JP3233462B2 - 抗酸化剤 - Google Patents

抗酸化剤

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健次 下村
雅美 中村
佳代 中谷
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Mikimoto Pharmaceutical Co Ltd
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Mikimoto Pharmaceutical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安全性が高い抗酸化剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、主として利用されている酸化防止
剤としては、ブチルヒドロキシアンソニール(BH
A)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ビタミン
Eやその誘導体がある。BHAやBHTは、合成品であ
る。現在一般的な常識として、合成品の使用に関して長
期間の使用による安全性の保証がないとして厳しい非難
があり、実際の法規制でも使用が甚だしく規制されつつ
ある。また、ビタミンEやその誘導体は、酸化防止作用
が弱く、天然物で強い酸化防止作用のある物質が望まれ
ている。
【0003】ポンガミア グラブラ(Pongamia glabr
a)は、まめ科の植物でインドにおいて、医薬品として
利用されている。その樹皮は、下痢、消化不良、腸の張
り、利尿、気管支炎、肺炎等に服用されている。一方、
根皮は、痔の治療に使われている。しかしながら、この
ポンガミア グラブラは化粧品の原料として利用された
ことはない。
【0004】アザディラチタ インディカ(Azadiracht
a indica)は、マルゴサとも呼ばれ、高さ12〜15m
になるセンダン科の落葉高木であり、葉は奇数羽状複葉
である。その種子は、催吐剤、緩下剤、駆虫剤として利
用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、人体
に対する安全性が確認されている天然物の中から、酸化
防止作用の強い物質を見つけ出し、化粧用原料として有
用な抗酸化剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題などを解決するために鋭意検討を行った結果、すでに
多年にわたって食用に供され、人体に対する安全性が確
認されている植物をスクリーニングして調べ、抗酸化剤
として利用価値のあるものを検討した。その結果、以下
の植物体の溶媒抽出物が、非常に抗酸化剤として有効性
を有することを見い出し、本発明を完成するに至ったの
である。すなわち、本発明の抗酸化剤は、ポンガミア
グラブラ(Pongamia glabra)、アザディラチタ イン
ディカ(Azadirachta indica)よりなる群より選んだ少
なくとも1種の植物体の溶媒抽出物を含むことを特徴と
するものである。
【0007】以下に、本発明の内容を説明する。本発明
のポンガミア グラブラ(Pongamia glabra)、アザデ
ィラチタ インディカ(Azadirachta indica)の利用方
法としては、水或いは親水性有機溶媒、例えば、エタノ
ール、メタノール、アセトン等で抽出する。本発明の抗
酸化剤を化粧用原料として使用する場合には、化粧品原
料の抽出であるから、水或いはエタノール或いはこれら
の混合溶媒での抽出が好ましい。また、場合によって
は、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピ
レングリコール等の多価アルコール又は多価アルコール
と水の混液も抽出に利用できる。更に、凍結乾燥して粉
体として利用することも利用方法によっては有効であ
る。
【0008】これらの物質を他の化粧品原料、例えば、
スクワラン、ホホバ油等の液状油、ミツロウ、セチルア
ルコール等の固体油、各種の活性剤、グリセリン、1,
3−ブチレングリコール等の保湿剤や各種薬剤等とを配
合して様々な剤形の化粧料等、例えば、ローション、ク
リーム、乳液、パック等に調製でき、目的に応じて種々
の利用形態の抗酸化効果を発揮する化粧料などに調製す
ることができる。
【0009】
【実施例】次に、実際の利用方法である実施例により本
発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例によ
って何等限定されるものではない。本発明で使用した各
植物体の抽出物の実施例を示す。
【0010】(実施例1) ポンガミア グラブラ(Pongamia glabra)の根(乾燥
品)10gにメタノール300mlを加えて時々撹拌し
つつ5日間放置した。これを濾過後凍結乾燥した。
【0011】(実施例2) ポンガミア グラブラ(Pongamia glabra)の根(乾燥
品)10gに50%メタノール300mlを加えて時々
撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後凍結乾燥し
た。
【0012】(実施例3) ポンガミア グラブラ(Pongamia glabra)の根(乾燥
品)10gに精製水300mlを加えて3時間加熱し
た。これを濾過後凍結乾燥した。
【0013】(実施例4) ポンガミア グラブラ(Pongamia glabra)の樹皮(乾
燥品)10gにメタノール300mlを加えて時々撹拌
しつつ5日間放置した。これを濾過後凍結乾燥した。
【0014】(実施例5) ポンガミア グラブラ(Pongamia glabra)の樹皮(乾
燥品)10gに50%メタノール300mlを加えて時
々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後凍結乾燥し
た。
【0015】(実施例6) ポンガミア グラブラ(Pongamia glabra)の樹皮(乾
燥品)10gに精製水300mlを加えて3時間加熱し
た。これを濾過後凍結乾燥した。
【0016】(実施例7) アザディラチタ インディカ(Azadirachta indica)の
種子(乾燥品)10gにメタノール300mlを加えて
時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後凍結乾燥
した。
【0017】(実施例8) アザディラチタ インディカ(Azadirachta indica)の
種子(乾燥品)10gに精製水300mlを加えて3時
間加熱した。これを濾過後凍結乾燥した。
【0018】上記で得られた各抽出物を下記組成のロー
ション(参考例1)、クリーム(参考異例2、A組成)
に配合して各化粧料を調製することができる。 (参考例1:ローション、全量100重量%) オリーブ油 0.5 ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノステアレート 2.0 ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 2.0 エタノール 10.0 1.0%ヒアルロン酸ナトリウム溶液 5.0 精製水 80.0
【0019】 (参考例2:クリーム、全量100重量%) A スクワラン 20.0 オリーブ油 2.0 ミンク油 1.0 ホホバ油 5.0 ミツロウ 5.0 セトステアリルアルコール 2.0 グリセリンモノステアレート 1.0 ソルビタンモノステアレート 2.0 B 精製水 47.9 ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノステアレート 2.0 ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.0 グリセリン 5.0 1.0%ヒアルロン酸ナトリウム溶液 5.0 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 上記AとBをそれぞれ計量し、70℃まで加温し、Bに
Aを撹拌しつつ徐々に加えた後、ゆっくり撹拌しつつ3
0℃まで冷却した。
【0020】(抗酸化試験) 以下の試験液をネジキャップ付50ml試験管に作製し
た。 検体 5mg 2%リノール酸エタノール溶液 10ml 0.1M、pH7.0リン酸緩衝液 10ml 精製水 5ml この試験体を50℃の恒温槽に遮光して放置する。これ
を恒温槽に入れる前と数日間隔で以下の測定をした。試
験液0.125ml、75%エタノール12.125m
l、30%チオシアン酸アンモニウム0.125mlを
加えて撹拌し3分間放置後、0.02N塩化第一鉄3.
5%HCl水溶液0.125mlを加えて撹拌し3分間
放置後、波長500nmで吸光度を測定した。セル長1
0mm、対照セルは試験液を水に置き換えたもの。試験
結果を下記表1〜表3に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】上記表1〜表3から明らかなように、ポン
ガミア グラブラ(Pongamia glabra)、アザディラチ
タ インディカ(Azadirachta indica)の植物体の溶媒
抽出物は、従来抗酸化剤として使用されてきたビタミン
Eより抗酸化作用が大きいことが判明した。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、従来抗酸化剤として使
用されてきたビタミンEより抗酸化作用が大きく、しか
も、長年にわたって民間薬用として広く使用された天然
物を原料としているので、安全性も高い抗酸化剤が提供
される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−155750(JP,A) 特開 平5−124952(JP,A) 特開 昭60−54312(JP,A) 特開 平4−164013(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 15/34 A61K 7/00 - 7/50 A61K 35/78

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンガミア グラブラ(Pongamia glabr
    a)、アザディラチタ インディカ(Azadirachta indic
    a)よりなる群より選んだ少なくとも1種の植物体の溶
    媒抽出物を含む抗酸化剤。
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