JP3235284B2 - 高速リング精紡用ポリエステル繊維 - Google Patents

高速リング精紡用ポリエステル繊維

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哲弘 吉田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速リング精紡用ポリエ
ステル繊維に関するものである。さらに詳細には、特に
スピンドルの回転数が1.6万rpm以上のような高速
リング精紡に適したポリエステル繊維に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】合成繊維の中でも特にポリエステル繊維
は、他の繊維、例えば木綿,レーヨンおよびアクリル繊
維などと比較して紡績性が劣ると言われている。これは
ポリエステル繊維に、平滑性,帯電防止性,収束性能を
与えるべく付与した従来の油剤が、紡績機械の繊維通過
部にオリゴマーと共にスカムとして脱落、蓄積し、カー
ドおよび練条工程ではチューブ詰り、粗紡および精紡工
程ではローラ巻付きなどのトラブルを起こしやすい。従
って、ポリエステル繊維の紡績性は油剤の種類によって
大きく左右されると言われている。このことからポリエ
ステル紡績用油剤の研究が熱心に行われてきたのであ
る。
【0003】ところで、一般に紡績用油剤は大きく分け
て平滑成分と帯電防止成分からなり平滑成分について
は、使用目的から繊維対繊維間平滑成分と繊維対金属間
平滑成分に分けて使う場合が多い。平滑成分としては鉱
物油、脂肪酸エステル、高級アルコールまたは脂肪酸に
酸化エチレン付加物のような非イオン活性剤、またはア
ルキルリン酸エステル、アルキル硫酸エステルさらに脂
肪酸金属塩のようなアニオン活性剤が一般に用いられ
る。一方、帯電防止剤としてはアルキルリン酸エステル
およびアルキル硫酸エステルや、第4アンモニウム塩の
ようなカチオン活性剤あるいはアルキルベタインのよう
な両性活性剤が一般に用いられる。
【0004】従来から合成繊維、特にポリエステル繊維
用油剤にはアルキルリン酸エステル塩の他に、多種の界
面活性剤を配合した紡績油剤が提案され、実用化されて
いることはよく知られている。
【0005】例えば、特開昭48-33193号公報ではアルキ
ルリン酸エステル塩40〜60重量%ポリオキシアルキ
レンエーテルまたはポリオキシアルキレンエステル20
〜40重量%と脂肪酸エステル10〜30重量%などを
配合した油剤、特開昭54-138649 号公報ではアルキルリ
ン酸エステル塩にポリエーテルを10〜45重量%配合
した油剤が提案されている。また同様な油剤が特開昭57
-89669号公報、特開昭59-11712号公報、特開昭61-12468
0 号公報などで数多く提案されている。
【0006】さらに近年、紡績加工コストダウンのため
加工の連続化、高速化およびラージパッケージ化が進
み、特に最近はリング精紡において、生産性を向上させ
るためにスピンドルの回転数を大幅に速くした高速リン
グ精紡機が採用されるようになった。つまりスピンドル
の回転数は、リング・トラベラの摩擦力低減、バルーニ
ングの制御、単錘駆動モーターによる高速スピンドル駆
動により、従来1万ないし1.7万rpm であったもの
が、3万rpm まで安定紡出できる技術が開発され、2.
5万rpm の精紡機が実用化されているのである。
【0007】このスピンドル回転数は大きくなると、紡
出糸のバルーニングが大きくなり隣接する糸条またはセ
パレータなどと接触し、また紡出張力の増加により糸切
れを起こし紡出できなくなる。
【0008】一般に、バルーニング制御のためにアンチ
ノードリングを使用するが、スピンドル回転数が1.6
万rpm を越えると糸張力が急激に増加するため、糸とア
ンチノードリング、糸とトラベラなどとの摩擦が大きく
なって擦過溶融現象を起こし、これらのポリマーおよび
油剤の堆積物と糸条が接触することにより糸強力はスタ
ート直後と比較して経時的に徐々に低下する方向にあ
る。さらにはアンチノードリングに接触する部分と接触
しない部分とで染色差が生じるなどの問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ポリ
エステル繊維の高速リング精紡における前記した問題点
を解消し、紡績工程の高速および高能率化、並びに紡績
糸の高品質化に対応し得るポリエステル繊維、即ち高速
リング精紡機における経時的な糸切れの増加や、擦過溶
融現象による染色差の問題などが起り難いポリエステル
繊維を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
を解決するために、次の構成を有する。すなわち、平均
繊維長が35〜51mmのポリエステル短繊維であっ
て、炭素数8〜22のアルキルエステル基を有する燐酸
エステルの無機塩からなる界面活性剤45〜65重量%
および粒子径10〜150mμの不活性無機酸化物1〜
10重量%を配合してなる油剤が付与されていることを
特徴とする高速リング精紡用ポリエステル繊維である。
【0011】すなわち、本発明の高速リング精紡用ポリ
エステル繊維は、特定のアルキル燐酸エステルの無機塩
を主成分とした界面活性剤に特定粒径の不活性無機酸化
物を配合し、更に不活性無機酸化物の配合比率を特定し
た油剤をポリエステル繊維に付与した点を発明の骨子と
する。
【0012】本発明に用いるアルキルエステル基を有す
る燐酸エステルの無機塩において、アルキルエステル基
の炭素数は8〜22、好ましくは12〜18とするもの
である。この炭素数が8より小さいと、燐酸エステルの
無機塩成分の粘着性が強くなり、かつ吸湿性が大きくな
りローラ巻付きが増大する。一方、炭素数が22より大
であると制電性が悪化するようになる。なお、燐酸エス
テル陰イオンの対イオンとしてはカリウムイオン、ナト
リウムイオンなどが好ましく選択される。
【0013】このような炭素数8〜22のアルキルエス
テル基を有する燐酸エステルの無機塩を、具体的に例示
すれば、ステアリルホスフェートK塩(C18),ラウリ
ルホスフェートK塩(C12),オクチルホスフェートK
塩(C8 )およびセチルホスフェートK塩(C16)など
が挙げられるが、これらのうちステアリルホスフェート
K塩(C18)が特に好ましい。
【0014】なお、水への溶解性を向上する観点から
は、アルキルエステル基の数は2よりも1の方が好まし
い。
【0015】これらアルキル燐酸エステル無機塩の配合
比率は、後述の無機酸化物も含む全油剤中、40〜80
重量%、好ましくは45〜65重量%とするものであ
る。この配合比率が40重量%未満では、制電性能およ
び平滑性能が損なわれ、一方、80重量%を越えると、
収束性が不足するという傾向となる。特に、45〜65
重量%の範囲内では、制電性能と平滑性能のいずれもが
優れたものを得ることができ、本発明ではかかる効果の
顕著さから45〜65重量%とするものである。
【0016】次に本発明に用いる不活性無機酸化物は、
スピンドルの回転数が1.6万rpm以上の高速リング
精紡におけるアンチノードリングへのポリマーおよび油
剤の堆積による糸切れの増加、染色差および糸強力低下
の問題点を解消することを目的として配合する。不活性
無機酸化物の粒子径としては、10〜150mμ、好ま
しくは20〜100mμとするものである。この粒子径
が10mμ未満であれば、配合比率は10重量%を越え
ないとアンチノードリングへのポリマーおよび油剤の堆
積除去の効果がない。しかし、配合比率が10重量%を
越えると後述の問題がある。粒子径150mμを越える
と、対金属脱落が悪化するようになるため配合比率1重
量%未満としなければならない。しかし、配合比率が1
重量%未満であると、後述の問題がある。
【0017】また、不活性無機酸化物の配合比率として
は、全油剤に対して1〜10重量%とするものである。
不活性無機酸化物の配合比率が1重量%未満であると、
アンチノードリングへのポリマーおよび油剤の堆積除去
の効果が不十分となる。一方、10重量%を越えると、
無機酸化物紡績脱落は多くなるし、また摩擦増加により
紡績性が著しく低下する。
【0018】次に、本発明に用いるポリエステル繊維
は、反復単位の85モル%以上がエチレンテレフタレー
トからなるもので、特にテレフタル酸またはその誘導体
と、エチレングリコールとから製造されるポリエステル
繊維を主たる対象とするが、酸成分としてテレフタル酸
またはその誘導体の1部を15モル%未満までの例えば
イソフタル酸、アジピン酸、セバチン酸またはこれらの
誘導体などの中から選択された少なくとも1種で置き換
えるか、もしくはグリコール成分としてエチレングリコ
ールの1部を15モル%未満までの例えばジエチレング
リコール、プロピレングリコールなどの2価アルコール
の中から選択された少なくとも1種で置き換えた共重合
ポリエステル繊維も含まれる。また、この繊維の好まし
い平均繊維長は、35〜51mmである。
【0019】また、本発明は、ポリマー内部に酸化チタ
ン粒子を含まない、いわゆるスーパーブライト繊維や酸
化チタン粒子の含有量の少ない、いわゆるブライト繊維
に対し適用する場合において、特に効果が顕著であり好
ましい。
【0020】本発明においては、ポリエステル繊維に上
記した組成の高速リング精紡用油剤を付与するものであ
るが、その際の油剤組成物は水または温水で希釈してエ
マルジョンとし、紡糸および延伸工程でのトウ、あるい
はカット綿に対して、浸漬またはスプレー方式で処理す
るのが一般的である。
【0021】また、ポリエステル繊維に対する付与量
は、油剤の種類、混紡すべき繊維の種類、混紡率により
最適値が選択されるが、制電性を良好なものとし、一
方、紡績操業性を向上するとともにコスト上昇を防ぐ観
点から、ポリエステル繊維重量に対して0.1〜0.3
重量%の範囲が好ましい。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明の効果を具体的に
説明する。
【0023】なお、本発明において用いた効果の測定法
は次の通りである。
【0024】(1)カード帯電圧は、豊田CK−7Dの高
速カードを用い30℃,40%RH 雰囲気下で春日式KS−3
25型の静電気測定器で測定した。
【0025】(2)シリンダー巻付きは、スライバー定量
300〜360ゲレン/6ヤード紡出時に、シリンダー
巻付きの有無を判定した。
【0026】(3)カード,練条コイリングフォームは、
ケンスに一定量のスライバーを収納した時の、コイリン
グの崩れ状態を判定した。
【0027】(4)練条ローラ巻付きは、クリヤラーを外
し、3HK当たりの巻き付き回数を評価した。
【0028】(5)スピンドル20500rpm 時における
1ドッフ目と20ドッフ後の糸強力を測定し、アンチノ
ードリングへのポリマーおよび油剤の堆積と不活性無機
酸化物による除去の効果を確認した。
【0029】(実施例1)ポリエステルステープル
(1.3d×38mm)のトウ乾燥後に、表1に示す3
種類の油剤をスプレー方式で付与し、油剤付着量が繊維
に対して0.15重量%になるようにして、このポリエ
ステル繊維を単独(100%使い)で試紡した。結果を
表2に示す。
【0030】なお、カード帯電圧,練条ローラ巻付き,
糸強力はいずれも実測データ、シリンダー巻付き,コイ
リングフォーム,スカムについては、良好な結果が得ら
れたものを○、順次悪化の程度により△、×となること
を目視により定性的に判定した。
【0031】
【表1】
【表2】 (実施例2)表1に示したAの油剤を用い酸化アルミニ
ウムの粒子径と配合比率に対する紡績性の影響を表3に
示す。
【0032】
【表3】
【0033】
【発明の効果】本発明のポリエステル繊維は、アルキル
燐酸エステル無機塩を主成とした界面活性剤に不活性無
機酸化物を添加した高速精紡用油剤を採択することによ
り、スピンドルの回転数が1.6万以上の超高速リング
精紡が可能となる。また、本発明油剤を付与すること
で、超高速リング精紡において問題となっていたアンチ
ノードリングへのポリマーおよび油剤の堆積を不活性無
機酸化物により除去することで、糸切れの増加、染色差
および糸強力低下などの超高速リング精紡機を用いたポ
リエステル繊維の問題点を解消することができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 13/292

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均繊維長が35〜51mmのポリエステ
    ル短繊維であって、炭素数8〜22のアルキルエステル
    基を有する燐酸エステルの無機塩からなる界面活性剤
    5〜65重量%および粒子径10〜150mμの不活性
    無機酸化物1〜10重量%を配合してなる油剤が付与さ
    れていることを特徴とする高速リング精紡用ポリエステ
    ル繊維。
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