JP2007162533A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007162533A
JP2007162533A JP2005358066A JP2005358066A JP2007162533A JP 2007162533 A JP2007162533 A JP 2007162533A JP 2005358066 A JP2005358066 A JP 2005358066A JP 2005358066 A JP2005358066 A JP 2005358066A JP 2007162533 A JP2007162533 A JP 2007162533A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust passage
nox
fuel
exhaust
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005358066A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4665746B2 (ja
Inventor
Shinji Kamoshita
伸治 鴨下
Yasuaki Nakano
泰彰 仲野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005358066A priority Critical patent/JP4665746B2/ja
Publication of JP2007162533A publication Critical patent/JP2007162533A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4665746B2 publication Critical patent/JP4665746B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)

Abstract

【課題】NOx吸収剤からNOxを確実に放出する。
【解決手段】内燃機関の排気通路から分岐された第1の排気通路と第2の排気通路とを具備し、NOx吸収剤が各排気通路内に配置され、互いに直列配置される。例えば第1の排気通路内のNOx吸収剤からNOxを放出すべきときには第1の排気通路を開通しつつ第2の排気通路を閉鎖した後第1の時間Δt1aを経過したときに燃料添加弁から燃料を添加して燃料を第1の排気通路内に導くと共に、燃料添加から第2の時間Δt2aを経過したときに燃料により第1の排気通路内における排気ガスの空燃比をリッチに維持するために第1の排気通路を閉鎖する。第1の排気通路内のNOx吸収剤からNOxを放出すべきときの第1の時間Δt1a及び第2の時間Δt2aと、第2の排気通路内のNOx吸収剤からNOxを放出すべきときの第1の時間Δt1b及び第2の時間Δt2bとを互いに異ならせる。
【選択図】図1

Description

本発明は内燃機関の排気浄化装置に関する。
共通の排気通路から分岐された第1の排気通路と第2の排気通路を具備し、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中のNOxを吸蔵し、流入する排気ガスの空燃比がリッチになると吸蔵しているNOxを放出するNOx吸収剤を第1の排気通路内及び第2の排気通路内にそれぞれ配置し、NOx吸収剤上流の第1の排気通路内及び第2の排気通路内にそれぞれ燃料添加弁を配置し、NOx吸収剤下流の第1の排気通路内及び第2の排気通路内にそれぞれ排気制御弁を配置した内燃機関が公知である(例えば特許文献1を参照)。
この内燃機関では第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤から吸蔵したNOxを放出させるときには第1の排気通路内に配置された排気制御弁を閉弁して第1の排気通路内に排気ガスを滞留させた状態で第1の排気通路内に配置された燃料添加弁から燃料を添加することにより第1の排気通路内における排気ガスの空燃比をリッチに保持し、第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤から吸蔵したNOxを放出させるときには第2の排気通路内に配置された排気制御弁を閉弁して第2の排気通路内に排気ガスを滞留させた状態で第2の排気通路内に配置された燃料添加弁から燃料を添加することにより第2の排気通路内における排気ガスの空燃比をリッチに保持するようにしている。
特開2003−74328号公報
しかしながらこれらの内燃機関では各NOx吸収剤からNOxを放出させるために2つの燃料添加弁が必要であるという問題がある。更に大きな問題は、これら燃料添加弁はエンジンからかなり離れたところに配置されており、したがってエンジンからかなり離れたところまで燃料供給管を配管しなければならないということにある。
この問題は、第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときには第1の排気通路を開通しつつ第2の排気通路を閉鎖した後予め定められた第1の時間を経過したときに燃料添加弁から燃料を添加して燃料を第1の排気通路内に導くと共に、燃料が添加されてから予め定められた第2の時間を経過したときに燃料により第1の排気通路内における排気ガスの空燃比をリッチに維持するために第1の排気通路を閉鎖し、第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときには第2の排気通路を開通しつつ第1の排気通路を閉鎖した後予め定められた第1の時間を経過したときに燃料添加弁から燃料を添加して燃料を第2の排気通路内に導くと共に、燃料が添加されてから予め定められた第2の時間を経過したときに燃料により第2の排気通路内における排気ガスの空燃比をリッチに維持するために第2の排気通路を閉鎖するようにすれば、解決できると考えられる。
すなわち、第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときを例にとって説明すると、まず初めに第2の排気通路が閉鎖され、次いで第2の排気通路が閉鎖された後、予め定められた第1の時間を経過したときに燃料添加弁から燃料が添加される。このとき共通の排気通路内を流通する排気ガスは第1の排気通路内にのみ流入しているので燃料添加弁から添加された燃料も第1の排気通路内にのみ流入することになる。なお、第1の時間は第2の排気通路内への排気ガスの流入が停止するまでの待ち時間に相当する。
第1の排気通路内に流入した燃料は次いで第1の排気通路内のNOx吸収剤やその担体に一旦付着し、その後蒸発する。このため、燃料添加弁からの燃料添加後、第1の排気通路の閉鎖を早くしすぎると添加燃料が第1の排気通路内の先の方まで進まないためにNOx吸収剤などの表面を十分に利用して添加燃料を保持しえず、これに対し燃料添加後、第1の排気通路の閉鎖を遅くしすぎると蒸発した燃料が外部に排出されてしまう。したがって、この第2の時間は燃料添加弁から添加された燃料を第1の排気通路内に保持するために必要な時間である。
そうすると、第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときの第1の時間は共通の排気通路からNOx吸収剤までの第2の排気通路の容積に依存し、第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときの第1の時間は共通の排気通路からNOx吸収剤までの第1の排気通路の容積に依存するということになる。また、第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときの第2の時間は共通の排気通路からNOx吸収剤までの第1の排気通路の容積に依存し、第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときの第2の時間は共通の排気通路からNOx吸収剤までの第2の排気通路の容積に依存するということになる。
したがって、例えば車両への搭載性を考えて二つのNOx吸収剤を互いに直列配置した場合には共通の排気通路からNOx吸収剤までの第1の排気通路の容積と共通の排気通路からNOx吸収剤までの第2の排気通路の容積とが互いに異なるので、第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときの第1の時間及び第2の時間と、第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときの第1の時間及び第2の時間とをそれぞれ別個に求めて設定する必要がある。
上記問題点を解決するために本発明の一観点によれば、共通の排気通路から分岐された第1の排気通路と第2の排気通路を具備し、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中のNOxを吸蔵し、流入する排気ガスの空燃比がリッチになると吸蔵しているNOxを放出するNOx吸収剤を第1の排気通路内及び第2の排気通路内にそれぞれ配置した内燃機関において、第1の排気通路及び第2の排気通路上流の上記共通の排気通路内に燃料添加弁を配置し、第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときには第1の排気通路を開通しつつ第2の排気通路を閉鎖した後予め定められた第1の時間を経過したときに燃料添加弁から燃料を添加して該燃料を第1の排気通路内に導くと共に、第1の排気通路内に燃料が導かれた後に該燃料により第1の排気通路内における排気ガスの空燃比をリッチに維持するために第1の排気通路を閉鎖し、第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときには第2の排気通路を開通しつつ第1の排気通路を閉鎖した後予め定められた第1の時間を経過したときに燃料添加弁から燃料を添加して該燃料を第2の排気通路内に導くと共に、第2の排気通路内に燃料が導かれた後に該燃料により第2の排気通路内における排気ガスの空燃比をリッチに維持するために第2の排気通路を閉鎖するようにし、共通の排気通路から第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤までの第1の排気通路の容積と共通の排気通路から第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤までの第2の排気通路の容積とが互いに異なっており、第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときの第1の時間と第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときの第1の時間とを互いに異なるように設定している。
また、上記問題点を解決するために本発明の別の観点によれば、 共通の排気通路から分岐された第1の排気通路と第2の排気通路を具備し、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中のNOxを吸蔵し、流入する排気ガスの空燃比がリッチになると吸蔵しているNOxを放出するNOx吸収剤を第1の排気通路内及び第2の排気通路内にそれぞれ配置した内燃機関において、第1の排気通路及び第2の排気通路上流の上記共通の排気通路内に燃料添加弁を配置し、第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときには燃料添加弁から添加された燃料を第1の排気通路内に導くと共に、燃料が添加されてから予め定められた第2の時間を経過したときに該燃料により第1の排気通路内における排気ガスの空燃比をリッチに維持するために第1の排気通路を閉鎖し、第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときには燃料添加弁から添加された燃料を第2の排気通路内に導くと共に、燃料が添加されてから予め定められた第2の時間を経過したときに該燃料により第2の排気通路内における排気ガスの空燃比をリッチに維持するために第2の排気通路を閉鎖するようにし、共通の排気通路から第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤までの第1の排気通路の容積と共通の排気通路から第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤までの第2の排気通路の容積とが互いに異なっており、第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときの第2の時間と第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときの第2の時間とを互いに異なるように設定している。
燃料添加弁の数を低減できると共に燃料添加弁の取付け位置をエンジンに近づけることができ、しかも第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを確実に放出させることができ、第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを確実に放出させることができる。
図1に圧縮着火式内燃機関の全体図を示す。
図1を参照すると、1は機関本体、2は各気筒の燃焼室、3は各燃焼室2内にそれぞれ燃料を噴射するための電子制御式燃料噴射弁、4は吸気マニホルド、5は排気マニホルドをそれぞれ示す。吸気マニホルド4は吸気ダクト6を介して排気ターボチャージャ7のコンプレッサ7aの出口に連結され、コンプレッサ7aの入口はエアフローメータ8を介してエアクリーナ9に連結される。吸気ダクト6内には電気制御式スロットル弁10が配置され、更に吸気ダクト6周りには吸気ダクト6内を流れる吸入空気を冷却するための冷却装置11が配置される。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置11内に導かれ、機関冷却水によって吸入空気が冷却される。一方、排気マニホルド5は排気ターボチャージャ7の排気タービン7bの入口に連結され、排気タービン7bの出口は排気後処理装置20に連結される。
排気マニホルド5と吸気マニホルド4とは排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路12を介して互いに連結され、EGR通路12内には電気制御式EGR制御弁13が配置される。また、EGR通路12周りにはEGR通路12内を流れるEGRガスを冷却するための冷却装置14が配置される。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置14内に導かれ、機関冷却水によってEGRガスが冷却される。一方、各燃料噴射弁3は燃料供給管15を介してコモンレール16に連結される。このコモンレール16内へは電子制御式の吐出量可変な燃料ポンプ17から燃料が供給され、コモンレール16内に供給された燃料は各燃料供給管15を介して燃料噴射弁3に供給される。
排気後処理装置20は排気タービン7bの出口に連結された共通の排気通路21と、この共通の排気通路21から分岐された第1の排気通路22aと第2の排気通路22bとを具備する。第1の排気通路22a内には上流側から順に第1のNOx吸蔵還元触媒23a、第1のパティキュレートフィルタ24a、第1の酸化触媒25a、及びアクチュエータ27aにより駆動される第1の排気制御弁26aが配置され、第2の排気通路22b内には上流側から順に第2のNOx吸蔵還元触媒23b、第2のパティキュレートフィルタ24b、第2の酸化触媒25b、及びアクチュエータ27bにより駆動される第2の排気制御弁26bが配置される。これら第1の排気通路22a及び第2の排気通路22bは第1の排気制御弁26a及び第2の排気制御弁26bの下流において共通の排気管27に合流せしめられる。
また、図1に示されるように、第2の排気通路22b内に配置された第2のNOx吸蔵還元触媒23b、第2のパティキュレートフィルタ24b及び第2の酸化触媒25bが第1の排気通路22a内に配置された第1のNOx吸蔵還元触媒23a、第1のパティキュレートフィルタ24a及び第1の酸化触媒25aに対して直列に配置されている。すなわち、第1のNOx吸蔵還元触媒23a、第1のパティキュレートフィルタ24a及び第1の酸化触媒25aと、第2のNOx吸蔵還元触媒23b、第2のパティキュレートフィルタ24b及び第2の酸化触媒25bとが互いに同軸配置されている。このようにすると、排気後処理装置20を例えば車両床下に配置するときに大きな空間を必要とせず、車両搭載性がよくなる。
更に、第1の排気通路22aには第1のNOx吸蔵還元触媒23aの温度を検出するための温度センサ28aと、第1のパティキュレートフィルタ24aの前後差圧を検出するための第1の差圧センサ29aと、第1の酸化触媒25aから排出された排気ガスの温度及び空燃比をそれぞれ検出するための温度センサ30a及び空燃比センサ31aが配置され、第2の排気通路22bには第2のNOx吸蔵還元触媒23bの温度を検出するための温度センサ28bと、第2のパティキュレートフィルタ24bの前後差圧を検出するための第2の差圧センサ29bと、第2の酸化触媒25bから排出された排気ガスの温度及び空燃比をそれぞれ検出するための温度センサ30b及び空燃比センサ31bが配置される。
一方、図1に示されるように第1の排気通路22a及び第2の排気通路22b上流の共通の排気通路21内には第1の排気通路22a及び第2の排気通路22bに対して共通の燃料添加弁32が配置されている。この燃料添加弁32からは図1においてFで示されるように燃料が添加される。本発明による実施例ではこの燃料は軽油からなる。
電子制御ユニット40はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス41によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)42、RAM(ランダムアクセスメモリ)43、CPU(マイクロプロセッサ)44、入力ポート45及び出力ポート46を具備する。エアフローメータ8、各温度センサ28a,28b,30a,30b、各差圧センサ29a,29b、及び各空燃比センサ31a,31bの出力信号はそれぞれ対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。また、アクセルペダル49にはアクセルペダル49の踏込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ50が接続され、負荷センサ50の出力電圧は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。更に入力ポート45にはクランクシャフトが例えば15°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ51が接続される。一方、出力ポート46は対応する駆動回路48を介して燃料噴射弁3、スロットル弁10駆動装置、EGR制御弁13、燃料ポンプ17、アクチュエータ27a,27b及び燃料添加弁32に接続される。
図2に圧縮着火式内燃機関の別の実施例を示す。この実施例では排気マニホルド5に燃料添加弁32が取付けられ、この燃料添加弁32から排気マニホルド5内に燃料、すなわち軽油が添加される。
図3はNOx吸蔵還元触媒23a,23bの構造を示している。図3に示される実施例ではNOx吸蔵還元触媒23a,23bはハニカム構造をなしており、薄肉の隔壁60により互いに分離された複数個の排気ガス流通路61を具備する。各隔壁60の両側表面上には例えばアルミナからなる触媒担体が担持されており、図4(A)及び(B)はこの触媒担体65の表面部分の断面を図解的に示している。図4(A)及び(B)に示されるように触媒担体65の表面上には貴金属触媒66が分散して担持されており、更に触媒担体65の表面上にはNOx吸収剤67の層が形成されている。
本発明による実施例では貴金属触媒66として白金Ptが用いられており、NOx吸収剤67を構成する成分としては例えばカリウムK、ナトリウムNa、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つが用いられている。
機関吸気通路、燃焼室2及びNOx吸蔵還元触媒23a,23b上流の排気通路内に供給された空気及び燃料(炭化水素)の比を排気ガスの空燃比と称すると、NOx吸収剤67は排気ガスの空燃比がリーンのときにはNOxを吸収し、排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸収したNOxを放出するNOxの吸放出作用を行う。
すなわち、NOx吸収剤67を構成する成分としてバリウムBaを用いた場合を例にとって説明すると、排気ガスの空燃比がリーンのとき、すなわち排気ガス中の酸素濃度が高いときには排気ガス中に含まれるNOは図4(A)に示されるように白金Pt66上において酸化されてNOとなり、次いでNOx吸収剤67内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら硝酸イオンNO の形でNOx吸収剤67内に拡散する。このようにしてNOxがNOx吸収剤67内に吸収される。排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金Pt66の表面でNOが生成され、NOx吸収剤67のNOx吸収能力が飽和しない限りNOがNOx吸収剤67内に吸収されて硝酸イオンNO が生成される。
これに対し、排気ガスの空燃比がリッチ或いは理論空燃比にされると排気ガス中の酸化濃度が低下するために反応が逆方向(NO →NO)に進み、斯くして図4(B)に示されるようにNOx吸収剤67内の硝酸イオンNO がNOの形でNOx吸収剤67から放出される。次いで放出されたNOxは排気ガス中に含まれる未燃HC,COによって還元される。
このように排気ガスの空燃比がリーンであるとき、すなわちリーン空燃比のもとで燃焼が行われているときには排気ガス中のNOxがNOx吸収剤67内に吸収される。しかしながらリーン空燃比のもとでの燃焼が継続して行われるとその間にNOx吸収剤67のNOx吸収能力が飽和してしまい、斯くしてNOx吸収剤67によりNOxを吸収できなくなってしまう。そこで本発明による実施例ではNOx吸収剤67の吸収能力が飽和する前に燃料添加弁32から燃料を添加することによって排気ガスの空燃比を一時的にリッチにし、それによってNOx吸収剤67からNOxを放出させるようにしている。
一方、図5(A)及び(B)はパティキュレートフィルタ24a,24bの構造を示している。なお、図5(A)はパティキュレートフィルタ24a,24bの正面図を示しており、図5(B)はパティキュレートフィルタ24a,24bの側面断面図を示している。図5(A)及び(B)に示されるようにパティキュレートフィルタ24a,24bはハニカム構造をなしており、互いに平行をなして延びる複数個の排気流通路70,71を具備する。これら排気流通路は下流端が栓72により閉塞された排気ガス流入通路70と、上流端が栓73により閉塞された排気ガス流出通路71とにより構成される。なお、図5(A)においてハッチングを付した部分は栓73を示している。したがって排気ガス流入通路70及び排気ガス流出通路71は薄肉の隔壁74を介して交互に配置される。云い換えると排気ガス流入通路70及び排気ガス流出通路71は各排気ガス流入通路70が4つの排気ガス流出通路71によって包囲され、各排気ガス流出通路71が4つの排気ガス流入通路70によって包囲されるように配置される。
パティキュレートフィルタ24a,24bは例えばコージライトのような多孔質材料から形成されており、したがって排気ガス流入通路70内に流入した排気ガスは図5(B)において矢印で示されるように周囲の隔壁74内を通って隣接する排気ガス流出通路71内に流出する。
本発明による実施例では各排気ガス流入通路70及び各排気ガス流出通路71の周壁面、すなわち各隔壁74の両側表面上及び隔壁74内の細孔内壁面上にも例えばアルミナからなる触媒担体が担持されており、この触媒担体65の表面上には図4(A)及び(B)に示されるように白金Ptからなる貴金属触媒66が分散して担持されており、NOx吸収剤67の層が形成されている。
したがってリーン空燃比のもとで燃焼が行われているときには排気ガス中のNOxがパティキュレートフィルタ24a,24b上のNOx吸収剤67内にも吸収される。このNOx吸収剤67に吸収されたNOxも燃料添加弁32から燃料を添加することによって放出される。
一方、排気ガス中に含まれる粒子状物質はパティキュレートフィルタ24a,24b上に捕集され、順次酸化される。しかしながら捕集される粒子状物質の量が酸化される粒子状物質の量よりも多くなると粒子状物質がパティキュレートフィルタ24a,24b上に次第に堆積し、この場合粒子状物質の堆積量が増大すると機関出力の低下を招いてしまう。したがって粒子状物質の堆積量が増大したときには堆積した粒子状物質を除去しなければならない。この場合、空気過剰のもとでパティキュレートフィルタ24a,24bの温度を600℃程度まで上昇させると堆積した粒子状物質は酸化され、除去される。
そこで本発明による実施例ではパティキュレートフィルタ24a,24b上に堆積した粒子状物質の量が許容量を越えたとき、すなわち差圧センサ29a,29bにより検出されたパティキュレートフィルタ24a,24bの前後差圧ΔPが許容値を越えたときにはパティキュレートフィルタ24a,24bに流入する排気ガスの空燃比をリーンに維持しつつ燃料添加弁32から燃料を添加してこの添加された燃料の酸化反応熱によりパティキュレートフィルタ24a,24bの温度を上昇させ、それによって堆積した粒子状物質を酸化除去するようにしている。
なお、図1においてNOx吸蔵還元触媒23a,23bを省くこともできる。また、図1においてパティキュレートフィルタ24a,24bとして、NOx吸収剤67を担持していないパティキュレートフィルタを用いることもできる。ただし、第1の排気通路22a内及び第2の排気通路22b内のいずれにもNOx吸収剤67が配置されていることが必要である。
次に図6を参照しつつNOx吸蔵還元触媒23a,23b上のNOx吸収剤67、及びパティキュレートフィルタ24a,24b上のNOx吸収剤67からのNOxの放出制御について説明する。
機関から単位時間当りに排出されるNOx量は機関の運転状態に応じて変化し、したがって単位時間当りにNOx吸収剤67に吸収されるNOx量も機関の運転状態に応じて変化する。本発明による実施例ではNOx吸収剤67に単位時間当り吸収されるNOx量NOXAが要求トルクTQ及び機関回転数Nの関数として図7(A)に示すマップの形で予めROM42内に記憶されており、このNOx量NOXAを積算することによってNOx吸収剤67に吸収されたNOx量ΣNOXが算出される。
本発明による実施例では第1の排気通路22a内のNOx吸収剤67からと、第2の排気通路22b内のNOx吸収剤67からとから交互にNOxの放出作用が行われ、NOx吸収剤67に吸収されたNOx量ΣNOXが図6に示される許容値MAXに達するといずれか一方の排気通路22a,22b内のNOx吸収剤67のNOx吸収量が許容値に達していることになる。したがってこのとき許容値に達している方のNOx吸収剤67からNOxを放出すべきであると判断される。このとき他のNOx吸収剤67に吸収されているNOx量は許容値の半分である。なお、図6においてX1は第1の排気通路22a内のNOx吸収剤67のNOx吸収量が許容値に達したときを示しており、X2は第2の排気通路22b内のNOx吸収剤67のNOx吸収量が許容値に達したときを示している。
一方、図6においてIは第1の排気通路22aを示しており、IIは第2の排気通路22bを示している。図6からわかるように通常は、すなわちNOx量ΣNOXが許容値MAXよりも低いときには第1の排気制御弁26a及び第2の排気制御弁26bのいずれも開弁せしめられており、第1の排気通路22a及び第2の排気通路22b内のいずれもリーン空燃比の排気ガスが流通している。したがってこのときにはいずれの排気通路22a,22b内のNOx吸収剤67においても排気ガス中のNOxの吸収作用が行われている。
さて、図6においてX1で示されるように第1の排気通路22a内に配置されたNOx吸収剤67からNOxを放出すべきときにはまず初めに第2の排気制御弁26bが閉弁せしめられ、それによって第2の排気通路22bが閉鎖される。その結果、共通の排気通路21内を流通する排気ガスは第1の排気通路22a内へのみ流入することになる。次いで第2の排気通路22bが閉鎖された後、予め定められた第1の時間Δt1aを経過したときに燃料添加弁32から燃料が添加される。このとき上述したように排気ガスは第1の排気通路22a内にのみ流入しているので燃料添加弁32から添加された燃料、すなわち軽油も第1の排気通路22a内にのみ流入することになる。なお、第1の時間Δt1aは第2の排気通路22b内への排気ガスの流入が停止するまでの待ち時間に相当する。
この場合、排気ガスの流量が多いほど、すなわち吸入空気量が多いほど第2の排気通路22b内への排気ガスの流入が停止するまでに要する時間は短くなる。したがって図8に示されるように吸入空気量Gaが増大するほど第1の時間Δt1aは短くされる。この第1の時間Δt1aは吸入空気量Gaの関数として予めROM42内に記憶されている。
一方、燃料が添加されてから予め定められた第2の時間Δt2aを経過すると第2の排気制御弁26bが開弁して第2の排気通路22bが開通せしめられると共に第1の排気制御弁26aが閉弁せしめられて第1の排気通路22aが閉鎖される。すなわち、燃料添加弁32から燃料が添加されるとこの燃料は排気ガス流に乗って即座に第1の排気通路22a内を突き抜けるのではなくて、排気ガス流に対し遅れて第1の排気通路22a内を前進する。次いでこの燃料は第1の排気通路22a内のNOx吸蔵還元触媒23aや、パティキュレートフィルタ24aや、酸化触媒25aに一旦付着し、その後蒸発する。
すなわち、燃料添加弁32からの燃料添加後、第1の排気制御弁26aを早く閉弁しすぎると添加燃料が第1の排気通路22a内の先の方まで進まないためにNOx吸蔵還元触媒23aやパティキュレートフィルタ24aの表面を十分に利用して添加燃料を保持しえず、これに対し燃料添加後、第1の排気制御弁26aを遅く閉弁しすぎると蒸発した燃料が外部に排出されてしまう。すなわち、第2の時間Δt2aは燃料添加弁32から添加された燃料を第1の排気通路22a内に保持するために必要な時間である。
この場合、排気ガスの流速が早いほど、すなわち吸入空気量が多いほど添加燃料は先に進むので吸入空気量が多いほど第1の排気制御弁26aは早く閉弁する必要がある。したがって図9(A)において実線で示されるように吸入空気量Gaが増大するほど第2の時間Δt2aは短くされる。一方、NOx吸蔵還元触媒23aやパティキュレートフィルタ24aの温度Tc、すなわちNOx吸収剤67の温度Tcが高くなるほど付着した燃料は蒸発しやすくなるので図9(A)に示されるように温度Tcが高くなるほど第2の時間Δt2aは短くされる。この第2の時間Δt2aは吸入空気量Ga及び温度Tcの関数として図9(B)に示すようなマップの形で予めROM42内に記憶されている。
一方、第1の排気制御弁26aが閉弁せしめられ、第1の排気通路22aが閉鎖されてから予め定められた第3の時間Δt3が経過すると第1の排気制御弁26aが開弁せしめられ、第1の排気通路22aが開通せしめられる。第1の排気制御弁26aが閉弁している間にNOx吸蔵還元触媒23aやパティキュレートフィルタ24aに付着した燃料が蒸発して第1の排気通路22a内に滞留している排気ガスの空燃比はリッチとなり、それによってNOx吸収剤67に吸収されていたNOxが放出され、還元される。したがって第3の時間Δt3は第1の排気通路22a内における排気ガスの空燃比をリッチに保持することのできる時間である。
NOx吸収剤67の温度Tcが高いほどNOxの放出還元作用が進むので図10(A)に示されるように温度Tcが高くなるほど第3の時間Δt3は短くなる。また、排気制御弁26a,26bは全閉していても若干の漏れがあり、このような漏れがあるとリーン空燃比の排気ガスが第1の排気通路22a内に流入してくるので第1の排気通路22a内の排気ガスの空燃比がリッチからリーンに早期に切換わることになる。この場合、排気ガス量が多いほど、すなわち吸入空気量Gaが多いほどリッチからリーンに早期に切換わるので図10(B)に示されるように吸入空気量Gaが増大するほど第3の時間Δt3は短くされる。この第3の時間Δt3は吸入空気量Ga及び温度Tcの関数として図10(C)に示すようなマップの形で予めROM42内に記憶されている。
図6においてX2で示されるように第2の排気通路22b内に配置されたNOx吸収剤67からNOxを放出すべきときも同様である。すなわち、第2の排気通路22b内に配置されたNOx吸収剤67からNOxを放出すべきときには第1の排気通路22aを閉鎖した後、予め定められた第1の時間Δt1bを経過したときに燃料添加弁32から燃料が添加され、燃料が添加されてから予め定められた第2の時間Δt2bを経過したときに第1の排気通路22aが開通せしめられると共に第2の排気通路22bが閉鎖され、次いで予め定められた第3の時間Δt3が経過したときに第2の排気通路22bが開通せしめられる。
ただし、第2の排気通路22b内に配置されたNOx吸収剤67からNOxを放出させるべきときの第1の時間Δt1b及び第2の時間Δt2bを、第1の排気通路22a内に配置されたNOx吸収剤67からNOxを放出させるべきときの第1の時間Δt1a及び第2の時間Δt2aとそれぞれ等しくすることはできない。ここで、共通の排気通路21からNOx吸収剤67までの第1の排気通路22aの容積を第1の排気通路容積VEXaと称し、共通の排気通路21からNOx吸収剤67までの第2の排気通路22bの容積を第2の排気通路容積VEXbと称すると、第1の時間Δt1a及び第1の時間Δt1bはそれぞれ第2の排気通路容積VEXb及び第1の排気通路容積VEXaに依存し、第2の時間Δt2a及び第2の時間Δt2bはそれぞれ第1の排気通路容積VEXa及び第2の排気通路容積VEXbに依存する。
本発明による実施例では、第2の排気通路22b内に配置されたNOx吸収剤67は第1の排気通路22a内に配置されたNOx吸収剤67に対し直列にかつ後側に配置されており、このため第1の排気通路容積VEXaと第2の排気通路容積VEXbとは互いに異なっている。そこで、第1の時間Δt1b及び第2の時間Δt2bを、それぞれ第1の時間Δt1a及び第2の時間Δt2aと異なるように設定している。
第2の排気通路22b内に配置されたNOx吸収剤67からNOxを放出させるべきときの第1の時間Δt1b及び第2の時間Δt2bは例えば次式(1),(2)に基づいてそれぞれ算出される。
Δt1b=Δt1a・VEXa/VEXb (1)
Δt2b=Δt2a・VEXb/VEXa (2)
図1に示されるように第2の排気通路容積VEXbが第1の排気通路容積VEXaよりも大きいとき場合には、第1の時間Δt1bは第1の時間Δt1aよりも短くなり,第2の時間Δt2bは第2の時間Δt2aよりも長くなる。
なお、第1の時間Δt1b及び第2の時間Δt2bをそれぞれ予め求めて記憶しておき、これらを補正することにより第1の時間Δt1a及び第2の時間Δt2aを算出するようにしてもよい。このようにすると、第1の時間Δt1a,Δt1bのために一つのマップで足り、第2の時間Δt2a,Δt2bのために一つのマップで足りる。もっとも、第1の時間Δt1a,Δt1b及び第2の時間Δt2a,Δt2bをそれぞれ予め求めて記憶しておくようにしてもよい。
また、本発明による実施例では、第1の排気通路22a内に配置されたNOx吸収剤67の容量と第2の排気通路22b内に配置されたNOx吸収剤67の容量とが等しくされている。したがって、第1の排気通路22a内に配置されたNOx吸収剤67からNOxを放出すべきときの第3の時間Δt3と第2の排気通路22b内に配置されたNOx吸収剤67からNOxを放出すべきときの第3の時間Δt3とは互いに等しくてもよい。
したがって、本発明は概念的に表現すると、第1の排気通路22a内に配置されたNOx吸収剤67からNOxを放出すべきときには第2の排気通路22bを閉鎖しかつ第1の排気通路22aを開通させた状態で燃料添加弁32から燃料を添加して添加された燃料を第1の排気通路22a内に導くと共に、第1の排気通路22a内に燃料が導かれた後にこの燃料により第1の排気通路22a内における排気ガスの空燃比をリッチに維持するために第1の排気通路22aを閉鎖し、第2の排気通路22b内に配置されたNOx吸収剤67からNOxを放出すべきときには第1の排気通路22aを閉鎖しかつ第2の排気通路22bを開通させた状態で燃料添加弁32から燃料を添加して添加された燃料を第2の排気通路22b内に導くと共に、第2の排気通路22b内に燃料が導かれた後にこの燃料により第2の排気通路22b内における排気ガスの空燃比をリッチに維持するために第2の排気通路22bを閉鎖するようにしたことにある。
図11はNOx放出制御ルーチンを示している。
図11を参照するとまず初めにステップ100において図7(A)に示すマップから単位時間当り吸収されるNOx量NOXAが算出される。次いでステップ101ではこのNOXAがNOx吸収剤67に吸収されているNOx量ΣNOXに加算される。次いでステップ102では吸収NOx量ΣNOXが許容値MAXを越えたか否かが判別され、ΣNOX>MAXとなったときにはステップ103に進んで第1の排気通路22a内のNOx吸収剤67からNOxを放出すべきであることを示すフラグIがセットされているか否かが判別される。
ステップ103においてフラグIがセットされていると判断されたとき、すなわち第1の排気通路22a内のNOx吸収剤67からNOxを放出すべきときにはステップ104に進んでフラグIがリセットされる。次いでステップ105ではエアフローメータ8により検出された吸入空気量Gaに基づいて図8のマップから第1の時間Δt1aが算出される。次いでステップ106では温度センサ28a及び温度センサ30aにより検出された温度の一方又は双方から推定されるNOx吸蔵還元触媒23a及びパティキュレートフィルタ24aの代表温度Tcとエアフローメータ8により検出された吸入空気量Gaとに基づいて図9(B)に示すマップから第2の時間Δt2aが算出される。次いでステップ107では温度センサ28a及び温度センサ30aにより検出された温度の一方又は双方から推定されるNOx吸蔵還元触媒23a及びパティキュレートフィルタ24aの代表温度Tcとエアフローメータ8により検出された吸入空気量Gaとに基づいて図10(C)に示すマップから第3の時間Δt3が算出される。次いでステップ108に進む。
ステップ108では図6に示されるようにまず初めに第2の排気制御弁26bが閉弁され、次いでステップ105において算出された第1の時間Δt1aが経過したときに燃料添加弁32から燃料、すなわち軽油が添加されると共にNOx量ΣNOXが零とされる。次いでステップ106において算出された第2の時間Δt2aが経過したときに第1の排気制御弁26aが閉弁され、第2の排気制御弁26bが開弁される。次いでステップ107において算出された第3の時間Δt3が経過したときに第1の排気制御弁26aが開弁される。
一方、ステップ103においてフラグIがセットされていないと判断されたとき、すなわち第2の排気通路22b内のNOx吸収剤67からNOxを放出すべきときにはステップ109に進んでフラグIがセットされる。次いでステップ110ではエアフローメータ8により検出された吸入空気量Gaに基づいて図8のマップからΔt1aが算出され、このΔt1aと上述の式(1)とから第1の時間Δt1bが算出される。次いでステップ111では温度センサ28b及び温度センサ30bにより検出された温度の一方又は双方から推定されるNOx吸蔵還元触媒23b及びパティキュレートフィルタ24bの代表温度Tcとエアフローメータ8により検出された吸入空気量Gaとに基づいて図9(B)に示すマップからΔt2aが算出され、このΔt2aと上述の式(2)とから第2の時間Δt2bが算出される。次いでステップ112では温度センサ28b及び温度センサ30bにより検出された温度の一方又は双方から推定されるNOx吸蔵還元触媒23b及びパティキュレートフィルタ24bの代表温度Tcとエアフローメータ8により検出された吸入空気量Gaとに基づいて図10(C)に示すマップから第3の時間Δt3が算出される。次いでステップ108に進む。
ステップ108では図6に示されるようにまず初めに第1の排気制御弁26aが閉弁され、次いでステップ110において算出された第1の時間Δt1bが経過したときに燃料添加弁32から燃料、すなわち軽油が添加されると共にNOx量ΣNOXが零とされる。次いでステップ111において算出された第2の時間Δt2bが経過したときに第2の排気制御弁26bが閉弁され、第1の排気制御弁26aが開弁される。次いでステップ112において算出された第3の時間Δt3が経過したときに第2の排気制御弁26bが開弁される。
上述したように図11に示される例ではマップから求められた第3の時間Δt3が経過したときに第1の排気制御弁26a又は第2の排気制御弁26bを開弁させるようにしている。しかしながら第3の時間Δt3のマップを用いず、空燃比センサ31a,31bにより検出された排気ガスの空燃比がリッチからリーンに切換ったときに第1の排気制御弁26a又は第2の排気制御弁26bを開弁させるようにすることもできる。
燃料添加弁32に燃料を添加するための燃料供給管を長い距離に亘って車両の床下に配管するのは抵抗感がある。しかしながら本発明では図1に示されるように燃料添加弁32を排気タービン7bのすぐ下流の排気通路21内に配置できるので燃料供給管を短くすることができる。図2に示される例では燃料供給管を更に短くすることができる。
また、第1の排気通路22a内に配置されたNOx吸収剤67からNOxを放出させるべきときの第1の時間Δt1a及び第2の時間Δt2aと、第2の排気通路22b内に配置されたNOx吸収剤67からNOxを放出させるべきときの第2の時間Δt1b及び第2の時間Δt2bとをそれぞれ最適に設定することができる。したがって、例えば第1の排気通路22a内に配置されたNOxを放出させるべきときには、燃料添加弁32から添加された燃料を第1の排気通路22a内に確実に導くことができ、添加燃料を第1の排気通路22a内に確実に保持することができる。なお、第1の排気通路22a内に配置された第1のNOx吸蔵還元触媒23a、第1のパティキュレートフィルタ24a及び第1の酸化触媒25aと、第2の排気通路22b内に配置された第2のNOx吸蔵還元触媒23b、第2のパティキュレートフィルタ24b及び第2の酸化触媒25bとを互いに直列配置しなくても、第1のNOx吸蔵還元触媒23a上流の第1の排気通路22aの容量と、第2のNOx吸蔵還元触媒23b上流の第2の排気通路22bの容量とが互いに異なる場合には、本発明を適用することができる。
これまで述べてきた本発明による各実施例では、第1の酸化触媒25a下流の第1の排気通路22a内に第1の排気制御弁26aが配置されており、第2の酸化触媒25b下流の第2の排気通路22b内に第2の排気制御弁が配置されている。しかしながら、第1のNOx吸蔵還元触媒23a上流の第1の排気通路22aに第1の排気制御弁26aを配置し、第2のNOx吸蔵還元触媒23b上流の第2の排気通路22bに第2の排気制御弁26bを配置してもよい。この場合でも添加した燃料が第1のNOx吸蔵還元触媒23a及び第1のパティキュレートフィルタ24aに付着したときに第1の排気制御弁26aを閉弁すれば第1の排気通路22a内の排気ガスはリッチに保持され、添加した燃料が第2のNOx吸蔵還元触媒23b及び第2のパティキュレートフィルタ24bに付着したときに第2の排気制御弁26bを閉弁すれば第2の排気通路22b内の排気ガスはリッチに保持される。
あるいは、第1の排気通路22aの下流端と第2の排気通路22bの下流端の排気通路27への合流部に一個の排気制御弁26を配置し、この一個の排気制御弁26によって第1の排気通路22aと第2の排気通路22bが共に開通している状態と、第1の排気通路22aのみが閉鎖されている状態と、第2の排気通路22bのみが閉鎖されている状態との3つの状態に切換えるようにしてもよい。したがって本発明では第1の排気通路及び第2の排気通路を閉鎖又は開通させるために少なくとも一つの排気制御弁を備えているということになる。
一方、NOx吸蔵還元触媒23a,23b及びパティキュレートフィルタ24a,24bの暖機を促進するために共通の排気通路31内に酸化触媒を配置するか、又はNOx吸収剤67がイオウ被毒を受けないようにするために排気ガス中に含まれるイオウをトラップするためのイオウトラップ触媒80を燃料添加弁32上流の排気通路31内に配置することもできる。また、機関始動時に冷却水温を早期に上昇させるために用いる燃焼式ヒータの燃焼ガスを排気通路31内に導入してNOx吸蔵還元触媒23a,23b及びパティキュレートフィルタ24a,24bの暖機を促進することができる。
また、これまで述べてきた本発明による各実施例では、第1のNOx吸蔵還元触媒23a、第1のパティキュレートフィルタ24a及び第1の酸化触媒25aは互いに離間して配置されており、第2のNOx吸蔵還元触媒23b、第2のパティキュレートフィルタ24b及び第2の酸化触媒25bは互いに離間して配置されている。しかしながら、第1のNOx吸蔵還元触媒23a、第1のパティキュレートフィルタ24a及び第1の酸化触媒25aを互いに密着せしめて一つのケーシング内に配置し、同様に第2のNOx吸蔵還元触媒23b、第2のパティキュレートフィルタ24b及び第2の酸化触媒25bも互いに密着せしめて一つのケーシング内に配置することもできる。また、添加燃料がNOx吸蔵還元触媒23a,23b及びパティキュレートフィルタ24a,24b内に均一に分配されるように各NOx吸蔵還元触媒23a,23b上流の各排気通路22a,22b内にそれぞれ多数の孔を形成した多孔板をそれぞれ配置することもできる。あるいは、第1のNOx吸蔵還元触媒23a及び第1のパティキュレートフィルタ24aを互いに密着せしめて一つのケーシング内に配置し、第2のNOx吸蔵還元触媒23b及び第2のパティキュレートフィルタ24bを互いに密着せしめて一つのケーシング内に配置し、共通の排気通路27内に共通の酸化触媒25を配置することもできる。
圧縮着火式内燃機関の全体図である。 圧縮着火式内燃機関の別の実施例を示す全体図である。 NOx吸蔵還元触媒の側面断面図である。 触媒担体の表面部分の断面図である。 パティキュレートフィルタの構造を示す図である。 燃料添加のタイミングと排気制御弁の開閉弁時期を示すタイムチャートである。 吸収NOx量NOXAのマップを示す図である。 第1の時間Δt1aを示す図である。 第2の時間Δt2aを示す図である。 第3の時間Δt3を示す図である。 NOx放出制御を行うためのフローチャートである。
符号の説明
5 排気マニホルド
20 排気後処理装置
21,27 共通の排気通路
22a 第1の排気通路
22b 第2の排気通路
23a 第1のNOx吸蔵還元触媒
23b 第2のNOx吸蔵還元触媒
24a 第1のパティキュレートフィルタ
24b 第2のパティキュレートフィルタ
25a 第1の酸化触媒
25b 第2の酸化触媒
26a 第1の排気制御弁
26b 第2の排気制御弁
32 燃料添加弁

Claims (4)

  1. 共通の排気通路から分岐された第1の排気通路と第2の排気通路を具備し、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中のNOxを吸蔵し、流入する排気ガスの空燃比がリッチになると吸蔵しているNOxを放出するNOx吸収剤を第1の排気通路内及び第2の排気通路内にそれぞれ配置した内燃機関において、第1の排気通路及び第2の排気通路上流の上記共通の排気通路内に燃料添加弁を配置し、第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときには第1の排気通路を開通しつつ第2の排気通路を閉鎖した後予め定められた第1の時間を経過したときに燃料添加弁から燃料を添加して該燃料を第1の排気通路内に導くと共に、第1の排気通路内に燃料が導かれた後に該燃料により第1の排気通路内における排気ガスの空燃比をリッチに維持するために第1の排気通路を閉鎖し、第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときには第2の排気通路を開通しつつ第1の排気通路を閉鎖した後予め定められた第1の時間を経過したときに燃料添加弁から燃料を添加して該燃料を第2の排気通路内に導くと共に、第2の排気通路内に燃料が導かれた後に該燃料により第2の排気通路内における排気ガスの空燃比をリッチに維持するために第2の排気通路を閉鎖するようにし、共通の排気通路から第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤までの第1の排気通路の容積と共通の排気通路から第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤までの第2の排気通路の容積とが互いに異なっており、第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときの第1の時間と第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときの第1の時間とを互いに異なるように設定した内燃機関の排気浄化装置。
  2. 第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときの第1の時間と第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときの第1の時間とのうち一方の第1の時間を、共通の排気通路から第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤までの第1の排気通路の容積と共通の排気通路から第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤までの第2の排気通路の容積との比に応じ他方の第1の時間を補正することにより求めるようにした請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 共通の排気通路から分岐された第1の排気通路と第2の排気通路を具備し、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中のNOxを吸蔵し、流入する排気ガスの空燃比がリッチになると吸蔵しているNOxを放出するNOx吸収剤を第1の排気通路内及び第2の排気通路内にそれぞれ配置した内燃機関において、第1の排気通路及び第2の排気通路上流の上記共通の排気通路内に燃料添加弁を配置し、第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときには燃料添加弁から添加された燃料を第1の排気通路内に導くと共に、燃料が添加されてから予め定められた第2の時間を経過したときに該燃料により第1の排気通路内における排気ガスの空燃比をリッチに維持するために第1の排気通路を閉鎖し、第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときには燃料添加弁から添加された燃料を第2の排気通路内に導くと共に、燃料が添加されてから予め定められた第2の時間を経過したときに該燃料により第2の排気通路内における排気ガスの空燃比をリッチに維持するために第2の排気通路を閉鎖するようにし、共通の排気通路から第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤までの第1の排気通路の容積と共通の排気通路から第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤までの第2の排気通路の容積とが互いに異なっており、第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときの第2の時間と第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときの第2の時間とを互いに異なるように設定した内燃機関の排気浄化装置。
  4. 第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときの第2の時間と第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤からNOxを放出すべきときの第2の時間とのうち一方の第2の時間を、共通の排気通路から第1の排気通路内に配置されたNOx吸収剤までの第1の排気通路の容積と共通の排気通路から第2の排気通路内に配置されたNOx吸収剤までの第2の排気通路の容積との比に応じ他方の第2の時間を補正することにより求めるようにした請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
JP2005358066A 2005-12-12 2005-12-12 内燃機関の排気浄化装置 Expired - Fee Related JP4665746B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005358066A JP4665746B2 (ja) 2005-12-12 2005-12-12 内燃機関の排気浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005358066A JP4665746B2 (ja) 2005-12-12 2005-12-12 内燃機関の排気浄化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007162533A true JP2007162533A (ja) 2007-06-28
JP4665746B2 JP4665746B2 (ja) 2011-04-06

Family

ID=38245745

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005358066A Expired - Fee Related JP4665746B2 (ja) 2005-12-12 2005-12-12 内燃機関の排気浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4665746B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2842111B2 (ja) * 1992-12-11 1998-12-24 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気浄化装置
JP2002081311A (ja) * 2000-09-05 2002-03-22 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置
JP2003307127A (ja) * 2002-04-15 2003-10-31 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置及び内燃機関の排気浄化方法
JP2004028004A (ja) * 2002-06-27 2004-01-29 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置
JP2004092592A (ja) * 2002-09-03 2004-03-25 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2842111B2 (ja) * 1992-12-11 1998-12-24 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気浄化装置
JP2002081311A (ja) * 2000-09-05 2002-03-22 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置
JP2003307127A (ja) * 2002-04-15 2003-10-31 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置及び内燃機関の排気浄化方法
JP2004028004A (ja) * 2002-06-27 2004-01-29 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置
JP2004092592A (ja) * 2002-09-03 2004-03-25 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4665746B2 (ja) 2011-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4419907B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4270201B2 (ja) 内燃機関
JP3938136B2 (ja) 圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置
JP2007297918A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2009114879A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4107320B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4609178B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2010048134A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4640114B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2007231922A (ja) 圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置
JP4665746B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2009041441A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2007120319A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4432888B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2007162532A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2009228525A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4577249B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2008101565A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2008075585A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4556760B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2009108700A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2008002359A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2008101563A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2007278069A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2008095661A (ja) 内燃機関の排気浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101214

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101227

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees