入口付
近で放出されたSOX はNOX吸収剤入口付近の短い距
離を移動するだけでNOX 吸収剤入口側に到達すること
になる、また、NOX 吸収剤入口付近ではNOX 吸収剤
中のSOX 濃度が高くなっており放出されたSOX は再
吸収されにくい。このため、NOX 吸収剤出口側から入
口側に向けて逆方向にリッチ空燃比の排気を流すように
することにより、NOX 吸収剤に再吸収されるSOX
は大幅に低減されることになる。
【0023】図8に実線で示したのは、図8点線と同じ
条件で排気を点線に示した場合と逆方向に流したときの
NOX 吸収剤からのSOX 放出開始温度を計測した結果
である。図8実線から判るように、排気を逆方向に流し
た場合にはSOX 放出開始温度はSOX の吸収量によら
ず低い温度で略一定になっている。すなわち、SOX
放出させる際に、SOX 吸収時の排気の流れ方向(順流
方向)とは逆の向き(逆流方向)に排気を流すことによ
り、SOX 吸収量が増大する前に容易に吸収したSOX
を放出させることが可能となる。
【0024】以上は、NOX 吸収剤について説明した
が、SOX 吸収剤を設けて排気中のSOX を除去するよ
うな構成において、SOX 吸収剤から吸収したSOX
放出させる際にも全く同様のことが当てはまる。本発明
は、上記に着目して、SOX を(またはNOX とともに
SOX を)吸収する吸収剤から吸収したSOX を放出さ
せる際に、SOX 吸収時とは逆方向に吸収剤中に排気を
流すことにより、排気をリッチ空燃比かつ高温に長時間
維持することなく吸収剤から効率的にSOX を放出させ
るものである。
【0025】すなわち、請求項1に記載の本発明では、
吸収剤からSOX を放出させるときに、逆洗手段により
排気はSOX 吸収時とは逆の方向に吸収剤中を流れ、同
時に排気空燃比調節手段により逆方向から吸収剤に流入
する排気空燃比はリッチまたは理論空燃比に維持される
ため吸収剤に吸収されたSOX は、放出後再吸収される
ことなく吸収剤入口側から吸収剤外部に放出される。
【0026】また、請求項2に記載の本発明では、逆洗
手段はSOX 放出時に、排気切換弁により吸収剤上流側
から流入する排気を略遮断し、更に負圧源を排気切換弁
と吸収剤との間の排気通路に接続することにより、吸収
剤上流側の排気通路内の圧力を低下させ、吸収剤中を下
流側から上流側に向かう排気流を生じさせる。また,こ
のとき、排気空燃比調節手段により吸収剤下流側には還
元剤が供給されるため、下流側から吸収剤中に流入する
排気の空燃比はリッチまたは理論空燃比となる。このた
め、吸収剤中をリッチ空燃比の排気が逆流して流れるの
で吸収剤にに吸収されたSOX が容易に放出される。
【0027】さらに、請求項3に記載の本発明では、逆
洗手段は第1と第2の排気切換弁により、SOX 吸収時
には吸収剤上流側を排気通路に接続し、下流側を大気に
開放し吸収剤上流側から下流側に向けて排気を流すとと
もに、SOX 放出時には吸収剤下流側を排気通路に接続
し、上流側を大気に開放する。これにより、SOX 放出
時には吸収剤内を下流側から上流側に向けて排気が流れ
る。また、排気空燃比調節手段はこの時内燃機関への燃
料供給量を増大して機関をリッチ空燃比で運転する。こ
のため、SOX 放出時には、吸収剤中をリッチ空燃比の
排気が逆流して流れるので吸収剤に吸収されたSOX
容易に放出される。
【0028】また、請求項4に記載の本発明では、排気
空燃比調節手段は、例えば機関運転条件に応じて機関運
転空燃比をリーンとリッチ空燃比との間で切り換える。
逆洗手段は、機関運転空燃比がリーン空燃比からリッチ
空燃比に切り換えられると、連通路両側に設けた排気切
換弁により連通路を通る排気の流れを逆向きに切り換え
る。これにより、リッチ空燃比運転時にはリーン空燃比
運転時と逆向きに吸収剤中を排気が流れるので、吸収剤
に吸収されたSOX が容易に放出される。また、連通路
接続部までの分岐通路長さは略等しいため、リーン空燃
比運転時とリッチ空燃比運転時とで排気通路の流路長さ
が略等しくなり、切換による排気抵抗の差が生じない。
【0029】さらに、請求項5に記載の本発明では、両
方の排気切換弁相互間では、第1のポートと第2のポー
トとは連通路中心軸線を含む平面に対して逆側に設けら
れているため、連通路両端の排気切換弁の切換動作途中
に第1のポートと第2のポートとの両方が連通路に開口
したときでも、それぞれの排気切換弁の第1のポートか
らもう一方の排気切換弁の第2のポートに向かう互いに
逆方向の2つの流れは交差しない。これにより、請求項
4の作用に加えて切換時に上記2つの流れが相互に干渉
して排気抵抗が増大することが防止される。
【0030】
【実施例】以下、添付図面を用いて本発明の実施例を説
明する。図1は、本発明をディーゼルエンジンの排気浄
化装置に適用した場合の実施例の1つを示している。本
実施例は、NOX 吸収剤の上流側にSOX を吸収するS
X 吸収剤を配置し、SOX 吸収剤によりSOX を除去
した排気をNOX 吸収剤に流入させるようにしてNOX
吸収剤のSOX 被毒を防止する構成を示しており、SO
X 吸収剤から吸収したSOX を放出させる際に、吸収時
とは逆方向に排気を流すようにしている。
【0031】図1において、1はディーゼルエンジン、
3はエンジン1の排気通路を示す。本実施例では、排気
通路3は2つの分岐通路3a、3bに分岐しており、そ
れぞれの分岐通路3a、3bには、上流側からSOX
収剤6a、6b、NOX 吸収剤7a、7bが設けられて
いる。また、分岐通路3a、3bは、NOX 吸収剤7
a、7bの下流側で再び合流した後大気に開放されてい
る。
【0032】分岐通路3a、3bの分岐部及び合流部に
は、それぞれ上流側排気切換弁4と下流側排気切換弁5
が設けられている。排気切換弁4、5は後述するエンジ
ン制御回路(ECU)20からの制御信号に応じて作動
し、エンジン1の排気の大部分を分岐通路3a、3bの
一方に導き、もう一方の分岐通路に流入する排気流量を
ゼロに近い値まで低減する。すなわち、図1に実線で示
す位置に排気切換弁4、5が切り換えられると、排気の
大部分は分岐通路3bを通過して流れ、分岐通路3aを
通る排気流量はゼロに近い値まで低減される。また、同
様に排気切換弁4、5が図1に点線で示す位置に切り換
えられると、分岐通路3bを通る排気流量はゼロに近い
値まで低減される。図1に4a、5aで示すのは、EC
U20の制御信号に応じて排気切換弁4、5を上記の切
換位置に動作させる、例えば負圧アクチュエータ、ソレ
ノイド等の適宜な形式のアクチュエータである。
【0033】また、図1に30で示すのは、SOX 吸収
剤6a、6bからのSOX 放出と、NOX 吸収剤7a、
7bの再生のために排気中に還元剤を供給する還元剤供
給装置である。還元剤供給装置30は、加圧容器、ポン
プ等の還元剤供給源30cを備え、分岐通路3a、3b
のSOX 吸収剤6a、6bとNOX 吸収剤7a、7bと
の間の部分に還元剤を噴射する還元剤供給ノズル8a、
8bとを備えている。また、図1に30dで示すのは、
ECU20の制御信号に応じてノズル8a、8bからの
還元剤噴射量を調節する制御弁である。
【0034】還元剤供給装置30から供給される還元剤
としては排気中でCO等の還元成分やHC成分を発生す
るものが使用され、本実施例では、例えば水素、一酸化
炭素等の還元性気体、プロパン、プロピレン、ブタン等
の気体または液体の炭化水素、ガソリン、軽油、灯油等
の液体燃料等が還元剤として使用できる。更に、本実施
例では各分岐通路3a、3bの排気切換弁4とSOX
収剤6a、6bとの間には排気入口ポート9a、9bが
設けられている。排気入口ポート9a、9bは、それぞ
れ三方弁12を介して排気ポンプ13の吸入口に接続さ
れている。また、排気ポンプ13の吐出口は下流側排気
切換弁5の下流側の合流排気通路に設けられた排気出口
ポート14に接続されている。排気ポンプ13を作動さ
せ、排気切換弁4により一方の分岐通路(例えば分岐通
路3a)への排気の流入を略遮断し、三方弁12を切り
換えてその分岐通路の排気入口ポート(9a)を排気ポ
ンプ13に接続させることにより、SOX 吸収剤(6
a)の上流側分岐通路(3a)内は負圧になり、排気は
SOX 吸収剤(6a)下流側からSOX吸収剤(6a)
内を逆流して流れ、排気入口ポート(9a)から三方弁
12、ポンプ13を通って下流側の排気出口ポート14
に排出される。
【0035】本実施例においては、排気切換弁4、5お
よび三方弁12、排気ポンプ13は請求項に記載した逆
洗手段を、また還元剤供給装置30は排気空燃比調節手
段をそれぞれ構成するものである。また、図1に20で
示すのはエンジン1の電子制御ユニット(ECU)であ
る。ECU30はCPU、RAM、ROM及び入力ポー
ト、出力ポートを相互に双方向バスで接続した公知の構
成のディジタルコンピュータからなる。ECU20はエ
ンジンの燃料噴射量制御等の基本制御を行うほか、本実
施例ではSOX 吸収剤6a、6bからのSOX 放出処理
とNOX 吸収剤7a、7bの再生操作の制御を行ってい
る。これらの制御のため、ECU30の入力ポートに
は、エンジン回転数、アクセル開度、吸入空気量、排気
温度等の信号がそれぞれ図示しないセンサから入力され
ており、また、出力ポートは還元剤供給装置30の制御
弁30dに接続され、ノズル8a、8bからの還元剤供
給量を制御している。
【0036】NOX 吸収剤7a、7bは例えばアルミナ
を担体とし、この担体上に例えばカリウムK,ナトリウ
ムNa ,リチウムLi ,セシウムCs のようなアルカリ
金属、バリウムBa , カルシウムCa のようなアルカリ
土類、ランタンLa ,イットリウムYのような希土類か
ら選ばれた少なくとも一つと、白金Pt のような貴金属
とが担持されている。このNOX 吸収剤は流入する排気
の空燃比がリーンの場合にはNOX を吸収し、酸素濃度
が低下するとNOX を放出するNOX の吸放出作用を行
う。
【0037】なお、上述の排気空燃比とは、ここではエ
ンジン燃焼室、吸気通路およびSO X 吸収剤6a、6b
またはNOX 吸収剤7a、7bに流入する排気中にそれ
ぞれ供給された空気量の合計と燃料及び還元剤の量との
合計の比を意味するものとする。従って、排気通路に燃
料や還元剤または空気が供給されない場合には排気空燃
比はエンジンの運転空燃比(エンジン燃焼室内の燃焼に
おける空燃比)と等しくなる。
【0038】本実施例では、ディーゼルエンジンが使用
されるため、通常運転時の排気空燃比はリーンであり、
NOX 吸収剤7a、7bは排気中のNOX の吸収を行
う。また、後述の操作によりNOX 吸収剤7a、7bに
還元剤が供給され排気空燃比がリッチまたは理論空燃比
になると、流入する排気中の還元剤がNOX 吸収剤7
a、7b上で燃焼し、排気中の酸素濃度が低下するた
め、NOX 吸収剤7a、7bは吸収したNOX の放出を
行う。
【0039】この吸放出作用の詳細なメカニズムについ
ては明らかでない部分もある。しかし、この吸放出作用
は図2に示すようなメカニズムで行われているものと考
えられる。次にこのメカニズムについて担体上に白金P
t およびバリウムBa を担持させた場合を例にとって説
明するが他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類、希
土類を用いても同様なメカニズムとなる。
【0040】すなわち、流入排気がかなりリーンになる
と流入排気中の酸素濃度が大巾に増大し、図2(A) に示
されるようにこれら酸素O2 がO2 - またはO2-の形で
白金Pt の表面に付着する。一方、流入排気中のNOは
白金Pt の表面上でこのO2 - またはO2-と反応し、N
2 となる(2NO+O2 →2NO2 ) 。次いで生成さ
れたNO2 の一部は白金Pt上で酸化されつつ吸収剤内
に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら図2
(A) に示されるように硝酸イオンNO3 - の形で吸収剤
内に拡散する。このようにしてNOX がNOX 吸収剤7
a、7b内に吸収される。
【0041】従って、流入排気の空燃比がリーンであり
排気中の酸素濃度が高い限り白金Pt の表面でNO2
生成され、吸収剤のNOX 吸収能力が飽和しない限りN
2が吸収剤内に吸収されて硝酸イオンNO3 - が生成
される。これに対して流入排気中の酸素濃度が低下して
NO2 の生成量が減少すると反応が逆方向(NO3 -
NO2 )に進み、吸収剤内の硝酸イオンNO3 - がNO
2 の形で吸収剤から放出される。すなわち、流入排気中
の酸素濃度が低下するとNOX 吸収剤7a、7bからN
X が放出されることになる。
【0042】一方、流入排気中にCO等の還元成分やH
C成分が存在すると、これらの成分は白金Pt 上の酸素
2 - またはO2-と反応して酸化され、排気中の酸素を
消費して排気中の酸素濃度を低下させる。また、排気中
の酸素濃度低下によりNOX吸収剤7a、7bから放出
されたNO2 は図2(B) に示すようにHC,COと反応
して還元される。このようにして白金Pt の表面上にN
2 が存在しなくなると吸収剤から次から次へとNO2
が放出される。従って流入排気中のHC,CO成分が存
在すると短時間のうちにNOX 吸収剤からNOX が放出
され、還元されることになる。
【0043】すなわち、流入排気中のHC,COは、ま
ず白金Pt 上のO2 - またはO2-と直ちに反応して酸化
され、次いで白金Pt 上のO2 - またはO2-が消費され
てもまだHC,COが残っていればこのHC,COによ
って吸収剤から放出されたNOX および機関から排出さ
れたNOX が還元される。次にNOX 吸収剤のSOX
毒のメカニズムについて説明する。
【0044】排気中にSOX 成分が含まれていると、N
X 吸収剤は上述のNOX の吸収と同じメカニズムで排
気中のSOX を吸収する。すなわち、排気空燃比がリー
ンのときには酸素O2 がO2 - またはO2-の形でNOX
吸収剤の白金Pt上に吸着されており、流入排気中のS
X (例えばSO2 )は白金Pt上で酸化されてSO 3
となる。次いで生成されたSO3 の一部は白金Ptの表
面で更に酸化されつつNOX 吸収剤内に吸収されて酸化
バリウムBaOと結合しながら、硫酸イオンSO4 2-
形で吸収剤内に拡散し硫酸塩BaSO4 を形成する。B
aSO4 は結晶が粗大化しやすく、比較的安定しやすい
ため一旦生成されると分解放出されにくい。このため、
時間の経過とともにNOX 吸収剤中のBaSO4 の生成
量が増大するとNOX の吸収に関与できるBaOの量が
減少してNOX の吸収能力が低下してしまう。
【0045】そこで、本実施例ではNOX 吸収剤7a、
7bに流入する排気中からSOX 成分を除去して、NO
X 吸収剤7a、7bのSOX 被毒を防止するために、流
入する排気の空燃比がリーンのときにSOX を吸収し、
流入する排気の酸素濃度が低下すると吸収したSOX
放出するSOX 吸収剤6a、6bをNOX 吸収剤7a、
7bの上流に配置している。このSOX 吸収剤6a、6
bは流入する排気の空燃比がリーンのときにはNOX
ともに排気中のSOX をも吸収するが、流入する排気の
酸素濃度が低下すると吸収したNOX とともにSOX
放出する。
【0046】SOX 吸収剤6a、6bは、吸収したSO
X が流入する排気の酸素濃度が低下したときに放出され
やすいように、吸収したSOX を硫酸イオンSO4 -
形で、或いは硫酸塩が生成されたとしても硫酸塩が安定
しない状態で吸収剤内に保持するものである必要があ
る。これを可能とするSOX 吸収剤としては、アルミナ
の担体上に鉄Fe、銅Cu、マンガンMn、ニッケルN
i、錫Sn、チタンTi及びリチウムLiのような金属
から選ばれた少なくとも一つを担持した構成のものがあ
り、アルミナからなる担体上にリチウムLiを担持した
ものが最も好ましいことが判明している。
【0047】このSOX 吸収剤では、流入する排気空燃
比がリーンのときに排気中のSO2が吸収剤の表面で酸
化されつつ硫酸イオンSO4 2-の形で吸収剤内に吸収さ
れ拡散するが、この場合SOX 吸収剤の担体上に白金P
tを担持させておくとSO2がSO3 2-の形で白金Pt
上に付着しやすくなり、これによりSO2 が硫酸イオン
SO4 2-の形で吸収剤内に吸収されやすくなる。従っ
て、排気中のSO2 の吸収を促進するためにはSOX
収剤5の担体上に白金Ptをも担持させることが好まし
い。このようなSOX 吸収剤6a、6bをNOX 吸収剤
7a、7bの上流側の排気通路に配置することにより、
排気の空燃比がリーンのときには排気中のSOX がSO
X 吸収剤6a、6bに吸収され、下流側のNOX 吸収剤
7a、7bにはNOX のみが吸収される事になる。
【0048】ところで、SOX 吸収剤は、NOX 吸収剤
の場合に較べて比較的容易に吸収したSOX が放出され
るが、前述のように排気を逆流させることにより、より
短時間で完全に吸収したSOX を放出させることが可能
となる。また、SOX 吸収時と同じ方向に排気を流して
SOX 吸収剤からSOX を放出させたのでは、放出され
たSOX は下流側のNOX 吸収剤に流入し、NOX 吸収
剤に吸収されてしまう。そこで、本実施例では、SOX
吸収剤6a、6bからSOX を放出させるときには、S
X 吸収剤中を逆流方向に排気を流すことにより、SO
X 吸収剤からのSOX 放出を短時間で行うとともに、放
出されたSOX によりNOX 吸収剤にSOX 被毒を生じ
ることを防止している。
【0049】次に、本実施例の装置の作動について説明
する。本実施例では、一方の分岐通路のSOX 吸収剤と
NOX 吸収剤とで排気中のSOX とNOX とを吸収して
いる間に、他方の分岐通路のSOX 吸収剤からのSO X
放出処理とNOX 吸収剤の再生操作とを行う。すなわ
ち、運転中は分岐通路3aと3b上の吸収剤を交互に再
生する操作をおこない、一方の分岐通路上の吸収剤の再
生時にも排気の流れを阻害しないようにしている。以
下、分岐通路3b上のSOX 吸収剤6bとNOX 吸収剤
7bの再生処理について説明するが、SOX吸収剤6
a、NOX 吸収剤7a、の処理も同様におこなわれる。
【0050】先ず、排気中のSOX とNOX の吸収につ
いて説明する。この場合、、排気切換弁4、5は図1の
実線の位置に切り換えられ、排気の略全量が分岐通路3
b側のSOX 吸収剤6bとNOX 吸収剤7bを通過す
る。このとき、三方弁12は排気入口ポート9aとポン
プ13とを接続する位置に切換られており、排気入口ポ
ート9bはポンプ13には接続されておらず、また、還
元剤供給ノズル8bからの還元剤供給は停止される。こ
れにより、分岐通路3bに流入する排気は、先ずSOX
吸収剤6bを通過して、排気中のSOX 成分が除去さ
れ、次いでNOX 吸収剤7bを通過して排気中のNOX
成分が除去された後、大気に放出される。このように、
NOX 吸収剤7bに流入する排気中のSOX 成分を予め
上流側のSOX 吸収剤6bで除去することにより、NO
X 吸収剤7bのSOX 被毒が防止され、常にNOX 吸収
能力が高い状態に維持することができる。
【0051】次いで、吸収剤からのSOX とNOX の放
出について説明する。本実施例では、先ずSOX 吸収剤
からのSOX 放出操作を行ってからNOX 吸収剤の再生
操作を行う。この場合、先ず排気切換弁4、5が図1の
点線の位置に切換られ、分岐通路3bに流入する排気流
量は大幅に低減される。次いで、この状態でポンプ13
を作動し、三方弁12により排気入口ポート9bをポン
プ13に接続する。これにより、排気切換弁4を通過し
てくる少量の排気と、SOX 吸収剤6b上流側の分岐通
路内の排気がポンプに吸引されて排気出口ポート14か
ら排出されるため、SOX 吸収剤6b上流側の分岐通路
内が負圧になり、下流側排気切換弁5の弁隙間を通って
下流側から排気が吸入され、NOX 吸収剤7bとSOX
吸収剤6b内を下流側から上流側に向けて通過して排気
入口ポートに向かう排気の流れが生じる。また、この
時、還元剤供給ノズル8bからは還元剤がSOX 吸収剤
6bに流入する排気中に噴射される。これにより、SO
X 吸収剤6bに流入する排気空燃比はリッチになり、S
X 吸収剤6b内をリッチ空燃比の排気が逆流して流れ
るため、SOX 吸収剤6bからは吸収したSOX が放出
される。このSOX は排気とともに、排気入口ポート9
bから吸い出されて、ポンプ13を通って下流側の排気
出口ポート14に排出されるため、放出されたSOX
よりNOX 吸収剤7bが被毒することが防止される。ま
た、SOX 吸収剤6b内を逆流方向に排気を通過させる
ことにより、SOX 吸収剤から短時間で完全にSOX
放出させることができる。
【0052】また、この状態では、分岐通路3b内を逆
流方向に通過する排気の流量は少なく、流速は比較的遅
いため還元剤供給ノズル9bから供給された還元剤の一
部は排気中を拡散して、NOX 吸収剤7bに到達する。
このため、NOX 吸収剤7bの上流側付近では吸収した
NOX (及び、NOX 吸収時にSOX 吸収剤6bを通過
してNOX 吸収剤7bに吸収された微量のSOX )が放
出される。
【0053】上記により、SOX 吸収剤6bからのSO
X の放出が完了すると、次いでNO X 吸収剤7bからの
NOX の放出及び還元浄化(再生)操作がおこなわれ
る。NOX 吸収剤7bの再生時には、排気切換弁4、5
の位置及び還元剤供給ノズル8bからの還元剤供給はそ
のままの状態に維持したままで、三方弁12を切り換え
て排気入口ポート9bを閉鎖し、ポンプ13を停止す
る。これにより、上流側排気切換弁4を通過してきた少
量の排気は、ポンプ13に吸引されずにSOX吸収剤6
bに流入するようになり、分岐通路3bには順流方向に
排気が流れるよになる。このため、還元剤供給ノズル8
bから噴射された還元剤は排気とともにNOX 吸収剤7
b内に流入し、NOX 吸収剤7bには上流側からリッチ
空燃比の排気が供給される。これにより、NOX 吸収剤
7bから吸収したNOX が放出され、還元剤により還元
浄化される。
【0054】上記のNOX 吸収剤7bの再生終了後は、
還元剤の供給が停止され、次回の吸収に備えて排気切換
弁4、5はこのままの状態に保持される。また、分岐通
路3a側の吸収剤のSOX とNOX の吸収量が増大する
と、上記の操作が分岐通路3a側に繰り返される。本実
施例によれば、NOX 吸収剤7a、7bの上流側に設け
たSOX 吸収剤6a、6bにより、NOX 吸収剤7a、
7bのSOX 被毒が完全に防止されるとともに、SOX
吸収剤6a、6bからのSOX の放出を短時間で効率て
きに行うことが可能となる。
【0055】なお、上記の実施例では、ポンプ13と排
気入口ポート9a、9bとの接続を三方弁12により切
り換えているが、三方弁12の代わりに、それぞれのポ
ート9a、9bとポンプ13とを接続する配管に個別に
遮断弁を設けるようにして、この遮断弁を交互に開閉し
て接続を切り換えても良い。また、上記実施例では、S
X 放出処理終了後はポンプ13を停止しているが、三
方弁12を切り換えるだけで、ポンプ13の作動を継続
させてもよい。さらに、この場合、ポンプ13の過熱を
防止するために、ポンプ13入口側の負圧が所定値以上
になったときに大気を吸い込むようにした負圧制御弁を
設けるようにしても良い。
【0056】次に、図3を用いて本発明の別の実施例を
説明する。本実施例では、NOX 吸収剤の上流側にSO
X 吸収剤を配置せず、NOX 吸収剤に排気中のNOX
ともにSOX をも吸収させ、その代わりにNOX 吸収剤
の再生時に吸収したSOX を完全に放出させることによ
りNOX 吸収剤のSOX 被毒を防止している。
【0057】図3において、図1と同一の参照符号は同
一の要素を示している。本実施例では、SOX 吸収剤は
設けられておらず、NOX 吸収剤は分岐通路3a側にの
み設けられている。すなわち、分岐通路3bはNOX
収剤7aをバイパスする排気通路として機能する。ま
た、排気入口ポート9aは遮断弁12aを介して排気ポ
ンプ13に接続されており、ポンプ13入口側には前述
の負圧制御弁17が設けられている。さらに、分岐通路
3a、3bの合流部下流の排気通路にはリーン排気空燃
比条件下で排気中のNOX を還元剤と選択的に反応させ
得る選択還元触媒21が配置されている。選択還元触媒
21としては例えば、ゼオライトZSM−5にCu等の
金属をイオン交換して担持させたものが用いられる。選
択還元触媒21はリーン雰囲気下で適量の還元成分が存
在するとNOX を還元してN2 に転換することができる
ものである。
【0058】本実施例では、NOX 吸収時は排気切換弁
4、5により排気の全量を分岐通路3a側に流し、排気
中のNOX をNOX 吸収剤7aに吸収させる。このと
き、NOX とともに、排気中のSOX もNOX 吸収剤7
aに吸収される。また、NOX吸収後の排気は下流側排
気通路3に流入し、選択還元触媒21を通過して大気に
放出される。
【0059】また、本実施例では、NOX 吸収剤7aか
らのNOX の放出、還元と同時にSOX の放出処理を行
う。すなわち、NOX 吸収剤7aの再生時には、図1の
場合と同様に排気切換弁4、5を切り換えて、排気の略
全量を分岐通路3b側に流し、分岐通路3aに流入する
排気量を低減する。そして、遮断弁12aを開弁して排
気入口ポート9aからNOX 吸収剤7a上流側の分岐通
路3a内の排気を吸引する。これにより、下流側の排気
切換弁5から分岐通路3a内に排気が流入し、NOX
収剤7a内を逆流方向に通過する排気の流れが生じる。
また、このとき還元剤供給ノズル8aからはNOX 吸収
剤7aに流入する排気に還元剤が供給されるため、NO
X 吸収剤7a内には、NOX (及びSOX )吸収時とは
逆の方向にリッチ空燃比の排気が流れる。このため、N
X 吸収剤7aからは吸収したNOX が放出され、還元
剤により還元浄化されるとともに、吸収したSOX がS
2 の形で短時間のうちに排気入口ポート9a側に放出
される。このため、NOX吸収剤の通常の再生操作に要
する時間と同程度の時間でNOX 吸収剤の再生とSOX
の放出とを同時に行うことができる。
【0060】上記により放出されたSOX は、ポンプ1
3により分岐通路3bに設けられた排気出口ポート14
から放出される。このため、NOX 吸収剤7a再生時に
は、機関1から排出された排気中のNOX とSOX 及び
NOX 吸収剤7aから放出されたSOX とが下流側の選
択還元触媒21に流入する。しかし、NOX 吸収剤7a
を通過して排気入口ポート9aに流入する排気中には、
ノズル8aから供給された還元剤の一部が含まれるた
め、選択還元触媒21では、この還元剤により機関1か
ら排出されたNOX が還元浄化される。また、選択還元
触媒21は排気中のSOX との親和力が強い白金Ptを
含まないため、排気中のSOX は選択還元触媒21には
吸収されず、これにより選択還元触媒21にSOX 被毒
を生じることはない。
【0061】上述のように本実施例によれば、NOX
収剤の上流側にSOX 吸収剤を設けることなく、通常の
再生操作中に、NOX 吸収剤から吸収したSOX を放出
させ、SOX 被毒を防止することが可能となる。次に、
図4を用いて本発明をリーン空燃比運転を行うガソリン
エンジンに適用した場合について説明する。
【0062】本実施例では、還元剤供給装置は設けてお
らず、エンジンへの燃料供給量を増大して、エンジンの
運転空燃比をリーン空燃比からリッチまたは理論空燃比
に切り換えることにより、NOX 吸収剤に流入する排気
空燃比をリッチまたは理論空燃比にする。すなわち、エ
ンジンの運転空燃比がリーン空燃比からリッチまたは理
論空燃比切り換えられると、排気中の酸素濃度は大幅に
低下するとともに、エンジンから排出される未燃HC、
CO等の成分が増大する。このため、NOX 吸収剤から
はNOX が放出されるとともに放出されたNOX が排気
中の未燃HC、CO等により還元浄化される。
【0063】図4において、41は希薄燃焼などのリー
ン空燃比運転を行うエンジン、43はエンジン41の排
気通路、47は排気通路43に配置されたNOX 吸収剤
を示す。また、排気通路43のNOX 吸収剤47上流側
および下流側にはそれぞれ上流側遮断弁44、下流側遮
断弁45が設けられ、排気通路43を閉塞するようにな
っている。また、図4に43aで示したのは、上流側遮
断弁44のさらに上流側の排気通路43部分と、排気通
路43のNOX 吸収剤47と下流側遮断弁45との間の
部分とを接続する排気切換通路である。排気切換通路4
3aには、この排気切換通路43aを開閉する遮断弁4
6が設けられている。
【0064】さらに、上流側遮断弁44とNOX 吸収剤
47との間の排気通路43部分には、大気に連通する排
気切換通路43bが接続され、排気切換通路43b上に
は、この排気通路43bを開閉する遮断弁48が設けら
れている。図4に44a、45a、46a、48aで示
したのは、エンジン制御回路20からの制御信号に応じ
て遮断弁44、45、46、48を開閉駆動する、負圧
アクチュエータ等の適宜な形式のアクチュエータであ
る。
【0065】また、図4に20で示すのは、図1と同様
なエンジン制御回路(ECU)である。本実施例では、
ECU20は、図示しない燃料噴射弁を制御して、エン
ジン41に供給される燃料量を運転状態に応じて制御す
るとともに、NOX 吸収剤47の再生時にはエンジンへ
の燃料供給量を増量してエンジン運転空燃比をリッチ
(または理論空燃比)に切り換える操作を行うととも
に、遮断弁44から46及び48を切り換えて、NOX
吸収剤47中を逆流方向に排気を流す操作を行う。すな
わち、本実施例では、ECU20は排気空燃比調節手段
として、また、排気切換通路43a、43b、及び遮断
弁44から46、48は逆洗手段として、それぞれ機能
する。
【0066】次に、本実施例の排気浄化装置の作動につ
いて説明する。本実施例では、ECU20は、エンジン
をリーン空燃比で運転している時には、遮断弁46と4
8とを閉弁し、遮断弁44と45とを開弁する。これに
より、エンジン排気は、排気通路43からNOX 吸収剤
47を通過して流れ、排気中のNOX がNOX 吸収剤4
7に吸収される。このとき、排気中のSOX も、NOX
とともにNOX 吸収剤47に吸収される。
【0067】NOX 吸収剤47から吸収したNOX とS
X とを放出させる際には、ECU20は遮断弁46と
48とを開弁し、遮断弁44と45とを閉弁する。これ
により、排気通路43の排気は排気切換通路43aか
ら、NOX 吸収剤47の下流側に供給され、NOX 吸収
剤47内を下流側から上流側に向けて通過して排気切換
通路43bから排出される。また、このとき同時にEC
U20はエンジン41への燃料供給量を増大して、エン
ジン41をリッチ空燃比で運転する。
【0068】これにより、NOX 吸収剤47中をリッチ
空燃比の排気が、SOX (及びNO X )吸収時とは逆の
方向に通過することになり、NOX 吸収剤47からNO
X が放出され、排気中の未燃HC、CO等により還元浄
化される。また、逆流方向の排気流により、NOX 吸収
剤47に吸収されたSOX が短時間で放出される。本実
施例によれば、前述の実施例のように還元剤供給装置や
排気ポンプ等を必要とせずに簡易にNOX 吸収剤からの
SOX 放出を行うことができる。また、本実施例では、
エンジン運転空燃比そのものがリッチ空燃比に切り換え
られ、排気の全量をNOX 吸収剤に通過させることがで
きるため、SOX 放出時の排気の空間速度(SV)を高
く維持することができるためSOX 放出をさらに効果的
に行うことができる。
【0069】なお、図4の実施例では、ECU20はN
X 吸収剤の再生を行うためにエンジン41の空燃比を
リーンからリッチに切り換えているが、例えば、希薄燃
焼を行うエンジンなどでは、機関負荷が増大する領域で
はリッチ空燃比運転を行うのが通常である。そこで、図
4の実施例において、通常時は機関運転条件の変化によ
りエンジン空燃比がリーンからリッチに切り換えられる
毎に遮断弁43から46、47を切り換えてNOX 吸収
剤の再生とSOX 放出とを行うようにするとともに、機
関運転条件によりリーン空燃比運転が長時間続いたとき
には強制的にエンジン運転空燃比をリッチ空燃比に切り
換えて上記再生操作を行うようにしてもよい。
【0070】また、図4の実施例ではNOX 吸収剤の再
生を行う際に、常にNOX 吸収剤内を逆流方向に排気を
流して同時にSOX の放出を行っていたが、エンジンの
排気、特にガソリンエンジンの排気に含まれるSOX
は極めて僅かであるため、NOX 吸収剤の再生と同一の
頻度でSOX の放出操作を行う必要はない。そこで、図
4の実施例において、通常のNOX 吸収剤再生時には吸
収時と同じ順流方向に排気を流したままエンジン空燃比
をリッチにすることによりNOX 吸収剤47の再生を行
い。例えば、加速時や高負荷時等のようにエンジン排気
温度が上昇し、かつ機関運転空燃比がリッチになる状態
が生じたとき、すなわち、排気の状態がSOX 放出に有
利なリッチかつ高温になったときにのみ、遮断弁43か
ら46、48を切り換えて、NOX 吸収剤47中を逆流
方向に排気を流してSOX を放出させても良い。
【0071】次に、図5に本発明の更に別の実施例を示
す。本実施例も、図4の実施例と同様にエンジンの運転
空燃比をリーンからリッチに切り換えることにより、N
X 吸収剤に流入する排気空燃比をリッチにする場合を
示している。図5において、51は希薄燃焼等のリーン
空燃比運転を行うガソリンエンジン、53はエンジン5
1の排気通路を示す。本実施例では、エンジン1の排気
通路は2つの分岐通路53a、53bに分岐しており、
この分岐通路53a、53b下流側はそれぞれ大気に開
放されている。
【0072】また、分岐通路53a、53bの排気通路
からの分岐点から略等距離ある部分は、互いに連通路5
5により接続されており、NOX 吸収剤57はこの連通
路55上に配置されている。また、連通路55と分岐通
路53a、53bとの接続部56a、56bには、それ
ぞれ排気切換弁58a、58bが設けられている。排気
切換弁58a、58bは、本実施例では図5に示すよう
に、それぞれ回動軸581a、581bのまわりを回動
する板状の弁体582a、582b及び、エンジン制御
回路(ECU)20からの制御信号に応じて回動軸58
1a、581bを駆動する負圧アクチュエータなどの適
宜な形式のアクチュエータ583a、583bを備えて
いる。
【0073】本実施例では、排気切換弁58a、58b
を切り換えることにより、NOX 吸収剤57を流れる排
気の方向を逆転させる。すなわち、図5に実線で示す位
置に排気切換弁58a、58bの弁体582a、582
bが切り換えられると、接続部56aでは、分岐通路5
3aの接続部より下流側(大気開放側)の部分532a
は連通路55から遮断され、連通路55は分岐通路53
aの接続部より上流側(エンジン側)の部分531aに
接続され、同様に、接続部56bでは、連通路は分岐通
路53bの上流側部分531bから遮断され、下流側部
分532bに接続される。これにより、排気は分岐通路
53aの上流側部分531aから連通路55に流入し、
NOX 吸収剤57を通過して分岐通路53bの下流側部
分532bを通って排出される。
【0074】一方、図5に点線で示す位置に排気切換弁
58a、58bが切り換えられると、排気は分岐通路5
3bの上流側部分531bから連通路に流入し、NOX
吸収剤57を上記とは逆方向に通過して分岐通路53a
の下流側部分532bを通って排出される。本実施例で
は、ECU20はエンジン負荷等の運転条件に応じてエ
ンジン51への燃料供給量を増大し、エンジンの運転空
燃比をリーンとリッチまたは理論空燃比との間で切り換
える。また、ECU20はリーン空燃比での運転を行う
ときには、排気切換弁58a、58bを例えば図5に実
線で示した位置に保持する。これにより、NOX 吸収剤
57には、接続部56a側から接続部56b側に向けて
リーン空燃比の排気が通過し、排気中のNOX (及びS
X )がNOX 吸収剤57中に吸収される。
【0075】また、ECU20は、エンジン51の運転
空燃比をリッチ空燃比に切り換えるときには、排気切換
弁58a、58bをそれぞれ上記とは逆の位置(図5、
点線の位置)に切り換える。これにより、NOX 吸収剤
57には吸収時とは逆の向きに(接続部56bから接続
部56aに向けて)リッチ空燃比の排気が流れるためN
X 吸収剤57の再生とSOX 放出とが同時に行われ
る。
【0076】本実施例によれば、図4の実施例に較べて
少ない数の弁でNOX 吸収剤内の排気の流れを切り換え
ることができるため、装置が小型化される利点がある。
また、接続部56a、56bを分岐通路53a、53b
の分岐点から略等距離に設けたことにより、排気の流れ
方向を切り換えても排気流路長は変化せず、排気抵抗が
変動しないため、切換によるエンジン出力の変化を少な
くすることができる利点がある。
【0077】図6は、図5の排気切換弁58a、58b
の別の構成例を示す。本実施例では、排気切換弁58
a、58bの弁体の回動軸581a、581bは連通路
55の中心軸線551を含む同一の平面上に配置されて
おり、各排気切換弁58a、58bにおいて、分岐通路
上流側部分との接続ポート588a、588bと下流側
部分との接続ポート589a、589bとは上記平面に
対して略対称の位置に配置されている。また、本実施例
では、排気切換弁58aの、上記接続ポート588aと
589aは、上記平面に対して、それぞれ排気切換弁5
8bの上記接続ポート589b、588bと同じ側に設
けられている。すなわち、排気切換弁58aのポート5
88a、589aの配置は、排気切換弁58bのポート
588b、589bの配置と逆になっている。
【0078】排気切換弁58a、58bは、切換作動時
に弁体582a、582bの移動に伴って一時的に分岐
通路の上流側部分(531a、532a)と下流側部分
(532a、532b)が同時に連通路55に接続され
てしまう期間が生じる。このような場合、58aのポー
ト588aから弁58bのポート589bに向かう排気
の流れと、弁58bのポート588bから弁58aのポ
ート589aに向かう排気の流れとの互いに逆方向の2
つの流れが連通路55内に同時に生じることになる。
【0079】ところが、図5の実施例のように、弁58
aのポート588aと弁58bのポート588b、及
び、弁58bのポート588bと弁58aのポート58
9aが、連通路55の中心軸線を含む平面に対してそれ
ぞれ同じ側に設けられていると、上記2つの流れは連通
路55内で交差し、相互に干渉し合うため連通路55の
排気抵抗が一時的に大きくなってしまい、切換時にエン
ジン出力が変動する問題が生じる。
【0080】これに対して、本実施例では図6に示すよ
うに、排気切換弁58a、58bの弁体の回動軸581
a、581bを連通路55の中心軸線551を含む同一
の平面上に配置し、排気切換弁のポート588aと58
8b及び、ポート589aと589bがそれぞれ中心軸
線551を含む平面に対して逆側にくるように配置して
いるため、上記2つの流れは連通路55内で平行になり
交差しない。このため、排気切換弁の切換動作時にも排
気抵抗が増大せず、出力変動が生じることが防止され
る。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、吸収剤からSOX を放
出させる際に、吸収剤内を、SOX 吸収時とは逆の方向
に排気を通過させることにより、短時間で効果的に吸収
剤からSOX を放出させることが可能となるため、NO
X 吸収剤のSOX 被毒によるNOX 吸収能力低下を完全
に防止できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す図である。
【図2】NOX 吸収剤のNOX の吸放出作用を説明する
図である。
【図3】本発明の一実施例の構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施例の構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施例の構成を示す図である。
【図6】本発明の一実施例の構成を示す図である。
【図7】本発明の作用を説明する図である。
【図8】本発明の作用を説明する図である。
【符号の説明】
1…エンジン本体 3…排気通路 4,5,…排気切換弁 6a,6b…SOX 吸収剤 7a,7b…NOX 吸収剤 12…三方弁 13…排気ポンプ 20…エンジン制御回路 30…還元剤供給装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01J 38/10 ZAB F01N 3/10 ZABA F01N 3/08 ZAB 3/24 E 3/10 ZAB R 3/24 ZABC F02D 41/04 305Z ZAB 43/00 301E F02D 41/04 305 301Z 43/00 301 B01D 53/36 ZAB 101B (56)参考文献 特開 平6−66129(JP,A) 特開 昭62−159716(JP,A) 特開 平1−182518(JP,A) 特開 平5−179928(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01N 3/08 - 3/24 B01D 53/14 B01D 53/86 B01D 53/94 B01J 38/10 F02D 41/04 F02D 43/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路に配置された、排気
    空燃比がリーンのときに流入する排気中の硫黄酸化物を
    吸収し、流入する排気の酸素濃度が低下したときに吸収
    した硫黄酸化物を放出する吸収剤と、 前記吸収剤に排気中の硫黄酸化物を吸収させるときには
    排気を第1の方向に吸収剤中を通過させ、前記吸収剤か
    ら吸収した硫黄酸化物を放出させるときには、排気を前
    記第1の方向と反対の第2の方向に吸収剤中を通過させ
    る逆洗手段と、 前記逆洗手段により前記第2の方向に排気を流すとき
    に、吸収剤に流入する排気の空燃比をリッチまたは理論
    空燃比とする排気空燃比調節手段とを備えた内燃機関の
    排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 前記逆洗手段は、前記吸収剤上流側排気
    通路に設けられ前記吸収剤への排気の流入を略遮断する
    排気切換弁と、該排気切換弁と吸収剤との間の排気通路
    に接続可能な負圧源とを備え、 前記排気空燃比調節手段は、前記吸収剤下流側排気通路
    に還元剤を供給する還元剤供給装置を備え、 前記逆洗手段は、吸収剤に排気中の硫黄酸化物を吸収さ
    せるときには前記排気切換弁を開弁して吸収剤中を上流
    側から下流側に向けて排気を通過させるとともに、吸収
    剤から硫黄酸化物を放出させるときには、前記排気切換
    弁を閉弁して前記負圧源を前記排気通路に接続すること
    により吸収剤中を下流側から上流側に向けて排気を通過
    させ、 前記排気空燃比調節手段は、吸収剤から硫黄酸化物を放
    出させるときに前記還元剤供給装置から吸収剤下流側排
    気通路に還元剤を供給することにより吸収剤に流入する
    排気の空燃比をリッチまたは理論空燃比とする請求項1
    に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 前記排気空燃比調節手段は、吸収剤から
    硫黄酸化物を放出させるときに前記内燃機関の運転空燃
    比をリッチまたは理論空燃比に制御する空燃比制御手段
    を備え、 前記逆洗手段は、前記吸収剤の上流側と下流側との一方
    を前記内燃機関の排気通路に選択的に接続する第1の排
    気切換手段と、前記吸収剤の上流側と下流側との一方を
    選択的に大気に開放する第2の排気切換手段とを備え、
    吸収剤に排気中の硫黄酸化物を吸収させるときには前記
    第1の排気切換手段により内燃機関の排気通路を吸収剤
    の上流側に接続するとともに前記第2の排気切換手段に
    より吸収剤下流側を大気に開放し、吸収剤から硫黄酸化
    物を放出させるときには前記第1の排気切換手段により
    内燃機関の排気通路を吸収剤の下流側に接続するととも
    に前記第2の排気切換手段により吸収剤上流側を大気に
    開放する請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 【請求項4】 前記内燃機関の排気通路は、それぞれ大
    気に開放された2つの分岐通路を備えるとともに、前記
    吸収剤は、前記2つの分岐通路上の分岐点から略等距離
    にある部分を相互に接続する連通路上に配置され、 前記排気空燃比調節手段は、機関運転空燃比をリッチま
    たは理論空燃比に制御する空燃比制御手段を備え、 前記逆洗手段は、前記連通路と前記分岐通路とのそれぞ
    れの接続部に設けられた、前記分岐通路の接続部上流側
    と下流側との一方を選択的に前記連通路に接続する排気
    切換弁を備え、機関がリーン空燃比で運転されるときに
    は一方の排気切換弁を前記分岐通路の接続部上流側が前
    記連通路に接続される位置に、かつ他方の排気切換弁を
    前記分岐通路の接続部下流側が前記連通路に接続される
    位置に保持し、機関がリッチまたは理論空燃比で運転さ
    れるときには、前記それぞれの排気切換弁を前記機関リ
    ーン空燃比運転時の位置とは逆の接続位置に切り換える
    請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 【請求項5】 前記それぞれの排気切換弁は、 前記連通路を前記分岐通路の前記接続部上流側に連通す
    る第1のポートと、 前記連通路を前記分岐通路の前記接続部下流側に連通す
    る第2のポートと、 回動軸と、該回動軸まわりに回動して前記第1のポート
    と第2のポートとの一方を選択的に閉鎖する板状の弁体
    とを備え、 前記それぞれの排気切換弁の前記回動軸は、前記連通路
    の中心軸線を含む同一の平面内に配置され、同一の排気
    切換弁においては前記第1のポートと第2のポートとは
    前記平面に対して互いに対称の位置に配置されるととも
    に、排気切換弁相互間では、前記第1のポートと第2の
    ポートとの位置関係は前記平面に対して反対になるよう
    に配置されている請求項4に記載の内燃機関の排気浄化
    装置。
JP05728894A 1994-03-28 1994-03-28 内燃機関の排気浄化装置 Expired - Lifetime JP3239599B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05728894A JP3239599B2 (ja) 1994-03-28 1994-03-28 内燃機関の排気浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05728894A JP3239599B2 (ja) 1994-03-28 1994-03-28 内燃機関の排気浄化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07259542A JPH07259542A (ja) 1995-10-09
JP3239599B2 true JP3239599B2 (ja) 2001-12-17

Family

ID=13051371

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05728894A Expired - Lifetime JP3239599B2 (ja) 1994-03-28 1994-03-28 内燃機関の排気浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3239599B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3546294B2 (ja) 1998-04-28 2004-07-21 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気浄化装置
JP3680650B2 (ja) 1999-01-25 2005-08-10 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気浄化装置
EP1374978B1 (en) * 2002-06-25 2008-05-14 Ford Global Technologies, LLC SOXx trap for diesel and lean burn gasoline automotive applications
JP4349119B2 (ja) * 2003-12-19 2009-10-21 いすゞ自動車株式会社 排気ガス浄化方法及び排気ガス浄化システム
JP2006274913A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Mitsubishi Fuso Truck & Bus Corp 内燃機関の排気浄化装置
JP2006274908A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Mitsubishi Fuso Truck & Bus Corp 内燃機関の排気浄化装置
US7389638B2 (en) * 2005-07-12 2008-06-24 Exxonmobil Research And Engineering Company Sulfur oxide/nitrogen oxide trap system and method for the protection of nitrogen oxide storage reduction catalyst from sulfur poisoning
DE102014220264A1 (de) 2013-10-17 2015-04-23 Ford Global Technologies, Llc Verfahren zum Betrieb einer Abgasnachbehandlungsvorrichtung mit einer Mager-NOx-Falle

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07259542A (ja) 1995-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0916389B1 (en) An exhaust gas purification device for an internal combustion engine
US6212885B1 (en) Exhaust emission control system of internal combustion engine
US6176079B1 (en) Process and apparatus for reducing nitrogen-oxide emissions in exhaust gas
JP3119088B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3858752B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JPH10238336A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2727914B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2004060596A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3239599B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2845080B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2855986B2 (ja) 排気ガス浄化装置
JP3919407B2 (ja) 排気浄化装置
JP2722985B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2842111B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2830668B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2959948B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3324475B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3582365B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2827738B2 (ja) 排気ガス浄化装置
JPH0797917A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3846541B2 (ja) NOx吸着材再生装置及び再生方法
JP2004150382A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2790017B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2783120B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JPH07102954A (ja) 内燃機関の排気浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081012

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081012

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091012

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091012

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101012

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101012

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111012

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111012

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121012

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121012

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131012

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term