JP2014231180A - 光拡散不燃シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光拡散性、不燃性を損なうことなく、裁断、溶着などの2次加工性や設置時の取扱い性が大幅に改善することに加え、汚れ拭取り性や長期使用時の汚れ付着防止性が改善し、長期間採光性が劣化しない光拡散不燃シートを提供する。
【解決手段】 硬化樹脂層の内部にガラス繊維布帛が埋設され、該硬化樹脂層の少なくとも一方の面に接着剤層を介してまたは介さずに熱可塑性樹脂層が積層されてなり、さらに熱可塑性樹脂層の外表面にエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層が接着剤層を介してまたは介さずに積層されてなる光拡散不燃シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、照明用の光源からの光を均一に拡散させる光拡散性に優れ、防汚性、ウエルダー溶着性を改善した不燃シートおよびその製造方法に関する。
面照明装置や内照式看板などの照明装置においては、一般に、その発光面において輝度が充分に高いこと、及び輝度分布が発光面全体に充分に均一であることが求められる。そのような発光面としては、光源からの光を拡散させる光拡散シートが用いられる。
光拡散シートに用いられるものとして、例えばアクリル樹脂シートなどの樹脂シートや、艶消しガラスなどが一般に用いられている。さらに、ガラス繊維織物を基布として用いたガラス繊維シートも用いられている。
また、防炎垂れ幕、膜天井など火災発生による焼失、或いは設備誤動作、地震など破損、及び飛散による怪我の発生防止の為、光拡散性を付与した不燃性の樹脂製シートの要求が増加する傾向がある。
そこで、最近、光拡散性を付与した不燃性シートとして、ガラス繊維織物に樹脂を含浸硬化、或いはガラス繊維織物に防炎性樹脂シートをラミネートした製品が市販されている。しかし、これらのシートは、ウエルダー溶着が十分でなく加工性、取扱い性が非常に悪かったり、長期間使用時に汚れが浸透、蓄積したりする問題がある。
ところで、光拡散性を増す為に、粒子の添加(特許文献1)、ガラス繊維織物と硬化性樹脂との屈折率差を利用する方法(特許文献2)、或いはガラス繊維織物と硬化性樹脂との界面に微小な気泡を混入させる方法(特許文献3)などの方法が開示されているが、これらの方法では、光拡散性を増すほど全光線透過率が低減し、照明用の膜材としては限界があり最適とは言えない。また、繊維の通気度調整や延伸倍率の調整などで光拡散性と全光線透過率を最適化する方法も開示されているが、繊維を織る段階での微小な変動が性能に大きく関与し、製品化が困難である。
一方、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと記載する場合がある。)フィルムの微小凹凸を利用し、ガラス繊維織物に含浸させる硬化性樹脂の最外層面に凹凸を施す方法が提案されており(特許文献4)、光拡散性と全光線透過率とを最適化させることが可能であるが、表面に汚れが埋込み易く、かつ高周波ウエルダー融着性が悪い等の問題がある。また、これらの問題点を改善する為、他の樹脂をコート、或いはラミネートした場合、該凹凸が埋り込んでしまい、光拡散性が大きく悪化する問題がある。
更には、耐久性、耐光性、汚れ防止性を改善する為、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂をガラス繊維織物含浸硬化させる方法の開示もあるが(特許文献5)、高周波ウエルダー融着性が悪いなど問題があり、光拡散性と全光線透過率を両立しかつ、防汚性、及びウエルダー溶着性を同時に満足する方法が見当たらない状況であった。
特開2010−137582号公報 特開2010−52370号公報 特開2007−131654号公報 特開2005−345873号公報 特開2001−311235号公報
面照明装置、内照式看板などの照明装置、プロジェクター用又はテレビ用の光透過型スクリーン、内照式光膜天井などに用いられる、ガラス繊維織物に樹脂を含浸硬化、或いは及び防炎性樹脂シートをラミネートした光拡散性を有する不燃シートは上記のごとき問題があり、本発明は、光拡散性のみならず、汚れ防止性、ウエルダー溶着性を大幅に改善した不燃シートを提供する。
すなわち、本発明は、硬化樹脂層の内部にガラス繊維布帛が埋設され、該硬化樹脂層の少なくとも一方の面に接着剤層を介してまたは介さずに熱可塑性樹脂層が積層されてなり、さらに熱可塑性樹脂層の外表面にエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層が接着剤層を介してまたは介さずに積層されてなり、下記(a)〜(c)を満足する光拡散不燃シートである。
(a):エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層が透明であるエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂と不透明であるエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂とにより形成されてなる
(b):全光線透過率が80%以上
(c):ヘーズが60%以上
加えて本発明は、エチレン−ビニルアルコール共重合体が含有されてなる透明な溶液であって溶液温度が30℃〜75℃である透明な溶液と、前記透明な溶液または別のエチレン−ビニルアルコール共重合体が含有されてなる透明な溶液を20℃以下に冷却して得られた不透明な溶液とを混合させて溶液温度が20℃〜50℃である混合溶液を得たのち、100℃〜150℃で熱処理を行って、透明のエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂と不透明のエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂とからなるエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層を形成することを特徴とする上記光拡散不燃シートの製造方法である。
本発明の光拡散不燃シートは、光拡散性、不燃性を有しつつ、裁断、溶着などの2次加工性及び設置時の取扱い性が改善することに加えて、汚れ拭取り性や長期使用時の汚れ付着防止性に優れる特徴を有する。
図1は、本発明の光拡散不燃シートの一実施形態の模式断面図である。 図2は、本発明の光拡散不燃シート(実施例1)の製造時の中間品として得られる積層体の模式断面図である。 図3は、本発明の光拡散不燃シート(実施例1)の製造時の中間品として得られる積層シートの模式断面図である。 図4は、本発明の光拡散不燃シート(実施例1)の一実施形態の模式断面図である。
本発明は、硬化樹脂層の内部にガラス繊維布帛が埋設され、該硬化樹脂層の少なくとも一方の面に接着剤層を介してまたは介さずに熱可塑性樹脂層が積層されてなり、さらに熱可塑性樹脂層の外表面にエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層が接着剤層を介してまたは介さずに積層されてなる光拡散不燃シートである。
図1は、本発明の光拡散不燃シートの一実施形態の模式断面図である。該光拡散不燃シートは、ガラス繊維布帛3と、該ガラス繊維布帛が埋設された硬化樹脂層5とからなる。硬化樹脂層5は、ガラス繊維布帛3の隙間を充填し、少なくとも一部が連続していることが好ましい。硬化樹脂層5の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層9が設けられており、該熱可塑性樹脂層9の硬化樹脂層5とは反対側の外層にエチレン−ビニルアルコール共重合体(以下EVOHと称する場合もある。)樹脂層14を形成する。硬化樹脂層5とEVOH樹脂層14との間に光拡散不燃シートの柔軟性や加工性を改善する等の目的で熱可塑性樹脂層9を設けてもよく、さらに耐剥離性を向上させる等の目的で、硬化樹脂層5と熱可塑性樹脂層9との間に接着剤−1層8を形成したり、EVOH樹脂層14と熱可塑性樹脂層9の間に接着剤−2層13を形成したりしてもよい。硬化樹脂層5の熱可塑性樹脂層9とは反対側の外層には熱可塑性樹脂層9のみEVOH樹脂層14のみが形成されていてもよく、熱可塑性樹脂層9とEVOH樹脂層14との積層構造が形成されていてもよい。反対側の外層についても必要に応じて接着剤−1層8や接着剤−2層13が存在していてもよい。
本発明を構成するガラス繊維布帛3の形状は、織物、編物、不織布、紙等、特に形状を限定するものではないが、本発明のシートの透明性を確保することが容易な点から織物であることが好ましい。
ガラス繊維織物は、複数の経糸1と、複数の緯糸2とが組み合わさっている。ガラス繊維織物とは、ガラス繊維を経糸及び緯糸に用いて織った布をいう。ガラス繊維織物は、ガラスクロスと呼ばれることもある。
ガラス繊維織物の織組織としては、平織、朱子織、綾織、斜子織、畦織等が挙げられる。建築材料として用いられる場合は、平織、斜子織、畦織が好ましい。
ガラス繊維織物中の隣接する経糸1の間の隙間は0.5mm以下であることが好ましく、0.2mm以下であることがより好ましい。また、ガラス繊維織物中の隣接する緯糸2の間の隙間が0.5mm以下であることが好ましく、0.2mm以下であることがより好ましい。前記の隙間を満足することで、炎がガラス繊維織物を通過し難くなり、不燃性を確保する観点から好ましい。
ガラス繊維布帛3中のガラス繊維としては、汎用の無アルカリガラス繊維(Eガラス)、耐酸性の含アルカリガラス繊維(Cガラス)、高強度・高弾性率ガラス繊維(Sガラス、Tガラス等)、耐アルカリ性ガラス繊維(ARガラス)等があげられるが、汎用性の高い無アルカリガラス繊維の使用が好ましい。
ガラス繊維のフィラメント直径は、1〜20μmであることがガラス繊維織物の強度特性と加工性を両立する点で好ましく、3〜12μmであることが更に好ましい。また、ガラス繊維の番手は、5tex〜70texが好ましく、10tex〜35texが更に好ましい。なお、ガラス繊維のtex番手は、1000m当たりのグラム数に相当している。
ガラス繊維織物は、一種類のガラス繊維で織られていてもよいし、2種類以上のガラス繊維で織られていてもよい。例えば、経糸と緯糸は別個のガラス繊維であってもよい。2種類以上のガラス繊維で織られている場合には、ガラス繊維フィラメント直径、番手は、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、ガラス繊維の組成が同じであり、ガラス繊維の直径及び番手が異なっていてもよい。
ガラス繊維布帛3には、本発明の光拡散不燃シートの透明性、耐屈曲白化性を向上させる目的で、ガラス繊維処理剤として通常使用されているシランカップリング剤で表面処理しておくことが好ましい。これによって、ガラス繊維布帛3と硬化性樹脂4とを良好に接合させることができる。なお、シランカップリング剤としては、アクリル系シランカップリング剤、スチレン系シランカップリング剤、ビニル系シランカップリング剤、アミン系シランカップリング剤などが好ましく、アクリル系シランカップリング剤、スチレン系シランカップリング剤がより好ましい。
本発明の光拡散不燃シートにおける1m当たりのガラス繊維布帛3の質量、すなわちガラス繊維布帛3の目付けは20〜150g/mであることが好ましい。ガラス繊維布帛3の目付けが150g/mを超える場合には、未硬化樹脂4の含浸速度が遅くなり、作業性が低下したり、含浸不良を起こすことがあり20g/m未満の場合には不燃性に問題が生じることがあり、それぞれ好ましくない。なお光拡散不燃シートにおけるガラス繊維布帛3の目付けを150g/mより多くする場合には、2枚以上のガラス繊維布帛3を用いることが好ましい。
硬化樹脂層5は、熱で硬化する硬化性樹脂から構成されてもよいし、紫外線等の光の照射で硬化する硬化性樹脂から構成されてもよい。硬化性樹脂4は、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はエポキシ樹脂などで構成されていることが好ましく、上記の中でも耐熱性、耐薬品性、機械的強度、硬化特性に優れている点で、ビニルエステル樹脂で構成されていることが更に好ましい。
硬化性樹脂4には、難燃剤、紫外線吸収剤、充填剤、帯電防止剤などの添加物が含まれていてもよい。難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、トリクロロエチルホスフェート、トリアリルホスフェート、ポリリン酸アンモニウム、リン酸エステルなどが挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、タルクなどが挙げられる。帯電防止剤としては、例えば、界面活性剤が挙げられる。
これらの添加物は粒子形状であってもよく、粒子形状の場合には粒径が10μm以下であることが、得られるシートの全光線透過率が向上する点から好ましく、5μm以下であることが更に好ましい。
本発明の光拡散不燃シートは、硬化樹脂層5の目付けが15〜500g/mの範囲であることが好ましく、50〜300g/mの範囲であることがより好ましい。硬化樹脂層5の目付けが15g/m未満の場合には、ガラス繊維布帛3の目詰めが十分に行うことができず、ガラス繊維布帛3の模様が浮き出てしまう場合があり、透明性が低下し好ましくない。一方、硬化樹脂層5の目付けが500g/mより多い場合には、不燃性が低下し好ましくない。
本発明の光拡散不燃シートにおいて、ガラス繊維布帛3を構成するガラス繊維と硬化樹脂層5を構成する硬化性樹脂との質量比が20:80〜70:30であることが好ましい。ガラス繊維の質量比が20未満の場合には、硬化樹脂層5の量が多くなり、不燃性が低下し好ましくない。一方、ガラス繊維の質量比が70を超える場合には、硬化樹脂層5の厚さが薄くなり、ガラス繊維布帛3の模様が浮き出てしまう場合があり、透明性が低下し好ましくない。
なお、後述の建築基準法の評価法に基づく発熱性試験において、変形、熔融、亀裂などの損傷を抑え、不燃性をさらに向上させ、不燃性の認定に合格する水準にするためには、ガラス繊維と硬化性樹脂との質量比は、30:70〜70:30であることがより好ましい。
本発明の光拡散不燃シートにおいて、ガラス繊維布帛3中のガラス繊維を構成するガラス組成物と硬化樹脂層5を構成する硬化性樹脂4との屈折率の差が0.02以下であることが好ましく、両者の屈折率の差が小さいほどシートの透明性が向上し好ましい。
本発明の光拡散不燃シートを構成する熱可塑性樹脂層9を形成する熱可塑性樹脂としては、特に限定するものでは無いが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリノルボルネンなどのポリオレフィン;ポリスチレン;ポリ塩化ビニル;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、パーフルオロエチレン−プロペンコポリマー等のフッ素樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のポリエステル;脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド等のポリアミドなどがあげられる。なかでも、ポリ塩化ビニルがコスト、性能の面でより好ましい。
ポリ塩化ビニル系樹脂の中では塩化ビニル重合体、並びに塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・アクリル酸エステル共重合体、及び塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体などが経済性や加工性の点で好ましく、これらは単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。
熱可塑性樹脂層9は、熱可塑性樹脂以外の成分が含まれていてもよく、得られるシートの柔軟性を確保する上では可塑剤が含まれていることが好ましい。
熱可塑性樹脂層9がポリ塩化ビニル系樹脂からなる場合、ポリ塩化ビニル系樹脂に対する可塑剤の添加量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して30〜150質量部であることが好ましく、35〜120質量部であることがより好ましい。30質量部未満であると過度に硬くなり、屈曲等の動きに追従できなくなり、亀裂が発生しやすくなる。また150質量部を超えると、樹脂強度が低下し、熱融着部の強度が不十分となり、また可塑剤が膜材の表面に汚れが付着しやすくなるなどの問題を発生することがある。
ポリ塩化ビニル系樹脂に使用可能な可塑剤に特に制限は無いが、フタル酸エステル系可塑剤としてジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ジヘブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジノニルフタレート、ジ−n−デシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、及びブチルベンジルフタレートなどが使用され、また、ポリエステル可塑剤として、アジピン酸を2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2−エチルヘキサノール、及びn−オクタノールなどのグリコール類の1種以上によりエステル化した生成物などを用いることができ、更にトリメリット酸系可塑剤としては、トリ2−エチルヘキシルトリメリレート、及びトリイソデシルトリメリレートなどを用いることができ、その他の可塑剤として、2−エチルヘキシルピロメリレートなどのピロメリット酸系可塑剤なども使用できる。又、可塑化作用を有する重合体としてはエチレン−酢酸ビニル共重合体、及び/又はエチレン−アクリル酸エステル共重合体に一酸化炭素を導入した重合体が使用できる。この様な重合体には、三井デュポンケミカル社製のエルバロイ742(商標)が包含される。
ポリ塩化ビニル系樹脂に対する難燃剤はポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対し3〜150質量部であることが好ましく、5〜120質量部であることが更に好ましい。難燃剤の配合量が3質量部未満の場合は、ポリ塩化ビニル系樹脂層の難燃性が不十分になり、またISO5660、Part1に準拠するコーンカロリーメーター試験を実施した際、この膜材にピンホールが発生しやすくなることがあり好ましくない。また、150質量部を越える場合にはポリ塩化ビニル系樹脂層の柔軟性及び樹脂強度が低下し、硬化樹脂層5やEVOH樹脂層14との剥離強度などが低下することがあり好ましくない。
ポリ塩化ビニル系樹脂に使用される難燃剤としては、高い難燃性が確保できる点から無機系難燃剤が好ましい。その中でもアンチモン化合物及びモリブデン化合物が、併用されている併用難燃剤が用いられる。アンチモン化合物は、ポリ塩化ビニル系樹脂に高い難燃性を付与し、燃え広がりを防止する作用が強く、またモリブデン化合物は燃焼熱を低く抑え、発煙量を抑え有害燃焼ガスを低減し、炭化を促進して、基布におけるピンホールの発生を抑制する作用があり好ましく用いられる。
アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどが挙げられる。
モリブデン酸化合物としては、モリブデン酸カルシウム亜鉛、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸炭酸カルシウム、モリブデン酸アンモニウムが挙げられる。
本発明に使用される無機系難燃剤には、あらかじめシランカップリング処理を施し樹脂との密着性を高めておいても良い。
さらに上記以外の難燃剤として、膜材の燃焼時の総発熱量や発熱速度がISO5660Part1の基準値を超えない範囲で、例えばブロム系防炎剤、リン酸エステル、含ハロゲンリン酸エステル、塩素化パラフィンなどの他に難燃剤が使用できる。
ブロム系防炎剤としてはデカブロモジフェニルエーテル、ペンタブロモメチルベンゼン、ヘキサブロモベンゼンなどが使用できる。
リン酸エステルとしてはトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート等が使用できる。
さらに、ポリ塩化ビニル系樹脂層には、安定剤としてカルシウム・亜鉛系、バリウム・亜鉛系、カドミウム・バリウム系、鉛系、有機錫ラウレート系、及び有機錫メルカプタイト系、及びエポキシ系などの安定剤を単独或いはその2種以上を混合して使用できる。安定剤の配合量はポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して0.5〜10質量部であることが好ましい。
熱可塑性樹脂層9の目付けは、60〜400g/mの範囲であることが得られるシートの透明性と強度特性とを両立するうえで好ましい。
本発明の光拡散不燃シートはEVOH樹脂層14が積層されていることが、光拡散不燃シートに防汚性を付与し、光拡散不燃シート同士の融着加工性を確保する上で重要である。EVOH樹脂層14におけるEVOH樹脂の割合が50質量%以上であることが好ましい。EVOH樹脂の割合が50質量%未満であると、得られる光拡散不燃シートの光透過性が十分でない、防汚性が確保できない、さらにタック性が大きく二次加工する際に作業性に支障がある等の問題を有し、好ましくない。
本発明の光拡散不燃シートを構成するEVOH樹脂層14に使用するEVOH樹脂としては、耐水性や強度などの点からエチレン含有量20〜55モル%、特に25〜50モル%、酢酸ビニル成分のケン化度90モル%以上、特に95モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(すなわちEVOH)で,極限粘度が0.7〜1.5dL/gの範囲にあるものが特に好ましい。エチレン含有量が20モル%未満では高湿下での耐水性が劣り、エチレン含有量が55モル%を超えると防汚性が不足し、いずれも好ましくない。また、酢酸ビニル成分のケン化度が90モル%未満では耐溶剤性に劣る問題があり好ましくない。さらに極限粘度が0.7dL/g未満では機械的強度が不足し、極限粘度が1.5dL/gを超えるものは製造上の難点があり実際的でない。なおここで、極限粘度は、水/フェノールの15/85の質量比の混合溶媒中、温度30℃で測定したものをいう。
EVOHは、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化によって得られるが、エチレン−酢酸ビニル共重合体は、公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合などにより製造することが可能であって、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化も公知の方法で行い得る。
また、本発明の趣旨を損なわない範囲で、EVOH層を構成するEVOH樹脂のうち50質量%未満であれば、α−オレフィン、不飽和カルボン酸系化合物、不飽和スルホン酸系化合物、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ビニルエーテル、ビニルシラン化合物、塩化ビニル、スチレンなどの他のコモノマーで共重合変性されたEVOH樹脂であっても差し支えなく、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化など後変性されたEVOH樹脂であっても差し支えない。
EVOH樹脂層14を構成するEVOH樹脂は、透明であるEVOH樹脂と不透明であるEVOH樹脂とからなることを特徴としている。EVOH樹脂層14における透明であるEVOH樹脂と不透明であるEVOH樹脂との質量比率は10:90〜90:10であることが好ましく、30:70〜85:15であることがより好ましい。透明であるEVOH樹脂の質量比率が10未満であると、EVOH樹脂層の全光線透過率が低下し好ましくない。一方、透明であるEVOH樹脂の質量比率が90を超えると、EVOH樹脂層の光拡散性が十分でなく好ましくない。透明であるEVOH樹脂と不透明であるEVOH樹脂との質量比率が上記範囲内であることにより、全光線透過率が優れており、かつヘーズが高く光拡散性に優れ、さらに熱加工性が容易であって、防汚性に優れるという特徴を併せ持つ光拡散不燃シートとなることが可能となる。
すなわちEVOH樹脂層14を構成するEVOH樹脂は2種類以上のEVOH樹脂からなっており、不透明であるEVOH樹脂は、ゲル化したEVOH樹脂からなることが好ましい。
例えば、(a)透明であるEVOH樹脂 については水/アルコール比で20/80〜80/20の溶媒を60℃〜75℃となるよう調整し、EVOHを加えてEVOHを完全溶解させた上でEVOH溶液(これを「溶液a」と称する。)を調整し30℃〜75℃の溶液温度にて保持する。そして(b)不透明であり、好ましくはゲル化したEVOH樹脂 については、水/アルコール比で20/80〜80/20の範囲である溶媒を60℃〜75℃に調整したのち、EVOHを完全溶解させてEVOH溶液とし、その後高速撹拌させながら溶液温度を20℃以下となるようEVOH溶液を冷却して微粒子状にゲル化したEVOH溶液(これを「溶液b」と称する。)を調整し、5℃〜50℃の溶液温度で保持することがゲルの品位を保持する上で好ましい。保持する際の「溶液b」のより好ましい溶液温度は5℃〜25℃である。
そして透明である「溶液a」と不透明である「溶液b」とを混合後の混合溶液の温度が20℃以上好ましくは25℃以上となるように混合させることにより、EVOH樹脂が透明である部位と不透明である部位を併せ持つ樹脂の形態となる。混合の際には「溶液a」と「溶液b」とが均一に混合するようにホモジナイザー等で強撹拌することが好ましい。
このとき「溶液a」と「溶液b」との混合比は質量比率で10/90〜90/10の範囲内であることが好ましい。30/70〜80/20であることが更に好ましい。「溶液a」の質量比率が10未満の場合には、得られる光拡散不燃シートの光透過性が劣ったり、EVOH樹脂層の強度特性が劣ったりする問題が有り、好ましくない。一方、「溶液a」の質量比率が90を超える場合には、得られる光拡散不燃シートのヘーズが低く、光拡散性に劣るシートとなり好ましくない。
前記のようにして混合溶液を得ることができるが、混合溶液中において透明であるEVOH樹脂と不透明であるEVOH樹脂が均一に安定して存在するために混合後の溶液温度については20℃〜50℃の間で保持しておくことが好ましい。混合後の溶液温度が20℃未満の場合には透明であるEVOH樹脂がゲル化する場合があり好ましくない。また、混合後の溶液温度が50℃を超える場合には不透明であるEVOH樹脂が再溶解して透明となる場合があり好ましくない。より好ましい混合後の溶液温度は25℃〜35℃である。
そして「溶液a」と「溶液b」との混合溶液を前記の溶液温度に保持した状態で、所定の部位に混合溶液を塗布したのち、熱処理を行うことによって透明であるEVOH樹脂と不透明であるEVOH樹脂とからなるEVOH樹脂層を得ることができる。熱処理温度は100℃〜150℃の範囲であることがEVOH樹脂層の生産性確保や得られる光拡散不燃シートの光拡散性と透光性とを両立するうえで好ましい。100℃未満ではEVOH樹脂層に溶媒が残留し品位低下となることがあり、好ましくない。一方、150℃を超える場合には、EVOH樹脂層の強度特性が低下することがあり、好ましくない。熱処理温度は110℃〜140℃の範囲であることがより好ましい。
なお、(a)透明であるEVOH樹脂 を構成するEVOH(A)と、(b)不透明であるEVOH樹脂 を構成するEVOH(B)とはエチレン含有量が同一であるEVOHであってもよいが、製造時の条件設定や条件精度が容易であることを加味すると、EVOH(A)のエチレン含有量とEVOH(B)のエチレン含有量とは異なっていることが好ましい。具体的にはEVOH(B)のエチレン含有量がEVOH(A)のエチレン含有量に対して0.5モル%〜10モル%の範囲で大きいことが好ましく、より好ましくは1モル%〜5モル%の範囲で大きいことである。
また、溶解およびゲル化に用いられる溶媒は、前記したように水/アルコール系が好ましく、具体的には、水/イソプロパノール、水/n−プロバノール,水/n−ブタノール、水/sea−ブタノール、水/イソブタノールが好ましい。なお溶媒にギ酸、フェノール、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどを1〜30%混合すると、溶液安定性、透明性が改善するため好ましい。
EVOH樹脂溶液中のEVOH樹脂の濃度が1質量%未満では乾燥後のコート層が薄くなりすぎ、表面が白濁し透明性が損なわれる。一方、20質量%を超えると溶液濃度が高いためコート時の作業性が劣り、またコート層の乾燥ムラによる光沢ムラが発生しやすくなり、溶液濃度は1〜20質量%の範囲から選択することが望ましい。
本発明の光拡散不燃シートの滑り特性を改善するために、EVOH樹脂層が微粒子を含有することが好ましい。例えばEVOH樹脂溶液に微粒子を加えることによって、EVOH樹脂層に微粒子を含有させることができる。
EVOH樹脂層における微粒子の割合は、EVOH樹脂100質量部に対して該微粒子が0.1〜12質量部含有されていることが好ましい。微粒子の割合が0.1質量部未満の場合、EVOH樹脂層表面のタック性が高くなり、光拡散不燃シートを加工や施工する際の取り扱い性が低下し好ましくない。微粒子の割合が12質量部を超えた場合、透明性が低下することがあり好ましくない。
微粒子の平均粒子径は2μm以下であることが好ましく、0.05〜2μmであることがより好ましく、0.1〜1μmであることが更に好ましい。2μmを超えると、光拡散不燃シートの透明性、採光性が悪化する問題があり好ましくない。なお、微粒子の二次凝集を低減し、粒子径分布をシャープにする為、溶剤に該微粒子を分散させる場合、シラン系カップリング剤などで微粒子の表面状態を親水性または疎水性にすることが望ましい。また、分散の為の攪拌も重要な因子であり、可能な限り、ホモジナイザーなどの使用による強攪拌が望ましい。
微粒子としては、アルミニウム、チタン、鉄、セリウム、イットリウム、マンガン、珪素、錫、亜鉛、銅、ビスマス、コバルト、及びこれらの複合物の金属酸化物、及び該金属酸化物の表面を有機物でコートし、親水性、或いは疎水性を付与した、無色透明な微粒子であれば、特に限定されるものではない。
EVOH樹脂層14の厚みは、0.1〜20μmの範囲が好ましく、0.2〜15μmであることが更に好ましい。厚みが0.1μm未満の場合、熱可塑性樹脂層9から可塑剤や未反応モノマーがEVOH樹脂層の表層に拡散透過して防汚性が低下したり、EVOH樹脂層14の汚れを拭取る際や光拡散不燃シートを屈曲した際にEVOH樹脂層が部分的に脱離する問題があり、好ましくない。一方、厚みが20μmを超えると、剛直性が増大しすぎ、加工性、取扱い性に問題があり好ましくない。
EVOH樹脂層14を積層させる方法としては、ポリエチレンテレフタレートなどのカバーフィルム11にEVOH樹脂溶液をコートさせ乾燥した後に積層体に転写する転写法、直接EVOH樹脂溶液を積層シートにコートするコート法などがあるが特に限定するものではない。
EVOH樹脂積層体の柔軟性が求められる場合は、最外層のEVOH樹脂層を薄くした方が良く、転写法、溶液コート法が用いられる。
本発明の光拡散不燃シートを製造する際に、EVOH樹脂層14の積層方法として転写法を用いる場合には、カバーフィルム11上に前記EVOH樹脂溶液をコートさせ、EVOH樹脂溶液を固化させて表面に微凹凸を有するEVOH樹脂層を形成させ、必要に応じてEVOH樹脂層がカバーフィルム11と接している面と反対側の面に接着剤−2を塗布したのち、カバーフィルム11/EVOH樹脂層14またはカバーフィルム11/EVOH樹脂層14/接着剤−2層13等の積層構造を有するフィルムを硬化樹脂層5または硬化樹脂層5/熱可塑性樹脂層9、硬化樹脂層5/接着剤−1層8/熱可塑性樹脂層9等の積層構造を有する積層シートと重ねたのち、最外層のカバーフィルム11を剥離させる方法で光拡散不燃シートを製造してもよい。ここで、カバーフィルム11は、特に限定するものでは無いが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリノルボルネンなどのポリオレフィン;ポリスチレン;ポリ塩化ビニル;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、パーフルオロエチレン−プロペンコポリマー等のフッ素樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のポリエステル;脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド等のポリアミドなどが挙げられる。なかでも、性能及びコストの面でポリエステル系フィルム(以下PETフィルムと記載することがある)が好ましい。
カバーフィルム11の厚みとしては、特に限定されるものではないが、12〜200μm、より好適には、20〜150μmである。厚みが12μm未満の場合、EVOH樹脂層、ひいては光拡散不燃シートの平面性確保が困難であるだけでなく、カバーフィルム11を剥離する際にカバーフィルム11の破れが発生する問題がある。一方、200μmを超えると、工程通過性が阻害されるだけでなく、コスト面でも問題を含む。
カバーフィルム11は、本発明の光拡散不燃シートに意匠性、或いはタック低減による後加工性、取扱い性を付与することが容易となる点から、カバーフィルム11の表面が粗面化処理されていて、粗面化面であることが好ましい。カバーフィルム11の粗面化面の粗面化の程度はJIS Z 8741で規定する光沢度が3〜60%、より好適には5〜40%である。カバーフィルム11の光沢度が3%未満では、得られる光拡散不燃シートの全光線透過率が低下し好ましくない。一方、光沢度が60%を超えると、得られる光拡散不燃シートのヘーズが低下することから好ましくない。
カバーフィルム11は、コート液のハジキを防止するため、或いは光拡散不燃シートからカバーフィルムの剥離を容易にする為、本発明を阻害しない範囲内で、コロナ処理や、シリコン系またはフッ素系離型剤による処理などを行ってもよい。
直接EVOH樹脂溶液を積層シートにコートするコート法についても、既存の方法を用いてコートすることが可能である。EVOH樹脂溶液をコートされる積層シートの表面についても、熱硬化樹脂層5であってもよく、熱可塑性樹脂層9であってもよく、後述する接着剤層であってもよい。
本発明の効果が阻害されない限りは、光拡散不燃シートの積層部分に接着剤を使用することは制約されず、例えば硬化樹脂層5と熱可塑性樹脂層9との間に接着剤を用いて接着剤−1層8を設けたり、EVOH樹脂層14と熱可塑性樹脂層5との間またはEVOH樹脂層14と硬化樹脂層5との間に接着剤を用いて接着剤−2層13を設けて光拡散不燃シートの剥離特性を向上させてもよい。
使用する接着剤としては、特に限定するものでは無く、塩化ビニル系、ウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系、アクリル系などの接着剤を使用でき、好適には、塩化ビニル系、ウレタン系が望ましい。
光拡散不燃シートの耐剥離特性を特に重要視する場合には、エポキシ系、イソシアネート系などの硬化剤を接着剤として使用し、硬化させてもよい。接着剤の塗布量は乾燥段階では0.1〜20g/m、より好適には0.2〜10g/mである。製造時の工程通過性を加味した場合、常温でのタック性がほとんど無いのがより好ましい。また、例えば接着剤を2ヵ所以上で使用して接着剤−1層8、接着剤−2層13を設ける場合、接着剤の銘柄は、同一でもよく、異なっていてもよい。
本発明の光拡散不燃シートは、全光線透過率が80%以上であり、かつヘーズが60%以上であることが得られる光拡散不燃シートが光を十分に透過したうえで均一に光を拡散させる上で重要であって、全光線透過率が85%以上であり、かつ、ヘーズが70%以上であることが好ましい。なお、ここでの全光線透過率の値は、JIS K 7105の「プラスチックの光学的特性試験方法」(Testing Methods for Optical Properties of plastics)、「5.5 光線透過率及び全光線反射率」に従ったもので、具体的には積分球式測定装置を用いて全光線透過量を測定し、全光線透過率を求めた値であり、ヘーズの値は、JIS K 7105の「プラスチックの光学的特性試験方法」(Testing Methods for Optical Properties of Plastics)、「6.4ヘーズ」に従ったもので、具体的には積分球式測定装置を用いて拡散透過率及び全光線透過率を測定し、その比によって求めた値である。
本発明の光拡散不燃シートが、全光線透過率が80%以上であってかつヘーズが60%以上を満足するためには、EVOH樹脂層を構成するEVOH樹脂のうち、ゲル化したEVOH樹脂が20〜80質量%であることが好ましい。
また、本発明の光拡散不燃シートは、JIS K 7125によるEVOH樹脂層の最表層の動的摩擦係数が2以下であることが、光拡散不燃シートのスリップ性(滑り性)を確保し、光拡散不燃シートを製品加工等の二次加工を行う際の作業特性を向上させる等の点から好ましく、動的摩擦係数が1.5以下であることがより好ましい。動的摩擦係数はシート表面の凹凸度の指標であり、例えばEVOH樹脂層に微粒子を含有させたり、カバーフィルムにより、EVOH樹脂層に微凹凸を形成させることにより、EVOH樹脂層の動的摩擦係数が2以下であることが可能となる。
さらに、本発明の光拡散不燃シートは、高周波ウェルダー溶着強度が3kg/30mm巾以上であることが光拡散不燃シート同士、あるいは光拡散不燃シートと他のシートとを熱溶着させる際の熱溶着性に優れる点から好ましく、4kg/30mm巾以上であることが好ましい。本発明の光拡散シートがEVOH樹脂層を設けることにより高周波ウェルダー溶着強度が3kg/30mm巾以上であることが可能となる。
加えて、本発明の光拡散不燃シートは、輻射電気ヒ−タ−から該シートの表面に50kW/mの輻射熱を照射する発熱性試験において、加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m以下であり、且つ加熱開始後20分間、最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えないことがシートの不燃性の観点から好ましい。本パラメータは、本発明のシートが、具体的にどの程度不燃性であるかを建築基準法における評価法に基づいて数値で示したものである。
本発明の光拡散不燃シートの実施形態としては、特に限定されるものではないが、EVOH樹脂層14/接着剤−2層13/硬化樹脂層5、EVOH樹脂層14/接着剤−2層13/硬化樹脂層5/接着剤層−2層13/EVOH樹脂層14、EVOH樹脂層14/接着剤−2層13/熱可塑性樹脂層9/硬化樹脂層5、熱可塑性樹脂層9/硬化樹脂層5/接着剤層−2層13/EVOH樹脂層14、EVOH樹脂層14/接着剤−2層13/熱可塑性樹脂層9/硬化樹脂層5/接着剤層−2層13/EVOH樹脂層14、EVOH樹脂層14/接着剤−2層13/熱可塑性樹脂層9/接着剤−1層8/硬化樹脂層5、熱可塑性樹脂層9/接着剤−1層8/硬化樹脂層5/接着剤−2層13/EVOH樹脂層14、EVOH樹脂層14/接着剤−2層13/熱可塑性樹脂層9/接着剤−1層8/硬化樹脂層5/接着剤−2層13/EVOH樹脂層14、EVOH樹脂層14/接着剤−2層13/熱可塑性樹脂層9/接着剤−1層8/硬化樹脂層7/接着剤−1層8/熱可塑性樹脂層9、EVOH樹脂層14/接着剤−2層13/熱可塑性樹脂層9/接着剤−1層8/硬化樹脂層5/接着剤−1層8/熱可塑性樹脂層9/接着剤−2層13/EVOH樹脂層14、などが挙げられる。光拡散シートの輸送時等に、該光拡散不燃シートの最外層の少なくとも一方にカバーフィルム11を積層したままとし、該光拡散不燃シートの使用時にカバーフィルム11を剥離する方式を採用してもよい。
本発明の光拡散不燃シートの製造方法としては、本発明の効用が得られるのであれば特に限定されないものの、例えば下記製造方法などが好ましく選択される。
まず、ガラス繊維布帛3に硬化性樹脂4を含浸させ後、光或いは熱で硬化させる場合、硬化樹脂層5の平面性、および取扱い性を容易にするため、カバーフィルム11上に未硬化状態の硬化性樹脂4を塗布した後、ガラス繊維布帛3を埋設させ、その後硬化させて積層体を形成してもよい。あるいは、光拡散不燃シートの厚み均一性や採光性の確保、さらには生産性確保を目的として、カバーフィルム11に熱可塑性樹脂層9を積層させ、さらに熱可塑性樹脂層9側に未硬化状態の硬化性樹脂4を塗布してガラス繊維布帛3を埋設させたうえでカバーフィルム11/熱可塑性樹脂層9/ガラス繊維布帛が埋設された硬化性樹脂 の積層構造の上下から圧力をかけて硬化性樹脂を硬化させて積層体を形成してもよい。その後、積層体からカバーフィルム11を剥離させ、得られた積層シートに前記記載の転写法、コート法などにより、EVOH樹脂層を形成させ、本発明の光拡散不燃シートを得ることができる。
なお、積層体については、例えばカバーフィルム11/硬化樹脂層5、カバーフィルム11/熱可塑性樹脂層9/硬化樹脂層5、カバーフィルム11/熱可塑性樹脂層9/接着剤−1層8/硬化樹脂層5、カバーフィルム11/熱可塑性樹脂層9/接着剤−1層8/硬化樹脂層7/接着剤−1層8/熱可塑性樹脂層9/カバーフィルム11、カバーフィルム11/熱可塑性樹脂層9/接着剤−1層8/硬化樹脂層5/カバーフィルム11等から選択することができる。
以下、実施例にて、本発明をより具体的かつ詳細に説明するが、本発明の範囲は、以下の実施例に限定されるものではない。
動的摩擦係数(スリップ性):JIS K 7125「プラスチックフィルム及びシート 摩擦係数試験法」にて、63mm四角の試験片に200gの荷重を掛け、100mm/分の速度で引張った時の張力を荷重で除した値を動的摩擦係数とした。
全光線透過率:JIS K 7105の「プラスチックの光学的特性試験方法」(Testing Methods forOptical Properties of plastics)、「5.5 光線透過率及び全光線反射率」に従った。具体的には、積分球式測定装置である東洋精機製 直読式ヘイズメーターを用いて全光線透過量を測定し、全光線透過率を求めた。
ヘーズ:透明不燃性シートのヘーズの測定方法は、JIS K7105の「プラスチックの光学的特性試験方法」(Testing Methods for Optical Properties of Plastics)、「6.4ヘーズ」に従った。具体的には、積分球式測定装置を用いて拡散透過率及び全光線透過率を測定し、その比によって表した。
燃焼性試験:ISO5660Part1に準拠するコーンカロリーメーター試験を加熱強度50kW/m、試験時間20分の条件にて行い総発熱量と発熱速度を測定した。
総発熱量8MJ/m以下、発熱速度が10秒を超えて200kW/mを超えないこと、及び試験後供試料にピンホールが確認されないことを不燃膜材としての合格基準とした。試験結果を下記のように評価した。
総発熱量 8MJ/m以下:合格、8MJ/mを超える:不合格
発熱速度 10秒を超えて200kW/mを超えない:合格
10秒を超えて200kW/mを超える:不合格
ピンホール 認められない:合格、認められる:不合格
難燃性試験:JIS L 1091「繊維製品の燃焼性試験」にて難燃性を評価した。試験結果を下記のように表示した。
○:区分3合格、×:区分3不合格
防汚性:2cm×2cmの大きさに切り取った多層フィルムを、油性の赤色インキ(三菱鉛筆(株)製三菱マーカー)、24時間後にベンジンを付けたガーゼで拭き取った。また醤油(キッコーマン(株)製キッコーマン濃口)を塗布し、24時間後にライオン株式会社のママレモン(台所用合成洗剤)で湿らせたガーゼで拭き取った。
判定 基準
A(合格) :全く汚れが残らない
B(合格) :気にならない程度の汚れが残る。
C(不合格):明らかな汚れが残る
D(不合格):拭き後が残る、或いは 表面層が脱離する。
高周波ウエルダー性:A4サイズの試験片を2枚重ね合わせ、山本ビニター(株)製YE7000Aの装置を使用し、250mm×50mm巾の電極に、電流1Aで5秒間加熱し試験片どうしを熱融着させた。熱融着させた試験片を30mm巾に切断し、200mm/分の剥離速度で90度T型剥離を行い、ウエルダー融着剥離強度を測定した。
実施例1
ガラス繊維布帛3としては、ユニチカグラスファイバー株式会社製ガラスクロスH350F3(経糸と緯糸の打ち込み本数は、それぞれ32、31本/25mm、厚さは0.3mm、質量は250g/m)を370℃の加熱炉中で2分間加熱して、ガラスクロスについているサイジング剤を除去した。その後、信越シリコン(株)製 スチレン系シランカップリング剤(KBM1403)を、30%メタノール水溶液で、5%に希釈した後、ガラス繊維布帛3を浸漬、脱水した後、100℃の熱風乾燥機で30分間乾燥した。
未硬化状態の硬化性樹脂4としては、昭和高分子(株)から販売されているオルソフタール酸系不飽和ポリエステル系樹脂(商品名:リゴラック1635)100質量部と、日本油脂(株)から販売されている重合開始剤であるメチルエチルケトン系パーオキサイド(商品名:パーメックN)0.5質量部とをスターラーを用いて約3分、攪拌した。そして、得られた混合物を約5分真空下に放置して、脱気し、未硬化状態の硬化性樹脂4を得た。
カバーフィルム11としては、厚さ100μmのPETフィルムを2枚使用した。
2枚のカバーフィルム11のうち1枚については、熱可塑性樹脂9として選定した下記組成のポリ塩化ビニルフィルムと120℃に設定した熱ラミネートロールにて加熱圧着させ、カバーフィルム11/熱可塑性樹脂層9の積層物を得た。その後、村山化学(株)製、ウレタン系接着剤(商品名:サンプレックス435A)を20%イソプロピルアルコール水溶液で20%濃度に希釈し、更にDIC社製ブロックイソシアネート系硬化剤5%を添加したものを接着剤−1として、塩化ビニルフィルム側に10g/m塗布後、80℃で5分間乾燥し、カバーフィルム11/熱可塑性樹脂層9/接着剤−1層8からなる積層フィルム12を得た。
塩化ビニル樹脂 65質量部
ジ−2−エチルヘキシルフタレート 15質量部
リン酸エステル系難燃可塑剤 15質量部
Ba−Zn系安定剤 3質量部
紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤 2質量部
無機系着色剤 微量(0.005質量部)
200mmx300mmに裁断した上記積層フィルム12の接着剤−1層8側に、中央部150mm×250mmの範囲で、上記の未硬化状態の硬化性樹脂4を150g/m塗布した後、塗布した未硬化状態の硬化性樹脂4上に、150mmx250mmの上記ガラス繊維布帛3を載せた。5分ほど放置し、未硬化状態の硬化性樹脂4がガラス繊維布帛3に十分含浸し、脱気した事を確認後、ガラス繊維布帛3を含む未硬化状態の硬化性樹脂4のもう一方の面に、もう1枚のカバーフィルム11について、未硬化状態の硬化性樹脂4に接しかつ未硬化状態の硬化性樹脂4に気泡が混入しない様、重ね合わせて図2に示す形態を有する積層体を得た。
この様にして得られた、未硬化状態の硬化性樹脂4を含む、カバーフィルム11/熱可塑性樹脂層9/接着剤−1層8/(ガラス繊維布帛3が埋設された未硬化状態の)硬化樹脂層5/カバーフィルム11の積層構造、すなわち図2の積層構造を有する積層体の両最外層カバーフィルム11の上から、手でローラーをかけて、圧力を付与することで、未硬化状態の硬化性樹脂4とガラス繊維布帛3との間に残留する気泡の除去と、未硬化状態の硬化性樹脂4の厚みの均一化を行った。ローラーの直径は20mmであり、長さは200mmであった。
次いで、未硬化状態の硬化性樹脂4を含む積層体を加圧下、80℃のホットプレス機に入れて、30分間放置し、未硬化状態の硬化性樹脂4を硬化させた。次いで、熱風乾燥機の温度を100℃に上げて10分間放置して更に硬化させた。
熱風乾燥機から取り出した硬化状態の硬化性樹脂4を含む積層体を冷却した後、積層体両最外層のカバーフィルム11を剥離除去し、熱可塑性樹脂層9/接着剤−1層8/硬化樹脂層5の積層構造、すなわち図3の積層構造を有する積層シート10を得た。
得られた、積層シート10は、表1に示す様に、難燃性、不燃性、及び採光性が良好ではあるが、光拡散性、防汚性、表面タック性、高周波ウエルダー溶着性などが悪い問題があった。
溶液コート用のEVOH混合溶液を作成する為、(株)クラレ製のEVOH樹脂(A)(商品名:エバールE105:エチレン含有量が44モル%、鹸化度が99%)10部、n−プロパノール52部、水28部、及び Nメチルピロリドン10部を加熱して樹脂を溶解し溶液温度が75℃である無色透明なEVOH溶液(A)を得た。次に、EVOH樹脂(B)(商品名:エバールG156:エチレン含有量が48モル%、鹸化度が99%)10部、n−プロパノール81部、水9部を加熱して樹脂を溶解し溶液温度が70℃である無色透明な溶液を得た後、溶液温度を15℃まで冷却して24時間、ホモジナイザーで強攪拌し、不透明であってゲル化した微粒子状のEVOH溶液(B)を得た。そして、得られたEVOH溶液(A)と得られたEVOH溶液(B)とを質量比で(A)/(B)=60/40の割合で、かつ混合溶液の溶液温度が30℃となるよう調整した状態で強攪拌し、EVOH混合溶液(C)を得た。
次に、積層シート10の一方の最外層である熱可塑性樹脂層9の表面に上記使用した接着剤を10g/m塗布し80℃で5分間乾燥して接着剤−2層13を形成した後、上記のEVOH混合溶液(C)を10g/m塗布し、120℃で5分間熱処理し、EVOH樹脂層14/接着剤−2層13/熱可塑性樹脂層9/接着剤−1層8/硬化樹脂層5の積層構造、すなわち図4の積層構造を有し、EVOH樹脂層が透明であるEVOH樹脂と不透明であるEVOH樹脂とからなる実施例1の光拡散不燃シートを得た。
表1に示す様に、得られた光拡散不燃シートは、防汚性、表面タック性、およびウエルダー溶着性が良好であることが確認された。
Figure 2014231180
実施例2
実施例1において、積層フィルム12/(ガラス繊維布帛3が埋設された未硬化状態の)硬化性樹脂4の積層物に対して、カバーフィルム11を重ね合わせて積層体を作成する代わりに、実施例1で用いた積層フィルム12をもう1枚用意して、積層物の硬化性樹脂4側と積層フィルム12の接着剤−1層8とを重ね合わせて、カバーフィルム11/熱可塑性樹脂層9/接着剤−1層8/(ガラス繊維布帛3が埋設された未硬化状態の)硬化樹脂層5/接着剤−1層8/熱可塑性樹脂層9/カバーフィルム11の積層構造を有する積層体を作成した。そして前記以外は実施例1と同様にして、EVOH樹脂層14/接着剤−2層13/熱可塑性樹脂層9/接着剤−1層8/硬化樹脂層5/接着剤−1層8/熱可塑性樹脂層9/接着剤−2層13/EVOH樹脂層14の積層構造を有し、EVOH樹脂層が透明であるEVOH樹脂と不透明であるEVOH樹脂とからなる実施例2の光拡散不燃シートを得た。評価結果を表1に示すが、実施例1の光拡散不燃シート同様、良好な性能を示した。
実施例3
実施例2において、積層体を作成するにあたり、未硬化状態の硬化性樹脂4を日本ユピカ(株)製 エポキシアクリレート系樹脂(商品名:NEOPOL8126)100質量部、スチレンモノマー20質量部、及び光増感触媒1質量部からなる光硬化性樹脂に変更し、かつ未硬化状態の硬化性樹脂4の硬化の為に紫外線照射機で照射し、硬化樹脂層5を形成した以外、実施例2と同様に行い、EVOH樹脂層14/接着剤−2層13/熱可塑性樹脂層9/接着剤−1層8/硬化樹脂層5/接着剤−1層8/熱可塑性樹脂層9/接着剤−2層13/EVOH樹脂層14の積層構造を有し、EVOH樹脂層が透明であるEVOH樹脂と不透明であるEVOH樹脂とからなる実施例3の光拡散不燃シートを得た。評価結果を表1に示すが、実施例1〜2の光拡散不燃シート同様、良好な性能を示した。
比較例1
実施例1に記載の積層シート10を光拡散不燃シートとして用いたところ、表1に示す様に、防汚性が不良であって、動的摩擦係数が大きく、さらに高周波ウエルダー強度が小さく、2次加工性、取扱性の面で実施例の光拡散不燃シートよりも劣る結果となった。
比較例2
実施例2の光拡散不燃シートにおいて、積層シート10に塗布するEVOH混合溶液(C)をEVOH溶液(A)に変更した以外、実施例2と同様に調整し、EVOH樹脂層が透明である比較例2の光拡散不燃シートを得た。評価結果を表1に示すが、ヘーズが小さく、光拡散性に劣る結果となった。
比較例3
実施例2の光拡散不燃シートにおいて、積層シート10に塗布するEVOH混合溶液(C)をEVOH溶液(B)に変更した以外、実施例2と同様に調整し、EVOH樹脂層が不透明である比較例3の光拡散不燃シートを得た。評価結果を表1に示すが、全光線透過率が小さく、光透過性、及び防汚性が劣る結果となった。
1.ガラス繊維(経糸)
2.ガラス繊維(緯糸)
3.ガラス繊維布帛
4.硬化性樹脂
5.硬化樹脂層
8.接着剤−1層
9.熱可塑性樹脂層
10.積層シート
11.カバーフィルム
12.積層フィルム
13.接着剤−2層
14.EVOH樹脂層
本発明の光拡散不燃シートは、面照明装置、内照式看板などの照明装置、プロジェクター用又はテレビ用の光透過型スクリーン、内照式光膜天井などに用いられ、火災発生による焼失、或いは設備誤動作、地震など破損、及び飛散による怪我の発生防止に有効である。

Claims (6)

  1. 硬化樹脂層の内部にガラス繊維布帛が埋設され、該硬化樹脂層の少なくとも一方の面に接着剤層を介してまたは介さずに熱可塑性樹脂層が積層されてなり、さらに熱可塑性樹脂層の外表面にエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層が接着剤層を介してまたは介さずに積層されてなり、下記(a)〜(c)を満足することを特徴とする光拡散不燃シート。
    (a):エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層が透明であるエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂と不透明であるエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂とにより形成されてなる
    (b):全光線透過率が80%以上
    (c):ヘーズが60%以上
  2. 不透明であるエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂のエチレン含有量が、透明であるエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂のエチレン含有量に対して、0.5モル%〜10モル%の範囲で大きいことを特徴とする請求項1に記載の光拡散不燃シート。
  3. 下記(d)および(e)をさらに満足する請求項1または2に記載の光拡散不燃シート。
    (d):エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層の最表面の動的摩擦係数が2以下
    (e):高周波ウエルダー溶着強度が3kg/30mm巾以上
  4. エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層または熱可塑性樹脂層の少なくとも一方の外表面が粗面化面である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光拡散不燃シート。
  5. 粗面化面は、JIS Z 8741で規定する光沢度が3〜60%になるように粗面化処理されたカバーフィルムの粗面化面を転写して得られた面である請求項4に記載の光拡散不燃シート。
  6. エチレン−ビニルアルコール共重合体が含有されてなる透明な溶液であって溶液温度が30℃〜75℃である透明な溶液と、前記透明な溶液または別のエチレン−ビニルアルコール共重合体が含有されてなる透明な溶液を20℃以下に冷却して得られた不透明な溶液とを混合させて溶液温度が20℃〜50℃である混合溶液を得たのち、100℃〜150℃で熱処理を行って、透明のエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂と不透明のエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂とからなるエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層を形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光拡散不燃シートの製造方法。
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