JP3397175B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP3397175B2
JP3397175B2 JP17332499A JP17332499A JP3397175B2 JP 3397175 B2 JP3397175 B2 JP 3397175B2 JP 17332499 A JP17332499 A JP 17332499A JP 17332499 A JP17332499 A JP 17332499A JP 3397175 B2 JP3397175 B2 JP 3397175B2
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nox
exhaust gas
sox
catalyst
exhaust
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俊祐 利岡
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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の排気浄
化装置に係り、特に、いわゆるSOx被毒を回避するた
めにNOx触媒を迂回するバイパス通路を設けた排気浄
化装置において、エミッションを低下させることなく排
気触媒を加熱して昇温させうる内燃機関の排気浄化装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】希薄燃焼可能な内燃機関から排出される
排気ガスを浄化する触媒として、三元触媒が知られてい
る。この三元触媒は、CO及びHC、さらにNOxを浄
化しうるものである。しかしながら、三元触媒は、空燃
比制御においてストイキ時にはCO、HC及びNOxの
いずれに関しても極めて高い浄化率を示すが、リーン制
御時にはNOxの浄化能力が低い。そこで、従来、流入
する排気ガスの空燃比がリーンの状態の場合にはNOx
を吸収すると共に、排気ガスの酸素濃度が低下し、スト
イキ又はリッチな状態に至った場合には吸収したNOx
を放出還元する、いわゆる吸蔵還元型又は選択還元型の
NOx触媒が用いられている。
【0003】また、燃料及び機関の潤滑油中には硫黄が
含まれていることから、排気ガス中にはSOxが含まれ
ているが、上記NOx触媒は、上記NOxを吸収する場
合と同一のメカニズムでSOxを吸収する。この場合、
NOx触媒に吸収されたSOxは時間の経過と共に安定
した硫酸塩を形成することから、NOx触媒からNOx
を放出する際の条件下ではSOxは排出されず、NOx
触媒内にSOxの量が増大し、その結果、NOxの吸収
量が減少し、NOxの浄化効率が低下するという不具合
がある。
【0004】従って、このような不具合を回避するた
め、従来より、排気ガス通路内においてNOx触媒の上
流側にSOx吸収材を配置した技術が提案されている。
このSOx吸収材は、排気ガスの空燃比がリーンの状態
の場合には、SOxを吸収すると共に、排気ガス中の酸
素濃度が低下し、ストイキ又はリッチな状態となった場
合にSOxをSO2として放出するように構成されてい
る。
【0005】しかしながら、このように排気ガス通路内
においてNOx触媒の上流側にSOx吸収材を配置した
場合には、NOx触媒からNOxを放出するために排気
ガス中の酸素濃度を低下させ、ストイキ又はリッチの状
態に至った場合には、SOx吸収材からSOxも放出さ
れてしまい、放出されたSOxは下流側に配置されたN
Ox触媒に吸収され、NOx触媒に上記同様の不具合が
発生し、NOxの浄化効率が低下する事態が発生する。
【0006】そこで、このような、NOx触媒の、いわ
ゆるSOx被毒の事態を回避するために、例えば、SO
x吸収材とNOx触媒との間の部位とNOx触媒下流側
の部位を接合する排気バイパス通路と切り替え手段を設
けた技術が提案されている(特許第2605580
号)。この技術は、排気ガスの酸素濃度が低下し、空燃
比がストイキ又はリッチの状態に至り、SOx吸収材か
らSOxが放出される場合には、上記切り替え手段を作
動させることによりSOx吸収材から流出したSOxを
含む排気ガスが、NOx触媒を迂回するバイパス通路を
介して流れ、NOx触媒のSOx被毒を回避しうるよう
に構成されている。
【0007】この場合、上記のようにSOx吸収材から
NOx触媒を迂回して流下する排気ガス中に含まれるH
C、CO、NOxを浄化するために三元触媒がバイパス
通路の下流側に設けることが望ましい。
【0008】ところで、上記のような排気ガス中のNO
x又はSOxを浄化しうる触媒にあっては、所定温度以
上に加温した場合に初めてSOx又はNOxを浄化しう
るものである。即ち、NOxを浄化しうる触媒にあって
は、150℃以上に昇温された場合にNOxは放出還元
されると共に、SOxの浄化の際には700℃以上の温
度が必要となる。従って、効率よく排気ガスの浄化を行
うためにはエンジンの始動時早期にこれらの触媒の温度
を、所定温度以上に至るまで昇温させる必要がある。
【0009】この場合、エンジンの排気ガス熱を利用し
てこれらの触媒を加熱昇温させるものであるが、エンジ
ン始動時における暖機の際には、空燃比制御はストイキ
制御となっており、上記SOx吸収材はストイキ制御時
にはSOxを放出するため、上記切り替え手段はSOx
被毒を回避するためNOx触媒へ排気ガスが流入しない
ように、排気ガスをバイパス通路へ流入せしめる位置に
配置される。その結果、ストイキ制御時の高温の排気ガ
スはバイパス通路を介して三元触媒へ流入する。従っ
て、暖機時のストイキ制御時における高温の排気ガスに
より三元触媒は加熱昇温されることとなる。
【0010】その後、エンジンの空燃比制御は、暖機運
転の完了及び、三元触媒の、触媒が活性化される温度以
上に加温が完了したものと判断された場合には、エンジ
ンの空燃比制御はリーン制御へ移行する。このようにエ
ンジンの空燃比制御がリーン制御へ移行した場合には、
NOx触媒はNOxを吸蔵しうる状態となるため、上記
切り替え手段はバイパス通路を開放する位置からNOx
触媒へ排気ガスを流入させる位置へ切り替わり、その結
果、排気ガスはNOx触媒へ流入する。
【0011】この場合、排気ガスは空燃比がリーン制御
下にあるため、上記ストイキ制御下における排気ガス温
度よりも低い。その結果、NOx触媒を加温させて昇温
させるためには、上記ストイキ制御時の排気ガスにより
三元触媒が活性化される場合よりも長時間を要すること
となる。従って、NOx触媒が所定温度に至り活性化す
るまでに時間がかかることから排気浄化材のエミッショ
ンが良好ではない、という不具合が存していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで、請求項1記載
の発明の課題は、いわゆるSOx被毒を回避するために
NOx吸収材を迂回するバイパス通路及び三元触媒を設
けた内燃機関の排気浄化装置において、エミッションを
低下させることなく各排気浄化材を昇温させる点にあ
る。
【0013】請求項2記載の発明の課題は、請求項1記
載の発明の課題に加えて、三元触媒をNOx吸収材の下
流側において直列に配置した内燃機関の排気浄化装置を
提供することにある。
【0014】請求項3記載の発明の課題は、請求項1記
載の発明の課題に加えて、三元触媒をより効率良く加熱
しうる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】このような技術的課題解
決のため、請求項1記載の発明にあっては、内燃機関の
排気通路に設けられ、希薄燃焼可能な内燃機関から流入
する排気ガスの空燃比がリーンの状態である場合にはN
Oxを吸収すると共に流入する排気ガスの酸素濃度が低
い場合には吸収したNOxを放出するNOx吸収材と、
このNOx吸収材の排気通路上流側に設けられ、流入す
る排気ガスの空燃比がリーンの状態である場合にはSO
xを吸収すると共に流入する排気ガスの酸素濃度が低い
場合には吸収したSOxを放出するSOx吸収材と、上
記排気通路途中に設けられ、SOx吸収材から排出され
るSOxを含んだ排気ガスがNOx吸収材を迂回して流
下しうるように構成された排気バイパス通路と、HC、
CO及びNOxを浄化しうる三元触媒と、上記内燃機関
から上記SOx吸収材を介して排気通路内を流通する排
気ガスを上記NOx吸収材又は排気バイパス通路のいず
れかに選択的に流入させうる切り替え手段とを備えた内
燃機関の排気浄化装置において、上記切り替え手段は、
内燃機関の始動後における暖機時におけるストイキ制御
の際及び、排気ガスの空燃比制御がリーン制御された際
には排気ガスをNOx吸収材へ流入させる切り替え位置
に配置されるように制御されると共に、内燃機関の高負
荷時に排気ガスの空燃比制御が高負荷ストイキ制御され
た際には排気ガスを排気バイパス通路へ流入させうる切
り替え位置に配置されるように制御されることを特徴と
する。
【0016】ここで「NOx吸収材」とは、例えば、吸
蔵還元型NOx触媒が該当する。吸蔵還元型NOx触媒
は、空燃比がリーンの状態の場合に流入する排気ガスの
NOxを吸収し、流入する排気ガスの酸素濃度が低下し
た場合には吸収したNOxを放出してN2 に還元する触
媒である。
【0017】従って、請求項1記載の発明にあっては、
内燃機関の始動後、内燃機関の暖機を行う場合には、空
燃比はストイキ又はリッチの状態に制御されていると共
に、上記切り替え手段は、内燃機関からの排気ガスをN
Ox吸収材側へ流入させる切り替え位置に配置され、N
Ox吸収材側へ連通する排気通路は開放されていると共
に、排気バイパス通路は閉鎖された状態となっている。
この場合、ストイキ又はリッチの空燃比制御により内燃
機関の暖機運転が行われた場合には、排気ガス中におい
て酸素に対して燃料が含有される比率が高いことから、
排気ガスの燃焼温度は高い。従って、燃焼温度の高い排
気ガスがNOx吸収材側へ供給されてNOx吸収材を加
熱昇温する。
【0018】この場合、排気ガスはSOx吸収材を経由
してNOx吸収材に供給されるものであるが、SOx吸
収材に吸収されているSOxはNOx吸収材に吸収され
ているNOxに比して安定しており分解されにくく、S
Oxの分解はSOx吸収材の温度がさらに高温とならな
ければ、SOxは放出されないことが実験の結果了解さ
れている。即ち、内燃機関始動後の状態では、仮にスト
イキ又はリッチの状態による空燃比制御が行われた場合
であっても、SOx吸収材からSOxが放出されうる温
度には未だ到達していないため、SOx吸収材からのS
Oxの放出率は極めて低く、SOx吸収材からはSOx
はほとんど放出されない。
【0019】従って、上記のようにNOx吸収材側へS
Ox吸収材を経由した排気ガスが供給された場合であっ
ても、排気ガス内にSOxはほとんど含有されていない
ため、NOx吸収材がSOxを吸収してしまうおそれは
なく、NOx吸収材はいわゆるSOx被毒を起こすこと
なく加熱昇温される。
【0020】その後、NOx吸収材が十分に昇温され十
分に活性化された、と判断された場合にはエンジンの空
燃比制御はリーンの状態へ移行する。このようにエンジ
ンの空燃比制御がリーンの状態へ移行した場合にも、上
記切り替え手段は配置が変更になることはなく、排気バ
イパス通路は依然として閉鎖されている。その結果、S
Ox吸収材を介してエンジンから排出される排気ガスは
NOx吸収材へ供給される。従って、この状態でNOx
吸収材は流入する排気ガス中のNOxを吸収する。
【0021】さらに、例えば、アクセル開度が85%以
上の状態となり、内燃機関が高負荷状態に至った場合に
は、空燃比制御はストイキの状態へ移行する。このよう
な高負荷ストイキ状態の場合には、上記切り替え手段
が、排気ガスを排気バイパス通路へ流入させうる切り替
え位置に配置される切り替え制御がされ、排気バイパス
通路が開放されると共に、NOx吸収材へ連通する排気
通路が閉鎖される。その結果、排気ガスがNOx吸収材
を迂回する排気バイパス通路を介して三元触媒へ供給さ
れる。
【0022】その結果、このような高負荷ストイキ時の
燃焼温度の高い排気ガスが三元触媒側へ流入し、三元触
媒を短時間で効率よく加熱昇温させる。また、この際
に、流入する排気ガス中の未燃HC、CO、NOxは三
元触媒により浄化される。
【0023】従って、請求項1記載の発明にあっては、
エンジン始動時の暖機時には、空燃比制御がストイキ制
御の状態下で、高温の排気ガスをNOx吸収材へ供給し
てNOx吸収材を加熱昇温させ、次のリーン制御でNO
x触媒がNOxを十分に吸収することができるように準
備をすることができる。従って、その後、空燃比制御が
リーン制御に移行した場合には、NOx吸収材は確実に
NOxを吸収することができる。また、加速時等におい
て、内燃機関が高負荷状態となり、再度、ストイキ制御
へ移行した場合には、上記切り替え手段が作動して、燃
焼温度の高い排気ガスを三元触媒へ供給し、三元触媒を
短時間で加熱昇温させることができる。
【0024】従って、請求項1記載の発明にあっては、
NOx吸収材を内燃機関始動後の暖機運転時のストイキ
制御を利用して加熱昇温させることができると共に、三
元触媒を高負荷ストイキ制御時のさらに高温の排気ガス
を利用して短時間に効率よく加熱することができる。そ
の結果、NOx吸収材及び三元触媒をエミッションの低
下を生ぜしめることなく、かつ、NOx触媒のSOx被
毒を回避した形で加熱昇温させることが可能となる。
【0025】請求項2記載の発明にあっては、上記三元
触媒は、上記NOx吸収材の排気通路下流側において上
記排気通路上に設けられると共に、上記排気バイパス通
路は、上記NOx吸収材とSOx吸収材との間の部位及
びNOx吸収材と三元触媒との間の部位を接続して設け
られていることを特徴とする。
【0026】従って、請求項2記載の発明にあっては、
SOx吸収材から流出した排気ガスは内燃機関始動後の
暖機時には空燃比制御がストイキの状態の場合には、上
記切り替え手段は排気ガスが排気バイパス通路を介する
ことなくNOx吸収材に供給される切り替え位置に設定
されており、NOx吸収材へ連通する排気通路は開放さ
れていると共に上記排気バイパス通路は閉鎖されてい
る。
【0027】その結果、SOx吸収材から排出された高
温の排気ガスはNOx吸収材に供給される。この場合、
上述のように、SOx吸収材に吸収されているSOxは
NOx吸収材に吸収されているNOxに比して安定して
おり分解されにくく、SOxの分解はSOx吸収材の温
度がさらに高温とならなければ発生しないことから、こ
の段階では未だSOxはほとんど放出されない。また、
排気ガス中の未燃HC、CO、NOxは三元触媒により
浄化される。
【0028】従って、上記のようにNOx吸収材側へS
Ox吸収材を経由した排気ガスが供給された場合であっ
ても、排気ガス内にSOxはほとんど含有されていない
ため、NOx吸収材がSOxを吸収してしまうおそれは
なく、NOx吸収材はSOx被毒を起こすことなく加熱
昇温される。
【0029】その後、内燃機関の暖機が完了し、NOx
触媒が十分に昇温され十分に活性化された、と判断され
た場合には内燃機関の空燃比制御はリーンの制御状態へ
移行する。このように内燃機関の空燃比制御がリーンの
制御状態へ移行した場合にも、上記切り替え手段は配置
が変更になることはなく、SOx吸収材を介して内燃機
関から排出される排気ガスは排気バイパス通路へは供給
されないと共にNOx吸収材へ供給される。従って、こ
の状態でNOx吸収材は流入する排気ガス中のNOxを
吸収する。
【0030】次に、内燃機関が高負荷の状態に至った場
合には、空燃比制御もストイキ状態へ復帰し、上記切り
替え手段が切り替え制御されて、排気バイパス通路が開
状態となると共に、NOx吸収材へ連通する排気通路は
閉鎖される。その結果、排気ガスはNOx吸収材を迂回
するバイパス通路を介して三元触媒側へ供給される。従
って、高負荷ストイキ時の燃焼温度の高い排気ガスが三
元触媒側へ流入し、三元触媒を加熱昇温させる。
【0031】この場合、内燃機関が高負荷の状態にある
ことから排出される排気ガスも高温であり、三元触媒は
高温加熱により短時間で昇温される。また、この際に、
排気ガス中に含まれる未燃CO、HC、NOxは上記三
元触媒により浄化される。
【0032】請求項3記載の発明にあっては、上記排気
バイパス通路は、上記NOx吸収材とSOx吸収材との
間の部位及びNOx吸収材の下流側の部位とを接続して
設けられると共に、上記三元触媒は、上記排気バイパス
通路に設けられていることを特徴とする。
【0033】従って、請求項3記載の発明にあっては、
請求項2記載の発明の場合と同様に、内燃機関始動後の
暖機時におけるストイキ状態での空燃比制御の場合に
は、上記切り替え手段はパイパス通路を閉止すると共
に、NOx吸収材へ連通する排気通路は開放する制御位
置に配置されており、暖機時の高温の排気ガスはNOx
吸収材側へ供給されて、SOxは放出されない状態でN
Ox吸収材を加熱昇温させる。その後、NOx吸収材
が、化学反応が促進される十分に加熱された場合には、
内燃機関の空燃比制御がリーン制御へ切り替えられる
が、上記切り替え手段は作動することなく、排気ガスが
NOx吸収材へ供給される切り替え位置を保持するた
め、上記同様に排気バイパス通路は閉鎖されている。従
って、この状態でNOx吸収材は排気ガス中のNOxを
吸収する。
【0034】その後、内燃機関の高負荷時にあっては、
再度、ストイキ制御状態へ移行するが、この場合、上記
切り替え手段は排気バイパス通路側へ排気ガスが供給さ
れると共にNOx吸収材へ連通する排気通路は閉鎖する
切り替え位置に切り替わる。
【0035】その結果、排気ガスは排気バイパス通路を
介して排気バイパス通路中に設けられた三元触媒へ排気
ガスが供給される。この場合、内燃機関が高負荷の状態
にあることから排出される排気ガスも高温であり、三元
触媒は高温加熱により短時間で昇温される。また、流入
する排気ガス中の未燃HC、CO、NOxは三元触媒に
より浄化される。
【0036】本請求項に記載の発明にあっては、請求項
2記載の発明の場合とは異なり、三元触媒がNOx吸収
材の、排気通路におけるさらに下流側ではなく、排気バ
イパス通路上において、NOx吸収材と並列な位置関係
に配置されていることから、請求項2記載の発明の場合
のようにNOx吸収材と三元触媒とを直列な位置関係に
接続配置した場合に比して、三元触媒を距離的に内燃機
関本体に、より近接して配置することが可能となる。そ
の結果、請求項2記載の発明の場合よりも高温の排気ガ
スを三元触媒に供給することができ、より効率よく三元
触媒を加熱昇温させることが可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態
に基づき、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置を詳細
に説明する。
【0038】図1は本発明を希薄燃焼可能な車両用ガソ
リンエンジンに適用した場合の概略構成を示す図であ
る。この図において、符号1は機関本体、符号2はピス
トン、符号3は燃焼室、符号4は点火栓、符号5は吸気
弁、符号6は吸気ポート、符号7は排気弁、符号8は排
気ポートを夫々示す。
【0039】吸気ポート6は対応する枝管9を介してサ
ージタンク10に連結され、各枝管9には夫々吸気ポー
ト6内に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁11が取り付
けられている。サージタンク10は吸気ダクト12およ
びエアフロメータ13を介してエアクリーナ14に連結
され、吸気ダクト12内にはスロットル弁15が配置さ
れている。
【0040】一方、排気ポート8は排気マニホルド16
を介したSOx触媒17を内蔵したケーシング18に連
結され、ケーシング18の出口部は排気管19を介して
吸蔵還元型NOx触媒20を内蔵したケーシング21に
連結されている。この吸蔵還元型NOx触媒20は、流
入する排気ガスの空燃比(以下、排気空燃比という)が
リーンのときにNOxを吸収し、流入する排気ガスの酸
素濃度が低いときに吸収したNOxを放出しN2に還元す
るように構成されている。
【0041】また、本実施の形態にあっては、三元触媒
43が、上記NOx吸収材としての吸蔵還元型NOx触
媒20の排気通路下流側において上記排気通路上に配置
されている。即ち、上記ケーシング21の排気管44の
下流側には三元触媒43を内蔵したケーシング42が設
けられている。この三元触媒43は、空燃比制御が、ス
トイキ時に、HC、CO及びNOxを浄化しうるように
構成されている。
【0042】また、本実施の形態にあっては、上記吸蔵
還元型NOx触媒20とSOx触媒17との間の部位及
び、吸蔵還元型NOx触媒20と上記三元触媒43との
間の部位を接続して設けられている。即ち、ケーシング
21の入口部21aと、NOx触媒20のケーシング2
1と三元触媒43のケーシング42との間に設けられた
排気管44とは、NOx触媒20を迂回するバイパス管
26により連結されており、バイパス管26の分岐部で
あるケーシング21の入口部21aには、アクチュエー
タ27によって弁体が作動される、切り替え手段として
の排気切替弁28が設けられている。
【0043】この排気切替弁28はアクチュエータ27
によって、図1の実線で示されるようにバイパス管26
の入口部を閉鎖し且つ下流側NOx触媒20への入口部
を全開にするバイパス閉位置と、図1の破線で示される
ように下流側NOx触媒20への入口部を閉鎖し且つバ
イパス管26の入口部を全開にするバイパス開位置のい
ずれか一方の位置を選択して作動するように構成されて
いる。上記ケーシング42は排気管48を介して図示し
ないマフラーに接続されている。
【0044】エンジンコントロール用の電子制御ユニッ
ト(ECU)30はデジタルコンピュータからなり、双
方向バス31によって相互に接続されたROM(リード
オンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモ
リ)33、CPU(セントラルプロセッサユニット)3
4、入力ポート35、出力ポート36を具備する。エア
フロメータ13は吸入空気量に比例した出力電圧を発生
し、この出力電圧がAD変換器37を介して入力ポート
35に入力される。
【0045】一方、上流側NOx触媒17の下流の排気
管19には、上流側NOx触媒17を出た排気ガスの温
度に比例した出力電圧を発生する温度センサ23が取り
付けられており、温度センサ23の出力電圧がAD変換
器38を介して入力ポート35に入力される。また、入
力ポート35には機関回転数を表す出力パルスを発生す
る回転数センサ41が接続されている。出力ポート36
は対応する駆動回路39を介して夫々点火栓4および燃
料噴射弁11、アクチュエータ27に接続されている。
【0046】このガソリンエンジンでは、例えば次式に
基づいて燃料噴射時間TAUが算出される。 TAU=TP・K ここで、TPは基本燃料噴射時間を示しており、Kは補
正係数を示している。基本燃料噴射時間TPは機関シリ
ンダ内に供給される混合気の空燃比を理論空燃比とする
のに必要な燃料噴射時間を示している。この基本燃料噴
射時間TPは予め実験により求められ、機関負荷Q/N
(吸入空気量Q/機関回転数N)および機関回転数Nの
関数として図2に示すようなマップの形で予めROM3
2内に記憶されている。補正係数Kは機関シリンダ内に
供給される混合気の空燃比を制御するための係数であっ
て、K=1.0であれば機関シリンダ内に供給される混
合気は理論空燃比となる。これに対してK<1.0にな
れば機関シリンダ内に供給される混合気の空燃比は理論
空燃比よりも大きくなり、即ちリーンとなり、K>1.
0になれば機関シリンダ内に供給される混合気の空燃比
は理論空燃比よりも小さくなり、即ちリッチとなる。
【0047】そして、本実施形態に係るガソリンエンジ
ンでは、機関低中負荷運転領域では補正係数Kの値が
1.0よりも小さい値とされてリーン空燃比制御が行わ
れ、機関高負荷運転領域、エンジン始動時の暖機運転
時、加速時、及び120km/h以上の定速運転時には
補正係数Kの値が1.0とされてストイキ制御が行わ
れ、機関全負荷運転領域では補正係数Kの値は1.0よ
りも大きな値とされてリッチ空燃比制御が行われるよう
に設定してある。
【0048】内燃機関では通常、低中負荷運転される頻
度が最も高く、したがって運転期間中の大部分において
補正係数Kの値が1.0よりも小さくされて、リーン混
合気が燃焼せしめられることになる。
【0049】図3は燃焼室3から排出される排気ガス中
の代表的な成分の濃度を概略的に示している。この図か
らわかるように、燃焼室3から排出される排気ガス中の
未燃HC,COの濃度は燃焼室3内に供給される混合気
の空燃比がリッチになるほど増大し、燃焼室3から排出
される排気ガス中の酸素O2の濃度は燃焼室3内に供給
される混合気の空燃比がリーンになるほど増大する。
【0050】ケーシング21内に収容されているNOx
触媒20は、例えばアルミナを担体とし、この担体上に
例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セ
シウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カル
シウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イッ
トリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つ
と、白金Ptのような貴金属とが担持されている。
【0051】これらNOx触媒20のような吸蔵還元型
NOx触媒を機関の排気通路に配置すると、吸蔵還元型
NOx触媒は、流入排気ガスの空燃比(以下、排気空燃
比という)がリーンのときにはNOxを吸収し、流入排
気ガス中の酸素濃度が低下すると吸収したNOxを放出
するNOxの吸放出作用を行う。ここで、排気空燃比と
は、機関吸気通路および吸蔵還元型NOx触媒より上流
の排気通路内に供給された空気および燃料(炭化水素)
の比をいう。
【0052】なお、吸蔵還元型NOx触媒より上流の排
気通路内に燃料(炭化水素)あるいは空気が供給されな
い場合には、排気空燃比は燃焼室内に供給される混合気
の空燃比に一致し、したがってこの場合には、吸蔵還元
型NOx触媒は燃焼室内に供給される混合気の空燃比が
リーンのときにはNOxを吸収し、燃焼室内に供給され
る混合気中の酸素濃度が低下すると吸収したNOxを放
出することになる。
【0053】吸蔵還元型NOx触媒によるNOxの吸放出
作用の詳細なメカニズムについては明かでない部分もあ
る。しかしながら、この吸放出作用は図4に示すような
メカニズムで行われているものと考えられる。次に、こ
のメカニズムについて担体上に白金Ptおよびバリウム
Baを担持させた場合を例にとって説明するが、他の貴
金属,アルカリ金属,アルカリ土類,希土類を用いても
同様なメカニズムとなる。
【0054】即ち、流入排気ガスの空燃比がかなりリー
ンになると流入排気ガス中の酸素濃度が大巾に増大し、
図4(A)に示されるように酸素O2 がO2 -又はO2-
形で白金Ptの表面に付着する。一方、流入排気ガスに
含まれるNOは、白金Ptの表面上でO2 -又はO2-と反
応し、NO2 となる(2NO+O2 →2NO2 )。
【0055】次いで、生成されたNO2の一部は、白金
Pt上で酸化されつつ吸蔵還元型NOx触媒内に吸収さ
れて酸化バリウムBaOと結合しながら、図4(A)に
示されるように硝酸イオンNO3 -の形で吸蔵還元型NO
x触媒内に拡散する。このようにしてNOxが吸蔵還元型
NOx触媒20内に吸収される。
【0056】流入排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金
Ptの表面でNO2が生成され、吸蔵還元型NOx触媒の
NOx 吸収能力が飽和しない限り、NO2が吸蔵還元型
NOx触媒内に吸収されて硝酸イオンNO3 -が生成され
る。
【0057】これに対して、流入排気ガス中の酸素濃度
が低下してNO2の生成量が低下すると反応が逆方向
(NO3 -→NO2)に進み、吸蔵還元型NOx触媒内の硝
酸イオンNO3 -がNO2またはNOの形で吸蔵還元型N
Ox触媒から放出される。即ち、流入排気ガス中の酸素
濃度が低下すると、吸蔵還元型NOx触媒からNOxが放
出されることになる。図3に示されるように、流入排気
ガスのリーンの度合いが低くなれば流入排気ガス中の酸
素濃度が低下し、したがって流入排気ガスのリーンの度
合いを低くすれば吸蔵還元型NOx触媒からNOxが放出
されることとなる。
【0058】一方、このとき、燃焼室内に供給される混
合気がストイキまたはリッチになると、図3に示される
ように機関からは多量の未燃HC,COが排出され、こ
れら未燃HC,COは、白金Pt上の酸素O2 -又はO2-
と反応して酸化せしめられる。
【0059】また、排気空燃比がストイキまたはリッチ
になると流入排気ガス中の酸素濃度が極度に低下するた
めに吸蔵還元型NOx触媒からNO2またはNOが放出さ
れ、このNO2またはNOは、図4(B)に示されるよ
うに未燃HC、COと反応して還元せしめられてN2
なる。
【0060】即ち、流入排気ガス中のHC,COは、ま
ず白金Pt上の酸素O2 -又はO2-とただちに反応して酸
化せしめられ、次いで白金Pt上の酸素O2 -又はO2-
消費されてもまだHC,COが残っていれば、このH
C,COによって吸蔵還元型NOx触媒から放出された
NOxおよびエンジンから排出されたNOxがN2に還元
せしめられる。
【0061】このようにして白金Ptの表面上にNO2
またはNOが存在しなくなると、吸蔵還元型NOx触媒
から次から次へとNO2またはNOが放出され、さらに
2に還元せしめられる。したがって、排気空燃比をス
トイキまたはリッチにすると短時間の内に吸蔵還元型N
Ox触媒からNOxが放出されることになる。
【0062】このように、排気空燃比がリーンになると
NOxが吸蔵還元型NOx触媒に吸収され、排気空燃比を
ストイキあるいはリッチにするとNOxが吸蔵還元型N
Ox触媒から短時間のうちに放出され、N2に還元され
る。したがって、大気中へのNOxの排出を阻止するこ
とができる。
【0063】ところで、全負荷運転時には燃焼室内に供
給される混合気をリッチとし、また高負荷運転時、エン
ジン始動時の暖機運転時、加速時、及び120km/h
以上の定速運転時には混合気を理論空燃比(ストイキ)
とし、低中負荷運転時には混合気をリーンとした場合に
は、低中負荷運転時に排気ガス中のNOxが吸蔵還元型
NOx触媒に吸収され、全負荷運転時及び高負荷運転時
に吸蔵還元型NOx触媒からNOxが放出され還元される
ことになる。しかしながら、全負荷運転あるいは高負荷
運転の頻度が少なく、低中負荷運転の頻度が多くその運
転時間が長ければ、NOxの放出・還元が間に合わなく
なり、吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸収能力(NOx吸
収容量)が飽和してNOxを吸収できなくなってしま
う。
【0064】そこで、このような場合には、リーン混合
気の燃焼が行われているとき、即ち中低負荷運転を行っ
ているときには、比較的に短い周期でスパイク的(短時
間)にストイキまたはリッチ混合気の燃焼が行われるよ
うに混合気の空燃比を制御し、短周期的にNOxの放出
・還元を行う手法を採用することがある。
【0065】このようにNOxの吸放出のために、排気
空燃比(この実施の形態では混合気の空燃比)が比較的
に短い周期で「リーン」と「スパイク的なストイキまた
はリッチ(以下、これをリッチスパイクという)」を交
互に繰り返されるように制御することを、リーン・リッ
チスパイク制御と称しており、この実施の形態において
もリーン・リッチスパイク制御を採用している。尚、こ
の出願においては、リーン・リッチスパイク制御はリー
ン空燃比制御に含まれるものとする。
【0066】一方、燃料には硫黄(S)が含まれてお
り、燃料中の硫黄が燃焼するとSO2やSO3などの硫黄
酸化物(SOx)が発生し、吸蔵還元型NOx触媒は排気
ガス中のこれらSOxも吸収する。吸蔵還元型NOx触媒
のSOx吸収メカニズムはNOx吸収メカニズムと同じで
あると考えられる。即ち、NOxの吸収メカニズムを説
明した場合と同様に担体上に白金PtおよびバリウムB
aを坦持させた場合を例にとって説明すると、前述した
ように、排気空燃比がリーンのときには、酸素O2がO2
-又はO2-の形で吸蔵還元型NOx触媒の白金Ptの表面
に付着しており、流入排気ガス中のSOx(例えばS
2)は白金Ptの表面上で酸化されてSO 3となる。
【0067】その後、生成されたSO3は、白金Ptの
表面で更に酸化されながら吸蔵還元型NOx触媒内に吸
収されて酸化バリウムBaOと結合し、硫酸イオンSO
4 2-の形で吸蔵還元型NOx触媒内に拡散し硫酸塩BaS
4を生成する。この硫酸塩BaSO4は安定していて分
解しずらく、前述したリーン・リッチスパイク制御によ
り流入排気ガスの空燃比を短時間だけストイキまたはリ
ッチにしても分解されずに吸蔵還元型NOx触媒内に残
ってしまう。したがって、時間経過に伴い吸蔵還元型N
Ox触媒内のBaSO4の生成量が増大すると吸蔵還元型
NOx触媒の吸収に関与できるBaOの量が減少してN
Oxの吸収能力が低下してしまう。これが即ちSOx被毒
である。
【0068】そこで、本実施の形態に係る排気浄化装置
にあっては、NOx吸収剤20にSOxが流入しないよ
うに、流入する排気ガスの空燃比がリーンであるときに
SOSOxを吸収すると共に流入する排気ガスの空燃比
がリッチになると吸収したSOxを放出する三元触媒の
機能を有するSOx触媒17をNOx触媒20の上流に
配置している。このSOx触媒17はSOx触媒17に
流入する排気ガスの空燃比がリーンのときにはSOxと
共にNOxも吸収するがSOX触媒17に流入する排気
ガスの空燃比をリッチにすると吸収したNOXばかりで
なく吸収したSOXをも放出するものである。
【0069】上述したようにNOx触媒20ではSOx
が吸収されると安定した硫酸塩BaSO4 が形成され、
その結果NOx触媒20に流入する排気ガスの空燃比を
リッチにした場合であってもSOxがNOx触媒20か
ら放出されなくなる。従ってSOx触媒17に流入する
排気ガスの空燃比をリッチにしたときにSOx吸収剤1
6からSOxが放出されるようにするためには吸収した
SOxが硫酸イオンSO42-の形で吸収剤内に存在する
ようにするか、或いは硫酸塩BaSO4が生成されたと
しても硫酸塩BaSO4 が安定しない状態で吸収剤内に
存在するようにすることが必要となる。これを可能とす
るSOx触媒17としてはアルミナからなる担体上に銅
Cu、鉄Fe、マンガンMn、ニッケルNiのような遷
移金属、ナトリウムNa、チタンTiおよびリチウムL
iから選ばれた少くとも一つを担持した吸収剤を用いる
ことができる。
【0070】このSOx触媒17ではSOx触媒17に
流入する排気ガスの空燃比がリーンのときに排気ガス中
に含まれるSO2が吸収剤の表面で酸化されつつ硫酸イ
オンSO42-の形で吸収剤内に吸収され、次いで吸収剤
内に拡散される。この場合、SOx触媒17の担体上に
白金Ptを担持させておくとSO2 がSO32-の形で白
金Pt上に付着しやすくなり、斯くしてSO2は硫酸イ
オンSO42-の形で吸収剤内に吸収されやすくなる。従
ってSO2 の吸収を促進するためにはSOx触媒17の
担体上に白金Ptを担持させることが好ましい。上述し
たようにSOx触媒17に流入する排気ガスの空燃比が
リーンになるとSOxがSOx触媒17に吸収され、従
ってSOx触媒17の下流に設けられたNOx吸収剤1
9にはNOxのみが吸収されることになる。
【0071】一方、前述したようにSOx触媒17に吸
収されたSOxは硫酸イオンSO42 -の形で吸収剤内に
拡散しているか、或いは不安定な状態で硫酸塩BaSO
4となっている。従ってSOx触媒17に流入する排気
ガスの空燃比がリッチになるとSOx吸収剤16に吸収
されているSOxがSOx吸収剤16から放出されるこ
とになる。
【0072】次に図5を参照しつつNOx吸収剤19か
らのNOx放出作用とSOx触媒17からのSOx放出
作用とについて説明する。図5(A)はSOx吸収剤1
7およびNOx吸収剤20に流入する排気ガスの空燃比
をリッチにしたときのNOx吸収剤20およびSOx触
媒17の温度TとNOx吸収剤19からのNOx 放出
率f(T)およびSOx触媒17からのSOx放出率g
(T)との関係を示しており、図5(B)は基本燃料噴
射時間TPに対する補正係数Kt(Kt=1.0で理論
空燃比、Kt>1.0でリッチ、Kt<1.0でリー
ン)とNOx吸収剤19からのNOx放出率f(Kt)
およびSOx吸収剤16からのSOx放出率g(Kt)
との関係を示している。
【0073】NOx吸収剤20ではNOx触媒20の温
度がほぼ150℃以上であれば白金Pt表面上のNO2
が存在しなくなると反応がただちに(NO3 - →NO
2)の方向に進み、吸収剤からNOxがただちに放出さ
れる。従って、図5(A)に示されるようにNOx触媒
19の温度がかなり低くてもNOx放出率f(T)はか
なり高くなる。即ち、NOxはかなり速い速度でNOx
触媒20から放出されることになる。なお、図5(A)
に示されるようにNOx吸収剤19の温度Tが高くなる
ほどNOx放出率f(T)は高くなり、また補正係数K
tの値が大きくなるほど、即ち排気ガスの空燃比のリッ
チの度合が高くなるほどNOx放出率f(Kt)は高く
なる。
【0074】これに対してSOx触媒17に吸収されて
いるSOxはNOx吸収剤19に吸収されているNOx
と比べて安定しているために分解しずらく、このSOx
の分解はSOx触媒17の温度TがSOx触媒17の種
類により定まる温度Toを越えないと十分に生じない。
従って、図5(A)に示されるようにSOx触媒17の
温度TがToよりも低いときにはSOx放出率g(T)
は極めて低く、即ちSOx触媒17からはほとんどSO
xが放出されず、SOx触媒17の温度TがToを越え
るとSOx触媒17からのSOx放出作用が実質的に開
始される。なお、SOxについてもSOx触媒17の温
度TがToを越えれば、図5(A)に示されるようにS
Ox触媒17の温度Tが高くなるほどSOx放出率g
(T)が高くなり、また図5(B)に示されるように補
正係数Ktの値が大きくなるほどSOx放出率g(K
t)が高くなる。
【0075】図6(A)はNOx触媒20およびSOx
触媒17の温度TがTo(図5)よりも低いときにNO
x触媒20およびSOx触媒17への流入排気ガスの空
燃比をリッチにしたときのNOx触媒20からの累積N
Ox放出量とSOx触媒17からの累積SOx放出量と
を示しており、図6(B)の実線はNOx触媒20およ
びSOx触媒17の温度TがTo(図5)よりも高いと
きにNOx触媒20およびSOx触媒17への流入排気
ガスの空燃比をリッチにしたときのNOx触媒20から
の累積NOx放出量とSOx触媒17からの累積SOx
放出量とを示している。
【0076】SOx触媒17の温度TがToよりも低い
ときには図5(A)に示されるようにSOxはほとんど
放出されず、従ってこのときにNOx触媒20およびS
Ox吸収剤16に流入する排気ガスの空燃比をリッチに
すると図6(A)に示されるようにNOx触媒20から
は急速にNOxが放出されるがSOx触媒17からはほ
とんどSOxが放出されない。
【0077】一方、SOx触媒17の温度TがToより
も高くなると図5(A)に示されるようにSOxの放出
作用が行われるのでこのときNOx触媒20およびSO
x触媒17に流入する排気ガスの空燃比をリッチにする
と図6(B)において実線で示されるようにNOxおよ
びSOxが共に放出される。この場合、NOxは短時間
のうちにNOx触媒20から放出されるがSOx触媒1
7内におけるSOxの分解速度が遅いためにSOxはS
Ox触媒17からゆっくりとしか放出されない。なお、
この場合でもSOx触媒17の温度Tが高くなれば図5
(A)から分かるようにSOx放出率g(T)は高くな
るので図6(B)において破線で示すようにSOxはS
Ox触媒17から比較的速く放出される。
【0078】また、図6(B)において実線で示すNO
x放出量はアルミナからなる担体上に銅Cu、鉄Fe、
ニッケルNi等の遷移金属、ナトリウムNa或いはリチ
ウムLiを担持させたSOx触媒17からのNOx放出
量を示しており、アルミナからなる担体上に例えばチタ
ニアTiO2 を担持させたSOx触媒17では図6
(B)において破線で示すようにSOxはSOx触媒1
7から比較的速く放出される。このようにSOx触媒1
7からのSOx放出速度はSOx触媒17の種類によっ
ても変化するものであり、かつ、SOx触媒17の温度
Tによっても変化することとなる。
【0079】ところで、前述したようにSOx触媒17
の温度TがToよりも高いときにSOx触媒17および
NOx触媒20に流入する排気ガスの空燃比をリッチに
するとSOx触媒17からはSOxが放出され、NOx
触媒20からはNOxが放出される。このときSOx触
媒17から流出した排気ガスがNOx触媒20に流入す
るようにしておくとSOx触媒17から放出されたSO
xがNOx触媒20に吸収されてしまい、NOx触媒2
0はいわゆるSOx被毒の事態を起こすこととなり、S
Ox触媒17を設けた意味がなくなってしまう。 そこ
で本発明ではこのようにSOx吸収剤16が放出された
SOxがNOx吸収剤19に吸収されるのを阻止するた
めにSOx吸収剤16からSOxを放出すべきときには
SOx触媒17から流出した排気ガスをバイパス通路2
6内に導びくように構成されている。
【0080】即ち、本発明による実施例では、内燃機関
の始動後における暖機運転の際の、空燃比がストイキ又
はリッチ制御状態の場合、及び、暖機運転が完了した後
の、空燃比制御がリーン制御状態の場合には、排気切換
弁28が図1において実線で示すバイパス閉位置に保持
されるように構成されている。従って、このときSOx
触媒17から流出した排気ガスがNOx触媒20内に流
入する。従って、このとき排気ガス中のSOxはSOx
触媒17により吸収されるのでNOx触媒20において
はNOxのみが吸収されることになる。
【0081】その後、エンジンが加速時等の場合におけ
るように、高負荷状態に至り、ストイキ制御状態となっ
た場合には、排気切換弁28が図1において破線で示す
バイパス開位置に切換えられる。燃焼室3内に供給され
る混合気がストイキ又はリッチになるとSOx触媒17
からはSOxが放出されるがこのときSOx触媒17か
ら流出した排気ガスはNOx触媒20内に流入せず、バ
イパス通路26内に流入せしめられる。
【0082】また、上記エンジンの高負荷状態が終了
し、空燃比制御がリーンの状態へ復帰する場合には、同
時に排気切換弁28が図1において実線で示すバイパス
閉位置に切換えられる。このように、本実施例ではSO
x触媒17からSOxが放出されているときにはSOx
触媒17から流出した排気ガスがNOx触媒20内に流
入せしめられる。
【0083】なお、このとき機関からは未燃HC,CO
およびNOxが排出されるが、前述したようにSOx触
媒17は三元触媒の機能を有しているのでこれら未燃H
C,COはSOx触媒17において浄化せしめられ、ま
た、NOxは、NOx触媒20により浄化されるので、
多量の未燃HC,COおよびNOxが大気中に放出され
る危険性はない。
【0084】さらに、本実施の形態にあっては、上述の
ように、三元触媒としての三元触媒43が、上記NOx
触媒20の排気通路下流側において上記排気通路上に配
置されている。即ち、NOx触媒20のケーシング21
の排気管44の下流側には三元触媒43を内蔵したケー
シング42が設けられている。
【0085】この三元触媒43は、上記のようにストイ
キ制御時又はリッチ制御時にSOx触媒17を介して流
下した排気ガス中に含まれる未燃HC、CO、NOxを
浄化するために設けられている。
【0086】以下、このように構成された本実施の形態
に係る内燃機関の排気浄化装置の作用について、空燃比
制御と上記排気切り替え弁28との関係を図7のフロー
チャートを参照しながら、制御ルーチンに基づき説明す
る。このフローチャートはECU30のROM32に記
憶されており、フローチャートの各ステップにおける処
理は全てECU30のCPU34により実行される。
【0087】<ステップ101>まず、ECU30は、
ステップ101においてエンジンが始動されたか否か、
を判断する。この場合、エンジンが始動されたと判断さ
れた場合には、ステップ102へ進む。エンジンが始動
されていないと判断された場合には、以下のルーチンは
実行されない。
【0088】<ステップ102>ステップ101におい
て、エンジンが始動されたと判断された場合には、ステ
ップ102において、排気切替弁28がNOx触媒20
へ連通する排気管19を開放した状態にあるか否か、が
判断される。排気切替弁28が排気管19を開放した状
態にあると判断された場合には、ステップ104へ進
み、ストイキ又はリッチ制御によりエンジンの暖機運転
が行われる。即ち、前回のエンジン停止状態で排気切替
弁28が最終的にNOx触媒20へ連通する排気管19
を開放した状態となっている場合には、そのままステッ
プ104において暖機運転が行われる。
【0089】一方、ステップ102において、排気切替
弁28がNOx触媒20へ連通する排気管19を閉止し
た状態にあると判断された場合には、ステップ103に
おいてアクチュエータ27が駆動されることにより排気
切替弁28を作動させてNOx触媒20へ連通する排気
管19を開放させる。この排気切替弁28の作動により
SOx触媒17とNOx触媒20とが排気管19を介し
て連通した状態となる。上記のように排気切替弁28が
作動して排気管19を開放したことが確認された場合に
はステップ104へ進み、ストイキ又はリッチ制御によ
るエンジンの暖機が行われる。
【0090】<ステップ104>ステップ104におい
てはエンジンの空燃比制御がストイキ又はリッチの状態
によりエンジンの暖機運転が行われる。この処理が行わ
れたか否かは、温度センサ23で排気ガス温度を検出
し、この温度データを使用して判断する。ストイキ又は
リッチ制御が行われた場合には、排気ガス中に、酸素に
対して燃料の含有量が多いことから、燃焼温度の高い排
気ガスが機関本体1から排気マニフォルド16を介して
流出してケーシング18内のSOx触媒17へ流入して
SOx触媒17を加熱昇温させる。さらに、この高温の
排気ガスは排気管19を介してケーシング21内のNO
x触媒20へ流入し、NOx触媒20を加熱昇温させ
る。
【0091】この場合、上記のように、ストイキ又はリ
ッチ制御ではあるが、エンジンの排気温度は高温ではあ
っても、SOxを放出し始める温度には至っていないた
め、SOx触媒17中のSOxは未だ放出されることは
なく、NOx触媒20は排気ガス中のSOxを吸収する
ことはない。 <ステップ105>上記ステップ104におけるエンジ
ンの空燃比制御がストイキ又はリッチの状態が所定時間
継続し、上記NOx触媒20の出口付近に設けられた温
度センサ(図示せず)によりNOx触媒20の温度が所
定温度以上に昇温しNOx触媒20が十分に活性化され
たと判断され、かつ、エンジンの運転状態から暖機運転
は完了したと判断された場合には、次のステップ106
へ進む。この場合、未だ、NOx触媒20の温度が十分
に加熱昇温されておらず、もしくは、エンジン1の暖機
運転が未だ十分ではない、と判断された場合には、NO
x触媒20が十分に昇温し、かつ、エンジンの運転状態
が暖機運転不要となる状態に至るまで上記ステップ10
4においてストイキ、リッチ制御による暖機を継続す
る。 <ステップ106>NOx触媒20の温度が所定温度以
上にまで上昇し、かつ、エンジン1の運転状態が安定し
た場合には、エンジンの空燃比制御はストイキ又はリッ
チ制御からリーン制御の状態へ移行する。この状態で
は、燃料に対して酸素の含有量の多い排気ガスが、排気
マニフォルド16を介してSOx触媒17へ供給される
と共に、排気管19を介してNOx触媒20へ供給さ
れ、さらに、排気管44を介して三元触媒43へも供給
される。この場合、上記SOx触媒17では、HC,C
O及びSOxが吸収されると共にNOx触媒20ではN
Oxが吸収される。 <ステップ107>次に、加速時等のように、アクセル
開度が所定量以上であってエンジンが高負荷の状態であ
ると判断された場合には、エンジン空燃比制御は、リー
ン制御からストイキ制御状態へ移行する。 <ステップ108>エンジン空燃比制御がストイキ制御
状態であると判断された場合には、上記アクチュエータ
27に作動信号が発せられてアクチュエータ27が排気
切替弁28を駆動させ、バイパス通路26を開放すると
共に排気管19を閉止する。この場合、空燃比がストイ
キ制御下における、より高温の排気ガスがバイパス通路
26及び排気管44を介して三元触媒43へ供給され三
元触媒43を加熱昇温する。その結果、三元触媒43は
この高温の排気ガスにより短時間で加熱昇温されて活性
化する。また、排気ガス中の未燃HC、CO、NOxは
上記三元触媒43により浄化されるものである。
【0092】このようにして、本実施の形態に係る内燃
機関の排気浄化装置にあっては、順次、NOx触媒20
及び三元触媒43が高温の排気ガスにより加熱昇温され
て活性化し、かつ、NOx触媒20にエンジン始動時の
ストイキ又はリッチ制御下における排気ガスが供給され
た場合においても、何ら、SOx被毒は生じない。
【0093】この場合、エンジン始動時の際の暖機時に
おけるストイキ制御下における排気ガスを、本実施の形
態におけるように、NOx触媒20側へ供給するのでは
なく、従来のように、バイパス通路26側へ供給するよ
うに排気切替弁28が配置されると共に、その後、リー
ン制御へ移行した際に、上記排気切替弁28がNOx触
媒20側へ排気ガスを流入させるような切り替え位置に
配置されるように切り替え制御がされた場合には、三元
触媒としての三元触媒43は上記暖機時におけるストイ
キ制御下の排気ガスにより加熱昇温されるが、その後、
内燃機関の暖機が完了し、三元触媒43が十分に加熱さ
れて昇温されたものと判断され空燃比制御がリーン制御
に切り替えられて、排気ガスがNOx触媒20側へ流入
した場合には、NOx触媒20へ流入する排気ガスはリ
ーン制御下のものであり、ストイキ制御下における排気
ガス温度よりも低い。
【0094】従って、本実施の形態におけるような手順
で各吸収材を加熱昇温させた場合よりもNOx触媒20
の活性化に時間がかかり、その結果、NOx触媒のエミ
ッションの低下を来すものである。その結果、本実施の
形態に係る発明にあっては、NOx触媒20を内燃機関
始動後の暖機運転時のストイキ制御を利用して加熱昇温
させることができると共に、三元触媒としての三元触媒
43を高負荷ストイキ制御時における、さらに高温の排
気ガスを利用して短時間に効率よく加熱することができ
る。従って、NOx触媒20及びSOx吸収材としての
三元触媒43をエミッションの低下を生ぜしめることな
く、かつ、NOx触媒20のSOx被毒を回避した形で
加熱昇温させることが可能となる、という効果を奏す
る。
【0095】次に、本願発明の他の実施の形態を説明す
る。図8に示すように、本実施の形態にあっては、上記
バイパス通路26は、上記NOx触媒20とSOx触媒
17との間の部位及びNOx触媒20の下流側の部位4
5とを接続して設けられると共に、上記三元触媒49
は、上記バイパス通路26に設けられている。
【0096】即ち、バイパス通路26の中間部位にはケ
ーシング50が設けられており、このケーシング50に
は三元触媒49が内蔵されている。従って、本実施の形
態に係る内燃機関の排気浄化装置にあっては、上記実施
の形態における場合と同様に、エンジン始動後の暖機時
におけるストイキ又はリッチ状態での空燃比制御の場合
には、上記切り替え手段28はパイパス通路26を閉止
すると共に、NOx触媒20へ連通する排気管19を開
放する、図8における実線で示される制御位置に配置さ
れており、暖機時の高温の排気ガスはNOx触媒20へ
供給され、SOx触媒17からSOxは未だ放出されな
い状態でNOx触媒20を加熱昇温させる。
【0097】その後、NOx触媒20が、化学反応が促
進される程度に十分に加熱され、かつ、暖機運転が完了
したと判断された場合には、エンジンの空燃比制御がリ
ーン制御へ切り替えられるが、上記切り替え手段28は
作動することなく、前期同様に排気管19を開放してお
り、排気ガスがNOx触媒20へ供給される、実線で示
す切り替え位置を保持するため、上記同様にバイパス通
路26は閉鎖されている。従って、この状態でNOx触
媒20は排気ガス中のNOxを吸収する。
【0098】その後、エンジンの高負荷時にあっては、
再度、ストイキ制御状態へ移行するが、この場合、上記
切り替え手段28はアクチュエータ27により駆動さ
れ、排気管19を閉鎖し、図8において破線で示すよう
に、バイパス通路26側へ排気ガスが供給されると共に
NOx触媒20へ連通する排気管46を閉鎖する切り替
え位置に切り替わる。その結果、排気ガスは、バイパス
通路26を介してバイパス通路26中に設けられた三元
触媒49へ供給される。
【0099】この場合、エンジンが高負荷の状態にある
ことから排出される排気ガスも高温であり、三元触媒4
9は高温により加熱されることから短時間で昇温され
る。また、上記同様、排気ガス中に含まれる未燃HC、
CO、NOxは、三元触媒49により浄化される。
【0100】本実施の形態における作用としての制御手
順は前期実施の形態におけるフローチャートと同様のル
ーチンにより行われる。本実施の形態に係る内燃機関の
排気浄化装置にあっては、前記実施の形態の場合とは異
なり、SOx触媒49がNOx触媒20の、排気通路に
おけるさらに下流側ではなく、バイパス通路26上にお
いて、NOx触媒20と並列な位置関係に配置されてい
ることから、前記実施の形態の場合のようにNOx触媒
20と三元触媒49とを、排気通路上において直列な位
置関係に接続配置した場合に比して、三元触媒としての
三元触媒49がエンジンにより近接して配置されてい
る。
【0101】その結果、前記実施の形態に係る内燃機関
の排気浄化装置機関の場合よりも高温の排気ガスを三元
触媒としての三元触媒49に供給することができ、より
効率よく三元触媒としての三元触媒49を加熱昇温させ
ることが可能となる。
【0102】
【発明の効果】請求項1記載の発明にあっては、いわゆ
るSOx被毒を回避するためにNOx吸収材を迂回する
バイパス通路を設けた内燃機関の排気浄化装置におい
て、エミッションを低下させることなく各排気浄化材を
昇温させることが可能となる。
【0103】請求項2記載の発明にあっては、請求項1
記載の発明の効果に加えて、三元触媒をNOx吸収材の
下流側において直列に配置した内燃機関の排気浄化装置
を提供することにある。
【0104】請求項3記載の発明にあっては、請求項1
記載の発明の効果に加えて、三元触媒をより効率良く加
熱しうる内燃機関の排気浄化装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る内燃機関の排気
浄化装置機関を示す概略構成図であって、三元触媒とし
ての三元触媒がNOx吸収材としてのNOx触媒の排気
通路下流側において、直列に配置されている場合を示す
図である。
【図2】 基本燃料噴射時間のマップの一例を示す図で
ある。
【図3】 機関から排出される排気ガスの未燃HC,C
O及び酸素の濃度を概略的に示すグラフである。
【図4】 吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸放出作用を
説明するための図である。
【図5】 NOx放出率及びSOx放出率を示すグラフ
である。
【図6】 NOx及びSOxの累積放出量を示すグラフ
である。
【図7】 本発明の一実施の形態に係る内燃機関の排気
浄化装置機関における空燃比制御と上記排気切り替え弁
との関係に関する制御ルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図8】 本発明の他の実施の形態に係る内燃機関の排
気浄化装置機関を示す概略構成図であって、NOx吸収
材としてのNOx触媒と三元触媒としての三元触媒が、
排気通路上において並列に配置されている場合を示す図
である。
【符号の説明】
1 機関本体 2 燃焼室 4 点火栓 11 燃料噴射弁 16,18,22,45 排気管(排気通路) 17 SOx吸収材(SOx触媒) 20 NOx吸収材(NOx触媒) 23 温度センサ 26 排気バイパス通路(バイパス
通路) 28 切り替え手段(排気切替弁) 30 ECU 43,49 三元触媒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01N 3/08 - 3/24 F02D 41/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路に設けられ、希薄燃
    焼可能な内燃機関から流入する排気ガスの空燃比がリー
    ンの状態である場合にはNOxを吸収すると共に流入す
    る排気ガスの酸素濃度が低い場合には吸収したNOxを
    放出するNOx吸収材と、 このNOx吸収材の排気通路上流側に設けられ、流入す
    る排気ガスの空燃比がリーンの状態である場合にはSO
    xを吸収すると共に流入する排気ガスの酸素濃度が低い
    場合には吸収したSOxを放出するSOx吸収材と、 上記排気通路途中に設けられ、SOx吸収材から排出さ
    れるSOxを含んだ排気ガスがNOx吸収材を迂回して
    流下しうるように構成された排気バイパス通路と、 上記SOx吸収材から流入する排気ガス中に含まれるH
    C、CO及びNOxを浄化しうる三元触媒と、 上記内燃機関から上記SOx吸収材を介して排気通路内
    を流通する排気ガスを上記NOx吸収材又は排気バイパ
    ス通路のいずれかに選択的に流入させうる切り替え手段
    とを備えた内燃機関の排気浄化装置において、 上記切り替え手段は、内燃機関の始動後における暖機時
    におけるストイキ制御又はリッチ制御される際、及び、
    排気ガスの空燃比制御がリーン制御される際には排気ガ
    スをNOx吸収材へ流入させる切り替え位置に配置され
    るように制御されると共に、内燃機関の高負荷時に排気
    ガスの空燃比制御がストイキ制御された際には排気ガス
    を排気バイパス通路へ流入させうる切り替え位置に配置
    されるように制御されることを特徴とする内燃機関の排
    気浄化装置。
  2. 【請求項2】 上記三元触媒は、上記NOx吸収材の排
    気通路下流側において上記排気通路上に設けられると共
    に、上記排気バイパス通路は、上記NOx吸収材とSO
    x吸収材との間の部位及びNOx吸収材と三元触媒との
    間の部位を接続して設けられていることを特徴とする請
    求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 上記排気バイパス通路は、上記NOx吸
    収材とSOx吸収材との間の部位及びNOx吸収材の下
    流側の部位とを接続して設けられると共に、上記三元触
    媒は、上記排気バイパス通路に設けられていることを特
    徴とする請求項 1記載の内燃機関の排気浄化装置。
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