JP3234859B2 - 回転コネクタ - Google Patents

回転コネクタ

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JP3234859B2
JP3234859B2 JP33203295A JP33203295A JP3234859B2 JP 3234859 B2 JP3234859 B2 JP 3234859B2 JP 33203295 A JP33203295 A JP 33203295A JP 33203295 A JP33203295 A JP 33203295A JP 3234859 B2 JP3234859 B2 JP 3234859B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回動自在に連結さ
れた一対のハウジング間の電気的接続を可撓性ケーブル
を用いて行う回転コネクタに係り、特に、回転コネクタ
を自動車のステアリング装置に組み付けるまで、両ハウ
ジングを回転の中立位置に保持するためのロック機構に
関する。
【0002】
【従来の技術】回転コネクタは、回動自在に連結された
一対のハウジングと、両ハウジング間に画成される環状
の収納部内に巻回された可撓性ケーブルとで概略構成さ
れており、該可撓性ケーブルの両端は両ハウジングにそ
れぞれ固定された状態で外部へ電気的に導出されてい
る。そして、可動側のハウジングを固定側のハウジング
に対して回転すると、その回転方向に応じて、可撓性ケ
ーブルが収納部内で巻き締めあるいは巻き戻され、いず
れの状態においても両ハウジング間の電気的接続が可撓
性ケーブルを介して維持されるようになっている。
【0003】このように構成された回転コネクタは、ス
テアリング装置のステータ部材であるコンビネーション
スイッチ等に固定側のハウジングが、ステアリング装置
のロータ部材であるハンドルに可動側のハウジングがそ
れぞれ取付けられ、ハンドルに装着されたエアーバッグ
・インフレータやホーンスイッチ等の電気的接続手段と
して使用される。この場合において、回転コネクタはハ
ンドルの回転中立位置を基準にして正・逆両方向にほぼ
同量ずつ回転できなければならず、そのため、回転コネ
クタをステアリング装置に組み付けるまで、回転コネク
タに装着されたロック部材によって両ハウジングを回転
中立位置に保持するようにしたものが知られている。
【0004】かかる既知の回転コネクタとして実公平6
−47882号公報に記載されたものは、ロック部材に
薄肉部を介して連結された弾性片と係止片とを設け、回
転中立位置に位置合わせされた両ハウジングに該ロック
部材を装着し、弾性片を一方のハウジングの係合孔に保
持させると共に、係止片を他方のハウジングの回転規制
部に係止させることにより、回転コネクタをステアリン
グ装置に組み付けるまで両ハウジングの自由な回転をロ
ックするように構成されている。このように構成された
回転コネクタによれば、ロック部材を両ハウジングから
離脱してロック解除する際に、弾性片が薄肉部でロック
部材から破断されて一方のハウジングの係合孔内に残る
ため、ロック部材が不所望に離脱されたことを弾性片の
存在によってチェックすることができるようになってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の回転コネクタにあっては、ロック解除後にロッ
ク部材から切り離された弾性片が一方のハウジング内に
残り、この弾性片は自身の弾性で係合孔内に保持される
がハウジングと別体であるため、外部からの振動によっ
て係合孔内を移動したり、場合によってはハウジングか
らコンビネーションスイッチ等の内部に抜け落ちること
があり、様々な異音を発生するという問題があった。
【0006】本発明は、このような従来技術の実情に鑑
みてなされたもので、その目的は、ロック部材が不所望
に離脱されたことをチェックする機能を損なわずに、ロ
ック部材に起因する異音の発生を解消できる回転コネク
タを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロック部材に
板状片から互いに反対方向へ突出する第1および第2の
係合突片を一体形成し、該ロック部材の板状片を第1ハ
ウジングの外周面に形成した一対の壁部内に挿入するこ
とにより、第1の係合突片を両壁部の対向面を繋ぐ橋絡
片に薄肉部を介して形成された係合突起に係止すると共
に、該ロック部材の第2の係合突片を第2ハウジング
天面の回転規制部に係止することにより、両ハウジング
間の自由な回動が阻止されるロック状態に保持し、ロッ
ク解除後に、ロック部材と共に係合突起を薄肉部で破断
して第1ハウジングから取り除くようにしている。この
ように、ロック部材の離脱と共に係合突起が第1ハウジ
ングから取り除かれることにより、異音の原因となる部
材が第1ハウジングに残らなくなり、しかも、薄肉部の
破断状態を目視することにより、ロック部材が不所望に
離脱されたことをチェックすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の回転コネクタでは、回動
自在に連結された第1および第2ハウジングと、これら
両ハウジングの内部に収納巻回された可撓性ケーブル
と、前記両ハウジングに対して着脱可能で、その装着時
に両ハウジング間の自由な回動を阻止するロック部材と
を備え、前記ロック部材に板状片と該板状片から互いに
反対方向へ突出する第1および第2の係合突片とを一体
形成し、前記第1ハウジングの外周面に前記ロック部材
の前記板状片が挿入される一対の壁部を形成すると共
に、これら壁部の対向面を繋ぐ橋絡片に薄肉部を介して
係合突起を形成し、前記第2ハウジングの天面に回転規
制部を形成し、前記ロック部材の装着時に、該ロック部
材の前記第1の係合突片が前記係合突起に係止されると
共に、該ロック部材の前記第2の係合突片が前記回転規
制部に係止され、前記ロック部材の離脱時に、前記係合
突起が前記薄肉部から破断されるように構成した。
【0009】このように構成された回転コネクタによれ
ば、ロック部材の離脱時に、係合突起が薄肉部から破断
されてロック部材と共に取り除かれるため、ロック部材
が不所望に離脱されたことをチェックする機能を損なわ
ずに、ロック部材に起因する異音の発生を解消できる。
【0010】しかも、第1ハウジングの外周面に一対の
壁部が形成されると共に、これら壁部の対向面を繋ぐ橋
絡片に薄肉部を介して係合突起が形成されているため、
両壁部がロック部材の板状片の挿入を案内するガイド部
材として機能するばかりでなく、両壁部によって係合
が不所望に破損されるのを防止できる。
【0011】また、上記の構成において、前記ロック部
材の第1の係合突片に係止孔を設け、この係止孔の周囲
をドーム状に形成すると、係止孔の周囲が撓みやすくな
るため、係合突起を係止孔に簡単にスナップインするこ
とができ、スナップイン後は係合突起が抜けにくくな
る。
【0012】また、上記の構成において、前記薄肉部の
途中に切り込みを形成すると、ロック部材を離脱する際
に、係合突起を切り込みに沿って確実に破断することが
でき、しかも、係合突起側に残された薄肉部の一部がロ
ック部材の第1の係突片に引っ掛るため、係合突起がロ
ック部材から分離して飛び散ることを防止できる。
【0013】
【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、
図1に示すように、回転コネクタは、固定側ハウジング
1と、可動側ハウジング2と、これら両ハウジング1,
2の内部に収納巻回された図示せぬ可撓性ケーブルとで
構成されており、このような回転コネクタに対してロッ
ク部材3が着脱されるようになっている。
【0014】合成樹脂製の固定側ハウジング1はリング
状の外筒部4を有する有底形状に成形されており、外筒
部4の外周面には一対の壁部5と橋絡片6および係合突
起としてのボス7が一体成形されている。図2に示すよ
うに、橋絡片6は両壁部5の対向面を繋ぐように水平方
向に延びており、該橋絡片6の中央に薄肉部6aが形成
されている。ボス7は薄肉部6aと直交するように上下
方向に延びており、該ボス7の上端に鍔部7aが形成さ
れている。このように、ボス7は薄肉部6aを介して橋
絡片6に繋がれており、薄肉部6aから折れやすくなっ
ているが、比較的厚肉の壁部5がボス7の両側に突出し
ているため、両壁部5によってボス7が不用意に折れる
ことを防止している。
【0015】可動側ハウジング2も合成樹脂で成形され
ており、この可動側ハウジング2は固定側ハウジング1
の開放面を塞ぐように該固定側ハウジング1に回動自在
に連結されている。可動側ハウジング2の天面に回転規
制部としての突起8が形成されており、この天面の中央
には内筒部9が垂設されている。また、両ハウジング
1,2の内部に画成された環状の収納部に前述した可撓
性ケーブルが渦巻状に巻回されており、該可撓性ケーブ
ルの両端は両ハウジング1,2に固定された後、図示せ
ぬダイレクトコネクタ等を用いて外部に導出されてい
る。
【0016】合成樹脂製のロック部材3は上下方向に延
びる板状片10を有し、この板状片10の上端に指掛部
10aが形成されている。また、板状片10には第2の
係合突片としての二股状の係合部11と第1の係合突片
としてのスナップ片13とが互いに反対方向へ突出する
ように一体形成されている。該スナップ片13にはボス
7にスナップ結合される係止孔12が形成されると共
に、係止孔12の周縁から外側へ向かう複数の切欠き1
3aが形成されている。
【0017】前述の如く構成された回転コネクタは、ス
テアリング装置のステータ部材に固定側ハウジング1を
取付け、ステアリング装置のロータ部材であるハンドル
を可動側ハウジング2に取付けることにより、ハンドル
に装着されたエアーバッグ・インフレータやホーン・ス
イッチ等の接続手段として使用される。かかる回転コネ
クタの組み付けに際して、可動側ハウジング2はハンド
ルの回転中立位置を基準にして正・逆両方向にほぼ同量
ずつ回転できなければならない。そのために、回転コネ
クタの製造段階では、図1に示すように、固定側ハウジ
ング1に対して可動側ハウジング2を回転中立位置に位
置合わせした後、ロック部材3の板状片10を固定側ハ
ウジング1の両壁部5の間に挿入する。この場合、両壁
部5はロック部材3の挿入を案内するガイド部材として
機能する。ロック部材3をさらに押し込むと、図3に示
すように、該ロック部材3の係止孔12がボス7の鍔部
7aにスナップインされると共に、係合部11の二股部
内に可動側ハウジング2の突起8が挿入され、その結
果、可動側ハウジング2の回転がロック部材3によって
阻止される。この場合、係止孔12の周囲に複数の切欠
き13aが形成されているため、係止孔12をボス7の
鍔部7aに容易にスナップインすることができ、スナッ
プイン後のボス7の抜け落ちを確実に防止できる。した
がって、回転コネクタの搬送中等において、固定側ハウ
ジング1に対して可動側ハウジング2がみだりに回転す
ることがなく、そのままの状態をステアリング装置に組
み付ける直前まで維持できる。
【0018】回転コネクタをステアリング装置に組み付
ける場合は、ロック部材3の指掛部10aに指を掛けて
引っ張り、ロック部材3を回転コネクタから離脱する。
その際、係止孔12にボス7がスナップ結合されている
ため、図4に示すように、機械的強度の低い薄肉部6a
が上記引張力によって破断され、ボス7は係止孔12に
スナップ結合されたままロック部材3と共に除去され
る。したがって、ロック解除後の回転コネクタに異音の
原因となるロック部品は残らなくなり、また、薄肉部6
aの破断状態を目視することにより、ロック部材3を一
度装着した後における再装着を未然に防止できる。
【0019】図5に示される実施例では、ロック部材3
の係止孔12の周囲をドーム状に形成し、このドーム状
部分に複数の切欠き13aを形成してある。このように
すると、係止孔12の周囲が撓みやすくなるため、ボス
7を係止孔12にスナップインする動作が一層簡単にな
るばかりでなく、スナップイン後のボス7の抜けに対し
ても確実性が高くなる。
【0020】図6に示されている実施例では、薄肉部6
aの途中に一対の切り込み14を形成し、薄肉部6aの
機械的強度がこれら切り込み14で最も低くなるように
してある。このようにすると、ロック部材3を回転コネ
クタから離脱する際に、ボス7を切り込み14に沿って
確実に破断することができ、しかも、ボス7側に残され
た薄肉部6aの一部が係止孔12の周囲に引っ掛るた
め、ボス7がロック部材3から分離して飛び散ることを
防止できる。
【0021】なお、上記各実施例では、固定側ハウジン
グにボスを形成し、可動側ハウジングに回転規制部を形
成した場合について説明したが、これとは逆に、可動側
ハウジングにボスを形成し、固定側ハウジングに回転規
制部を形成しても良い。
【0022】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0023】回動自在に連結された一対のハウジングの
いずれか一方に薄肉部を介して係合突起を形成し、ロッ
ク部材の第1の係合突片を係合突起に係止することで、
両ハウジング間の自由な回動を阻止するようにしたた
め、ロック部材の離脱時に、係合突起は薄肉部から破断
されてロック部材と共に取り除かれ、したがって、ロッ
ク部材が不所望に離脱されたことをチェックする機能を
損なわずに、ロック部材に起因する異音の発生を解消で
きる。
【0024】しかも、第1ハウジングの外周面に一対の
壁部が形成されると共に、これら壁部の対向面を繋ぐ橋
絡片に薄肉部を介して係合突起が形成されているため、
壁部がロック部材の板状片の挿入を案内する際のガイ
ド部材として機能するばかりでなく、両壁部によって
突起が不所望に破損されるのを防止できる。
【0025】また、ロック部材の第1の係合突片に係止
孔を設け、この係止孔の周囲をドーム状に形成すると、
係止孔の周囲が撓みやすくなるため、係合突起を係止孔
に簡単にスナップインすることができ、スナップイン後
係合突起が抜けにくくなる。
【0026】また、薄肉部の途中に切り込みを形成する
と、ロック部材を離脱する際に、係合突起を切り込みに
沿って確実に破断することができ、しかも、係合突起
に残された薄肉部の一部が第1の係合突片に引っ掛るた
め、係合突起がロック部材から分離して飛び散ることを
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転コネクタとロック部材の斜視図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】ロック時の要部断面図である。
【図4】ロック解除時の要部断面図である。
【図5】ロック部の実施例を示す要部断面図である。
【図6】ロック部の実施例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 第1ハウジング 2 第2ハウジング 3 ロック部材 4 外筒部 5 壁部 6 橋絡片 6a 薄肉部 7 ボス 7a 鍔部 8 突起 10 板状片 11 係合部 12 係止孔 13 スナップ片 13a 切欠き 14 切り込み
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 35/04 B60R 16/02 B62D 1/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回動自在に連結された第1および第2ハ
    ウジングと、これら両ハウジングの内部に収納巻回され
    た可撓性ケーブルと、前記両ハウジングに対して着脱可
    能で、その装着時に両ハウジング間の自由な回動を阻止
    するロック部材とを備え、前記ロック部材に板状片と該板状片から互いに反対方向
    へ突出する第1および第2の係合突片とを一体形成し、 前記第1ハウジングの外周面に前記ロック部材の前記板
    状片が挿入される一対の壁部を形成すると共に、これら
    壁部の対向面を繋ぐ橋絡片に薄肉部を介して係合突起を
    形成し、 前記第2ハウジングの天面に回転規制部を形成し、 前記ロック部材の装着時に、該ロック部材の前記第1の
    係合突片が前記係合突起に係止されると共に、該ロック
    部材の前記第2の係合突片が前記回転規制部に係止さ
    れ、 前記ロック部材の離脱時に、前記係合突起が前記薄肉部
    から破断されるように構成したことを特徴とする回転コ
    ネクタ。
  2. 【請求項2】 前記第1の係合突片は前記係合突起にス
    ナップ結合される係止孔を有し、この係止孔の周囲をド
    ーム状に形成した請求項1記載の回転コネクタ。
  3. 【請求項3】 前記薄肉部の途中に切り込みを形成した
    請求項1記載の回転コネクタ。
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