JP3434889B2 - 塗工紙の製造方法、紙加工用塗工剤組成物および塗工紙 - Google Patents
塗工紙の製造方法、紙加工用塗工剤組成物および塗工紙Info
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Description
加工用塗工剤組成物および塗工紙に関し、より詳しく
は、撥水度、後印刷適性、糊貼り性および離解性に優れ
た塗工紙の製造方法、その方法に用いられる紙加工用塗
工剤組成物、およびその方法で製造された塗工紙に関す
るものである。
あるいは包装紙などは、輸送中における内容物の品質保
全、安全輸送、さらには包装紙材の強度劣化の防止のた
め、内容物によって種々の機能付加のための処理が行わ
れている。とりわけ青果物、水産物などの包装に用いる
段ボールなどにおいては、鮮度の保全および水分などに
よる包装紙材の強度劣化を防止するために、撥水加工さ
れた塗工紙が広く使用されている。
あるいはクラフト紙などの表面に、撥水性の塗工剤を塗
布あるいは含浸させる加工であり、通常、紙にR6〜R
10の撥水度(JIS P−8137規格による)を付
与する加工をいう。
成分としては、従来から石油系ワックスやシリコーン系
ワックスが利用されている。しかし、これらの塗工剤を
そのまま使用してR6〜R10の撥水度を維持するため
には、多量の塗工あるいは含浸が必要となり、結果とし
て得られた撥水加工紙の印刷や糊貼りなどの後加工適性
が得られないという問題があった。
付与する試みとして、特公昭42−19222号公報、
特公昭43−27531号公報では、通常の乳化剤を使
用した水性樹脂エマルジョンと水性ワックスエマルジョ
ンの混合物からなる塗工剤が、また特開昭52−118
016号公報ではこの系にさらに体質顔料を混合した塗
工剤が提案されている。
ジョンと水性ワックスエマルジョンとの相溶性の不良に
起因して保存安定性が低い点、また塗工適性の不良に起
因して塗工量の制御が困難(前記ワックス系塗工剤も同
様)となり、目的とする撥水度と後加工適性を有する塗
工紙を安定的に製造することが困難であるなどの問題を
有していた。
る古紙の再生において、得られた塗工紙を再生処理する
際に、上記塗工剤が容易に溶解されず(すなわち離解性
が得られず)、再生紙の地合悪化、ピッチトラブルなど
の原因となっていた。
は、通常の水性樹脂エマルジョン、撥水剤に加えて水溶
性樹脂を混合した塗工剤が提案されている。しかし、こ
の種の塗工剤では、水溶性樹脂量が多くなるほど撥水性
が低下するため、高い撥水度を有したままで、良好な塗
工適性、離解性を有する撥水加工紙を得ることが困難で
あった。
樹脂の水性ワニス、水性樹脂エマルジョンおよび水性ワ
ックスエマルジョンを特定の比率で含有する塗工剤を塗
工し、さらに熱プレス加工する、防湿塗工紙の製造方法
を特願平4−326853号で提案している。しかしな
がら、なにぶんにも防湿塗工紙の製造が目的であるた
め、水性ワニスと水性樹脂エマルジョンを併用できる代
わりに熱プレス加工工程を必須の構成としているが、撥
水加工紙となれば、省エネルギー、工程の簡略化された
塗工紙の製造方法が望まれるものである。
は、常に安定して高い撥水度と優れた後加工適性を有
し、さらに良好な離解性を有する塗工紙の製造方法、お
よびそれに使用する紙加工用塗工剤を提供することであ
る。
有し、良好な離解性を有する塗工紙を提供することであ
る。
子内にカルボキシル基を有する酸価50〜350の高分
子乳化剤(a1)20〜50重量部の存在下で、重合体
のガラス転移温度が90℃以下となる範囲で選択され、
かつアクリル酸系単量体、スチレン系単量体の中から選
択された1種または2種以上のラジカル重合性単量体
(a2)50〜80重量部(ただし、a1とa2を合わせて
100重量部とする)を乳化重合して得られる水性樹脂
エマルジョン(a)、および融点が50〜120℃のワ
ックスの水性エマルジョン(b)の2成分を、a/bの
固形分重量比率が30/70〜98/2となる範囲で含
有する紙加工用塗工剤を、紙表面に2〜25g/m
2(乾燥重量)の盛り量で塗工した後、塗工面をワック
スの融点以上の温度で加熱することを特徴とする塗工紙
の製造方法に関する。
温度がワックスの融点以上に加熱された熱板または熱ロ
ールに接触させて加熱する塗工紙の製造方法、および、
a1の酸価が250より高く350以下である紙加工用
塗工剤、またはa/bの固形分重量比率が95/5より
大きく98/2以下となる範囲で含有する紙加工用塗工
剤を用い、さらに塗工面を表面温度がワックスの融点以
上に加熱された熱ロールを使用して、60〜150kg
/cmの線圧下でプレス加工する塗工紙の製造方法に関
する。
紙加工用塗工剤組成物であって、 a.分子内にカルボキシル基を有する酸価50〜350
の高分子乳化剤(a1)20〜50重量部の存在下で、
重合体のガラス転移温度が90℃以下となる範囲で選択
され、かつアクリル酸系単量体、スチレン系単量体の中
から選択 された1種または2種以上のラジカル重合性単
量体(a2)50〜80重量部(ただし、a1とa2を
合わせて100重量部とする)を乳化重合して得られる
水性樹脂エマルジョン、 b.融点が50〜120℃のワックスの水性エマルジョ
ンの2成分を必須成分として含有し、かつ、a/bの固
形分重量比率が30/70〜98/2の範囲であること
を特徴とする紙加工用塗工剤組成物に関する。
紙加工用塗工剤組成物に関する。前記高分子乳化剤
(a1)が、ラジカル重合性不飽和二重結合を有するカ
ルボン酸および/または酸無水物と、その他の共重合可
能なラジカル重合性単量体の共重合体である紙加工用塗
工剤組成物。 さらに、金属架橋剤を紙加工用塗工剤組
成物中に存在する全カルボキシル基に対して0.2当量
以上含有する前記紙加工用塗工剤組成物。
製造された塗工紙に関する。
は、高分子乳化剤の存在下でラジカル重合性単量体を乳
化重合して得られる水性樹脂エマルジョンと水分散性ワ
ックスエマルジョンを主成分とするものである。
としては、ラジカル重合性不飽和二重結合を有するカル
ボン酸および/または酸無水物と、その他の共重合可能
なラジカル重合性単量体との共重合体が好適に使用でき
る。
有するカルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、クロ
トン酸などの炭素原子数が3〜4個程度のモノカルボン
酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸
などの炭素原子数が4〜5個程度のジカルボン酸と、そ
のモノアルキルエステル、モノヒドロキシアルキルエス
テル、モノアミドをあげることができる。また、ラジカ
ル重合性不飽和二重結合を有する酸無水物としては、無
水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸など
をあげることができる。
類、モノヒドロキシアルキルエステル類、およびモノア
ミド類としては、当該ジカルボン酸成分と、次に記載す
る炭素原子数が1〜18個程度のモノアルコール成分ま
たは炭素原子数が2〜8個程度のジオール成分とのモノ
エステル化合物、および炭素原子数が1〜18個程度の
アミン成分とのモノアミド化合物があげられる。
ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノー
ル、オクタデカノールなど ジオール成分 エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレン
グリコールなど アミン成分 エチルアミン、ジエチルアミン、ブチルアミン、へキシ
ルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、オクタデシ
ルアミンなど これらのラジカル重合性不飽和二重結合を有するカルボ
ン酸および/または酸無水物の中でも、得られる高分子
乳化剤の乳化能の点から、モノカルボン酸、なかんづく
アクリル酸またはメタクリル酸の使用が好適である。
して得られる高分子乳化剤の酸価を50〜350とする
範囲である。高分子乳化剤の酸価が50より低くなる
と、得られる撥水加工紙の離解性が低下し、一方酸価が
350より高くなると、水性ワックスエマルジョンとの
相溶性が低下し、また得られる塗工紙の撥水度が低下し
て好ましくない。
て、350に近くなるほど撥水度は低くなるが、良好な
離解性の有する塗工紙を製造することができる。さら
に、この系で撥水度を高くする方法として、熱プレス法
があげられるが、これについては後で記載する。
性単量体としては、例えば次に記載するアクリル系単量
体、スチレン系単量体およびマレイン酸系単量体が利用
できる。
の炭素原子数が1〜18のアルキルエステル、炭素原子
数が1〜18のアルキルアミド、炭素原子数が2〜4の
ヒドロキシアルキルエステルなどで、具体的には、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)ア
クリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレー
ト、メチル(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)ア
クリルアミド、ブチル(メタ)アクリルアミド、ヘキシ
ル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートなどをあげることができる。 ・スチレン系単量体:炭素原子数が8〜10個程度のス
チレンおよびその誘導体で、具体的には、α−メチルス
チレン、クロルスチレン、ビニルトルエンなどをあげる
ことができる。
原子数が1〜18のジアルキルエステル、炭素原子数が
1〜18のジアルキルアミド、炭素原子数が2〜4のジ
(ヒドロキシアルキル)エステルなどで、具体的には、
ジメチルマレート、ジエチルマレート、ジブチルマレー
ト、ジオクチルマレート、ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)マレート、マレイン酸ジメチルアミド、マレイン酸
ジエチルアミド、マレイン酸ジブチルアミド、マレイン
酸ジオクチルアミドなどをあげることができる。
するカルボン酸および/または酸無水物と、その他の共
重合可能なラジカル重合性単量体から高分子乳化剤を製
造する方法としては、有機溶剤中で重合開始剤の存在
下、前記単量体成分を所定の温度および反応時間で反応
させた後、有機溶剤を留去する方法が利用できる。
酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系、アセト
ン、メチルエチルケトンなどのケトン系、低級アルコー
ル系、グリコールおよびその誘導体などをあげることが
でき、一方使用可能な重合開始剤としては、過硫酸カリ
ウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過
硫酸塩類、ベンゾイルハイドロパーオキサイドなどの有
機過酸化物類、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ
化合物類、また必要に応じて還元剤と組み合わせたレド
ックス系開始剤をあげることができる。
が、段ボールの糊貼り工程のように、処理温度が120
℃以上となる加熱工程を含む分野に利用される場合は、
撥水加工紙の耐熱性付与の点から、高分子乳化剤のガラ
ス転移温度を60℃以上にすることが好ましい。
に供されるラジカル重合性単量体としては、前記アクリ
ル系単量体、スチレン系単量体、マレイン酸系単量体の
他、次に例示する飽和カルボン酸のビニルエステルをあ
げることができる。
原子数2〜18の飽和カルボン酸のビニルエステルで、
具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリ
ル酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどをあげることがで
きる。
水性樹脂エマルジョンの分散性からアクリル系単量体、
スチレン系単量体が好ましい。
重合体のガラス転移温度が90℃以下となる範囲で単独
または混合して用いられるものである。得られる重合体
のガラス転移温度が90℃より高くなると、撥水加工紙
の撥水度が低下して好ましくない。
ラジカル重合性単量体を使用して、水性樹脂エマルジョ
ンを製造する方法としては、高分子乳化剤をアルカリ化
合物の水溶液中に溶解させた後、乳化重合に供される単
量体と重合開始剤との混合物を添加し、所定の温度およ
び反応時間で反応させる方法が利用できる。
させるために使用するアルカリ化合物としては、アンモ
ニア、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノール
アミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、モルホ
リン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなど
のアミン類を使用することができ、また重合開始剤とし
ては前記の高分子乳化剤を製造するために使用する重合
開始剤を使用することができる。
供されるラジカル重合性単量体との重量割合は、高分子
乳化剤/ラジカル重合性単量体=20/80〜50/5
0、好ましくは30/70〜45/55の範囲である。
高分子乳化剤の割合が前記の範囲より低くなると、得ら
れる水性樹脂エマルジョンの安定性および撥水加工紙の
離解性が低下し、一方前記の範囲をこえると撥水性が低
下する。
ルジョンは、融点が50〜120℃の範囲にあるワック
スを、乳化剤の存在下で水中に分散させたものである。
フィンワックス、マイクロクロスタリンワックス、カル
ナバワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワック
ス、ポリプロピレンワックスなどをあげることができ
る。
乳化剤については、特に制限はなく、ノニオン系界面活
性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤お
よび前記した本発明の高分子乳化剤のいずれも使用でき
る。なお、高い撥水度を維持するためには、水性ワック
スエマルジョン中の乳化剤の含有量が少ない方がよく、
たとえばワックスの量に対して10重量%以下が好まし
い。
性ワックスエマルジョンの含有比率は、固形分重量比率
として30/70ないし98/2である。ここで本発明
においては、水性樹脂エマルジョンの固形分とは全固形
分を意味し、水性ワックスエマルジョンの固形分とはワ
ックスを意味する。水性ワックスエマルジョンの含有量
がこの範囲より少なくなると、得られる撥水加工紙の撥
水性が低下し、一方この範囲より多くなると後加工適
性、離解性が低下して好ましくない。
含有比率が95/5より小さく98/2に近くなると、
撥水度は低くなるが、良好な離解性の有する塗工紙を製
造することができる。さらに、この系で撥水度を高くす
る方法として、熱プレス法があげられるが、これについ
ては後で記載する。
を必要とする用途に用いられる場合は、本発明の撥水加
工用塗工剤中に、カルボキシル基と反応可能な水溶性金
属錯塩などを架橋剤として添加することにより良好な結
果を得ることができる。
は、Zn、Zr、Sn、Tiなどの多価金属を、炭酸、
リン酸などの無機酸、もしくはタンニン、没食子酸、フ
ミン酸、サリチル酸、安息香酸、パラオキシ安息香酸な
どの有機酸と反応させて金属錯塩とし、さらにアンモニ
ア、エチレンジアミン、メチルアミン、エチルアミン、
ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノール
アミンなどのアミン類で中和して水溶化したものをあげ
ることができる。
酸亜鉛アンモン、没食子酸亜鉛アンモン、フミン酸亜鉛
アンモン、安息香酸亜鉛アンモン、あるいはスズ、ジル
コニウム、チタンの同様の金属錯塩などが例示できる。
先ず多価金属の水酸化物、酸化物などにアンモニア、ア
ミンなどの水溶液を加えてスラリーを調製し、これに前
記の酸もしくはそのアンモニウム塩、アミン塩を添加
し、金属化合物を水溶化させることによって得ることが
できる。
は、撥水加工用塗工剤組成物中に存在する全カルボキシ
ル基に対して、0.2当量以上、好ましくは0.5当量
以上である。
の1当量がカルボキシル基の1当量と反応するが、反応
率が100%ではないため、全カルボキシル基を架橋す
るには1.5当量程度含有させることが好ましい。1.
5当量を超える金属架橋剤の添加は、特に問題はないと
しても、その効果は1.5当量の添加時とほとんど変わ
らなくなる。
撥水度、離解性を低下させない範囲で、各種水溶性樹
脂、水混和性溶剤、消泡剤などを適宜添加することがで
きる。
る方法としては、高速ミキサーなどの従来より公知の撹
拌機を使用して、各材料の所定量を撹拌混合して製造す
ることができる。
ては、紙表面に通常のロールコーター、ドクターブレー
ドコーター、ナイフエッジコーター、カーテンコータ
ー、グラビアコーター、バーコーターなどのいずれによ
っても塗工することができる。
された後に、本塗工剤を塗工することもでき、紙の片面
もしくは両面に塗工することもできる。なお、本塗工剤
の有効な塗工量としては、1回または複数回の塗工で、
通常2〜25g/m2 、より好ましくは5〜20g/m
2 (乾燥重量)の範囲である。
としては、熱風ヒーター、赤外線ヒーターなどの各種ヒ
ーター類を使用することができる。
熱することにより、より高い撥水効果を得ることができ
る。塗工面の加熱方法としては、熱風ヒーターや赤外線
ヒーターを利用してもよいが、与えられる熱量が小さい
ため、熱板や熱ロール表面に接触させて、すなわち実質
的に圧力をかけずに加熱する方法がより効果的である。
なお、本撥水加工紙が段ボールに利用される場合は、糊
貼り工程で熱板や熱ロールに接触させられるため、本工
程を省くことができる。
の高分子乳化剤の酸価が250より高く350以下であ
るとき、および/または水性樹脂エマルジョン/水性ワ
ックスエマルジョンの固形分重量比率が95/5より大
きく98/2以上の範囲であるときは、表面温度がワッ
クスの融点以上で、かつ好ましくは90〜180℃に加
熱された熱ロールにて、60〜150kg/cmの線圧
下でプレス加工する方法により、より高い撥水度を有す
る塗工紙を製造することができる。
少ない紙加工用塗工剤の塗工量で、高い撥水度、優れた
後加工適性および良好な離解性を有するものである。
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。なお、特にことわりの無い限り、「部」および
「%」は「重量部」および「重量%」を表す。
口フラスコに、酢酸エチル350部を仕込み、75〜7
8℃に加熱した後、窒素ガスを導入しながら、表1に示
したモノマー成分、および反応開始剤として、ジターシ
ャリーブチルパーオキサイド2.0部を混合して、4時
間かけて滴下した。さらに同温度に保ちながら2時間重
合させた後、溶剤を減圧下蒸発させて共重合体No.1
〜6を得た。
口フラスコに、表2に示す高分子乳化剤成分を仕込み、
窒素ガスを導入しながら、90℃に加熱して共重合体N
o.1〜6を溶解した後、乳化重合成分、およびジター
シャリーブチルオキサイド1.2部の混合物を4時間か
けて滴下した後、さらに2時間反応させて乳化重合を行
い、固形分40%の水性樹脂エマルジョンNo.1〜1
4を得た。
口フラスコに、水570部、ドデシルベンゼンスルホン
酸ソーダ10部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル20部を仕込み、窒素ガスを導入しながら90℃
に加熱した後、メタクリル酸メチル172部、アクリル
酸2−エチルヘキシル28部、スチレン200部、およ
びジターシャリーブチルオキサイド1.2部の混合物を
4時間かけて滴下した後、さらに2時間反応させて乳化
重合を行い、固形分40%の水性樹脂エマルジョンN
o.15を得た。
o.2の400部を、水455部、25%アンモニア水
145部の混合溶液に加熱溶解させて、水性ワニスN
o.1を得た。
部、炭酸アンモニウム25部、酸化亜鉛粉末25部、お
よび水25部から架橋剤を調製した。
水性ワックスエマルジョンを撹拌混合し、実施例1〜1
8および比較例1〜6の塗工剤を製造した。また、水性
樹脂エマルジョンNo.15を60部(固形分換算)、
水性ワニスNo.1を40部(固形分換算)、水性ワッ
クスエマルジョン67部(固形分換算)を撹拌混合し、
比較例7の塗工剤を製造した。なお、水性ワックスエマ
ルジョンとしては、コロパールW−100(星光化学
(株)製、固形分45%、ワックス:パラフィン系ワッ
クス、融点61℃)を使用した。
〜17および比較例1〜7の塗工剤をハンドプルーファ
ーを利用して、5g/m2 (乾燥重量基準)の塗工量で
塗工し、熱風炉中で110℃×2分間乾燥した。
塗工面を110℃に加熱した熱板または熱ロールに約2
秒間接触させ、実施例21、24では110℃の熱ロー
ルで100kg/cmの線圧下、5m/minのライン
速度でプレス加工した。
0の評価を行った。R6〜R10が実用範囲である。
用して、パルプ濃度1%に調整した撥水加工紙と水の混
合物1リットルを2分間撹拌した。評価値がA〜Cであ
れば実用範囲である。 A:完全に紙が繊維状に離解する。 B:80%以上の紙が繊維状に離解する。 C:50%以上80%未満の紙が繊維状に離解する。 D:50%未満の紙が繊維状に離解する。
刷インキ(サカタインクス(株)製、NewFK HS
B−X藍インキ)を印刷したときの、印刷物の状態から
印刷適性を評価した。評価値がA、Bであれば実用範囲
である。 A:印刷面に色ムラがみられない。 B:印刷面にわずかに波状の色ムラが認められる。 C:印刷面にインキの転移していない部分が認められ
る。
SKTグルー SK−072)を0.15mmのメーヤ
バーで塗工した後、塗工面同士を合わせて、10g/c
m2 の荷重をかけ10分間放置した。荷重を解いてか
ら、さらに24時間室温で放置した後、剥離したとき
の、塗工紙の接着の状態から糊貼り性を評価した。評価
値がA、Bであれば実用範囲である。 A:糊の塗工面全体で紙むけがみられる。 B:糊の塗工面の一部分で紙むけがみられる。 C:塗工紙から糊がきれいに剥離する。
kg/cm2 の荷重をかけて5秒間接触させたときのア
ルミ箔に塗工剤が付着する状態から耐熱性を評価した。
評価値がA〜Cであれば実用範囲である。 A:アルミ箔に塗工剤が全く付着しない。 B:アルミ箔表面が塗工剤でくもる。 C:アルミ箔表面に塗工剤が部分的に移行する。 D:アルミ箔表面に塗工剤が全面的に移行する。
ように、本発明の撥水加工用塗工剤は高い撥水度と優れ
た後加工適性を有し、さらに高い離解性を有する撥水加
工紙を与え、長期保存が可能な撥水加工剤である。
ールに接触させる方法、または熱ロールプレスする方法
により、より高い撥水度を有する撥水加工紙を得ること
ができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 分子内にカルボキシル基を有する酸価5
0〜350の高分子乳化剤(a1)20〜50重量部の
存在下で、重合体のガラス転移温度が90℃以下となる
範囲で選択され、かつアクリル酸系単量体、スチレン系
単量体の中から選択された1種または2種以上のラジカ
ル重合性単量体(a2)50〜80重量部(ただし、a
1とa2を合わせて100重量部とする)を乳化重合し
て得られる水性樹脂エマルジョン(a)、および融点が
50〜120℃のワックスの水性エマルジョン(b)の
2成分を、a/bの固形分重量比率が30/70〜98
/2となる範囲で含有する紙加工用塗工剤を、紙表面に
2〜25g/m2(乾燥重量)の盛り量で塗工した後、
塗工面をワックスの融点以上の温度で加熱することを特
徴とする塗工紙の製造方法。 - 【請求項2】 塗工面を、表面温度がワックスの融点以
上に加熱された熱板または熱ロールに接触させて加熱す
る請求項1記載の塗工紙の製造方法。 - 【請求項3】 a1の酸価が250より高く350以下
である紙加工用塗工剤を用い、さらに塗工面を、表面温
度がワックスの融点以上に加熱された熱ロールを使用し
て、60〜150kg/cmの線圧下でプレス加工する
請求項1記載の塗工紙の製造方法。 - 【請求項4】 a/bの固形分重量比率が95/5より
大きく98/2以下となる範囲で含有する紙加工用塗工
剤を用い、さらに塗工面を、表面温度がワックスの融点
以上に加熱された熱ロールを使用して、60〜150k
g/cmの線圧下でプレス加工する請求項1記載の塗工
紙の製造方法。 - 【請求項5】 塗工紙の製造に用いられる紙加工用塗工
剤組成物であって、 a.分子内にカルボキシル基を有する酸価50〜350
の高分子乳化剤(a1)20〜50重量部の存在下で、
重合体のガラス転移温度が90℃以下となる範囲で選択
され、かつアクリル酸系単量体、スチレン系単量体の中
から選択 された1種または2種以上のラジカル重合性単
量体(a2)50〜80重量部(ただし、a1とa2を
合わせて100重量部とする)を乳化重合して得られる
水性樹脂エマルジョン、 b.融点が50〜120℃のワックスの水性エマルジョ
ンの2成分を必須成分として含有し、かつ、a/bの固
形分重量比率が30/70〜98/2の範囲であること
を特徴とする紙加工用塗工剤組成物。 - 【請求項6】 さらに金属架橋剤を、組成物中に存在す
る全カルボキシル基に対して0.2当量以上含有する請
求項5記載の紙加工用塗工剤組成物。 - 【請求項7】 前記高分子乳化剤(a1)が、ラジカル
重合性二重結合を有するカルボン酸および/または酸無
水物と、その他の共重合可能なラジカル重合性単量体と
の共重合体であることを特徴とする請求項5または6記
載の紙加工用塗工剤組成物。 - 【請求項8】 請求項1、2、3または4記載の方法で
製造された塗工紙。
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JP13301794A JP3434889B2 (ja) | 1994-06-15 | 1994-06-15 | 塗工紙の製造方法、紙加工用塗工剤組成物および塗工紙 |
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