JP3230068B2 - 低アルミニウム極低硫鋼の溶製方法 - Google Patents
低アルミニウム極低硫鋼の溶製方法Info
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Description
天然ガスに用いるラインパイプ用として有用な、耐水素
誘起割れ性、耐硫化物応力腐食割れ性に優れ、かつ、低
温靱性に優れた鋼板を製造するための、低[Al]濃度
条件下で、溶鋼中の硫黄濃度を極低濃度、例えば、0.
0005mass%以下まで除去するための溶鋼の脱硫
方法に関するものである。
するフラックスを溶鋼に添加することにより実施され
る。この時、脱硫反応は、(1)式で示される。 (CaO)+[S]=(CaS)+[O] (1) (1)式より、脱硫反応を促進させるためには、Ca
Oの活量が高いスラグを使用すること、酸素の活量a
o を低減することが重要である。ao を下げるため、脱
硫処理の前に溶鋼にAlを添加して脱酸することが、通
常行われている。
中のスラグ組成をCaOが60〜70mass%、Al
2 O3 が25〜35mass%、SiO2 が10mas
s%以下に維持する方法が特開昭63−169320号
公報に開示されている。
め、脱硫処理前に、溶鋼にAlを添加してao を低下さ
せ、脱硫剤を添加して脱硫処理を実施した後、酸素を溶
鋼中に吹込んで[Al]を酸化除去する方法が特開平4
−183812号公報に開示されている。
成をCaOが60〜70mass%、Al2 O3 が25
〜35mass%、SiO2 が10mass%以下に維
持する方法では、スラグ中のAl2 O3 濃度が高いた
め、(2)式の逆反応が起こり、溶鋼中の[Al]濃度
が高くなるため、低温靱性に優れた低アルミニウム極低
硫鋼を溶製することは困難である。
[Al]を酸化除去する方法の場合、脱硫処理後に酸素
を吹込むことにより、(1)式の逆反応が起こり、スラ
グ中の硫黄が溶鋼中に復硫するため、[S]濃度を極低
濃度まで下げることができず、かつ、酸素吹込み時に生
成する多量のAl2 O3 系の非金属介在物のため材質特
性が劣化する。
決し、低アルミニウム極低硫鋼を溶製する方法を提供す
るもので、その要旨は以下の通りである。[C]濃度が
0.01〜0.1mass%、[Al]濃度が0.00
5mass%以下の溶鋼の脱硫処理を実施するに当り、
スラグ中のAl2 O3 濃度を(%Al2 O3 )、CaO
濃度を(%CaO)、SiO2 濃度を(%SiO2 )と
した時、スラグの組成をmass%で、 (%Al2 O3 )≦38・(%CaO)/(%SiO2 )−68 (3) (%Al2 O3 )≦−10・(%CaO)/(%SiO2 )+52 (4) (%Al2 O3 )≧2・(%CaO)/(%SiO2 )+4 (5) 70≦(%Al2 O3 )+(%CaO)+(%SiO2 )≦100 (6) を満たす範囲にすることを特徴とする低アルミニウム極
低硫鋼の溶製方法。
グ組成を検討する上で、考慮しなければならない点は、 到達[S]濃度、 到達[Al]濃度、特に、スラグ中のAl2 O3 の
還元による溶鋼中のAl濃度の上昇の抑制、 スラグの流動性を確保し、脱硫効率を上げるための
スラグの固相率の低位保持である。
いて、図1を用いて説明する。図1中の直線は、
[S]濃度が0.0005mass%となる(%Al2
O 3 )と(%CaO)/(%SiO2 )との関係を示し
たもので、(3)式で表わされる。(%CaO)/(%
SiO2 )を大きくするとCaOの活量が上昇し、
(1)式より、脱硫に有利になる。[S]濃度を0.0
005mass%以下にするためには、スラグ組成を直
線よりも右の領域とすることが必要である。
s%となる(%Al2O3 )と(%CaO)/(%Si
O2 )との関係を示したもので、(4)式で表わされ
る。(%CaO)/(%SiO2 )が高くて、(Al2
O3 )濃度が高い場合、スラグ中のAl2 O3 が還元さ
れて、[Al]濃度が上昇する。[Al]濃度を0.0
050mass%以下にするためには、スラグ組成を直
線よりも下の領域とすることが必要である。
同じ到達[S]濃度を得るためのスラグ原単位が増加す
ることが懸念される。図1中の直線は、スラグの固相
率が0.2となる(%Al2 O3 )と(%CaO)/
(%SiO2 )との関係を示したもので、(5)式で表
わされる。スラグの固相率を0.2%以下にするために
は、スラグ組成を直線よりも上の領域とすることが必
要である。
が、[Al]濃度が0.005mass%以下で、
[S]濃度を0.0005mass%以下まで脱硫する
ための適正スラグ組成範囲である。さらに、スラグ中に
は、(CaO)、(SiO2 )、(Al2 O3 )だけで
なく、取鍋耐火物の主成分であるMgOなどが含まれる
が、脱硫能を決定するのは、(CaO)、(Si
O2 )、(Al2 O3 )であり、これらの成分の濃度の
和も重要である。(CaO)、(SiO2 )、(Al2
O3 )濃度の合計が70%未満では、脱硫能が低下する
ため、スラグ原単位を上げなければならず、不経済であ
る。したがって、優れた脱硫能を確保し、[S]濃度が
0.0005mass%以下の極低硫鋼を安価に製造す
るため、スラグ中の(CaO)、(SiO2)、(Al
2 O3 )濃度の合計は70mass%以上100mas
s%以下とする。
ss%以下で、[S]濃度を0.0005mass%以
下にするため、スラグ組成は、(3)式〜(6)式を満
足する範囲にすることが必要である。本発明の方法にお
いて、脱硫剤の添加方法は、インジェクション、上方添
加およびそれらの組合せのいずれでもよく、その効果は
同等である。
0.05〜0.5mass%、[Mn]:0.8〜1.
5mass%、[P]:0.015mass%以下、
[Al]:0.005mass%以下の溶鋼の脱硫処理
を実施するに当り、スラグ中の(CaO)、(Si
O2 )、(Al2 O3 )濃度を種々変更したときの脱硫
挙動を調査した。到達[S]濃度に及ぼす(Al
2 O3 )濃度と(%CaO/%SiO2 )の影響を図2
に示す。図中黒塗りの記号は、本発明の範囲の組成のス
ラグを用いた場合の結果であり、白抜きの記号は、比較
例として、本発明の組成範囲外のスラグを用いた場合の
結果である。いずれも、(%CaO)+(%SiO2 )
+(%Al2 O3 )は85〜95mass%の範囲であ
る。また、脱硫処理前の[S]濃度は0.002mas
s%であり、スラグの原単位は、12kg/tonであ
る。比較例では、到達[S]濃度が0.0005mas
s%超であるのに対して、本発明の方法では、到達
[S]濃度が0.0005mass%以下である。
0.05〜0.5mass%、[Mn]:0.8〜1.
5mass%、[P]:0.015mass%以下、
[Al]:0.005mass%以下の溶鋼の脱硫処理
を実施するに当り、スラグ中の(CaO)、(Si
O2 )、(Al2 O3 )濃度を種々変更したときの到達
[Al]濃度を調査した。到達[Al]濃度に及ぼす
(Al2 O3 )濃度と(%CaO)/(%SiO2 )の
影響を図3に示す。図中黒塗りの記号は、本発明の範囲
の組成のスラグを用いた場合の結果であり、白抜きの記
号は、比較例として、本発明の組成範囲外のスラグを用
いた場合の結果である。いずれも、(%CaO)+(%
SiO2 )+(%Al2 O3 )は85〜95mass%
の範囲である。また、スラグの原単位は12kg/to
nである。比較例では、到達[Al]濃度が0.005
mass%超であるのに対して、本発明の方法では、到
達[Al]濃度が0.005mass%以下である。
0.05〜0.5mass%、[Mn]:0.8〜1.
5mass%、[P]:0.015mass%以下、
[Al]:0.005mass%以下の溶鋼の脱硫処理
を実施するに当り、スラグ中の(CaO)、(Si
O2 )、(Al2 O3 )濃度を種々変更したときの脱硫
挙動を調査した。スラグの固相率と到達[S]濃度を
0.0005mass%にするためのスラグ原単位に及
ぼす(%Al2 O3 )と(%CaO)/(%SiO2 )
の影響を図4に示す。図中黒塗りの記号は、本発明の範
囲の組成のスラグを用いた場合の結果であり、白抜きの
記号は、比較例として、本発明の組成範囲外のスラグを
用いた場合の結果である。いずれも、(%CaO)+
(%SiO2 )+(%Al2 O3 )は85〜95mas
s%の範囲である。また、脱硫処理前の[S]濃度は
0.002mass%である。比較例では、スラグの固
相率が大きくなり、そのため、到達[S]濃度を0.0
005mass%にするためのスラグ原単位が15kg
/ton超と多くなっているのに対して、本発明の方法
では、スラグの固相率は0.2以下であり、スラグ原単
位も15kg/ton以下である。
0.05〜0.5mass%、[Mn]:0.8〜1.
5mass%、[P]:0.015mass%以下、
[Al]:0.005mass%以下の溶鋼の脱硫処理
を実施するに当り、スラグ中の(%CaO)+(%Si
O2 )+(%Al2 O3 )を変更した時の到達[S]濃
度を調査した。到達[S]濃度に及ぼす(%CaO)+
(%SiO2)+(%Al2 O3 )の影響を図5に示
す。図中黒塗りの記号は、本発明の範囲の組成のスラグ
を用いた場合の結果であり、白抜きの記号は、比較例と
して、本発明の組成範囲外のスラグを用いた場合の結果
である。いずれも、(%CaO)/(%SiO2 )は
2.4〜2.6、(Al2 O3 )濃度は13〜16ma
ss%である。また、脱硫処理前の[S]濃度は0.0
02mass%であり、スラグ原単位は12kg/to
nである。比較例では、到達[S]濃度が0.0005
mass%超であるのに対して、本発明の方法では、到
達[S]濃度が0.0005mass%以下となってい
る。
グ原単位を上げることなく、0.005mass%以下
の[Al]濃度で、[S]濃度を0.0005mass
%以下まで脱硫することが可能となった。
(%CaO)/(%SiO2 )の影響を示す図である。
と(%CaO)/(%SiO2)の影響を示す図であ
る。
ass%を達成するためのスラグ原単位に及ぼす(Al
2 O3 )濃度と(%CaO)/(%SiO2 )の影響を
示す図である。
iO2 )+(%Al2 O3 )の影響を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 [C]濃度が0.01〜0.1mass
%、[Al]濃度が0.005mass%以下の溶鋼の
脱硫処理を実施するに当り、スラグ中のAl 2 O3 濃度
を(%Al2 O3 )、CaO濃度を(%CaO)、Si
O2 濃度を(%SiO2 )とした時、スラグの組成をm
ass%で、 (%Al2 O3 )≦38・(%CaO)/(%Si
O2 )−68 (%Al2 O3 )≦−10・(%CaO)/(%SiO
2 )+52 (%Al2 O3 )≧2・(%CaO)/(%SiO2 )
+4 70≦(%Al2 O3 )+(%CaO)+(%Si
O2 )≦100 を満たす範囲にすることを特徴とする低アルミニウム極
低硫鋼の溶製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16256993A JP3230068B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 低アルミニウム極低硫鋼の溶製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16256993A JP3230068B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 低アルミニウム極低硫鋼の溶製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0741823A JPH0741823A (ja) | 1995-02-10 |
JP3230068B2 true JP3230068B2 (ja) | 2001-11-19 |
Family
ID=15757083
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16256993A Expired - Lifetime JP3230068B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 低アルミニウム極低硫鋼の溶製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3230068B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100402018B1 (ko) * | 1999-12-01 | 2003-10-17 | 주식회사 포스코 | 오스테나이트계 스테인레스 강의 제조방법 |
CN108950137B (zh) * | 2018-08-07 | 2020-06-09 | 马鞍山钢铁股份有限公司 | 一种高品质钢出钢过程快速成渣的方法 |
CN111893242B (zh) * | 2020-08-12 | 2022-02-01 | 宝武集团鄂城钢铁有限公司 | 一种低铝钢深脱硫的冶炼方法 |
-
1993
- 1993-06-30 JP JP16256993A patent/JP3230068B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH0741823A (ja) | 1995-02-10 |
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