JPH06100412A - 抗酸化剤 - Google Patents

抗酸化剤

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JPH06100412A
JPH06100412A JP4273399A JP27339992A JPH06100412A JP H06100412 A JPH06100412 A JP H06100412A JP 4273399 A JP4273399 A JP 4273399A JP 27339992 A JP27339992 A JP 27339992A JP H06100412 A JPH06100412 A JP H06100412A
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健次 下村
Masami Nakamura
雅美 中村
Yoshiyo Nakatani
佳代 中谷
Saori Takamatsu
小織 高松
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Mikimoto Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ミムソプス エレンギ、ユウジェニア ジャ
ンボラーナ、ポンガミアグラブラ、アザディラチタ イ
ンディカよりなる群より選んだ少なくとも1種の植物体
の溶媒抽出物を含む抗酸化剤。 【効果】 酸化防止作用が大きく、肌荒れを防止し、肌
のつや、はりを保つ、しかも長年民間薬として広く使用
されて来ており、人体に対する安全性について保証され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は安全性が高い抗酸化剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】現在、主として利用されている酸化防止
剤としては、ブチルヒドロキシアンソニール(BH
A)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ビタミン
Eやその誘導体がある。BHAやBHTは合成品であ
る。現在一般的な常識として、合成品の使用に関して長
期間の使用による安全性の保証がないとして厳しい非難
があり、実際の法規制でも使用が甚だしく規制されつつ
ある。また、ビタミンEやその誘導体は酸化防止作用が
弱く、天然物で強い酸化防止作用のある物質が望まれて
いる。
【0003】ミムソプス エレンギ(Mimusops elengi
)はインドからネパールのタライ地方に産するアカテ
ツ科の常緑の小高木で、ミサキノハナと称し庭木として
もよく植えられている。樹皮は暗灰色で亀裂がある。葉
は楕円形〜長楕円形で花は腋性で単生、または束生で小
さく淡黄色で星形をしており、香りがよい。薬品的な利
用は樹皮は収斂性で強壮剤となり、また熱にも処方され
る。葉は蛇に咬まれたときの治療にも使われる。熟した
果実の果肉は収斂性があり、慢性下痢の治療に使われ
る。種子は打撲傷に使われ、地方によっては小児の便秘
時の浣腸に用いられる。これらの利用に関しては特許は
出願されていない。
【0004】ユウジェニア ジャンボラーナ(Eugenia
jambolana )はジャンボラン或いはムラサキフトモモと
呼ばれ、フトモモ科に属する高木でネパールやインドで
ごくふつうに見られ、灰色の滑らかな樹皮をした常緑樹
である。ジャンボランの実はワインを作る。薬品的な利
用は樹皮は収斂性で強壮剤となり、また熱にも処方され
る。葉は蛇に咬まれたときの治療にも使われる。熟した
果実の果肉は収斂性があり、慢性下痢の治療に使われ
る。種子は打撲傷に使われ、地方によっては小児の便秘
時の浣腸に用いられる。
【0005】ポンガミア グラブラ(Pongamia glabra
)はまめ科の植物でインドに於いて、医薬品として利
用されている。その樹皮は下痢、消化不良、腹の張り、
利尿、気管支炎、肺炎等に服用されている。一方、根皮
は痔の治療に使われている。しかしながら化粧品の原料
として利用されたことはない。
【0006】アザディラチタ インディカ(Azadiracht
a indica)はマルゴサとも呼ばれ、高さ、12〜15m
になるセンダン科の落葉高木であり、葉は奇数羽状複葉
である。その種子は催吐剤、緩下剤、駆虫剤として、利
用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、人体
に対する安全性が確認されている天然物の中から、酸化
防止作用の強い物質を見つけ出し、化粧用原料として提
供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため、すでに多年にわたって食用に供さ
れ、人体に対する安全性が確認されている植物をスクリ
ーニングして調べ、抗酸化剤として利用価値のあるもの
を検討した。その結果、以下の植物体の溶媒抽出物が、
非常に抗酸化剤として有効性を有することを見い出し本
発明を完成した。
【0009】すなわち本発明は次の通りである。 (1) ミムソプス エレンギ(Mimusops elengi )、
ユウジェニア ジャンボラーナ(Eugenia jambolana
)、ポンガミア グラブラ(Pongamia glabra )、ア
ザディラチタ インディカ(Azadirachta indica)より
なる群より選んだ少なくとも1種の植物体の溶媒抽出物
を含む抗酸化剤。
【0010】ミムソプス エレンギ、ユウジェニア ジ
ャンボラーナ、ポンガミア グラブラ、アザディラチタ
インディカの利用方法としては、水或いは親水性有機
溶媒例えば、エタノール、メタノール、アセトン等で抽
出する。しかしながら、化粧品原料の抽出であるから、
水或いはエタノール或いはこれの混合溶媒での抽出が好
ましいのは当然である。また、場合によっては、グリセ
リン、1,3ブチレングリコール、プロピレングリコー
ル等の多価アルコール又は多価アルコールと水の混液も
抽出に利用できる。またさらに凍結乾燥して粉体として
利用することも利用方法によっては有効である。
【0011】この物質を他の化粧品原料例えばスクワラ
ン、ホホバ油等の液状油、ミツロウ、セチルアルコール
等の固体油、各種の活性剤、グリセリン、1,3ブチレ
ングリコール等の保湿剤や各種薬剤等を添加してさまざ
まな剤形の化粧料を調整することができる。例えばロー
ション、クリーム、乳液、パック等で目的に応じて利用
形態を考えればよい。
【0012】
【実施例】以下に実際の利用方法である実施例を記載す
るが、本発明はこの実施例によって何ら限定されるもの
ではない。本発明で使用した各植物体の抽出物の実施例
を次に示す。
【0013】(実施例1)ミムソプス エレンギ(Mimu
sops elengi )の葉(乾燥品)を10gにメタノール3
00mlを加えて時々攪拌しつつ5日間放置した。これを
濾過後凍結乾燥した。
【0014】(実施例2)ミムソプス エレンギ(Mimu
sops elengi )の葉(乾燥品)を10gに50%メタノ
ール300mlを加えて時々攪拌しつつ5日間放置した。
これを濾過後凍結乾燥した。
【0015】(実施例3)ミムソプス エレンギ(Mimu
sops elengi )の葉(乾燥品)を10gに精製水300
mlを加えて3時間加熱する。これを濾過後凍結乾燥し
た。
【0016】(実施例4)ミムソプス エレンギ(Mimu
sops elengi )の樹皮(乾燥品)を10gに50%メタ
ノール300mlを加えて時々攪拌しつつ5日間放置し
た。これを濾過後凍結乾燥した。
【0017】(実施例5)ミムソプス エレンギ(Mimu
sops elengi )の樹皮(乾燥品)を10gに精製水30
0mlを加えて3時間加熱する。これを濾過後凍結乾燥し
た。
【0018】(実施例6)ユウジェニア ジャンボラー
ナ(Eugenia jambolana )の樹皮(乾燥品)を10gに
メタノール300mlを加えて時々攪拌しつつ5日間放置
した。これを濾過後凍結乾燥した。
【0019】(実施例7)ユウジェニア ジャンボラー
ナ(Eugenia jambolana )の樹皮(乾燥品)を10gに
50%メタノール300mlを加えて時々攪拌しつつ5日
間放置した。これを濾過後凍結乾燥した。
【0020】(実施例8)ユウジェニア ジャンボラー
ナ(Eugenia jambolana )の樹皮(乾燥品)を10gに
精製水300mlを加えて3時間加熱する。これを濾過後
凍結乾燥した。
【0021】(実施例9)ポンガミア グラブラ(Pong
amia glabra )の根(乾燥品)を10gにメタノール3
00mlを加えて時々攪拌しつつ5日間放置した。これを
濾過後凍結乾燥した。
【0022】(実施例10)ポンガミア グラブラ(Po
ngamia glabra )の根(乾燥品)を10gに50%メタ
ノール300mlを加えて時々攪拌しつつ5日間放置し
た。これを濾過後凍結乾燥した。
【0023】(実施例11)ポンガミア グラブラ(Po
ngamia glabra )の根(乾燥品)を10gに精製水30
0mlを加えて3時間加熱する。これを濾過後凍結乾燥し
た。
【0024】(実施例12)ポンガミア グラブラ(Po
ngamia glabra )の樹皮(乾燥品)を10gにメタノー
ル300mlを加えて時々攪拌しつつ5日間放置した。こ
れを濾過後凍結乾燥した。
【0025】(実施例13)ポンガミア グラブラ(Po
ngamia glabra )の樹皮(乾燥品)を10gに50%メ
タノール300mlを加えて時々攪拌しつつ5日間放置し
た。これを濾過後凍結乾燥した。
【0026】(実施例14)ポンガミア グラブラ(Po
ngamia glabra )の樹皮(乾燥品)を10gに精製水3
00mlを加えて3時間加熱する。これを濾過後凍結乾燥
した。
【0027】(実施例15)アザディラチタ インディ
カ(Azadirachta indica)の種子(乾燥品)を10gに
メタノール300mlを加えて時々攪拌しつつ5日間放置
した。これを濾過後凍結乾燥した。
【0028】(実施例16)アザディラチタ インディ
カ(Azadirachta indica)の種子(乾燥品)を10gに
精製水300mlを加えて3時間加熱する。これを濾過後
凍結乾燥した。
【0029】 (実施例17) ローション オリーブ油 0.5 実施例1のメタノール抽出物 0.5 ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノステアレート 2.0 ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 2.0 エタノール 10.0 1.0%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0 精製水 80.0
【0030】 (実施例18) クリーム A スクワラン 20.0 オリーブ油 2.0 ミンク油 1.0 ホホバ油 5.0 ミツロウ 5.0 セトステアリルアルコール 2.0 グリセリンモノステアレート 1.0 ソルビタンモノステアレート 2.0 実施例2のメタノール抽出物 1.0 B 精製水 47.9 ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノステアレート 2.0 ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.0 グリセリン 5.0 1.0%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 AとBをそれぞれ計量し、70℃まで加温し、BにAを
攪拌しつつ徐々に加えたのち、ゆっくり攪拌しつつ30
℃まで冷却した。
【0031】(抗酸化試験)以下の試験液をネジキャッ
プ付50ml試験管に作成した。 検 体 5mg 2%リノール酸エタノール溶液 10ml 0.1M,pH7.0リン酸緩衝液 10ml 精製水 5ml これを50℃の恒温槽に遮光して放置する。これを恒温
槽に入れる前と数日間隔で以下の測定した。試験液0.
125ml、75%エタノール12.125ml、30%チ
オシアン酸アンモニウム0.125mlを加えて攪拌し3
分間放置後、0.02N塩化第一鉄3.5%HCl水溶
液0.125mlを加えて攪拌し3分間放置後波長500
nmで吸光度を測定した。セル長10mm、対照セルは試験
液を水に置き換えたもの。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
【0039】使用テスト 女性4名の顔面を左右に分け、一方に実施例17のロー
ション及び実施例18のクリームを、もう一方に比較例
1,2として、下記のローション、クリームを毎日、1
回以上使用してもらって、3月後、アンケートした。な
お、比較例は実施例17,18より実施例1,2のミム
ソプス エレンギの抽出物を水にかえたものである。
(比較例1,2) 判定基準は以下のようでアンケートの結果をまとめたの
が以下の表5である。 実施例の方が非常によい 3 実施例の方がかなりよい 2 実施例の方がややよい 1 差がない 0 比較例の方がややよい −1 比較例の方がかなりよい −2 比較例の方が非常によい −3
【0040】
【表8】
【0041】
【発明の効果】本発明の植物体の溶媒抽出物は、従来抗
酸化剤として使用されて来たビタミンEより抗酸化作用
が大きく、しかも天然物であって、長年にわたって民間
薬用として広く使用されており、人体に対する安全性が
保証されている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミムソプス エレンギ(Mimusops eleng
    i )、ユウジェニアジャンボラーナ(Eugenia jambolan
    a )、ポンガミア グラブラ(Pongamia glabra )、ア
    ザディラチタ インディカ(Azadirachta indica)より
    なる群より選んだ少なくとも1種の植物体の溶媒抽出物
    を含む抗酸化剤。
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