JP3231996B2 - 気相成長装置 - Google Patents

気相成長装置

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JP3231996B2 JP10723696A JP10723696A JP3231996B2 JP 3231996 B2 JP3231996 B2 JP 3231996B2 JP 10723696 A JP10723696 A JP 10723696A JP 10723696 A JP10723696 A JP 10723696A JP 3231996 B2 JP3231996 B2 JP 3231996B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LED,半導体レ
ーザ,HEMT,HBTなどの半導体素子の製造に用い
る気相成長装置に関し、特に、化合物半導体薄膜を形成
する気相成長装置に関する。
【0002】
【従来の技術】気相成長法として、MOCVD法(有機
金属気相化学成長法)は、良好な結晶の各種化合物半導
体を量産性よく製造できる技術として、今日幅広く用い
られている。
【0003】その実用に伴い、一度の成長で多数のウエ
ハを製造する量産性が一層求められている。
【0004】古典的なMOCVD装置の反応炉は、1枚
のウエハを反応管内で成長させるもので、ウエハに対す
る反応管の向きにより、縦型炉あるいは横型炉といわれ
るものであった。この反応炉を多数枚同時成長に適する
ように改良したものの1つとして、P.M.Frijl
inkがJournal of Crystal Gr
owth,Vol.93(1988) pp.207−
215に開示したプラネタリー炉がある。(以下、文献
1と記す。)この反応炉の上面断面図を図10に示す。
これは、複数のウエハ1を円周上に配置し、中心に原料
ガスの導入管91、92を設置し、ここから原料ガス流
100をウエハ1上を通って外周方向に放射状に流し、
外周壁に複数配置された排気管93より排気する。その
際、内周側と外周側で大きな成長レート差が生じるの
で、ウエハを自公転させることにより成長レートを平均
化する。これにより、比較的小型の反応炉で多数のウエ
ハを均一性よく結晶成長することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の反応炉
は、多数枚成長に優れた構成をしているが、いくつかの
問題点がある。
【0006】第1の問題点は、ウエハの自公転により成
長レートを平均化しているため、層厚方向に成長レート
の異なる層が交互に堆積することである。これは厚膜の
場合には特に問題とならないが、量子井戸のように非常
に薄い層を積層する場合には、層厚ばらつきの要因とな
り、良品歩留まりが低下する。
【0007】第2の問題点は、外周側に配置されている
各排気口の排気能力を均一に維持することが困難なこと
である。当初排気能力を均一にするように調整したとし
ても、排気管内に反応生成物が堆積するため、排気能力
のバランスがくずれやすい。一旦バランスがくずれる
と、成長レートの公転方向ばらつきが生じ、さらにバラ
ンスのくずれが重度の場合には、ガス流が大幅に乱れて
良質な結晶が成長できなくなる。
【0008】第3の問題点は、排気口が複数あるため、
反応生成物の堆積する領域が多くなるが、この反応生成
物は一般に有害あるいは発火性のため、反応生成物を定
期的に除去する作業が困難なことである。第4の問題点
は、理想的な半導体結晶を成長させる原子層成長をこの
反応炉で行う場合、ガス種を急激に切り替えて交互に供
給する必要があるため、そのため粉塵が反応炉内を舞う
などの悪影響が生じることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
め、本発明に係る請求項1に記載の気相成長装置は、複
数のウエハを円周上に配置して、一度に複数枚ウエハを
処理する反応炉を備えており、前記円の中心位置に前記
反応炉内のガスを排気する排気口を前記反応炉に設け、
前記反応炉の外周部に複数の原料ガスを導入する導入口
および該導入口に接続される導入管を設け、前記導入口
と隣合う導入口の間の外壁部に、原料ガス流を一定方向
に流す整流材を配置したことを特徴とする。
【0010】請求項1に記載の気相成長装置では、原料
ガスを外周部から供給するため、外周側では未反応のた
め濃く、内周側では反応に伴い薄くなる。一方、原料ガ
ス濃度が同じであれば、成長レートは中心からの距離に
反比例し、外周側では遅く内周側では早くなる。この2
つの要因が打ち消し合うことにより、ウエハの外周・内
周によらずほぼ同一の成長レートを有する反応炉とする
ことができる。また、請求項1の気相成長装置は、各導
入口の間に略三角柱状の整流材を設けることにより、原
料ガスの内周側から外周側への逆流を防止し、安定な流
れを実現することを特徴とする。
【0011】参考例として気相成長装置の反応炉の上面
断面図を図1(a)に示す。ここでは導入管2は4本と
した。1はウエハ、3は排気口、4は反応炉外周壁であ
る。これによって、外周側・内周側によらずほぼ同一の
成長レートを有する反応炉とすることができる。
【0012】ただし、ガス流の直進性より、成長に適し
たガス流100の他に、各導入管の間で逆方向に流れる
ガス流101により循環流を生じる領域102が生じ、
本来排気されるべきガスが再びウエハ上に流れるため、
このままでは良好な結晶成長はできないことがある。
【0013】請求項2に記載の気相成長装置は、外周部
に設けられた原料ガス導入管の向きを、前記円の中心方
向に対し若干角度をつけ、ガス流が渦巻状になるように
する。この角度は、導入管の延長方向が排気口の上を通
過しない向きであればよい。また、地球の自転によるコ
リオリの力と反発しないように、北半球では導入管の角
度の方向は、上から見て円の中心方向に対して右向き、
南半球では左向きとするのが望ましい。請求項2に記載
の気相成長装置の上面断面図を図1(b)に示す。導入
管2の反応炉外周壁4への取り付け方向を、その延長線
上に排気口3が含まれないよう斜めにすることによっ
て、反応炉内の原料ガスは渦を巻くようになり、その結
果、逆方向ガス流101による循環流の占める領域10
2は大幅に減る。
【0014】請求項3の気相成長装置は、排気口に対向
する反応炉の位置に、渦巻き流を安定させる突起を設け
ることを特徴とする。
【0015】
【0016】請求項の気相成長装置は、各反応炉の外
周壁とウエハとの間に、穴の開いた抵抗整流材をおくこ
とによって均一な流れを実現することを特徴とする。抵
抗整流材としては、スリット状のもの、メッシュ状のも
の、多孔状のものなどを用いる。特に、メッシュ状のも
の、多孔状のものは原料混合効果の強い抵抗整流材であ
り、反応炉に導入管が複数あることを利用して、各導入
管に別種の原料ガスを入れ、反応炉内部で混合させるこ
とに有効である。
【0017】請求項の気相成長装置は、前記導入管と
隣合う導入管に、それぞれ異なる原料ガスを導入し、前
記ウエハを前記反応炉内で公転させることを特徴とす
る。この気相成長装置は、反応炉に導入管が複数あるこ
とを利用して、交互に別種の原料ガスを入れ、原料ガス
を混合せずにウエハを公転することによって両原料ガス
に交互に暴露させるようにしている。
【0018】2種類の原料ガスを混合せずにウエハに交
互に供給する場合、各種類の原料ガスが1原子層ウエハ
表面に形成された時点で吸着が止まることがある。これ
をセルフリミティング機構という。この現象を利用し
て、ウエハを公転して2種類の原料ガスに交互に暴露す
ることによって原子層成長を行い、これによって更に均
一性・結晶品質に優れた理想的な半導体膜を形成する。
【0019】請求項の気相成長装置は、前記導入管と
隣合う導入管との間にパージガスを流す配管を設けるこ
とを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)本実施の形態では、気相成長装置とし
てMOCVD装置について説明する。AlGaAs系半
導体結晶を成長するためのMOCVD装置の反応炉の上
面断面図を図2(a)に示す。本発明に係る反応炉は2
インチ径のウエハ1を4枚挿入できる。反応炉の外径は
46cm、排気口3の内径は8cmである。反応炉外周
壁4および整流材5の材質はステンレス鋼である。略三
角柱状の整流材を外周部に備える事によって、ガスの流
れを整流材5に沿うように整流することで、循環流を無
くすことができる。
【0021】MOCVD装置の反応炉の断面図を図2
(b)に示す。天井部6はステンレス鋼であり、天井内
壁に石英板7を設置している。ウエハ1を置くサセプタ
8の材質はカーボンである。各ウエハ1は下面からラン
プ9によって加熱される。ウエハは自公転することによ
り、面内分布がさらに均一になる。反応炉中心軸に対す
るウエハの公転速度は標準4rpm,ウエハ中心を軸と
する各ウエハの自転速度は標準15rpmである。
【0022】ガス導入口10、11は上下2段となって
おり、本実施の形態では下段の11に原料ガス、上段の
導入管10からパージガス(H2,N2あるいはAr)を
供給する。このパージガスはガス流103として原料ガ
ス流100の上を流れ、天井の石英板7に反応生成物が
堆積するのを防いでいる。また、ウエハ1への成長によ
り原料ガスが下流側(内周側)で薄くなる効果に加え、
上流側(外周側)では原料ガスが下層に多く含まれ、下
流側では拡散により下層の原料ガス濃度が薄くなること
により、内周側での成長レート増大が起こらないように
している。
【0023】導入管10、11の途中には、上段・下段
ともマスフローコントローラー13・14を設け、これ
によって、反応炉にバランスよくガスが流入するよう調
整している。
【0024】排気口3の上には渦を安定に形成するため
の突起15が設けてある。これがない場合、渦巻きの中
心が排気口の中心からずれ、蛇行することがある。排気
口3から排気管16へとガスが流れる。本発明の反応炉
では排気口は1つなので、排気フィルター(トラップ)
17を排気口の近傍に設置でき、排気管16内への反応
生成物の堆積する部分を十分少なくできる。
【0025】また、従来の内周から外周へ原料ガスを流
す反応炉では、外周側に反応生成物が堆積するため外周
側配管がつまりやすく、ガス流のバランスが乱れやすか
ったが、本発明では図2(b)に示すように、反応炉外
周壁4に接続された導入管2の中にマスフローコントロ
ーラー14を設置することにより、外周側流量の精密な
調整が可能である。この設置位置は導入管であるため反
応生成物が堆積することはない。また、排気口3が反応
炉中央部に一つだけ設けられているため、排気の外周方
向バランスが問題になることもない。さらに、反応生成
物のダストは、勢いよく1つしかない排気管16内を押
し流され、排気管内に堆積することなく排気フィルター
(トラップ)17まで達し、ガス成分のみ排気ポンプ1
8に吸引される。反応堆積物を1箇所で集中的に管理す
ることによって、AlGaAs系の有害な反応堆積物、
InGaAsP系またはAlGaInP系の発火性の反
応堆積物を処理するのが非常に安全となる。
【0026】本実施の形態の反応炉へのガス導入方法と
しては、図2(c)に示すように、複数の原料ガスを一
旦混合し導入元管19で反応炉近傍へ運んだ後、各導入
管2に分配し、反応炉20に導入している。
【0027】原料ガスとしては、TMG(トリメチルガ
リウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、DEZ
(ジエチルジンク)、AsH3、SiH4を準備し、各ガ
スをH2で希釈して、膜成長に必要な原料ガスを混合し
導入管2より供給した。
【0028】ウエハ自公転を故意に停止してAl0.14
0.86As膜を成長した場合の膜厚の面内分布を図3
(a)に示す。横軸は反応炉の中心から測ったウエハの
位置R、縦軸は膜厚を成長時間で割った成長レートであ
る。参考として、文献1に示された面内分布を図3
(b)に示す。これと比較して、自公転停止時でも膜厚
の面内分布がほとんど均一であることがわかる。
【0029】次に、化合物半導体装置の量子井戸構造を
作製した。n−GaAs基板上にAl0.5Ga0.5As
(1μm)、GaAs(3nm)、Al0.5Ga0.5As
(20nm)、GaAs(1nm)、Al0.5Ga0.5
s(0.2μm)を成長した。成長速度は0.5nm/
secである。低温(4K)でフォトルミネッセンスを
観察し、1nmのGaAs量子井戸からの発光を観察し
た。この発光から層厚のばらつきが分かるが、4枚のウ
エハ面内の各5点の発光波長のばらつきから、層厚ばら
つきの標準偏差は0.03nmと求められた。1nmの
成長の間にウエハは約1/4回転しかしていないので、
自転による層厚平均化効果は関与していない。このこと
より、外周側・内周側によらず均一に膜成長しているこ
とがわかる。
【0030】厚さ約2μmの成長を約120回繰り返し
たが、特に問題となる成長はなかった。その後反応炉を
開けて内部の清掃を行った。不要堆積物は排気管の内壁
に数mm堆積していたが、排気管径が8cmと大きく、
排気能力には問題はなかった。また石英板7の内側には
若干堆積物があったが、はげ落ちてくるほどではなかっ
た。
【0031】なお、本発明は以下の変更が可能である。
【0032】ウエハは表面を上になるように設置した
が、表面を下にする設置方法としてもよく、その場合ウ
エハ表面へのダスト付着が低減できる。
【0033】ウエハの加熱方法は、ランプ加熱の他、抵
抗加熱、RF加熱などでもよい。
【0034】ウエハは自公転させたが、自転のみ・公転
のみ・自公転なしとすることも可能であり、それによっ
て反応炉の機構を単純化できる。
【0035】導入ガスは上下2段としたが、特に分ける
必要はなく、またさらに多段に分けてもよい。
【0036】光励起成長・光表面計測をおこなうための
光導入口を設けてもよい。なお赤外線温度計で計測する
ための窓は図示を省略している。
【0037】ここではAlGaAs系材料を成長した
が、本発明はGaAs系、GaN系、InP系、AlG
aInP系、InGaAsP系、InGaAs系、Al
GaInN系などのIII-V族化合物半導体、ZnMgC
dSSe、HgCdTeなどのII-VI族化合物半導体に
適用できる。
【0038】(実施の形態2)本実施の形態2におい
て、反応炉の上面図を図4(a)に示す。これは構造的
には実施の形態1において示した図2(a)と同じであ
るが、原料ガスの供給方法が異なっている。
【0039】図4(a)に示す反応炉につながる配管系
は、図4(b)に示すように、アルキル原料(TMG,
TMA)を導入元管21aから、ハイドライド原料(A
sH3)を導入元管21bから供給し、それぞれ4本の
導入管22a、22bに分配している。これは、図4
(b)に示すようにマスフローコントローラー23a、
23bを通したのち、反応炉20に導入しており、その
ため原料ガス流は反応炉内部でも混じり合う事なく、ウ
エハ1が公転によって、ガス流104a、104bの下
を交互に通過する。これにより、ウエハに達する前での
原料ガスの反応及び反応生成物の結晶上への堆積を極力
少なくできる。
【0040】特に、基板温度を600℃以下にし、ウエ
ハ1がガス流104a、104bの下を通る時間をそれ
ぞれ2秒程度にするなど成長条件を調節することによっ
て、アルキル原料(TMG,TMA)が供給された場合
にウエハ上に1原子層のみ堆積してそれ以上堆積しない
セルフリミティング機構が働き、次にハイドライドガス
(AsH3)を供給することによってアルキル基が除去
され、V族原子(Asなど)とIII族原子(Ga、A
l)が原子層毎に成長したIII-V族化合物半導体とな
る。
【0041】なお、原料ガス流104aがウエハ上に来
る位置に連続的に光(紫外線・可視光など)を照射し、
原料ガスの分解を促進してもよい。これにより、より低
温(例えば500℃以下)で理想的な原子層成長が可能
になる。
【0042】また、ここでは2種類のガスをIII族ガス
とV族ガスとしたが、II族ガスとVI族ガスの組み合わ
せとすれば、II-VI族半導体の結晶成長が可能となる。
【0043】(実施の形態3)本実施の形態における反
応炉の上面断面図を図5(a)に示す。これは構造的に
は実施の形態1において示した図2(a)と同じである
が、原料ガスの供給方法が異なっている。
【0044】本実施の形態3の気相成長装置につながる
配管系は、図5(b)に示すように、アルキル原料(T
MG,TMA)を導入元管21aから、ハイドライド原
料(AsH3)を導入元管21bから供給し、それぞれ
2本の導入管22a、22bに分配し、また、パージガ
スH2を導入元管21cから供給し、4本の導入管22
cから反応炉20に導入した。マスフローコントローラ
ー23a、23bを通したのち、反応炉20に導入して
おり、そのため原料ガス流は反応炉内部でも混じり合う
事なく、ウエハ1が公転によって、原料ガス流104
a,104c,104b,104cの下を交互に通過す
る。これにより、アルキル原料ガス流とハイドライド原
料ガス流がパージガス流によって反応炉内で完全に分離
されるため、原子層成長がより完全になる。
【0045】このように、原料を含まないパージガス
(例えばH2あるいはN2)を流す導入管22cを、導入
管22aと22bの間に挿入することにより、2種類の
原料ガスの混合を完全に防止することができ、原子層成
長に好適である。このような公転によるウエハへの原料
ガスの交互供給では、原料ガスの頻繁な切り替えが不要
なため、切り替えに伴うガス流の乱れとそれによる粉塵
が生じず、またバルブの摩耗がほとんどない。
【0046】原子層成長の条件としては、実施の形態2
で示した条件と同様に、基板温度を600℃以下にし、
ウエハ1が原料ガス流104a、104b、104cの
下を通る時間をそれぞれ2秒程度にするなど成長条件を
調節することによって、アルキル原料(TMG,TM
A)が供給された場合にウエハ上に1原子層のみ堆積し
てそれ以上堆積しないセルフリミティング機構が働き、
その後にパージガスによって残留原料ガスが除去され、
次にハイドライドガス(AsH3)を供給することによ
ってアルキル基が除去され、V族原子(Asなど)とII
I族原子(Ga、Al)が原子層毎に成長したIII-V族
化合物半導体となる。この場合、V族ガスとIII族ガス
とが気相中で全く交じり合わず、両者の気相中での反応
が生じないため、実施の形態3に比べ膜質がさらに向上
する場合がある。
【0047】(実施の形態4)本実施の形態4では、抵
抗整流材を有した反応炉の上面断面図および断面図を図
6(a)、(b)にそれぞれ示す。特に指示しない部分
は実施の形態1と共通である。本実施の形態4では外周
壁とウエハとの間に抵抗整流材24aを設けている。
【0048】抵抗整流材24aの断面の拡大図を図7
(a)に示す。これは長さ10mm、厚さ0.5mmの
斜めスリットが、その向きが排気口3の方向(点線矢印
で示す)から45゜右方向を向くように2mm間隔に密
集して並べられている。これにより、反応炉外周壁4と
抵抗整流材24aの間の空間105に一旦閉じ込めら
れ、空間105と反応炉内部との圧力差によって徐々に
原料ガスが流れ、また抵抗整流材24aのスリットの働
きにより、渦巻き状のガス流となる。
【0049】本実施の形態では上段・下段のガス導入口
10、11と抵抗整流材24aの間に、上段と下段の気
流の混合を防止する分流壁25が設けられている。その
結果、上段・下段のそれぞれのガスについて独立に抵抗
整流材24aが働く。
【0050】本実施の形態の反応炉内部は、形状が回転
対称であるので、ガス流の乱れや循環流の懸念がまった
くない。
【0051】なお、本実施の形態は以下の変形が可能で
ある。
【0052】本実施の形態における抵抗整流材24a
は、斜めスリット状であるが、他の形状であってもよ
い。その場合については詳細は実施の形態6に開示す
る。
【0053】原料ガスの反応炉への供給は、原料ガスを
予め一旦混合してから各導入口11を介して導入しても
よく、また各原料ガスを各導入口11にそれぞれ独立に
導入してもよい。この場合、抵抗整流材24aの抵抗が
大きいと原料ガスは空間105で完全に混合されるが、
逆に抵抗整流材24aの抵抗を小さくすることにより、
原料ガスを分離したままウエハ上に供給でき、実施の形
態2の場合に近くなる。
【0054】導入口10、11は上下2段としたが、1
段あるいは多段でもよい。上下のガスを分離するための
分流壁25はなくてもよい。上下2段の導入口は重ねた
が、円周方向にずらして配置してもよい。
【0055】(実施の形態5)本実施の形態の反応炉の
上面断面図を図8に示す。本実施の形態では実施の形態
4と同様に外周に斜めスリット状の抵抗整流材24aを
設けている他に、各配管から反応炉20に導入されたガ
スが抵抗整流材24aの手前では分離するためのガス分
離壁26が設けられている。これにより、ガスは抵抗整
流材24aの手前では混合されずに、直接反応炉1へ供
給される。これにより、原子層成長に適した原料ガスの
分離供給が実現される。
【0056】ガスの配管形態としては、図4(b)に示
すように2種類の原料ガスを交互の配管から供給する場
合と、図5(b)に示すように2種類の原料ガス及びパ
ージガスを交互の配管から供給する場合のいずれであっ
ても良い。
【0057】(実施の形態6)本実施の形態の反応炉の
上面断面図を図9に示す。本実施の形態においてはガス
流を渦巻状にはしていないが、循環流が生じないように
工夫されている。本実施の形態で用いている抵抗整流材
24bを図7(b)に示す。点線の矢印は排気口3の方
向を示す。これはステンレス製の2枚のメッシュを約3
mm離して設置している。原料ガスは外周壁4と抵抗整
流材24bの間の空間に一旦閉じ込められ、前記空間と
反応炉内部との圧力差によってガス流が徐々に流れる。
また本実施の形態で用いることのできる抵抗整流材24
cを図7(c)に示す。これは、直径1mm程度の多数
の穴を有する2枚のステンレス板を7mm離して設置し
ている。原料ガスは反応炉外周壁4と抵抗整流材24c
の間の空間に一旦閉じ込められ、前記空間と反応炉内部
との圧力差によってガス流が徐々に流れる。
【0058】抵抗整流材24b、24cは、抵抗整流材
24aと異なり、ガス流を渦巻きにする効果はないが、
抵抗整流材24b、24cが外周部に均一に配置されて
いるため、これにより外周部から均一にガスが流入する
ようになるため、循環流や不均一なガス流は生じなく、
極めて良質な結晶成長が実現できる。
【0059】本実施の形態では実施の形態5と同様に各
配管から反応炉1に導入されたガスが抵抗整流材24b
または24cの手前で分離されるためのガス分離壁27
が設けられている。これにより、ガスは抵抗整流材24
bまたは24cの手前では混合されずに、ウエハ1へ供
給される。これにより、原子層成長に適した原料ガスの
分離供給が実現される。なお、ガス分離壁27を用いな
い場合は、通常の予め混合された原料ガスを供給し、原
子層成長でない通常のMOCVD成長を行うことも可能
である。また、抵抗整流材16b、16cを用いて原料
ガスをウエハ上に供給する場合には、抵抗整流材16
b、16c直前空間105でのガス混合効果が強いの
で、各原料ガスを予め混合する事なく独立に反応炉に導
入し、反応炉内で混合することができ、導入口などでの
反応生成物を抑えることができる。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、多数のウエハに半導体
膜を成長できるMOCVD装置において、外周側から内
周側へ渦状にもしくは抵抗整流材を用いて原料ガスを流
すことにより、循環流のない安定したガス流を作ること
ができる。そのため良質な膜を層厚方向に対して成長レ
ートのばらつきなく成長することができ、量子井戸など
の微細な構造をウエハ内の面内分布の膜厚ばらつきなく
作ることができる。
【0061】また本発明によれば、有害あるいは発火性
の不要反応生成物が中心部に配置された排気管の管壁お
よび排気管に接続されたフィルター(トラップ)に達す
るが、強いガス流のために管壁への付着が少なく、また
排気管を短くできるためフィルターに効率よく集塵され
る。従って安全にメンテナンスを行うことができる。
【0062】さらに本発明によれば、2種類の原料ガス
を交互の導入管から連続供給するだけで、ウエハを公転
させることにより、理想的な成長である原子層成長を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例及び本発明に係る気相成長装置の反応炉
の構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に示す気相成長装置の構成を示す
図である。
【図3】本発明に係る気相成長装置と従来の装置のウエ
ハ自公転停止時の膜厚分布を示す図である。
【図4】実施の形態2に示すMOCVD装置の反応炉の
構成を示す図である。
【図5】実施の形態3に示すMOCVD装置の反応炉の
構成を示す図である。
【図6】実施の形態4に示すMOCVD装置の反応炉の
構成を示す図である。
【図7】各種抵抗整流材の説明図を示す。
【図8】実施の形態5に示すMOCVD装置の反応炉の
構成を示す図である。
【図9】実施の形態6に示すMOCVD装置の反応炉の
構成を示す図である。
【図10】従来のMOCVD装置の反応炉の構成を示す
図である。
【符号の説明】
1 ウエハ 2、12、22a〜22c 導入管 3 排気口 4 反応炉外周壁 5 整流材 6 天井部 7 石英板 8 サセプタ 9 加熱ランプ 10、11 導入口 13、14、23a〜23b マスフローコントローラ
ー 15 突起 16 排気管 17 排気フィルター 18 排気ポンプ 19、21a〜21c 導入元管 20 反応炉 24a〜24c 抵抗整流材 25 分流壁 26、27 ガス分離壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205 C23C 16/44 H01L 21/31

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のウエハを円周上に配置して、一度
    に複数枚ウェハを処理する反応炉を備えた気相成長装置
    において、 前記円周の中心位置に前記反応炉内のガスを排気する排
    気口を設け、 前記反応炉の外周部に原料ガスを導入する複数の導入口
    および該導入口に接続される導入管を設け 前記導入口と隣合う導入口の間の外壁部に、原料ガス流
    を一定方向に流す整流材を配置し たことを特徴とする気
    相成長装置。
  2. 【請求項2】 前記導入管は、導入管を直線上に延長し
    た線上に排気口がかからない方向で、 且つ、導入された前記原料ガスが渦を巻く方向に前記導
    入管を備えたことを特徴とする請求項1に記載の気相成
    長装置。
  3. 【請求項3】 前記排気口に対向する反応炉の位置に、
    突起を設けたことを特徴とする請求項1乃至2に記載の
    気相成長装置。
  4. 【請求項4】 前記導入口から前記ウエハへの原料ガス
    流の経路上に、抵抗整流材を設けたことを特徴とする請
    求項1乃至に記載の気相成長装置。
  5. 【請求項5】 前記導入管と隣合う導入管に、それぞれ
    異なる原料ガスを導入し、 前記ウエハを前記反応炉内で公転させることを特徴とす
    る請求項1乃至に記載の気相成長装置。
  6. 【請求項6】 前記導入管と隣合う導入管との間にパー
    ジガスを流す配管を設けることを特徴とする請求項
    記載の気相成長装置。
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