JP3237585B2 - 電線端末部の防水処理構造 - Google Patents

電線端末部の防水処理構造

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    • H01R13/65912—Specific features or arrangements of connection of shield to conductive members for shielded multiconductor cable

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、電線の端末部にお
ける防水処理構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】電気部品には近年の多用途化に伴い防水
機能が要求されるようになってきている。そして、電気
部品とそれに接続される電線の端末部との間の防水処理
として、従来ものは、電線の外部シースの外周面と、電
気部品のハウジングに設けた電線挿通孔の内周面との間
に、防水リングを配した構造となっていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところが、電線の外部
シースの内側の導体がずれることがあり、すると外部シ
ースの外形が変形して防水リングと密着できず防水機能
が低下する。また、図６に示すように、３本の絶縁線心
１を外部シース２で被覆した３心電線３の場合、外部シ
ース２の外形が略三角形となり、丸形の防水リングとの
間に隙間ができてしまうから、防水処理が極めて困難で
あった。この３心電線の外形を丸形にすべく、外部シー
ス２の内側に例えばポリプロピレン製の線材を充填した
ものがあるが、十分が効果が得られなかった。本発明
は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、電
線の端末部とそれを収容するハウジングとの間の防水の
信頼性が高い電線端末部の防水処理構造を提供するとこ
ろにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、請求項１の発明は、電線の端末部のうち
外部シースの外周面と、その端末部を取り囲むハウジン
グの内周面との間に防水リングを配置すると共に、前記
端末部のうち前記外部シースの内周面に、前記外部シー
スを前記ハウジングの内周面に対応した形状に矯正する
内筒体を挿入するとともに、この内筒体にはその両端に
開放するようにして長さ方向に沿ってスリットが切り込
まれることで、前記内筒体が前記外部シース内に挿入さ
れたときには前記外部シースを前記防水リングの内周面
に密着可能としていることを特徴とするものである。
【０００５】
【０００６】
【発明の作用及び効果】請求項１の構成によれば、電線
の外部シースの形状がその内側に挿入された内筒体によ
ってハウジングの内周面に対応した形状に安定するか
ら、防水リングが外部シースの外周面に安定して密着で
き、防水機能が向上する。
【０００７】
【０００８】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図１ないし図３を参照して説明する。本実施形態
の電線１０は、外部シース１１の内側に編組線からなる
シールド層１２を備え、更にその内側に３つの絶縁線心
１３を備えてなるシールド電線である。尚、各絶縁線心
１３は、導体１３Ａを絶縁体１３Ｂで被覆して構成され
ている。そして、本実施形態の防水処理構造は、電線１
０のシールド層１２をボディ２０にアースさせるための
端末処理に適用されている。ボディ２０のうち厚い板状
をなす部位には、円形の挿通孔２１が貫通形成され、そ
こにホルダ３０が装着されている。ホルダ３０は、図２
に示すように、先細りの円筒状をなし、その軸方向の中
間部には取付板３１が張り出し形成されている。そし
て、図１に示すように、取付板３１より前側の小径部３
２をボディ２０の外側（図１における左側）から挿通孔
２１内に挿入し、取付板３１をボディ２０に突き当てそ
の取付板３１の端部に貫通させたボルト３３（図１参
照）をボディ２０に形成した雌ネジ孔２２に締め付けて
固定されている。さらに、小径部３２の基端部には、そ
の外周面にゴムリング３４が嵌着され、その小径部３２
の外周面と挿通孔２１の内周面とに密着して、挿通孔２
１の外側の開口端が防水処理される。
【０００９】ホルダ３０の軸心には貫通孔３５が形成さ
れ、そこに電線１０の端末部が挿通される。電線１０の
端末部は、外部シース１１が剥がされてシールド層１２
が露出され、さらに先端でシールド層１２も剥がされて
３本の絶縁線心１３が露出されている。そして、電線１
０はホルダ３０の後側（図１の左側）から貫通孔３５内
に通され、絶縁線心１３のみがホルダ３０の前端面から
延出される。また、電線１０は、ホルダ３０のうち後側
の大径部３６で防水処理され、前側の前記小径部３２で
アース処理される。ホルダ３０の小径部３２には、その
内側に電線１０をアース処理するためのアース部材４０
が収容されている。このアース部材４０は、導電性の金
属板材からなり、図２に示すように、小径部３２に対応
した先細りの円筒状の筒部４１を備え、その筒部４１の
後端部には電線１０を圧着するためのバレル部４２が延
設されている。そして、図１に示すように、電線１０が
バレル部４２側から筒部４１内へと挿通され、絶縁線心
１３のみが筒部４１の先端から延ばされると共に、電線
１０のシールド層１２がバレル部４２に圧着固定され
る。筒部４１の周面には、一対の弾性片４３が１８０度
の間隔を空けて切り起こし形成され、径方向への弾性変
形可能となっている。そして、この弾性片４３が、ホル
ダ３０の小径部３２に形成した一対のスリット３７，３
７を介してホルダ３０の側方に突出しボディ２０に接触
している。これにより、シールド層１２がボディ２０に
アースされる。また、アース部材４０の筒部４１の先端
には、係止片４４（図２参照）が切り起こし形成され、
ホルダ３０の小径部３２に形成した係止溝３８に係止し
ており、これにより、アース部材４０が小径部３２内に
抜け止め状態に保持される。
【００１０】ホルダ３０の大径部３６には、図１に示す
ように、ホルダ３０と電線１０との間を防水処理するた
めの防水リング３９が収容されており、大径部３６の端
部に嵌着させたキャップ４５によって抜け止めされてい
る。そして、大径部３６には、電線１０のうち外部シー
ス１１の端部が位置し、この外部シース１１の外周面に
前記防水リング３９が密着している。
【００１１】さて、この電線１０のうち外部シース１１
の端部には、図１及び図４に示すように、その外部シー
ス１１とシールド層１２との間に矯正リング４６が挿入
されている。この矯正リング４６は、金属製で図３に示
すように円筒形状をなし、その周面には前後に開放され
たスリット４７が形成され、そのスリット４７を狭める
ようにして矯正リング４６が径方向に可撓変形可能とな
っている。
【００１２】次に、上記構成からなる本実施形態の作用
・効果を説明する。電線１０をホルダ３０に取り付ける
には、まず、最初に矯正リング４６を電線１０の端部か
ら装着する。このとき、矯正リング４６のスリット４７
を狭めるようにして矯正リング４６を縮径変形させるこ
とができるから、外部シース１１を広げなくても、その
外部シース１１の内側に挿入することができる。そし
て、矯正リング４６が外部シース１１の内側で拡径方向
に復元し、その復元力で外部シース１１が拡径方向にテ
ンションを受けて真円状に矯正される。
【００１３】この状態、電線の先端からキャップ４５、
防水リング３９、アース部材４０を順に装着し、アース
部材４０のバレル部４２をシールド層１２に圧着する。
そして、これをホルダ３０内に押し込み、キャップ４５
をホルダ３０の後端に嵌着させる。すると、防水リング
３９がホルダ３０の大径部３６内に収容されると共に、
その防水リング３９の内側に、電線１０のうち外部シー
ス１１の端部が位置する。ここで、外部シース１１の端
部は、図４に示すように、矯正リング４６によって所定
の大きさの真円状に矯正されているから、防水リング３
９と外部シース１１とは安定して密着状態に保たれる。
また、防水リング３９の内周側が安定して密着するか
ら、防水リング３９の外周側とホルダ３０の内周面との
接触も安定する。これにより、電線１０とホルダ３０と
の間からボディ２０内への浸水を確実に防止できる。
【００１４】最後に、ホルダ３０をボディ２０の挿通孔
２１に装着する。すると、挿通孔２１の内周面にアース
部材４０の弾性片４３が接触してシールド層１２がボデ
ィ２０にアースされると共に、ホルダ３０に嵌着したゴ
ムリング３４によって挿通孔２１の外側開口部が水密状
態となる。これにより、挿通孔２１からの浸水も防がれ
る。
【００１５】このように、本実施形態の防水処理構造に
よれば、絶縁線心１３を複数本備えて外部シース１１の
形状が不安定となりやすい電線１０でも、矯正リング４
６によって所定に形状に保持することができるから、防
水リング３９が電線１０の外周面に安定して密着でき、
防水機能が向上する。また、本実施形態の矯正リング４
６では、スリット４７を備えて縮径変形が可能だから、
矯正リング４６を外部シース１１の内側に押し込む作業
が容易である。
【００１６】＜他の実施形態＞ 本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に
限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も
本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要
旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することがで
きる。 （１）前記実施形態では、矯正リング４６は金属製であ
ったが、樹脂製であってもよい。 （２）さらに、前記実施形態の矯正リング４６は、ハウ
ジング（大径部３６）の内周面形状に対応させて円筒状
をなしていたが、例えば、ハウジングの内周面形状を楕
円形とし、それに対応させて矯正リングを楕円形の筒状
としてもよい。 （３）前記実施形態の矯正リング４６を、例えば、図５
に示すようにアース部材４０とを一体にした構成として
もよい。このようにすれば、部品点数が削減されると共
に、作業者がアース部材４０の筒部４１側を保持して矯
正リング４６を外部シース１１に内側に押し込めるか
ら、作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明を適用した電線取付部の断面図
【図２】そのホルダとアース部材の斜視図
【図３】矯正リングを示す斜視図
【図４】図１におけるIV-IV断面図
【図５】変形例を示す斜視図
【図６】多心電線の断面図
【符号の説明】
１０…電線 １１…外部シース ３０…ホルダ（ハウジング） ３９…防水リング ４６…矯正リング（内筒体） ４７…スリット

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 電線の端末部のうち外部シースの外周面
    と、その端末部を取り囲むハウジングの内周面との間に
    防水リングを配置すると共に、前記端末部のうち前記外
    部シースの内周面に、前記外部シースを前記ハウジング
    の内周面に対応した形状に矯正する内筒体を挿入すると
    ともに、この内筒体にはその両端に開放するようにして
    長さ方向に沿ってスリットが切り込まれることで、前記
    内筒体が前記外部シース内に挿入されたときには前記外
    部シースを前記防水リングの内周面に密着可能としてい
    ることを特徴とする電線端末部の防水処理構造。
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