JP3233180B2 - 瞬時電圧低下補償装置のインバータ制御回路 - Google Patents

瞬時電圧低下補償装置のインバータ制御回路

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JP3233180B2
JP3233180B2 JP00718394A JP718394A JP3233180B2 JP 3233180 B2 JP3233180 B2 JP 3233180B2 JP 00718394 A JP00718394 A JP 00718394A JP 718394 A JP718394 A JP 718394A JP 3233180 B2 JP3233180 B2 JP 3233180B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、交流電源電圧を受電す
る各種電子機器の瞬時電圧低下補償装置に係わり、特
に、瞬時電圧低下時に各種電子機器に所定の交流電圧を
供給する瞬時電圧低下補償装置のインバータ制御回路に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば交流100Vの交流電源電
圧で駆動する各種電子機器において、瞬時電圧低下の対
策を必要とする場合、交流電源に接続された高電圧充電
回路によりコンデンサに電気エネルギーを蓄え、前記交
流電源の瞬時電圧低下時に前記コンデンサに蓄えられた
電気エネルギーをインバータにより交流電圧に変換し
て、負荷側の各種電子機器に供給する瞬時電圧低下補償
装置が、例えば実開平1−123436号公報などによ
り知られている。こうした装置の場合、一般にインバー
タからの出力電圧を安定化させるために、交流電源と同
期した基準正弦波と出力電圧とを比較し、この比較結果
に基づいてインバータに対する負帰還制御を行うように
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術におい
て、瞬時電圧低下時にインバータに直流電圧を供給する
コンデンサは、エネルギーの蓄積効率を高めるために高
電圧で充電されるため、コンデンサの端子間電圧はイン
バータの出力電圧の少なくとも3倍以上に達する。した
がって、インバータの出力電圧と基準正弦波とを比較し
て負帰還制御を行うと、インバータの急激な起動,停止
に対して応答遅れ(オーバーシュート)が発生し、良好
な過渡変動特性が得られないといった欠点を有する。
【0004】そこで、本発明は上記問題点に鑑み、イン
バータの特性が何等かの要因で変化しても、これを補正
してコンデンサ電圧とインバータの出力電流の比例制御
のみで、良好な過渡変動特性により出力電圧を安定制御
することの可能な瞬時電圧低下補償装置のインバータ制
御回路を提供することを目的とする。
【0005】また、本発明は、簡単な回路構成で良好な
過渡変動特性により出力電圧を安定制御することの可能
な瞬時電圧低下補償装置のインバータ制御回路を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、交流電源に接
続された高電圧充電回路によりコンデンサに電気エネル
ギーを蓄え、前記交流電源から正常の入力電圧が供給さ
れる場合はインバータを動作しない状態にする一方で、
前記交流電源の瞬時電圧低下時に前記インバータを動作
開始させて、前記コンデンサに蓄えられた電気エネルギ
ーを交流電圧に変換しその交流電圧を前記交流電源の瞬
時電圧低下時に出力側に供給する瞬時電圧低下補償装置
において、前記コンデンサ間の電圧を監視する電圧監視
手段と、前記交流電源の瞬時電圧低下時の前記インバー
タの内部抵抗による前記インバータの出力電圧の降下を
補正する電圧降下補正手段と、この電圧降下補正手段か
らの補正出力と前記電圧監視手段の監視結果に基づく
力とを比較する比較器と、この比較器からの比較出力に
基づき前記インバータに所定のパルス幅で駆動信号を供
給するインバータ駆動手段とからなり、前記電圧降下補
正手段は、前記交流電源に同期した正弦波を出力する基
準正弦波発生器と、前記交流電源の瞬時電圧低下時の前
記インバータの内部抵抗による前記インバータの出力電
圧の降下分として、前記インバータの出力電流を検出す
る電流検出手段と、前記基準正弦波発生器からの正弦波
を基準として前記電流検出手段の検出信号に基づき前記
出力電流に比例して基準正弦波発生器からの正弦波を補
正する出力電流補正手段とにより構成される。
【0007】また本発明は、前記電圧監視手段は正弦波
変調用の三角波発生器と、この三角波発生器からの三角
波と前記コンデンサ間の電圧とを積算する乗算器と、前
乗算器の積算結果と前記電圧降下補正手段を介して出
力される補正された前記基準正弦波発生器からの正弦波
とを比較して、その比較結果を前記インバータ駆動手段
に出力する前記比較器とにより構成される。
【0008】
【作用】上記構成により、交流電源から正常の入力電圧
が供給される場合はインバータを動作しない状態にする
一方で、交流電源の瞬時電圧低下時にインバータを動作
開始させる瞬時電圧低下補償装置において、高電圧で充
電されるコンデンサ電圧を直接電圧監視手段により監視
して、その監視結果をインバータ駆動手段としてのイン
バータ駆動回路に供給するように構成することにより、
負帰還制御を行うことなく、インバータ駆動回路からイ
ンバータに与えられる駆動信号のパルス幅を可変しなが
ら、インバータからの出力電圧を安定化させることがで
きる。また、前記コンデンサ間の電圧を監視する電圧監
視手段からの出力と、瞬時電圧低下時にインバータの内
部抵抗による出力電圧の降下を補正する電圧降下補正手
段からの補正出力を比較器で比較するとともに、この電
圧降下補正手段が、交流電源に同期した正弦波を出力す
る基準正弦波発生器と、交流電源の瞬時電圧低下時のイ
ンバータの内部抵抗によるインバータの出力電圧の降下
分として、このインバータの出力電流を検出する電流検
出手段と、基準正弦波発生器からの正弦波を基準として
電流検出手段の検出信号に基づき出力電流に比例して基
準正弦波発生器からの正弦波を補正する出力電流補正手
とを備えることにより、インバータの特性が何等かの
要因で変化しても、これを補正することができ、しか
も、この電圧降下補正手段は負帰還制御を行うものでは
ないため、コンデンサ間の電圧とインバータの出力電流
の比例制御のみで、常に良好な過渡変動特性でかつ安定
した状態で、インバータから出力電圧を供給し続けるこ
とができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。装置全体の構成を示す図1において、1,
1Aは例えば交流100Vの単相交流電源2が接続され
る入力端子、3,3Aは交流駆動の負荷たる電子機器4
に接続される出力端子であり、前記交流電源2には入力
端子1,1Aを介して高電圧充電回路5を構成する充電
用変圧器6の一次巻線が接続される。また、充電用変圧
器6の二次巻線にはダイオードブリッジからなる整流素
子7が接続され、この整流素子7の出力両端にエネルギ
ー蓄積用のコンデンサ8と、該コンデンサ8両端間のコ
ンデンサ電圧Vcを交流電圧に変換するインバータ9が
並列接続される。高電圧充電回路5は、充電用変圧器6
の二次巻線に誘起された電圧を整流素子7により整流
し、この整流された直流電圧を電気エネルギーとしてコ
ンデンサ8に蓄える。
【0010】一方、前記インバータ9は、4個のトラン
ジスタ10,11,12,13により構成される。すなわちイン
バータ9は、2個のトランジスタ10,11、およびトラン
ジスタ12,13を直列接続し、この直列回路を高電圧充電
回路5の出力側ライン間に並列接続したものであり、図
1に示すフルブリッジ型のものに限らず、各種タイプの
ものを適用できる。各トランジスタ10,11,12,13のベ
ースは後述するインバータ駆動手段たるインバータ駆動
回路14が接続され、交流電源2の入力電圧Vinが瞬間
的に低下する瞬時電圧低下時になると、インバータ駆動
回路14からトランジスタ10,13およびトランジスタ11,
12に対し交互に駆動信号が出力される。インバータ9の
出力側、すなわち、トランジスタ10,11の接続点とトラ
ンジスタ12,13の接続点には、コイルおよびコンデンサ
からなるフィルタ回路15が接続され、このフィルタ回路
15の一方の出力ラインが、出力切換手段たる半導体スイ
ッチ16の第1の開閉接点17に接続される。また、フィル
タ回路15の他方の出力ラインが、前記入力端子1Aと出
力端子3A間の交流電圧供給ラインに接続される。半導
体スイッチ16は例えば一対のサイリスタなどにより構成
され、第1の開閉接点17の他に第2の開閉接点18を有す
るが、第2の開閉接点18は入力端子1と出力端子3間の
交流電圧供給ラインに挿入接続され、この第2の開閉接
点18と第1の開閉接点17の一端側が共通に接続される。
これらの開閉接点17,18は、図中どちらも開(オフ)状
態で記されているが、実際には、交流電源2から通常の
入力電圧Vinが装置に供給されている場合には、第2
の開閉接点18のみが閉じ、瞬時電圧低下時には第1の開
閉接点17のみが閉じるようになっている。また、これら
の開閉接点17,18へのオン,オフ制御信号は、後述する
インバータ制御回路21に内蔵する入力電圧低下検出回路
(図示せず)などから出力されるようになっている。
【0011】21はインバータ9の各トランジスタ10,1
1,12,13に駆動信号を供給するインバータ制御回路で
ある。このインバータ制御回路21は前述のインバータ駆
動回路14の他に、コンデンサ8間のコンデンサ電圧Vc
を監視する電圧監視手段22と、インバータ9および装置
の内部抵抗による出力電圧降下を補正する電圧降下補正
手段23とを備える。電圧監視手段22は、正弦波変調用の
三角波発生器たる三角波発生回路24と、この三角波発生
回路24からの三角波と前記コンデンサ8の端子間電圧で
あるコンデンサ電圧Vcとを積算する乗算器25と、交流
電源2からの交流電圧に同期した正弦波を出力する基準
正弦波発生器たる基準正弦波発生回路26と、前記乗算器
25の積算結果と基準正弦波発生回路26からの正弦波とを
比較し、その比較結果をインバータ駆動回路14に出力す
る演算増幅器からなる比較器27とにより構成される。ま
た電圧降下補正手段23は、入力端子1と出力端子3間の
交流電圧供給ラインに挿入接続され、交流電源2または
インバータ9からの出力電流を検出する電流検出手段た
る変流器28と、複数の抵抗および演算増幅器からなる出
力電流補正手段たる出力電流補正回路29とにより構成さ
れる。電流検出手段は実施例における変流器28の他にシ
ャント抵抗などを用いることもできるが、変流器28を用
いると出力側の損失を最も小さくできる。また、基準正
弦波発生回路26と比較器27との間に挿入接続される出力
電流補正回路29は、基準正弦波発生回路26からの正弦波
を基準として変流器28からの検出信号、すなわち出力電
流を増幅するように構成しており、この結果、出力電流
に比例して補正された正弦波が比較器27に出力される。
なお、インバータ制御回路21は図示しないが、基準正弦
波発生回路26からの正弦波と交流電源2の入力電圧Vi
nとを同期させる同期回路や、交流電源2からの入力電
圧Vinの低下を検出して、前記スイッチ16およびイン
バータ駆動回路14にオン,オフ制御信号を供給する入力
電圧低下検出回路などを備えている。
【0012】次に上記構成に付き、その作用を説明す
る。交流電源2から入力端子1,1Aに正常の入力電圧
Vinが供給される場合、半導体スイッチ16の第1の開
閉接点17は開,第2の開閉接点18は閉状態となってお
り、この第2の開閉接点18を介して前記入力電圧Vin
がそのまま出力電圧Voutとして電子機器4に出力さ
れる。また、交流電源2からの入力電圧Vinは、高電
圧充電回路5を構成する充電用変圧器6により高電圧に
変換され、整流素子7を介してコンデンサ8の両端間に
電気エネルギーとして蓄えられる。コンデンサ8両端間
のコンデンサ電圧Vcは、乗算器25により三角波発生回
路24からの三角波と積算され、比較器27の反転入力端子
に出力されるが、乗算器25からの積算結果は少なくとも
比較器27が動作し得る程度の低電圧の正弦波に変調され
る。
【0013】一方、電圧降下補正手段23を構成する変流
器28は、装置から電子機器4側に供給する出力電流を常
時検出し、これを装置内部に発生する電圧降下分の検出
信号として出力電流補正回路29に供給する。この出力電
流補正回路29では、この検出信号に比例した前記電圧降
下分を補正した基準正弦波発生回路26からの正弦波を比
較器27の非反転入力端子に出力する。比較器27は乗算器
25からの積算結果と、出力電流補正回路29を介して補正
された基準正弦波発生回路26からの正弦波とを比較し
て、その比較結果をインバータ駆動回路14に出力する
が、インバータ駆動回路14には、図示しない入力電圧低
下検出回路から正常な入力電圧Vinが供給されている
旨の制御信号が出力されているため、インバータ9自体
は動作しない状態となる。
【0014】一方、交流電源2の入力電圧Vinが瞬間
的に低下すると、入力電圧低下検出回路からの制御信号
により、半導体スイッチ16の第1の開閉接点17が閉,第
2の開閉接点18が開状態に切り換るとともに、インバー
タ駆動回路14からインバータ9に所定のパルス幅を有す
るが動作状態に切り換る。このため、インバータ9は前
記コンデンサ8に蓄えられたコンデンサ電圧Vcを入力
電圧として動作し始め、フィルタ回路15および第1の開
閉接点17を介して、電子機器4に出力電圧Voutが供
給される。
【0015】この瞬時電圧低下時には、出力端子3,3
A間の出力電圧Voutがインバータ9の入力電圧たる
前記コンデンサ電圧Vcと、変流器28で検出される出力
電流とにより安定化制御される。すなわち、電圧降下補
正手段23は引続き変流器28からの検出信号を出力電流補
正回路29に供給しているが、今度はインバータ9の内部
抵抗による電圧降下分が変流器28により検出されること
になり、出力電流補正回路29から比較器27の非反転入力
端子には、このインバータ9の内部抵抗による電圧降下
分を補正した正弦波が出力される。一方、電圧監視手段
22も引続きコンデンサ電圧Vcの監視を行い、乗算器25
からコンデンサ電圧Vcと三角波発生回路からの三角波
との積算結果を比較器27に出力する。インバータ駆動回
路14は、比較器27から出力される出力電流補正回路29か
らの補正された正弦波と、乗算器からの変調された正弦
波との比較結果に基づいて、所定のパルス幅でインバー
タ9の各トランジスタ10,11,12,13を制御する。前記
コンデンサ電圧Vcは、瞬時電圧低下時になると交流電
源2からの電力供給が停止してその電位が低下する。し
たがって、乗算器25から出力される変調正弦波の振幅は
小さくなり、インバータ駆動回路14はインバータ9に供
給する駆動信号のパルス幅を拡げるような制御を行う。
これによって、インバータ9からはフィルタ回路15およ
び第1の開閉接点17を介して安定した出力電圧Vout
が供給される。
【0016】一例として、図1の回路構成において、コ
ンデンサ電圧Vcを直流400V、このコンデンサ電圧
Vcと三角波発生回路24とを乗算器25で乗じた結果を1
0Vpeak−peakとした場合を考える。この場
合、乗算器25の積算結果と出力電流補正回路29を介して
出力される補正された基準正弦波とを、比較器27で比較
した所定のパルス幅を有する駆動信号でインバータ9を
動作させた結果、インバータ9の出力電圧であるフィル
タ回路15の出力電圧Vfが実効値で100Vであったと
すると、瞬時電圧低下時にコンデンサ電圧Vcが直流4
00Vから放電を開始して直流200Vに低下した時点
では、前記乗算器25からの出力は5Vpeak−pea
kとなるが、インバータ駆動回路14からの駆動信号のパ
ルス幅はコンデンサ電圧Vcが直流400Vの場合の2
倍となり、フィルタ回路15の出力電圧Vf、すなわち、
電子機器4への出力電圧Voutは実効値で交流電源の
入力電圧Vinと同じ100Vを維持することになる。
【0017】以上のように上記実施例によれば、インバ
ータ9の入力側にあるコンデンサ8の両端間電圧Vcに
着目し、請求項1に対応して、交流電源2から正常の入
力電圧Vinが供給される場合はインバータ9を動作し
ない状態にする一方で、交流電源2の瞬時電圧低下時に
インバータ9を動作開始させる瞬時電圧低下補償装置に
おいて、高電圧で充電されるコンデンサ電圧Vcを直接
電圧監視手段22により監視して、その監視結果をインバ
ータ駆動手段としてのインバータ駆動回路14に供給する
ように構成することにより、負帰還制御を行うことな
く、インバータ駆動回路14からインバータ9に与えられ
る駆動信号のパルス幅を可変しながら、インバータ9か
らの出力電圧Voutを安定化させることができる。し
たがって、従来におけるインバータ9からの出力電圧と
基準正弦波とを比較して負帰還制御を行う装置に比べ
て、インバータ9の急激な起動,停止に対する応答遅れ
を一掃することができ、良好な過渡変動特性を得ること
が可能となる。また、本実施例では、前記コンデンサ電
圧Vcを監視する電圧監視手段22からの出力と、瞬時電
圧低下時にインバータ9の内部抵抗による出力電圧Vo
utの降下を補正する電圧降下補正手段23からの補正出
力を、比較器27で比較するとともに、電圧降下補正手段
23は、交流電源2の瞬時電圧低下時のインバータ9の内
部抵抗によるインバータ9の出力電圧Voutの降下分
として、インバータ9の出力電流を検出する電流検出手
段、すなわち実施例では変流器28と、基準正弦波発生回
路26からの正弦波を基準として変流器28からの検出信号
に基づきインバータ9の出力電流に比例して基準正弦波
発生回路26からの正弦波を補正する出力電流補正手段、
すなわち実施例では出力電流補正回路29とからなってい
る。したがって、インバータ9の特性が何等かの要因で
変化しても、これを補正することができ、しかも、この
電圧降下補正手段23は負帰還制御を行うものではないた
め、コンデンサ電圧Vcとインバータ9の出力電流の比
例制御のみで、常に良好な過渡変動特性でかつ安定した
状態で、インバータ9から出力電圧Voutを供給し続
けることができる。
【0018】この電圧監視手段22は、請求項2に対応し
て、正弦波変調用の三角波発生器、すなわち実施例では
三角波発生回路24と、この三角波発生回路24からの三角
波とコンデンサ8間の電圧とを積算する乗算器25と、交
流電源2に同期した正弦波を出力する基準正弦波発生
器、すなわち、実施例では基準正弦波発生回路26と、乗
算器25の積算結果と電圧降下補正手段23で補正された
準正弦波発生回路26からの正弦波とを比較してその比較
結果をインバータ駆動回路14に出力する比較器27とによ
り構成されることが好ましい。この場合には、従来のこ
うした瞬時電圧低下補償装置のインバータ制御回路に比
べて、簡単な回路構成でインバータ9の急激な起動,停
止に対する応答遅れを一掃することができ、良好な過渡
変動特性を得ることが可能となる。
【0019】た、実施例中における三角波発生回路24
と、乗算器25と、基準正弦波発生回路26と、比較器27
と、変流器28と、出力電流補正回路29と、インバータ駆
動回路14とによりインバータ制御回路21を構成すること
で、従来に比べて回路構成が簡素で、負帰還制御を行う
ことなく、コンデンサ電圧Vcとインバータ9の出力電
流の比例制御のみで、良好な過渡動作特性と出力電圧V
outの安定を実現することができる。
【0020】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実
施が可能である。例えば、インバータ9の回路構成はコ
ンデンサ電圧Vcや出力電圧Voutなどを考慮して、
適宜選定すればよい。
【0021】
【発明の効果】本発明は、交流電源に接続された高電圧
充電回路によりコンデンサに電気エネルギーを蓄え、
記交流電源から正常の入力電圧が供給される場合はイン
バータを動作しない状態にする一方で、前記交流電源の
瞬時電圧低下時に前記インバータを動作開始させて、前
記コンデンサに蓄えられた電気エネルギーを交流電圧に
変換しその交流電圧を前記交流電源の瞬時電圧低下時に
出力側に供給する瞬時電圧低下補償装置において、前記
コンデンサ間の電圧を監視する電圧監視手段と、前記交
流電源の瞬時電圧低下時の前記インバータの内部抵抗に
よる前記インバータの出力電圧の降下を補正する電圧降
下補正手段と、この電圧降下補正手段からの補正出力と
前記電圧監視手段の監視結果に基づく出力とを比較する
比較器と、この比較器からの比較出力に基づき前記イン
バータに所定のパルス幅で駆動信号を供給するインバー
タ駆動手段とからなり、前記電圧降下補正手段は、前記
交流電源に同期した正弦波を出力する基準正弦波発生器
と、前記交流電源の瞬時電圧低下時の前記インバータの
内部抵抗による前記インバータの出力電圧の降下分とし
て、前記インバータの出力電流を検出する電流検出手段
と、前記基準正弦波発生器からの正弦波を基準として前
記電流検出手段の検出信号に基づき前記出力電流に比例
して基準正弦波発生器からの正弦波を補正する出力電流
補正手段とからなるものであり、インバータの特性が何
等かの要因で変化しても、これを補正してコンデンサ電
圧とインバータの出力電流の比例制御のみで、良好な過
渡変動特性により出力電圧を安定制御することの可能な
瞬時電圧低下補償装置のインバータ制御回路を提供でき
る。
【0022】また、本発明は請求項1において、前記電
圧監視手段は正弦波変調用の三角波発生器と、この三角
波発生器からの三角波と前記コンデンサ間の電圧とを積
算する乗算器と、前記交流電源に同期した正弦波を出力
する基準正弦波発生器と、前記乗算器の積算結果と前記
電圧降下補正手段を介して出力される補正された前記基
準正弦波発生器からの正弦波とを比較して、その比較結
果を前記インバータ駆動手段に出力する前記比較器とに
より構成されるものであり、簡単な回路構成で良好な過
渡変動特性により出力電圧を安定制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す装置全体の回路構成図
である。
【符号の説明】
2 交流電源 5 高電圧充電回路 8 コンデンサ 9 インバータ 14 インバータ駆動回路(インバータ駆動手段) 21 インバータ制御回路 22 電圧監視手段 23 電圧降下補正手段 24 三角波発生回路(三角波発生器) 25 乗算器 26 基準正弦波発生回路(基準正弦波発生器) 27 比較器 28 変流器 29 出力電流補正回路(出力電流補正手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−36739(JP,A) 特開 平5−219750(JP,A) 特開 昭61−247241(JP,A) 特開 平6−6980(JP,A) 特開 平5−260762(JP,A) 実開 平4−131150(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 7/48 H02J 9/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源に接続された高電圧充電回路に
    よりコンデンサに電気エネルギーを蓄え、前記交流電源
    から正常の入力電圧が供給される場合はインバータを動
    作しない状態にする一方で、前記交流電源の瞬時電圧低
    下時に前記インバータを動作開始させて、前記コンデン
    サに蓄えられた電気エネルギーを交流電圧に変換しその
    交流電圧を前記交流電源の瞬時電圧低下時に出力側に供
    給する瞬時電圧低下補償装置において、前記コンデンサ
    間の電圧を監視する電圧監視手段と、前記交流電源の瞬
    時電圧低下時の前記インバータの内部抵抗による前記イ
    ンバータの出力電圧の降下を補正する電圧降下補正手段
    と、この電圧降下補正手段からの補正出力と前記電圧監
    視手段の監視結果に基づく出力とを比較する比較器と、
    この比較器からの比較出力に基づき前記インバータに所
    定のパルス幅で駆動信号を供給するインバータ駆動手段
    とからなり、前記電圧降下補正手段は、前記交流電源に
    同期した正弦波を出力する基準正弦波発生器と、前記交
    流電源の瞬時電圧低下時の前記インバータの内部抵抗に
    よる前記インバータの出力電圧の降下分として、前記イ
    ンバータの出力電流を検出する電流検出手段と、前記基
    準正弦波発生器からの正弦波を基準として前記電流検出
    手段の検出信号に基づき前記出力電流に比例して基準正
    弦波発生器からの正弦波を補正する出力電流補正手段と
    からなることを特徴とする瞬時電圧低下補償装置のイン
    バータ制御回路。
  2. 【請求項2】 前記電圧監視手段は正弦波変調用の三角
    波発生器と、この三角波発生器からの三角波と前記コン
    デンサ間の電圧とを積算する乗算器と、前記乗算器の積
    算結果と前記電圧降下補正手段を介して出力される補正
    された前記基準正弦波発生器からの正弦波とを比較し
    て、その比較結果を前記インバータ駆動手段に出力する
    前記比較器とにより構成されることを特徴とする請求項
    1記載の瞬時電圧低下補償装置のインバータ制御回路。
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