JP3222215B2 - 紡績用ポリエステル繊維処理用油剤 - Google Patents

紡績用ポリエステル繊維処理用油剤

Info

Publication number
JP3222215B2
JP3222215B2 JP25451592A JP25451592A JP3222215B2 JP 3222215 B2 JP3222215 B2 JP 3222215B2 JP 25451592 A JP25451592 A JP 25451592A JP 25451592 A JP25451592 A JP 25451592A JP 3222215 B2 JP3222215 B2 JP 3222215B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spinning
weight
oil agent
polyester fiber
paraffin wax
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25451592A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06108361A (ja
Inventor
好章 井岡
義雄 佐々木
英雄 酒本
幸道 小泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd filed Critical Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd
Priority to JP25451592A priority Critical patent/JP3222215B2/ja
Publication of JPH06108361A publication Critical patent/JPH06108361A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3222215B2 publication Critical patent/JP3222215B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速紡績工程に適したポ
リエステル繊維用の油剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高生産性、省力化、高能率化によ
る紡績コストの低減を目的として、カード、練条、粗紡
のみならず、精紡においても著しい高速化が進んでい
る。このように紡績が高速化されると、単位時間に紡機
を通過する繊維量が速度に比例して多くなるためスカム
が増加して清掃周期が短くなり操業性を低下させてい
る。
【0003】前紡のスカムは、オリゴマーやTiO2が油
剤と共に紡績工程で脱落し、ゴムローラーやガイド類に
蓄積し、カード、練条工程ではローラー捲付、コイリン
グフォームの崩れ、ケンス収容長の低下等が生じる。リ
ング精紡ではアンチノードリングにスカムが蓄積しロー
ター式オープンエンド精紡ではローター内にスカムが蓄
積するため、繊維が大きな損傷を受けて糸強力が低下し
たり、白粉や糸切れが著しく増加してくる。
【0004】繊維製造条件によってもスカムの発生は異
なり、例えば産業資材用途のポリエステル繊維は他の用
途に比較して、より高強力が要求されるため製綿工程で
トウを高温で処理して製造されている。しかしこの高温
処理は繊維内部のオリゴマーを繊維表面に溶出させる作
用もあるため高温処理しない繊維に比較すると、繊維表
面のオリゴマーが多く、従って紡績スカムが多くなる。
上記の如き、製綿工程での熱処理温度の上昇および紡績
機の高速化に対し、従来の合繊繊維用の油剤では十分に
対応できないのが実情である。
【0005】特開昭59−223370号、同60−2
24867号、同60−224868号および同60−
224869号公報には、アルキル基の炭素数が18〜
20であるアルキル燐酸エステルを主成分とする組成
が、高速紡績工程に適した油剤として示されているが、
これらの油剤は、粘性が高く、繊維/金属間の平滑性が
悪いため、脱落したスカムの蓄積性が大きく、スカム低
減は不十分である。又、ポリエステル100%のリング
精紡ではスピンドルの回転数14000〜15000rp
mが限界であり、18000rpmを越えるような高速では
繊維の可塑化、溶融等の損傷が多く発生し操業性が低
い。
【0006】更に、高速精紡での問題点を解決するため
に、特開昭62−243875号、同62−24387
6号、同63−59476号各公報には融点が30〜1
50℃の動植物油系や鉱油系のワックス、あるいは合成
エステル等を用いることが提案されているが、これらの
組成では繊維対繊維の摩擦が高く、高速カード通過性が
劣ると共にスカム蓄積低減が不十分である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はポリエステル
繊維製造工程において、高温処理してもスカムの蓄積が
少なく、高速カード、高速練条、高速粗紡等の前紡にお
いて優れた操業性を有し、かつ高速のリング紡績および
高速ローター式オープンエンド紡績に適用できるポリエ
ステル繊維用の油剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、スカムの
蓄積を減少し、かつ優れた前紡通過性及び精紡適応性を
有する繊維を作ることを目的として、繊維に付与する油
剤に要求される特性を調べ、鋭意研究した結果、アルキ
ル燐酸エステルを主成分として、これに特定の成分を特
定の比率で配合することによって目的を達成できること
がわかり、本発明に至った。
【0009】即ち、本発明は a)平均炭素数が14〜20である飽和脂肪族炭化水素
基を有し、全酸基の70〜100%がカリウムで中和さ
れているアルキル燐酸エステルカリウム塩を45〜75
重量% b)40〜80℃の融点を有するパラフィンワックと乳
化剤の比率がワックス/乳化剤=50/50/〜70/
30(w/w)であるパラフィンワックス乳化物を10
〜35重量% c)下式(I)および/または(II):
【0010】
【化2】
【0011】[式中、Rは炭素数10〜18の側鎖を有
してもよい飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基を示
し、R1、R2及びR3はそれぞれ独立してメチル基また
はエチル基を示し、m+n=2〜10、Xはメチルサルフ
ェート、エチルサルフェート、ジメチルホスフェートか
らなる群から選択されるイオン性残基を示す]で示され
るカチオン型界面活性剤を10〜20重量%を含有する
ポリエステル繊維処理用油剤に関する。
【0012】スカムの蓄積を減少し、優れた前紡通過性
および精紡適応性を有する油剤に要求される特性は次の
ようになる。 (1)油膜強度の強化 (2)高速時の繊維/金属間の平滑性の向上 (3)油剤の低粘着化
【0013】(1)は、紡績機が高速化するにつれ、より
要求される重要な特性である。つまり、Cardにおける
コーミング作用、リング紡績における糸/アンチノード
リング間の接圧およびローター式オープンエンド紡績に
おけるコーミング作用によって繊維がうける力は、紡績
機が高速になるほど高くなるので、油膜強度を強化して
可能な限り繊維表面を保護しなければならない。また、
繊維表面のオリゴマーやTiO2をカバーリングしてそれ
らの脱落を減少させるためにも油膜強度の強化が必要で
ある。
【0014】(2)は、高速で繊維がうける力を出来るだ
け軽減し、繊維の切断、損傷を防ぐと共に、摩擦によっ
て繊維から脱落するスカム(油剤+オリゴマー+TiO2)
量を少なくする意味で重要な特性である。
【0015】(3)は、ローラー捲付を防止すると共に、
脱落したスカムの蓄積を減少させるために特に必要な特
性である。
【0016】本発明において、アルキル燐酸エステル塩
は油剤の油膜強度の強化および低粘着化の強化を目的と
して用いる。好適なアルキル燐酸エステル塩は、平均炭
素数が14〜20の飽和脂肪族炭化水素基を有する燐酸
エステルであって、全酸基の70〜100%がカリウム
中和されているものである。この脂肪族炭化水素基を有
する燐酸エステル塩は、例えば高級アルコールの無水燐
酸あるいはオキシ塩化燐等による燐酸エステル化により
得られる、燐酸化度(アルコール1モルに結合する燐原
子のグラム原子数)0.6〜1.2の酸性燐酸エステルを
苛性カリ等で中和して得られる。この燐酸エステルカリ
ウム塩を主要成分とすることによって前紡で良好な紡績
性を維持し、かつ高速精紡で必要な油膜強度を維持する
ことができる。
【0017】炭化水素基の平均炭素数は14〜20、よ
り好ましくは16〜18である。平均炭素数が14より
小さくなると粘着性が大きくなり、スカムの蓄積が多く
なるため好ましくない。又、燐酸化度は0.6〜1.2、
好ましくは0.7〜1.0である。燐酸化度が0.6未満
では未反応の高級アルコールが残存したりするため帯電
防止性が低下する。燐酸化度が1.2を越えると縮合燐
酸タイプのエステルや無機の燐酸塩が多くなるので帯電
防止性の低下やスカムの増加を招く。
【0018】本発明においてアルキル燐酸エステルは、
カリウム塩として用いる。他のアルカリ金属塩、例え
ば、ナトリウム塩やアルカノールアミン塩では、前者で
は帯電防止性が低下し、後者はローラー捲付やスカムが
増加するため使用できない。中和は水酸化カリウムや炭
酸カリウム等を用いて行えばよく、中和する程度は酸性
燐酸エステルの全酸基の70〜100%、好ましくは8
0〜100%である。中和する程度が70%より低い時
は帯電防止性が低下するため使用できない。
【0019】アルキル燐酸エステルカリウム塩の配合比
率は油剤全量の45〜75重量%、好ましくは50〜7
0重量%である。配合比率が45重量%未満の時はカー
ドシリンダー捲付が増え、また高速精紡に必要な油膜強
度が十分得られない。一方配合比率が75重量%を越え
ると集束性が悪くなるため紡績性の低下を招く。
【0020】パラフィンワックスは高速時の繊維/金属
間の平滑性の向上を目的として用いる。ワックス類には
牛脂やラードの硬化油、蜜ロウ、カルナバワックス、キ
ャンデリラワックス等の動植物系、あるいは石油系では
パラフィンワックスの他、エステルタイプ、アマイドタ
イプ、部分酸化タイプ等のワックスがあるが、室温のみ
ならず、高温でも平滑性が良いという点ではパラフィン
ワックスが最も良い。
【0021】パラフィンワックスを油剤系に配合する方
法として、(I)ワックスそのものを油剤系に配合して乳
化する方法、(II)ワックスを乳化剤であらかじめ乳化
し、それを油剤系に配合する方法があるが(I)では、安
定なエマルションが、得られない場合が多い。これに対
し、(II)の方法によれば、常に安定なエマルションを
得ることができる。(II)について、ワックスと乳化剤
の比率は、ワックス/乳化剤=50/50〜70/30
(w/w)の範囲が好適である。ワックスの比率が乳化
剤とワックスの全量の50重量%以下の場合は、乳化剤
の比率が多くなりすぎるため平滑性が不足し、70重量
%以上になると乳化が困難となる。
【0022】パラフィンワックスは融点が40〜80℃
のものを用いるのが良い。融点が40℃未満であると平
滑性が不足し、80℃を越えると乳化が困難となる。乳
化剤はパラフィンワックスを乳化できるものであれば平
滑性の向上を達成できるが、油剤の低粘着化という面か
ら、乳化剤(単品或は配合品)の融点が35℃以上のもの
が望ましい。乳化剤が配合品の場合は、使用成分中の一
種或は一種以上の成分の融点が35℃以下であっても配
合品の融点が35℃以上であれば目的を達成することが
できる。
【0023】融点35℃以上の乳化剤の例として、平均
炭素数14以上の飽和高級アルコールおよびこれらのエ
チレンオキサイド付加物、ヒマシ油や硬化ヒマシ油のエ
チレンオキサイド付加物およびこれらと平均炭素数14
以上の飽和高級脂肪酸とのエステル、グリセリン、ソル
ビタン等の多価アルコールのエチレンオキサイド付加物
およびこれらと平均炭素数14以上の飽和高級脂肪酸と
のエステル、平均炭素数14以上の飽和高級脂肪酸のポ
リエチレングリコールエステルやグリセリン、ソルビタ
ン等の多価アルコールエステルおよびこれらの混合物等
が挙げられる。
【0024】パラフィンワックス乳化物の油剤中への配
合比率は10〜35重量%、好ましくは15〜30重量
%である。配合比率が10重量%未満のときは十分な平
滑性が得られないため適用できない。また35重量%を
越える時は、パラフィンワックスの欠点が現れる。即
ち、繊維/繊維間の摩擦が大きくなってシリンダー捲付
の増加や帯電防止性の低下等を招くため好ましくない。
【0025】燐酸エステルカリウム塩にパラフィンワッ
クス乳化物を加えると制電性が不足になる。従って、本
発明においてカチオン系界面活性剤を帯電防止性の向上
を目的として用いる。カチオン系界面活性剤は下式
(I)、(II)で示されるカチオン系界面活性剤を油剤中
10〜20重量%を用いる
【0026】
【化3】
【0027】[式中、Rは炭素数10〜18の側鎖を有
してもよい飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基を示
し、R1、R2及びR3は夫々独立してメチル基またはエ
チル基を示し、m+n=2〜10、Xはメチルサルフェー
ト、エチルサルフェートおよびジメチルホスフェートか
らなる群から選択されるイオン性残基を示す]。
【0028】燐酸エステルカリウム塩に帯電防止性とし
てカチオン系界面活性剤を配合する場合は、カチオン系
界面活性剤の種類によって帯電防止性がかなり異なる。
即ち、対イオンのアニオン基がハロゲンのような単純で
小さい原子の場合は燐酸エステルカリウム塩と容易に塩
をつくるので帯電防止性が不良となる。一方、アニオン
基がメチルサルフェート、エチルサルフェート、ジメチ
ルホスフェートのように分子が大きいときには燐酸エス
テルカリウム塩と塩を作る傾向が非常に小さいため帯電
防止性が良好である。このため、本発明ではこれらのカ
チオン系界面活性剤を用いる。上記3種類のアニオン基
の中、ジメチルホスフェートタイプが最も帯電防止性に
すぐれており、特に好ましい。
【0029】本発明に好適に使用されるカチオン界面活
性剤の例としては、ラウリルトリメチルアンモニウムジ
メチルホスフェート、ヤシアルキルトリメチルアンモニ
ウムジメチルホスフェート、ステアリルトリメチルアン
モニウムジメチルホスフェート、ラウリルジメチルアン
モニウムエチルサルフェート、デシルトリメチルアンモ
ニウムメチルサルフェート、オレイルトリメチルアンモ
ニウムメチルサルフェート、ポリオキシエチレン(3モ
ル)ラウリルメチルアンモニウムジメチルホスフェー
ト、ポリオキシエチレン(10モル)ステアリルエチルア
ンモニウムジエチルホスフェート等が挙げられる。
【0030】帯電防止性の点ではRの炭素数が10〜1
4であるものが好ましい。また、前紡の集束性という点
では式(II)のタイプにおいてm+n=3〜10が液体も
しくは軟ペースト状の性状を示すので好都合である。m
+nが10より大きくなるとカチオン性が弱くなるので
帯電防止性が低下する。カチオン界面活性剤の比率が1
0重量%より小さい時は帯電防止性が不足し、20重量
%より大きくなるとカードのシリンダー捲付や高速精紡
での繊維損傷が増える傾向になるので好ましくない。
【0031】本発明の油剤は水で希釈したエマルション
として用いるのが望ましく、このエマルションを紡糸、
延伸およびその他の給油工程で浸浸スプレーまたはその
他の方式によって、トウまたはステープルファイバーに
付着させて処理する。本発明油剤の繊維に対する付着量
は、0.05〜0.4重量%、好ましくは0.08〜0.2
重量%である。付着量が0.05重量%より少ない場合
は、油剤が繊維表面を保護する効果が十分でなく、また
帯電防止性が不足する。0.4重量%を越えると、ロー
ラー上のスカムやシリンダー捲付が増え易くなる。
【0032】なお、本発明油剤には、他の紡績油剤、あ
るいは防腐剤、防錆剤、染料等を本発明の効果を失わな
い限り添加することができる。以下に本発明の実施例を
挙げて説明するが、勿論本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。
【0033】
【実施例】実施例1〜8、比較例1〜6 製綿工程で高温処理されたポリエステルステープル(セ
ミダル1.3デニール×44mm)に表−1に示す8種類の
油剤を水系エマルションにして、油剤付着量が0.14
%になるようにスプレー法で付与しその後乾燥、調湿し
た試料について、ミニチュア紡機および本機で紡績性を
評価した。その結果を表−2に示した。
【0034】尚、評価項目および評価条件は次の通りで
ある。 [ミニチュア紡機による評価] (1)発生静電気 20℃×45%RHの温湿度で紡績し、カード工程でウ
ェブ上10cmの位置で、春日式集電器を用いて測定し
た。
【0035】(2)シリンダー捲付 試料綿30gを次の条件でカードにかけた後、フラット
を解放し、繊維がシリンダーに捲付いている部分の幅を
測定して、これをシリンダー幅に対する百分率で示し
た。 シリンダー径 :32cm シリンダーの回転数:400rpm シリンダー/フラット間のゲージ 11/1000〜14/1000インチ 紡出速度 :9m/min
【0036】(3)ローラー捲付 練条上りの非常に細いスライバーを精紡機にかけ、糸を
切断してニューマーに吸引させた状態で運転し、この後
15分間に発生する捲付回数を測定した。ローラーに捲
付が発生すると捲付1回としてカウントし、運転を止め
ることなく、素早く捲き付いた繊維を除去して運転を続
けるという方法で実施した。精紡機の運転は32℃×6
5%RHの温湿度で行った。
【0037】[本機による評価] (4)スカム 練条工程で試料綿10kgを5回繰り返し通過させ、ゴム
ローラー、レジュサー及びトランペットに蓄積したスカ
ム程度を肉眼で判定した。スカムの蓄積の少ないものを
○として、順次増加の程度により△、×、××の4段階
に判定した。練条の運転は32℃×65%RHの温湿度
で行った。
【0038】(5)高速精紡における繊維の可塑化、溶融 下記の条件で精紡を行いコップ下部(糸とアンチノード
リングが接触)の糸からランダムに切り取った長さ6mm
の糸片10本について、存在する可塑化部、溶融部の個
数を電子顕微鏡で観察して数えた。 スピンドル回転数:20000rpm リング径 :38mm リフト :6インチ トータルドラフト:40倍 糸番手 :40番
【0039】
【表1】
【0040】表−1において燐酸エステルカリウム塩は
ステアリルホスフェートK塩(燐酸化度0.8、中和度
90%)、ワックスは融点135°F(57℃)のパラ
フィンワックス、ワックスの乳化剤はステアリルアルコ
ール、ステアリン酸モノグリセライド、ポリエチレング
リコール(分子量:600)ジステアリン酸エステルお
よびポリオキシエチレン(15モル)ステアリルエーテ
ルの配合品、カチオン活性剤はポリオキシエチレン(3
モル)ラウリルメチルアンモニウムジメチルホスフェー
トを用いた。
【0041】
【表2】
【0042】表−2より、燐酸エステルカリウム塩が少
ない比較例1、2はスカムの蓄積は少ないが、カードシ
リンダー捲付が多く、高速精紡での繊維損傷も多い。逆
に燐酸エステルカリウム塩が多いが、ワックスを使用し
ない比較例3〜6ではカードシリンダー捲付は少ない
が、スカムの蓄積が非常に多い上、高速精紡での繊維損
傷も多い。
【0043】上記実施例および比較例から分かるよう
に、スカムの蓄積性を減少し、良好な紡績性を得るため
には、各成分の適切な配合比率があり、燐酸エステルカ
リウム塩が45〜75重量%、パラフィンワックスと乳
化剤の比率がワックス/乳化剤=50/50〜70/3
0重量%であるパラフィンワックス乳化物が10〜35
重量%、カチオン界面活性剤が10〜20重量%である
実施例1〜7において良結果が得られ、特に燐酸エステ
ルカリウム塩50〜70重量%、パラフィンワックス乳
化物15〜30重量%、カチオン界面活性剤10〜20
重量%で優れた結果が得られた。
【0044】実施例9〜19、比較例7〜14 実施例5において、パラフィンワックスの乳化剤は固定
し、燐酸エステルカリウム塩、ワックスおよびカチオン
界面活性剤の各成分を変更して比較評価した。上記各成
分を変更した他は前述の条件と同じである。結果を表−
3〜表−5に示した。
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】表−3において、アルキル基の小さいオク
チルホスフェートK塩及びラウリルホスフェートKで
は、スカム蓄積が多くなるのみならず、精紡ローラー捲
付も多く、アルキル基の大きいホスフェートの方が良い
という結果を得た。表−4のワックスを変更した例で
は、カルナバワックスや高融点の合成ワックスよりもパ
ラフィン系の成分の方が良いという結果が得られた。表
−5のカチオン界面活性剤を変更した例では、明らかに
カチオンの種類によって帯電防止性が大きく変わり、対
アニオンがジメチルホスフェートであるものが特に良い
結果を示した。
【0049】
【発明の効果】本発明の油剤をポリエステル繊維に付与
することにより、高速のカード、練条、粗紡及び精紡で
脱落するスカムの蓄積を抑制し、かつ良好な紡績性を与
えることができる。
フロントページの続き (72)発明者 小泉 幸道 大阪府八尾市渋川町2丁目1番3号 松 本油脂製薬株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−227455(JP,A) 特開 昭48−64297(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 13/00 - 13/535

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)平均炭素数が14〜20である飽和
    脂肪族炭化水素基を有し、全酸基の70〜100%がカ
    リウムで中和されているアルキル燐酸エステルカリウム
    塩を45〜75重量% b)40〜80℃の融点を有するパラフィンワックスと
    35℃以上の融点を有する乳化剤との比率がワックス/
    乳化剤=50/50〜70/30(w/w)であるパラ
    フィンワックス乳化物を10〜35重量% c)下式(I)および/または(II): 【化1】 [式中、Rは炭素数10〜18の側鎖を有してもよい飽
    和または不飽和の脂肪族炭化水素基を示し、R、R
    及びRはそれぞれ独立してメチル基またはエチル基を
    示し、m+n=2〜10、Xはメチルサルフェート、エ
    チルサルフェート、ジメチルホスフェートからなる群か
    ら選択されるイオン性残基を示す]で示されるカチオン
    型界面活性剤を10〜20重量%を含有するポリエステ
    ル繊維処理用油剤。
  2. 【請求項2】 アルキル燐酸エステル塩が、平均炭素数
    16〜18の飽和直鎖アルキル燐酸エステル塩である請
    求項1記載のポリエステル繊維処理用油剤。
  3. 【請求項3】 パラフィンワックス乳化物を15〜30
    重量%含有する請求項1記載のポリエステル繊維処理用
    油剤。
  4. 【請求項4】 Xがジメチルホスフェートイオンである
    請求項1記載のポリエステル繊維処理用油剤。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のポリエステル繊維処理用
    油剤が0.08〜0.2重量%付着したポリエステル繊
    維を高速で紡績することを特徴とするポリエステル繊維
    の紡績方法。
JP25451592A 1992-09-24 1992-09-24 紡績用ポリエステル繊維処理用油剤 Expired - Fee Related JP3222215B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25451592A JP3222215B2 (ja) 1992-09-24 1992-09-24 紡績用ポリエステル繊維処理用油剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25451592A JP3222215B2 (ja) 1992-09-24 1992-09-24 紡績用ポリエステル繊維処理用油剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06108361A JPH06108361A (ja) 1994-04-19
JP3222215B2 true JP3222215B2 (ja) 2001-10-22

Family

ID=17266122

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25451592A Expired - Fee Related JP3222215B2 (ja) 1992-09-24 1992-09-24 紡績用ポリエステル繊維処理用油剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3222215B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ATE548501T1 (de) 2004-11-01 2012-03-15 Teijin Techno Products Ltd Kurzfaser aus paraaromatischem polyamid
JP5038848B2 (ja) * 2007-10-11 2012-10-03 帝人ファイバー株式会社 エアレイド不織布用短繊維
JP5213288B1 (ja) 2012-11-26 2013-06-19 竹本油脂株式会社 合成繊維の処理方法、合成繊維、合成繊維の精紡方法及び紡績糸
CN104358111A (zh) * 2014-11-27 2015-02-18 何庆堃 一种铜氨纤维高弹丝变形油剂
JP5796922B1 (ja) * 2015-05-21 2015-10-21 竹本油脂株式会社 ポリエステル系合成繊維用処理剤、ポリエステル系合成繊維の処理方法及びポリエステル系合成繊維
JP5796923B1 (ja) * 2015-06-01 2015-10-21 竹本油脂株式会社 ポリエステル系合成繊維用処理剤、ポリエステル系合成繊維の処理方法及びポリエステル系合成繊維
JP7086423B1 (ja) 2021-07-09 2022-06-20 竹本油脂株式会社 短繊維用処理剤、短繊維用処理剤の水性液、短繊維の処理方法、短繊維の製造方法、及び短繊維
JP7127904B1 (ja) 2021-07-09 2022-08-30 竹本油脂株式会社 繊維用処理剤、繊維用第1処理剤、繊維用第2処理剤、繊維用第1処理剤含有組成物、繊維用処理剤の希釈液、繊維の処理方法、及び繊維

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06108361A (ja) 1994-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3222215B2 (ja) 紡績用ポリエステル繊維処理用油剤
TWI352145B (ja)
US4297407A (en) Finish composition for the spinning of highly crimped cellulose fibers using a composition cont. fatty acid ester, organic phosphoric acid ester, fatty acid ethylene oxide cond. prod. and fatty acid salt
JP5574712B2 (ja) 繊維処理剤および合成繊維の製造方法
US3888775A (en) Oil composition for synthetic staple fibers
JPH03174067A (ja) 高速用紡績油剤
JP2550218B2 (ja) ポリエステル繊維
JPS63112769A (ja) ポリエステル短繊維
JP2590576B2 (ja) 高速紡糸用合成繊維処理油剤
JPH0491276A (ja) アクリル繊維用紡績油剤
JP2011021308A (ja) 繊維処理剤および合成繊維の製造方法
US3357919A (en) Finish compositions for textile materials
JPH0232395B2 (ja)
JPH09188968A (ja) 合成繊維処理剤およびこれを付与する合成繊維の製造法
WO2019138866A1 (ja) 合成繊維用処理剤及びその利用
JP3235284B2 (ja) 高速リング精紡用ポリエステル繊維
JPH0127195B2 (ja)
JPH09188969A (ja) 芳香族ポリアミド繊維、その製造方法および芳香族ポリアミド繊維用油剤
JP3296127B2 (ja) 産業資材用ポリエステル繊維
JPS6361431B2 (ja)
JP2003306869A (ja) 合成繊維の摩擦仮撚用油剤
JPH0268367A (ja) 繊維糸条用ストレート型油剤
JPH03119180A (ja) 結束紡績用繊維処理油剤および使用法
JPH0219230B2 (ja)
JPH06299468A (ja) 牽切加工用フィラメント原糸

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080817

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090817

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100817

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100817

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100817

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110817

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110817

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120817

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120817

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees