JP3897325B2 - 合成繊維処理剤及び合成繊維処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は合成繊維処理剤(以下、単に処理剤という)及び合成繊維処理方法(以下、単に処理方法という)に関する。合成繊維の製造乃至加工工程では、該合成繊維に潤滑性及び静電気防止性を付与するために潤滑剤及び静電気防止剤を含有する処理剤を付着させるが、合成繊維を熱処理工程、例えば仮撚工程に供する場合には、かかる熱処理工程において該処理剤の熱劣化によるヒーター汚染を防止することが、毛羽や糸切れの発生を抑えて高品質の仮撚糸を得る上で重要である。本発明はかかるヒーター汚染を有効に防止できる処理剤及び処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記のようなヒーター汚染を防止する処理剤として、ポリエーテル化合物とポリオルガノシロキサン化合物とイオン性界面活性剤との混合物が使用されている。かかる従来の処理剤では、混合するポリオルガノシロキサン化合物として、1)25℃の粘度が30×10-6m2/s以上で且つ25℃の表面張力が28ダイン/cm以下のポリジメチルシロキサンやフロロアルキル変性ポリジメチルポリシロキサン(特開昭54−46923)、2)30℃の粘度が15×10-6m2/s以上のポリジメチルシロキサン(特開昭48−53093)、3)30℃の粘度が10×10-6〜80×10-6m2/sのフェニルポリシロキサン(特公昭47−50657)、4)ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(特公昭63−57548)等が使用されている。ところが、これら従来の処理剤では、熱処理工程におけるヒーター汚染の防止が不充分であり、とりわけ熱処理工程が近年開発された300℃以上のショートヒーターを用いるような仮撚工程である場合にはヒーター汚染の防止効果が殆どないという欠点がある。熱処理工程におけるヒーター汚染の防止が不充分であると、それによって毛羽や糸切れ等が発生し、高品質の加工糸を製造することができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来の処理剤では、熱処理工程、とりわけ300℃以上のショートヒーターを用いるような仮撚工程において、ヒーター汚染を防止できない点である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明者らは、合成繊維の熱処理工程において、とりわけ300℃以上のショートヒーターを用いるような仮撚工程においても、かかる工程のヒーター汚染を充分に防止できる処理剤及び処理方法を得るべく研究した結果、ポリエーテル化合物と特定の直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンとイオン性界面活性剤とから成る処理剤であって、該直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンとイオン性界面活性剤とをそれぞれ所定割合で含有する処理剤が正しく好適であり、またこの処理剤を熱処理工程に供する合成繊維に対し所定割合で付着させることが正しく好適であることを見出した。
【0005】
すなわち本発明は、ポリエーテル化合物と下記の直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンとイオン性界面活性剤とから成る処理剤であって、該処理剤中に、該直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンを0.1〜12重量%の割合で、また該イオン性界面活性剤を0.1〜12重量%の割合でそれぞれ含有して成ることを特徴とする処理剤に係る。
また本発明は、上記の処理剤を熱処理工程に供する合成繊維に対し0.1〜3重量%となるよう付着させることを特徴とする処理方法に係る。
【0006】
【式1】
【0007】
式1において、
R1,R4:炭素数1〜40の炭化水素基、炭素数2〜12のフロロアルキル基、活性水素を有する置換基で置換された炭素数2〜8の置換炭化水素基又は水酸基
R2,R3:炭素数3又は4のアルキレン基
R5,R6:炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフロロアルキル基又はフェニル基
A:炭素数2〜4のアルキレン基
p,q:2〜200の整数
m:3〜200の整数
n:1〜30の整数
【0008】
式1で示される直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンには、1)式1中のnが1である場合の、1個の線状ポリエーテル単位の両末端に各1個の線状ポリシロキサン単位が連結基を介して直鎖状に連結した構造を有する、両末端が線状ポリシロキサン単位であるもの、2)式1中のnが2〜30である場合の、2個以上の線状ポリシロキサン単位と2個以上の線状ポリエーテル単位とが連結基を介して直鎖状に連結した構造を有する、両末端が線状ポリシロキサン単位であるものが包含される。
【0009】
式1において、線状ポリシロキサン単位の末端基R1及びR4は、同時に同一又は異なる、炭素数1〜40の炭化水素基、炭素数2〜12のフロロアルキル基、活性水素を有する置換基で置換された炭素数2〜8の置換炭化水素基又は水酸基である。かかる炭素数1〜40の炭化水素基としては、1)メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デカニル基、ドデカニル基、テトラデカニル基、ヘキサデカニル基、オクタデカニル基、エイコサニル基、ドコサニル基、テトラコサニル基、トリアコンタニル基、テトラコンタニル基、イソプロピル基、イソブチル基、2−エチルヘキシル基、イソヘキサデシル基、イソテトラコサニル基等の、炭素数1〜40の脂肪族飽和炭化水素基、2)ビニル基、プロペニル基、オクタデセニル基、エイコセニル基、イソプロペニル基等の、炭素数2〜40の脂肪族不飽和炭化水素基、3)フェニル基、ナフチル基等の、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、4)プロピルフェニル基、オクチルフェニル基、トリデシルフェニル基、ジオクチルフェニル基、ジノニルフェニル基等の、アルキル基で置換された炭素数7〜24の置換芳香族炭化水素基等が挙げられる。また炭素数2〜12のフロロアルキル基としては、5)γ−トリフロロプロピル基、β,γ−ペンタフロロプロピル基、ヘプタフロロプロピル基、ペンタフロロエチル基、トリデカンフロロヘキシル基等が挙げられる。更に活性水素を有する置換基で置換された炭素数2〜8の置換炭化水素基としては、6)水酸基で置換された、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシヘキシル基等の、炭素数2〜8の置換脂肪族炭化水素基、7)メルカプト基で置換された、メルカプトエチル基、メルカプトプロピル基、メルカプトオクチル基等の、炭素数2〜8の置換脂肪族炭化水素基、8)アミノ基で置換された、アミノエチル基、アミノプロピル基、アミノブチル基、アミノヘキシル基、2−アミノエチルアミノエチル基、3−プロピルアミノプロピル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基等の、炭素数2〜8の置換脂肪族炭化水素基等が挙げられる。なかでも炭素数1〜10の脂肪族飽和炭化水素基、水酸基で置換された炭素数3〜6の置換脂肪族炭化水素基が好ましい。
【0010】
式1において、OAは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。かかる炭素数2〜4のオキシアルキレンとしてはオキシエチレン基、オキシプロピレン基、1,2−オキシブチレン基、1,4−オキシブチレン基等が挙げられる。これらのオキシアルキレン基は単独でもよいし或は混合でもよいが、なかでもオキシエチレン基単独或はオキシエチレン基とオキシプロピレン基との混合が好ましい。オキシエチレン基とオキシプロピレン基との混合の場合、形成されるオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位との結合様式或はエトキシ単位とプロポキシ単位との結合様式には、ブロック状とランダム状とが包含される。
【0011】
式1において、オキシアルキレン単位の数mは、3〜200の整数とするが、20〜150の整数とするのが好ましく、30〜100の整数とするのが特に好ましい。
【0012】
式1において、2価のシロキサン単位中のR5,R6は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフロロアルキル基又はフェニル基である。かかる炭素数1〜4のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、またフロロアルキル基としてはγ−トリフロロプロピル基、β,γ−ペンタフロロプロピル基等の部分フッ素置換アルキル基の他に、ヘプタフロロプロピル基、ペンタフロロエチル基等の全フッ素置換アルキル基が挙げられる。なかでもメチル基が好ましい。
【0013】
式1において、2価のシロキサン単位の数p,qは、2〜200の整数とするが、3〜50の整数とするのが好ましく、5〜20の整数とするのが特に好ましい。
【0014】
式1において、線状ポリシロキサン単位と線状ポリエーテル単位とを連結する連結基であるR2,R3は、炭素数3又は4のアルキレン基である。かかる炭素数3又は4のアルキレン基としては、トリメチレン基、テトラメチレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基が挙げられるが、トリメチレン基、テトラメチレン基、イソブチレン基が好ましい。
【0015】
式1において、線状ポリシロキサン単位と線状ポリエーテル単位から構成される単位の数nは、1〜30の整数とするが、1〜9の整数とするのが好ましい。
【0016】
本発明は本発明で用いる直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンの合成方法を特に制限するものではなく、これには例えば、1)相当するα−ハイドロジェンポリ(部分置換)ジメチルシロキサン2モルと両末端(メタ)アリルポリアルコキシレート1モルとを、クロル白金酸を触媒として加熱下に反応させる方法、2)相当するα、ω−ジハイドロジェンポリ(部分置換)ジメチルシロキサン2モル以上と両末端(メタ)アリルポリアルコキシレート2モル以上とを、クロル白金酸を触媒として加熱下にさせ、この反応で得られる末端が線状ポリシロキサン単位である化合物のヒドロシリル基に、前記したような炭素数2〜8の置換炭化水素基を形成することとなる化合物2モルを反応させる方法、3)相当するα、ω−ジハイドロジェンポリ(部分置換)ジメチルシロキサン2モル以上と両末端(メタ)アリルポリアルコキシレート2モル以上とを、クロル白金酸を触媒として加熱下に反応させ、この反応で得られる末端が線状ポリエーテル単位である化合物の(メタ)アリル基に、相当するα−ハイドロジェンポリ(部分置換)ジメチルシロキサン2モルを反応させる方法等が挙げられる。
【0017】
本発明で用いるイオン性界面活性剤としては、いずれも公知の、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が適用できる。なかでもかかるイオン性界面活性剤としては下記の式2で示される第4級オニウム塩が好ましい。
【0018】
【式2】
【0019】
式2において、
X:N又はP
R7,R8,R9,R10:炭素数1〜25のアルキル基、炭素数2〜25のアルケニル基又は炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基
By-:炭素数1〜30のリン酸エステル、炭素数1〜30の硫酸エステル、炭素数1〜30のスルホン酸エステル及び炭素数1〜30のカルボン酸から選ばれる化合物から水素イオンを除いたy価のアニオン基
y:1〜3の整数
【0020】
式2で示される第4級オニウム塩には、1)式2中のXがNである場合の、第4級アンモニウムカチオン基と1〜3価の前記した化合物から水素イオンを一部又は全部除いたアニオン基とからなる第4級アンモニウム塩、2)式2中のXがPである場合の、第4級ホスホニウムカチオン基と1〜3価の前記した化合物から水素イオンを一部又は全部除いたアニオン基とからなるものが包含される。
【0021】
先ず第4級アンモニウム塩について説明する。第4級アンモニウム塩を構成する第4級アンモニウムカチオン基には、1)式2中のR7〜R10(以下、式2中の有機基という)がいずれも炭素数1〜25のアルキル基である場合のもの、2)式2中の有機基がいずれも炭素数2〜25のアルケニル基である場合のもの、3)式2中の有機基がいずれも炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である場合のもの、4)式2中の有機基のうちで一部が炭素数1〜25のアルキル基であり、残部が炭素数2〜25のアルケニル基である場合のもの、5)式2中の有機基のうちで一部が炭素数1〜25のアルキル基であり、残部が炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である場合のもの、6)式2中の有機基のうちで一部が炭素数2〜25のアルケニル基であり、残部が炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である場合のもの、7)式2中の有機基のうちで一部が炭素数1〜25のアルキル基であり、他の一部が炭素数2〜25のアルケニル基であって、残部が炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である場合のものが包含される。
【0022】
かかる第4級アンモニウムカチオン基としては、1)テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、トリプロピルエチルアンモニウム、トリブチルメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリイソオクチルエチルアンモニウム、トリメチルオクチルアンモニウム、ジラウリルジメチルアンモニウム、トリメチルステアリルアンモニウム等の、式2中の有機基がいずれも炭素数1〜25のアルキル基である場合のもの、2)ジブテニルジエチルアンモニウム、ジメチルジオレイルアンモニウム、トリメチルオレイルアンモニウム、トリエチルエイコセニルアンモニウム等の、式2中の有機基のうちで一部が炭素数1〜25のアルキル基であり、残部が炭素数2〜25のアルケニル基である場合のもの、3)トリブチルヒドロキシエチルアンモニウム、ジ(ヒドロキシエチル)ジプロピルアンモニウム、トリ(ヒドロキシエチル)オクチルアンモニウム、トリ(ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウム等の、式2中の有機基のうちで一部が炭素数1〜25のアルキル基であり、残部が炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である場合のものが好ましく、なかでも式2中の有機基がいずれも炭素数1〜12のアルキル基である場合のもの、式2中の有機基のうちで一部が炭素数16〜22のアルケニル基であり、残部が炭素数1〜12のアルキル基である場合のもの、式2中の有機基のうちで一部が炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であり、残部が炭素数1〜12のアルキル基である場合のものが特に好ましい。これには例えば、トリブチルメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルオレイルアンモニウム、ジ(ヒドロキシエチル)メチルオクチルアンモニウム等が挙げられる。
【0023】
第4級アンモニウム塩を構成するアニオン基は、1〜3価の前記した化合物から水素イオンを一部又は全部除いたアニオン基である。かかる1〜3価の化合物としては、1)メチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、メチルオレイルホスフェート、ノニルフェニルオキシエトキシエチル・メチルホスフェート等の、炭素数1〜30のリン酸エステル、2)メチルサルフェート、エチルサルフェート、ラウリルサルフェート、オクチルフェニルオキシポリエトキシ(エトキシ単位の繰り返し数3)エチルサルフェート等の、炭素数1〜30の硫酸エステル、3)ブチルスルホネート、ラウリルスルホネート、ステアリルスルホネート、オレイルスルホネート、p−トルエンスルホネート、ドデシルフェニルスルホネート、オレイルフェニルスルホネート、ナフチルスルホネート、ジイソプロピルナフチルスルホネート等の、炭素数1〜30のスルホン酸エステル、4)酢酸、カプロン酸、ラウリン酸、2−エチルヘキサン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エルカ酸等の炭素数1〜30の脂肪族モノカルボン酸、マロン酸、アジピン酸、セバシン酸、ペンタデセニルコハク酸等の炭素数1〜30の脂肪族ジカルボン酸、安息香酸、フタル酸、トリメリット酸等の炭素数1〜30の芳香族カルボン酸、乳酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の炭素数1〜30の脂肪族ヒドロキシカルボン酸、チオジプロピオン酸等の炭素数1〜30の含硫黄脂肪族カルボン酸等の、炭素数1〜30のカルボン酸が挙げられる。なかでも炭素数1〜26の脂肪族リン酸エステル、炭素数1〜26の脂肪族スルホン酸エステル、炭素数1〜26の脂肪族カルボン酸が好ましく、炭素数8〜24の脂肪族スルホン酸エステル、炭素数8〜24の脂肪族カルボン酸が特に好ましい。これには例えば、ラウリルスルホネート、オレイルスルホネート、イソステアリン酸、オレイン酸、ペンタデセニルコハク酸等が挙げられる。
【0024】
本発明は、本発明に供する第4級アンモニウム塩の合成方法を特に制限するものではなく、これには例えば、1)相当する3級アミンとトリアルキルホスフェートとを反応させる方法、2)相当する3級アミンとジアルキル硫酸とを反応させる方法、3)相当する3級アミンに水の存在下でエチレンオキサイドを反応させて第4級アンモニウムハイドロオキサイドとし、次いでスルホン酸エステルを反応させる方法、4)相当する3級アミンとアルキルハライドとを反応させて第4級アンモウムハライドとし、次いでカルボン酸金属塩を反応させる方法等が挙げられる。
【0025】
次に第4級ホスホニウム塩について説明する。第4級ホスホニウム塩を構成する第4級ホスホニウムカチオン基には、第4級アンモニウムカチオン基について前記したことと同様、1)式2中の有機基がいずれも炭素数1〜25のアルキル基である場合のもの、2)式2中の有機基がいずれも炭素数2〜25のアルケニル基である場合のもの、3)式2中の有機基がいずれも炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である場合のもの、4)式2中の有機基のうちで一部が炭素数1〜25のアルキル基であり、残部が炭素数2〜25のアルケニル基である場合のもの、5)式2中の有機基のうちで一部が炭素数1〜25のアルキル基であり、残部が炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である場合のもの、6)式2中の有機基のうちで一部が炭素数2〜25のアルケニル基であり、残部が炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である場合のもの、7)式2中の有機基のうちで一部が炭素数1〜25のアルキル基であり、他の一部が炭素数2〜25のアルケニル基であって、残部が炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である場合のものが包含される。
【0026】
かかる第4級ホスホニウムカチオン基としては、1)テトラメチルホスホニウム、トリブチルメチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、メチルトリオクチルホスホニウム、ラウリルトリメチルホスホニウム等の、式2中の有機基がいずれも炭素数1〜25のアルキル基である場合のもの、2)トリメチルオレイルホスホニウム、オレイルトリプロペニルホスホニウム等の、式2中の有機基のうちで一部が炭素数1〜25のアルキル基であり、残部が炭素数2〜25のアルケニル基である場合のもの、3)トリブチル(2−ヒドロキシエチル)ホスホニウム、トリオクチル(4−ヒドロキシブテニル)ホスホニウム等の、式2中の有機基のうちで一部が炭素数1〜25のアルキル基であり、残部が炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である場合のものが好ましく、なかでも式2中の有機基がいずれも炭素数1〜4のアルキル基である場合のものが特に好ましい。これには例えば、トリブチルメチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム等が挙げられる。
【0027】
第4級ホスホニウム塩を構成するアニオン基は、第4級アンモニウム塩について前記したアニオン基と同様である。
【0028】
本発明は、本発明に供する第4級ホスホニウム塩の合成方法を特に制限するものではなく、これには例えば、それぞれ相当する有機酸の金属塩又はアンモニウム塩と第4級ホスホニウム塩とを溶媒中で混合し、副生する無機塩を水洗分離するか、又はメタノールやイソプロパノール更にはアセトン等の有機溶剤を用いて抽出する方法等が挙げられる。
【0029】
本発明で用いるポリエーテル化合物としては、公知のポリエーテル化合物、例えば特開昭56−31077号公報や特公昭63−57548号公報等に記載されているものが適用できる。かかるポリエーテル化合物としては、オキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とを主構成単位とするポリエーテルモノオール、ポリエーテルジオール、ポリエーテルトリオール等のポリエーテル(ポリ)オールが好ましく、なかでも平均分子量700〜20000のものが特に好ましい。ポリエーテル化合物は分子量の異なるポリエーテル化合物の混合物を包含するが、かかる混合物を用いる場合には、平均分子量1000〜3000のポリエーテル化合物と平均分子量5000〜15000のポリエーテル化合物との混合物を用いるのが好ましい。
【0030】
本発明の処理剤は、以上説明したようなポリエーテル化合物と式1で示される直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンとイオン性界面活性剤とから成り、且つ該直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンを0.1〜12重量%の割合で、また該イオン性界面活性剤を0.1〜12重量%の割合でそれぞれ含有して成るものとするが、該直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンを0.3〜5重量%の割合で、また該イオン性界面活性剤として前記した第4級オニウム塩を0.3〜5重量%の割合でそれぞれ含有して成るものとするのが好ましい。
【0031】
処理剤としては、以上説明したようなポリエーテル化合物、式1で示される直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン及びイオン性界面活性剤に加えて、更に特定のエステル化合物及び/又はエーテルエステル化合物を所定割合で配合したものが好ましい。かかるエステル化合物としては、総炭素数が10〜50のものであれば特に制限されず、1)エチルラウレート、オクチルラウレート、イソデシルステアレート、オレイルエルシネート等の脂肪族アルコールと脂肪族カルボン酸との脂肪族モノエステル、2)1,4ブタンジオールジオクタネート、ジオレイルアジペート、トリメチロールエタンジイソステアレート、グリセリントリラウレート等の脂肪族アルコールと脂肪族カルボン酸との脂肪族多価エステル等が挙げられるが、総炭素数が15〜30の脂肪族モノエステルが好ましい。またかかるエーテルエステル化合物としては、これもまた総炭素数が10〜50のものであれば特に制限されず、上記のようなエステル化合物に炭素数が2〜4のアルキレンオキサイドを反応させた各種のものが挙げられるが、脂肪族アルコールと脂肪族カルボン酸とのモノエステルにエチレンオキサイドを1〜10モル反応させた総炭素数が20〜40のエーテルエステル化合物が好ましい。
【0032】
本発明において、前記したエステル化合物及び/又はエーテルエステル化合物を配合する場合、その配合割合は処理剤中で1〜30重量%の割合となるようにするが、全体として式1で示される直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンを0.3〜5重量%、イオン性界面活性剤として第4級オニウム塩を0.3〜5重量%、エステル化合物及び/又はエーテルエステル化合物を3〜25重量%、残部がポリエーテル化合物となるようにするのが好ましい。
【0033】
本発明の処理方法では、以上説明した本発明の処理剤を熱処理工程に供する合成繊維に対し0.1〜3重量%となるように、好ましくは0.2〜1重量%となるように付着させる。通常、紡糸工程における紡出直後の合成繊維フィラメント糸条に処理剤を付着させ、しかる後に該合成繊維フィラメント糸条を熱処理工程に供する。
【0034】
本発明の処理方法は、以上説明したように本発明の処理剤を合成繊維に対し所定の割合で付着させることにより、熱処理工程に供する合成繊維に良好な潤滑性を付与し、よって該熱処理工程におけるヒーター汚染を防止するものである。かかる熱処理工程としては、延伸工程、撚糸工程、巻縮工程、仮撚工程等があるが、なかでも本発明の処理剤及び処理方法はこれらを適用した合成繊維を仮撚工程に供する場合にその効果が高い。仮撚工程で用いる仮撚機としては、1)ヒーター温度150〜230℃、ヒーター長150〜250cmのヒーターを装着した、合成繊維フィラメント糸条がヒータープレート上を接触しながら走行するコンタクトヒーター式の仮撚機、2)ヒーター温度300〜600℃、ヒーター長20〜150cmのヒーターを装着した、合成繊維フィラメント糸条がヒータープレート上を非接触で走行するショートヒーター式の仮撚機等が挙げられるが、とりわけ本発明の処理剤及び処理方法はヒーター温度350〜550℃、ヒーター長20〜140cmのショートヒーターを装着し、合成繊維フィラメント糸条が該ヒーター内に設置された糸道規制装置に接触して走行する仮撚機を用いた仮撚工程に供する場合にその効果が高い。
【0035】
本発明の処理方法は前記した本発明の処理剤を合成繊維に付着させる方法を特に制限するものではなく、かかる付着方法としてはローラー給油法、計量ポンプを用いたガイド給油法、浸漬給油法、スプレー給油法等の公知の方法が挙げられるが、ローラー給油法若しくは計量ポンプを用いたガイド給油法が好ましい。
【0036】
本発明の処理剤を合成繊維に付着させるに当たり、該処理剤は、その水性エマルジョン、その有機溶剤溶液又はそのままの形で用いることができるが、水性エマルジョンとして用いるのが好ましい。この場合、乳化剤を必要に応じて適宜用いることができるが、処理剤を5〜30重量%の割合で含有するように水性エマルジョンを調製するのが好ましい。処理剤の合成繊維への付着に際しては、合目的的に他の成分、例えば抗酸化剤、防腐剤、防錆剤等を併用することもできるが、その使用量は可及的に少量とするのが好ましい。
【0037】
本発明の処理剤及び処理方法が適用される合成繊維としては、1)エチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル、2)ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、3)ポリアクリロニトリル、モダアクリル等のポリアクリル、4)ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが挙げられるが、なかでもポリエステル、ポリアミドに適用する場合に効果が高く、ポリエステル部分延伸糸、ポリアミド部分延伸糸或はポリエステル直接紡糸延伸糸に適用する場合により効果が高い。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の処理剤及び処理方法の実施形態としては、次の1)〜42)が挙げられる。尚、以下の各実施形態で用いたポリエーテル化合物、式1で示される直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン、イオン性界面活性剤、エステル化合物、エーテルエステル化合物の内容については、後の実施例で詳述した。
1)ポリエーテル化合物(P−1)と、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(MS−1)と、イオン性界面活性剤(QS−1)とから成り、且つポリエーテル化合物(P−1)を96重量%、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(MS−1)を2重量%、イオン性界面活性剤(QS−1)を2重量%の割合でそれぞれ含有して成る処理剤。そしてこの処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.4重量%となるように付着させ、これをヒーター温度210℃のコンタクトヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
2)前記した1)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.4重量%となるように付着させ、これをヒーター温度510℃のショートヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
【0039】
3)ポリエーテル化合物(P−1)と、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(MS−2)と、イオン性界面活性剤(QS−1)とから成り、且つポリエーテル化合物(P−1)を94重量%、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(MS−2)を2重量%、イオン性界面活性剤(QS−1)を4重量%の割合でそれぞれ含有して成る処理剤。そしてこの処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.4重量%となるように付着させ、これをヒーター温度210℃のコンタクトヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
4)前記した3)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.4重量%となるように付着させ、これをヒーター温度510℃のショートヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
【0040】
5)ポリエーテル化合物(P−1)と、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(MS−2)と、イオン性界面活性剤(QS−2)と、エステル化合物(ES−1)と、エーテルエステル化合物(EE−1)とから成り、且つポリエーテル化合物(P−1)を82重量%、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(MS−2)を3重量%、イオン性界面活性剤(QS−2)を1重量%、エステル化合物(ES−1)を4重量%、エーテルエステル化合物(EE−1)を10重量%の割合でそれぞれ含有して成る処理剤。そしてこの処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.4重量%となるように付着させ、これをヒーター温度210℃のコンタクトヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
6)前記した5)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.4重量%となるように付着させ、これをヒーター温度510℃のショートヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
【0041】
7)ポリエーテル化合物(P−1)と、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(PS−1)と、イオン性界面活性剤(QS−3)とから成り、且つポリエーテル化合物(P−1)を95重量%、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(PS−1)を3重量%、イオン性界面活性剤(QS−3)を2重量%の割合でそれぞれ含有して成る処理剤。そしてこの処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.4重量%となるように付着させ、これをヒーター温度210℃のコンタクトヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
8)前記した7)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.4重量%となるように付着させ、これをヒーター温度510℃のショートヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
【0042】
9)ポリエーテル化合物(P−1)と、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(PS−2)と、イオン性界面活性剤(QS−4)と、エーテルエステル化合物(EE−2)とから成り、且つポリエーテル化合物(P−1)を90重量%、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(PS−2)を4重量%、イオン性界面活性剤(QS−4)を1重量%、エーテルエステル化合物(EE−2)を5重量%の割合でそれぞれ含有して成る処理剤。そしてこの処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.4重量%となるように付着させ、これをヒーター温度210℃のコンタクトヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
10)前記した9)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.4重量%となるように付着させ、これをヒーター温度510℃のショートヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
【0043】
11)ポリエーテル化合物(P−1)と、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(PS−2)と、イオン性界面活性剤(QS−4)とから成り、且つポリエーテル化合物(P−1)を93重量%、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(PS−2)を4重量%、イオン性界面活性剤(QS−4)を3重量%の割合でそれぞれ含有して成る処理剤。そしてこの処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.4重量%となるように付着させ、これをヒーター温度210℃のコンタクトヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
12)前記した11)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.4重量%となるように付着させ、これをヒーター温度510℃のショートヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
【0044】
13)ポリエーテル化合物(P−1)と、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(PS−3)と、イオン性界面活性剤(QS−5)とから成り、且つポリエーテル化合物(P−1)を96重量%、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(PS−3)を2重量%、イオン性界面活性剤(QS−5)を2重量%の割合でそれぞれ含有して成る処理剤。そしてこの処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.4重量%となるように付着させ、これをヒーター温度210℃のコンタクトヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
14)前記した13)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.4重量%となるように付着させ、これをヒーター温度510℃のショートヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
【0045】
15)ポリエーテル化合物(P−1)と、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(PS−4)と、イオン性界面活性剤(FN−1)とから成り、且つポリエーテル化合物(P−1)を93重量%、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(PS−4)を5重量%、イオン性界面活性剤(FN−1)を2重量%の割合でそれぞれ含有して成る処理剤。そしてこの処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.4重量%となるように付着させ、これをヒーター温度210℃のコンタクトヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
16)前記した15)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.4重量%となるように付着させ、これをヒーター温度510℃のショートヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
【0046】
17)ポリエーテル化合物(P−1)と、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(PS−5)と、イオン性界面活性剤(PA−1)とから成り、且つポリエーテル化合物(P−1)を93重量%、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(PS−5)を5重量%、イオン性界面活性剤(PA−1)を2重量%の割合でそれぞれ含有して成る処理剤。そしてこの処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.4重量%となるように付着させ、これをヒーター温度210℃のコンタクトヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
18)前記した17)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.4重量%となるように付着させ、これをヒーター温度510℃のショートヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
【0047】
19)ポリエーテル化合物(P−2)と、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(PS−2)と、イオン性界面活性剤(QS−4)とから成り、且つポリエーテル化合物(P−2)を98.5重量%、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(PS−2)を0.5重量%、イオン性界面活性剤(QS−4)を1重量%の割合でそれぞれ含有して成る処理剤。そしてこの処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.8重量%となるように付着させ、これをヒーター温度210℃のコンタクトヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
20)前記した19)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.8重量%となるように付着させ、これをヒーター温度510℃のショートヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
【0048】
21)ポリエーテル化合物(P−1)と、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(MS−3)と、イオン性界面活性剤(QS−4)と、エステル化合物(ES−1)とから成り、且つポリエーテル化合物(P−1)を90重量%、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(MS−3)を1重量%、イオン性界面活性剤(QS−4)を7重量%、エステル化合物(ES−1)を2重量%の割合でそれぞれ含有して成る処理剤。そしてこの処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.3重量%となるように付着させ、これをヒーター温度210℃のコンタクトヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
22)前記した21)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.3重量%となるように付着させ、これをヒーター温度510℃のショートヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
【0049】
23)ポリエーテル化合物(P−1)と、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(MS−4)と、イオン性界面活性剤(QS−5)とから成り、且つポリエーテル化合物(P−1)を89重量%、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(MS−4)を1重量%、イオン性界面活性剤(QS−5)を10重量%の割合でそれぞれ含有して成る処理剤。そしてこの処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.3重量%となるように付着させ、これをヒーター温度210℃のコンタクトヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
24)前記した23)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.3重量%となるように付着させ、これをヒーター温度510℃のショートヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
【0050】
25)ポリエーテル化合物(P−1)と、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(PS−6)と、イオン性界面活性剤(QS−1)とから成り、且つポリエーテル化合物(P−1)を91重量%、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(PS−6)を6重量%、イオン性界面活性剤(QS−1)を3重量%の割合でそれぞれ含有して成る処理剤。そしてこの処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.3重量%となるように付着させ、これをヒーター温度210℃のコンタクトヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
26)前記した25)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.3重量%となるように付着させ、これをヒーター温度510℃のショートヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
【0051】
27)ポリエーテル化合物(P−1)と、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(PS−7)と、イオン性界面活性剤(FN−1)とから成り、且つポリエーテル化合物(P−1)を88重量%、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(PS−7)を9重量%、イオン性界面活性剤(FN−1)を3重量%の割合でそれぞれ含有して成る処理剤。そしてこの処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.3重量%となるように付着させ、これをヒーター温度210℃のコンタクトヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
28)前記した27)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル部分延伸糸に対し処理剤として0.3重量%となるように付着させ、これをヒーター温度510℃のショートヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
【0052】
29)前記した5)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをナイロンフィラメント部分延伸糸に対し処理剤として0.50重量%となるように付着させ、これをヒーター温度210℃のコンタクトヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
30)前記した5)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをナイロンフィラメント部分延伸糸に対し処理剤として0.50重量%となるように付着させ、これをヒーター温度460℃のショートヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
【0053】
31)前記した7)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをナイロンフィラメント部分延伸糸に対し処理剤として0.55重量%となるように付着させ、これをヒーター温度210℃のコンタクトヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
32)前記した7)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをナイロンフィラメント部分延伸糸に対し処理剤として0.55重量%となるように付着させ、これをヒーター温度460℃のショートヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
【0054】
33)前記した9)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをナイロンフィラメント部分延伸糸に対し処理剤として0.45重量%となるように付着させ、これをヒーター温度210℃のコンタクトヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
34)前記した9)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをナイロンフィラメント部分延伸糸に対し処理剤として0.45重量%となるように付着させ、これをヒーター温度460℃のショートヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
【0055】
35)前記した19)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをナイロンフィラメント部分延伸糸に対し処理剤として0.65重量%となるように付着させ、これをヒーター温度210℃のコンタクトヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
36)前記した19)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをナイロンフィラメント部分延伸糸に対し処理剤として0.65重量%となるように付着させ、これをヒーター温度460℃のショートヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
【0056】
37)前記した5)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル直接紡糸延伸糸に対し処理剤として0.35重量%となるように付着させ、これをヒーター温度210℃のコンタクトヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
38)前記した5)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル直接紡糸延伸糸に対し処理剤として0.35重量%となるように付着させ、これをヒーター温度510℃のショートヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
【0057】
39)前記した9)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル直接紡糸延伸糸に対し処理剤として0.35重量%となるように付着させ、これをヒーター温度210℃のコンタクトヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
40)前記した9)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル直接紡糸延伸糸に対し処理剤として0.35重量%となるように付着させ、これをヒーター温度510℃のショートヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
【0058】
41)前記した15)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル直接紡糸延伸糸に対し処理剤として0.35重量%となるように付着させ、これをヒーター温度210℃のコンタクトヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法。
42)前記した15)の処理剤を水性エマルジョンとなし、該水性エマルジョンをポリエステル直接紡糸延伸糸に対し処理剤として0.35重量%となるように付着させ、これをヒーター温度510℃のショートヒーター式仮撚機を用いた仮撚工程に供する方法
【0059】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の構成及び効果をより具体的にするが、本発明が該実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は重量部を、また%は重量%を意味する。
【0060】
【実施例】
試験区分1(処理剤の調製)
・処理剤の調製
ポリエーテル化合物(P−1)96部と、直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(MS−1)2部と、イオン性界面活性剤(QS−1)2部とを混合して処理剤(実施例1)を調製した。この処理剤(実施例1)と同様にして、他の処理剤を調製した。これらを表1及び表2にまとめて示した。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
表1及び表2において、
使用量:部
ポリエーテル化合物(P−1):オキシエチレン単位/オキシプロピレン単位=80/20(モル比)の割合でブロック付加した平均分子量2000のメトキシポリアルキレングリコールエーテル70部と、オキシエチレン単位/オキシプロピレン単位=20/80(モル比)の割合でランダム付加した平均分子量8000のポリアルキレングリコールエーテル30部との混合物
ポリエーテル化合物(P−2):オキシエチレン単位/オキシプロピレン単位=80/20(モル比)の割合でブロック付加した平均分子量2000のドデシルオキシポリアルキレングリコールエーテル50部と、オキシエチレン単位/オキシプロピレン単位=40/60(モル比)の割合でランダム付加した平均分子量2500のブトキシポリアルキレングリコールエーテル40部と、オキシエチレン単位/オキシプロピレン単位=40/60(モル比)の割合でランダム付加した平均分子量11000のポリアルキレングリコールエーテル10部との混合物
ポリエーテル化合物(P−3):オキシエチレン単位/オキシプロピレン単位=25/75(モル比)の割合でランダム付加した平均分子量7000のメトキシポリアルキレングリコールエーテル
【0064】
直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(MS−1)〜(MS−4)、(PS−1)〜(PS−7):いずれも式1で示される直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンであって、その内容を下記の表3にまとめて示した。尚、表3中の記号は式1中の記号に相当し、Bはブロック付加、Rはランダム付加を意味する。またOEはオキシエチレン基、OPはオキシプロピレン基、OBはオキシブチレン基を意味する。
【0065】
【表3】
【0066】
イオン性界面活性剤(QS−1)〜(QS−5):いずれも式2で示される第4級オニウム塩であって、その内容を下記の表4にまとめて示した。尚、表4中の記号は式2中の記号に相当する。
イオン性界面活性剤(FN−1):イソステアリン酸ナトリウム塩
イオン性界面活性剤(PA−1):デシルオキシポリエトキシ(n=4)エチルホスフェートジブチルエタノールアミン塩
【0067】
【表4】
【0068】
エステル化合物(ES−1):オクチルラウレート
エーテルエステル化合物(EE−1):オクチルオキシポリエトキシレート(エトキシ単位数=5、以下n=5とする)とラウリン酸とのエステル
エーテルエステル化合物(EE−2):オクチルオキシポリアルコキシレート(ポリアルコキシレートがエトキシ単位5個とプロポキシ単位3個とがランダムで連結したもの)とラウリン酸とのエステル
【0069】
化合物(cr−1):平均分子量3000の線状ポリジメチルシロキサン
化合物(cr−2):2個のメチル・フェニルシロキサン単位と20個のジメチルシロキサン単位とが線状に連結した線状ポリオルガノシロキサン
化合物(cr−3):ジメチルシロキサン単位140個とポリエーテル変性基を有するシロキサン単位8個とがランダムに線状にシロキサン結合で連結したポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンであって、ポリエーテル変性基がオキシエチレン単位80個とオキシプロピレン単位20個とがランダムに連結したものから成る、ペンダント型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン
化合物(cr−4):ジメチルシロキサン単位とポリエーテル変性基を有するシロキサン単位とがランダムに線状にシロキサン結合で連結したポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンであって、ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンの平均分子量が8600であり、ポリエーテル変性基の含有割合が92重量%であり、且つポリエーテル変性基がオキシエチレン単位15個とオキシプロピレン単位15個とがランダムに連結したものから成る、ペンダント型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン。
【0070】
試験区分2(ポリエステルフィラメント部分延伸糸への処理剤の付着及びその評価)
・ポリエステルフィラメント部分延伸糸への処理剤の付着
試験区分1で得た処理剤に水を加えて、処理剤濃度が15%の水性エマルジョンを調製した。そして固有粘度0.64、酸化チタン含有量0.2%のポリエチレンテレフタレートチップを常法により乾燥した後、エクストルーダーを用いて295℃で紡糸し、口金から吐出して冷却固化した後の走行糸条に水性エマルジョンをローラー給油法にて付着させ、機械的な延伸を伴うことなく、3300m/分の速度で捲き取り、処理剤の付着量が糸条に対し表5又は表6記載のものとした150デニール72フィラメントの部分延伸糸の10kg捲きケークを得た。
【0071】
・コンタクトヒーター式仮撚機による仮撚加工とその評価
上記で得たケークを用いて、下記のコンタクトヒーター式仮撚機による仮撚加工条件で仮撚加工を行ない、ヒーター汚染を評価した。結果を表5及び表6に示した。
コンタクトヒーター式仮撚機による仮撚加工条件:
コンタクトヒーター式仮撚機(アーネストスクラッグアンドサンズ社製のSDS1200B)を使用して、加工速度=800m/分、延伸倍率=1.522、施撚方式=3軸デイスク外接式摩擦方式(入り側ガイドデイスク1枚、出側ガイドデイスク1枚、硬質ポリウレタンデイスク7枚)、加撚側ヒーター=長さ2.5mで表面温度212℃、解撚側ヒーター=なし、目標撚り数=3300T/mの条件で25日間連続運転による仮撚加工をした。
ヒーター汚染の評価:
上記条件にて25日間連続運転した後、加撚側ヒーター表面の糸道上のヒータータールをブラシで落とし、採取して秤量した。結果は10錘について測定し、1錘あたりの平均重量(mg)で示した。
【0072】
・ショートヒーター式仮撚機による仮撚加工とその評価
上記で得たケークを用いて、下記のショートヒーター式仮撚機による仮撚加工条件で仮撚加工を行ない、ヒーター汚染を評価した。結果を表5及び表6に示した。
ショートヒーター式仮撚機による仮撚加工条件:
ショートヒーター式仮撚機(村田機械社製のNo33Jマッハクリンパー)を使用して、加工速度=900m/分、延伸倍率=1.522、施撚方式=ニップベルト式摩擦方式、加撚側ヒーター=長さ1m(入口部=30cm、出口部70cm)で表面温度が入口部480℃で出口部410℃、解撚側ヒーター=なし、目標撚り数=3300T/mの条件で33日間連続運転による仮撚加工をした。
ヒーター汚染の評価:
上記条件にて33日間連続運転した後、加撚側ヒーター内に設置されたセラミック製糸道規制ガイド表面に付着したスラッジをブラシで落とし、採取して秤量した。そしてコンタクトヒーター式仮撚機の場合と同様に示した。
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】
表5及び表6において、
付着割合:ポリエステルフィラメントの部分延伸糸に対する処理剤の付着量(%)
*:30℃における粘度が20-6m2/sの線状ポリジメチルシロキサン/表3で前記した直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(MS−1)/ステアリン酸カリウム=96/2/2(重量比)の割合から成る処理剤
**:糸切れが多発し、連続運転が不可能であった
これらは以下同じ
【0076】
試験区分3(ナイロンフィラメント部分延伸糸への処理剤の付着及びその評価)
・ナイロンフィラメント部分延伸糸への処理剤の付着
試験区分1で得た処理剤に水を加えて、処理剤濃度が10%の水性エマルジョンを調製した。そして硫酸相対粘度(ηr)2.4、酸化チタン含有量0.1%のナイロン−6,6チップを常法により乾燥した後、エクストルーダーを用いて290℃にて紡糸し、口金から吐出して冷却固化した後の走行糸条に水性エマルジョンをガイド給油法にて付着させ、機械的な延伸を伴うことなく4000m/分の速度で捲き取り、処理剤の付着量が糸条に対して表7に記載のものとした70デニール24フィラメントの部分延伸糸の8kg捲きケークを得た。
【0077】
・コンタクトヒーター式仮撚機による仮撚加工とその評価
上記で得たケークを用いて、以下の条件以外は試験区分2に記載した条件と同じで仮撚加工を行ない、また試験区分2に記載した方法と同じでヒーター汚染を評価した。結果を表7に示した。
コンタクトヒーター式仮撚機による仮撚加工条件:
延伸倍率=1.220、施撚方式=3軸デイスク外接式摩擦方式(入り側ガイドデイスク1枚、出側ガイドデイスク1枚、セラッミックデイスク5枚)、目標撚数=3000T/m。
【0078】
・ショートヒーター式仮撚機による仮撚加工とその評価
上記で得たケークを用いて、以下の条件以外は試験区分2に記載した条件と同じで仮撚加工を行ない、また試験区分2に記載した方法と同じでヒーター汚染を評価した。結果を表7に示した。
ショートヒーター式仮撚機による仮撚加工条件:
加工速度=1000m/分、延伸倍率=1.220、加撚側ヒータ−=表面温度が入口部475℃で出口部380℃、目標撚り数=3000T/m。
【0079】
【表7】
【0080】
試験区分4(ポリエステルフィラメント直接紡糸延伸糸への処理剤の付着及びその評価)
・ポリエステルフィラメント直接紡糸延伸糸への処理剤の付着
試験区分1で得た処理剤に水を加えて、処理剤濃度が10%の水性エマルジョンを調製した。そしてポリエステルフィラメント走行糸条に水性エマルジョンをガイド給油法で付着させ、3000m/分で回転する第1ゴデーローラーで引き取り、第2ゴデーローラー間で機械的な延伸をして5000m/分で巻き取り、処理剤の付着量が糸条に対し0.35%とした75デニール36フィラメントの直接紡糸延伸糸の5kg巻きケークを得た。
【0081】
・コンタクトヒーター式仮撚機及び高温ショートヒーター式仮撚機による仮撚加工とその評価
上記で得たケークを用いて、オーバーフィード率3%とし、仮撚加工速度650m/分としたこと以外は試験区分2の条件と同じで仮撚加工を行ない、また試験区分2と同様の方法でヒーター汚染を評価した。結果を表8に示した。
【0082】
【表8】
【0083】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明の処理剤及び処理方法には、合成繊維の処理工程において、それが過酷な熱処理を伴う仮撚工程であっても、ヒーター汚染を充分に防止できるという効果がある。
Claims (9)
- ポリエーテル化合物と下記の直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンとイオン性界面活性剤とから成る合成繊維処理剤であって、該合成繊維処理剤中に、該直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンを0.1〜12重量%の割合で、また該イオン性界面活性剤を0.1〜12重量%の割合でそれぞれ含有して成ることを特徴とする合成繊維処理剤。
【式1】
(式1において、
R1,R4:炭素数1〜40の炭化水素基、炭素数2〜12のフロロアルキル基、活性水素を有する置換基で置換された炭素数2〜8の置換炭化水素基又は水酸基
R2,R3:炭素数3又は4のアルキレン基
R5,R6:炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフロロアルキル基又はフェニル基
A:炭素数2〜4のアルキレン基
p,q:2〜200の整数
m:3〜200の整数
n:1〜30の整数) - 直鎖型ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンが、式1中のR1,R4が炭素数1〜10の脂肪族飽和炭化水素基又は水酸基で置換された炭素数3〜6の置換炭化水素基、R5,R6がメチル基、Aがエチレン基及び/又はイソプロピレン基、mが20〜150の整数、p,qが3〜50の整数、nが1〜9の整数である場合のものである請求項1記載の合成繊維処理剤。
- 第4級オニウム塩が、式2中のBy-が炭素数1〜26の脂肪族リン酸エステル、炭素数1〜26の脂肪族スルホン酸エステル及び炭素数1〜26の脂肪族カルボン酸から選ばれる化合物から水素イオンを除いたy価のアニオン基である場合のものである請求項3記載の合成繊維処理剤。
- ポリエーテル化合物が、オキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とを構成単位とする平均分子量700〜20000のものである請求項1、2、3又は4記載の合成繊維処理剤。
- 更に総炭素数が10〜50のエステル化合物及び/又はエーテルエステル化合物を1〜30重量%の割合で含有してなる請求項1、2、3、4又は5記載の合成繊維処理剤。
- 請求項1、2、3、4、5又は6記載の合成繊維処理剤を、熱処理工程に供する合成繊維に対し0.1〜3重量%となるよう付着させることを特徴とする合成繊維処理方法。
- 熱処理工程が仮撚工程である請求項7記載の合成繊維処理方法。
- 仮撚工程がヒーター温度300〜600℃のショートヒーターを用いる工程である請求項8記載の合成繊維処理方法。
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