JP3238960B2 - 防湿加工紙の製造方法、その方法によって製造された防湿加工紙およびその方法で使用する塗工剤 - Google Patents

防湿加工紙の製造方法、その方法によって製造された防湿加工紙およびその方法で使用する塗工剤

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JP3238960B2 JP32685392A JP32685392A JP3238960B2 JP 3238960 B2 JP3238960 B2 JP 3238960B2 JP 32685392 A JP32685392 A JP 32685392A JP 32685392 A JP32685392 A JP 32685392A JP 3238960 B2 JP3238960 B2 JP 3238960B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防湿加工紙の製造方
法、その方法によって製造された防湿加工紙およびその
方法で使用する塗工剤に関する。より詳しくは、特定の
水性バインダーと水性ワックスエマルジョンを含有する
塗工剤を塗工し、プレス加工することにより、より少な
い塗工量で、高い防湿性と、古紙再生の際に優れた離解
性を有する防湿加工紙を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】包装材料として使用される紙は、多孔質
で基本的には防湿性を有していないことから、従来より
防湿性を付与するために、ポリオレフィン、ポリ塩化ビ
ニルあるいはポリ塩化ビニリデンなどのポリマーを塗
工、積層または含浸させる防湿加工処理方法が利用され
てきた。これらの防湿加工処理を施した包装紙は、優れ
た防湿性を有するものである。
【0003】しかし、前記包装紙のばあい、パルプ資源
を節約するために行なわれている古紙の再生において、
再生処理の際にポリマーが容易に溶解されず(すなわち
離解性がえられず)、再生紙の地合悪化、ピッチトラブ
ルなどの原因になっていた。
【0004】そこで、古紙再生においてトラブルが生じ
ないように、ワックスエマルジョンを主成分とした塗工
剤を紙面に塗工するか、あるいは紙中に含浸させる方法
が行われている。しかし、これらの方法でえられる防湿
加工紙は滑り易く、また紙自体が乾燥すると吸湿し、防
湿性が低下するという問題があった。
【0005】これらの問題を解決するため、ワックスエ
マルジョンとゴム系ラテックスとを混合して使用する方
法(たとえば特公昭55-22597号公報参照)、ワックスエ
マルジョンと水分散性樹脂とを混合して使用する方法
(たとえば特公昭62-28826号公報、特開平3-279492号公
報参照)などが利用されている。
【0006】しかし、これらの方法でえられる防湿加工
紙は、紙自体の乾燥度合による防湿性の変化は少ないも
のの、防湿性のレベルは充分とはいえず、また、古紙再
生の際に離解性が低いなどの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、紙自体の乾燥度合に依存せず、常に安定した高い防
湿性を有し、さらに古紙再生に際しては優れた離解性を
有する防湿加工紙を製造する方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、水性
樹脂エマルジョンを固形分として50〜80重量部、酸価50
〜250 の樹脂の水性ワニスを固形分として50〜20重量部
(ただし双方を合わせて100 重量部とする)含有してな
る水性バインダー、および水性ワックスエマルジョンの
2成分を必須成分として含有する塗工剤を、紙表面に2
〜25g/m2 (乾燥重量基準)の塗工量で塗工した後、
表面温度90〜180 ℃に加熱された熱ロールを使用して、
60〜150 kg/cmの線圧下でプレス加工することを特徴と
する防湿加工紙の製造方法、およびその製造方法で製造
された防湿加工紙に関する。
【0009】さらに本発明は、紙の表面に塗工して防湿
加工紙をうるための塗工剤であって、水性樹脂エマルジ
ョンを固形分として50〜80重量部、酸価50〜250 の樹脂
の水性ワニスを固形分とて50〜20重量部(ただし双方を
合わせて100 重量部とする)含有してなる水性バインダ
ー、および融点が50〜120 ℃のワックスの水性エマルジ
ョンの2成分を必須成分として含有し、かつその含有比
率が、固形分として30:70〜95:5であることを特徴と
する塗工剤に関する。
【0010】
【作用および実施例】本発明に用いる防湿加工用塗工剤
はワックスエマルジョンと樹脂バインダーとからなり、
かつ樹脂バインダー中に特定割合で水性樹脂を含有せし
めたものであり、かかる特定の塗工剤を塗工後特定の条
件下でプレス加工することにより、少ない塗工量でも、
紙自体の乾燥度合に依存せず高い防湿性を有し、さらに
古紙再生に際して優れた離解性を有する防湿加工紙がえ
られる。
【0011】以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】まず、本発明で使用する紙としては、包装
用途として、アート紙、コート紙、軽量コート紙などの
塗工紙、未塗工紙、クラフト紙など、また段ボール用途
として、ジュートライナー、クラフトライナー、コート
ライナーなどをあげることができる。これらの紙は、ウ
ェブ(紙匹)状、シート状のどちらでも使用できるが、
作業性の面からはウェブ状のものがより好適に使用でき
る。
【0013】つぎに、本発明で使用する塗工剤は、水性
樹脂エマルジョンを固形分として50〜80重量部、酸価50
〜250 の樹脂の水性ワニスを固形分として50〜20重量部
(ただし双方を合わせて100 重量部とする)含有してな
る水性バインダー、および水性ワックスエマルジョンの
2成分を必須成分として含有するものである。
【0014】まず、水性樹脂エマルジョンは、アニオ
ン、カチオンまたはノニオン系界面活性剤を乳化剤とし
て、ラジカル重合性モノマーを乳化重合してえられるほ
か、塩基の存在下で水性化可能な酸価50〜250 の水性樹
脂を高分子乳化剤として、ラジカル重合性モノマーを乳
化重合してうることができる。その中でも、水性ワック
スエマルジョンとの相溶性の面から、高分子乳化剤を使
用してえられる水性樹脂エマルジョンの使用がより好適
である。
【0015】ここで、ラジカル重合性モノマーとして
は、ラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノカルボ
ン酸のアルキルエステル類、ヒドロキシアルキルエステ
ル類またはアルキルアミド類、ラジカル重合性不飽和二
重結合を有するジカルボン酸のジアルキルエステル類、
ビニル基含有芳香族モノマー類などを使用することがで
きる。これらモノマーは単独で使用してもよく、2種以
上を併用してもよい。
【0016】まず、ラジカル重合性不飽和二重結合を有
するモノカルボン酸のアルキルエステル類、ヒドロキシ
アルキルエステル類、アルキルアミド類としては、たと
えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸など炭素原子数3
〜4個のモノカルボン酸成分と、つぎに例示する炭素原
子数1〜18個のモノアルコール成分、炭素原子数2〜9
個のジオール成分とのエステル化合物、または炭素原子
数1〜18個のアミン成分とのアミド化合物があげられ
る。
【0017】モノアルコール成分 メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、
ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノー
ル、オクタデカノールなど ジオール成分 エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレン
グリコール、ヘキサンジオール、ノナンジオールなど アミン成分 エチルアミン、ジエチルアミン、ブチルアミン、ヘキシ
ルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、オクタデシ
ルアミンなど つぎにラジカル重合性不飽和二重結合を有するジカルボ
ン酸のジアルキルエステル類としては、たとえばマレイ
ン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸など炭素原
子数4〜5個のジカルボン酸成分と、前記モノアルコー
ル成分とのジエステル化合物があげられる。
【0018】また、ビニル基含有芳香族モノマー類とし
ては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルビニルト
ルエンなど炭素原子数8〜10個のものがあげられる。
【0019】なお、水性ワックスエマルジョンとの相溶
性の面から、モノまたはジカルボン酸と、炭素原子数が
8個以上のモノアルコールとのエステル化合物および
(または)ビニル基含有芳香族モノマー類を全モノマー
に対して40重量%以上使用することが好ましい。
【0020】本発明の水性樹脂エマルジョンの製造方法
としては、従来公知の方法を用いることができる。たと
えば、カチオン性、アニオン性またはノニオン性の界面
活性剤を単独または併用して乳化剤として使用する他
に、後述の酸価50〜250 の樹脂を高分子乳化剤として、
塩基で水性化した後、撹拌下に、ラジカル重合性モノマ
ーと、必要に応じて開始剤を添加しながら、加熱して反
応させる方法などが使用できる。
【0021】つぎに、酸価50〜250 の樹脂の水性ワニス
は、ラジカル重合性不飽和二重結合を有するカルボン酸
またはその無水物と、その他の共重合可能なラジカル重
合性不飽和結合を有するモノマーを共重合させてえられ
る共重合体を塩基で水性化してうることができる。ここ
で、共重合体樹脂の酸価が50より低くなると、えられる
塗工剤の離解性が低下し、一方酸価が250 より高くなる
と、水性ワックスエマルジョンとの相溶性が低下して好
ましくない。
【0022】前記ラジカル重合性不飽和二重結合を有す
るカルボン酸またはその無水物としては、(メタ)アク
リル酸、クロトン酸など炭素原子数3〜4個のモノカル
ボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコ
ン酸など炭素原子数4〜5個のジカルボン酸;前記ジカ
ルボン酸のモノアルキルエステル類、モノヒドロキシア
ルキルエステル類またはモノアミド類;および前記ジカ
ルボン酸の無水物をあげることができる。これらは単独
で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0023】なお、前記ジカルボン酸モノエステル類ま
たはモノアミド類としては、該ジカルボン酸成分と、つ
ぎに例示する炭素原子数1〜18個のモノアルコール成分
または炭素原子数2〜9個のジオール成分とのモノエス
テル化合物、または炭素原子数1〜18個のアミン成分と
のモノアミド化合物があげられる。
【0024】モノアルコール成分 メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、
ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノー
ル、オクタデカノールなど ジオール成分 エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレン
グリコール、ヘキサンジオール、ノナンジオールなど アミン成分 エチルアミン、ジエチルアミン、ブチルアミン、ヘキシ
ルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、オクタデシ
ルアミンなど これらのモノマーは、当該樹脂の酸価が50〜250 の範囲
となる量で使用される。
【0025】その他の共重合可能なラジカル重合性モノ
マーとしては、前記の水性樹脂エマルジョンのモノマー
としてあげた、ラジカル重合性不飽和結合を有するモノ
カルボン酸のアルキルエステル類、ヒドロキシアルキル
エステル類、アルキルアミド類など、ラジカル重合性不
飽和結合を有するジカルボン酸のジアルキルエステル
類、ビニル基含有芳香族モノマー類などが適宜使用でき
る。
【0026】なお、水性ワックスエマルジョンとの相溶
性の面から、モノまたはジカルボン酸と炭素原子数が8
個以上のモノアルコールとのエステル化合物および(ま
たは)ビニル基含有芳香族モノマー類を、全モノマーに
対して40重量%以上使用することが好ましい。
【0027】以上のモノマーを共重合してえられる酸価
50〜250 の樹脂の製造方法に関しては、まず、窒素など
の不活性ガス雰囲気下、沸点が60〜200 ℃の、モノまた
はポリアルキレングリコール、あるいはそのエーテルま
たはエステル系溶媒、酢酸エステル系溶媒などの水混和
性溶剤、芳香族炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒などの水
非混和性溶剤中に、水性樹脂の各モノマーの混合物を加
え、さらにジターシャリーブチルパーオキサイド、ベン
ゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリルな
どの反応開始剤を添加して、60〜170 ℃で1〜10時間、
好ましくは4〜8時間共重合させたのち、有機溶媒を除
去して、固形共重合体として製造することができる。
【0028】当該樹脂の分子量(数平均分子量)は5×
103 〜10×104 、好ましくは10×103 〜30×103 の範囲
が適当である。
【0029】さらに、水性化にあたっては、塩基を添加
した水中に当該固形共重合体を添加し、加熱溶解または
自己乳化させて水性ワニスとして使用することができ
る。
【0030】ここで、水性化のために使用する塩基とし
ては、アンモニア水、アルカリ金属の水酸化物などの無
機塩基、有機アミンなどの有機塩基が使用でき、具体的
には、アルカリ金属の水酸化物としては水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムなどが、有機アミンとしてはモノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、モルホリンなどが使用できる。
【0031】本発明の、前記水性樹脂エマルジョンと、
前記酸価50〜250 の樹脂からなる水性ワニスを含有して
なる水性バインダーにおいて、それらの含有比率は、固
形分として前者50〜80重量部、後者50〜20重量部(ただ
し双方を合わせて100 重量部とする)の範囲である。な
お、水性樹脂エマルジョンの高分子乳化剤として、酸価
50〜250 の樹脂を使用している場合は、高分子乳化剤の
固形分は水性ワニスの固形分として計算する。ここで、
水性ワニスの含有量がこの範囲より少なくなると、えら
れる塗工剤の離解性が低下し、一方この範囲より多くな
ると、水性バインダーと水性ワックスエマルジョンとの
相溶性が低下して好ましくない。
【0032】つぎに、本発明で使用する水性ワックスエ
マルジョンとしては、融点が50〜120 ℃の範囲にあるパ
ラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カ
ルナバワックスなどの水性エマルジョンが使用できる。
【0033】本発明の塗工剤において、水性バインダー
と水性ワックスエマルジョンとの含有比率は、固形分と
して30:70〜95:5、好ましくは40:60〜60:40の範囲
である。水性ワックスエマルジョンの含有量がこの範囲
より少なくなると、防湿性が低下し、一方この範囲より
多くなると、防湿性が低下する他に離解性も低下して好
ましくない。
【0034】本発明の塗工剤には、本発明の目的である
防湿性、離解性を低下させない範囲で、水混和性溶剤、
消泡剤、架橋剤などを適宜添加することができる。
【0035】これらの材料を使用して、塗工剤を製造す
る方法としては、高速ミキサーなどの従来より公知の撹
拌機を使用して、各材料の所定量を撹拌混合して製造す
ることができる。
【0036】つぎに、本発明にかかわる塗工剤の塗工方
法としては、紙表面に通常のロールコーター、ドクター
ブレードコーター、ナイフエッジコーター、カーテンコ
ーター、グラビアコーター、バーコーターなどのいずれ
も使用して塗工することができる。また、グラビアまた
はフレキソ方式の印刷機によって部分的に塗工すること
も可能である。さらに、紙面に印刷インキや薬剤、ある
いは本発明の塗工剤以外の各種紙塗工剤を塗工したのち
に、本発明の塗工剤を塗工することもできる。また紙の
片面もしくは両面に塗工することができる。塗工は1回
塗りでもよく、複数回重ね塗りしてもよい。
【0037】本発明の塗工剤の有効な塗工量は、通常2
〜25g/m2 、より好ましくは5〜20g/m2 (乾燥重
量基準)の範囲である。本発明の塗工剤はこのように少
ない塗工量ですぐれた防湿性を付与することができる。
【0038】紙表面に塗工剤が塗工されたのちの乾燥方
法としては、熱風加熱、あるいは赤外線ヒーターなどの
各種ヒーター類を使用して行なうことができる。
【0039】つぎに、紙面に塗工剤が塗工されたのち、
プレス加工する方法としては、90〜180 ℃に加熱された
熱ロールにて、60〜150 kg/cmの線圧下でプレス加工す
ることができる。熱ロールとしては鏡面加工した金属ロ
ールが好ましく使用される。本発明においては、前記特
定の塗工剤を用い、このような条件下でプレス加工する
ことにより高い防湿性が確保される。
【0040】このようにしてえられた防湿加工紙は、塗
工剤のより少ない塗工量でも、高い防湿性と、古紙再生
の際に優れた離解性を有すものである。
【0041】以下、実施例によって本発明をより具体的
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。なお、特にことわらない限り、「部」および「%」
はそれぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
【0042】水性ワニス製造例1 撹拌機、温度計、冷却管、窒素ガス導入管を備えた四つ
口フラスコに、酢酸エチル60部を仕込み、75〜78℃に加
熱した後、窒素ガスを導入しながら、モノマー成分とし
てアクリル酸4部、メタクリル酸メチル10部、スチレン
10部、アクリル酸2−エチルヘキシル16部、および反応
開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイド0.4
部の混合物を2時間かけて滴下した。さらに同温度に保
ちながら2時間重合させた後、溶剤を減圧下に蒸発させ
て共重合体樹脂(酸価78)をえた。
【0043】この共重合体樹脂40部を破砕した後、当量
のアンモニアを溶解させた水60部中に撹拌混合し、80℃
で加熱溶解させて、固形分40%、粘度25ポアズ(20℃)
の水性ワニスNo.1をえた。
【0044】水性ワニス製造例2 モノマー成分をアクリル酸8部、メタクリル酸メチル16
部、スチレン16部として、水性ワニス製造例1と同じ装
置および操作で、固形分40%、粘度38ポアズ(20℃)の
水性ワニスNo.2をえた。(固形共重合体の酸価156
) 水性ワニス製造例3 モノマー成分をアクリル酸12部、メタクリル酸メチル14
部、スチレン14部として、水性ワニス製造例1と同じ装
置および操作で、固形分40%、粘度38ポアズ(20℃)の
水性ワニスNo.3をえた。(固形共重合体の酸価234
) 水性樹脂エマルジョン製造例 乳化機、温度計、冷却管、窒素ガス導入管を備えた四つ
口フラスコに、水57部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソ
ーダ1部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
2部を仕込み、窒素ガスを導入しながら、80〜85℃に保
ち、スチレン25部、2−エチルヘキシルアクリレート15
部およびジターシャリーブチルパーオキサイド0.3 部の
混合物を2時間かけて滴下したのち、さらに2時間反応
させて乳化重合を行い、固形分40%、粘度11ポアズ(20
℃)の水性樹脂エマルジョンNo.1をえた。
【0045】水性バインダー製造例 水性樹脂エマルジョン製造例と同じ装置に、水性ワニス
No.3を30部、水42部を仕込み、窒素ガスを導入しな
がら、80〜85℃に保ち、スチレン18部、2−エチルヘキ
シルアクリレート10部およびジターシャリーブチルパー
オキサイド0.3部の混合物を2時間かけて滴下したの
ち、さらに2時間反応させて乳化重合を行い、固形分40
%、粘度10ポアズ(20℃)の水性バインダーNo.1を
えた。
【0046】塗工剤製造例 (1) 表1の配合にしたがって、水性バインダーと水性ワ
ックスエマルジョンを撹拌混合し、塗工剤No.1〜14
を製造した。なお、水性ワックスエマルジョンとしては
ハリコートOP−501Z(播磨化成工業(株)製、固
形分35%)を使用した。
【0047】(2) また比較のためにつぎの塗工剤を製造
した。乳化機、温度計、冷却管、窒素ガス導入管を備え
た四つ口フラスコに、脱イオン水88部、パラフィンワッ
クスの35%乳化液57部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソ
ーダ1.5 部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル3.5 部および過硫酸アンモニウム0.5 部を仕込んだ。
【0048】窒素ガスを導入し、よく撹拌しながら、75
〜80℃に昇温し、2−エチルヘキシルアクリレート39
部、メチルメタクリレート60部およびアクリル酸1部よ
りなる混合物を3時間かけて滴下したのち、さらに30分
間反応させて乳化重合を行い、ついで28%アンモニア水
で中和させて塗工剤No.15を製造した。
【0049】塗工剤No.1〜15を25℃で7日間保存
し、貯蔵安定性の有無を確認したところ、塗工剤No.
12は水性バインダーとワックスエマルジョンが分離し、
貯蔵安定性を有していなかった。そこで、塗工剤No.
12は防湿性、離解性の試験から除外した。
【0050】実施例1〜11および比較例1〜8 坪量75g/m2 のクラフト紙に塗工剤No.1〜11、13
〜15をハンドプルーファーを使用して5g/m2 (乾燥
重量基準)の塗工量で塗工したのち、プレス加工して、
実施例1〜10、比較例1〜4の防湿加工紙を製造した。
【0051】また、同一条件で塗工剤No.8、9、15
を塗工したのち、プレス加工をしないで、比較例5〜7
の防湿加工紙を製造した。
【0052】さらに塗工剤No.8の塗工量を2g/m
2 (乾燥重量基準)として、プレス加工した防湿加工紙
を実施例11、プレス加工していない防湿加工紙を比較例
8とした。
【0053】なお、プレス加工は、表面温度110 ℃の鏡
面加工した金属ロールを使用し、100 kg/cmの線圧下、
5m/min のライン速度で行った。
【0054】以上の実施例1〜11および比較例1〜8の
防湿加工紙を使用して、透湿性および離解性の評価試験
を行い、その結果を表2、3に示した。
【0055】評価試験方法および評価基準 透湿性 JIS規格カップ法(JIS Z 0208)に基づいて透湿度
(g/m2 ・24hr)を測定した。
【0056】離解性 家庭用ミキサー((株)東芝製、MX−240G)を使
用して、パルプ濃度1%に調整した、実施例1〜11およ
び比較例1〜8の各防湿加工紙と水との混合物1リット
ルを2分間撹拌した。
【0057】A:完全に紙が繊維状に離解する B:80%以上の紙が繊維状に離解する C:50%以上80%未満の紙が繊維状に離解する D:50%未満の紙が繊維状に離解する
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【発明の効果】以上、実施例をあげて具体的に説明した
ように、本発明の防湿加工紙の製造方法によるときは、
塗工剤のより少ない塗工量で、高い防湿性と、古紙再生
の際に優れた離解性を有する防湿加工紙を製造すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−148997(JP,A) 特開 平4−334447(JP,A) 特開 昭55−30419(JP,A) 特開 平3−279492(JP,A) 特開 平5−302299(JP,A) 特開 平6−57691(JP,A) 特開 昭63−5943(JP,A) 特公 昭49−49303(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性樹脂エマルジョンを固形分として50
    〜80重量部、酸価50〜250 の樹脂の水性ワニスを固形分
    として50〜20重量部(ただし双方を合わせて100 重量部
    とする)含有してなる水性バインダー、および水性ワッ
    クスエマルジョンの2成分を必須成分として含有する塗
    工剤を、紙表面に2〜25g/m2 (乾燥重量基準)の塗
    工量で塗工した後、表面温度90〜180 ℃に加熱された熱
    ロールを使用して、60〜150 kg/cmの線圧下でプレス加
    工することを特徴とする防湿加工紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記塗工剤の水性バインダーと水性ワッ
    クスエマルジョンの含有比率が、固形分として、30:70
    〜95:5の範囲であることを特徴とする請求項1記載の
    防湿加工紙の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記プレス加工で使用する熱ロールが、
    鏡面加工された金属ロールであることを特徴とする請求
    項1または2記載の防湿加工紙の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載の製造方法に
    よって製造された防湿加工紙。
  5. 【請求項5】 紙の表面に塗工して防湿加工紙をうるた
    めの塗工剤であって、水性樹脂エマルジョンを固形分と
    して50〜80重量部、酸価50〜250 の樹脂の水性ワニスを
    固形分とて50〜20重量部(ただし双方を合わせて100 重
    量部とする)含有してなる水性バインダー、および融点
    が50〜120 ℃のワックスの水性エマルジョンの2成分を
    必須成分として含有し、かつその含有比率が、固形分と
    して30:70〜95:5であることを特徴とする塗工剤。
  6. 【請求項6】 水性バインダーと水性ワックスエマルジ
    ョンの含有比率が、固形分として40:60〜60:40である
    ことを特徴とする請求項5記載の塗工剤。
  7. 【請求項7】 分子内にカルボキシル基またはその無水
    物基を有する、酸価50〜250 の水性樹脂を高分子乳化剤
    としてえられる水性樹脂エマルジョンを、水性バインダ
    ーとして含有することを特徴とする請求項5または6記
    載の塗工剤。
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