JP2842111B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2842111B2
JP2842111B2 JP33187592A JP33187592A JP2842111B2 JP 2842111 B2 JP2842111 B2 JP 2842111B2 JP 33187592 A JP33187592 A JP 33187592A JP 33187592 A JP33187592 A JP 33187592A JP 2842111 B2 JP2842111 B2 JP 2842111B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の排気浄化装
置に関し、詳細には、内燃機関の排気中のNOX を効果
的に除去可能な排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の排気浄化装置の例としては、例
えば特開昭62─106826号公報に開示されたもの
がある。同公報の装置は、ディーゼル機関の排気通路に
酸素の存在下でNOX を吸収する吸収剤(触媒)を配置
して排気中のNOX を吸収させ、該吸収剤のNOX 吸収
効率が低下した時に吸収剤への排気の流入を遮断して、
吸収剤に気体状の還元剤を供給することにより吸収剤か
らNOX を放出させると共に、放出されたNOXを還元
浄化するものである。
【0003】内燃機関の排気通路にNOX 吸収剤を配置
して排気中のNOX を吸収させた場合、NOX 吸収剤の
NOX 吸収能力が飽和する前に、定期的にNOX 吸収剤
に還元剤を供給してNOX 吸収剤の雰囲気酸素濃度を下
げることによりNOX 吸収剤に吸収されたNOX を放出
させると共に、放出されたNOX を還元浄化する必要が
ある。しかし、NOX 吸収剤に排気を流したままで上記
のNOX 放出及び還元、浄化の操作(以下NOX 吸収剤
の「再生操作」という。)を行うと、NOX 吸収剤の雰
囲気の酸素濃度を低下させるためには、流入する排気中
の酸素を全て消費するだけの量の還元剤が必要となるた
め還元剤消費量が多大になる。
【0004】上記特開昭62─106826号公報の排
気浄化装置では、NOX 吸収剤入口の排気通路に遮断弁
を設け、上述のNOX 吸収剤再生操作時にはNOX 吸収
剤への排気の流入を遮断してからNOX 吸収剤に還元剤
を供給するようにして排気中の酸素消費に要する還元剤
の量を低減している。すなわち、上記公報の装置では再
生時にNOX 吸収剤への排気の流入を遮断することによ
り、再生操作に必要な還元剤の量を、NOX 吸収剤を収
容した容器内に残留する排気中の酸素を消費するのに必
要な量と、NOX 吸収剤から放出されるNOX を還元す
るのに必要な量だけに低減しようとしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開昭
62─106826号公報の排気浄化装置では、実際に
は、NOX 吸収剤の再生を行うために必要な還元剤の量
は、容器内の酸素を消費するのに必要な量とNOX 吸収
剤から放出されるNOX を還元するのに必要な量との合
計より多くなる問題がある。図9は上記公報の排気浄化
装置のNOX 吸収剤再生操作を説明する図である。
【0006】図9(A)において、2はエンジン排気通
路、3は排気通路2に接続された、NOX 吸収剤を収容
する容器、1は容器3内に配置されたNOX 吸収剤、4
はNOX 吸収剤1に還元剤を供給する還元剤供給装置で
ある。上述のように、従来技術ではNOX 吸収剤の再生
時には排気通路から容器1に流入する排気は遮断され、
容器3内は気体の流れが無い状態になる。このため、還
元剤供給装置4から供給された還元剤は供給装置4付近
に滞留し、高濃度の還元剤の層を形成する。
【0007】この還元剤の層は、時間が経てば容器内に
拡散し、容器内の空間全体の還元剤濃度は均一になる
が、容器内に流れがない状態では還元剤が容器内全体に
拡散するためには極めて長時間を要しNOX 吸収剤の再
生に要する時間が大幅に増大してしまう。そこで上記公
報の装置では、NOX 吸収剤の再生時間を短縮するた
め、真にNOX 吸収剤再生に必要な量の還元剤を供給し
た後も引き続き供給装置4から還元剤の供給を続け、容
器3内に残留した排気を還元剤で置換するようにして、
容器3内部の全体を高濃度の還元剤で満たす必要があ
る。図9(B)は、この場合の容器3内の還元剤の濃度
分布の時間的変化を示しており、縦軸は時間を、横軸は
図9(A)に示したNOX 吸収剤容器3内の位置をそれ
ぞれ表している。供給装置4から供給され続ける還元剤
により、時間の経過とともに容器3内の排気が容器から
押し出され(図9(B)、(1) から(3) )、最終的には
容器3内に高濃度の還元剤が充満するようになることが
判る(同、(4) )。
【0008】従って、上記公報の装置ではNOX 吸収剤
再生時の還元剤供給量は実際に再生に必要な還元剤の量
を大幅に越えることになる。このため、上記公報の装置
では還元剤の消費量が増大して運転コストの上昇を招く
のみならず、再生終了後に消費されなかった余剰の還元
剤が排気とともに大気に放出されたり、過剰の還元剤に
よりアンモニア臭が発生したりする問題を生じる恐れが
ある。また、容器3内全体を満たす多量の還元剤を供給
する時間が必要となるため、NOX 吸収剤の再生時間が
長くなる問題がある。特に、還元剤として軽油、灯油
等、比較的揮発性の低い液体を使用するような場合に
は、供給された還元剤が気化するのに時間を要するた
め、気化した還元剤が容器3内を満たすのに長時間を要
することから、上記公報の装置では実際上これらの液体
還元剤を使用するのは困難である。
【0009】本発明は、上記問題に鑑み、NOX 吸収剤
に流入する排気の流れを遮断してNOX 吸収剤の再生を
行う場合に、還元剤の消費量を低減するとともに、再生
時間を短縮することができ、更に、軽油、灯油等の液体
還元剤を使用することのできる手段を提供することを目
的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、内燃機
関の排気通路に配置された、流入する排気の空燃比がリ
ーンのときにNO X を吸収し酸素濃度が低下したときに
吸収したNO X を放出する、少なくとも1つのNO X
収剤と、前記NO X 吸収剤からのNO X の放出と還元浄
化を行なうときに、前記NO X 吸収剤に還元剤を供給し
て前記NO X 吸収剤の雰囲気の酸素濃度を低下させる還
元剤供給装置と、前記NO X 吸収剤からのNO X の放出
と還元浄化を行なうときに、NO X 吸収剤に流入する排
気を遮断する手段と、前記NO X 吸収剤からのNO X
放出と還元浄化を行なうときに、前記供給された還元剤
をNO X 吸収剤中を通って搬送する搬送気流を生じさせ
る手段と、を備えた内燃機関の排気浄化装置が提供され
る。
【0011】
【作用】本発明に係る排気浄化装置の作用を、従来技術
と対比しながら図1を参照して説明する。図1は、本発
明に係る排気浄化装置についての前述の図9と同様な図
である。本発明では、NOX 吸収剤1の再生時にもNO
X 吸収剤を通過する気流を生じさせて、還元剤供給装置
4から供給される還元剤を搬送するようにしている。
前述のように、還元剤供給装置4から供給された還元剤
は、供給装置4の近傍に高濃度の還元剤の層を形成する
(図1(B)、(1) )。しかし、本発明ではNOX吸収
剤内を通過して還元剤を搬送する気流(図1(A)、
5)が存在するため、上記により形成された還元剤の層
は搬送気流とともにNOX 吸収剤を通過して徐々に拡散
しながら移動することになる(図1(B)、(2) から
(4) )。従って、NOX 吸収剤の各部分は、次々にこの
高濃度の還元剤の層と接触し、順にNOXの放出と還元
とが行われる。すなわち、本発明ではNOX 吸収剤は還
元剤層の通過により、入口側から出口側に向けて順に再
生が行われるのである。
【0012】このため、前述の従来技術と異なり、再生
時にNOX 吸収剤容器3内部全体に還元剤を充満させる
必要がなく、再生操作に必要な還元剤の量が低減され
る。また、搬送気流の速度を変えることにより、還元剤
とNOX 吸収剤との接触時間(空間速度)を任意に設定
できるため、NOX 吸収剤や使用する還元剤の種類に応
じて気流速度を適切に設定することにより、NOX 吸収
剤の再生が短時間で効率的に行われる。
【0013】
【実施例】以下、添付図面を用いて本発明の実施例を説
明する。図2は本発明の第一の実施例を示す。図2にお
いて、10は内燃機関、2は内燃機関10の排気通路を
示す。本実施例では、排気通路2はその下流側で2つの
排気通路に分岐しており、それぞれの分岐通路2a、2
bには分岐通路への排気の流入を制限する制御弁6a、
6bが設けられている。また、それぞれの分岐通路2
a、2bの制御弁6a、6bの下流側にはNOX 吸収剤
1a、1bを収容する容器3a、3bがそれぞれ接続さ
れている。また、それぞれの分岐通路2a、2bの制御
弁6a、6bと容器3a、3b内のNOX 吸収剤1a、
1bとの間には、NOX 吸収剤に還元剤を供給する還元
剤供給装置4a、4bが設けられている。
【0014】容器3a、3b内に配置されたNOX 吸収
剤1a、1bは、例えばアルミナを担体とし、この担体
上に例えばカリウムK,ナトリウムNa ,リチウムLi
,セシウムCs のようなアルカリ金属、バリウムBa ,
カルシウムCa のようなアルカリ土類、ランタンLa
,イットリウムYのような希土類から選ばれた少なく
とも1つと、白金Pt のような貴金属とが担持されてい
る。このNOX 吸収剤1a、1bは流入する排気の空燃
比がリーンのばあいにはNOX を吸収し、酸素濃度が低
下するとNOX を放出するNOX の吸放出作用を行う。
【0015】なお、上述の排気空燃比とは、ここではN
X 吸収剤1a、1bの上流側の排気通路やエンジン燃
焼室、吸気通路等にそれぞれ供給された空気量の合計と
燃料の合計との比を意味するものとする。従って、NO
X 吸収剤1a、1bの上流側排気通路に燃料または空気
が供給されない場合には排気空燃比はエンジンの運転空
燃比(エンジン燃焼室内の燃焼における空燃比)と等し
くなる。
【0016】本実施例では、内燃機関10としてディー
ゼルエンジンが使用されており、通常運転時の排気空燃
比はリーンであり、NOX 吸収剤1a、1bは排気中の
NO X の吸収を行う。また、後述の操作によりNOX
収剤1a、1bに還元剤が導入されて酸素濃度が低下す
ると、NOX 吸収剤1a、1bは吸収したNOX の放出
を行う。
【0017】この吸放出作用の詳細なメカニズムについ
ては明らかでない部分もある。しかし、この吸放出作用
は図8に示すようなメカニズムで行われているものと考
えられる。次にこのメカニズムについて担体上に白金P
t およびバリウムBa を担持させた場合を例にとって説
明するが他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類、希
土類を用いても同様なメカニズムとなる。
【0018】即ち、流入排気がかなりリーンになると流
入排気中の酸素濃度が大巾に増大し、図8(A) に示され
るようにこれら酸素O2 がO2 - の形で白金Pt の表面
に付着する。一方、流入排気中のNOは白金Pt の表面
上でO2 - と反応し、NO2となる(2NO+O2 →2
NO2 ) 。次いで生成されたNO2 の一部は白金Pt上
で酸化されつつ吸収剤内に吸収されて酸化バリウムBa
Oと結合しながら、図8(A) に示されるように硝酸イオ
ンNO3 - の形で吸収剤内に拡散する。このようにして
NOX がNOX 吸収剤内に吸収される。
【0019】従って、流入排気中の酸素濃度が高い限り
白金Pt の表面でNO2 が生成され、吸収剤のNOx 吸
収能力が飽和しない限りNO2 が吸収剤内に吸収されて
硝酸イオンNO3 - が生成される。これに対して流入排
気中の酸素濃度が低下してNO2 の生成量が減少すると
反応が逆方向(NO3 - →NO2 )に進み、吸収剤内の
硝酸イオンNO3 - がNO2 の形で吸収剤から放出され
る。即ち、流入排気中の酸素濃度が低下するとNOX
収剤からNOX が放出されることになる。
【0020】一方、流入排気中にHC,CO等の還元成
分が存在すると、これらの成分は白金Pt 上の酸素O2
- と反応して酸化され、白金上の酸素と排気中の酸素を
消費してNOX 吸収剤近傍の排気酸素濃度を低下させ
る。また、排気中の酸素濃度低下によりNOX 吸収剤か
ら放出されたNO2 は図8(B) に示すように還元成分H
C,COと反応して還元される。このようにして白金P
t の表面上にNO2 が存在しなくなると吸収剤から次か
ら次へとNO2 が放出される。従って流入排気中のH
C,CO成分が増加すると短時間のうちにNOX 吸収剤
からNOX が放出され、還元されることになる。
【0021】すなわち、供給された還元成分HC,CO
は、まず白金Pt 上のO2 - とただちに反応して酸化さ
れ、次いで白金Pt 上のO2 - が消費されてもまだH
C,COが残っていればこのHC,COによって吸収剤
から放出されたNOX が還元される。図2において、還
元剤供給装置4a、4bは、NOX 吸収剤1a、1bの
上流側の分岐通路2a、2bに還元剤を噴射する噴射弁
41a、41bを備え、所定量の還元剤をそれぞれの分
岐通路2a、2b内に注入する。本発明に使用可能な還
元剤としては、水素や炭化水素、一酸化炭素等の還元成
分を発生するものであれば良く、水素、一酸化炭素等の
還元性気体、プロパン、プロピレン、ブタン等の液体又
は気体の炭化水素、ガソリン、軽油、灯油等の液体燃料
等が使用できる。本実施例では還元剤としてディーゼル
エンジンの燃料と同じ軽油を使用しており、軽油は図示
しないエンジンの燃料タンクから供給ポンプにより加圧
されて噴射弁41a、41bに供給される。
【0022】制御弁6a、6bは例えばバタフライ弁と
して構成され、後述のようにNOX吸収剤再生操作時に
は閉弁して分岐通路2a、2bを閉塞してNOX 吸収剤
1a、1bへの排気の流入を制限する。図2に61a、
61bで示すのは制御弁6a、6bを開閉駆動する適宜
な形式のアクチュエータ、62a、62bで示すのは制
御弁6a、6bの閉弁時の開度を規定するストッパであ
る。すなわち、本実施例では、制御弁6a、6bは閉弁
時にも全閉にならず一定の開度を維持し、NO X 吸収剤
1a、1bの再生時に還元剤を搬送する排気流をNOX
吸収剤に通過させるようになっている。
【0023】次に、本実施例の排気浄化装置の作用につ
いて説明する。本実施例では、通常運転時には制御弁6
a、6bは全開にされ、NOX 吸収剤1a、1bの両方
に排気を通過させ、排気中のNOX を吸収剤1a、1b
に吸収させて排気中から除去する。一定期間NOX を吸
収させてNOX 吸収剤のNOX 吸収能力が低下してくる
と、制御弁6a、6bの一方(例えば6a)を閉弁して
一方のNOX 吸収剤(1a)を通る排気の流れを制限す
るとともに還元剤供給装置(4a)から所定量の還元剤
(軽油)を噴射する。すなわち、本実施例ではNOX
収剤1a、1bの再生は交互に行い、一方の吸収剤を再
生中には他方の吸収剤のみで排気中のNOX を除去す
る。
【0024】前述のように、還元剤供給装置から噴射さ
れた所定量の還元剤は供給装置の噴射口付近に高濃度の
還元剤の層を形成する。しかし、本実施例では制御弁6
aにはストッパ62aが設けられているため閉弁時にも
所定の開度が維持されており、再生時にもNOX 吸収剤
中を所定流量の排気(搬送気流)が流れるようにされて
いる。このため、上述の還元剤の層はこの排気流によっ
てNOX 吸収剤内を搬送される。この還元剤層の通過に
伴い、NOX 吸収剤の各部分は入口側から出口側に向け
て順々に高濃度の還元剤と接触し、吸収していたNOX
の放出と還元浄化とが行われる。すなわち、NOX 吸収
剤は入口側から出口側に向けて順に再生されて行く。
【0025】このように、NOX 吸収剤の再生時に供給
された還元剤を搬送する気流を吸収剤中を通過させるこ
とにより、高濃度の還元剤を容器全体に満たす必要がな
いため、供給する還元剤の量は、搬送気流中の酸素を消
費するのに必要な量と、再生に必要な量(白金上の酸素
を消費し、放出されたNOX を還元するのに必要な量)
のみに低減される。
【0026】また、本実施例では、閉弁時の制御弁開度
はストッパ62a、62bの位置により、任意に設定で
きるため、NOX 吸収剤の特性に合わせて還元剤の通過
速度(空間速度)を適切に設定することができ、吸収剤
の再生を効率的に行って短時間で再生を完了することが
できる。なお、NOX 吸収剤の種類によっても異なる
が、搬送気流の流量(本実施例では制御弁閉弁時の排気
流量)は通常運転時の排気流量の数パーセント程度に設
定されるので、搬送気流中の酸素を消費するために大幅
に還元剤の供給量が増大することはない。
【0027】更に、上述の効果以外に吸収剤の再生時に
還元剤を搬送する気流を生じさせることは、NOX 吸収
剤の温度を上昇させてNOX の放出速度を速めることに
より、再生時間を短縮する効果がある。すなわち、上述
のように高濃度の還元剤層を吸収剤内を通って移動させ
ると、還元剤層の境界付近では還元剤と排気(または搬
送気流)との混合気層が生成され、還元剤層と共に吸収
剤内を移動する。この混合気部分ではNOX 吸収剤の触
媒作用により還元剤が排気中の酸素と反応して燃焼し、
燃焼熱によりNOX 吸収剤が加熱されて温度が上昇す
る。従って、上記還元剤層の通過に伴い、NOX 吸収剤
の温度が順に上昇していくためNOX 吸収剤全体が均一
に加熱され再生を短時間で行うことができるのである。
【0028】また、吸収剤の再生時に還元剤を搬送する
気流を生じさせることは、本実施例のように軽油などの
液体還元剤を使用する場合に特に効果がある。前述のよ
うに、還元剤供給装置から噴射された還元剤(軽油)は
還元剤供給装置近傍に霧状の層を形成する。この霧状の
軽油はこのままでは気化するまでに比較的長時間を要
し、搬送気流が無い場合には容器全体に行き渡るのに相
当な時間を要する。
【0029】しかし、搬送気流が存在すると、この霧状
の層は気流に運ばれてNOX 吸収剤に接触し、前述のよ
うに還元剤の境界付近でNOX 吸収剤の触媒作用により
軽油の燃焼が生じる。この燃焼により未燃HCやCO等
の還元性ガスが発生するほか、燃焼により高温になった
NOX 吸収剤に霧状の軽油が接触して、軽油が速やかに
気化して気体状のHCになる。このため、液体還元剤を
使用した場合でも短時間で気化して還元ガスになるため
NOX 吸収剤の再生を短時間で行うことができるのであ
る。
【0030】なお、本実施例では搬送気流として排気ガ
スを使用するため、制御弁6a、6bにストッパ62
a、62bを設けて閉弁時にも制御弁が所定の開度を保
つようにしていたが、ストッパを設けずに制御弁は全閉
するようにして他の手段によりNOX 吸収剤に排気を通
過させるようにしてもよい。図3に制御弁全閉時に排気
を流すための手段の例を示す。図3(A)は、制御弁の
弁体63と排気通路の壁面21との間に制御弁全閉時に
所定のクリアランス“L”を生じるように弁体63の形
状を設定した例である。また、図3(B)は制御弁の弁
体63に所定の面積の切り欠き63aを設けた例、図3
(C)は制御弁の弁体63に所定面積の開口部63bを
設けた例をそれぞれ示している。また、図示していない
が、制御弁をバイパスして制御弁の上流側と下流側とを
連通する所定の流路面積のバイパス通路を設けること等
により、制御弁全閉時の排気の流れを確保するようにし
てもよい。
【0031】また、上述の実施例では、制御弁6a、6
bはNOX 吸収剤の容器3a、3bの上流側に設けられ
ていたが、NOX 吸収剤の再生時に所定量の排気を流す
ことができれば制御弁を容器3a、3bの上流側に設け
る必要はなく、図4に示すように、容器3a、3bの下
流側に制御弁6a、6bを配置してもよい。また、図5
に示すように容器3a、3bの上流側と下流側の両方に
制御弁を配置して搬送排気流の流速を制御してもよい。
【0032】次に、図6に本発明の第二の実施例を示
す。前述の実施例では、還元剤の搬送気流として、いず
れもエンジンの排気を利用していたが、本実施例では排
気を使用する代わりに制御弁下流に空気を供給して搬送
気流を生じさせている点が相違する。すなわち、図6に
おいて制御弁6a、6bと還元剤供給装置4a、4bと
の間にはエアノズル7a、7bが設けられており、制御
弁6a、6bの閉弁時(すなわちNOX 吸収剤再生操作
時)に空気を噴射して還元剤を搬送する空気流を生じさ
せるようになっている。エアノズル7a、7bはそれぞ
れ図示しない計量オリフィスと遮断弁とを介して空気ポ
ンプ等の加圧空気源に接続されており、制御弁6a、6
bの閉弁時に遮断弁が開弁して、所定量の空気を還元剤
供給装置4a、4bの上流側に供給するようになってい
る。本実施例は、搬送気流としてエンジン排気を使用し
ていないためエンジンの運転条件による排気流量の変化
に影響を受けることなく、常に一定流量の搬送気流を生
じさせることができ、搬送気流の速度(空間速度)を正
確に制御できる利点がある。
【0033】なお、本実施例においては、前述の実施例
と異なり、制御弁6a、6bにはストッパや開口等は設
けずに、閉弁時にはエンジン排気の流入を遮断するよう
にすることは言うまでもない。また、本実施例において
は、還元剤と空気をNOX 吸収剤の上流側から供給して
いるが、搬送気流として排気を使用していないため、搬
送気流の流れ方向は任意に設定できる。例えば図7に示
すように、NOX 吸収剤の下流側に、還元剤供給装置4
a、4b、エアノズル7a、7b及び制御弁6a、6b
をこの順に配置して、還元剤と搬送気流をNOX 吸収剤
の下流側から上流側に向けて流すようにするようにして
もよい。
【0034】なお、上述の実施例では排気通路に2つの
分岐通路を有する場合について説明したが、本発明はこ
れに限定される訳ではなく、3つ以上の分岐通路を有す
る場合にも同様に適用することができる。また、上述の
実施例では、ディーゼルエンジンを例にとって軽油を還
元剤として使用する場合について説明しているが、本発
明はガソリンエンジン等の他の内燃機関にも、また、軽
油以外の液体及び気体の還元剤にも適用できることは言
うまでもない。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の排気浄化
装置は、NOX 吸収剤の再生操作時に、NOX 吸収剤を
通過して還元剤を搬送する気流を生じさせるようにした
ことにより、NOX 吸収剤再生時の還元剤の消費量を低
減し、かつ再生時間を短縮すると共に、従来使用が困難
だった揮発性の低い軽油等の液体還元剤の使用を可能と
する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気浄化装置のNOX 吸収剤再生過程
を示す図である。
【図2】本発明の排気浄化装置の実施例を示す図であ
る。
【図3】図2の実施例の制御弁の弁体の形状例を示す図
である。
【図4】本発明の排気浄化装置の実施例を示す図であ
る。
【図5】本発明の排気浄化装置の実施例を示す図であ
る。
【図6】本発明の排気浄化装置の実施例を示す図であ
る。
【図7】本発明の排気浄化装置の実施例を示す図であ
る。
【図8】NOX 吸収剤のNOX 吸放出作用を説明する図
である。
【図9】従来技術のNOX 吸収剤再生過程を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…NOX 吸収剤 2…エンジン排気通路 2a、2b…分岐通路 3…NOX 吸収剤容器 4a、4b…還元剤供給装置 6a、6b…制御弁 62a、62b…ストッパ 7a、7b…エアノズル 10…内燃機関
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小田 智洋 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 村上 史恭 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−106826(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01N 3/08 F01N 3/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路に配置された、流入
    する排気の空燃比がリーンのときにNO X を吸収し酸素
    濃度が低下したときに吸収したNO X を放出する、少な
    くとも1つのNO X 吸収剤と、 前記NO X 吸収剤からのNO X の放出と還元浄化を行な
    うときに、前記NO X 吸収剤に還元剤を供給して前記N
    X 吸収剤の雰囲気の酸素濃度を低下させる還元剤供給
    装置と、 前記NO X 吸収剤からのNO X の放出と還元浄化を行な
    うときに、NO X 吸収剤に流入する排気を遮断する手段
    と、 前記NO X 吸収剤からのNO X の放出と還元浄化を行な
    うときに、前記供給された還元剤をNO X 吸収剤中を通
    って搬送する搬送気流を生じさせる手段と、 を備えた 内燃機関の排気浄化装置。
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