JP3235256B2 - メンブレンの製造方法とメンブレン - Google Patents

メンブレンの製造方法とメンブレン

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JP3235256B2
JP3235256B2 JP6536093A JP6536093A JP3235256B2 JP 3235256 B2 JP3235256 B2 JP 3235256B2 JP 6536093 A JP6536093 A JP 6536093A JP 6536093 A JP6536093 A JP 6536093A JP 3235256 B2 JP3235256 B2 JP 3235256B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広義の電磁波に対する
透過膜、真空空間保持のための遮断用薄膜、あるいは極
めて微弱な力によって微小な変位を発生する薄膜等に使
用されるいわゆるメンブレンの製造方法とメンブレンそ
してそれに用いるブランクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】真空中で発生させた電磁波を取り出すた
めに真空と大気の間に薄膜を貼り、真空を保持する方法
が知られている。また、真空を保持しつつ真空装置の内
部を観察したり、外部から真空中の試料に光を当てたり
する窓に真空空間の保持のために薄膜の遮断膜を使用す
る場合がある。
【0003】さらに、半導体集積回路の製造において
は、フォトリソグラフィー技術の進歩にともない、例え
ばULSI等の極微細な素子パターンの形成に、X線を
使用したX線露光技術の開発が進んでおり、X線露光に
用いるX線露光用マスクの開発も進行している。X線露
光用マスクは、X線透過支持膜上にX線吸収体パターン
を形成したものであるが、前記X線透過支持膜にも、本
発明にかかわるメンブレンが適用可能である。
【0004】真空空間を保持する膜、あるいはX線露光
用マスクのX線透過性の薄膜の従来の形成方法の一例を
(図6)乃至(図9)に示す。(図6)乃至(図9)は
形成する膜の断面図である。
【0005】シリコン基材1の一方の面にメンブレン用
薄膜3をスパッタリング法、蒸着法、気相成長法等によ
り形成する(図9)。形成した膜面と反対の面にエッチ
ングのマスク用薄膜4を形成し、エッチング用の窓部分
5を開ける(図7)。続いて、シリコン基材1を有機ア
ルカリ液、水酸化ナトリウム等の無機アルカリ液、ある
いはフッ酸水溶液等の酸系エッチング液によってエッチ
ング除去してシリコン基材1に保持された薄膜を形成す
る(図8)。このシリコン基材のエッチングを、「裏側
にエッチングを施す」という意味からバックエッチング
と称しており、また支持枠に張られた状態に形成された
薄膜を「メンブレン」と称するのが一般的である。尚、
このメンブレンを使用する一例であるところのX線露光
用マスクでは、(図9)の断面図に示すようにメンブレ
ン上にX線吸収体パターン5を形成している。
【0006】従来のメンブレンおよびメンブレン製造方
法においては、バックエッチングの終点はメンブレンに
なる薄膜と基材のシリコンとのエッチング速度の差で決
まっていた。従来のメンブレン用の薄膜はシリコンに比
べてエッチング速度が極端に遅く、このために、シリコ
ン基材のエッチング反応終了後エッチングは膜面でほぼ
自動的に停止していた。
【0007】具体的にはメンブレン用の薄膜は炭化シリ
コン、窒化シリコン、窒化ホウ素等である。これらはシ
リコンに比べてバックエッチング液に対するエッチング
速度が小さく、シリコン基材の反応終了後エッチングは
膜面でほぼ自動的に停止する。
【0008】またシリコンをメンブレン化する場合には
従来法ではシリコンの表面近傍にホウ素等をドーピング
させて基材のシリコンのバックエッチングを停止させて
メンブレンを形成するか、またはシリコン基材のバック
エッチングを進めて希望する膜厚になったところでエッ
チング液を除去してエッチングを停止させてメンブレン
を形成していた。
【0009】一方、特開平2−222521号公報に
は、金あるいはクロムをエッチング停止層として用いる
ことが一部記載されているが、膜厚が5nmと薄いた
め、実際のエッチング時には停止層としての効果が乏し
い。またメンブレンになる薄膜が金属酸化物に限られて
おり、金属酸化物は若干のエッチング耐性があるため、
エッチング耐性のない薄膜をメンブレン化する場合には
適応が難しかった。
【0010】従来の技術によるとメンブレンを得ようと
する際、メンブレンの材質はバックエッチング液に耐え
るものに限られていた。そして、シリコンにホウ素等を
ドーピングしてメンブレン材料とする場合には、膜厚が
数μm程度までしか薄くすることが出来ず、また真空空
間を保持して真空中から電磁波等を取り出す遮断膜に使
う場合には、膜厚が厚すぎるという問題があった。さら
に一方で、シリコンをバックエッチングして適当な厚さ
でバックエッチングを停止させる方法は制御が難しく、
また手間がかかるうえに再現性にも乏しく、さらには膜
厚が均一に成り難く、そしておうおうにして要求される
数μm以下の薄い膜を作ることが非常に難しいという問
題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題点に
鑑みなされたものであり、その目的とするところは、す
なわち、メンブレン用の薄膜を、バックエッチング液に
対する耐性にかかわらず、広い選択範囲の中から使用目
的に応じてより適切な材質のものを使用できるように
し、また膜厚に関しても適切な厚さのものを得られるよ
うにするとともに、さらにはメンブレン用の薄膜とエッ
チング停止層の応力差に係わらず希望する薄膜を形成す
ることである。
【0012】
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明が提供する手段とは、すなわち、 薄膜が基材上
に形成されてあり、該基材にバックエッチングを施すこ
とによってメンブレンが形成されるメンブレンの製造方
法において、バックエッチング用の停止層を該基材と該
薄膜との間に設け、且つ該薄膜を間にして該停止層の側
とは反対側に歪緩和層を設けておき、該停止層によりバ
ックエッチングを停止した後に、該停止層ならびに歪緩
和層を除去することを特徴とするメンブレンの製造方法
である。
【0014】また特には、前記歪緩和層を除去する際
に、該歪緩和層を部分的に残すことを特徴とする前記の
メンブレンの製造方法である。
【0015】そして好ましくは、前記歪緩和層の材質が
金属からなることを特徴とする前記のメンブレンの製造
方法である。
【0016】また好ましくは、前記歪緩和層は膜厚が1
0nm以上の薄膜であることを特徴とする前記のメンブ
レンの製造方法である。
【0017】また好ましくは、前記停止層の材質が金属
からなることを特徴とする前記のメンブレンの製造方法
である。
【0018】また好ましくは、前記停止層は膜厚が10
nm以上の薄膜であることを特徴とする前記のメンブレ
ンの製造方法である。
【0019】あるいは、枠状の基材に支持されて張られ
た薄膜からなる構造を有するメンブレンにおいて、該メ
ンブレンの両面にそれぞれ接しており、且つ該基材およ
び薄膜とは異なる材質からなる層を、該薄膜の領域上の
一部に有することを特徴とするメンブレンである。
【0020】または前記の製造方法により製造されたこ
とを特徴とするメンブレンである。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】以下には、本発明にかかわるメンブレンの
第1の製造方法およびそれに用いるブランクを、(図
2)乃至(図5)に示す一例を用いてさらに詳細に説明
する。
【0028】(図2)は本発明にかかわるメンブレンを
製造するためのブランクである。シリコン基材1の一方
の面に停止層2を形成しさらにメンブレン用薄膜3を成
膜する。メンブレン用薄膜3と反対面にあるシリコン基
材面にはバックエッチングのマスク用薄膜4を形成す
る。バックエッチング停止層2、メンブレン用薄膜3、
およびバックエッチングのマスク用薄膜4は公知の成膜
法により形成する。尚、成膜法の例としては、スパッタ
リング法、蒸着法、気相成長法、もしくはこれらの応用
・改良した各種の成膜法が好ましく、膜厚の制御は成膜
条件で行えることから、膜厚の選択が広範囲に対応でき
る。
【0029】バックエッチング停止層2の材質として
は、基材材質と比較してエッチング液に対する耐性が高
くかつ成膜が可能であれば各様に選択できる。尚、好ま
しくは金属を用いる。例えばクロム、鉄、ニッケル等を
主成分として、あるいはこれらの金属からなる合金を、
バックエッチング停止層2の材質として使用する。膜厚
はバックエッチングを停止させるために少なくとも10
nm以上が必要であり、かつ成膜作業の便宜から好まし
くは2μm以下が程度が適当である。尚、バックエッチ
ング停止層2の膜厚が2μmを越えても、バックエッチ
ングを停止させる作用は勿論有しており使用可能であ
る。
【0030】メンブレン用薄膜3の材質は、成膜さえ可
能であれば目的や制約に応じて各様に選択できる。例え
ば、いわゆる酸化物、炭化者、窒化物、金属、セラミッ
クスあるいは樹脂等々が一般に挙げられ、特に限定する
ものではない。例えば真空空間保持のための遮断用の透
明膜に限ると、酸化シリコン、ダイアモンド、グラファ
イトあるいはシリコンが好ましいものとして挙げられ
る。また、メンブレン用薄膜3の層構成についても、や
はり目的と制約に応じて、単層のみならず多層として形
成することは、いうまでもなく好適である。
【0031】バックエッチングのマスク用薄膜4の材質
は、バックエッチング液に対して耐性を有し、かつ成膜
が可能であれば目的に応じて選択でき、特に限定するも
のではない。例えば、炭化シリコン、窒化シリコン、窒
化ホウ素あるいはホウ素ドーピングシリコンが好ましい
ものとして一般的に挙げられる。
【0032】尚、炭化シリコン、窒化シリコン、窒化ホ
ウ素あるいはホウ素ドーピングシリコン等のようにバッ
クエッチング液に対して耐性のある膜をメンブレン用薄
膜3として用いることは、言うまでもなく可能である。
【0033】(図3)はバックエッチングのマスク用薄
膜4にバックエッチングのための窓部分5を開けてシリ
コン基材1を露出させたところを示している。次に窓部
分5からバックエッチングを行うとバックエッチング停
止層2でバックエッチングの速度が低下して、エッチン
グが停止した状態になる(図4)。
【0034】バックエッチング液としては、有機アルカ
リ液、あるいは水酸化ナトリウム等の無機アルカリ液、
さらにはバックエッチング停止層2の材質を選ぶことに
よってフッ酸等の酸性エッチング溶液等も使用可能であ
る。
【0035】バックエッチング液を除去した後にバック
エッチング停止層2を金属用のエッチング液を用いて除
去することによりメンブレンが完成する(図5)。
【0036】金属のエッチング液は、例えば、クロムに
対しては硝酸セリウムアンモニウム液、また鉄、ニッケ
ルに対しては塩化第二鉄溶液がそれぞれ使用できる。そ
の他の金属をバックエッチング停止層2として用いた場
合にも、それぞれの酸化還元電位に応じて、適当なエッ
チング液を選択して使用することによってエッチング除
去することができる。
【0037】X線露光用マスクでは(図1)の断面図に
示すようにメンブレン上にX線吸収体パターン6を形成
する。
【0038】以下には、本発明にかかわるメンブレンの
第2の製造方法およびそれに用いるブランクを、(図1
1)から(図14)に示す一例を用いてさらに詳細に説
明する。
【0039】(図11)は本発明にかかわるメンブレン
を製造するためのブランクである。シリコン基材1の一
方の面に停止層2を形成しさらにメンブレン用薄膜3と
歪緩和層20を成膜する。メンブレン用薄膜3と反対面
にあるシリコン基材面にはバックエッチングのマスク用
薄膜4を形成する。停止層2、メンブレン用薄膜3、歪
緩和層20およびバックエッチングのマスク用薄膜4は
公知の成膜法により形成する。尚、成膜法の例として
は、スパッタリング法、蒸着法、気相成長法、もしくは
これらを応用あるいは改良した各種の成膜法が好まし
く、膜厚の制御は成膜条件で行えることから、膜厚の選
択が広範囲に対応できる。
【0040】バックエッチング用の停止層2の材質とし
ては、基材材質と比較してエッチング液に対する耐性が
高くかつ成膜が可能であれば各様に選択できる。尚、好
ましくは金属を用いる。例えばクロム、鉄、ニッケル等
を主成分として、あるいはこれらの金属からなる合金
を、バックエッチング用の停止層2の材質として使用す
ることが、材料の入手の問題や成膜技術の問題から、便
利である。
【0041】膜厚に関しては、バックエッチングを十分
に停止させるために少なくとも10nm以上が必要であ
り、且つ成膜作業の便宜から好ましくは2μm以下の程
度が適当である。尚、停止層2の膜厚が2μmを越えて
も、勿論バックエッチングを停止させる機能を有してお
り使用は可能である。
【0042】また、歪緩和層20はバックエッチング用
の停止層2と同じ程度の内部応力を持つ薄膜であれば良
いが、材質と膜厚とをいずれも停止層2と同じにするの
が望ましくまた製造工程から考慮してもも簡単で便利で
ある。
【0043】メンブレン用薄膜3の材質は、成膜さえ可
能であれば目的や制約に応じて各様に選択できる。例え
ばいわゆる酸化物、炭化物、窒化物、金属、セラミック
スあるいは樹脂等々が挙げられるが、特に限定する理由
は無い。例えば真空空間保持のための遮断用の透明膜に
限ると、酸化シリコン、ダイアモンド、グラファイトあ
るいはシリコンが好ましいものとして挙げられる。ま
た、メンブレン用薄膜3の層構成についても、やはり目
的と制約に応じて、単層のみならず多層として形成する
ことは、いうまでもなく適応可能である。
【0044】バックエッチングのマスク用薄膜4の材質
は、バックエッチング液に対して耐性を有し、かつ成膜
が可能であれば目的に応じて選択でき、特に限定するも
のではない。例えば、炭化シリコン、窒化シリコン、窒
化ホウ素あるいはホウ素ドーピングシリコンが好ましい
ものとして一般的に挙げられる。
【0045】尚、炭化シリコン、窒化シリコン、窒化ホ
ウ素あるいはホウ素ドーピングシリコン等のようにバッ
クエッチング液に対して耐性のある膜をメンブレン用薄
膜3として用いることは、言うまでもなく可能である。
【0046】(図12)はバックエッチングのマスク用
薄膜4にバックエッチングのための窓部分5を開けてシ
リコン基材1を露出させたところを示している。次に窓
部分5からバックエッチングを行うと停止層2でバック
エッチングの速度が低下して、エッチングが停止した状
態になる(図13)。
【0047】バックエッチング終了時には停止層2とメ
ンブレン用薄膜3および歪緩和層20がかさなった薄膜
がシリコン基材1に保持されており、停止層2とメンブ
レン用薄膜3の応力に差があった場合にもメンブレン用
薄膜3が停止層2と歪緩和層20によって挟まれている
ために膜に反り等の歪みが生じる事がない。
【0048】バックエッチング液としては、有機アルカ
リ液、あるいは水酸化ナトリウム等の無機アルカリ液、
さらには停止層2の材質を選ぶことによってフッ酸等の
酸性エッチング溶液等も使用可能である。
【0049】バックエッチング液を除去した後に停止層
2と歪緩和層20を除去することによりメンブレンが完
成する(図14)。停止層2はバックエッチングしたシ
リコン基材1をマスクにして除去する。
【0050】停止層2と歪緩和層20を除去する液は、
例えば、クロムに対しては硝酸セリウムアンモニウム
液、また鉄、ニッケルに対しては塩化第二鉄溶液がそれ
ぞれ使用できる。その他の金属を停止層2および歪緩和
層20として用いた場合にも、それぞれの酸化還元電位
に応じて、適当なエッチング液を選択して使用すること
によってエッチング除去することができる。
【0051】X線露光用マスクでは(図1)の断面図に
示すようにメンブレン上にX線吸収体パターン6を形成
する。
【0052】次に、本発明にかかわるメンブレンの第3
の製造方法を、(図15)から(図18)に示す一例を
用いてさらに詳細に説明する。
【0053】(図15)は本発明にかかわるメンブレン
を製造するためのブランク上にレジスト層8を形成した
ものである。シリコン基材1の一方の面に停止層2を形
成し、さらにメンブレン用薄膜3と歪緩和層20、およ
びレジスト層8を成膜する。メンブレン用薄膜3と反対
面にあるシリコン基材面にはバックエッチングのマスク
用薄膜4を形成する。レジスト層8はスピンコート法等
により成膜するのがよく、その他のそれぞれの膜および
層の性質、状態、形成方法は第1の製造方法の説明に示
す通りである。
【0054】(図16)はバックエッチングのマスク用
薄膜4にバックエッチングのためのバックエッチング用
窓部分5を開けてシリコン基材1を露出させたところを
示している。次にバックエッチング用窓部分5からバッ
クエッチングを行うと停止層2でバックエッチングの速
度が低下して、エッチングが停止した状態になる。さら
にシリコンのエッチング部分に合わせてレジスト層8を
露光して外周部のみを残す(図17)。
【0055】最後にバックエチングしたシリコン基材1
とレジスト層8をマスクにして停止層2と歪緩和層20
を除去し、レジスト層8を除去することによりメンブレ
ンが完成する(図18)。完成したメンブレンにおいて
メンブレンの外周部に歪緩和層20を残すことにより、
メンブレン用薄膜3の下層の停止層2の応力による歪を
緩和することができる。
【0056】X線露光用マスクでは(図10)の断面図
に示すようにメンブレン上にX線吸収体パターン5を形
成する。
【0057】
【作用】本発明にかかわるメンブレンの製造方法および
それに用いるブランクによると、メンブレンを形成する
際に、基材と薄膜との間に停止層を設けることによっ
て、メンブレンの材質のエッチング液に対する耐性にか
かわらず、基材をバックエッチングすることが可能とな
り、目的に応じた材質と膜厚を有するメンブレンを容易
に形成することが可能となる。さらには歪緩和層の存在
によって、メンブレン用薄膜とエッチング停止層との間
に生じる応力の差が緩和されるため、望まれないような
歪みがメンブレンに生じたり、製造時にメンブレンが破
損したりするような危険が著しく低減され、良好なメン
ブレンが安定して容易に得られるようになる。
【0058】
【実施例】<実施例1>厚さが0.5mmのシリコン基
材の一方の面に、バックエッチングのマスク用薄膜とし
て、膜厚0.5μmの炭化シリコンをスパッタリング法
により成膜した。つづいて、前記シリコン基材の反対側
の面に金属クロムをスパッタリング法により膜厚100
nmで成膜した。金属クロム膜の上には、メンブレン用
の薄膜としてシリコンを2μmの厚さでスパッタリング
法で成膜してブランクとした。
【0059】前記炭化シリコン膜に反応性イオンエッチ
ング法をマスクを介して施し、バックエッチング用の窓
を開け、濃度30%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて
液温100℃でシリコン基材にバックエッチングを施
し、選択的にシリコンを除去した。バックエッチングの
終点は、停止層が機能して、シリコン材とエッチング液
との反応が自己整合的に停止してクロム層が現れること
から容易に制御しかつ判定することができた。
【0060】バックエッチング液を除去した後、硝酸セ
リウムアンモニウムを主成分とする金属クロム用のエッ
チング液によって、停止層をなす金属クロム層をエッチ
ング除去することによって、良好なメンブレンを形成し
た。
【0061】<実施例2>厚さが0.5mmのシリコン
基材の一方の面に、バックエッチングのマスク用薄膜と
して、膜厚0.5μmの炭化シリコンをスパッタリング
法により成膜した。つづいて、前記シリコン基材の反対
側の面に金属クロムをスパッタリング法により膜厚10
0nmで成膜した。金属クロム膜の上には、メンブレン
用の薄膜としてシリコンを2μmの厚さでスパッタリン
グ法で成膜し、さらに歪緩和層として金属クロムをスパ
ッタリング法により膜厚100nmで成膜してブランク
とした。
【0062】前記炭化シリコン膜に反応性イオンエッチ
ング法をマスクを介して施し、バックエッチング用の窓
を開け、濃度30%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて
液温100℃でシリコン基材にバックエッチングを施
し、選択的にシリコンを除去した。バックエッチングの
終点は、停止層が機能して、シリコン材とエッチング液
との反応が自己整合的に停止してクロム層が現れること
から容易に制御しかつ判定することができた。
【0063】バックエッチング液を除去した後、硝酸セ
リウムアンモニウムを主成分とする金属クロム用のエッ
チング液によって、停止層と歪緩和層をなす金属クロム
層をエッチング除去することによって、良好なメンブレ
ンを形成した。
【0064】<実施例3>厚さが0.5mmのシリコン
基材の一方の面に、バックエッチングのマスク用薄膜と
して、膜厚0.5μmの炭化シリコンをスパッタリング
法により成膜した。つづいて、前記シリコン基材の反対
側の面に金属クロムをスパッタリング法により膜厚10
0nmで成膜した。金属クロム膜の上には、メンブレン
用の薄膜としてシリコンを2μmの厚さでスパッタリン
グ法で成膜し、さらに歪緩和層として金属クロムをスパ
ッタリング法により膜厚100nmで成膜してブランク
とした。
【0065】次いで、光レジストMP−1400(シプ
レイ製)を1μm厚で成膜した。前記炭化シリコン膜に
反応性イオンエッチング法をマスクを介して施し、バッ
クエッチング用の窓を開け、濃度30%の水酸化ナトリ
ウム水溶液を用いて液温100℃でシリコン基材にバッ
クエッチングを施し、選択的にシリコンを除去した。バ
ックエッチング後レジスト層を露光し専用の現像液にて
現像することで、応力緩和層の外周部にレジスト層を残
した。
【0066】続いて、硝酸セリウムアンモニウムを主成
分とする金属クロム用のエッチング液によって、前記停
止層と歪緩和層とをエッチングにより除去し、レジスト
層を除去することによって、良好なメンブレンを形成し
た。
【0067】
【発明の効果】本発明にかかわるメンブレンの製造方法
とメンブレンそしてそれに用いるブランクによると、メ
ンブレン用の薄膜と支持基材との間に停止層を設けるこ
とによって、メンブレン用の薄膜に使用したい材質がも
しバックエッチング液に対して耐性が無いものであって
も、使用する目的に応じて、幅の広い選択範囲の中から
より適切な材質を選定して使用することができ、またメ
ンブレンの膜厚も成膜の制御性よく広範囲に選ぶことが
出来るようになった。
【0068】また、これによるメンブレンは、例えばX
線露光用マスクのX線透過支持膜としても良好な品質を
有するものが得られ、しかも安定して容易に製造でき
る。さらには、メンブレン用薄膜とエッチング用の停止
層との間の応力の差に係わらず良好なメンブレンを安定
して容易に得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメンブレンの製造方法とメンブレンそ
してそれに用いるブランクに係わる一実施例を利用して
得たX線露光用マスクの断面を示す説明図である。
【図2】本発明のメンブレンの製造方法にかかわる一実
施例を、断面図を用いて工程順に示す説明図である。
【図3】本発明のメンブレンの製造方法にかかわる一実
施例を、断面図を用いて工程順に示す説明図である。
【図4】本発明のメンブレンの製造方法にかかわる一実
施例を、断面図を用いて工程順に示す説明図である。
【図5】本発明のメンブレンの製造方法にかかわる一実
施例を、断面図を用いて工程順に示す説明図である。
【図6】従来のメンブレンの製造方法の一例を、断面図
を用いて工程順に示す説明図である。
【図7】従来のメンブレンの製造方法の一例を、断面図
を用いて工程順に示す説明図である。
【図8】従来のメンブレンの製造方法の一例を、断面図
を用いて工程順に示す説明図である。
【図9】従来のメンブレンの製造方法の一例により得た
メンブレンを用いているX線露光用マスクの断面図であ
る。
【図10】本発明のメンブレンの製造方法とメンブレン
そしてそれに用いるブランクに係わる他の一実施例を利
用して得たX線露光用マスクの断面を示す説明図であ
る。
【図11】本発明のメンブレンの製造方法にかかわる別
の一実施例を、断面図を用いて工程順に示す説明図であ
る。
【図12】本発明のメンブレンの製造方法にかかわる別
の一実施例を、断面図を用いて工程順に示す説明図であ
る。
【図13】本発明のメンブレンの製造方法にかかわる別
の一実施例を、断面図を用いて工程順に示す説明図であ
る。
【図14】本発明のメンブレンの製造方法にかかわる別
の一実施例を、断面図を用いて工程順に示す説明図であ
る。
【図15】本発明のメンブレンの製造方法にかかわる他
の一実施例を、断面図を用いて工程順に示す説明図であ
る。
【図16】本発明のメンブレンの製造方法にかかわる他
の一実施例を、断面図を用いて工程順に示す説明図であ
る。
【図17】本発明のメンブレンの製造方法にかかわる他
の一実施例を、断面図を用いて工程順に示す説明図であ
る。
【図18】本発明のメンブレンの製造方法にかかわる他
の一実施例を、断面図を用いて工程順に示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1・・・シリコン基材 2・・・停止層 3・・・メンブレン用薄膜 4・・・バックエッチングのマスク用薄膜 5・・・バックエッチング用窓部分 6・・・X線吸収体パターン 8・・・レジスト層 20・・・歪緩和層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 正二 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版 印刷株式会社内 (72)発明者 福原 信彦 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版 印刷株式会社内 審査官 星野 浩一 (56)参考文献 特開 昭58−98732(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 1/16 H01L 21/3065

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄膜が基材上に形成されてあり、該基材に
    バックエッチングを施すことによってメンブレンが形成
    されるメンブレンの製造方法において、バックエッチン
    グ用の停止層を該基材と該薄膜との間に設け、且つ該薄
    膜を間にして該停止層の側とは反対側に歪緩和層を設け
    ておき、該停止層によりバックエッチングを停止した後
    に、該停止層ならびに歪緩和層を除去することを特徴と
    するメンブレンの製造方法。
  2. 【請求項2】前記歪緩和層を除去する際に、該歪緩和層
    を部分的に残すことを特徴とする請求項1記載のメンブ
    レンの製造方法。
  3. 【請求項3】前記歪緩和層の材質が金属からなることを
    特徴とする請求項1または2記載のメンブレンの製造方
    法。
  4. 【請求項4】前記歪緩和層は膜厚が10nm以上の薄膜
    であることを特徴とする請求項1乃至3記載のメンブレ
    ンの製造方法。
  5. 【請求項5】前記停止層の材質が金属からなることを特
    徴とする請求項1乃至4記載のメンブレンの製造方法。
  6. 【請求項6】前記停止層は膜厚が10nm以上の薄膜で
    あることを特徴とする請求項1乃至5記載のメンブレン
    の製造方法。
  7. 【請求項7】枠状の基材に支持されて張られた薄膜から
    なる構造を有するメンブレンにおいて、該メンブレンの
    両面にそれぞれ接しており、且つ該基材および薄膜とは
    異なる材質からなる層を、該薄膜の領域上の一部に有す
    ることを特徴とするメンブレン。
  8. 【請求項8】請求項1乃至6の製造方法により製造され
    たことを特徴とするメンブレン。
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