JP2790017B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2790017B2
JP2790017B2 JP25309493A JP25309493A JP2790017B2 JP 2790017 B2 JP2790017 B2 JP 2790017B2 JP 25309493 A JP25309493 A JP 25309493A JP 25309493 A JP25309493 A JP 25309493A JP 2790017 B2 JP2790017 B2 JP 2790017B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の排気浄化装
置に関し、詳細には、リーン空燃比の燃焼を行う内燃機
関の排気中のNOX (窒素酸化物)を効果的に除去可能
な排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の排気浄化装置の例としては、例
えば特開昭62─106826号公報に開示されたもの
がある。同公報の装置は、ディーゼル機関の排気通路に
酸素の存在下でNOX を吸収する吸収剤(触媒)を収容
した容器を接続し、このNOX 吸収剤に排気中のNOX
を吸収させ、該吸収剤のNOX 吸収効率が低下した時に
容器への排気の流入を遮断して容器内に気体状の還元剤
を供給することにより還元雰囲気を生成して吸収剤から
NOX を放出させるとともに、放出されたNOX を還元
浄化するものである。
【0003】また、軸線方向に貫通する通路を有する円
筒状回転体を所定速度で回転させ、上記軸線方向通路に
交互に排気ガスと空気とを導入し、導入に際して生じる
圧力波により上記軸線方向通路内の空気を圧縮して内燃
機関に供給する圧力波過給機については、特公昭53−
44685号に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭62─10
6826号公報の装置は、NOX 吸収剤を収容する容器
上流側に設けた遮断弁を用いて容器への排気の流入を遮
断して、排気中に含まれる酸素が流入することを防止し
てから容器内に還元剤を供給することにより、容器内を
還元雰囲気にしてNOX 吸収剤のNOX 放出、還元浄化
(以下、「NOX吸収剤の再生」という)を行ってい
る。従って、上記公報の装置ではエンジン運転中にNO
X 吸収剤の再生操作を行う場合、NOX 吸収剤容器をバ
イパスして排気を流す必要が生じ、排気中のNOX が浄
化されずに大気に放出される問題が生じる。
【0005】また、これを防止するためには、NOX
収剤を収容した複数の容器をエンジン排気通路に並列に
接続して、1つのNOX 吸収剤の再生操作実行中でも他
のNOX 吸収剤を通して排気を浄化することができるよ
うにする必要があり、複数の容器を設けるために装置が
大型化、複雑化し、車両用エンジンに使用するような場
合には搭載性が悪化する問題がある。
【0006】さらに、上記公報の装置ではNOX 吸収剤
の再生操作を行う場合には、NOX吸収剤への排気の流
入を完全に遮断するため再生操作中にNOX 吸収剤の温
度が低下してしまい、再生後にNOX 吸収を再開したと
きにNOX 吸収剤のNOX 吸収能力が低下しており、充
分な浄化能力を発揮できない場合がある。一方、上記の
装置大型化の問題やNOX 吸収剤の温度低下の問題を回
避するために、例えばNOX 吸収剤に流入する排気を完
全に遮断するのではなく、流入する排気の流量を低減し
て還元剤を供給することにより、単一のNOX 吸収剤容
器を用いながら再生操作時にもエンジン排気の流れを確
保するようにした構成も可能である。
【0007】しかし、この場合にはNOX 吸収剤の再生
操作時に、排気通路に設けた絞り弁等によりエンジンの
排気流量全体を絞る必要が生じるためエンジンの出力が
急激に低下し、車両走行中に運転性が悪化したり、流入
する排気中の酸素を消費するために還元剤の供給量が増
大してしまう問題を生じる。本発明は、上記問題に鑑
み、装置の小型化が可能であり、車両の運転性への影響
や再生時のNOX 吸収剤の温度低下を防止することがで
き、しかも還元剤の消費量を低減することが可能な内燃
機関の排気浄化装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
によれば、軸線方向に貫通する通路を有する円筒状回転
体と、前記回転体を所定の速度で回転駆動する駆動源
と、前記円筒状回転体の両端面にそれぞれ対向して近接
配置された固定端板と、前記軸線方向通路壁面に担持さ
れ、前記軸線方向通路にリーン空燃比の排気が供給され
たときに排気中のNOX を吸収し、前記軸線方向通路に
還元剤が供給され、雰囲気酸素濃度が低下したときに吸
収したNOX を放出するとともに放出したNOX を還元
浄化するNOX 吸収剤と、前記固定端板の一方にそれぞ
れ開口し、前記回転体の回転により交互に前記軸線方向
通路に連通する排気供給ポートと排気吐出ポートと、前
記固定端板の他の一方の、前記排気供給ポートと前記排
気吐出ポートに略対向する位置にそれぞれ開口し、前記
回転体の回転により交互に前記軸線方向通路に連通する
還元剤吐出ポートと還元剤供給ポートと、前記排気供給
ポートと内燃機関の排気通路とを接続する排気入口通路
と、前記排気吐出ポートに接続された排気出口通路と、
前記還元剤供給ポートに所定の圧力で還元剤を供給する
還元剤供給装置と、前記還元剤吐出ポートに接続された
還元剤出口通路とを備え、前記還元剤吐出ポートに接続
された還元剤出口通路とを備え、前記駆動源により前記
回転体を所定の速度で回転駆動することにより、前記軸
線方向通路を前記排気供給ポートに連通させて前記軸線
方向通路内に排気を導入するとともに、該導入した排気
により前記軸線方向通路内の還元剤を前記還元剤吐出ポ
ートに排出する動作と、前記軸線方向通路を還元剤供給
ポートに連通させて前記軸線方向通路内に還元剤を導入
するとともに、該導入した還元剤により前記軸線方向通
路内の排気を前記排気吐出ポートに排出する動作とを交
互に繰り返して、前記軸線方向通路に担持されたNOX
吸収剤に排気と還元剤とを交互に接触させ、前記NOX
吸収剤への排気中のNOX の吸収と、吸収されたNOX
の還元剤による放出、還元浄化とを行う内燃機関の排気
浄化装置が提供される。
【0009】また、請求項2に記載の本発明によれば、
前記排気吐出ポートを分割して、前記軸線方向通路から
排気とともに排出される還元剤が主として流入する第2
の還元剤吐出ポートを形成し、該第2の還元剤吐出ポー
トに排出される還元剤の酸素濃度を検出する酸素濃度セ
ンサを設け、検出された酸素濃度に応じて前記回転体の
駆動速度を変化させて前記酸素濃度を所定値に維持する
ようにした請求項1に記載の排気浄化装置が提供され
る。
【0010】更に、請求項3に記載の本発明によれば、
公知の圧力波過給機の、空気と排気とが交互に導入され
る軸線方向通路の壁面に前述のNOX 吸収剤を担持させ
るとともに、前記軸線方向通路に排気を供給する排気吐
出ポートの回転方向下流側に近接した位置に開口する還
元剤供給ポートと、該還元剤供給ポートに所定の圧力で
還元剤を供給する還元剤供給装置とを設け、排気の排出
動作終了後の前記軸線方向通路内に前記還元剤供給ポー
トから還元剤を導入し、前記軸線方向通路内に導入され
る排気と空気との間に還元剤層を生成することにより、
過給動作に伴って前記軸線方向通路に担持されたNOX
吸収剤に排気と還元剤とを交互に接触させ、前記NOX
吸収剤への排気中のNOX の吸収と、吸収されたNOX
の還元剤による放出、還元浄化とを行う内燃機関の排気
浄化装置が提供される。
【0011】
【作用】請求項1に記載の発明では、回転体の回転に伴
って軸線方向通路の一方の端部が排気供給ポートに連通
すると軸線方向通路の上記一方の端部から通路内に排気
が供給される。上記により供給された排気は軸線方向通
路内の還元剤を通路の他方の端部から還元剤吐出ポート
に押し出す。これにより、通路内の還元剤は排気により
置換され、通路壁面に担持されたNOX 吸収剤は排気と
接触して排気中のNOX を吸収する。さらに回転体が回
転して軸線方向通路の他の一方の端部が還元剤供給ポー
トに連通すると、軸線方向通路の上記他方の端部から通
路内に還元剤が供給される。供給された還元剤は軸線方
向通路内の排気を通路の前記一方の端部から排気吐出ポ
ートに押し出す。これにより、通路内の排気は還元剤に
より置換され、通路壁面に担持されたNOX 吸収剤は排
気と接触して、NOX 吸収剤からの吸収したNOX の放
出と還元浄化とが行われる。従って、回転体の回転に伴
って軸線方向通路壁面に担持されたNOX 吸収剤のNO
X 吸収と再生とが交互に行われる。また、通路内に供給
された還元剤のうち、NOX 吸収剤の再生に使用された
少量の還元剤は排気とともに排気ポートから排出される
が、NOX 吸収剤の再生に使用されない大部分の還元剤
は、排気と混合することなく排気吐出ポートとは別の還
元剤吐出ポートから排出される。
【0012】ところで、上述のような排気浄化装置では
NOX の吸収と放出還元とを効果的に行うためには通路
壁面に担持されたNOX 吸収剤のうち、できるだけ多く
の部分が交互に排気と還元剤とに接触するようにするこ
とが好ましい。また、このためには、排気供給ポートか
ら供給された排気が、できるだけ軸線方向通路の奥(還
元剤側)まで到達するようにすること必要となる。この
軸線方向通路内の排気進入長さは排気供給圧力等の排気
条件と回転体の回転速度、還元剤の供給圧力等により定
まるる軸線方向通路内の圧力バランスにより決定される
ため、還元剤供給圧力と回転体の回転速度が一定の条件
では、内燃機関の運転条件により排気供給圧力が変化す
ると、それに伴って軸線方向通路内の圧力バランスが変
化してしてまい充分な排気進入長さが維持できなくなる
おそれがある。
【0013】一方、前述のように上記NOX 吸収剤の再
生に使用された還元剤は排気吐出ポートに排出される
が、この使用済みの還元剤の軸線方向通路からの排出は
軸線方向通路からの排気の吐出が終了した直後に行われ
る。上述の圧力バランスが一定であれば軸線方向通路か
らの排気の吐出は回転体の一定の回転位置(すなわち軸
線方向通路が排気吐出ポートの回転方向下流側の一定位
置)に到達したときに終了する。従って、排気吐出ポー
トのこの部分を区分して第2の還元剤吐出ポートを形成
すれば、この第2の還元剤吐出ポートには主として使用
済みの還元剤が排出されることになる。また、この第2
の還元剤吐出ポートには上記使用済みの還元剤とともに
少量の排気が吐出されるが、この排気の量は軸線方向通
路内の圧力バランス(すなわち軸線方向通路内への排気
の進入長さ)に応じて変化する。
【0014】上記使用済みの還元剤は酸素を殆ど含まな
いが、排気は比較的酸素を多く含んでいる。このため、
第2の還元剤供給ポートに吐出される使用済みの還元剤
と排気との混合気の酸素濃度は軸線方向通路内の圧力バ
ランスの変化に応じて変動することになる。請求項2に
記載の本発明では、上述の第2の還元剤供給ポートを設
けるとともに、この第2の還元剤供給ポートに吐出され
る混合気の酸素濃度を検出する酸素濃度センサを設け、
検出された酸素濃度を所定値に維持するように回転体の
回転速度を返ることにより前述の軸線方向通路内圧力バ
ランスを一定に維持する。すなわち、上記酸素濃度が所
定値より低くなった場合には、排気圧力の低下などによ
り軸線方向通路内の圧力バランスが変化して、軸線方向
通路からの排気吐出が所定位置より前の位置で終了して
いることを意味し、軸線方向通路内への排気の進入距離
が小さくなっているため、回転体の回転速度を低下させ
て排気の進入距離を増大させる。また、上記酸素濃度が
所定値より高くなった場合には、排気圧力の上昇などに
より軸線方向通路内の圧力バランスが変化して、軸線方
向通路からの排気吐出が所定位置より後の位置で終了し
ていることを意味し、軸線方向通路内への排気の進入距
離が大きくなっており、還元剤側に排気が吹き抜けるお
それがあるため、回転体の回転速度を上昇させて排気の
進入距離を減少させる。これにより、軸線方向通路内の
圧力バランスは一定に維持され、排気条件の変化に応じ
た最適なNOX 吸収と還元浄化が行われる。
【0015】請求項3に記載の発明では、NOX 吸収剤
は公知の圧力波過給機の軸線方向通路壁面に担持され、
還元剤は排気吐出が終了した直後の、軸線方向通路内の
圧力が低下した位置で通路内に供給される。このため、
通路内に供給された還元剤はその後に続く軸線方向通路
内への排気の導入、空気の圧縮及び吐出の各行程では排
気と空気との境界部分に還元剤層を形成し、排気と空気
との間に挟まれたまま通路内を往復して排気とともに排
気吐出ポートから排出される。これにより、過給機の過
給動作に伴って通路壁面に担持されたNOX 吸収剤は交
互に排気と還元剤とに接触することになり、NOX 吸収
剤のNOX 吸収と再生とが交互に行われ、内燃機関の過
給と排気浄化とが同時に行われる。
【0016】
【実施例】次に、添付図面を用いて本発明の実施例につ
いて説明する。図1は請求項1に対応する本発明の内燃
機関の排気浄化装置の一実施例を示す一部切欠き図であ
る。図1において1は排気浄化装置本体を示す。本実施
例では、排気浄化装置1は円筒状のケーシング2と、ケ
ーシング2の両端部に取着されたエンドカバー(端板)
3、4とを備えている。また、図に15で示すのは、ケ
ーシング2内に配置された円筒状ロータである。ロータ
15は、図示を省略するベアリング等によりケーシング
2に対して回転自在に支承されている。また、ロータ1
5の外周部には、図に16で示す複数の軸方向溝がロー
タ全長にわたって形成されている。ロータ15の外周
は、ケーシング2の内周面との間に微少なクリアランス
を介して対向しており、本実施例では上記軸方向溝16
は、ケーシング2の内周面とともに請求項1に記載した
ロータ15を貫通する軸線方向通路16を形成してい
る。本実施例では、軸方向溝(軸線方向通路)16の壁
面には後述するNOX 吸収剤が担持されている。
【0017】また、エンドカバー3、4はロータ15の
端面と微少なクリアランスを介して対向しており、エン
ドカバー3には排気供給ポート6と排気吐出ポート7と
が、またエンドカバー4には還元剤供給ポート8と還元
剤吐出ポート9とがそれぞれ図3に後述するような位置
関係で開口している。後述のモータ25によりロータ1
5が回転駆動されると、排気供給ポート6と排気吐出ポ
ート7、及び還元剤供給ポート8と還元剤吐出ポート9
はそれぞれ、上述の各々の軸線方向通路16と交互に連
通する。
【0018】図に21で示すのは排気供給ポート6と内
燃機関の排気通路とを接続する排気入口通路、22は排
気吐出ポート7に接続された排気出口通路である。更
に、図に23で示すのは、後述する還元剤供給装置30
から所定の圧力の還元剤を還元剤供給ポート8に供給す
る還元剤入口通路、24で示すのは還元剤吐出ポート9
に吐出された還元剤を還元剤供給装置30に循環させる
還元剤出口通路である。
【0019】図に25で示すのは、ロータ15を回転駆
動する駆動源であり、本実施例では直流サーボモータ等
の可変速度モータが使用されている。ロータ15は、エ
ンドカバー4を貫通する駆動軸(図示せず)を備えてお
り、モータ25はプーリ26、ベルト28を介して、こ
の駆動軸に取着されたプーリ27に接続され、ロータ1
5を回転駆動している。
【0020】次に、図2を参照して本実施例の還元剤供
給装置について説明する。本実施例では還元剤として水
素、一酸化炭素等の還元性気体、プロパン、プロピレ
ン、ブタン等の気体の炭化水素等が使用可能である。図
2においてその全体を30で示す還元剤供給装置は、還
元剤入口通路23を介して排気浄化装置1の還元剤供給
ポート8に所定圧力の上記の気体状還元剤を供給すると
とともに、排気浄化装置1の還元剤吐出ポート9から吐
出された還元剤を回収して再使用する機能を有する。
【0021】還元剤供給装置30は、この目的のために
サージタンク31、回収タンク33、加圧ポンプ35、
及び還元剤供給タンク34、圧力制御弁36、37を備
えている。図2に示すように、本実施例では回収タンク
33内の還元剤は加圧ポンプ35により昇圧され、サー
ジタンク31に供給される。圧力制御弁36は、図に3
9で示すリターン通路を通ってポンプ35出口から回収
タンク33に戻る還元剤の流量を調節してサージタンク
31内の圧力を一定に維持する。これにより排気浄化装
置1の還元剤消費量にかかわらずサージタンク31内の
還元剤圧力は一定に維持される。
【0022】サージタンク31から排気浄化装置1の還
元剤供給ポート8に供給された還元剤の一部は、後述す
るように一部がNOX 吸収剤の再生に使用された後、排
気とともに排気側に排出される。一方、NOX 吸収剤の
再生に使用されなかった大部分の還元剤は、排気浄化装
置1の還元剤吐出ポート9から吐出され、還元剤出口通
路24を介して回収タンク33に回収され、ポンプ35
に循環して再使用される。圧力制御弁37は、還元剤供
給タンク34から回収タンク33に流入する還元剤流量
を調節し、回収タンク33内の圧力を一定に維持する。
これにより、NOX 吸収剤の再生に消費されただけの量
の還元剤が回収タンク31に供給され、還元剤の循環量
の低下が防止される。
【0023】次に、本発明のロータ15の軸方向溝(軸
線方向通路)16壁面に担持されたNOX 吸収剤につい
て説明する。NOX 吸収剤は、例えばアルミナ等の担持
層を使用し、この担持層に例えばカリウムK,ナトリウ
ムNa ,リチウムLi ,セシウムCs のようなアルカリ
金属、バリウムBa , カルシウムCa のようなアルカリ
土類、ランタンLa ,イットリウムYのような希土類か
ら選ばれた少なくとも一つと、白金Pt のような貴金属
とを担持した構成とされ、本実施例では、ロータ15の
それぞれの軸線方向通路16の壁面には上記成分を担持
したアルミナ等の担持層がコーティングされており、N
X 吸収剤層を形成している。
【0024】このNOX 吸収剤は流入する排気の空燃比
がリーンの場合にはNOX を吸収し、酸素濃度が低下す
るとNOX を放出するNOX の吸放出作用を行う。な
お、上述の排気空燃比とは、ここではNOX 吸収剤の上
流側の排気通路やエンジン燃焼室、吸気通路等にそれぞ
れ供給された空気量の合計と燃料、還元剤等の合計との
比を意味するものとする。従って、NOX 吸収剤の上流
側排気通路に燃料、還元剤または空気が供給されない場
合には排気空燃比はエンジンの運転空燃比(エンジン燃
焼室内の燃焼における空燃比)と等しくなる。
【0025】上記吸放出作用の詳細なメカニズムについ
ては明らかでない部分もある。しかし、この吸放出作用
は図9に示すようなメカニズムで行われているものと考
えられる。次にこのメカニズムについて担体上に白金P
t およびバリウムBa を担持させた場合を例にとって説
明するが他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類、希
土類を用いても同様なメカニズムとなる。
【0026】すなわち、流入排気がかなりリーンになる
と流入排気中の酸素濃度が大幅に増大し、図9(A) に示
されるようにこれら酸素O2 がO2 - またはO2-の形で
白金Pt の表面に付着する。一方、流入排気中のNOは
白金Pt の表面上でこのO2 - またはO2-と反応し、N
2 となる(2NO+O2 →2NO2 ) 。次いで生成さ
れたNO2 の一部は白金Pt上で酸化されつつ吸収剤内
に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら、図9
(A) に示されるように硝酸イオンNO3 - の形で吸収剤
内に拡散する。このようにしてNOX がNOX 吸収剤内
に吸収される。
【0027】従って、流入排気中の酸素濃度が高い限り
白金Pt の表面でNO2 が生成され、吸収剤のNOX
収能力が飽和しない限りNO2 が吸収剤内に吸収されて
硝酸イオンNO3 - が生成される。これに対して流入排
気中の酸素濃度が低下してNO2 の生成量が減少すると
反応が逆方向(NO3 - →NO2 )に進み、こうして吸
収剤内の硝酸イオンNO3 - がNO2 の形で吸収剤から
放出される。すなわち、流入排気中の酸素濃度が低下す
るとNOX 吸収剤からNOX が放出されることになる。
【0028】一方、流入排気中にHC、CO等の還元成
分が存在すると、これらの成分は白金Pt 上の酸素O2
- またはO2-と反応して酸化され、排気中の酸素を消費
して排気中の酸素濃度を低下させる。また、排気中の酸
素濃度低下によりNOX 吸収剤から放出されたNO2
図9(B) に示すようにHC,COと反応して還元され
る。このようにして白金Pt の表面上にNO2 が存在し
なくなると吸収剤から次から次へとNO2 が放出され
る。
【0029】すなわち、流入排気中のHC,COは、ま
ず白金Pt 上のO2 - またはO2-とただちに反応して酸
化され、次いで白金Pt 上のO2 - またはO2-が消費さ
れてもまだHC,COが残っていればこのHC,COに
よって吸収剤から放出されたNOX が還元される。本実
施例では、リーン空燃比の燃焼を行うエンジンが使用さ
れているため、排気浄化装置1のロータ15の軸線方向
通路16に供給される排気の空燃比はリーンであり、通
路16内に排気が供給されると通路16壁面のNOX
収剤は排気中のNOX を吸収する。また、通路16に還
元剤が供給されて通路内の雰囲気空燃比がリッチになる
と通路16壁面のNOX 吸収剤は吸収したNOX を放出
し、放出されたNOX は還元剤により還元浄化される。
【0030】次に、図3を用いて本発明による図1の実
施例の排気浄化作用について説明する。図3は図1の排
気浄化装置1の通路16内の排気と還元剤との挙動を説
明するための、ロータ15の回転方向に沿った展開図を
示しており、図中の参照符号は図1と同じ要素を示して
いる。図3においてロータ15が矢印Aの方向に回転し
て、軸線方向通路16が排気供給ポート6に連通する
と、通路16内には排気供給ポート6側から排気が流入
する。後述のように、このとき通路16内は還元剤で満
たされている。流入した排気は、この通路内の還元剤
を、排気供給ポート6に対してロータ15軸線方向に略
対向する位置、若しくはロータ15回転方向にやや下流
側に開口する還元剤吐出ポート9から押し出しながら、
通路16内の還元剤を排気供給ポート6側から置換して
行く。このため、通路16内はロータ15の回転につれ
て排気供給ポート6側からリーンな排気で満たされ、通
路16壁面のNOX 吸収剤は排気中のNOX を吸収す
る。
【0031】さらに、ロータ15が回転すると、通路1
6と排気供給ポート6との連通が遮断され、次いで通路
16が排気ポート6のロータ15回転方向下流側に開口
する排気吐出ポート7に連通する。これにより通路16
内の、NOX 吸収を終わった排気の排気吐出ポート7か
らの排出が開始され、通路16内の圧力が低下する。こ
の状態でロータ15が更に回転して、通路16が還元剤
吐出ポート9のロータ15回転方向下流側に開口する還
元剤供給ポート8に連通すると、通路内に還元剤が流入
する。この還元剤は、通路16内の排気を排気吐出ポー
ト7に押し出しながら、通路16内の排気を還元剤供給
ポート8側から置換して行く。このため、通路16内に
は大幅にリッチな雰囲気が形成され、通路16壁面のN
X 吸収剤はこのリッチ雰囲気下で、吸収したNOX
放出し、放出されたNOX は還元剤により還元浄化され
る。すなわちNOX 吸収剤の再生が行われる。
【0032】図3において、は、それぞれロータ1
5の各回転位置における通路16内の排気と還元剤との
分布を示す。また、は還元剤によるNOX 吸収剤の再
生が行われる領域を示している。このように、通路16
壁面のNOX 吸収剤はロータ15の回転につれて排気と
還元剤とに比較的短い周期で交互に接触し、排気中のN
X の吸収と放出、還元浄化とが行われる。なお、図3
に示す排気と還元剤との通路16内の分布は、排気
圧力、還元剤供給圧力、ロータ15回転速度等により定
まる圧力バランスにより決定され、本実施例では排気
が、できるだけ通路16内の還元剤側まで進入し、通路
16壁面のNOX 吸収剤のできるだけ多くの部分が排気
と接触するように還元剤供給圧力、ロータ回転速度等が
設定されるている。
【0033】上述の説明から判るように、本発明によれ
ば、通路16への排気の導入と還元剤の導入とが短い周
期で繰り返されるため従来のように再生時にNOX 吸収
剤の温度が低下することがなく、吸収再開時のNOX
収剤の能力低下が防止される。また、ロータ15の壁面
にNOX 吸収剤を担持しているため、装置自体の小型化
が可能となり、更に、従来技術のように切換え弁による
排気流の切換えや、排気絞り等による排気流量の低減が
必要とされないため、NOX 吸収剤再生時に車両の運転
性が悪化することが防止される。
【0034】また、本実施例によれば、NOX 除去後の
排気とNOX 吸収剤再生に使用された還元剤とは、エン
ドカバー3側(排気側)から、NOX 吸収剤の再生に使
用されなかった再使用可能な還元剤はエンドカバー4側
(還元剤側)から、それぞれ別々に排出される。このよ
うに、本実施例によれば、再使用可能な還元剤と排気と
が混合することなく装置の異なる側から別々に排出され
るため、図2に示したように還元剤の循環再使用が可能
となり、還元剤の消費量を大幅に低減する事が可能とな
る。
【0035】また、上述のように、本発明による実施例
では従来に較べて比較的短い周期でNOX 吸収剤の吸収
再生サイクルが繰り返される。一般にNOX 吸収剤はN
X吸収量が大きい場合には再生に長時間を必要とし、
再生後のNOX 吸収能力も充分に回復しない傾向がある
が、上記のように短い周期で再生操作を行うようにする
ことにより、NOX 吸収量が少ない段階で早期にNOX
吸収剤の再生を行うことができるため、短時間で完全な
再生を行いNOX 吸収剤の吸収能力を完全に回復させる
ことが可能となる。
【0036】更に上記以外にも、短い周期でNOX 吸収
剤の再生を行うことはNOX 吸収剤の硫黄被毒の防止の
上で大きな効果がある。比較的硫黄成分の含有量が多い
軽油などの燃料を使用するエンジンでは排気中に硫黄酸
化物が多く含まれるが、この硫黄酸化物は、前述のNO
X の場合と全く同じメカニズムでNOX 吸収剤に吸収さ
れてBaOと結合してBaSO4 を生成する。このBa
SO4 は比較的安定した化合物であるため一旦生成され
ると分解されにくく、NOX 吸収剤中のBaSO4 が増
大するとNOX の吸収能力が低下してしまう問題が生じ
る。この硫黄被毒の発生を防止するためには、NOX
収剤に吸収された硫酸イオンがBaOと結合して安定な
BaSO4 を生成する前にNOX 吸収剤の再生操作を行
い、前述のNOX の場合と同様なメカニズムで硫黄酸化
物をNOX 吸収剤から放出させる必要がある。本実施例
では上述のように比較的短い周期でNOX 吸収剤の再生
を行うことができるため、NOX 吸収剤の硫黄被毒の発
生を有効に防止することができる。
【0037】次に、図4、図5を用いて請求項2に対応
する本発明の一実施例に付いて説明する。図4は本実施
例の排気浄化装置の全体を示す図1と同様な図であり、
図1と同様な要素は同一の参照符号で示している。ま
た、図5は、図4の装置の、ロータ15の回転方向に沿
って示した図3と同様な展開図である。
【0038】本実施例では、図5に示すように、エンド
カバー3の、排気吐出ポート7のロータ15回転方向下
流側部分には隔壁41が形成されており、排気吐出ポー
ト7の一部に第2の還元剤吐出ポート42が形成されて
いる(なお、煩雑さを避けるため、図4では第2の還元
剤吐出ポート42は図示を省略している)。また、本実
施例では、第2の還元剤吐出ポート42は排気吐出ポー
ト7とともに排気出口通路22に接続されており、第2
の還元剤吐出ポート42に吐出された使用済み還元剤は
排気吐出ポート7に吐出された排気とともに排気出口通
路22に排出される。
【0039】図3で説明したように、NOX 吸収剤の再
生に使用された使用済みの還元剤は、通路16からの排
気の排出が終了した後に排気吐出ポート7に排出され
る。一方、前述の排気と還元剤との圧力バランスが一定
であれば、通路16からの排気の排出は常に一定の回転
位置に到達したとき(すなわち、通路16が排気吐出ポ
ート7の回転方向下流側部分に到達したとき)に終了
し、その後は通路16からは使用済みの還元剤のみが排
出される。
【0040】本実施例では、上述の排気と還元剤との圧
力バランスが最適な状態(すなわち、通路16内への排
気進入長さが充分に大きい状態)において、通路16か
らの排気排出が終了する部分の近傍やや上流側に隔壁4
1を設けて第2の還元剤吐出ポート42を形成してい
る。これにより、上記最適な圧力バランスが達成されて
いる場合には、第2の還元剤吐出ポートには、使用済み
の還元剤に所定の割合の排気が混入した気体が流入する
ことになる。前述のように、NOX 吸収剤の再生に使用
された使用済み還元剤は、N2 、CO2 等に転化されて
おり、酸素を殆ど含んでいない。一方、使用済み還元剤
に混入する排気は比較的多量の酸素を含んでいる。従っ
て、第2の還元剤吐出ポート42に吐出される使用済み
還元剤中の酸素濃度を監視することにより使用済み還元
剤中に混入する排気の割合を知ることができ、排気と還
元剤との圧力バランスが最適か否かを知ることができ
る。
【0041】本実施例では、第2の吐出ポート42内に
使用済み還元剤の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ4
4を設け、この酸素濃度センサ44の出力に基づいてロ
ータ15の駆動速度を変えることにより、機関運転条件
の変化により、排気供給圧力が変化した場合でも最適な
排気と還元剤との圧力バランスを維持するようにしてい
る。また、本実施例では、還元剤吐出ポート9にも酸素
濃度センサ45を設けている。これは、圧力バランスの
変化により、還元剤吐出ポート9内に酸素を多量に含ん
だ排気が吹き抜けることを防止することを目的としてポ
ート9内の酸素濃度を監視するためである。なお、本実
施例使用される酸素濃度センサ44、45は、ポート内
の気体の酸素濃度に一対一に対応する連続出力信号を発
生するものが使用される。
【0042】次に、本実施例の排気浄化装置の圧力バラ
ンスの制御について説明する。本実施例では、第2の還
元剤吐出ポート42内の酸素濃度が所定値になるよう
に、可変速度モータ25の回転速度を調節し、ロータ1
5の回転速度を制御する。すなわち、酸素濃度センサ4
4により検出された第2の還元剤吐出ポート42内の酸
素濃度が所定値より低い場合には、圧力バランスが変化
して第2の還元剤吐出ポート42内に排出される排気の
割合が減少していること、すなわち、図5において、排
気の領域が全体的に排気側に移動しており、通路16
への排気進入長さが減少していることを意味している。
従って、この場合は、可変速モータ25を減速して、ロ
ータ15の回転速度を遅くする。これにより、排気が通
路16内に導入されてから排気の排出が開始されるまで
の時間が長くなるため、排気の領域が全体的に還元剤
側に移動して、通路16内への排気進入長さが増大す
る。
【0043】また、酸素濃度センサ44により検出され
た第2の還元剤吐出ポート42内の酸素濃度が所定値よ
り高くなったた場合には、圧力バランスが変化して第2
の還元剤吐出ポート42内に排出される排気の割合が増
大していること、すなわち、図5において、排気の領
域が全体的に還元剤側に移動していることを意味してい
る。従って、この場合は、排気が還元剤側に吹き抜ける
可能性があるため、可変速モータ25を増速して、ロー
タ15の回転速度を速くする。これにより、排気が通路
16内に導入されてから排気の排出が開始されるまでの
時間が短くなるため、排気の領域が全体的に排気側に
移動して、通路16内の排気進入長さが減少する。
【0044】さらに、還元剤吐出ポート9内に配置した
酸素濃度センサ45により、還元剤吐出ポート9内の酸
素が検出された場合は、現実に還元剤側に排気の吹き抜
けが生じていることを意味する。従ってこの場合には第
2の還元剤吐出ポート42内の酸素濃度にかかわらず、
可変速モータ25を増則して排気の還元剤側への吹き抜
けを解消する。
【0045】なお、第2の還元剤吐出ポート42内の上
記所定酸素濃度は、通路16への排気進入長さをできる
だけ大きくし、かつ還元剤側への排気の吹き抜けを防止
するのに充分な圧力バランスを実験的に求めることによ
り決定される。また、本実施例では、上述のようにロー
タ15の回転速度を変えることにより、排気と還元剤と
の圧力バランスを調節しているが、ロータ回転速度の代
わりに、またはロータ回転速度に加えて、還元剤供給圧
力を変えることより圧力バランスを調節することも可能
である。
【0046】上記説明したように、本実施例によれば、
機関運転条件の変化に伴って排気圧力等の排気条件が変
化したような場合でも、装置内の排気と還元剤との圧力
バランスは一定に保たれるため、運転条件にかかわらず
最適なNOX の吸収と浄化とを行うことが可能になる。
次に、図6、図7を用いて、請求項3に対応する本発明
の一実施例について説明する。本実施例では、公知の圧
力波過給機のロータの軸線方向通路壁面にNO X 吸収剤
を担持させることにより、内燃機関の過給と同時に排気
の浄化を行っている。
【0047】図6は本実施例の排気浄化装置の全体を示
す図1と同様な図であり、図1と同様な要素は同一の参
照符号で示している。また、図7は、図6の装置の、ロ
ータ15の回転方向に沿って示した図3と同様な展開図
である。図6に示すように、本実施例の排気浄化装置1
は、図1の装置において還元剤供給ポート8と還元剤吐
出ポート9とに相当する位置にそれぞれ空気供給ポート
58と空気吐出ポート59とを備えた、公知の圧力波過
給機と略同様な構造とされている。また、空気供給ポー
ト58には、空気入口通路63を介して大気圧の空気が
供給され、空気吐出ポート59は空気出口通路64を介
して内燃機関51の吸気通路65に接続され、機関51
に過給空気を供給するようになっている。
【0048】また、本実施例では、ロータ15は、図1
の可変速モータ25の代わりに、機関51のクランク軸
52からベルト等により回転駆動されている。更に、図
6、図7に示すように、本実施例では、エンドカバー3
の、排気吐出ポート7のロータ15回転方向下流側に近
接した位置には、還元剤供給ポート68が設けられてお
り、図示しない還元剤供給装置から所定圧力の還元剤を
ロータ15の軸線方向通路16内に供給するようになっ
ている。
【0049】次に、図7を用いて、本実施例の排気浄化
装置の作動を説明する。この種の圧力波過給機は、例え
ば特公昭53−44685号公報に記載されているよう
に、ロータ15を機関51により高速で回転させること
により、ロータ15に形成した軸線方向通路16を排気
供給ポート6に連通させて軸線方向通路16内に排気を
導入するとともに、導入した排気により生じる正圧の圧
力波により通路16内の空気を圧縮して空気吐出ポート
59に吐出する動作と、軸線方向通路16を空気供給ポ
ート58に連通させて上記の空気吐出後に生じる負圧の
圧力波により軸線方向通路16内に空気を吸入するとと
もに、導入した空気により軸線方向通路16内の排気を
排気吐出ポート7に排出する動作とを交互に繰り返し
て、空気吐出ポート59から機関51の吸気通路65に
過給空気を供給する。
【0050】すなわち、公知の圧力波過給機では、ロー
タ15の軸線方向通路16内には、排気(図7)と空
気(図7)とが交互に導入される。本実施例では、排
気吐出ポート7に対してロータ15回転方向下流側の位
置に還元剤供給ポート68が形成されており、排気吐出
ポート7に排気を吐出した後のロータ15の軸線方向通
路16内に所定圧力の還元剤を供給するようにされてい
る。
【0051】すなわち、本実施例では、図7に示すよう
に排気の吐出が終了して圧力が低下した軸線方向通路1
6内に還元剤供給ポート68から還元剤が供給され、次
いでロータ15の回転により、通路16内に排気供給ポ
ート6から排気が導入されると、還元剤は通路16内に
排気()と空気()との間に挟まれた還元剤層
()を形成することになる。この還元剤層は装置の
過給動作による排気と空気との通路16内の移動に伴っ
て排気と空気とに挟まれたまま通路16内を移動
し、通路16内を往復した後排気とともに排気吐出ポー
ト7から吐出される。
【0052】このため、通路16壁面のNOX 吸収剤
は、装置の過給動作に伴って交互に排気と還元剤と
に接触し、それぞれNOX 吸収剤によるNOX の吸収と
還元浄化とが繰り返される。このように、本実施例では
同一の装置で内燃機関の過給と排気の浄化とを同時に行
うことが可能となるため、NOX 吸収剤の再生に伴うN
X 吸収剤の温度低下や運転性の悪化を防止する効果の
他、別途排気浄化装置を設ける必要がなく装置を大幅に
簡略化することが可能となる効果がある。
【0053】次に図8に図6、図7の装置を用いた応用
例を示す。図8の例では、図6の排気浄化装置1の排気
出口通路22は下流部で2つの排気通路22aと22b
とに分岐しており、ロータ15回転方向上流側に設けら
れた排気通路22aには大容量のNOX 吸収剤70が接
続されている。また、排気入口通路21はバイパス制御
弁72を介して排気通路22bに接続するバイパス通路
73が設けられている。
【0054】図4、図5で説明したと同様に、図8の実
施例においても排気吐出ポート7のロータ15回転方向
下流側部分には再生に消費された使用済みの還元剤が吐
出されるため、排気通路22bには主として使用済みの
還元剤が流入し、排気通路22aには主として排気が流
入する。本実施例では、この主として排気が流入する排
気通路22aに大容量のNOX 吸収剤70を接続するこ
とにより、ロータ15の軸線方向通路16で完全に除去
することができなかった排気中のNOX を大容量のNO
X 吸収剤70で除去することが可能になり、全体として
のNOX 除去効率を大幅に向上させることが可能にな
る。
【0055】また、NOX 吸収剤70は、NOX 吸収量
が飽和量に達する前に再生を行いNOX 吸収能力を回復
させる必要があるが、本実施例では以下の方法でNOX
吸収剤70の再生を行い、過給機としての機能や車両の
運転性に与える影響を最小にしている。本実施例では、
NOX 吸収剤70のNOX 吸収量が増大して再生操作が
必要になった場合には、バイパス制御弁72を所定開度
開弁して排気入口通路21の排気の一部をバイパス通路
73から排気通路22bに流すようにする。また、これ
により、排気浄化装置1の排気供給ポート6に供給され
る排気圧力が低下した状態で、還元剤供給ポート68か
ら供給される還元剤の供給圧力を上昇させる。
【0056】排気供給ポート6の排気圧力が低下する
と、装置1内の排気と空気との圧力バランスが変化して
ロータ15の通路16内の排気の進入長さが減少するた
め、通路16からの排気吐出終了(すなわち通路内の還
元剤の吐出開始)位置が回転方向上流側に移動し、NO
X 吸収剤70が接続された排気通路22aには通路16
から吐出された還元剤が流入するようになる。
【0057】また、このとき、上述のように還元剤の供
給圧力は上昇しており、通路16内に供給される還元剤
量は増大するため、通路16内に供給された還元剤は、
その全量が通路16壁面のNOX 吸収剤の再生には消費
されず、排気通路22aには未使用の還元剤が多量に流
入することになる。排気通路22aに接続されたNO X
吸収剤70では、この還元剤により再生が行われ、NO
X の吸収能力が回復する。所定時間が経過してNOX
収剤70の再生が終了した後は、バイパス制御弁72が
閉弁され、還元剤供給圧力は通常の値まで減少される。
これにより、NOX 吸収剤70の接続された排気通路2
2aには、還元剤を含まない排気のみが流入するように
なるため、再生完了後のNOX 吸収剤70による排気中
のNOX吸収が再開される。
【0058】図8の実施例によれば、排気浄化装置1の
下流側に大容量のNOX 吸収剤70を設けたことによ
り、NOX の除去効率を更に向上させることが可能とな
る。なお、図8に示すように、NOX 吸収剤70の出口
側に酸素濃度センサ81を設け、NOX 吸収剤70再生
時にNOX 吸収剤70出口での排気空燃比が理論空燃比
近傍になるように還元剤供給圧力とバイパス制御弁72
の開度とを制御することにより、還元剤供給量を適正化
してNOX 吸収剤70下流側に余剰の還元剤が流出する
ことを防止することも可能である。
【0059】
【発明の効果】本発明の排気浄化装置によれば、上記に
説明したように、再生時のNOX 吸収剤の温度低下によ
るNOX 吸収能力の低下や、NOX 吸収剤の再生操作に
伴う車両運転性への悪影響を防止し、しかも装置の小型
化と還元剤の消費量の低減が可能となる効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気浄化装置の一実施例を示す図であ
る。
【図2】図1の実施例の還元剤供給装置の構成を示す線
図である。
【図3】図1の実施例の作動を説明するための図であ
る。
【図4】本発明の排気浄化装置の他の実施例を示す図1
と同様な図である。
【図5】図4の実施例の作動を説明するための図3と同
様な図である。
【図6】本発明の排気浄化装置の更に別の実施例を示す
図1と同様な図である。
【図7】図4の実施例の作動を説明するための図3と同
様な図である。
【図8】図6の実施例の応用例を示す図である。
【図9】本発明のNOX 吸収剤のNOX の吸放出作用を
説明する図である。
【符号の説明】
1…排気浄化装置本体 2…ケーシング 6…排気供給ポート 7…排気吐出ポート 8…還元剤供給ポート 9…還元剤吐出ポート 15…ロータ 16…軸方向溝 22…排気出口通路 25…モータ 30、…還元剤供給装置 31…サージタンク 33…回収タンク 34…還元剤供給タンク 35…加圧ポンプ 36、37…圧力制御弁 42…第2の還元剤吐出ポート 44、45…酸素濃度センサ 51…内燃機関 58…空気供給ポート 59…空気吐出ポート 70…NOX 吸収剤
フロントページの続き (72)発明者 小端 喜代志 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−106826(JP,A) 特公 昭45−6561(JP,B1) 国際公開93/7363(WO,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01N 3/08 F01N 3/18 F01N 3/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線方向に貫通する通路を有する円筒状
    回転体と、 前記回転体を所定の速度で回転駆動する駆動源と、 前記円筒状回転体の両端面にそれぞれ対向して近接配置
    された固定端板と、 前記軸線方向通路壁面に担持され、前記軸線方向通路に
    リーン空燃比の排気が供給されたときに排気中のNOX
    を吸収し、前記軸線方向通路に還元剤が供給され、雰囲
    気酸素濃度が低下したときに吸収したNOX を放出する
    とともに放出したNOX を還元浄化するNOX 吸収剤
    と、 前記固定端板の一方にそれぞれ開口し、前記回転体の回
    転により交互に前記軸線方向通路に連通する排気供給ポ
    ートと排気吐出ポートと、 前記固定端板の他の一方の、前記排気供給ポートと前記
    排気吐出ポートに略対向する位置にそれぞれ開口し、前
    記回転体の回転により交互に前記軸線方向通路に連通す
    る還元剤吐出ポートと還元剤供給ポートと、 前記排気供給ポートと内燃機関の排気通路とを接続する
    排気入口通路と、前記排気吐出ポートに接続された排気
    出口通路と、 前記還元剤供給ポートに還元剤を供給する還元剤供給装
    置と、前記還元剤吐出ポートに接続された還元剤出口通
    路とを備え、 前記駆動源により前記回転体を所定の速度で回転駆動す
    ることにより、前記軸線方向通路を前記排気供給ポート
    に連通させて前記軸線方向通路内に排気を導入するとと
    もに、該導入した排気により前記軸線方向通路内の還元
    剤を前記還元剤吐出ポートに排出する動作と、前記軸線
    方向通路を還元剤供給ポートに連通させて前記軸線方向
    通路内に還元剤を導入するとともに、該導入した還元剤
    により前記軸線方向通路内の排気を前記排気吐出ポート
    に排出する動作とを交互に繰り返して、前記軸線方向通
    路壁面に担持されたNOX 吸収剤に排気と還元剤とを交
    互に接触させ、前記NOX 吸収剤への排気中のNOX
    吸収と、吸収されたNOXの還元剤による放出、還元浄
    化とを行う内燃機関の排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 前記排気吐出ポートを分割して、前記軸
    線方向通路から排気とともに排出される還元剤が主とし
    て流入する第2の還元剤吐出ポートを形成し、該第2の
    還元剤吐出ポートに排出される還元剤の酸素濃度を検出
    する酸素濃度センサを設け、検出された酸素濃度に応じ
    て前記回転体の駆動速度を変化させて前記酸素濃度を所
    定値に維持するようにした請求項1に記載の排気浄化装
    置。
  3. 【請求項3】 軸線方向に貫通する通路を有する円筒状
    回転体と、 前記回転体を所定の速度で回転駆動する駆動源と、 前記円筒状回転体の両端面にそれぞれ対向して近接配置
    された固定端板と、 前記固定端板の一方にそれぞれ開口し、前記回転体の回
    転により交互に前記軸線方向通路に連通する排気供給ポ
    ートと排気吐出ポートと、 前記固定端板の他の一方の、前記排気供給ポートと前記
    排気吐出ポートに略対向する位置にそれぞれ開口し、前
    記回転体の回転により交互に前記軸線方向通路に連通す
    る空気吐出ポートと空気供給ポートと、 前記排気供給ポートと内燃機関の排気通路とを接続する
    排気入口通路と、前記排気吐出ポートに接続された排気
    出口通路と、 前記空気供給ポートに大気圧の空気を供給する空気入口
    通路と、前記空気吐出ポートと内燃機関の吸気通路とを
    接続する空気出口通路とを備え、 前記回転駆動源により前記回転体を所定の回転速度で回
    転駆動することにより、前記軸線方向通路を前記排気供
    給ポートに連通させて前記軸線方向通路内に排気を導入
    するとともに、該導入した排気により生じる正圧の圧力
    波により前記軸線方向通路内の空気を圧縮して前記空気
    吐出ポートに吐出する動作と、前記軸線方向通路を空気
    供給ポートに連通させて前記空気吐出後に生じる負圧の
    圧力波により前記軸線方向通路内に空気を吸入するとと
    もに、該導入した空気により前記軸線方向通路内の排気
    を前記排気吐出ポートに排出する動作とを交互に繰り返
    して、前記内燃機関の過給を行う圧力波過給機におい
    て、 前記一方の固定端板の、前記排気吐出ポートに対して前
    記回転体回転方向下流側に近接した位置に開口する還元
    剤供給ポートと、該還元剤供給ポートに所定の圧力で還
    元剤を供給する還元剤供給装置と前記軸線方向通路壁面
    に担持された、前記軸線方向通路にリーン空燃比の排気
    が供給されたときに排気中のNOX を吸収し、前記軸線
    方向通路に還元剤が供給され、雰囲気酸素濃度が低下し
    たときに吸収したNOX を放出するとともに放出したN
    X を還元浄化するNOX 吸収剤とを設け、 前記排気排出動作終了後の前記軸線方向通路内に前記還
    元剤供給ポートから還元剤を導入し、前記軸線方向通路
    内に導入される排気と空気との間に還元剤層を生成する
    ことにより、前記過給動作における前記軸線方向通路内
    の排気と空気との移動に伴って前記軸線方向通路壁面に
    担持されたNOX 吸収剤に排気と還元剤とを交互に接触
    させ、前記NOX 吸収剤への排気中のNOX の吸収と、
    吸収されたNOX の還元剤による放出、還元浄化とを行
    う内燃機関の排気浄化装置。
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