JPS6357548B2 - - Google Patents

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JPS6357548B2
JPS6357548B2 JP58187627A JP18762783A JPS6357548B2 JP S6357548 B2 JPS6357548 B2 JP S6357548B2 JP 58187627 A JP58187627 A JP 58187627A JP 18762783 A JP18762783 A JP 18762783A JP S6357548 B2 JPS6357548 B2 JP S6357548B2
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JP
Japan
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oil
weight
carbon atoms
oxide
integer
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JP58187627A
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JPS6081375A (ja
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Toshio Yamamoto
Fumihiko Kimura
Osamu Ogiso
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Takemoto Oil and Fat Co Ltd
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Takemoto Oil and Fat Co Ltd
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Publication date
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Priority to DE8484306559T priority patent/DE3468710D1/de
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Publication of JPS6357548B2 publication Critical patent/JPS6357548B2/ja
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Chemical Treatment Of Fibers During Manufacturing Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は合成繊維処理用油剤(以下油剤と略記
する)及び該油剤による合成繊維の処理方法に関
し、更に詳しくは、ポリエステル繊維やポリアミ
ド繊維等の熱可塑性合成繊維の嵩高加工糸を製造
するに際し、潤滑性、集束性及び静電気防止性に
加えて高度の熱処理ヒーター汚染防止能力(以下
耐ヒーター汚染性と略記する)を発揮する油剤及
び該油剤による合成繊維の処理方法に関する。 近年、熱可塑性合成繊維の製造・加工は、省力
化や工程短縮による生産性向上の達成ということ
もあつて、パーシヤリーオリエンテツドヤーン
(以下POYと略記する)を製造すること及び該
POYを用いて延伸と仮撚加工を遂時的又は同時
的に行なつて嵩高加工糸を製造すること等が提案
され、その高速化が一段と図られているが、かか
る高速化は現今においてますます急速に進みつつ
ある。 そして、このように高速化が進むと、そこに使
用する油剤にも、 (i) 各種接触体(例えばローラー、ガイド、熱処
理ヒーター、デイスク等)に接触走行する糸条
のスピードの増大や接圧の増大がもたらされる
ため、仮撚用原糸、特に延伸仮撚用原糸が高度
の潤滑性、集束性及び静電気防止性を備えてい
るような油剤が要求されてくる。 (ii) 熱処理ヒーターを通過する単位時間当りの糸
量の増加や糸へのねじり変形作用上昇による遠
心力の増加等によつて、熱処理ヒーター上への
各種脱落が促進され、またフイラメントの捲縮
固定に必要な熱量を該フイラメントに供給する
ために、必然熱処理ヒーターの長さの増大や表
面温度の上昇が図られることから、脱落成分が
ますます熱劣化し易くなる。そして、熱処理ヒ
ーター表面に熱劣化成分(例えばタール)が堆
積すると、毛羽、糸切れ捲縮斑等の悪影響が発
生する。これがため、そのような脱落が抑制さ
れ、耐ヒーター汚染性に優れた油剤が要求され
てくる。 既に、後続の仮撚工程を円滑に行なうため、紡
糸工程において付与する。種々の化合物を含有の
油剤が提案されている。しかし、かかる既に提案
の油剤では、前述の如くますます厳しくなりつつ
ある仮撚加工条件に充分対応することができなく
なつている。例えば、油剤の耐ヒーター汚染性に
関する工程の実情は、止むなく機台を毎々停止さ
せ、ヒーター表面を清掃して対処しており、この
ために熱効率のロス、清掃人員投入による省力化
への逆行、生産効率の低減等を招来し、これらが
解決すべき重要な問題となつているのである。仮
撚加工の著るしく急速な高速化が進行している今
日、そこに使用する油剤には、前述の(i)や(ii)の要
求に充分応えるべく、耐ヒーター汚染性、潤滑
性、集束性及び静電気防止性等を総合的に全体と
して高度に充足していることが必須である。 従来、供給糸の熱処理工程における耐熱性を向
上させる手段として、繊維に付与される油剤自体
の耐熱性を改善することが重要とされ、それ自体
が熱劣化してヒーター汚染をすることのないよう
な油剤が種々検討されており、その例を挙げると
次の通りであるが、それぞれに欠点がある。 先ず、油剤の主要成分である潤滑剤に関し、鉱
物油や脂肪酸エステル類は耐発煙性や抗タール化
性に欠ける。分子中に四級炭素を導入したエステ
ル化合物(特開昭50−53695号)や分子中にフエ
ニル基を導入したポリオキシアルキレン化ビスフ
エノールと脂肪酸とのエステル(特公昭53−
43239号等)は抗タール化性に欠ける。ポリジメ
チルシロキサン及びその末端変性物(特公昭58−
12391号、特開昭55−67075号)は静電気発生が著
るしく、精練性や他の油剤成分との相容性が欠け
る。メチルフエニルポリシロキサンやポリエポキ
シシロキサン(特開昭49−30621号、特開昭51−
67415号)等の変性シリコーンはいずれも油剤配
合成分として多量(目安として10重量%を超える
量)に用いると、それ自体が熱劣化した不溶性の
スラツジをヒーター表面上に生じる。そして現
在、公知化合物の中では最も有用な潤滑剤として
認識されているポリエーテル系化合物(特開昭56
−31077号)は前述の如く仮撚工程での高速化に
ともなう各種処理条件の厳しい変化により、この
系統の処理用油剤においてもヒーター汚染が問題
となり、更にこれに添加する乳化剤や静電気防止
剤等の種類及び添加量によつては一層汚染の程度
が著るしくなることも指摘されている。 次に、かかる潤滑剤とは別の成分に関し、酸化
防止剤を少量添加する例(特公昭48−17517号、
特開昭53−19500号)は若干の効果が得られるも
のの、高速加工条件には耐えられない。ポリジメ
チルシロキサン、メチルフエニルボリシロキサン
又はポリエポキシシロキサンを少量(目安として
10重量%以下)添加する例(特公昭54−5040号、
特開昭55−137273号)は抗タール化性が不充分
で、しかも一般に水溶性がなく(多量使用の場合
も同様)、油剤成分としてこれらの化合物を水に
分散するために添加した乳化剤が逆にヒーター汚
染源となる。 また、同様に潤滑剤とは別の成分につき、ポリ
アルキレンオキサイド変性ポリシロキサンを利用
したものに関し、ポリエチレンオキサイド変性ポ
リシロキサンを使用する例(特公昭44−27518号)
は未だ仮撚加工用原糸油剤として充分な耐ヒータ
ー汚染性を有するに至つていない。ポリエーテル
化合物とともに動粘度15cst以上の線状有機ポリ
シロキサンを使用する例(特開昭48−5309号)は
その実施例である例えばメチル(ポリエチレンオ
キサイド)ポリシロキサンによるとヒーター汚染
に対する耐久性が少ない。親和性のあるポリアル
キレンオキサイドとの併用手段により多量(35重
量%以上)にポリアルキレンオキサイド変性シリ
コーンを使用する例(特開昭50−59551号)は該
変性シリコーンの糸条からヒーター上への脱落を
低減せしめ、もつてそれ自体がヒーター上で白色
状スラツジを生成する欠点を改良しようとするも
のであるが、前述の如く仮撚性は延伸仮撚スピー
ドの増大が糸条に大きな遠心力を及ぼすため、物
理的手段によつて繊維表面から油剤成分が絞られ
そしてふり切られることを防止するには極めて困
難となつている。ポリアルキレンオキサイド変性
ポリシロキサンと反応性シリコーン化合物とを前
者/後者=5〜400/100重量部の割合で併用する
例(特開昭52−96297号)は該変性ポリシロキサ
ンを油剤成分として10重量%以上使用すると、そ
れ自体が熱劣化した、不溶性のスラツジをヒータ
ー表面上に生じる。 本発明は、叙上の従来欠点等を解消し、前述の
高速加工における要求に応える、改良された油剤
及び該油剤による処理方法を提供するものであ
り、ポリエステル繊維やポリアミド繊維等の熱可
塑性合成繊維を仮撚加工又は遂次的或いは同時的
に延伸と仮撚加工とを行なつて嵩高加工糸を高速
製造するに際し、高度の耐ヒーター汚染性、潤滑
性、集束性及び静電気防止性を総合的に全体とし
て発揮することができる油剤及び該油剤による合
成繊維の処理方法を提供するものである。 前述したように、今日においてもなお、熱処理
工程における耐ヒーター汚染性を向上させる手段
として、その殆んどが、繊維に付与する油剤自体
の抗タール化性を改善することのみに主眼がおか
れている。しかしながら本発明者らは、それ自体
のタール化が前述の他のベース成分よりも改善さ
れたポリエーテル化合物においてもなお、ヒータ
ー汚染が問題になつていることの原因を追究した
結果、熱処理ヒーターに蓄積するスラツジが油剤
劣化物以外に走行糸条それ自体から発生する多量
のオリゴマーと若干のポリマー及びこれらの熱劣
化物を含有して成るものであることを発見し、油
剤自体の熱劣化にともなうタール化物とオリゴマ
ー及びポリマー等の糸条からの脱落物及びそれら
の劣化物(タール化物)とを同時に且つ高度に軽
減し得る油剤だけが仮撚や延伸仮撚の高速化を工
業的に充分達成することができるとの考えに到達
した。そして更に鋭意研究した結果、静電気防止
剤及び潤滑剤を所定量含有する油剤に、特定の変
性を施した限られた分子構造及び分子量のポリア
ルキレンオキサイド変性ポリシロキサンを所定の
少量加えたものが、前述のようなヒータースラツ
ジを大幅に減少することができることを見出し、
本発明を完成するに至つた。 すなわち本発明は、今日ますます急速に進行し
つつある合成繊維糸条の高速処理を工業上極めて
円滑になし得る、それぞれ次のような、油剤及び
該油剤による合成繊維の処理方法に係る。 炭素数2〜4のアルキレンオキサイドから誘導
されるポリエーテル化合物を主要成分とする潤滑
剤をベースオイルとして、次の一般式()で示
される平均分子量が2500以上のポリアルキレンオ
キサイド変性ポリシロキサンを0.05〜10重量%、
及び分子中に炭素数8〜18の親油基を有するアニ
オン界面活性剤を0.5〜8重量%含有して成る合
成繊維処理用油剤。 一般式(): 〔但し、Xは
【式】lは20〜100の整数 である。 またYは
【式】mは1 〜9の整数である。そしてここに、R1は炭素数
3〜4のアルキレン基、R2は水素又はメチル基、
aとbとは15≦a+b≦80且つ2/8≦b/a≦
8/2を満足する整数である。 尚、Xで示されるポリジメチルシロキサンとY
で示されるポリアルキレンオキサイド変性シロキ
サンとの繰り返し部分及びaでくくられているポ
リエチレンオキサイドとbでくくられているポリ
プロピレンオキサイドとの繰り返し部分は、ブロ
ツク又はランダムの何れの方法で繰り返されてい
てもよい。〕 巻取り速度2000〜4500m/分で巻取られるポリ
エステル繊維又はポリアミド繊維のパーシヤリー
オリエンテツドヤーンに、炭素数2〜4のアルキ
レンオキサイドから誘導されるポリエーテル化合
物を主要成分とする潤滑剤をベースオイルとし
て、前記一般式()で示される平均分子量が
2500以上のポリアルキレンオキサイド変性ポリシ
ロキサンを0.05〜10重量%、及び分子中に炭素数
8〜18の親油基を有するアニオン界面活性剤を
0.5〜8重量%含有して成る処理用油剤を付着せ
しめることを特徴とする合成繊維の処理方法。 本発明において、前記一般式()で表わされ
るポリアルキレンオキサイド変性ポリシロキサン
は、油剤の必須成分として少量添加されるが、
分子量が2500以上、Yの繰り返し数mが1〜9
個、Y中のアルキレンオキサイド鎖がエチレン
オキサイド(以下EOと略記する)とプロピレン
オキサイド(以下POと略記する)の繰り返し
(ブロツク又はランダム)、該EOの繰り返し数
aと該POの繰り返し数bとが15≦a+b≦80且
つ2/8≦b/a≦8/2、Yの繰り返し数m
とXの繰り返し数lがm/l=1/100〜45/
100、以上の〜の諸要件を充足するもので、
かかる特定の変性を施した一般式()の化合物
が、所望の効果、とりわけ著るしい耐ヒーター汚
染性を発揮する。一般式()に付記した何れの
諸要件が欠けても、本発明の目的を充分に達成す
ることができない。例えば、分子量が2500よりも
小さいと、それ自体が仮撚工程での厳しい熱処理
条件に耐えきれず、発煙又は揮散したりし、安定
な油膜をを形成し得ないためか、効果が少ない。
mが10以上であつたり、lが19以下の場合、ポリ
エーテルに近い性質となり、走行糸条からのオリ
ゴマーの脱落が多くなつて、本化合物を添加しな
い場合と同じような効果しか得られない。lが
100を超えると、ポリジメチルシロキサンと類似
の性能となつてくるためか、耐ヒーター汚染性が
低下するばかりでなく、それ自体がワニス状物を
形成するようになる。aやbが前記の要件から外
れると、それ自体の性質及び他の油剤成分との相
溶性低下から繊維表面に均一安定な油膜を形成し
ないためか、充分な効果が得られない。 このような一般式()で表わされる化合物
は、例えば、次の(i)の化合物と(ii)の化合物とのヒ
ドロシリル化反応等の方法によつて容易に合成さ
れる。 (i) アリルアルコールのEO及びPO付加物或いは
この末端ヒドロキシ基をメチルエーテル化した
化合物。 (ii) ランダム又はブロツクに位置した水素原子を
有するメチルハイドロジエンポリシロキサン…
【式】で、Rが CH3とHの混合物であり、ランダム又はブロツ
クに配置したもの。 また本発明において、分子中に炭素数8〜18の
親油基を有するアニオン界面活性剤は、走行糸条
に発生する摩擦帯電量を低く抑え且つ生じた電荷
を速やかに漏洩させるもので、スルホネート塩、
サルフエート塩、ホスフエート塩又はカルボン酸
塩等の1種又は2種以上が使用されるが、分子中
に親水基と炭素数8〜18の親油基とを持ち、静電
気防止剤として使用される全てが対象となり得
る。具体例を挙げると、スルホネート塩としてア
ルカンスルホネートやアルキルベンゼンスルホネ
ート等のアルカリ金属塩又は有機アミン塩、サル
フエート塩として高級アルコールサルフエート又
はポリオキシアルキレンアルキルエーテルサルフ
エート等のアルカリ金属塩又は有機アミン塩、ホ
スフエート塩として各種の天然アルコールや1級
或いは2級の合成アルコール更にはこれらのアル
キレンオキサイド付加等のホスフエートのアルカ
リ金属塩又は有機アミン塩、カルボン酸塩として
脂肪族モノカルボン酸塩やジカルボン酸塩等があ
る。これらの中で、分子中に親油基として炭素数
8〜18のアルキル基又はアルケニル基を有する、
ナトリウム又はアルカノールアミン塩が好まし
い。 更に本発明において、ベースオイルとなる潤滑
剤の主要成分であるポリエーテル化合物は、繊維
製造加工工程で糸条に良好な集束性を与え、厳し
い仮撚条件下で優れた潤滑効果を示し、それ自体
の熱劣化によるヒータータール化物が少ない等の
特長を有するものであり、その化学構造が特に限
定されるというものではないが、平均分子量が
700以上のものがよい。平均分子量が700より小さ
いと、仮撚又は延伸仮撚工程での耐発煙性、集束
性、潤滑性が低下する傾向になる。具体例を挙げ
ると、アルコール類(炭素数1〜18の飽和アルコ
ール、オレイルアルコール、炭素数10〜15の合成
アルコール、還元アルコール、ヘキサデカノール
等の1価アルコール。炭素数2〜12のジオール。
グリセリン、トリメチロールプロパン等の多価ア
ルコール。アルキルフエノール等)、カルボン酸
類(カプリン酸、アジピン酸、トリメリツト酸
等)、アミン系化合物(ラウリルアミン、エチレ
ンジアミン、トリエタノールアミン等)、チオエ
ーテル系化合物又はメルカプタン系化合物(チオ
グリコール、トリエチレングリコールジメチルカ
プタン等)に、EO、PO、ブチレンオキサイド又
はテトラヒドロフラン等の環状エーテルモノマー
を、触媒の存在下、ブロツク又はランダムに開環
付加重合させたものがあり、またこれらの末端ヒ
ドロキシ基をエーテル化やシリル化したもの、更
にはこれらの2分子の末端ヒドロキシ基をホルマ
ール化やシリル化で縮合したもの等がある。潤滑
剤成分として、かかるポリエーテル化合物にエス
テル化合物及び/又は鉱物油を併用することも有
効である。これらのエステル化合物及び/又は鉱
物油は、実質的に潤滑剤・摩擦抵抗低下剤として
の効果を有するものであれば特に制限はないが、
その効果の程度及び耐ヒーター汚染性の点で、脂
肪族アルコールと1価脂肪族とのモノ又はジエス
テル、ポリオキシ(エチレン/プロピレン)脂肪
族アルコールと1価又は2価の脂肪酸とのモノ又
はジエステル、30℃におけるレツドウツド粘度が
40〜200秒の精製鉱物油がそれぞれ好ましい。 本発明の油剤は、以上説明した、ポリアルキ
レンオキサイド変性ポリシロキサン、及びアニ
オン界面活性剤を、ポリエーテル化合物を主要
成分とする潤滑剤に特定比率で配合して成るもの
で、これらの3成分を特定比率で配合することに
よつて、所望通りの相乗効果を発揮せしめるので
ある。しかして、は0.05〜10重量%、は0.5
〜8重量%、は82〜99.45重量%である。が
0.05重量%より少ないと、効果が充分に発揮され
ず、ヒーター上への油剤のタール化物や、糸条か
ら発生するオリゴマー、ポリマーの脱落物及びそ
れらの劣化物が増加し、一方10重量%を超える
と、それ自体が熱冷化した不溶性スラツジが発生
して、かえつてヒーター汚染の原因となる。ま
た、が0.5重量%未満では各種の電気障害を生
じ、一方8重量%を超えるとヒータータールが増
加する。 尚、本発明に係る油剤は、前述した各化合物以
外に、乳化調節剤、湿潤剤、防カビ剤、防錆剤等
を適宜含有し得る。 次に、以上説明した油剤による繊維の処理方法
について説明する。本発明の油剤は、紡糸油剤と
して合成繊維に適用され、その効果を発揮するも
のであるが、その使用に当たつては、水性エマル
ジヨンとして、有機溶剤溶液として又は油剤その
まま(ストレートオイリング)で合成繊維に付与
することができる。この際、該油剤の合成繊維へ
の付着量は通常、糸状に対し油剤実効成分として
0.2〜1.0重量%程度である。 本発明の油剤を付与する対象となるのは、ポリ
プロピレンやポリアクリロニトリル等をも含む合
成繊維であるが、特に、ポリエステルやポリアミ
ド繊維を対象として、2000〜4500m/分の巻取速
度で巻取られるPOYに、本発明の油剤を0.25〜
0.7重量%程度付与し、次いで仮撚又は延伸仮撚
に供する場合に、本発明の目的とする効果の発現
が極めて著るしい。 以上説明した通り、本発明の油剤は、前述の如
き特定の3成分を特定比率で配合して成り、その
相乗効果によつて、従来の油剤にはない、高速製
造加工上の卓越した総合安定性、特に耐ヒーター
汚染性を得ることができるのである。かかる顕著
な効果の主因は、従来油剤が、油剤自体のタール
化を減少させることのみに改良を重ねていたのに
対し、本発明では、油剤以外のヒータータール構
成物である糸条のオリゴマーやポリマーの脱落を
も軽減せしめ、且つヒーターへの脱落物の熱劣化
を防止せしめたところにある。 以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。尚、以下の記載中、油剤組成比
は特にことわりのない限り重量%をあらわす。 実施例1〜5、比較例1〜10 第1表に記載した実施例1〜5の油剤と比較例
1〜10の油剤をそれぞれ配合調整した。これらの
各油剤を用い、いずれも次の方法で、POYを製
造し、該POYを用いて延伸仮撚を行ない、POY
綾落、走行糸条の帯電圧、延伸仮撚糸の毛羽、ヒ
ーター汚染の4項目を評価した。結果を第1表に
示した。この第1表の結果からも、本発明の油剤
によれば、POYの綾落、POY延伸仮撚時のヒー
ター汚染及び静電気障害の発生が認められず、ま
た毛羽のない良好な仮撚糸が得られ、その優れた
性能の充分に発揮されていることが判る。 ・・POYの製造 ポリエチレンテレフタレートの溶融紡糸直後に
油剤の10%エマルジヨンを用いて、ローラータツ
チ法で給油し、3300m/分の速度で巻き取り、
115デニール×36フイラメントのPOYの12Kg巻き
ケーキを得た。油剤付着量はPOYに対し0.4〜0.5
重量%とした。 ・・延伸仮撚 施撚方法=3軸摩擦方式(ソリツドセラミツク
デイスク)、糸条走行速度=400m/分、延伸倍率
=1.518、加撚側ヒーター=長さ2mで表面温度
210℃、解撚側ヒーター=なし、目標撚数=
3200T/m、 ・POY綾落の評価(各表中の綾落) POYケーキ端面にフイラメントが直線上には
み出しているか否かを肉眼観察した。この現象は
延伸仮撚時のPOYが解舒される際の断糸の原因
となる。 ・・走行糸条の帯電圧の評価(各表中の帯電圧) 前記した仮撚工程において、施撚装置及びデリ
ベリーローラーを通過した直後の走行糸条の帯電
圧を集電式電位測定器(春日電機社製)により測
定し、次の基準で評価した。 〇:帯電圧0〜300ボルト △: 〃 301〜1000ボルト ×: 〃 1000<ボルト ・・延伸仮撚糸の毛羽の評価(各表中の毛羽) 20日間運転後に得られた仮撚糸チーズ(2Kg巻
き)の端面における毛羽発生の有無を肉眼観察
し、次の基準で評価した。 〇:毛羽発生無し △:毛羽1〜2個有り ×:毛羽3個以上有り ・・ヒーター汚染の評価(各表中のヒーター) 前記した延伸仮撚の条件で、20日間連続運転し
た後、加撚側ヒーターの糸道におけるタール、ス
カム等の発生の有無を拡大鏡により観察し、次の
基準で評価した。 〇:殆んどヒーター汚染が認められない ×:ヒーター汚染が認められる
【表】
【表】 実施例6〜11、比較例11〜14 第2表に記載した実施例6〜11の油剤と比較例
11〜14の油剤をそれぞれ配合調整した。これらの
各油剤を用い、いずれも次の方法でPOYを製造
し、該POYを用いて延伸仮撚を行ない、POY綾
落、走行糸条の帯電圧、延伸仮撚糸の毛羽、ヒー
ター汚染及びヒーター汚染物中のポリエステルオ
リゴマー量(第2表中オリゴマー、重量%)の5
項目を評価した。結果を第2表に示した。この第
2表の結果からも、本発明の油剤によれば、
POYの綾落、POY延伸仮撚時のヒーター汚染及
び静電気障害の発生が認められず、また毛羽の無
い良好な仮撚糸の得られていることが判る。 尚、ヒーター汚染物組成につき、代表として比
較例14を挙げると、この例はポリエーテル系潤滑
剤96重量%、アニオン系界面活性剤4重量%から
なつているが、表中記載で明らかなように、ヒー
ター汚染が認められ、またこの汚染物上を糸条が
走行するためか、延伸仮撚糸の毛羽も多い。そし
て、このヒーター汚染物を採取し、構成物の分離
及び赤外吸収スペクトルによる特定吸収からの同
定、融点の測定等を実施して(第2表中オリゴマ
ーも同じ方法によつた)、該ヒーター汚染物の分
析を行なつたところ、ポリエステルの環状オリゴ
マーが60重量%、ポリマーが5重量%、油剤成分
が5重量%、油剤及びオリゴマー並びにポリマー
等の熱劣化物(タール化物)が30重量%であり、
オリゴマーが多く含有されていた。 ・・POYの製造 ポリエチレンテレフタレートの溶融紡糸直後
に、油剤の10%エマルジヨンを用いて、ローラタ
ツチ法で給油し、3500m/分の速度で巻き取り、
76デニール×36フイラメントのPOYの12Kg巻き
ケーキを得た。油剤付着量はPOYに対し0.30〜
0.35重量%とした。 ・・延伸仮撚 施撚方法=3軸摩擦方式(硬質ウレタンゴムデ
イスク)、糸条走行速度=800m/分、延伸倍率=
1.518、加撚側ヒーター=長さ2mで表面温度220
℃、解撚側ヒーター=なし、目標撚数=3450T/
m、 ・・POY綾落、走行糸条の帯電圧、延伸仮撚の
毛羽及びヒーター汚染の各評価は実施例1〜5
の場合と同じ。
【表】
【表】 実施例12〜16、比較例15〜27 第3表記載の各油剤を用い、いずれも次の方法
で、実施例1〜5の場合と同様に行なつた。結果
を第3表に示したが、この第3表からも、本発明
の油剤の優れた性能が判る。 ・・POYの製造 ポリアミド(6、6ナイロン)の溶融紡糸直後
に、油剤の13%エマルジヨンを用いて、ガイドオ
イリング法で給油し、4000m/分の速度で巻き取
り、36デニール×7フイラメントのPOYの8Kg
巻きケーキを得た。油剤付着量はPOYに対し
0.45〜0.55重量%とした。 ・・延伸仮撚 施撚方法=3軸摩擦方式(硬質ウレタンゴムデ
イスク)、糸条走行速度=1100m/分、延伸倍率
=1.200、加撚側ヒーター=長さ2.5mで表面温度
230℃、解撚側ヒーター=なし、目標撚数=
3000T/m、 ・・POY綾落、走行糸条の帯電圧、延伸仮撚糸
の毛羽及びヒーター汚染の各評価は、実施例1
〜5の場合と同じ。但し、後二者の評価は10日
間連続運転後を対象とした。
【表】
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 炭素数2〜4のアルキレンオキサイドから誘
    導されるポリエーテル化合物を主要成分とする潤
    滑剤をベースオイルとして、次の一般式()で
    示される平均分子量が2500以上のポリアルキレン
    オキサイド変性ポリシロキサンを0.05〜10重量
    %、及び分子中に炭素数8〜18の親油基を有する
    アニオン界面活性剤を0.5〜8重量%含有して成
    る合成繊維処理用油剤。 一般式(): 〔但し、Xは【式】lは20〜100の整数 である。 また、Yは
    【式】mは1 〜9の整数である。そしてここに、R1は炭素数
    3〜4のアルキレン基、R2は水素又はメチル基、
    aとbとは15≦a+b≦80且つ2/8≦b/a≦
    8/2を満足する整数である。 尚、Xで示されるポリジメチルシロキサンとY
    で示されるポリアルキレンオキサイド変性シロキ
    サンとの繰り返し部分及びaでくくられているポ
    リエチレンオキサイドとbでくくられているポリ
    プロピレンオキサイドとの繰り返し部分は、ブロ
    ツク又はランダムの何れの方法で繰り返されてい
    てもよい。〕 2 潤滑剤がエステル化合物及び/又は鉱物油を
    含有するものである特許請求の範囲第1項記載の
    合成繊維処理用油剤。 3 巻取り速度2000〜4500m/分で巻取られるポ
    リエステル繊維又はポリアミド繊維のパーシヤリ
    ーオリエンテツドヤーンに、炭素数2〜4のアル
    キレンオキサイドから誘導されるポリエーテル化
    合物を主要成分とする潤滑剤をベースオイルとし
    て、次の一般式()で示される平均分子量が
    2500以上のポリアルキレンオキサイド変性ポリシ
    ロキサンを0.05〜10重量%、及び分子中に炭素数
    8〜18の親油基を有するアニオン界面活性剤を
    0.5〜8重量%含有して成る処理用油剤を付着せ
    しめることを特徴とする合成繊維の処理方法。 一般式(): 〔但し、Xは【式】lは20〜100の整数 である。 また、Yは
    【式】mは1 〜9の整数である。そしてここに、R1は炭素数
    3〜4のアルキレン基、R2は水素又はメチル基、
    aとbとは15≦a+b≦80且つ2/8≦b/a≦
    8/2を満足する整数である。 尚、Xで示されるポリジメチルシロキサンとY
    で示されるポリアルキレンオキサイド変性シロキ
    サンとの繰り返し部分及びaでくくられているポ
    リエチレンオキサイドとbでくくられているポリ
    プロピレンオキサイドとの繰り返し部分は、ブロ
    ツク又はランダムの何れの方法で繰り返されてい
    てもよい。〕 4 潤滑剤がエステル化合物及び/又は鉱物油を
    含有するものである特許請求の範囲第3項記載の
    合成繊維の処理方法。
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