JP2722985B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2722985B2
JP2722985B2 JP5741593A JP5741593A JP2722985B2 JP 2722985 B2 JP2722985 B2 JP 2722985B2 JP 5741593 A JP5741593 A JP 5741593A JP 5741593 A JP5741593 A JP 5741593A JP 2722985 B2 JP2722985 B2 JP 2722985B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の排気浄化装
置に関し、詳細には、内燃機関の排気中のNOX を効果
的に除去可能な排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の排気浄化装置の例としては、例
えば特開昭62−106826号公報に開示されたもの
がある。同公報の装置は、ディーゼル機関の排気通路に
酸素の存在下でNOX を吸収する吸収剤(触媒)を収容
した容器を接続し、このNOX 吸収剤に排気中のNOX
を吸収させ、該吸収剤のNOX 吸収効率が低下した時に
容器への排気の流入を遮断するとともに容器内に気体状
の還元剤を供給することにより還元雰囲気を生成して吸
収剤からNOX を放出させ、放出されたNOX を還元浄
化するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭62−10
6826号公報の装置は、NOX 吸収剤を収容する容器
上流側に設けた遮断弁を用いて容器への排気の流入を遮
断して、排気中に含まれる酸素が流入することを防止し
てから容器内に還元剤を供給することにより、容器内を
還元雰囲気にしてNOX 吸収剤のNOX 放出、還元浄化
(以下、「再生」という)を行っている。このため、上
記公報の装置ではエンジン運転中にNOX吸収剤の再生
操作を行う場合、排気を上記NOX 吸収剤容器をバイパ
スして流す必要が生じ、排気中のNOX が浄化されずに
大気に放出される問題が生じる。
【0004】従って、上記特開昭62−106826号
公報の装置を用いて実際にエンジンの排気浄化を行うた
めには、NOX 吸収剤を収容した容器をエンジン排気通
路に2つ並列に接続し、遮断弁や切換え弁を用いて排気
の流れを切換えることにより、片方ずつNOX 吸収剤を
通る排気を遮断して交互に再生を行い、一方のNOX
収剤の再生操作実行中には他方のNOX 吸収剤を通して
排気を浄化するようにする必要がある。
【0005】しかし、上記のように、複数のNOX 吸収
剤を設け、遮断弁や切換え弁の操作により交互に切換え
て再生操作を行うようにした場合には装置の構造や再生
操作時の遮断弁等の切換え制御が複雑化する問題が生じ
る。また、上記切換え操作時の排気流の流路変更に伴い
一時的にエンジンの排気抵抗が変化するため切換え操作
時にエンジン出力が変動する等の問題が生じる。
【0006】更に、NOX 吸収剤の容器への排気流入を
止める前記遮断弁や切換え弁はエンジン排気中で比較的
作動間隔の長い間欠的な作動を行うことになるため、排
気中の微粒子や油分等により可動部分がスティックを生
じやすくなる問題がある。このため、排気中に微粒子を
多く含むディーゼルエンジンに使用する場合などには、
特に遮断弁や切換え弁のスティックによる装置の作動不
良が生じやすくなる問題が生じる。
【0007】本発明は上記問題に鑑み、NOX 吸収剤の
再生操作時の排気流路変更によるエンジン出力の変動
や、遮断弁等排気中で作動する可動部材のスティックに
よる作動不良が生じることのない簡易な構成の内燃機関
の排気浄化装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、リーン
空燃比の燃焼を行う内燃機関の排気通路に配置された、
流入排気の空燃比がリーンのときにNOX を吸収し流入
排気の酸素濃度が低下したときに吸収したNOX を放出
するNOX 吸収剤と、前記NOX 吸収剤に還元剤を供給
しNOX 吸収剤から吸収したNOX を放出させるととも
に放出されたNOX を還元浄化する還元剤導入手段とを
備えた内燃機関の排気浄化装置において、前記NOX
収剤は前記内燃機関の各気筒排気ポートに続く排気マニ
ホルド分岐管のそれぞれに配置され、前記還元剤導入手
段は、前記各気筒の排気弁閉弁中に当該気筒に続く前記
分岐管のNOX 吸収剤に還元剤を供給することを特徴と
する内燃機関の排気浄化装置が提供される。
【0009】
【作用】NOX 吸収剤は排気マニホルドの各気筒の排気
ポートに続く分岐管のそれぞれに設けられているため、
各気筒の排気弁が閉弁するとNOX 吸収剤への排気の流
入が遮断される。還元剤供給手段は排気弁閉弁時の上記
NOX 吸収剤への排気流入が遮断された状態でNOX
収剤に還元剤を供給する。還元剤供給時にはNO X 吸収
剤に排気が流入しないため、NOX 吸収剤は供給された
還元剤によりリッチ空燃比雰囲気になり再生が行われ
る。また、次に各気筒の排気弁が開弁するとエンジンの
リーンな排気がNOX 吸収剤に流入し、NOX 吸収剤は
リーン空燃比雰囲気になり、NOX 吸収剤に排気中のN
X が吸収される。
【0010】
【実施例】以下、添付図面を用いて本発明の実施例につ
いて説明する。図1に本発明の排気浄化装置の第一の実
施例を示す。図1において、1はディーゼルエンジン、
3はエンジン1の排気管、4はエンジン1と排気管3を
接続する排気マニホルドを示す。本実施例は4気筒エン
ジンの場合を示し、排気マニホルド4は各気筒の排気ポ
ートに接続される分岐管4a〜4dを備えている。
【0011】また、排気マニホルド4の各気筒の分岐管
4a〜4dには後述するNOX 吸収剤5a〜5dがそれ
ぞれ配置され、各気筒から分岐管4a〜4dに排出され
る排気中のNOX 成分を浄化するようになっている。図
に11で示すのはそれぞれのNOX 吸収剤5a〜5dに
還元剤を供給する還元剤供給装置である。還元剤供給装
置11は加圧容器、供給ポンプ等の還元剤供給源12
と、還元剤噴射弁13a〜13dとを備えている。後述
のように、還元剤としては排気中で水素や炭化水素、一
酸化炭素等の還元成分を発生するものであれば良く、水
素、一酸化炭素等の気体、プロパン、プロピレン、ブタ
ン等の液体又は気体の炭化水素、ガソリン、軽油、灯油
等の液体燃料等が使用できる。本実施例では気体または
液体の還元剤は加圧容器、ポンプ等により供給源12か
ら噴射弁13a〜13dに圧力供給される。
【0012】還元剤噴射弁13a〜13dはそれぞれ排
気マニホルド4の分岐管4a〜4dのNOX 吸収剤5a
〜5d上流側に配置され、還元剤供給源12から供給さ
れた還元剤を分岐管4a〜4d内に噴射する。本実施例
では噴射弁13a〜13dは電磁的に高速開閉作動して
還元剤を噴射する、燃料噴射弁と同様な適宜な形式の噴
射弁とされ後述するECU20からの制御信号により個
別に制御されて還元剤噴射を行うことができる。
【0013】また、図に20で示すのはエンジンの制御
回路(ECU)である。ECU20はCPU、RAM、
ROM、及び入力ポート、出力ポートを相互に双方向バ
スで接続した構成の公知のディジタルコンピュータから
なり、エンジンの燃料噴射量制御等の基本制御を行うほ
か、本実施例では噴射弁13a〜13dの開弁時期、開
弁時間等のNOX 吸収剤5a〜5dの再生操作の制御を
行っている。これらの制御のため、ECU20にはクラ
ンク軸回転角、エンジン回転数、アクセル開度、エンジ
ン排気温度等の信号がそれぞれ図示しないセンサから入
力されている。
【0014】次に、本発明に使用するNOX 吸収剤のN
X 吸放出作用について説明する。NOX 吸収剤は例え
ばアルミナ等の担体を使用し、この担体に例えばカリウ
ムK,ナトリウムNa ,リチウムLi ,セシウムCs の
ようなアルカリ金属、バリウムBa , カルシウムCa の
ようなアルカリ土類、ランタンLa ,イットリウムYの
ような希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Pt
のような貴金属とが担持されている。このNOX 吸収剤
は流入する排気の空燃比がリーンの場合にはNOX を吸
収し、酸素濃度が低下するとNOX を放出するNOX
吸放出作用を行う。
【0015】なお、上述の排気空燃比とは、ここではN
X 吸収剤の上流側の排気通路やエンジン燃焼室、吸気
通路等にそれぞれ供給された空気量の合計と燃料の合計
の比を意味するものとする。従って、NOX 吸収剤の上
流側排気通路に燃料、還元剤または空気が供給されない
場合には排気空燃比はエンジンの運転空燃比(エンジン
燃焼室内の燃焼における空燃比)と等しくなる。
【0016】本実施例ではディーゼルエンジンが使用さ
れているため、NOX 吸収剤を通過する排気の空燃比は
リーンであり、NOX 吸収剤は排気中のNOX を吸収す
る。また、後述のようにNOX 吸収剤への排気の流入が
遮断され、還元剤が導入されてNOX 吸収剤の雰囲気空
燃比がリッチになるとNOX 吸収剤は吸収したNOX
放出する。
【0017】上記吸放出作用の詳細なメカニズムについ
ては明らかでない部分もある。しかし、この吸放出作用
は図5に示すようなメカニズムで行われているものと考
えられる。次にこのメカニズムについて担体上に白金P
t およびバリウムBa を担持させた場合を例にとって説
明するが他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類、希
土類を用いても同様なメカニズムとなる。
【0018】すなわち、流入排気がかなりリーンになる
と流入排気中の酸素濃度が大幅に増大し、図5(A) に示
されるようにこれら酸素O2 がO2 - またはO2-の形で
白金Pt の表面に付着する。一方、流入排気中のNOは
白金Pt の表面上でこのO2 - またはO2-と反応し、N
2 となる(2NO+O2 →2NO2 ) 。次いで生成さ
れたNO2 の一部は白金Pt上で酸化されつつ吸収剤内
に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら、図5
(A) に示されるように硝酸イオンNO3 - の形で吸収剤
内に拡散する。このようにしてNOX がNOX 吸収剤内
に吸収される。
【0019】従って、流入排気中の酸素濃度が高い限り
白金Pt の表面でNO2 が生成され、吸収剤のNOX
収能力が飽和しない限りNO2 が吸収剤内に吸収されて
硝酸イオンNO3 - が生成される。これに対して流入排
気中の酸素濃度が低下してNO2 の生成量が減少すると
反応が逆方向(NO3 - →NO2 )に進み、こうして吸
収剤内の硝酸イオンNO3 - がNO2 の形で吸収剤から
放出される。すなわち、流入排気中の酸素濃度が低下す
るとNOX 吸収剤からNOX が放出されることになる。
【0020】一方、流入排気中にHC、CO等の還元成
分が存在すると、これらの成分は白金Pt 上の酸素O2
- またはO2-と反応して酸化され、排気中の酸素を消費
して排気中の酸素濃度を低下させる。また、排気中の酸
素濃度低下によりNOX 吸収剤から放出されたNO2
図5(B) に示すようにHC,COと反応して還元され
る。このようにして白金Pt の表面上にNO2 が存在し
なくなると吸収剤から次から次へとNO2 が放出され
る。
【0021】すなわち、流入排気中のHC,COは、ま
ず白金Pt 上のO2 - またはO2-とただちに反応して酸
化され、次いで白金Pt 上のO2 - またはO2-が消費さ
れてもまだHC,COが残っていればこのHC,COに
よって吸収剤から放出されたNOX が還元される。な
お、上述のNOX 吸収剤からのNOX 放出は、NOX
収剤に吸収されているNOX の量が少ないほど短時間で
完了し、完全な再生に要する時間が短くなる。また、N
X 吸収剤からのNOX 放出速度はNOX 吸収剤の温度
や雰囲気空燃比にも大きく影響をうけ、温度が高いほ
ど、また空燃比が低く(すなわちリッチに)なるほどN
X の放出速度は大きくなり、温度が低く、また空燃比
が高く(すなわちリーンに)なるほどNOX の放出速度
は小さくなる。
【0022】次に本実施例のNOX 吸収剤の再生操作に
ついて説明する。本実施例ではエンジンの行程1サイク
ル毎に各NOX 吸収剤5a〜5dの再生とNOX の吸収
が行われるが、以下にこれを1つの気筒を例にとって説
明する。まず、気筒の排気行程が開始され排気弁が開弁
すると排気ポートから排気ガスが排出され、排気マニホ
ルドの分岐管を通ってNOX 吸収剤に流入する。本実施
例ではエンジンの排気はかなりリーンであり、NOX
収剤は前述のメカニズムにより排気中のNOX を吸収す
る。
【0023】次いで、排気行程が終了して排気弁が閉弁
すると、NOX 吸収剤の上流側に設けられた還元剤噴射
弁からは後述する所定量の還元剤が分岐管内に噴射され
る。還元剤噴射時には排気弁が閉弁されておりリーン空
燃比の新たな排気が流入しないため、分岐通路内に噴射
された還元剤は流入する排気に希釈されずに分岐通路内
に濃い還元剤の混合気相を生成する。この混合気相は、
排気弁の閉弁中に一部がNOX 吸収剤内に流入するた
め、NOX 吸収剤は上流側から雰囲気空燃比が大幅にリ
ッチな状態になり、前述のメカニズムによりNOX 吸収
剤からのNOX の放出と放出されたNOX の還元がおこ
なわれる。
【0024】次に排気弁が開弁すると、再びNOX 吸収
剤の上流側の分岐管には排気ガスが流入する。これによ
り、排気弁閉弁中に形成された還元剤の濃い混合気相は
排気流に押されてNOX 吸収剤の中を運ばれる。このた
め、排気弁の開弁とともに大幅にリッチな空燃比の混合
気層がNOX 吸収剤内を通過して行くことになり、排気
弁の閉弁中に再生が完了していなかったNOX 吸収剤下
流側部分は、このリッチな混合気層の通過に伴って上流
側からNOX の放出と還元が行われ、NOX 吸収剤全体
の再生が完了する。
【0025】また、上記リッチ混合気層が通過した後に
は続いてリーン空燃比の排気がNO X 吸収剤内を通過し
て行くため、NOX 吸収剤は再生が完了した部分から再
度排気中のNOX の吸収を行う。なお、ECU20は入
力したクランク角度信号に基づいて、各気筒の排気弁閉
弁時期に同期させてそれぞれ対応する還元剤噴射弁を開
弁し、それぞれの排気分岐管4a〜4dに還元剤を供給
する。また、ECU20はエンジン1回転当たりのNO
X 排出量をエンジン負荷(アクセル開度)とエンジン回
転数の関数として予めROMに記憶しており、入力した
アクセル開度信号とエンジン回転数信号とに基づいてエ
ンジン1回転当たりのNOX 排出量を計算するととも
に、このNO X 排出量に基づいて還元剤噴射弁からの還
元剤噴射量を決定する。すなわち、行程1サイクル中に
各NOX 吸収剤が吸収しているNOX 量は上記NOX
出量に比例するため、ECU20は上記NOX 排出量に
予め定めた一定の定数を乗じた量を還元剤噴射量として
設定し、設定された噴射量を得るように各還元剤噴射弁
の噴射時間を制御する。
【0026】なお、前述のようにNOX 吸収剤のNOX
放出作用は温度が低いと低下するため、本実施例ではE
CU20は排気温度が所定値(例えば150度C)以下
になった場合には噴射弁13a〜13dからの還元剤供
給を停止してNOX 吸収剤の再生操作を停止する。上述
のように、本実施例では排気流の切換え等により通常の
エンジンの排気の流れを阻害することなくNOX 吸収剤
の再生が行われる。このため、NOX 吸収剤の再生操作
時に排気抵抗の変化によるエンジン出力の変動等が生じ
ることがない。また、遮断弁、切換え弁等のように排気
流の中で長い間隔の間欠作動を行う可動部材が存在しな
いため、排気中の微粒子などによる部材のスティックが
発生せず、装置の作動不良が生じない。
【0027】更に本実施例では、上述のように各NOX
吸収剤はエンジンの行程1サイクル毎にNOX の吸収と
放出を完了し、短い周期でNOX 吸収剤の再生が実施さ
れるのでNOX 吸収剤のNOX 吸収量が少ない状態で再
生を行うことができる。これにより、短時間でNOX
収剤の再生を完全に行うことができるため、再生後のN
X 吸収剤は高い吸収能力を発揮できる。
【0028】更に上記以外にも、短い周期でNOX 吸収
剤の再生を行うことはNOX 吸収剤の硫黄被毒の防止の
上で大きな効果がある。比較的硫黄成分の含有量が多い
軽油を燃料として使用するディーゼルエンジンでは排気
中に硫黄酸化物が多く含まれるが、この硫黄酸化物は、
前述のNOX の場合と全く同じメカニズムでNOX 吸収
剤に吸収されてBaOと結合しBaSO4 を生成する。
このBaSO4 は比較的安定した化合物であるため一旦
生成されると分解されにくく、NOX 吸収剤中のBaS
4 の増大によりNOX の吸収能力が低下してしまう、
いわゆる硫黄被毒の問題が生じる。この硫黄被毒の発生
を防止するためには、NOX 吸収剤に吸収された硫酸イ
オンがBaOと結合して安定なBaSO4 を生成する前
にNOX吸収剤の再生操作を行い、前述のNOX の場合
と同様なメカニズムで硫黄酸化物をNOX 吸収剤から放
出させる必要がある。本実施例では上述のように短い周
期でNOX 吸収剤の再生を行うことができるため、早期
にNOX 吸収剤から硫黄酸化物を除去することが可能と
なり、NOX 吸収剤の硫黄被毒の発生を有効に防止する
ことができる。
【0029】次に、図2に本発明の別の実施例を示す。
図1の実施例では、分岐管4a〜4dに還元剤を噴射す
る噴射弁13a〜13dとしてECU20により電磁的
に開閉作動される形式の噴射弁が使用されていたが、本
実施例の噴射弁23a〜23dは分岐管4a〜4d内の
排気圧力の脈動により自動的に開閉するリード弁の形式
とされている点が図1の実施例と相違している。
【0030】エンジン1の各気筒の排気ポート圧力は排
気弁の開閉に伴って脈動を繰り返しており、排気弁閉弁
後圧力が低下する期間が生じている。本実施例では図3
に示すようなリード弁23a〜23dを使用し、排気弁
閉弁後の排気圧力低下時に分岐管4a〜4d内の圧力と
還元剤供給圧力との差圧によりリード弁23a〜23d
の弁体24a〜24dが開くことを利用して分岐管4a
〜4d内に還元剤を供給している。
【0031】また、図1の実施例では還元剤噴射弁13
a〜13dの開弁(噴射)時間を変えることにより各分
岐通路4a〜4dに供給される還元剤の量を制御してい
たが、本実施例では、各リード弁23a〜23dに還元
剤を供給するパイプ25と還元剤供源12との間には流
量制御弁26が設けられており、ECU20はこの流量
制御弁12の開度を調整することにより各リード弁23
a〜23dから分岐管4a〜4dに供給される還元剤の
量を制御している点が前述の実施例と相違している。
【0032】本実施例では、各分岐管には圧力差に応じ
て開閉する簡易かつ低価格のリード弁を配置したことに
より、装置コストが低減できるとともに制御が大幅に簡
素化できる利点がある。次に図4を用いて本発明の第三
の実施例を説明する。前述のように、NOX 吸収剤のN
X 放出作用は温度が低いと低下してしまい、排気温度
が或る温度以下(例えば150度C以下)になるとNO
X 吸収剤の再生が実施できなくなる問題がある。このた
め上述の実施例では、排気温度が一定の温度以下ではN
X 吸収剤への還元剤の供給を停止して消費されない還
元剤が大気に放出されることを防止している。
【0033】ところが、上述の実施例では、エンジンが
排気温度が低い運転状態で長時間運転された場合には、
NOX 吸収剤の再生が行われないため、NOX 吸収剤の
NO X 吸収量が増大してしまい、吸収量増大によるNO
X 吸収剤の吸収能力低下が生じ排気中のNOX を充分に
浄化できなくなる場合がある。また、この状態からNO
X 吸収剤の通常の再生操作を開始して、前述のように排
気弁の閉弁時にのみ還元剤を供給したのではNOX 吸収
剤の再生を完全に行うことができず、充分にNOX 吸収
剤の吸収能力を回復させることができなくなる恐れがあ
る。本実施例は以下に示す構成によりこの問題を解決し
ている。
【0034】図4において、図1と同じ参照符号は図1
の実施例と同様な部材を示すので、、ここでは図1と相
違する点のみについて説明する。図4において、エンジ
ン1の吸気マニホルド41の各吸気分岐管41a〜41
dにはそれぞれ吸気シャッターバルブ42a〜42dが
設けられており、ECU20からの制御信号により作動
する負圧アクチュエータ、ソレノイド等の適宜な形式の
アクチュエータ44a〜44dに駆動され、各気筒の吸
気分岐管41a〜41dを個別に絞るようになってい
る。また、排気分岐管4a〜4dに設けられたそれぞれ
のNOX 吸収剤5a〜5dの上流側端部には電気ヒータ
45a〜45dがそれぞれ配置され、ECU20からの
制御信号によりNOX 吸収剤5a〜5dを個別に加熱す
るようにされている。
【0035】本実施例では、エンジン1が排気温度が低
い運転状態(例えば150度C以下)での運転が所定時
間(例えば10分程度)以上継続した場合ECU20は
一気筒ずつ順に所定時間下記の操作を行い、NOX 吸収
剤の吸収能力を回復する操作を行う。すなわち、ECU
20は排気温度が低くNOX 吸収剤の再生操作を行わな
い状態が10分以上継続した場合には、まず1つの気筒
の吸気シャッターバルブを所定開度まで閉弁してこの気
筒の吸入空気量(すなわち排気流量)を低減するととも
に、当該気筒のNOX 吸収剤に設置した電気ヒータに通
電してNOX 吸収剤の温度を上昇させる。このとき、当
該気筒の吸気絞りによるエンジンの出力低下をを補うた
め全部の気筒の燃料噴射量は一定の割合で増量される。
このため、吸気絞りを実施した気筒の排気空燃比は大幅
にリッチとなり、排気中の未燃HCやCO等の還元成分
が増加する。
【0036】また、ECU20は上記の吸気絞りと同時
に、当該気筒の還元剤噴射弁から排気弁閉弁時の通常の
還元剤噴射を開始する。上述のように当該気筒のNOX
吸収剤は電気ヒータにより加熱され温度が上昇するた
め、これによりリッチ空燃比雰囲気下でNOX の放出が
行われるようになり、NOX 吸収剤の再生が行われる
が、この場合、NOX 吸収剤の再生は排気弁閉弁時に還
元剤噴射弁から供給される還元剤のみならず、排気弁開
弁時にNOX 吸収剤に流入するリッチ空燃比の排気によ
っても行われることになる。このため、NOX 吸収剤の
再生操作が停止されていた期間にNOX 吸収剤に吸収さ
れたNOX の全量が短期間で放出、浄化される。従っ
て、上記操作によりNOX 吸収剤の吸収能力が回復し、
再生完了後は排気中のNOX を充分に浄化することが可
能となる。
【0037】ECU20は1つの気筒について上記操作
を所定時間実行後、当該気筒の吸気シャッターバルブの
開弁と電気ヒータの通電停止とを行い順次別の気筒につ
いて同様の操作を行い、全部の気筒のNOX 吸収剤の完
全な再生を完了する。上記のように、本実施例によれ
ば、排気ガス温度が低い運転状態が継続した場合のNO
X 吸収剤の吸収能力の低下を防止し、常に良好な排気浄
化性能を得ることができる。
【0038】
【発明の効果】本発明の排気浄化装置によれば、上記に
説明したようにNOX 吸収剤を各気筒毎に排気マニホル
ドに配置し、還元剤供給装置から排気弁閉弁時にNOX
吸収剤に還元剤を供給してNOX 吸収剤の再生を行うよ
うにしたことにより、簡易な構成でエンジンの排気の流
れの切換えに伴うエンジン出力の変動を防止するととも
に、排気流中の可動部材のスティック等による装置の作
動不良を防止することが可能となる。また、本発明の排
気浄化装置によれば、非常に短い周期でNOX 吸収剤の
再生操作を実行することができるため、NOX 吸収剤の
吸収能力を常に高く維持することができるとともに硫黄
被毒の発生を有効に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図である。
【図2】本発明の別の実施例を示す図である。
【図3】図2の実施例のリードバルブの構造の一例を示
す図である。
【図4】本発明の更に別の実施例を示す図である。
【図5】本発明のNOX 吸収剤のNOX 吸放出作用を説
明する図である。
【符号の説明】
1…ディーゼルエンジン 3…排気管 4…排気マニホルド 4a〜4d…分岐管 5a〜5d…NOX 吸収剤 11…還元剤供給装置 12…還元剤供給源 13a〜13d…還元剤噴射弁 20…ECU 23a〜23d…リードバルブ 24a〜24d…弁体 25…パイプ 26…流量制御弁 41…吸気マニホルド 41a〜41d…吸気分岐管 42a〜42d…吸気シャッターバルブ 44a〜44d…アクチュエータ 45a〜45d…電気ヒータ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リーン空燃比の燃焼を行う内燃機関の排
    気通路に配置された、流入排気の空燃比がリーンのとき
    にNOX を吸収し流入排気の酸素濃度が低下したときに
    吸収したNOX を放出するNOX 吸収剤と、前記NOX
    吸収剤に還元剤を供給しNOX 吸収剤から吸収したNO
    X を放出させるとともに放出されたNOX を還元浄化す
    る還元剤導入手段とを備えた内燃機関の排気浄化装置に
    おいて、前記NOX 吸収剤は前記内燃機関の各気筒排気
    ポートに続く排気マニホルド分岐管のそれぞれに配置さ
    れ、前記還元剤導入手段は、前記各気筒の排気弁閉弁中
    に当該気筒に続く前記分岐管のNOX 吸収剤に還元剤を
    供給することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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