JPH10282677A - 光ディスク原盤の作製方法及び光ディスク基板 - Google Patents

光ディスク原盤の作製方法及び光ディスク基板

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JPH10282677A
JPH10282677A JP9046697A JP9046697A JPH10282677A JP H10282677 A JPH10282677 A JP H10282677A JP 9046697 A JP9046697 A JP 9046697A JP 9046697 A JP9046697 A JP 9046697A JP H10282677 A JPH10282677 A JP H10282677A
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JP
Japan
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photosensitive material
optical disk
master
pattern
substrate
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JP9046697A
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English (en)
Inventor
Hisae Sasaki
寿枝 佐々木
Tetsuya Nishida
哲也 西田
Yoshinori Miyamura
芳徳 宮村
Atsuko Yamaguchi
敦子 山口
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光ディスクの高記録密度化に際し、高精度で安
定に微細パターンを形成できる原盤及び基板およびその
製造方法を提供する。 【解決手段】感光性材料層にポリシロキサン類またはポ
リシラン類等の感光性ガラスを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高密度記録に対応す
る狭トラック,微小ピットを有する光ディスクを製造す
るための原盤及び基板の作製に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光ディスク原盤はガラス原盤にポ
ジ型フォトレジストをスピン塗布し、熱処理をしたの
ち、信号変調されたレーザ光や連続レーザ光をフォトレ
ジスト膜に同心円状あるいはスパイラル状のトラックに
沿って溝やピットパターンの露光を行い、これをアルカ
リ現像液により露光部を溶解除去し凹凸パターンを形成
して原盤を作製していた。さらに、この原盤から電鋳プ
ロセスでNiの鋳型を作製し、これを用いて射出成形法
で大量に基板を作製している。上記の作製方法は、中島
平太郎,小川博司共著;コンパクトディスク読本(改訂
2版)90−94頁:オーム社(1988)に開示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光ディスクのパターン
形成に用いられるポジ型フォトレジストは、一般にノボ
ラック樹脂系のベースレジン,ナフトキノンジアジド系
の感光剤及び有機溶剤で構成されている。ノボラック樹
脂はアルカリ水溶液に可溶であるがナフトキノンジアジ
ドは不溶であるため、これらを混在させるとノボラック
樹脂のアルカリ可溶性が抑制され溶解速度が小さくな
る。ナフトキノンジアジドは光照射によってアルカリ可
溶性のインデンカルボン酸に分解し、ノボラック樹脂の
溶解抑制能力を失うばかりでなく、溶解を促進し溶解速
度が速くなる。フォトレジストのパターンは露光部と未
露光部との溶解速度の差からコントラストを生じ凹凸を
形成するが、現像により未露光部もわずかながら溶解す
るため、膜厚減少が生じ溝やピット深さの制御が困難に
なり、さらにわずかに溶解した表面の凹凸が基板ノイズ
の上昇をもたらしていた。
【0004】光ディスクは高密度化により狭トラック,
微小ピットのパターンを高精度で安定に形成できる原盤
が要求されるようになった。従来のフォトレジストを用
いた光ディスク用原盤の微細パターンの形成方法とし
て、特開平6−243512 号に開示されたフォトレジスト膜
上に露光波長に対し飽和吸収特性を有する薄膜を形成
し、露光ビームの強度分布を改善する方法(Contrast E
nhanced Lithography、 CEL)及び、特開平1−31724
1 号に開示された露光の前工程として未露光のフォトレ
ジスト膜を現像液に浸漬することにより、弱い光では現
像されにくい層を形成する方法(難溶化)などがある。
しかし、これらはプロセスが複雑になること、従来の数
倍の光量が必要になる等の問題があり、これらの方法で
はさらなる高密度化に伴うさまざまなパターンを精度よ
く形成することは困難であった。また、微細パターンを
安定に形成するためにはフォトレジストの代用となる新
たな材料探索が必要であるという問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明では、原盤表面に感光性材料層を形成
する工程と、上記感光性材料層にパターンを露光する工
程と、現像処理によりパターンを形成する工程からなる
光ディスク原盤の作製方法において、感光性材料として
薄膜化が可能な感光性を有するSi含有高分子を用い
る。これにより、従来のフォトレジストより微細なパタ
ーンを高精度で安定に形成することができる。
【0006】上記Si含有高分子は従来の溶解速度の異
なる多成分混在の感光性材料と異なり、単一成分で構成
されるため、基板ノイズ上昇の一因であるパターン表面
及び側面の凹凸を抑えることができ、分子量分布を狭分
散化することにより、さらに基板の低ノイズ化が可能で
ある。上記Si含有高分子は、ポジ型としてポリフェニ
ルメチルシルセスキオキサン等のポリシロキサン類、ネ
ガ型としてポリシクロヘキシルメチルシラン等のポリシ
ラン類がある。これらの感光性材料を総称して、以下、
感光性ガラスと呼ぶ。
【0007】従来、ポジ型のフォトレジストでは困難で
あったパターンも感光性ガラスのネガ型,ポジ型を使い
分けることによって形成が可能になる。また、感光性ガ
ラスは露光後、アルカリ水溶液や有機溶剤による現像で
パターンが形成される。このような湿式現像のほか、ポ
リシラン類等は光や熱等のエネルギーによる昇華性を有
するため、乾式現像も可能である。湿式現像は現像装置
内で飛散した現像液や水洗液が原盤表面に付着し、記録
情報の欠陥や外観の不良を引き起こすことがあるが、乾
式現像はこのような欠陥を減少することができる。
【0008】感光性ガラスはフォトレジスト同様スピン
塗布法,液浸法(ディップ)により薄膜を形成すること
ができるため、従来の塗布工程を用いることができる。
感光性材料層の膜厚はパターンの深さに対応するため、
最適範囲の10〜300nmに塗布する必要がある。
【0009】感光性ガラスで形成したパターンは酸素と
珪素の結合を有するSiOx 組成からなり、化学的に安
定であり、フォトレジストのパターンより耐薬品性がよ
いため、鋳型を作製する際のpH等の条件も大幅に緩和
される。また、感光性ガラスとガラス原盤の表面張力が
近似しているため接着性がよく、鋳型作製の際、パター
ンとガラス原盤との界面の剥離を抑えることができる。
【0010】感光性ガラスを用いて作製した原盤は誘電
体のため、電鋳プロセスでNiの鋳型(スタンパ)の作
製に対応でき、従来の射出成形法で基板(レプリカ)を
大量製造することが可能である。さらに本発明は、感光
性材料を従来のフォトレジストから感光性ガラスへ代替
するのみで、製造工程を変えることなく、高密度化に対
応する原盤を作製することが可能となる。
【0011】上記の原盤の作製方法は基板作製にも適用
することができる。本発明では、基板表面に感光性材料
層を形成する工程と、上記感光性材料層にパターンを露
光する工程と、現像処理によりパターンを形成する工程
からなる光ディスク基板において、感光性材料として薄
膜化が可能な感光性ガラスを用いることにより、光ディ
スク基板を作製する。
【0012】従来、原盤から鋳型を作製し射出成形法で
基板を大量製造していたが、上記本発明の方法によれ
ば、原盤,鋳型を介することなく基板を作製できるた
め、基板作製までの時間を大幅に短縮することができ
る。また、感光性ガラスを用いて直接基板を作製するこ
とによって、原盤,鋳型を介することで転写が困難であ
った微細なパターンも高精度で安定に形成することがで
きる。
【0013】感光性ガラスは、ポジ型としてポリフェニ
ルメチルシルセスキオキサン等のポリシロキサン類、ネ
ガ型としてポリシクロヘキシルメチルシラン等のポリシ
ラン類がある。感光性ガラスは溶解速度が等しい単一成
分で構成されるため、基板ノイズ上昇の一因であるパタ
ーン表面及び側面の凹凸を抑えることができ、分子量分
布を狭分散化することにより、さらに基板の低ノイズ化
が可能である。
【0014】また、他の基板作製方法として、光ディス
ク原盤から金属または樹脂からなる鋳型を作製し、上記
鋳型から基板上に感光性ガラスを用いて、2P(Photo
−Polymerization)法によりパターンを転写して光ディ
スク基板を作製することもできる。2P法は、中島平太
郎,小川博司共著;コンパクトディスク読本(改訂2
版)90−94頁:オーム社(1982)に開示されて
いる。
【0015】上記感光性ガラスは、ポリシクロヘキシル
メチルシラン等のポリシラン類のような光酸化によりガ
ラス化するネガ型が使用可能である。従来、射出成形法
の基板はポリカーボネートで作製されており、複屈折が
大きく熱に弱いが、感光性ガラスを用いて作製された基
板は、複屈折を低減することができ、耐熱性や耐薬品性
を大幅に向上することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施例1)以下、本発明の実施例を図1を用いて説明
する。表面研磨し洗浄されたガラス原盤1に、接着性を
高めるためオゾン雰囲気中で遠紫外線を照射して有機物
を除去し表面処理を施した。この時、カップリング剤等
のプライマーで下地処理を行うことにより接着性が増し
た。ポリシロキサン類等のポジ型の感光性ガラス、たと
えばポリフェニルメチルシルセスキオキサン(図2)を
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(PGMEA)等の有機溶剤を用いて10重量%に希釈
してスピン塗布し、80〜100℃程度のプリベークを
施して層内部の溶剤を揮散させポジ型の感光性材料層2
を形成した。この膜厚はパターンの溝やピットの深さに
相当し10〜300nmが適当であり、スピン塗布法の
他、液浸法でも感光性材料層2の形成は可能であった。
【0017】感光性ガラスは露光に用いる光源の波長に
おいて高感度であるものが望ましく、必要に応じて分光
増感剤の添加を行ってもよい。希釈に用いる溶剤はPGME
A を用いたが、これに限定されるものでなはない。
【0018】形成した感光性材料層2に、原盤を回転さ
せながらArFエキシマレーザ(波長194nm)3を
用いて100mJ/cm2 で所定の情報を露光した。レー
ザによる露光方法の他、マスクを用いての近接方式の露
光法や縮小投影露光法による露光でも可能であった。水
酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)2.
38%で現像を行ったところ、トラックピッチ0.5μ
m,ピットサイズ0.2μmの微細なポジ型パターン5を
形成できた。これは、ポリフェニルメチルセルシスキオ
キサンの露光部4が光酸化反応を起こし、ベンゼン環が
水酸基に置換されアルカリ可溶性を呈したためである。
アルカリ現像液は、有機系たとえば水酸化テトラメチル
アンモニウムと無機系たとえばリン酸塩があるが、双方
とも同様のパターンの形成が可能であった。アルカリ現
像とは別に有機溶剤による現像も可能だが、パターンが
膨潤するためアルカリ現像が好ましい。
【0019】この方法ではトラックピッチ0.5μm,
ピットサイズ0.2μmの微細パターンが高精度で安定
に形成され、ポジ型の光ディスク原盤6を作製できた。
感光性ガラスは従来の多成分混在の感光性材料と異なり
単一成分で構成されるため、ノイズ上昇の一因であるパ
ターン表面及び側面の凹凸を抑えることができた。ま
た、感光性ガラスの分子量分布を狭分散化することによ
り、さらに凹凸が減少した。
【0020】(実施例2)以下、本発明の実施例を図3
を用いて説明する。実施例1と同様の表面,下地処理を
施したガラス原盤1に、ポリシラン類等の光照射により
酸化する感光性ガラス、たとえばポリシクロヘキシルメ
チルシラン(図4)をトルエン等の有機溶剤を用いて5
重量%に希釈してスピン塗布し、80〜100℃程度の
プリベークを施して層内部の溶剤を揮散させ、ネガ型の
感光性材料層7を形成した。感光性ガラスは露光に用い
る光源の波長において高感度であるものが望ましく、必
要に応じて分光増感剤の添加を行ってもよい。
【0021】形成した感光性材料層7にArFエキシマ
レーザ(波長194nm)3で所定の情報が記録されて
いるマスク8を用いて200mJ/cm2 で露光した。ポ
リシクロヘキシルメチルシランの露光部4はガラス状に
硬化し、トルエン等の有機溶剤で現像,洗浄すると未露
光部が除去され、トラックピッチ0.5μm ,ピットサ
イズ0.2μm の微細なネガ型パターン9を形成でき
た。希釈,現像に用いる溶剤としてトルエンを用いた
が、これに限定されるものではない。ここではマスクを
用いた近接方式で露光を行ったが、縮小投影露光法や原
盤を回転しながらレーザで露光する方法あるいは真空中
でのX線露光でもパターンの形成が可能であった。ま
た、現像方法として溶剤による洗浄の他、大気中または
窒素雰囲気中でKrFエキシマレーザ(波長248n
m)を1J/cm2 照射し、未露光部を昇華させることに
よってもパターン形成が可能であった。
【0022】この方法ではトラックピッチ0.5μm,
ピットサイズ0.2μmの微細パターンを高精度が安定
に形成され、ネガ型の光ディスク原盤10を作製でき
た。感光性ガラスは従来の多成分混在の感光性材料と異
なり単一成分で構成されるため、ノイズ上昇の一因であ
るパターン表面及び側面の凹凸を抑えることができた。
また、感光性ガラスの分子量分布を狭分散化することに
より、さらに凹凸が減少した。
【0023】(実施例3)以下、本発明の実施例を図5
を用いて説明する。実施例1と同様の表面,下地処理を
施した厚さ1.2mm の洗浄された光ディスク用のガラス
基板11に、ポリシロキサン類等のポジ型の感光性ガラ
ス、たとえばポリフェニルメチルシルセスキオキサン
(図2)をPGMEA等の有機溶剤を用いて10重量%
に希釈してスピン塗布し、80〜100℃程度のプリベ
ークを施して層内部の溶剤を揮散させポジ型の感光性材
料層2を形成した。この膜厚はパターンの溝やピットの
深さに相当し10〜300nmが適当であり、スピン塗
布法の他、液浸法でも感光性材料層2の形成は可能であ
った。
【0024】感光性ガラスは露光に用いる光源の波長に
おいて高感度であるものが望ましく、必要に応じて分光
増感剤の添加を行ってもよい。希釈に用いる溶剤はPGME
A を用いたが、これに限定されるものでなはない。
【0025】形成した感光性材料層2にArFエキシマ
レーザ(波長194nm)3で、所定の情報が記録され
ているマスク8を用いて100mJ/cm2 で露光して、
水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)
2.38% で現像を行ったところ、トラックピッチ0.
5μm,ピットサイズ0.2μmのポジ型パターン5を
形成できた。マスクを用いての近接方式の露光法の他、
基板を回転させてレーザで露光する方法や縮小投影露光
法による露光も可能であった。アルカリ現像液は、有機
系たとえば水酸化テトラメチルアンモニウムと無機系た
とえばリン酸塩があるが、双方とも同様のパターンの形
成が可能であった。アルカリ現像とは別に、有機溶剤に
よる現像も可能だが、パターンが膨潤するためアルカリ
現像が好ましい。光ディスク用基板として、ここではガ
ラスを用いたが、これに限定されるものではない。
【0026】この方法ではトラックピッチ0.5μm、
ピットサイズ0.2μmの微細パターンが高精度で安定
に形成され、ポジ型の光ディスク基板12を作製でき
た。感光性ガラスは溶解速度が等しい単一成分で構成さ
れるため、基板ノイズ上昇の一因であるパターン表面及
び側面の凹凸を抑えることができた。また、分子量分布
を狭分散化することにより、さらに凹凸が減少した。
【0027】従来、射出成形法の基板はポリカーボネー
トで作製されており、複屈折が大きく熱に弱いが、上記
の方法で作製された基板は、複屈折を低減することがで
き、耐熱性や耐薬品性を大幅に向上することができた。
【0028】(実施例4)以下、本発明の実施例を図6
を用いて説明する。実施例3と同様の表面,下地処理を
施した厚さ1.2mm の洗浄された光ディスク用のガラ
ス基板11に、ポリシクロヘキシルメチルシランをトル
エン等の有機溶剤を用いて5重量%に希釈してスピン塗
布し、80〜100℃程度のプリベークを施して層内部
の溶剤を揮散させネガ型の感光性材料層7を形成した。
この膜厚はパターンの溝やピットの深さに相当し10〜
300nmが適当であり、スピン塗布法の他、液浸法で
も感光性材料層7の形成は可能であった。
【0029】感光性ガラスは露光に用いる光源の波長に
おいて高感度であるものが望ましく、必要に応じて分光
増感剤の添加を行ってもよい。
【0030】形成した感光性材料層7にArFエキシマ
レーザ(波長194nm)3で所定の情報が記録されて
いるマスク8を用いて200mJ/cm2 で露光した。ポ
リシクロヘキシルメチルシランの露光部4はガラス状に
硬化し、トルエン等の有機溶剤で現像,洗浄すると未露
光部が除去されてトラックピッチ0.5μm ,ピットサ
イズ0.2μmの微細なネガ型パターン9が形成され
た。
【0031】マスクを用いての近接方式の露光法の他、
基板を回転させてレーザで露光する方法や縮小投影露光
法及び真空中でのX線露光によっても可能であった。希
釈,現像に用いる溶剤としてトルエンを用いたが、これ
に限定されるものではない。また、現像方法として溶剤
による洗浄の他、大気中または窒素雰囲気中でKrFエ
キシマレーザ(波長248nm)を1J/cm2 照射し、
未露光部を昇華させることによってもパターン形成が可
能であった。光ディスク用基板として、ここではガラス
を用いたが、これに限定されるものではない。
【0032】この方法ではトラックピッチ0.5μm、
ピットサイズ0.2μmの微細パターンを高精度が安定
に形成され、ネガ型の光ディスク基板13を作製でき
た。感光性ガラスは溶解速度が等しい単一成分で構成さ
れるため、基板ノイズ上昇の一因であるパターン表面及
び側面の凹凸を抑えることができた。また、分子量分布
を狭分散化することにより、さらに凹凸が減少した。
【0033】従来、射出成形法の基板はポリカーボネー
トで作製されており、複屈折が大きく熱に弱いが、上記
の方法で作製された基板は、複屈折を低減することがで
き、耐熱性や耐薬品性を大幅に向上することができた。
【0034】(実施例5)以下、本発明の実施例を図7を
用いて説明する。実施例1で作製したポジ型の光ディス
ク原盤6のパターン表面にNiを蒸着等の真空成膜によ
って導体膜14を形成し、これを電極にして電鋳によっ
てNiの鋳型15を作製した。この鋳型15とガラス基
板11とをポリシクロヘキシルメチルシラン層7を介し
て全面を密着させて、ArFエキシマレーザ(波長19
4nm)3で全面を露光した。ポリシクロヘキシルメチ
ルシランはガラス状に硬化して、Niの鋳型を剥離させ
るとトラックピッチ0.5μm,ピットサイズ0.2μm
の微細なパターンが転写されて、2P法の光ディスク基
板16を作製できた。光ディスク用基板として、ここで
はガラスを用いたが、これに限定されるものでなく、プ
ラスチック基板等を用いてもよい。
【0035】従来、射出成形法の基板はポリカーボネー
トで作製されており、複屈折が大きく熱に弱いが、本発
明で作製した基板は、光学的データ蓄積システムの性能
を低下させる複屈折を低減することができる。
【0036】
【発明の効果】本発明で作製した原盤は感光性材料層に
感光性ガラスを用いることにより、トラックピッチ0.
5μm,ピットサイズ0.2μmの微細パターンを高精
度で安定に形成することができた。感光性ガラスは単一
成分で構成されるため、ノイズ上昇の一因であるパター
ン表面及び側面の凹凸を抑えることができ、分子量分布
を狭分散化することにより、さらに凹凸を減少して基板
ノイズが低減できた。また、この原盤は従来の製造工程
を変えることなく電鋳プロセスでNiの鋳型の作製に対
応でき、射出成形法で基板を大量製造することが可能で
ある。
【0037】本発明は原盤に限らず基板作製にも適用で
き、基板上に感光性ガラスでパターンを形成すること
で、原盤,鋳型を介することなく短時間で基板を作製す
ることができる。他の作製方法として、金属または樹脂
からなる鋳型から感光性ガラスを用いて2P法により基
板を作製することもできた。本発明の基板は従来のポリ
カーボネート基板より複屈折を低く抑えることができ、
耐熱性や耐薬品性が優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のポジ型光ディスク原盤の作
製方法の工程図。
【図2】ポリフェニルメチルシルセスキオキサンの構造
式を示す図。
【図3】本発明の一実施例のネガ型光ディスク原盤の作
製方法の工程図。
【図4】ポリシクロヘキシルメチルシランの構造式を示
す図。
【図5】本発明の一実施例のポジ型光ディスク基板の作
製方法の工程図。
【図6】本発明の一実施例のネガ型光ディスク基板の作
製方法の工程図。
【図7】本発明の一実施例の2P法による光ディスク基
板の作製方法の工程図。
【符号の説明】
1…ガラス原盤、2…ポジ型感光性材料層、3…エキシ
マレーザ、4…露光部、5…ポジ型パターン、6…ポジ
型光ディスク原盤、7…ネガ型感光性材料層、8…マス
ク、9…ネガ型パターン、10…ネガ型光ディスク原
盤、11…ガラス基板、12…ポジ型光ディスク基板、
13…ネガ型光ディスク基板、14…導電膜、15…鋳
型、16…2P法の光ディスク基板。
フロントページの続き (72)発明者 山口 敦子 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原盤表面に感光性材料層を形成する工程
    と、上記感光性材料層にパターンを露光する工程と、現
    像処理によりパターンを形成する工程からなる光ディス
    ク原盤の作製方法において、上記感光性材料として薄膜
    化が可能な感光性を有するSi含有高分子を用いること
    を特徴とする光ディスク原盤の作製方法。
  2. 【請求項2】請求項1の原盤の作製方法において、形成
    されたパターンは酸素と珪素の結合を有する高分子から
    なることを特徴とする光ディスク原盤の作製方法。
  3. 【請求項3】請求項1の原盤の作製方法において、上記
    感光性材料は光や熱等のエネルギーによる昇華性を有す
    るか、ないしは露光後のアルカリ水溶液や有機溶剤によ
    る現像が可能であるかの少なくともどちらか一方である
    ことを特徴とする光ディスク原盤の作製方法。
  4. 【請求項4】上記感光性材料はポジ型であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の光ディスク原盤
    の作製方法。
  5. 【請求項5】請求項4の原盤の作製方法において、上記
    ポジ型感光性材料はポリフェニルメチルシルセスキオキ
    サン等のポリシロキサン類であることを特徴とする光デ
    ィスク原盤の作製方法。
  6. 【請求項6】上記感光性材料はネガ型であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の光ディスク原盤
    の作製方法。
  7. 【請求項7】請求項6の原盤の作製方法において、上記
    ネガ型感光性材料はポリシクロヘキシルメチルシラン等
    のポリシラン類であることを特徴とする光ディスク原盤
    の作製方法。
  8. 【請求項8】請求項1の原盤の作製方法において、上記
    感光性材料層はスピン塗布法または液浸法により形成す
    ることを特徴とする光ディスク原盤の作製方法。
  9. 【請求項9】請求項1の原盤の作製方法において、形成
    された感光性材料層の膜厚が10〜300nmであるこ
    とを特徴とする光ディスク原盤の作製方法。
  10. 【請求項10】感光性材料として薄膜化が可能な感光性
    を有するSi含有高分子を用い、基板表面に上記感光性
    材料層を形成し、上記感光性材料層にパターンを露光
    し、現像処理によりパターンを形成してなることを特徴
    とする光ディスク基板。
  11. 【請求項11】請求項10の基板において、形成された
    パターンは酸素と珪素の結合を有する高分子からなるこ
    とを特徴とする光ディスク基板。
  12. 【請求項12】請求項10の基板において、上記感光性
    材料は光や熱等のエネルギーによる昇華性を有するか、
    ないしは露光後のアルカリ水溶液や有機溶剤による現像
    が可能であるかの少なくともどちらか一方であることを
    特徴とする光ディスク基板。
  13. 【請求項13】上記感光性材料はポジ型であることを特
    徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の光ディス
    ク基板。
  14. 【請求項14】請求項13の基板において、上記ポジ型
    感光性材料はポリフェニルメチルシルセスキオキサン等
    のポリシロキサン類であることを特徴とする光ディスク
    基板。
  15. 【請求項15】上記感光性材料はネガ型であることを特
    徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の光ディス
    ク基板。
  16. 【請求項16】請求項15の基板において、上記ネガ型
    感光性材料はポリシクロヘキシルメチルシラン等のポリ
    シラン類であることを特徴とする光ディスク基板。
  17. 【請求項17】請求項10の基板において、上記感光性
    材料層はスピン塗布法または液浸法により形成されてな
    ることを特徴とする光ディスク基板。
  18. 【請求項18】請求項10の基板において、形成された
    感光性材料層の膜厚が10〜300nmであることを特
    徴とする光ディスク基板。
  19. 【請求項19】光ディスク原盤から金属または樹脂から
    なる鋳型を作製する工程と、上記鋳型から基板上に感光
    性材料を用いてパターンを転写する工程からなることを
    特徴とする光ディスク基板において、上記感光性材料は
    感光性を有するSi含有高分子を用いたことを特徴とす
    る光ディスク基板の製造方法。
  20. 【請求項20】請求項19の方法を用いて製造された基
    板において、形成されたパターンは酸素と珪素の結合を
    有する高分子からなることを特徴とする光ディスク基
    板。
  21. 【請求項21】請求項20の基板において、上記感光性
    材料はネガ型であることを特徴とする光ディスク基板。
  22. 【請求項22】請求項21の基板において、上記ネガ型
    感光性材料はポリシクロヘキシルメチルシラン等のポリ
    シラン類であることを特徴とする光ディスク基板。
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