JP3230557B2 - ワイヤソー装置 - Google Patents

ワイヤソー装置

Info

Publication number
JP3230557B2
JP3230557B2 JP32558394A JP32558394A JP3230557B2 JP 3230557 B2 JP3230557 B2 JP 3230557B2 JP 32558394 A JP32558394 A JP 32558394A JP 32558394 A JP32558394 A JP 32558394A JP 3230557 B2 JP3230557 B2 JP 3230557B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
reel
reels
dancer
winding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP32558394A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08174542A (ja
Inventor
一朝 絹谷
靖弘 伊東
昇 勝俣
Original Assignee
株式会社日平トヤマ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP32558394A priority Critical patent/JP3230557B2/ja
Application filed by 株式会社日平トヤマ filed Critical 株式会社日平トヤマ
Priority to AT00203452T priority patent/ATE253997T1/de
Priority to DE69532147T priority patent/DE69532147T2/de
Priority to EP00203452A priority patent/EP1068920B1/en
Priority to PCT/JP1995/002003 priority patent/WO1996010470A1/ja
Priority to EP95932951A priority patent/EP0732173A4/en
Priority to KR1019950033326A priority patent/KR100367760B1/ko
Publication of JPH08174542A publication Critical patent/JPH08174542A/ja
Priority to US09/085,551 priority patent/US20010002561A1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3230557B2 publication Critical patent/JP3230557B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば半導体材料、
磁性材料、セラミック等の脆弱性材料をワイヤにより切
断するワイヤソー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のワイヤソー装置は、複数の加工
用ローラ間にワイヤが多数回螺旋状に巻掛けられる。そ
して、その加工用ローラの回転によりワイヤが走行さ
れ、その走行中のワイヤとワークとが接触されるととも
に、その接触部に砥粒を含むスラリーが供給されて、ワ
ークがワイヤによりウエハー状にスライスされる。
【0003】この種の装置においては、ワイヤを加工用
ローラ側へ繰り出すリールと、切断を終えたワイヤを巻
き取るためのリールとを備えたリール機構がフレーム上
に装設されている。そして、従来は前記一対のリールは
その中心軸線が水平にかつ互いに平行になるように左右
一対の軸受によりそれぞれ支持されている。近年、長時
間連続して加工を行い作業能率を向上するために、リー
ルの貯線量が多くなり、リールが大型化する傾向にあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のワイヤソー装置
においては、上述したように一対のリールが水平方向に
支持されていたので、大重量のリールを片持ち支持する
ことが非常に困難で、その従来の軸受の個数が1個のリ
ールにつきそれぞれ一対必要となり部品点数を低減でき
ず、構造が複雑になるという問題があった。又、リール
の両側に軸受と荷重の支持部を設ける必要があってリー
ル機構が大型化する。さらに、左右一対の軸受機構の芯
出し作業が面倒であり、リールの組付作業もリールを水
平に保持した状態で左右一対の軸受の間に下降した後、
リールの両端部に左右一対の回転支持軸を水平方向に移
動して連結する面倒な行程が必要となる。
【0005】さらに、リールの両端部に形成されたフラ
ンジ部には巻回されたワイヤによる押圧力が作用するの
で、フランジ部が変形し易く、もし変形するとリールの
ワイヤチーズが崩れて、ワイヤの繰り出しを円滑に行う
ことができないという問題もあった。
【0006】さらに、リールが横向きに支持されている
と、リールの胴部がその自重及びワイヤの重量により撓
む。このためワイヤの正確な巻き取りができず、ワイヤ
の円滑な走行が阻害される。このような問題を解決する
ために、リールの強度を高めると、リールが大重量化
し、その駆動機構も大型化するという問題がある。
【0007】この発明の第1の目的は軸受の個数を低減
して構造を簡素化することができるとともに、リールを
支持する軸受の芯出し作業を不要にでき、製造及び組付
作業を容易に行うことができ、ワイヤに張力を付与して
ワイヤの走行を安定化し、ワークの切削加工を円滑に行
うことができ、ワイヤ張力付与機構を簡素化することが
でき、装置運転の停止時におけるリールの惰性回転によ
るワイヤの余分な弛みを確実に防止し、リールに対する
ワイヤの巻回状態を適正に保持し、ワイヤの破断や引き
出し不良等を防止することができるワイヤソー装置を提
供することにある。
【0008】この発明の第2の目的は軸受の個数を低減
して構造を簡素化することができるとともに、リールを
支持する軸受の芯出し作業を不要にでき、製造及び組付
作業を容易に行うことができ、リールのフランジ部の変
形を防止することができ、回転軸の軸受機構の耐久性を
向上することができるワイヤソー装置を提供することに
ある。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記第1の目的を達成するため、所定位置において回転
される繰り出し用リールから繰り出された一本のワイヤ
を切断機構を構成する複数の加工用ローラ間に螺旋状に
巻き付けるとともに、該ワイヤを同じく所定位置におい
て回転される巻き取り用リールに巻き取りつつ前記加工
用ローラの回転によりワイヤを走行させ、その状態でワ
イヤとワークとの間に切削送りを付与してワークに対し
て切断加工を施すようにしたワイヤソー装置において、
前記一対のリールをその中心軸線が垂直方向に指向する
ように支持し、リールと切断機構との間にワイヤに張力
を付与するワイヤ張力付与機構を設け、ワイヤ張力付与
機構はワイヤに張力を付与するダンサ部材と、ダンサ部
材の端部に設けられワイヤを案内するガイドローラとに
より構成し、前記ダンサ部材の位置を検出する検出手段
と、装置運転の停止時において、該ダンサ部材が最下位
置直前に移動されたことが該検出手段により検出された
場合に、リールの回転を一時的に制動保持する限時手段
とを備え、その制動を解除してダンサ部材を最下位置に
移動停止するように構成するという手段をとっている。
【0014】請求項2に記載の発明は上記第2の目的を
達成するため、所定位置において回転される繰り出し用
リールから繰り出された一本のワイヤを切断機構を構成
する複数の加工用ローラ間に螺旋状に巻き付けるととも
に、該ワイヤを同じく所定位置において回転される巻き
取り用リールに巻き取りつつ前記加工用ローラの回転に
よりワイヤを走行させ、その状態でワイヤとワークとの
間に切削送りを付与してワークに対して切断加工を施す
ようにしたワイヤソー装置において、回転駆動機構を構
成する回転軸の上端部には大径部を設け、該大径部の上
面にリールの下端部を相対回転不能に、かつ取り外し可
能に固定し、大径部は回転軸を支持する軸受のシール
材の外周を覆う筒状部を備えている。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【作 用】請求項1記載の発明は一対のリールをその中
心軸線が互いに平行に、かつ垂直方向に指向するように
支持されているので、両リールの下端部のみをそれぞれ
軸受により片持ち支持する簡素な軸受構造にすることが
できる。このため、部品点数を低減して製造及び組付作
業を容易に行うことができる。又、両リールの下端部の
みを支持することにより、リールの取付作業を容易に行
うことができる。さらに、リールの両端部をそれぞれ軸
受により支持する必要がないので、一対の軸受機構の芯
出し作業が不要となり、軸受機構の製造及び組付作業を
容易に行うことができる。
【0020】又、請求項1記載の発明は、両リールが縦
方向に支持されているので、水平方向の設置スペースを
小さくすることができる。さらに、請求項1記載の発明
、両リールが垂直方向に支持されているので、リール
に対しその軸線方向と直交する方向への曲げ荷重が作用
するのを防止して安定した回転を行うことができる。
求項1記載の発明は、ワイヤ張力付与機構によりワイヤ
に張力が付与されるので、ワイヤの走行が安定化され、
ワークの切断作業を円滑に行うことができる。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】請求項1記載の発明は、ワイヤ張力付与機
構がダンサ部材とガイドローラとにより構成されている
ので、その構造を簡素化することができる。
【0025】請求項1記載の発明は、装置運転の停止時
においてリールがゆっくりと回転されると、ダンサ部材
の下降動作によりワイヤの弛みが吸収される。そして、
ダンサ部材がワイヤの弛みを吸収しつつ下降され、最下
位置直前まで移動されると、リール機構が限時手段によ
り一時的に制動状態となり、リールからのワイヤの繰り
出しが抑制される。さらに、限時手段のタイムアップ後
にリールの制動状態が解除され、リールはフリーとな
り、ダンサ部材が最下位置直前から最下位置までわずか
に下降され、ワイヤはリールからゆっくりと少量繰り出
されワイヤの繰り出し過ぎによる余分なワイヤの弛みが
防止される。
【0026】請求項1記載の発明ではリールは縦方向に
立設されているので、該リールに巻回されたワイヤはト
ラバース機構との間で少しでも余分に弛むと、ワイヤが
リール上で下方にずれ、巻回状態に乱れが生じる。しか
し、請求項記載の発明では常にワイヤの弛みを吸収し
ているので、リールに対するワイヤの巻回状態が適正に
保持され、ワイヤの破断や繰り出し不良が解消される。
【0027】請求項記載の発明では、回転軸の上端部
に大径部を設け、該大径部にリールの下端のフランジ部
を載置するようにしたので、リールのフランジ部がワイ
ヤの押圧力を受けても変形するのを防止することがで
き、このため、リールの伸び吸収機構の構造が簡素化さ
れ、この点からも部品点数を低減して製造及び組付作業
を容易に行うことができる。回転軸の大径部に形成し筒
状部により軸受が覆われているので、軸受へのスラリー
の侵入が防止され、軸受の耐久性を向上することができ
る。
【0028】
【0029】
【実施例】以下、この発明のワイヤソー装置の一実施例
を図面に基づいて詳細に説明する。
【0030】図4及び図5に示すように切断機構11は
装置フレーム12上に装設されている。この切断機構1
1は平行に延びる駆動溝ローラ13及び被動溝ローラ1
4を備え、それらの外周には環状をなす多数の溝13
a,14aが所定ピッチで形成されている。なお、図面
においては理解を容易にするために、溝13a,14a
の数を実際よりも少なく描いている。一本の切断用ワイ
ヤ15は前記溝ローラ13,14の各溝13a,14a
に連続的に巻回されている。ワイヤ走行用モータ16は
装置フレーム12上に配設され、このモータ16により
駆動溝ローラ13が直接回転される。そして、溝ローラ
13,14の回転によって、ワイヤ15が一方向又は双
方向に走行される。ワーク支持機構19は前記切断機構
11の上方においてフレーム12に上下動可能に支持さ
れ、その下部には複数のワーク20が着脱自在にセット
される。そして、ワイヤ15が切断機構11の溝ローラ
13a,14a間で一方向又は双方向に走行されなが
ら、ワーク支持機構19が切断機構11に向かって下降
される。このときワイヤ15上へ砥粒を含むスラリーが
図示しないスラリー供給装置から供給されるとともに、
そのワイヤ15に対し、ワーク20が押し付けられ、ラ
ッピング作用によってワーク20がスライス加工され
る。
【0031】リール機構21は前記フレーム12上に装
設されている。このリール機構21は、ワイヤ15を繰
り出し、巻き取るための一対のリール22,23を備え
ている。なお、両リール22,23は巻き取り、繰り出
しの両機能を交互に分担するが、以降の説明において
は、説明を簡略化するために一例として一方のリール2
2を繰り出しリール、他方のリール23を巻き取りリー
ルとした場合を述べる。後述する一対のリール回転用モ
ータ41,42はフレーム12に配設され、これらのモ
ータ41,42により繰り出しリール22及び巻き取り
リール23を個別に回転させる。
【0032】トラバース機構25はリール機構21に隣
接してフレーム12上に装設され、繰り出しリール22
からのワイヤ15の繰り出し及び巻き取りリール23へ
のワイヤ15の巻き取りを上下にトラバースしながら案
内する。そして、前記リール機構21の両リール22,
23の回転及び溝ローラの回転により繰り出しリール2
2から切断機構11へワイヤ15が繰り出されるととも
に、加工動作後に巻き取りリール23に巻き取られる。
繰り出しリール22上のワイヤ15が、切断機構11を
経て巻き取りリール23に全て巻き取られる直前に両リ
ール22,23の回転方向が切り換えられてリール2
2,23の繰り出し機能及び巻き取り機能が反転され
る。
【0033】図4、図6,7に示すように、ワイヤ張力
付与機構26は前記リール機構21と切断機構11との
間に配設されている。この張力付与機構26はフレーム
12の前面に回転軸27を介して回動可能に支持された
一対のダンサアーム28,29を備え、それらの先端に
はガイドローラ30及びウェイト31がそれぞれ取付け
られている。エンコーダよりなる一対のセンサ32,3
3は各ダンサアーム28,29の回転軸27に連結さ
れ、ダンサアーム28,29の回動位置に応じて検出信
号を出力する。ストッパー34はフレーム12の前面に
突設され、このストッパー34との係合により各ダンサ
アーム28,29の最下位置が規制される。リミットス
イッチ35はダンサアーム28,29が最下位置に位置
したときにそれを検出しワイヤソー装置の運動を停止さ
せる。
【0034】図4に示すようにワイヤガイド機構36は
切断機構11に近接して配置され、ワイヤ15を案内す
るための2組のガイドローラ37,38を備えている。
前記切断機構11の溝ローラ13,14間に巻回された
ワイヤ15の両端は、ワイヤガイド機構36のガイドロ
ーラ37及びフレーム12上の一対のガイドローラ38
を介して、ワイヤ張力付与機構26のガイドローラ30
に掛装されている。そしてワイヤ張力付与機構26の両
ダンサアーム28,29に付設されたウェイト31の下
方向の重力により、溝ローラ13,14間のワイヤ15
に所定の張力が付与される。
【0035】ワイヤ張力低減機構39は前記リール機構
21とワイヤ張力付与機構26との間に配設されてい
る。この張力低減機構39は一対のローラ40を備え、
それらの外周にはワイヤ15が接触支持されている。そ
して、両ローラ42はそれらの回転に抗する負荷トルク
が常時作用しており、これによってワイヤ張力付与機構
26からリール機構21の各リール22,23側へ波及
するワイヤ15の張力が低減される。
【0036】そして、ワイヤ15は繰り出しリール22
から繰り出されてワイヤ張力低減機構39の一方のロー
ラ40、ワイヤ張力付与機構26の一方のローラ30、
一対のガイドローラ38のうちの一方及びワイヤガイド
機構36の一組のガイドローラ37を経て切断機構11
に至る。そして、その切断機構11からワイヤガイド機
構36のもう一組のガイドローラ37、ガイドローラ3
8のうちの他方、ワイヤ張力付与機構26の他方のロー
ラ30及びワイヤ張力低減機構39の他方のローラ40
を経て巻き取りリール23に巻き取られる。
【0037】次に、この実施例の主要部の詳細構成を順
に説明する。図1及び図2に示すように回転方向及び回
転速度を変更可能な一対のモータ41,42は前記フレ
ーム12に一体形成した筒体12Aに装着され、その上
面にはモータ軸41a,42aが突設されている。回転
軸43は各モータ41,42に対応するようにスラスト
方向及びラジアル方向の荷重を支持する機構を有する複
数の軸受44を介して筒体12A内に回転可能に支持さ
れ、それらの上端には大径部43aが一体形成されてい
る。カップリング45はモータ軸41a,42aを各回
転軸43に連結するように、それらの間に取り付けられ
ている。
【0038】前記繰り出しリール22及び巻き取りリー
ル23はドライブピン46により各回転軸43の大径部
43a上に位置決めされた状態で、ネジ47により大径
部43aに締付固定されている。筒体12Aの上端面に
は前記大径部43aの下面に対向して、軸受44の上端
部と接合するシール部材48が設けられている。又、大
径部43aの外周下部には前記シール部材48の外周を
覆うように筒状部43bが一体に形成され、スラリーが
軸受44側に侵入することを防止して軸受44の耐久性
を向上するようにしている。又、リール22,23の上
端部にはネジ47の締付力をリール22,23に伝える
押圧板49が支持されている。図2に示すように前記両
リール22,23はそれぞれ胴部22a,23aとその
両端のフランジ部22b,23bとよりなる。
【0039】そして、この切断装置の運転時には、モー
タ41,42が後述する制御装置63により回転方向及
び回転速度を制御されながら回転される。そして、モー
タ41,42により繰り出しリール22及び巻き取りリ
ール23が図3の時計方向に回転されたときにはワイヤ
15が繰り出しリール22から繰り出されるとともに、
巻き取りリール23に巻き取られる。一方、両モータ4
1,42が図3の反時計回り方向に回転されたときに
は、リール22,23の繰り出し機能及び巻き取り機能
は前記の場合と逆になって、ワイヤ15の走行方向が反
転される。
【0040】又、演算プログラムにより両モータ41,
42のワイヤ繰り出し量が算出され、繰り出しリール2
2上のワイヤ15が後述する双方向への走行を行いつ
つ、設定量繰り出されてリール22上の貯線量が最低と
なったときに、両モータ41,42の回転方向の反転が
行われる。又、繰り出しリール22はワイヤ15を順次
繰り出すことで、巻径が小さくなっていき、一方、巻き
取りリール23は外径が大きく変化する。ここで、ワイ
ヤ15の走行速度及び走行時間と初期巻径の設定値が現
在の各リール22,23の巻径を演算し、その値の変化
を指示値として、各リール22,23の回転速度を補正
し、ワイヤ15の繰り出し量と巻き取り量が同期するよ
うに回転速度を制御する。
【0041】次に、前記トラバース機構25について説
明する。一対の取付板51は前記フレーム12上に所定
間隔をおいて立設され、それらの内面には垂直方向に伸
びるガイドレール52が敷設されている。一対の移動板
53は各ガイドレール52にそれぞれ上下動可能に支持
され、それらの外面には垂直方向に伸びるラック54が
固定されている。一対のトラバース用モータ55は各取
付板51の外面に装着され、そのモータ軸にはラック5
4に噛み合うピニオン56が固定されている。
【0042】ガイドローラ57,58,59によりワイ
ヤ15は、その進む向きを変更しながら、ワイヤ張力低
減機構39側に案内される。そして、前記トラバース用
モータ55が回転されると、ピニオン56及びラック5
4を介して、移動板53が繰り出しリール22及び巻き
取りリール23の外周面に沿って両リール22,23の
軸線方向へトラバース移動される。これにより、繰り出
しリール22上からワイヤ15がトラバースされながら
繰り出されるとともに、巻き取りリール23上にワイヤ
15がトラバースされながら巻き取られる。各一対のタ
ッチローラ60は上下方向へ所定間隔をおいて隣接配置
されるように前記各移動板53に回転可能に支持され、
このタッチローラ60間の間隙をワイヤ15が通過され
る。そして、ワイヤ15の繰り出し中において図2の上
方(又は下方)のローラ60にワイヤ15が接触する
と、その接触を感知するセンサ(図示略)によりトラバ
ース速度が遅い(又は早い)と判断され、トラバース速
度が早く(又は遅く)なるように制御される。
【0043】次に、前記のように構成されたワイヤソー
装置の主要部の制御装置について説明する。図5及び図
8に示すように、制御装置63は前記フレーム12の近
傍に配設され、その内部に制御手段としての機構を有す
る中央処理装置(CPU)64及びメモリ65が実装さ
れている。このCPU64は装置全体の動作を統括する
とともに、タイマとしての機能を有している。メモリ6
5は装置の動作を制御するためのプログラムを記憶する
とともに、各種の入力データや検出データを一時的に記
憶する。キーボード69は制御装置63の前部に配置さ
れ、キーボード69には各種の入力スイッチ70が設け
られている。
【0044】次に、前記のように構成されたワイヤソー
装置について動作を説明する。前記ワイヤ15が双方向
に走行される場合には、図9に示すように、ワイヤ15
の一方向への走行時間t1 が反転方向への走行時間t2
よりも大きくなるようにこれらの時間データがキーボー
ド69からCPU64に予め入力される。このためワイ
ヤ15は走行方向を間欠的に反転されながら総合的に繰
り出しリール22から繰り出されて、巻き取りリール2
3に巻き取られる。
【0045】図10のフローチャートに従って装置運転
の停止時における動作を説明する。キーボード69上の
入力スイッチ70の操作、あるいはプログラムされた自
動停止指示によりCPU64に運転の停止命令が入力さ
れると(ステップS1 )、ワイヤ15を弛める方向に両
リール回転用モータ41,42がゆっくりと回転され、
これによりダンサアーム28,29は図6に示す中立位
置P1 から最下位置P2 に向かってゆっくりと回動され
る。(ステップS2 )。
【0046】そして、ダンサアーム28,29が最下位
置P2 の手前(数mm上方)の所定位置まで回動された
とき、センサ32,33からの検出信号に基づき、リー
ル回転用モータ41,42が停止されて、モータ41,
42がサーボロック状態に制動保持される。(ステップ
S3 〜S4 )。従って、ダンサアーム28,29が前記
所定位置で停止される。
【0047】なお、ダンサアームセンサ32,33の出
力は常時CPU64に入力され、ダンサアーム28,2
9の位置が常時検出されている。従って、運転停止命令
に基づいてCPU64は中立位置P1 から最下位置P2
の手前までのダンサアーム28,29の回動量を演算し
てその演算結果に基づいてモータ41,42の回転量を
制御し、ワイヤ15が必要長さ繰り出される。
【0048】この時点でタイマーの計時動作がスタート
され、所定時間(1〜2秒間)サーボロック状態が維持
される(ステップS5 )。従って、仮にダンサアーム2
8,29の停止に伴う振動が発生していても、その所定
時間の停止により収束される。そして、タイマーがタイ
ムアップすると、リール回転用モータ41,42がサー
ボロック状態から開放されてフリーな状態となる(ステ
ップS6 〜S7 )。それによりワイヤ15がリール2
2,23上から繰り出し可能になりダンサアーム28,
29は最下位置P2 の手前の位置から最下位置P2 に向
かってわずかに回動されて、ストッパ34により停止さ
れる(ステップS8 )。
【0049】このため、装置運転の停止時に、リール2
2,23上からワイヤ15が余分に繰り出されることは
なく、ワイヤ15に余分な弛みが生じる恐れを防止する
ことができる。従って、次に装置の運転を開始する際に
ワイヤ15をガイドローラ37,38から外れることな
く、円滑に給送することができるとともに、ワイヤ15
の余分な弛みに起因するワイヤ断線事故を防止できる。
【0050】又、この装置の運転開始時には、ワイヤ1
5に余分な弛みが生じていないため、リール22,23
上にワイヤ15を所定量巻き取ることにより、ダンサア
ーム28,29を最下位置P2 から中立位置P1 に直ち
に復帰動作させることができて、装置の運転を自動で開
始することができる。
【0051】さて、この実施例においては、図1に示す
ようにリール22,23の中心軸線O1 ,O2 が互いに
平行に、かつ垂直方向に指向するようにリール22,2
3を回転軸43に支持したことにより、両リール22,
23を垂直方向に片持ち支持することができ、このため
軸受44はワイヤ15の張力のみ横方向から受ける構造
でよく、軸受の個数を低減して構造を簡素化でき、製造
を容易に行いコストダウンを図ることができる。
【0052】又、前記実施例では回転軸43の大径部4
3aにリール22,23の下端フランジ部22b,23
bを支持するようにしたので、ワイヤ15の横方向の荷
重がフランジ部に作用しても該フランジ部22b,23
bが変形することを抑制でき、フランジ部の変形防止部
材を専用に設ける必要がなくなる。
【0053】又、前記実施例では両リール22,23の
下端部のみを大径部43aに支持するため、リール2
2,23を下降させてその下端部を大径部43aに載置
し、押圧板49をネジ47によりリール22,23の上
端部に押圧するという簡単な作業でリール22,23の
取付作業を行うことができる。さらに、前記実施例では
両リール22,23が縦方向に支持されているので、装
置の横方向の寸法を小さくして設置スペースを狭くする
ことができる。又、軸受44や荷重支持機構をリール2
2,23の下側のみに設ければ良いので、リール機構2
1を小型化することができる。
【0054】さらに、前記実施例では、リール22,2
3の両端部をそれぞれ軸受により支持する必要がないの
で、一対の軸受の芯出し作業が不要となり、製造及び組
付作業を容易に行うことができる。
【0055】さらに、前記実施例ではワイヤ張力付与機
構26によりワイヤ15に一定の張力を簡単な構成で与
えられるとともに、停止時の動作制御をすることで、余
分な弛みを防止することができる。このため、縦型のリ
ール22,23からトラバース機構25に至るワイヤ1
5の自重による巻取り領域からのズレを防止して巻付け
状態を適正に保持し、断線などを防止することができ
る。
【0056】又、前記実施例では、両リール22,23
が垂直方向に支持されているので、リールに対し軸線方
向と直交する横方向への曲げ荷重が作用するのを抑制し
て安定した回転を行うことができるとともに、ワイヤの
正確な巻き取りを行うことができる。このためリール自
体の強度を低減して軽量化することができる。
【0057】なお、この発明は前記実施例以外に次のよ
うに具体化することもできる。 (1)前記実施例では軸受44を上下2箇所に配置し、
上部の軸受44にスラスト及びラジアル方向の荷重を支
持するベアリングを使用したが、これをスラストベアリ
ングとラジアルベアリングに独立して設けること。
【0058】(2)ワイヤ張力付与機構26の構成を前
記実施例とは異なる例えばガイドローラ30が直線的に
移動する構成にすること。 (3)前記実施例とは逆に加工用ローラ13,14がワ
ークに対して昇降動作を行うように構成すること。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明は特許請
求の範囲の欄のように構成したので、次のような効果が
ある。
【0060】請求項1記載の発明は軸受の個数を低減し
て構造を簡素化することができるとともに、リールを支
持する軸受の芯出し作業を不要にでき、製造及び組付作
業を容易に行うことができる効果がある。
【0061】
【0062】請求項記載の発明は、ワイヤに張力を付
与してワイヤの走行を安定化し、ワークの切削加工を円
滑に行うことができる効果がある。
【0063】請求項記載の発明は、ワイヤ張力付与機
構を簡素化することができる効果がある。又、装置運転
の停止時におけるリールの惰性回転によるワイヤの余分
な弛みを確実に防止し、リールに対するワイヤの巻回状
態を適正に保持し、ワイヤの破断や引き出し不良等を防
止することができる効果がある。
【0064】請求項記載の発明は、リールのフランジ
部の変形を防止することができ、回転軸の軸受機構の耐
久性を向上することができる効果がある。
【0065】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を具体化したワイヤソー装置の要部の
部分断面図。
【図2】 リール機構及びトラバース機構の側面図。
【図3】 リール機構及びトラバース機構の平面図。
【図4】 ワイヤソー装置の正面図。
【図5】 ワイヤソー装置の平面図。
【図6】 ワイヤ張力付与機構の正面図。
【図7】 図6の1−1線断面図。
【図8】 制御装置のブロック図。
【図9】 時間とワイヤの走行速度との関係を示すグラ
フ。
【図10】 加工終了時のリール用モータの動作を示す
フローチャート。
【符号の説明】
11…切断機構、15…切断用ワイヤ、16…ワイヤ走
行用モータ、19…ワーク支持機構、20…ワーク、2
1…リール機構、22,23…リール、25…トラバー
ス機構、26…ワイヤ張力付与機構、27…回転軸、2
8,29…ダンサアーム、30…ガイドローラ、32,
33…ダンサアームセンサ、41,42…リール回転用
モータ、63…制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−39419(JP,A) 特開 平8−19953(JP,A) 実開 平5−68609(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 27/06 B28D 5/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定位置において回転される繰り出し用
    リールから繰り出された一本のワイヤを切断機構を構成
    する複数の加工用ローラ間に螺旋状に巻き付けるととも
    に、該ワイヤを同じく所定位置において回転される巻き
    取り用リールに巻き取りつつ前記加工用ローラの回転に
    よりワイヤを走行させ、その状態でワイヤとワークとの
    間に切削送りを付与してワークに対して切断加工を施す
    ようにしたワイヤソー装置において、 前記一対のリールをその中心軸線が垂直方向に指向する
    ように支持し、リールと切断機構との間にワイヤに張力
    を付与するワイヤ張力付与機構を設け、ワイヤ張力付与
    機構はワイヤに張力を付与するダンサ部材と、ダンサ部
    材の端部に設けられワイヤを案内するガイドローラとに
    より構成され、前記ダンサ部材の位置を検出する検出手
    段と、装置運転の停止時において、該ダンサ部材が最下
    位置直前に移動されたことが該検出手段により検出され
    た場合に、リールの回転を一時的に制動保持する限時手
    段とを備え、その制動を解除してダンサ部材を最下位置
    に移動停止するように構成したことを特徴とするワイヤ
    ソー装置。
  2. 【請求項2】 所定位置において回転される繰り出し用
    リールから繰り出された一本のワイヤを切断機構を構成
    する複数の加工用ローラ間に螺旋状に巻き付けるととも
    に、該ワイヤを同じく所定位置において回転される巻き
    取り用リールに巻き取りつつ前記加工用ローラの回転に
    よりワイヤを走行させ、その状態でワイヤとワークとの
    間に切削送りを付与してワークに対して切断加工を施す
    ようにしたワイヤソー装置において、 前記一対のリールをその中心軸線が垂直方向に指向する
    ように支持し、回転軸の上端部に大径部が設けられ、該
    大径部の上面にリールの下端部が相対回転不能に、かつ
    取り外し可能に固定され、大径部は回転軸を支持する軸
    受のシール部材の外周を覆う筒状部を備えていることを
    特徴とするワイヤソー装置。
JP32558394A 1994-09-30 1994-12-27 ワイヤソー装置 Expired - Fee Related JP3230557B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32558394A JP3230557B2 (ja) 1994-12-27 1994-12-27 ワイヤソー装置
DE69532147T DE69532147T2 (de) 1994-09-30 1995-09-29 Drahtsäge
EP00203452A EP1068920B1 (en) 1994-09-30 1995-09-29 Wire saw
PCT/JP1995/002003 WO1996010470A1 (fr) 1994-09-30 1995-09-29 Fil de decoupe
AT00203452T ATE253997T1 (de) 1994-09-30 1995-09-29 Drahtsäge
EP95932951A EP0732173A4 (en) 1994-09-30 1995-09-29 WIRE SAW
KR1019950033326A KR100367760B1 (ko) 1994-09-30 1995-09-30 와이어쏘
US09/085,551 US20010002561A1 (en) 1994-09-30 1998-05-27 Wire saw apparatus and method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32558394A JP3230557B2 (ja) 1994-12-27 1994-12-27 ワイヤソー装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08174542A JPH08174542A (ja) 1996-07-09
JP3230557B2 true JP3230557B2 (ja) 2001-11-19

Family

ID=18178504

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32558394A Expired - Fee Related JP3230557B2 (ja) 1994-09-30 1994-12-27 ワイヤソー装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3230557B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08174542A (ja) 1996-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5628301A (en) Wire traverse apparatus of wire saw
EP1068920B1 (en) Wire saw
US20010002561A1 (en) Wire saw apparatus and method
JPS6364376B2 (ja)
JP3230557B2 (ja) ワイヤソー装置
JP3074007B2 (ja) ワイヤーソー装置におけるリール駆動装置
JPH0234866B2 (ja)
JPH11245159A (ja) ワイヤソーのトラバース装置
JP3210528B2 (ja) ワイヤソー装置
JP3785757B2 (ja) 巻取装置
JPH1086141A (ja) ワイヤソー
JP3349956B2 (ja) ワーク搬出搬入装置
JP3739603B2 (ja) ワイヤソー
JP3434414B2 (ja) ワイヤソー及びその切断停止制御方法
JPH0426978B2 (ja)
JPH06277756A (ja) 線材の貯線装置
JP3442260B2 (ja) ワイヤソー及びワークの切削方法
JP3201074B2 (ja) ワイヤ電極供給装置
JP3066259B2 (ja) ワイヤソー装置
JPH0966459A (ja) ワイヤソー装置及びワイヤの巻き取り方法
JPH0929610A (ja) ワイヤソーのワイヤトラバース装置
JPH1086142A (ja) ワイヤソーによる加工方法および装置
JP3830163B2 (ja) 加工片の火花浸食用機械のワイヤ供給装置
JP3425032B2 (ja) ワイヤソー
JPH11320381A (ja) ワイヤソーによるインゴットの加工方法及びワイヤソー

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070914

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080914

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090914

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090914

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090914

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090914

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100914

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110914

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110914

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110914

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120914

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130914

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees