JP2008220507A - 防煙垂れ壁及びその施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス板に代えて、軽量で、しかも落下しても、大きく飛び散って重大事故を引き起こす恐れの無いパネルを用い、そのパネルを天井に容易に取り付けることができる構造の防煙垂れ壁を提供する。
【解決手段】天井2に、レール本体14とそれに着脱可能なカバー部材15を備えたレール4を取り付け、そのレール4には、両側の内面に支持面14ba、15baを形成しておき、一方、枠体6に繊維強化シート7を張ってパネル5を構成すると共にそのパネル5には、両端にレール4の支持面に載せるための係止部を備えた取付部材11を取り付けておき、レール4のカバー部材15を取り外した状態でレール本体14にパネルを取り付け、その後、カバー部材15を取り付けることで、レール4にパネル5を脱落しないように取り付け、防煙垂れ壁1を形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、建築物の天井に設けられる防煙垂れ壁及びその施工方法に関する。
従来より、オフィスビル、ショッピングモール等の建築物の天井に防煙垂れ壁が設けられており、通常、その防煙垂れ壁には、視野を妨げないようにガラス板が使用されている。そのガラス板を天井に取り付けるには、ガラス板に穴をあけて、吊り金具で天井から吊り下げる方式や、天井に固定した吊り下げボルトにガラス受けを取り付け、そのガラス受けでガラス板の下端を支持する方式等が一般的である。ところが、これらの方式では構成部品が多く、施工も煩雑であるという問題があった。
そこで、天井に、下方が開いた断面略コ字状の且つ天面部の中央に吊元フックを備えたレールを取り付け、ガラス板には上面中央に係止フックを備えた固定部材を取り付け、吊元フックに係止フックを係止させることによってレールにガラス板を吊り下げる構造が提案されている(例えば、特許第3803829号公報参照)。ところが、この構造では、吊元フックと係止フックが、レールの中央及びガラス板の厚さ方向の中央に配置されているため、吊元フックと係止フックを係止させるには、レール内にガラス板上端の固定部材を、吊元フックと係止フックとがレール長手方向に異なる位置となる位置で挿入し、次いでその状態でガラス板をレールの長手方向に移動させ、吊元フックと係止フックとを互いに長手方向の向かい合った端部から差し込んで行かなければならないが、狭い場所で且つ見えないところで吊元フックと係止フックとを差し込まねばならず、この作業が困難であるという問題があった。また、ガラス板を用いた防煙垂れ壁は、地震によってガラスが破損して落下するとか、ガラスが落下して大きく破損し、飛び散るといったことがあり、重大な事故につながる恐れがあるという問題もあった。
特許第3803829号公報
本発明はかかる状況に鑑みてなされたもので、ガラス板に代えて、軽量で、しかも例え落下しても、ガラス板のように大きく飛び散って重大事故を引き起こす恐れの無いパネルを用い、且つそのパネルを天井に容易に取り付けることができる構造の防煙垂れ壁、及びその施工方法を提供することを課題とする。
本願請求項1に係る発明の防煙垂れ壁は、ガラス板による上記問題点を回避するため、ガラス板に代えて、矩形状の枠体と、その枠体に取り付けられた繊維強化シートを備えたパネルを用いる構成とし、更に、そのパネルの天井への取り付け作業を容易とするため、天井にレールを取り付け、そのレールにパネルを取り付ける構成とし、そのレールを、下方が開いた略コ字状の断面を形成するよう配置された頂壁及び向かい合った側壁を備えると共に向かい合った両側壁の内面の中間領域に上向きの支持面を備えた構造で、且つ、前記頂壁及び一方の側壁を備えたレール本体と、該レール本体に対して着脱可能に取り付けられ、他方の側壁を形成するカバー部材とを備えた構造とし、前記パネルの1辺に、前記レールの支持面に係止可能な係止部を備えた取付部材を設けておくという構成としたものである。
請求項2に係る発明は、上記した請求項1記載の防煙垂れ壁において、前記パネルに用いている繊維強化シートを、ガラス繊維織物20〜70重量%と、該ガラス繊維織物に樹脂を含浸、硬化させて形成した樹脂被覆層80〜30重量%を備えたガラス繊維シートで構成し、前記ガラス繊維織物中のガラス繊維を構成するガラス組成物と前記樹脂被覆層との屈折率の差を±0.02以下としたものである。
請求項3に係る発明は、上記した請求項1に記載の防煙垂れ壁の施工方法であって、天井にレール本体を取り付ける工程と、該レール本体からカバー部材を取り外した状態で、前記レール本体の支持面にパネルの取付部材の係止部を載せるようパネルを配する工程と、前記カバー部材の支持面に前記パネルの取付部材の係止部が載った状態となるように前記カバー部材をレール本体に取り付ける工程を有する構成としたものである。
本発明の防煙垂れ壁は、枠体に繊維強化シートを取り付けた構造のパネルを用いているので、従来用いていたガラス板に比べて軽量で、施工性がよく、また、地震等で大きく揺れても破損することはなく、しかも落下したとしても割れて飛び散るということがなく安全である。パネルの天井への取り付けに当たっては、天井に取り付けたレールのレール本体からカバー部材を取り外した状態で、レール本体の支持面にパネルの取付部材の係止部を載せるようパネルを配し、次いで、カバー部材の支持面にパネルの取付部材の係止部が載った状態となるようにカバー部材をレール本体に取り付けるという動作を行うことで、容易にパネルを取り付けることができる。
ここで、前記パネルに用いている繊維強化シートを、ガラス繊維織物20〜70重量%と、該ガラス繊維織物に樹脂を含浸、硬化させて形成した樹脂被覆層80〜30重量%を備えたガラス繊維シートで構成し、前記ガラス繊維織物中のガラス繊維を構成するガラス組成物と前記樹脂被覆層との屈折率の差を±0.02以下としておくと、ガラス繊維織物に対する樹脂の含浸が確実で且つ表層には樹脂層が形成されており、ガラス繊維織物の模様が浮き出てしまったり、樹脂の含浸不良により白化して見えるようなことがほとんどなく、しかも、ガラス繊維織物がほとんど視認されず、シートが透明となる。このため、この防煙垂れ壁は、視野を遮ることがなく、優れた美観を与えることができる。更に、ガラス繊維シートは、不燃性のガラス繊維織物を用いているので、建築物に要求される不燃性を付与することもできる。
図1は、本発明の実施の形態に係る防煙垂れ壁1の一部を示す概略斜視図であり、2は天井である。防煙垂れ壁1は、天井に取り付けられたレール4と、そのレール4に取り付けられたパネル5を備えている。パネル5は、図4(a)、(b)に示すように、全体が矩形状となるように組み立てられている枠体6と、その枠体6に取り付けられた繊維強化シート7と、枠体6に固定した部分の繊維強化シート7を保護するよう枠体6の外側にねじ10によって取り付けられた外枠8、9を備えている。繊維強化シート7としては、透明性、不燃性等を備えたガラス繊維シートが使用される。その詳細については後述する。枠体6の長辺側の1辺に配置される外枠8の端面には、このパネル5をレール4に取り付けるための取付部材11が複数個、適当な間隔をあけてねじ12によって取り付けられている。この取付部材11はアルミ板等の金属板で形成されており、両端がパネル5の両側面から突出し、レール4の支持面(詳細は後述)に係止可能な係止部11a、11bを形成している。取付部材11は、その両端の係止部11a、11bをレール4の支持面に載せることでパネル5をレール4に保持させることができる強度を備えるよう大きさや厚さが定められている。
図2は防煙垂れ壁1の天井近傍の領域を拡大して示す概略断面図、図3は図2に示す領域の部品を分解して示す概略断面図である。レール4は、レール本体14と、それに着脱可能にねじ16によって取り付けられたカバー部材15を備えている。このレール4は、レール本体14とカバー部材15を組み立てた状態で、下方が開いた略コ字状の断面を形成するよう配置された頂壁14a及び向かい合った側壁14b、15bを備えており、頂壁14aと一方の側壁14bがレール本体14に形成されており、他方の側壁15bがカバー部材15に形成されている。レール本体14には他方のカバー部材15を取り付けるための垂下部14cも形成されている。更に、向かい合った両側壁14b、15bの内面の中間領域には、上向きの水平な支持面14ba、15baが形成され、その下方には平行に向かい合った垂直面14bb、15bbが形成されている。支持面14ba、15baは、パネル5に設けている取付部材11両端の係止部11a、11bを支持することでパネル5を支持するためのものであり、係止部11a、11bを支持しうる大きさを有している。向かい合った垂直面14bb、15bbは、両者の間に位置しているパネル5の外枠8ががたつかないように拘束するためのものであり、両者の間隔は、外枠8の厚さと同一若しくはそれより若干(例えば、0.5〜2mm程度)大きく定められている。なお、垂直面14bb、15bbと外枠8の側面との間隔を大きくとり、両者の間にゴム板等の弾性材をはさみ込む構成としてもよい。レール4を構成するレール本体14とカバー部材15の長さは、互いに同一長さとする場合に限らず、異なる長さとしてもよい。例えば、カバー部材15をレール本体14の長さの半分とし、1個のレール本体14に2個のカバー部材15を取り付けることで、1本のレールを形成するようにしてもよい。
次に、上記構成の防煙垂れ壁1の施工方法を説明する。まず、図5(a)に示すように、天井2にレール4のレール本体14をねじ17によって取り付ける。この際、防煙垂れ壁1を形成すべき領域の長さがレール本体14の長さよりも長い場合には、複数のレール本体を直線状に並べて取り付ける。次いで、図5(b)に示すように、レール本体14からカバー部材15を取り外した状態で、前記レール本体14の支持面14baにパネル5の取付部材11の係止部11aを載せるように1枚のパネル5を位置させる。この際、必要なら、レール本体14の垂直面14bbにパネル5の外枠8の側面を両面テープで貼り付けておく。そして、カバー部材15の長さがパネル5の長さよりも短い場合には、その状態で、図5(c)に示すように、カバー部材15の支持面15baにパネル5の取付部材11の係止部11bが載った状態となるように、レール本体14にカバー部材15をねじ12によって取り付ける。なお、カバー部材15の長さがパネル5の長さよりも長い場合には、複数枚のパネル5を直線状に並べてカバー部材15に図5(b)に示すようにセットし、セットされたパネルの全長がカバー部材15の長さを越えた時点で、図5(c)に示すように、カバー部材15をレール本体14に取り付ける。以下、同様の動作を繰り返すことで、複数のパネルを並べた防煙垂れ壁1が形成される。なお、パネル5とパネル5のつなぎ目には、適当な接続用の部材、例えばH型の部材を配して両パネルを接合しておくことで、パネル間に隙間を生じることなく防煙垂れ壁を形成できる。
以上のように、上記した防煙垂れ壁の施工方法では、パネル5をレール4に取り付ける際には、カバー部材15を取り外した状態でパネル5をレール本体14に取り付け、その後、カバー部材15を取り付けているので、きわめて容易にパネルの取り付けを行うことができる。また、パネル5は従来のようにガラス板を使用しておらず、枠体6に繊維強化シート7を張った構成であるのでガラス板を用いた場合に比べて軽量で、取り扱いやすく、この点からもパネル5のレール4に対する取付作業を容易に実施できる。
以上のようにして形成された防煙垂れ壁1では、パネル5の取付部材11の両端の係止部11a、11bを、レール4の両側壁の内面に形成している支持面14ba、15baに載せることでパネル5がレール4に保持されているので、パネル保持が確実であり、地震等によってパネル5が揺れても、脱落しにくく、安全である。また、パネル5は枠体6に繊維強化シート7を張った構造であるので、ガラス板を用いた場合のように、大きい振動で割れて落下するということがなく、しかも、例え落下したとしても、破損して周囲に飛び散るといったことがなく、従来、ガラス板を用いた場合に生じる恐れのあった重大な事故を回避でき、きわめて安全である。更に、パネル5はガラス板に比べて軽量であるので、取扱いや施工が容易であり、また、パネルサイズ(例えば、長さ)を、従来のガラス板を用いた場合よりも大きくでき、その分、部品点数が少なくなる。かくして、防煙垂れ壁の製造コストを削減できるといった利点も有している。
なお、前記した実施の形態では、平板状の取付部材11をパネル5の1辺に取り付けているが、取付部材11の形状は平板状に限らず、パネル両側に突出した係止部11a、11bを備えたものであれば、形状は任意である。更には、パネル5に設ける外枠に係止部を形成して取付部材とすることもできる。図6はその場合のパネル5Aを示すものである。パネル5Aは、枠体6に繊維強化シート7を取り付け、その枠体6の4辺の外側に外枠8A及び外枠9を取り付けた構造であり、外枠8Aには、両側に突出するように係止部11a、11bを一体に形成している。この構成のパネル5Aを用いることでも、図2、図3に示すレール4に容易に取り付けることができる。
前記したように、本発明で使用しているパネル5は枠体6と、その枠体6に張った繊維強化シート7を備えている。ここで用いる繊維強化シート7としては、透明性、不燃性等を備えたガラス繊維シートを用いることが好ましい。以下、繊維強化シート7として用いるのに好適なガラス繊維シートを説明する。
パネル5に用いるのに好適なガラス繊維シートは、ガラス繊維織物に樹脂を含浸させてシート状に成形したものである。
ガラス繊維織物は、ガラス繊維シートの基布となる材料である。ガラス繊維織物の素材であるガラス繊維としては、汎用の無アルカリ性ガラス繊維(Eガラス)、耐酸性の含アルカリガラス繊維(Cガラス)、高強度・高弾性率ガラス繊維(Sガラス)、耐アルカリ性ガラス繊維(ARガラス)等が挙げられるが、汎用性の高い無アルカリ性ガラス繊維の使用が好ましい。ガラス繊維を構成するガラス組成物の屈折率は、含浸に用いる樹脂の屈折率との差が±0.02以下となるように選択することが好ましいが、樹脂側の屈折率を所望のように選定できれば、ガラス組成物としては、どのような屈折率のものを用いてもよい。ガラス組成物としては、例えば、屈折率が1.4〜1.7程度のものが好ましく、1.5〜1.6のものが更に好ましい。無アルカリガラスを材料とするガラス繊維を用いた場合には、屈折率は1.55〜1.57程度となる。
ガラス繊維織物の織り組織としては、平織、朱子織、綾織、斜子織、畦織等が挙げられ、中でも、平織、斜子織、畦織が好ましい。ガラス繊維織物中の隣接する経糸の間の隙間及び隣接する緯糸の間の隙間は共に、0.5mm以下が好ましく、0.2mm以下であることが更に好ましい。ガラス繊維織物中の隣接する経糸の間の隙間或いは緯糸の間の隙間が狭い場合には、炎がガラス繊維織物を通過し難くなるからである。ガラス繊維織物を構成するフィラメントの直径は、1〜20μmであることが好ましく、3〜12μmであることが更に好ましい。また、ガラス繊維の番手は、5〜70texが好ましく、10〜35texが更に好ましい。
ガラス繊維織物は、1種類のガラス繊維で織られていてもよいし、2種類以上のガラス繊維で織られていてもよい。例えば、経糸と緯糸はガラス繊維の組成が同じであり、ガラス繊維の番手が異なっていてもよい。
ガラス繊維織物には、ガラス繊維シートの耐久性を向上させる目的で、ガラス繊維処理剤として通常使用されているシランカップリング剤で表面処理しておくことが好ましい。これによって、ガラス繊維織物と硬化した樹脂とを良好に接合させることができる。なお、シランカップリング剤は、各ガラス繊維の表面に少量しか付着していないので、ガラス繊維織物の光透過特性や通気度には実質上影響するものではない。
ガラス繊維織物には、開繊処理を施しておいてもよい。開繊処理によって、ガラス繊維織物を構成しているガラス繊維同士をばらけさせたり、ガラス繊維の断面形状を扁平化させるなどして、ガラス繊維で形成された経糸、緯糸がそれぞれ占める容積、面積範囲を増大または変形させることが可能である。開繊処理によって、ガラス繊維織物の厚さを薄くすることで、全光線透過率を高めることもできる。同時に、開繊処理によって、樹脂の含浸に適した形状に変形させることもできる。
樹脂被覆層は樹脂をガラス繊維織物に含浸させ、硬化させて形成されるもので、ガラス繊維織物のガラス繊維間の隙間に入り込むと共に表裏両面の表層に樹脂層を形成している。この樹脂被覆層の形成に用いる樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などさまざまなものを用いることができるが、特に、熱で硬化する熱硬化型のもの或いは紫外線等の光の照射で硬化する光硬化型のものなどの硬化性樹脂を用いることが好ましい。このような熱或いは光硬化型の樹脂は、ほぼ常温の未硬化の状態で、粘度が低く、ガラス繊維織物に含浸させやすい利点がある。
樹脂被覆層の材質としては、ガラス繊維織物のガラス組成物と屈折率の差が±0.02以下であるものを用いることが好ましい。このように、ガラス繊維織物と樹脂被覆層の屈折率の差を、±0.02以下として十分に小さくすることにより、樹脂被覆層の中でガラス繊維織物が視認できなくなる。よって、ガラス繊維シートにおいて、ガラス繊維織物と樹脂被覆層で形成された部分を透明にして、ガラス繊維シートの全光線透過率を十分に高くすることができる。なお、樹脂被覆層の屈折率測定方法は、JIS K 7142の「プラスチックの屈折率測定方法」に従う。
樹脂被覆層の形成に用いる硬化性樹脂としては、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などを用いることが好ましく、耐熱性、耐薬品性、機械的強度、硬化特性に優れている点で、ビニルエステル樹脂が更に好ましい。ガラス繊維織物に含浸させる硬化性樹脂には、難燃剤、紫外線吸収剤、充填剤、帯電防止剤などの添加物が含まれていてもよい。難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、トリクロロエチルホスフェート、トリアリルホスフェート、ポリリン酸アンモニウム、リン酸エステルなどが挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、タルクなどが挙げられる。帯電防止剤としては、例えば、界面活性剤が挙げられる。これらの添加物は粒子形状であってもよく、粒子の場合には粒径が10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることが更に好ましい。粒径が小さいと、全光線透過率が低下したり、ヘーズが増加することがない。
ガラス繊維シートにおけるガラス繊維織物と樹脂被覆層の割合は、ガラス繊維織物が20〜70重量%、樹脂被覆層が80〜30重量%とすることが好ましい。ガラス繊維織物が20重量%未満の場合には、樹脂量が多くなり、得られるガラス繊維シートの不燃性が低下する。一方、ガラス繊維織物が70重量%を越える場合には、得られるガラス繊維シートの表層における樹脂量が少なくなって、ガラス繊維織物の模様が浮き出てしまう場合があり、また、含浸不良による白化が生じることもあり、更には透明性が低下する。
ガラス繊維シートの単位面積当たりのガラス繊維織物の質量は、ガラス繊維シートの強度、耐久性や樹脂の含浸性を考慮して定めるものであり、例えば、10〜300g/m2 程度とすればよく、特に、ガラス繊維織物の強度、耐久性やガラス繊維織物への樹脂の含浸性を向上するためには、ガラス繊維織物の質量を20〜300g/m2 とすることが好ましい。ガラス繊維織物の質量を20g/m2 以上とすることで、ガラス繊維シートの強度を十分に高めることができる。また、ガラス繊維織物の質量を300g/m2 以下とすることで、樹脂の含浸不良を防止することができる。なお、ガラス繊維シートの単位面積当たりのガラス繊維織物の質量を150g/m2 以上にする場合には、厚めのガラス繊維織物を1枚用いてもよいし、薄めのガラス繊維織物を複数枚用いてもよい。含浸性を向上する観点からは、薄めのガラス繊維織物を複数枚用いることが好ましい。
ガラス繊維シートの単位面積当たりの樹脂被覆層の質量は、10〜500g/m2 程度とすればよい。樹脂被覆層の質量を10g/m2 以上とすることで、ガラス繊維織物の模様が浮き出てしまったり、含浸不良により樹脂が白化して見えることを防止することができる。また、樹脂の質量を500g/m2 以下とすることで、ガラス繊維シートのうち比較的燃えやすい部分である樹脂の量を低く抑えて、ガラス繊維シートを難燃性に優れたものとすることができる。
ガラス繊維織物中のガラス繊維を構成するガラス組成物と樹脂被覆層とのアッベ数の差が30以下となるように、樹脂被覆層を形成する樹脂の材質を選定することが好ましい。アッベ数の差を30以下に抑えることで、ガラス繊維織物と樹脂被覆層の界面で、可視光領域の散乱を少なくして、当該界面における着色を抑えることができる。なお、アッベ数とは、透明体の色収差を評価するための数値であり、アッベ数V=(nD −1)/(nF −nC )で表される。ここで、nD は、波長が589.2nmの光に対する屈折率であり、nF は、波長が486.1nmの光に対する屈折率であり、nC は、波長が656.3nmの光に対する屈折率である。なお、ガラス組成物のアッベ数は、特に制限がないが、例えば、35〜75の範囲であることが好ましく、50〜70の範囲であることが更に好ましい。
ガラス繊維シートは、全光線透過率が80%以上であり、かつ、ヘーズが30%以下であることが好ましく、全光線透過率が85%以上であり、かつ、ヘーズが20%以下であることが更に好ましく、これらの数値範囲となるように樹脂材料を選定することが好ましい。ここで、全光線透過率及びヘーズは、シートがどの程度透明であるかを数値で示したものであり、全光線透過率が大きいほどまたヘーズが小さいほど透明性が高い。なお、ガラス繊維シートの全光線透過率の測定方法は、JIS K 7105の「プラスチックの光学的特性試験方法」、「5.5 光線透過率及び全光線反射率」に従う。また、ヘーズ測定方法は、JIS K 7105の「プラスチックの光学的特性試験方法」、「6.4 ヘーズ」に従う。
上記構成のガラス繊維シートは、従来行われている繊維補強樹脂シートの製造方法を利用して製造可能である。例えば、ガラス繊維織物を連続的に走行させ、そのガラス繊維織物の一方の面に、未硬化の樹脂を塗布した第一のキャリアフィルムを連続的に走行させながら押し当て、前記ガラス繊維織物の他方の面に第二のキャリアフィルムを連続的に走行させながら押し当て、第一及び第二のキャリアフィルムでガラス繊維織物と未硬化の樹脂を挟んで樹脂の含浸を行い、且つ樹脂を硬化させてガラス繊維シートに成形する連続成形方法を用いて製造することができる。また、型枠を用いたバッチ式でも製造できる。
以上に説明したガラス繊維シートを、枠体6に取り付ける繊維強化シート7として用いることで、ガラス繊維織物の模様が浮き出てしまったり、樹脂の含浸不良により白化して見えるようなことがほとんどなく、しかも、ガラス繊維織物がほとんど視認されず、シートの透明性がきわめて高くなる。このため、このガラス繊維シートを用いた防煙垂れ壁は、視野を遮ることがなく、優れた美観を与えることができる。
以上に本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の範囲内で種々変更可能であることは言うまでもない。
本発明の実施の形態に係る防煙垂れ壁の一部を示す概略斜視図 防煙垂れ壁の天井近傍領域を示す概略断面図 図2に示す部分の主要構成部品を分解して示す概略断面図 (a)は図1の防煙垂れ壁に用いるパネルの概略平面図、(b)は(a)のA−A矢視概略断面図 (a)、(b)、(c)は、レール4にパネル5を取り付ける手順を示す概略断面図 (a)は図1の防煙垂れ壁に用いるパネルの他の例を示す概略平面図、(b)は(a)のB−B矢視概略断面図
符号の説明
1 防煙垂れ壁
2 天井
4 レール
5 パネル
6 枠体
7 繊維強化シート
8、9 外枠
8A 外枠(取付部材)
10、12、16、17 ねじ
11 取付部材
11a、11b 係止部
14 レール本体
14a 頂壁
14b、15b 側壁
14ba、15ba 支持面
15 カバー部材

Claims (3)

  1. 天井に配したレールと、該レールに取り付けられたパネルを備えた防煙垂れ壁であって、前記レールが、下方が開いた略コ字状の断面を形成するよう配置された頂壁及び向かい合った側壁を備えると共に向かい合った両側壁の内面の中間領域に上向きの支持面を備えており、更に、前記レールが、前記頂壁及び一方の側壁を備えたレール本体と、該レール本体に対して着脱可能に取り付けられ、他方の側壁を形成するカバー部材とを備えており、前記パネルが、矩形状の枠体と、その枠体に取り付けられた繊維強化シートと、前記枠体の1辺に取り付けられ、前記レールの支持面に係止可能な係止部を備えた取付部材を備えていることを特徴とする防煙垂れ壁。
  2. 前記パネルに用いている繊維強化シートが、ガラス繊維織物20〜70重量%と、該ガラス繊維織物に樹脂を含浸、硬化させて形成した樹脂被覆層80〜30重量%を備えたガラス繊維シートであり、前記ガラス繊維織物中のガラス繊維を構成するガラス組成物と前記樹脂被覆層との屈折率の差が±0.02以下であることを特徴とする請求項1記載の防煙垂れ壁。
  3. 請求項1に記載の防煙垂れ壁の施工方法であって、天井にレール本体を取り付ける工程と、該レール本体からカバー部材を取り外した状態で、前記レール本体の支持面にパネルの取付部材の係止部を載せるようにパネルを配する工程と、前記カバー部材の支持面に前記パネルの取付部材の係止部が載った状態となるように前記カバー部材をレール本体に取り付ける工程を有する防煙垂れ壁の施工方法。
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