JP3237291B2 - 光記録媒体用スタンパの製造方法、凹凸パターンの形成方法および原盤露光装置 - Google Patents

光記録媒体用スタンパの製造方法、凹凸パターンの形成方法および原盤露光装置

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JP3237291B2 JP08653993A JP8653993A JP3237291B2 JP 3237291 B2 JP3237291 B2 JP 3237291B2 JP 08653993 A JP08653993 A JP 08653993A JP 8653993 A JP8653993 A JP 8653993A JP 3237291 B2 JP3237291 B2 JP 3237291B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光を用いて情報の記録、
再生または消去を行う光記録媒体に用いる光記録媒体用
スタンパの製造方法およびその原盤露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、微小な光スポットにより情報を記
録したり再生したりする光記録媒体において、情報信号
の記録部(ピット)や光スポットの位置決めのための案
内溝(グルーブ)等が凹凸パターンの情報として予め記
録されている一般的な光記録媒体の作製は、その情報に
対応する凹凸面を有するスタンパを用いてポリカーボネ
イト樹脂やアクリル樹脂等に凹凸面を転写することによ
って行われている。
【0003】光記録媒体用スタンパの製造方法の最も一
般的な従来例は、図2に示したような製造方法である。
つまり、図2(a)に示したような表面を鏡面状に研磨
されたガラス製の原盤8上に、図2(b)に示したよう
なレジスト層9を形成した後、図2(c)に示したよう
にレーザー光を用いてレジストを露光して露光部分(潜
像)10を形成し、次にアルカリ現像液により湿式現像
することによって露光部10を溶解除去して、図2
(d)に示したように凹凸パターン11を顕在化させ
る。その後、図2(e)に示したように、レジスト層9
の表面に真空成膜等の手段によって金属を成膜して導体
膜12を形成することにより導体化し、図2(f)に示
したようにその導体膜12を電極にしてニッケル等を電
鋳して電鋳層13を形成し、これをガラス原盤から剥離
してスタンパ14を作製していた。
【0004】光記録媒体用スタンパの製造工程に用いら
れるポジ型レジストの組成は一般に、ナフトキノンジア
ジド系の感光剤とノボラック樹脂系のベースレジン(基
材)および溶剤等から構成されている。この系のレジス
トでは、アルカリ不溶性であるナフトキノンジアジドが
アルカリ可溶性であるノボラック樹脂のアルカリ溶解性
を抑制している。ナフトキノンジアジドは光照射によっ
て分解して自らアルカリ可溶性のインデンカルボン酸に
なるばかりでなく、ノボラック樹脂のアルカリ溶解性を
促進する。従って、このような系のレジストを膜状に塗
布し、所定の情報に応じて露光を行うと、露光部と未露
光部でのアルカリ水溶液に対する溶解性に差が生じるた
め、アルカリ水溶液で適当な条件で現像すれば、露光部
を選択的に溶解除去して凹凸パターンを形成することが
可能となる。
【0005】また、前述したような光記録媒体用スタン
パの製造工程に用いられる原盤露光装置は一般に、図3
に示したような構成になっている。15は原盤、16は
原盤固定用治具、17はターンテーブル、18はスピン
ドルモータ、19は露光用レーザー光源、20は固定光
学系、21は光学ヘッド駆動装置、22は移動光学系、
23は光学ヘッド、24は対物レンズ、25は防振台で
ある。この装置により、前述した方法により上面にレジ
スト層を形成した原盤23を図3に示したようにレジス
ト層が上側になるようセットし、原盤15を回転させな
がら光記録媒体の所定の情報に応じてレーザー光を照射
することにより露光を行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年においては、光記
録媒体は品種の増加および記録容量増大のためのパター
ンの高密度化等により、種々の凹凸パターン形状を有す
るスタンパが要求されるようになってきた。
【0007】しかし、前述の従来技術では、現像液の温
度や濃度等の現像諸条件のわずかなバラツキや、現像液
のレジスト層表面へのヌレ性の違いによって、形成され
る凹凸パターンの形状は大幅に変動する。また、現像の
開始時の現像液のレジスト層表面の拡散や、現像停止時
の水洗液のレジスト層表面の拡散に原盤内で時間差があ
るため、同一レジスト面内で現像の進行状態にバラツキ
が生じる。精度の高い凹凸パターンの作製の際には、以
上の理由により所望の凹凸パターンを正確に得ることが
できないという課題を有する。
【0008】また、現像工程において現像装置内で飛散
した現像液や水洗液がレジスト層表面に付着すること
で、レジスト層表面にシミや欠陥が発生し、それがその
まま完成品であるスタンパにまで転写されてしまい、ス
タンパの記録情報の誤り率の増加や外観の不良を引き起
こしてしまうという課題を有する。
【0009】また、前述の従来技術では、露光工程と現
像工程が独立しているため、個々の工程に専用の装置が
必要となり、設備コストが高い、設置スペースが大面積
になる、作業効率が悪い等という課題を有する。
【0010】そこで本発明はこのような課題を解決する
もので、その目的とするところは、現像液を用いた現像
工程を必要とせずに高い精度で凹凸パターンを形成する
ことを可能とし、また、記録情報の再生時の原因となる
欠陥や外観の不良の少ない高性能高品質の光記録媒体用
スタンパの製造方法を提供するところにある。
【0011】さらには、低設備コスト、省スペース、高
作業効率で行うために、凹凸パターンを形成するのに要
する露光および現像工程を同時に行うことができる光記
録媒体用スタンパの製造方法およびその製造装置を提供
するところにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明の光記録媒体用スタンパの製造方法
は、原盤上にポジ型のレジスト層を形成する工程と、こ
のレジスト層を光記録媒体の所定の情報に応じて露光す
る工程と、このレジスト層の前述の露光部を除去して前
述の光記録媒体の所定の情報に応じた凹凸パターンを形
成する現像工程を有する光記録媒体用スタンパの製造方
法において、前述の現像工程は乾式現像により行うこと
を特徴とする。
【0013】このような乾式現像により凹凸パターンの
形成が可能となる手段としては、物質中に含まれる感光
基の作用により前述の物質を構成する主材料(基材)が
解重合、分解する等して低分子量化することにより、未
露光部と比較して露光部がより低温度において気化する
ような系の物質を前述のレジスト層の形成に際し利用す
ることが考えられる。
【0014】このような特性を有する物質としては、例
えば、酸の存在下で容易に解重合してモノマーとなるポ
リマーを基材とし、これに光酸発生剤を加えた系が利用
できる。基材としては具体的に、
【0015】
【化1】
【0016】で表されるポリ(o−フタルアルデヒド)
の末端をアセチル化あるいはアルキル化した化合物が考
えられる(R1は炭素数2〜11のアセチル基、R2は
炭素数2〜10のアルキル基を表す)。この化合物は酸
の存在下では
【0017】
【化2】
【0018】に示したごとく常温で容易に解重合してo
−フタルアルデヒドとなり、解重合する前のポリマーと
比較して低温度で気化する。このような系の物質を薄膜
状にして露光すると、露光部では光酸発生剤より発生し
た酸により基材の解重合が起きてo−フタルアルデヒド
が発生し、ここで基材が分解しない程度の適当な条件に
より加熱処理を行うと、露光部のみが選択的に気化する
ことにより除去されて凹凸パターンが形成される。
【0019】乾式現像による光記録媒体用スタンパの製
造方法は、原盤上にポジ型のレジスト層を形成する工程
と、該レジスト層を光記録媒体の所定の情報に応じて露
光する工程と、該レジスト層の前記露光部を除去して前
記光記録媒体の所定の情報に応じた凹凸パターンを形成
する現像工程を有する光記録媒体用スタンパの製造方法
において、前記現像工程は、加熱処理により前記露光部
を除去するものであり、該加熱処理による現像工程は独
立しておらず、前記露光工程中において該レジスト層全
体を予め所定の温度に加熱した後、該レジスト層全体を
該温度に保持した状態で前記光記録媒体の所定の情報に
応じて露光して、前記光記録媒体の情報に応じた凹凸パ
ターンを順次形成することを特徴とするものがある。
【0020】そこで、本発明の光記録媒体用スタンパの
製造方法は、原盤上にポジ型のレジスト層を形成する工
程と、該レジスト層を光記録媒体の所定の情報に応じて
露光する工程と、該レジスト層の前記露光部を除去して
前記光記録媒体の所定の情報に応じた凹凸パターンを形
成する現像工程を有する光記録媒体用スタンパの製造方
法において、前記現像工程は、加熱処理により前記露光
部を除去するものであり、該加熱処理による現像工程は
独立しておらず、前記露光工程中において前記レジスト
層を前記光記録媒体の所定の情報に応じて露光を行って
いく過程で、前記露光により順次形成されてくる露光部
を該レジスト層の感光性に影響を与えない波長の光によ
り局所的に加熱することを行って前記光記録媒体の情報
に応じた凹凸パターンを順次形成することを特徴とす
る。
【0021】また、本発明の光記録媒体用スタンパの製
造方法は、前記の局所的な加熱に用いられる光の波長は
600nm以上であることを特徴とする。
【0022】また、原盤露光装置は、上面にレジスト層
が形成された原盤をターンテーブルに固定し、該原盤を
回転させながらレーザー光により光記録媒体の所定の情
報に応じて露光を行う原盤露光装置において、前記レジ
スト層全体を加熱する手段として前記ターンテーブル内
に該原盤を加熱するためのヒーターを備えていることを
特徴とするものがある。
【0023】本発明の原盤露光装置は、上面にレジスト
層が形成された原盤をターンテーブルに固定し、該原盤
を回転させながらレーザー光により光記録媒体の所定の
情報に応じて露光を行う原盤露光装置において、請求項
1で述べたように加熱処理により露光部を除去する為
に、前記レジスト層を局所的に加熱する手段として少な
くとも前記レジスト層の感光性に影響を与えない波長の
光源と、対物レンズを有することを特徴とする。
【0024】また、凹凸パターンの形成方法は、原盤上
にポジ型のレジスト層を形成する工程と、該レジスト層
を所定の情報に応じて露光する工程と、該レジスト層の
前記露光部を除去して前記所定の情報に応じた凹凸パタ
ーンを形成する現像工程を有する原盤の製造方法におい
て、前記現像工程は、加熱処理により前記露光部を除去
するものであり、該加熱処理による現像工程は独立して
おらず、前記露光工程中において該レジスト層全体を予
め所定の温度に加熱した後、該レジスト層全体を該温度
に保持した状態で前記所定の情報に応じて露光して、前
記所定の情報に応じた凹凸パターンを順次得ることを特
徴とするものがある。
【0025】本発明の凹凸パターンの形成方法は、原盤
上にポジ型のレジスト層を形成する工程と、該レジスト
層を所定の情報に応じて露光する工程と、該レジスト層
の前記露光部を除去して前記所定の情報に応じた凹凸パ
ターンを形成する現像工程を有する原盤の製造方法にお
いて、前記現像工程は、加熱処理により前記露光部を除
去するものであり、該加熱処理による現像工程は独立し
ておらず、前記露光工程中において前記レジスト層を前
記光記録媒体の所定の情報に応じて露光を行っていく過
程で、前記露光により順次形成されてくる露光部を該レ
ジスト層の感光性に影響を与えない波長の光により局所
的に加熱することを行って前記所定の情報に応じた凹凸
パターンを順次得ることを特徴とする。
【0026】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0027】(実施例1) 図1は、本発明の光記録媒体用スタンパの製造方法を示
した概念図である。具体的には以下のようにして作製す
る。
【0028】図1(a)に示したガラス製の原盤1の表
面を鏡面状に研磨した後に洗浄し、表面をよく乾燥させ
た後、レジストとの密着性を良くするために、シランカ
ップリング剤、例えばヘキサメチルジシラザン(HMD
S)により表面を処理する。このガラス原盤上にレジス
トをスピンコート法によって塗布することにより、図1
(b)に示したようなレジスト層2を形成した後、70
℃から100℃程度のプリベイクを施すことによりレジ
スト層内部の溶剤を除去する。レジスト層を形成する方
法としてはこの他に、ディップ法やカーテンコート法等
でも可能である。
【0029】ここで、前述のレジスト層2を形成するに
際し用いた物質について説明する。前述のレジスト層2
を形成するに際し用いた物質としては、化1で表される
構造を有する化合物を主材料とし、その他に光酸発生
剤、有機溶剤から構成さる物質を用いる。
【0030】光酸発生剤としては、
【0031】
【化3】
【0032】に示したようなトリフェニルスルホニウム
塩類、
【0033】
【化4】
【0034】に示したようなジフェニルヨードニウム塩
類、
【0035】
【化5】
【0036】に示したようなフェニルジアゾニウム塩
類、
【0037】
【化6】
【0038】に示したような2,6−ジニトロベンジル
トシレート類、
【0039】
【化7】
【0040】に示したようなp−ニトロベンジル−9,
10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート類、
【0041】
【化8】
【0042】に示したような2−(4−メトキシフェニ
ル)−4,6−ジ(トリクロロメチル)トリアジン類、
【0043】
【化9】
【0044】に示したようなo−ナフトキノンジアジド
−4−スルホン酸エステル類、
【0045】
【化10】
【0046】に示したようなo−ナフトキノンジアジド
−5−スルホン酸エステル類等が使用でき、露光に用い
る光源の波長において高感度であるものが望ましく、必
要に応じて分光増感剤の添加を行っても良い。
【0047】また、溶剤としてはセルソルブアセテート
系の溶剤を主溶剤とし、その他にキシレン、酢酸ブチル
を数十パーセント添加したものを用いたが、溶剤はこれ
に限定されるものでなくても良い。
【0048】このような物質を用いて形成された前述の
レジスト層2を、光記録媒体の所定の情報に応じて露光
して図1(c)に示したように露光部3を形成する。露
光は原盤を回転させながらレーザー光を用いて行う。
【0049】そして、乾式現像工程として原盤1をホッ
トプレート上で80℃から130℃程度の加熱処理を行
ってレジスト層2上の露光部3を気化させて除去するこ
とにより、図1(d)に示したようにレジスト層2上に
凹凸パターン4が形成される。加熱処理方法としては、
加熱炉により行っても同様の効果が得られる。
【0050】次に、図1(e)に示したように、レジス
ト層2の表面にニッケルを真空成膜法により500から
1000Å程度の厚さに成膜して導体膜5を形成する。
真空成膜法としては、蒸着、スパッタリング、CVD、
イオンプレーティング等があり、いずれも同様の効果が
得られる。また、導体膜5を形成する方法として真空成
膜法以外に無電解メッキ法でも同様の効果が得られる。
【0051】そして、導体膜5を電極にしてニッケルを
電鋳することにより0.2から0.3mm程度の電鋳層
6を形成する。これを原盤1から剥離し、裏面を研磨
し、打ち抜きにより内外径を加工し、さらに洗浄してス
タンパ7を形成する。
【0052】その結果得られた光記録媒体用スタンパ
は、高い精度で凹凸パターンが形成されており、現像工
程におけるレジスト層表面上に発生したシミや欠陥の光
記録媒体用スタンパへの転写による記録情報の再生時の
原因となる欠陥や外観不良が無かった。
【0053】(実施例2) 実施例1で述べた加熱処理により露光部を除去して凹凸
パターンの形成する現像は、光記録媒体の情報に応じて
順次露光していく過程で行っても良い。具体的には次の
ような方法により行う。
【0054】第1に、前述の加熱処理の方法として、前
述のレジスト層全体を予め所定の温度に加熱した後、こ
のレジスト層全体をこの温度に保持した状態で前述の光
記録媒体の所定の情報に応じて露光して、この光記録媒
体の情報に応じた凹凸パターンを順次形成する。図4
(a)は、このような方法により凹凸パターンを形成す
るに際し用いる本発明の原盤露光装置の概念図である。
26はヒーター、27は原盤、28は原盤固定用治具、
29はターンテーブル、30はスピンドルモータ、31
は露光用レーザー光源、32は固定光学系、33は光学
ヘッド駆動装置、34は移動光学系、35は光学ヘッ
ド、36は露光用対物レンズ、37は防振台である。図
4(a)に示した装置に、実施例1で述べた方法により
上面にレジスト層を形成した原盤27をレジスト面を上
にして、ターンテーブル29に原盤固定用治具28を用
いて固定する。次に、ヒーター26を作動させて所定の
温度に加熱する。原盤の温度が安定したのを確認した
後、原盤27を回転させて光記録媒体の情報に応じて露
光を開始する。すると、図6に示したようにレジスト層
51は露光されると速やかに気化し始めて、凹凸パター
ン54が形成されていく。
【0055】第2に、前述の加熱処理の方法として、前
述のレジスト層を前述の光記録媒体の所定の情報に応じ
て露光を行っていく過程で、この露光により順次形成さ
れてくる露光部を、このレジスト層の感光性に影響を与
えない波長の光により局所的に加熱してこの光記録媒体
の情報に応じた凹凸パターンを順次形成する。ここで、
レジスト層の感光性に影響を与えない波長の光とは、前
述した
【0056】
【化11】
【0057】の反応が実質上起こらない波長領域の光で
あり、具体的には600nm以上の波長であることが望
ましい。図5(a)は、このような方法により凹凸パタ
ーンを形成するに際し用いた本発明の他の原盤露光装置
の概念図である。27は原盤、28は原盤固定用治具、
29はターンテーブル、30はスピンドルモータ、31
は露光用レーザー光源、32は固定光学系、33は光学
ヘッド駆動装置、34は移動光学系、35は光学ヘッ
ド、36は露光用対物レンズ、37は防振台、38は加
熱処理用光源、39は加熱処理用ヘッド、40は加熱処
理用対物レンズ、41は加熱処理用ヘッド駆動装置であ
る。図5(a)に示した装置に、実施例1で述べた方法
により上面にレジスト層を形成した原盤27をレジスト
面を上にして、ターンテーブル29に原盤固定用治具2
8を用いて固定する。次に、原盤27を回転させながら
光記録媒体用の所定の情報に応じて露光を開始する。図
7に示したようにこの露光により順次形成されてくる露
光部52を追従するかたちで、このレジスト層51の感
光性に影響を与えない光56を加熱処理用対物レンズ4
0を通して照射して局所的に加熱することにより凹凸パ
ターン54を順次形成していく。加熱処理用光源38と
しては半導体レーザーを用いるが、その他の光源として
炭酸ガスレーザーでも同様の効果が得られる。この場
合、光源が大型になるため、図8に示したように加熱処
理用光源38を加熱処理用ヘッド39外に設ける。
【0058】以上説明した凹凸パターンの形成の際に、
レジスト層の露光部が気化して発生するガスによる作業
環境の汚染や装置内、特に露光用対物レンズ表面の汚染
に注意しなければならない。このような問題を回避する
ために、本発明の原盤露光装置には局所排気機構が備え
られている。ここで、この局所排気機構について簡単に
説明する。図4(a)および図5(a)において、43
は排気用カバー、44はスペーサ、45は排気ダクト、
46は冷却装置、47はフィルター、48は排気用モー
タファンである。排気用カバー43には図4(b)およ
び図5(b)に示したような露光窓49が設けられてお
り、この露光窓49を通してレジスト層に光記録媒体の
所定の情報に応じてレーザー光の照射が行われる。さら
に、図5(b)に示した排気用カバー43には加熱処理
光照射窓50が設けられており、この加熱処理光照射窓
50を通してレジスト層に光を照射して局所的に加熱を
行う。また、排気用カバー43は原盤を固定や取り外し
のために着脱可能になっていて、装置に取り付ける際に
は密閉性を向上させるためにゴム製のスペーサ44を挟
んで固定する。
【0059】排気用モータファン48の作用により原盤
27付近の空気の流れが、図9に示したように排気カバ
ー43の外側から内側へと向かって流れる用になってい
る。このような空気の流れの状態でレジスト層を露光、
加熱処理を行うと、レジスト層の露光部が気化すること
によって発生したガスは、空気の流れに従って排気用カ
バー43外に流出することなく排気排気ダクト45へと
流れていく。そして、前述のガスは装置下部に設けられ
た冷却装置46へと送られ、前述のガスは冷却装置内4
6で強制的に冷却されて、フィルター47により捕捉さ
れることにより空気は清浄化される。
【0060】次に、以上説明した2通りの方法について
比較する。第1の方法は第2の方法に比べて簡単に行う
ことができ、装置の機構も単純であるため設備コストが
安価に実行できる。それに対し、第2の方法では露光が
終わった領域のみを局所的に加熱していくため、露光中
の加熱処理によるレジスト層の特性(主に、感度)への
影響を無視できる。
【0061】以上説明した本発明の原盤露光装置を用い
ると、凹凸パターンを形成するのに際し、原盤露光装置
と現像装置を独立して設置せずに光記録媒体の所定の情
報に応じた凹凸パターンをレジスト層上に形成すること
が可能であり、低設備コスト、省スペース、高作業効率
で実施できた。
【0062】以上、本発明をある特別な実施例において
説明したが、本発明はそれらに限定されるものと考えら
れるべきではなく、本発明の主旨を逸脱しない限り種々
の変更は可能である。
【0063】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、現
像液を用いた現像工程を必要とせずに高い精度で凹凸パ
ターンを形成することを可能とし、また、記録情報の再
生時の原因となる欠陥や外観の不良の少ない高性能高品
質の光記録媒体用スタンパを作製が可能である。さらに
は、凹凸パターンを形成するのに要する露光および現像
工程を同時に行うことが可能であり、低設備コスト、省
スペース、高作業効率で高品質高性能の光記録媒体用ス
タンパの作製が可能であるという効果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体用スタンパの製造方法を示
す概念図。
【図2】従来の一般的な光記録媒体用スタンパの製造方
法を示す概念図。
【図3】従来の一般的な原盤露光装置の概念図。
【図4】(a)は本発明の加熱処理機能を備えている原
盤露光装置の概念図、(b)はその排気用カバーの上視
図。
【図5】(a)は本発明の他の加熱処理機能を備えてい
る原盤露光装置の概念図、(b)はその排気用カバーの
上視図。
【図6】本発明の露光工程中に加熱処理を行う方法によ
る凹凸パターンの形成の説明図。
【図7】本発明の露光工程中に加熱処理を行う他の方法
による凹凸パターンの形成の説明図。
【図8】本発明の原盤露光装置の加熱処理用光源に炭酸
ガスレーザーを用いた場合の説明図。
【図9】本発明の原盤露光装置の排気機構による装置内
の空気の流れの説明図。
【符号の説明】
1 原盤 2 レジスト層 3 露光部 4 凹凸パターン 5 導体膜 6 電鋳層 7 光記録媒体用スタンパ 8 原盤 9 レジスト層 10 露光部 11 凹凸パターン 12 導体膜 13 電鋳層 14 光記録媒体用スタンパ 15 原盤 16 原盤固定用治具 17 ターンテーブル 18 スピンドルモータ 19 露光レーザー光源 20 固定光学系 21 光学ヘッド駆動装置 22 移動光学系 23 光学ヘッド 24 対物レンズ 25 防振台 26 ヒーター 27 原盤 28 原盤固定用治具 29 ターンテーブル 30 スピンドルモータ 31 露光レーザー光源 32 固定光学系 33 光学ヘッド駆動装置 34 移動光学系 35 光学ヘッド 36 露光用対物レンズ 37 防振台 38 加熱処理用光源 39 加熱処理用ヘッド 40 加熱処理用対物レンズ 41 加熱処理用ヘッド駆動装置 42 ミラー 43 排気用カバー 44 スペーサ 45 排気ダクト 46 冷却装置 47 フィルター 48 排気用モータファン 49 露光窓 50 加熱処理光照射窓 51 レジスト層 52 露光部 53 気化が進行中の露光部 54 凹凸パターン 55 露光用レーザー光 56 加熱処理光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−246391(JP,A) 特開 昭62−190211(JP,A) 特開 昭63−231446(JP,A) 特開 昭62−175488(JP,A) 特公 平6−5385(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/26 G03F 7/00 - 7/38

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原盤上にポジ型のレジスト層を形成する
    工程と、該レジスト層を光記録媒体の所定の情報に応じ
    て露光する工程と、該レジスト層の前記露光部を除去し
    て前記光記録媒体の所定の情報に応じた凹凸パターンを
    形成する現像工程を有する光記録媒体用スタンパの製造
    方法において、前記現像工程は、加熱処理により前記露
    光部を除去するものであり、該加熱処理による現像工程
    は独立しておらず、前記露光工程中において前記レジス
    ト層を前記光記録媒体の所定の情報に応じて露光を行っ
    ていく過程で、前記露光により順次形成されてくる露光
    部を該レジスト層の感光性に影響を与えない波長の光に
    より局所的に加熱することを行なって、前記光記録媒体
    の情報に応じた凹凸パターンを順次形成することを特徴
    とする光記録媒体用スタンパの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記光の波長は600nm以上であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の光記録媒体用スタンパの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 上面にレジスト層が形成された原盤をタ
    ーンテーブルに固定し、該原盤を回転させながらレーザ
    ー光により光記録媒体の所定の情報に応じて露光を行う
    原盤露光装置において、前記レジスト層を局所的に加熱
    する少なくとも前記レジスト層の感光性に影響を与えな
    い波長の光源と、対物レンズとを有し、前記レジスト層
    を前記光記録媒体の所定の情報に応じて露光を行ってい
    く過程で、前記露光により順次形成されてくる露光部を
    前記光源からレジスト層の感光性に影響を与えない波長
    の光により局所的に加熱して、前記原盤に光記録媒体の
    所定の情報に応じた凹凸パターンを順次形成することを
    特徴とする原盤露光装置。
  4. 【請求項4】 原盤上にポジ型のレジスト層を形成する
    工程と、該レジスト層を所定の情報に応じて露光する工
    程と、該レジスト層の前記露光部を除去して前記所定の
    情報に応じた凹凸パターンを得る現像工程を有する、凹
    凸パターンの形成方法において、前記現像工程は、加熱
    処理により前記露光部を除去するものであり、該加熱処
    理による現像工程は独立しておらず、前記露光工程中に
    おいて前記レジスト層を前記光記録媒体の所定の情報に
    応じて露光を行っていく過程で、前記露光により順次形
    成されてくる露光部を該レジスト層の感光性に影響を与
    えない波長の光により局所的に加熱することを行って前
    記所定の情報に応じた凹凸パターンを順次得ることを特
    徴とする凹凸パターンの形成方法。
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