JP3231618U - 接着シート及びボード - Google Patents

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Abstract

【課題】不燃性に優れ、また、基材に貼り付けたときに基材の意匠性が損なわれることを抑制できる、接着シート及び該接着シートを用いたボードを提供する。【解決手段】ガラス繊維織物2に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層3と、硬化性樹脂層の少なくとも一方の面上に積層された接着層4と、接着層に積層された剥離層5と、を含む、接着シート1であって、剥離層を剥離後の接着シートが、全光線透過率が80%以上、ヘーズが20%以下であり、かつ、輻射電気ヒーターからシートの表面に50kW/m2の輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えず、総発熱量が8MJ/m2以下である。【選択図】図1

Description

本考案は、接着シート及びボードに関する。
従来、建築材料等において、意匠性を高める等の観点から、接着シートを基材に張り付けて使用することがおこなわれている。
上記接着シートとして、例えば、ポリオレフィン系樹脂と難燃剤とを、質量比で50:100〜150:100の割合で含有し、かつ厚みが0.12mm以下であるシート状基材に、厚みが40μm下の粘着剤層が積層されている化粧用不燃性粘着シートが知られている(例えば、特許文献1参照。)。該粘着シートによれば、ポリオレフィン系樹脂と難燃剤とを含有し、厚みの上限を定めたシート状基材を用いて、化粧用不燃性粘着シートを提供することができるとされている。
特開2003−311901号公報
しかしながら、特許文献1の接着シートは、火災時に溶融してしまうという問題がある。従って、例えば、特許文献1の接着シートを建築空間の間仕切りとして使用した場合、基材も焼失してしまえば、火災時に発生する煙を遮断することができず、被害が大きくなる恐れがあるという問題がある。すなわち、不燃性が十分でないという問題がある。
そこで、本考案は、上記問題を解決し、不燃性に優れ、また、基材に貼り付けたときに基材の意匠性が損なわれることを抑制できる、接着シート、及び該接着シートを用いたボードの提供を主な課題とする。
本考案者が上記課題を解決するために検討したところ、ガラス繊維織物に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層と、硬化性樹脂層の少なくとも一方の面上に積層された接着層と、接着層に積層された剥離層と、を含む、接着シートとすることにより、硬化性樹脂が溶融しても不燃性に優れるガラス繊維織物が溶融せず、火災時に発生する煙を遮断し得ることを見出した。さらに、本考案者は、硬化性樹脂を、ガラス繊維織物の屈折率と近似する屈折率を有する硬化性樹脂とすることにより、全光線透過率80%以上、ヘーズが20%以下という透明性を備えさせることができ、これによって接着シートを基材に貼り付けた際、基材の意匠性が損なわれることを抑制できることを見出した。本考案は、かかる知見に基づき、鋭意検討を重ねることにより完成された考案である。
すなわち、本考案は、下記に掲げる態様の考案を提供する。
項1.ガラス繊維織物に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層と、前記硬化性樹脂層の少なくとも一方の面上に積層された接着層と、前記接着層に積層された剥離層と、を含む、接着シートであって、前記剥離層を剥離後の接着シートが、全光線透過率が80%以上、ヘーズが20%以下であり、かつ、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターからシートの表面に50kW/mの輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、総発熱量が8MJ/m以下である、接着シート。
項2.前記硬化性樹脂層の前記接着層が積層された面とは反対側の面上に積層された透明フィルム層を含む、項1に記載の接着シート。
項3.前記ガラス繊維織物の厚さが10〜120μmであり、前記ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の平均繊維径が3〜6μmであり、前記硬化性樹脂層の厚さと前記接着層の厚さとの比(硬化樹脂層の厚さ/接着層の厚さ)が1〜30である、項1又は2に記載の接着シート。
項4.前記ガラス繊維織物を構成する経糸及び緯糸のいずれか一方の糸幅が他方の糸幅より大きい、項1〜3のいずれか1項に記載の接着シート。
項5.基材と不燃材とを含むボードであって、前記基材が、前記不燃材によって覆われており、前記基材の面のうち少なくとも1つの面を覆う不燃材が、ガラス繊維織物に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層を含むシートであり、前記シートが、全光線透過率が80%以上、ヘーズが20%以下であり、かつ、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターからシートの表面に50kW/mの輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、総発熱量が8MJ/m以下である、ボード。
項6.前記基材が透明樹脂板である、項5に記載のボード。
項7.前記基材の厚さと前記シートの厚さとの比(基材の厚さ/シートの厚さ)が4〜1000である、項5又は6に記載のボード。
項8.前記シートが覆う面とは対向する面を覆う不燃材が、ガラス繊維織物に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層を含むシートであり、当該シートが、全光線透過率が80%以上、ヘーズが20%以下であり、かつ、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターからシートの表面に50kW/mの輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、総発熱量が8MJ/m以下である、請求項5〜7のいずれか1項に記載のボード。
本考案の接着シートによれば、ガラス繊維織物に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層と、前記硬化性樹脂層の少なくとも一方の面上に積層された接着層と、前記接着層に積層された剥離層と、を含む、接着シートであって、前記剥離層を剥離後の接着シートが、全光線透過率が80%以上、ヘーズが20%以下であり、かつ、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターからシートの表面に50kW/mの輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、総発熱量が8MJ/m以下である、ことから、不燃性に優れ、また、基材に貼り付けたときに基材の意匠性が損なわれることを抑制することができる。
また、本考案のボードによれば、基材と不燃材とを含むボードであって、前記基材が、前記不燃材によって覆われており、前記基材の面のうち少なくとも1つの面を覆う不燃材が、ガラス繊維織物に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層を含むシートであり、前記シートが、全光線透過率が80%以上、ヘーズが20%以下であり、かつ、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターからシートの表面に50kW/mの輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、総発熱量が8MJ/m以下であることから、不燃性に優れ、また、基材の意匠性が損なわれることを抑制することができる。
本考案の接着シートの一例を説明する横断面模式図である。 本考案のボードの一例を説明する模式的斜視図である。 図2のA−A断面の模式図である。
1.接着シート
本考案の接着シートは、ガラス繊維織物に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層と、前記硬化性樹脂層の少なくとも一方の面上に積層された接着層と、前記接着層に積層された剥離層と、を含む、接着シートであって、前記剥離層を剥離後の接着シートが、全光線透過率が80%以上、ヘーズが20%以下であり、かつ、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターからシートの表面に50kW/mの輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、総発熱量が8MJ/m以下である。
図1は本考案の接着シートの一例を説明する横断面模式図である。図1に示されるように、本考案の接着シート1は、ガラス繊維織物2と、該ガラス繊維織物2に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層3と、硬化性樹脂層3の少なくとも一方の面上に積層された接着層4と、該接着層に積層された剥離層5と、を含む。本考案の接着シート1において、ガラス繊維織物2は、少なくとも1枚含まれていればよく、複数枚含まれていてもよい。また、硬化性樹脂層3は、ガラス繊維織物2を構成している複数のガラス繊維の隙間を埋めており、硬化性樹脂層3の一方の表面側部分と他方の表面側部分とは、当該隙間部分を介して通じている。また、硬化性樹脂層3は、ガラス繊維織物2の両面上に、ガラス繊維織物2が存在していない硬化性樹脂層3部分が形成されていることが好ましい。
また、図1に示すように、本考案の接着シート1は、硬化性樹脂層3の前記接着層4が積層された面とは反対側の面上に積層された透明フィルム層6を含むことができる。
<各層の組成>
以下、接着シートを構成する各層について詳述する。
[ガラス繊維織物]
本考案のシート1において、ガラス繊維織物2は、後述する硬化性樹脂層3が含浸された状態で含まれる。ガラス繊維織物2は、接着シート1の不燃性の向上に寄与する。ガラス繊維織物2の屈折率は、後述する硬化性樹脂層3の屈折率と近似するように設定され、これにより、接着シート1に対して、例えば全光線透過率が80%以上という高い光透過性を付与することができる。
本考案のシート1において、ガラス繊維織物2の織組織としては、特に制限されず、例えば、平織、朱子織、綾織、斜子織、畦織などが挙げられ、これらの中でも平織が好ましい。
ガラス繊維織物2を構成するガラス繊維のガラス材料としては、特に制限されず、例えば公知のガラス材料を用いることができる。ガラス材料としては、例えば、無アルカリガラス(Eガラス)、耐酸性の含アルカリガラス(Cガラス)、高強度・高弾性率ガラス(Sガラス、Tガラス等)、耐アルカリ性ガラス(ARガラス)等が挙げられ、好ましくは汎用性の高い無アルカリガラス(Eガラス)が挙げられる。ガラス繊維織物2を構成するガラス繊維は、1種類のガラス材料からなるものであってもよいし、異なるガラス材料からなるガラス繊維を2種類以上組み合わせたものであってもよい。また、接着シート1の透明性を向上させる観点から、後述する、硬化性樹脂層3の屈折率と近似するガラス材料を選択することが好ましい。
ガラス繊維織物2を構成するガラス繊維の番手は、ガラス繊維織物2を形成できれば、特定のものに制限されない。ガラス繊維の番手としては、接着シート1の透明性をより一層向上するという観点から、好ましくは3〜25texが挙げられ、3〜15texが好ましく、8〜15texがより好ましい。ガラス繊維の番手は、1種類単独であってもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。なお、tex番手は、1000m当たりのグラム数に相当し、「JIS R 3420:2013 ガラス繊維一般試験方法」の「7.1番手」に規定されている方法に準じ、測定及び算出する。
ガラス繊維織物2を構成するガラス繊維としては、ガラス長繊維である単繊維が複数本撚りまとめられたガラス糸であるガラスヤーンが好ましい。ガラスヤーンにおける単繊維の本数は、30〜400本程度が好ましく、30〜200本程度がより好ましい。また、ガラスヤーンにおける単繊維の直径は、接着シート1の透明性をより一層向上させる観点から3.0〜6.0μm程度が好ましく、3.0〜5.0μm程度がより好ましい。ガラスヤーンの番手は、接着シート1の不燃性を向上させつつ接着シート1の透明性をより一層向上させる観点から3〜25texが好ましく、3〜15texがより好ましく、3〜12texがさらに好ましい。なお、ガラス繊維の単繊維直径は、JIS R 3420:2013 ガラス繊維一般試験方法」の「7.6単繊維直径」に規定されているB法に準じ、測定及び算出する。
ガラス繊維織物2の経糸密度及び緯糸密度としては、例えば、20〜120本/25mmが挙げられ、接着シート1の不燃性を向上させつつ接着シート1の透明性をより一層向上させる観点から、40本〜100本/25mmが好ましく挙げられる。経糸密度及び緯糸密度は、「JIS R 3420:2013 ガラス繊維一般試験方法」の「7.9密度(織り密度)」に準じ、測定、算出する。
ガラス繊維織物2の1枚あたりの質量(g/m)は、例えば10〜200(g/m)が挙げられ、接着シート1の不燃性を向上させつつ接着シート1の透明性をより一層向上させる観点から、10〜150(g/m)がより好ましく挙げられ、30〜120(g/m)がさらに好ましく挙げられる。ガラス繊維織物2の質量は、「JIS R 3420:2013 ガラス繊維一般試験方法」の「7.2クロス及びマットの質量(質量)」に規定されている方法に準じ、測定及び算出する。
ガラス繊維織物2の厚さとしては、例えば10〜200μm程度が挙げられ、接着シート1の不燃性を向上させつつ接着シート1の透明性をより一層向上させる観点から、10〜150μmが好ましく挙げられ、10〜120μmがより好ましく挙げられ、30〜120μm程度がさらに好ましく挙げられる。ガラス繊維織物2の厚さは、「JIS R 3420:2013 ガラス繊維一般試験方法」の「7.10クロスの厚さ」に規定されているA法に準じ、マイクロメータを用いて0.001mm(1μm)の桁まで測定する。測定は5か所について行い、該5か所の平均値をJIS Z 8401規則Bによって数値を丸め、0.001mm(1μm)の桁まで算出する。
ガラス繊維織物2の厚みを10〜120μmとする場合、ガラス繊維織物2は、下記式(II)にて算出されるガラス体積率が38%以上であることが特に好ましい。30〜120μmの厚みであって、ガラス体積率が38%以上であるガラス繊維織物2は、例えば、ガラス繊維織物に開繊処理を施すことにより得られる。
ガラス体積率(%)=(A/(B×C))×100 (II)
A:ガラス繊維織物の質量(g/m2)
B:ガラス繊維織物を構成するガラス材料の比重(g/m3)
C:ガラス繊維織物の厚み(m)
また、ガラス繊維織物2において、ガラス繊維織物を構成する経糸及び緯糸のいずれか一方の糸幅が他方の糸幅より大きいことが好ましい。これにより、隣接する経糸同士の隙間と、隣接する緯糸同士の隙間とからなるガラス繊維織物の空間(所謂バスケットホール)を効率的に小さくすることができ、火災時に発生する煙をより遮断しやすくなる。経糸、及び緯糸のうち糸幅が大きいほうのガラス糸と、他方のガラス糸との比(大きい方のガラス糸の糸幅/小さいほうの糸幅)としては、1.1〜3.0が挙げられ、1.1〜2.0が好ましく挙げられる。なお、本発明において、ガラス糸の糸幅は次のように測定される。すなわち、まず、隣接する経糸間及び緯糸間の隙間間隔I(μm)を測定する。具体的に、ガラス繊維織物2において無作為に10箇所選び、マイクロスコープを用いて倍率100倍として観察し、隣接する経糸間及び緯糸間の隙間間隔を測定し、該10箇所の平均値を隙間間隔Iとする。なお、隙間間隔Iは、隣接するガラス糸同士の最短距離を隙間間隔とする。次いで、ガラス糸の織密度WDA(本/25mm)を測定し、該織密度から、ガラス糸の糸幅と隣接するガラス糸間の隙間間隔との合計を算出(=(25×1000)/WDA)し、該ガラス糸の糸幅と隣接するガラス糸間の隙間間隔との合計から、隣接するガラス糸間の隙間間隔Iを減じることにより、計算される。
接着シート1において、ガラス繊維織物2の総質量(g/m)と後述の硬化性樹脂層3の総質量(g/m、ガラス繊維織物2は含まない)との合計量(g/m)に対する、接着シート1中のガラス繊維織物2の総質量の割合(質量%)は、接着シート1中の樹脂重量を大きくした場合に、透明性を向上させることと、総発熱量を低いものとすることとの両立をより一層図る観点から、20〜50質量%が好ましく、20〜35質量%がより好ましい。また、剥離層を剥離後の接着シート1の全質量(g/m)に対するシート1中のガラス繊維織物2の総質量(g/m)の割合(質量%)としては、接着シート1の透明性を向上させることと、総発熱量を低いものとすることとの両立をより一層図る観点から、10〜40質量%が好ましく、10〜35質量%がより好ましい。
本考案の接着シート1において、ガラス繊維織物2と後述の硬化性樹脂層3の屈折率の差としては、0.02以下であり、好ましくは0.01以下が挙げられる。ガラス繊維織物2の屈折率としては、好ましくは1.53〜1.57程度が挙げられる。
なお、ガラス繊維織物2の屈折率の測定は、JIS K 7142:2008のB法に準じて行う。具体的には、まず、ガラス繊維織物を構成するガラス繊維を、光学顕微鏡を用いて倍率400倍で観察したときにベッケ線が観察できる程度に粉砕する。そして、光源としてハロゲンランプにD線用の干渉フィルターを設けたものを用い、光学顕微鏡を用いて、倍率400倍、温度23℃の条件で観察、測定し、試験数3回の平均値を屈折率の値とする。また、後述する硬化性樹脂層3の屈折率の測定は、JIS K 7142:2008のB法に準じて行う。具体的には、硬化性樹脂層3を、光学顕微鏡を用いて倍率400倍で観察したときにベッケ線が観察できる程度に粉砕する。そして、光源としてハロゲンランプにD線用の干渉フィルターを設けたものを用い、光学顕微鏡を用いて、倍率400倍、温度23℃の条件で観察、測定し、試験数3回の平均値を屈折率の値とする。
ガラス繊維織物2と硬化性樹脂層3とのアッベ数の差としては、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。ガラス繊維織物2のアッベ数としては、30〜80が好ましく、40〜70がより好ましく、50〜65がさらに好ましい。なお、硬化性樹脂層3及びガラス繊維織物2のアッベ数は、それぞれ、次のように測定する。
(硬化性樹脂層3のアッベ数)
硬化性樹脂層3を構成する樹脂を用いて、ガラス繊維織物2が含まれていないシートを、ガラス繊維織物2を含む場合と同じ条件で同じ厚みとして作製して試験片とする。試験片を幅8mm、長さ20mmとして表面をよく研磨し、JIS K 7142A法に準じ、アッベ屈折計として(株)アタゴ製のNAR−2T、接触液としてジヨードメタン、光源として波長589nmのナトリウムD線を用い、測定温度を23℃として、波長589nmの屈折率を測定する。続いて、光源を自然光として分散値を測定、算出し、下記式(I)に従い、アッベ数を算出する。
アッベ数=(波長589nmの屈折率−1)/分散値 (I)
(ガラス繊維織物2のアッベ数)
ガラス繊維を構成するガラス材料を用いて、幅8mm、長さ20mm、厚み5mmのガラスシートを作製し、表面をよく研磨し、JIS K 7142A法に準じ、アッベ屈折計として(株)アタゴ製のNAR−2T、接触液としてジヨードメタン、光源として波長589nmのナトリウムD線を用い、測定温度を23℃として、波長589nmの屈折率を測定する。続いて、光源を自然光として分散値を測定、算出し、上記式(I)に従い、アッベ数を算出する。
[硬化性樹脂層3]
本考案の接着シート1は、ガラス繊維織物2に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層3を備える。そして、前述のように、該硬化性樹脂層3の屈折率は、ガラス繊維織物2の屈折率との差が0.02以下となるように、設定される。
硬化性樹脂層3を形成する樹脂組成物は、ガラス繊維織物2との屈折率との差を0.02以下とする観点から、屈折率が1.53〜1.57の硬化性樹脂を含むことが好ましい。屈折率が1.53〜1.57の硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、硬化性アクリル樹脂等が挙げられる。シート1の表面平滑性を高める観点から、光硬化性樹脂とすることが好ましい。
硬化性樹脂層3を形成する樹脂組成物は、染料、顔料、蓄光性顔料、難燃剤、充填剤、帯電防止剤、光拡散剤などの添加物をさらに含んでいてもよい。難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、トリクロロエチルホスフェート、トリアリルホスフェート、ポリリン酸アンモニウム、リン酸エステルなどが挙げられる。充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、タルクなどが挙げられる。帯電防止剤としては、例えば、界面活性剤などが挙げられる。光拡散剤としては、コロイダルシリカ、透明性微小球、例えば、ガラスビーズやアクリルビーズなどが挙げられる。これらの添加剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
硬化性樹脂層3の質量(ガラス繊維織物2を含まない)としては、不燃性と透明性とをより両立させる観点から、30〜300g/mが好ましく、30〜200g/mがより好ましい。また、硬化性樹脂層3の厚さとしては、不燃性と透明性とをより両立させる観点から、30〜300μmが好ましく30〜200μmがより好ましい。
[接着層4]
接着層4は、後述する剥離層5を離形可能に保持させ、剥離層5が使用時に除去された後、剥離層5が除去された接着シート1を基材に接着させる層である。なお、図1においては、接着層4が硬化性樹脂層3上に直接積層された例を示しているが、硬化性樹脂層3と接着層4との間に他の層、例えば透明フィルム層等の透明合成樹脂層などが設けられていてもよい。
接着層4は、例えば樹脂組成物により形成することができる。樹脂組成物に含まれる樹脂としては、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂(アクリル樹脂、アクリル共重合体樹脂、アクリル酸エステル共重合体樹脂、アクリル−スチレン共重合体樹脂、アクリル−シリコン共重合体樹脂等が挙げられる。)、塩化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニルのほか、塩化ビニルをモノマー単位として含む共重合体からなる分子鎖を有する樹脂をいい、塩化ビニルと共重合し得るモノマーとしては、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、マレイン酸又はそのエステル、アクリル酸又はそのエステル、及びメタクリル酸又はそのエステル等が挙げられる。)、ポリエステル、ポリオレフィン、酢酸ビニル系樹脂(酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられる。)、シリコーン系樹脂、ポリウレタンなどが挙げられる。
また、接着層4は、粘着剤(感圧接着剤)などによって構成されていてもよい。粘着剤としては、アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリウレタンなどの樹脂を含む公知の樹脂組成物を使用することができる。
接着層4を形成する樹脂組成物は、染料、顔料、蓄光性顔料、難燃剤、充填剤、帯電防止剤、光拡散剤などの添加物をさらに含んでいてもよい。難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、トリクロロエチルホスフェート、トリアリルホスフェート、ポリリン酸アンモニウム、リン酸エステルなどが挙げられる。充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、タルクなどが挙げられる。帯電防止剤としては、例えば、界面活性剤などが挙げられる。光拡散剤としては、コロイダルシリカ、透明性微小球、例えば、ガラスビーズやアクリルビーズなどが挙げられる。これらの添加剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
接着層4の質量としては、接着シート1に高い透明性を付与しつつ、柔軟性を高める観点から、1〜100g/m程度が好ましく、3〜50g/m程度がより好ましい。また、接着層4の厚さとしては、接着シート1に高い透明性を付与しつつ、柔軟性を高める観点から、10〜75μm程度が好ましく、10〜30μm程度がより好ましい。
また、本考案の接着シート1は、硬化性樹脂層3の厚さと接着層4の厚さとの比(硬化樹脂層の厚さ/接着層の厚さ)が1〜30であることが好ましく、1〜10がより好ましい。これにより、接着シート1の透明性と不燃性とをより一層両立させやすくなる。
[剥離層5]
本考案の接着シート1は、必要に応じて、接着層4における表面側にさらに使用時に剥離される剥離可能な剥離層5を積層する。
上記剥離可能な剥離層5としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、表面処理した紙等を用いることができ、剥離層5を剥離する際に、剥離層5と接着層4との接着力が、接着層4と剥離層5とは反対側の層との接着力よりも小さいものであればよい。中でも、上記剥離可能な剥離層5として、光透過性の剥離層とすれば、例えば、前述した硬化性樹脂層3を形成する樹脂組成物を光硬化性の硬化樹脂組成物とする場合に、当該硬化性樹脂組成物を硬化させる工程においても接着層等に傷等が発生し透明性や美感が低下することを防ぎやすくなる点で好ましい。上記光透過性としては、硬化性樹脂を硬化させる光を透過させれば特に制限されないが、例えば、100〜400nmの波長の光を透過させるもの、250〜400nmの波長の光を透過させるものが挙げられる。剥離層の光線透過率としては、例えば、UV透過率測定器(株式会社島津製作所製商品名UV3150)にて測定する、測定波長250〜400nm間の平均透過率が40%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、60%以上が特に好ましい。
[他の層]
本考案の接着シート1は、ガラス繊維織物2と、該ガラス繊維織物2に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層3と、硬化性樹脂層3の少なくとも一方の面上に積層された接着層4と、該接着層に積層された剥離層5、以外の他の層を含んでもよい。当該他の層として、本考案の接着シート1は、硬化性樹脂層3の前記接着層4が積層された面とは反対側の面上に積層された透明フィルム層6を含むことができる。
透明フィルム層6は、ポリ塩化ビニル樹脂以外の熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。ポリ塩化ビニル樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、可塑剤の量が少なくてもフィルム化が可能なものが挙げられ、ポリ塩化ビニル樹脂以外の非晶性の熱可塑性樹脂を含む2軸延伸フィルムが好ましく挙げられる。ポリ塩化ビニル樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びポリアミド樹脂が挙げられ、これらを少なくとも1種以上含むものとすることもできる。また、透明フィルム層6は、ポリ塩化ビニル樹脂を含まないものとすることもできる。接着シート1の初期引裂強度をより一層優れたものとする観点から、透明フィルム層6は、エレメンドルフ引裂伝播抵抗(株式会社東洋精機製作所製エレメンドルフ引裂機を用い、JIS K7128−2・1998に基づいて引裂強さ(N)を測定し、この測定値をフィルム厚みで除して引裂伝播抵抗(N/mm)とする。なお、引裂強度はたて方向及びよこ方向それぞれ20サンプルの試験結果の平均値とする。)がたて方向及びよこ方向ともに1N/mm以上のものが挙げられ、3〜20N/mmのものが好ましく挙げられ、5〜15N/mmのものがより好ましく挙げられる。中でも、耐薬品性、初期引裂強の向上及び透明性をより一層両立させるという観点からは、透明フィルム層6はポリエステル樹脂を含むものとすることが好ましい。該ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はポリエチレンナフタレート(PEN)とすることが挙げられる。透明フィルム層6における可塑剤の含有量としては、例えば、10質量%以下が挙げられ、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下が特に好ましく挙げられる。上記可塑剤としては、塩化ビニル樹脂の可塑剤として公知のものが挙げられ、例えば、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジオチルデシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、イソフタル酸ジ−2−エチルヘキシルなどのフタル酸系可塑剤、アジピン酸−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−2−デシル、セバチン酸ジブチル、セバチン酸−2−エチルヘキシルなどの脂肪酸エステル可塑剤、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸−2−エチルヘキシルジフェニル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル系可塑剤、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリオクチルなどのトリメリット酸エステル系可塑剤、アジピン酸系ポリエステル可塑剤、フタル酸系ポリエステル可塑剤などのポリエステル系可塑剤、テレフタル酸系可塑剤が挙げられる。
本考案の接着シート1において、透明フィルム層6の1層あたりの質量としては、例えば、30〜150g/mが挙げられ、初期引裂強度と不燃性とをより両立するという観点から、50〜90g/mが好ましく挙げられ、60〜80g/mがより好ましく挙げられる。また、透明フィルム層6の厚さとしては、例えば、20〜100μmが挙げられ、初期引裂強度と不燃性とをより両立するという観点から、30〜70μmが好ましく挙げられ、40〜60μmがより好ましく挙げられる。また、例えば、透明フィルム層6に、易滑性、易接着性、帯電防止性などの各種機能を付与するコーティング層及び/又は耐摩耗性を向上させるハードコート層等、別の層を積層する場合は、当該別の層の厚さとしては、例えば、0.1〜3μmが挙げられ、0.1〜1μmが好ましく挙げられる。
[接着シート1の物性]
本考案の接着シート1は、使用時に剥離される剥離可能な剥離層5を剥離後の接着シート1の全光線透過率が80%以上、ヘーズが20%以下である。前述のように、上記本考案の接着シート1の全光線透過率が80%以上、ヘーズが20%以下という構成は、少なくとも、ガラス繊維織物2の屈折率と硬化性樹脂層3の屈折率とが十分に近似(例えば、ガラス繊維織物2の屈折率と硬化性樹脂層3の屈折率との差が0.02以下となっていることが挙げられる。)していることを示す。上記全光線透過率としては、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上である。また、上記ヘーズとしては、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは6%以下である。本発明において、使用時に剥離される剥離可能な剥離層5を剥離後の接着シート1の全光線透過率は、JIS K7361−1:1997、ヘーズはJIS K7136:2000に準じて測定し得られる値である。
本考案の接着シート1は、ガラス繊維織物2を含むため、燃えにくい性質(不燃性)を備えることができる。なお、本考案の接着シート1の不燃性としては、使用時に剥離される剥離可能な剥離層5を剥離後の接着シート1が、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターからシートの表面に50kW/mの輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、総発熱量が8MJ/m以下であることが好ましい。不燃性をより一層向上させるためには、例えば、硬化性樹脂層3及び接着層4において、難燃剤の添加や有機物量の減量等を行なえばよい。
本考案の接着シート1の厚さとしては、例えば、使用時に剥離される剥離可能な剥離層5を剥離後の接着シート1の厚さ(すなわち、剥離可能剥離層5を除く厚さ)としては、40〜400μmが挙げられ、好ましくは100〜300μm、より好ましくは100〜250μmが挙げられる。また、本考案の剥離シート1の質量として、例えば、使用時に剥離される剥離可能な剥離層5を剥離後の接着シート1の質量(すなわち、剥離可能な剥離層5を除く質量)として、40〜400g/mが挙げられ、100〜300g/mが好ましく挙げられる。また、本考案の接着シート1において、ガラス繊維織物2以外の合計質量が150〜290g/m、より好ましくは100〜200g/mであると、不燃性と引裂強度とを一層両立しやすくなるので好ましい。
[接着シート1の製造方法]
本考案の接着シート1の製造方法としては特に制限されないが、例えば次の方法が挙げられる。
まず、透明な合成樹脂層/透明な接着層(接着シート1の接着層4を構成する)/透明な剥離層(接着シート1の剥離層5を構成する)、の順に積層された接着フィルムを準備する。また、透明フィルム層6とする透明フィルムを準備する。
次に、未硬化の光硬化性樹脂組成物を準備する。準備した接着フィルムを、透明な合成樹脂層5が上側となるように置き、硬化性樹脂層3とする該光硬化性樹脂組成物を接着フィルムの上から塗布し、該光硬化性樹脂組成物の上にガラス繊維織物2とするガラス繊維織物を載せてガラス繊維織物2に光硬化性樹脂組成物を含浸させ、さらに、準備した透明フィルム層6とする透明フィルムをガラス繊維織物2とするガラス繊維織物の上に載せ、2枚のフィルムそれぞれの表面から圧力を加え、ガラス繊維織物2に光硬化性樹脂組成物をさらに含浸させ、光硬化性樹脂組成物を加熱や光照射により硬化させる。これにより、透明フィルム層6/ガラス繊維織物2に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層3/透明な合成樹脂層/接着層4/剥離層5の順に積層された、本考案の接着シート1を得ることができる。
2.ボード
本考案のボードは、基材と不燃材とを含むボードであって、前記基材が、前記不燃材によって覆われており、前記基材の面のうち少なくとも1つの面を覆う不燃材が、ガラス繊維織物に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層を含むシートであり、前記シートが、全光線透過率が80%以上、ヘーズが20%以下であり、かつ、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターからシートの表面に50kW/mの輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、総発熱量が8MJ/m以下である。上記シートとしては、例えば、前述した本考案の接着シートを用いることができる。
図2は、本考案のボードの一例を説明する模式的斜視図であり、図3は、図2のA−A断面の模式図である。なお、便宜上、図2のX軸の方向を左右方向、Y軸の方向を厚さ方向、Z軸の方向を上下方向と表す。図2及び図3では、ボード10は、基材8と、基材8の左右方向を向く面及び上下方向を向く面を覆う、不燃材である金属製フレーム7と、基材8の厚さ方向を向く面を覆う、不燃材である、ガラス繊維織物2に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層3を含むシート、を備える。図2及び図3において、ガラス繊維織物2に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層3を含むシートと、基材8とは、接着層4を介して一体化されている。また、図2及び図3においては、ガラス繊維織物2に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層3を含むシートは、ボード10の厚さ方向表面側に透明フィルム層6を備えている。ここで、ボード10における、ガラス繊維織物2、硬化性樹脂層3、接着層4、及び透明フィルム層6は、前述した本考案の接着シート1の、ガラス繊維織物2、硬化性樹脂層3、接着層4及び透明フィルム層6と同様の構成である。すなわち、図2及び図3における、基材8の厚さ方向を向く面を覆う、不燃材である、ガラス繊維織物2に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層3を含むシートは、前述した本考案の接着シート1を準備し、該接着シート1の剥離層5を剥離し、剥離層5を剥離した接着シート1の接着層5が基材8の厚さ方向の面側となるようにして基材8に貼り付けることにより、ボード10に備えさせることができる。以下、本考案のボード10を構成する部材について詳述する。
[基材8]
基材8としては、特に制限されない。例えば、樹脂板、木板、ガラス板、セラミック板等が挙げられる。樹脂板としては、透明樹脂板とすることができる。樹脂板を構成する樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル、等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、硬化性アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂等の硬化樹脂が挙げられる。また、基材8としては、単一の材料からなる板であってもよいが、複数の材料から構成される板であってもよい。また、基材8としては、図柄や色彩が施されたものであってもよく、また、液晶パネル、有機ELパネル等の画像表示装置等であってもよい。また、基材8の表面には、不燃材を接着させる接着剤層が設けられてもよい。
基材の厚さ方向の厚さとしては特に制限されないが、例えば、1〜100mm等が挙げられる。また、基材8の厚さとガラス繊維織物に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層を含むシートの厚さとの比(基材の厚さ/シートの厚さ)としては、4〜1000が挙げられ、4〜400が好ましく挙げられる。
[不燃材]
本考案のボード10は、前述した基材8が不燃材によって覆われており、基材8の面のうち少なくとも1つの面を覆う不燃材が、ガラス繊維織物に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層を含むシートである。
基材8の面のうち少なくとも1つの面を覆う、ガラス繊維織物に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層を含むシートとしては、本考案の接着シート1の説明で前述した、ガラス繊維織物2に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層3を含むシートが好ましく挙げられ、本考案の剥離層5を剥離した接着シート1がより好ましく挙げられる。
ガラス繊維織物に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層を含むシート、以外の不燃材としては、金属板、セラミック板、ガラス板等が挙げられる。金属板に使用される金属としては、特に制限されず、例えば、アルミニウム、ニッケル、チタン、鉄、鋼、又はこれらの合金などが挙げられる。なお、本考案において、不燃材とは、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターからシートの表面に50kW/mの輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、総発熱量が8MJ/m以下であることを示す。
[ボード10の製造例]
ボード10の製造方法としては、特に制限されないが、例えば、次のような方法で製造することができる。
まず、基材8としてアクリル樹脂板、基材8の左右方向を向く面及び上下方向を向く面を覆う、不燃材である金属製フレーム7、基材8の厚さ方向を向く面を覆う、不燃材である、ガラス繊維織物2に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層3を含むシートとして、前述した、図1に示す本考案の接着シート1を準備する。金属製フレーム7は、アルミニウム製であり、内側に向けて開口した断面略コ字状である。
次に、準備した接着シート1の剥離層5を剥離し、基材8であるアクリル樹脂板の厚さ方向を向く面2つに貼り付ける。
そして、準備した金属製フレーム7を、基材8の左右方向を向く面及び上下方向を向く面を覆うように、基材8に取り付け、ネジ等で固定し、ボード10を得ることができる。

Claims (8)

  1. ガラス繊維織物に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層と、
    前記硬化性樹脂層の少なくとも一方の面上に積層された接着層と、
    前記接着層に積層された剥離層と、を含む、接着シートであって、
    前記剥離層を剥離後の接着シートが、
    全光線透過率が80%以上、ヘーズが20%以下であり、かつ、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターからシートの表面に50kW/mの輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、総発熱量が8MJ/m以下である、
    接着シート。
  2. 前記硬化性樹脂層の前記接着層が積層された面とは反対側の面上に積層された透明フィルム層を含む、請求項1に記載の接着シート。
  3. 前記ガラス繊維織物の厚さが10〜120μmであり、
    前記ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の平均繊維径が3〜6μmであり、
    前記硬化性樹脂層の厚さと前記接着層の厚さとの比(硬化樹脂層の厚さ/接着層の厚さ)が1〜30である、請求項1又は2に記載の接着シート。
  4. 前記ガラス繊維織物を構成する経糸及び緯糸のいずれか一方の糸幅が他方の糸幅より大きい、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着シート。
  5. 基材と不燃材とを含むボードであって、
    前記基材が、前記不燃材によって覆われており、
    前記基材の面のうち少なくとも1つの面を覆う不燃材が、ガラス繊維織物に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層を含むシートであり、
    前記シートが、
    全光線透過率が80%以上、ヘーズが20%以下であり、かつ、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターからシートの表面に50kW/mの輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、総発熱量が8MJ/m以下である、ボード。
  6. 前記基材が透明樹脂板である、請求項5に記載のボード。
  7. 前記基材の厚さと前記シートの厚さとの比(基材の厚さ/シートの厚さ)が4〜1000である、請求項5又は6に記載のボード。
  8. 前記シートが覆う面とは対向する面を覆う不燃材が、ガラス繊維織物に含浸された状態で含まれる硬化性樹脂層を含むシートであり、
    当該シートが、
    全光線透過率が80%以上、ヘーズが20%以下であり、かつ、一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターからシートの表面に50kW/mの輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、総発熱量が8MJ/m以下である、請求項5〜7のいずれか1項に記載のボード。
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