JP3229717B2 - 重量物吊上げ用フック装置 - Google Patents

重量物吊上げ用フック装置

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JP3229717B2 JP16381793A JP16381793A JP3229717B2 JP 3229717 B2 JP3229717 B2 JP 3229717B2 JP 16381793 A JP16381793 A JP 16381793A JP 16381793 A JP16381793 A JP 16381793A JP 3229717 B2 JP3229717 B2 JP 3229717B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建設現場などにおい
て、鉄板やブロック体などの重量物を吊上げるときに使
用されるフック装置に関する。更に詳しくは、本発明
は、重量の重い鉄板やブロック体などの重量物を確実に
かつ容易に引掛けることができるとともに吊上げ時の落
下の危険性を排除でき、かつ容易に重量物から抜去する
ことができる、重量物の吊上げ専用に使用されるフック
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、重さが数トンにもおよぶ鉄板が数
多くの建設現場で軟弱地盤の養生足場として地面に敷か
れて使用されている。そして、この種の建設現場での作
業の種類によっては、絶えず鉄板を移動しなければなら
ず、そのためにはクレーン等を用いて吊り上げ作業を行
なっている。即ち、前記した足場としての鉄板を吊上げ
て移動させる作業は、鉄板の所望の部位に吊上げ用の穴
が穿設されており、この穴にワイヤーを通し、該ワイヤ
ーをフックに引掛けるようにして行なっている。
【0003】前記した重さが数トンにもおよぶ鉄板(敷
鉄板ともいう。)の吊り上げ作業に多用されている従来
のフックの構造としては次のようなものがある。 (i) 弾発力に付勢されてフック先端部に当接する落下防
止板をフック本体部に配設し、かつフック先端部の開口
幅を極めて小さく設定した構造のものがある。いうまで
もないことであるが、フック先端部の開口幅を狭小にす
るのは、これによりワイヤーの外れを強力防止しようと
するものである。
【0004】(ii) また、フックを別体のフック支持体
とフック部で構成するとともに、両部材(フック支持体
とフック部)を相互に回動できるようにした構造のもの
がある。なお、重量物の吊上げ時にフック支持体の先端
部とフック部の先端部が当接し、落下防止の機能を果た
す。前記したフックは、吊上げ対象物に取付けられたワ
イヤーをフック部に引掛けて使用するというものであ
り、フック支持体とフック部の回動時のフック先端部の
開口幅は極めて狭小のものである。
【0005】しかしながら、現場作業においては、敷設
されている重さが数トンにもおよぶ鉄板にワイヤーを引
掛ける作業それ自体がなかなかの重労働であり、いきお
い、フックの引掛け部(フック先端部)を直接、鉄板に
穿設された穴に挿入して吊上げるということが行なわれ
ている。この場合、前記したようにフック先端部の開口
幅が極めて小さいことから、フックを鉄板に引掛けるこ
とが極めて困難である。即ち、鉄板のように地面に敷設
された物を引掛けて吊上げる場合、従来のフックにおい
ては引掛け時に開口幅が極めて小さいために、なかなか
引掛けることが出来ず、そのうえ引掛けられたとしても
脱着時にフックを取り外すのに困難をきたす。
【0006】このため、本来ならば、この種の作業には
落下防止装置のないフックを使用することができないも
のであるが、多くの作業現場においては落下防止装置が
無く、かつ開口幅の大きなフックが使用されているのが
現状である。しかし、この種の作業に落下防止装置がな
く、かつ開口幅が大きなフックを使用した場合、相当に
危険なものである。この点を具体的にみると、脱落防止
装置の無いフックで重量の重い鉄板を吊り上げている時
は外れる事はほとんど無いが、鉄板を地面に設置する
時、吊りワイヤーなどの緩みで吊上げ用の穴とフックの
間に遊びが生じ、フックが穴から外れてしまうケースが
多発する。一度、フックが穴から外れると鉄板の転倒事
故に繋がり、人が下敷きになり死亡事故に至るという危
険性がある。現実に、この種の作業現場において鉄板の
転倒による死亡等の事故が多発しているのが現状であ
る。
【0007】これに対して、本発明者は、前記した従来
のフック装置の問題点を解消すべく鋭意、検討を加え、
先に提案を行なった。。即ち、本発明者はフック部とフ
ック支持体からなるフック装置の構造として、フック支
持体に回動自在に配設されたフック部が、ロック解除さ
れてロック状態(フックの先端部がフック支持体の脱落
防止部と一体的関係にあり、ロック状態を維持している
状態)から略180°、反転回動できる構造としたと
き、即ち、フック部と脱落防止部との開口幅を従来に比
して極めて大きくなるようにしたとき、地面などに敷か
れた鉄板等の引掛け作業時に該重量物の引掛け用の穴に
フック部の先端部を挿入し易すくすることができ、ま
た、フック部の脱着作業時に脱落防止部が地面などに当
接したり埋没したりすることがないため、脱着作業に支
障を来たさないことを見い出し、先に新しい構造のフッ
ク装置を提案した(特願平3−216524号、特許第
2833674号参照)。
【0008】前記した本発明者の先に提案した、特に敷
鉄板の吊上げ用フック装置は、敷設状態にある敷鉄板を
フック部に引掛け、他の敷設場所に搬送し敷設する作業
において所定の優れた効果を発揮する。即ち、容易かつ
確実に敷鉄板の吊上げ用穴部にフック部を引掛けること
ができること、搬送中の落下を確実に防止することがで
きること、更に他の敷設場所に敷設するときに、吊上げ
用ロープが緩んでもフック部は敷鉄板から外れることが
ないこと、などの優れた効果を発現するものである。
【0009】しかしながら、先の提案のフック装置は、
新たな敷設場所へ敷鉄板を搬送し、敷設した後、敷鉄板
からフック装置を取外す時に、まだ改良の余地を残すも
のである。この点、先の提案のフック装置は、前記した
ようにフック部とフック支持体の脱落防止部のロック状
態が解除されたとき、両部材は略180°反転回動する
ことが出来るため、従来のものに比較して格段にフック
部を吊上げ対象物である敷鉄板より抜去(脱着)する作
業が容易なものであるが、まだ完全なものではない。即
ち、先の提案のものは、あくまでも、敷鉄板からのフッ
ク部の抜去、脱着は作業員に依存する方式であるため、
前記した利点があっても重量が数トンにもおよぶ敷鉄板
からフック部を抜去、脱着するのは容易ではない。
【0010】このため、本発明者らは、先に提案したフ
ック装置の改良に努め、特に重量の重い敷鉄板からのフ
ック部の脱着を容易にするための機構を備えたフック装
置を別に提案した(特願平4−267923号、特許第
2833679号参照)。
【0011】即ち、本発明者らが新たに提案したフック
部の重量物からの脱着が容易なフック装置は、その構成
要素を本発明と同じ符号(ただし、一部は当然に相違す
る。)で説明すると、(i) 先端部に脱落防止部(11)、後
端部にワイヤー固定部(12)を有するフック支持体(1) 、
(ii) フック先端部(31)及び二股構造の後端部(32,3
2')を有するフック(3)であって、該二股構造の空間内に
配置された前記フック支持体(1) の略中央部(13)を貫通
し、該後端部(32,32')間に誇設した接合ピン(2) を介
して前記フック支持体(1) に対して回動自在に配設され
たフック(3) 、(iii) 前記フック支持体(1) の脱落防止
部(11)と前記フック(3) の先端部(31)が略当接関係にあ
るときに、前記フック支持体(1) と前記フック(3) をロ
ック状態とするロック(4) であって、該ロック(4) は前
記フック(3) の後端部(32,32')の二股空間内に配設さ
れるものであり、(iv) 前記ロック(4) により前記フッ
ク支持体(1) と前記フック(3) のロック状態が解除され
たとき、前記フック支持体(1) と前記フック(3) は、前
記フック(3) が略180°反転回動し、前記フック(3)
の背部(33)が前記フック支持体(1) の側部(15)に当接す
る位置関係をとるものであり、(v) 前記フック(3) の背
部(33)が前記フック支持体(1) の側部(15)に当接する位
置関係にあるときに、該位置関係を維持しつつフック
(3) の重量物からの抜去を助力するための抜去用ロック
(6) であって、前記抜去用ロック(6) が、前記フック支
持体(1) に配設された抜去用ロック本体(61)と前記フッ
ク(3) に配設された係止部(62)から構成されるものであ
る、ことを特徴とするものであった。
【0012】
【発明が解決しようとする問題点】本発明者らの前記し
た新たな提案のフック装置(特願平4−267923
、特許第2833679号参照)は、重量物、例えば
敷鉄板を所定の位置から吊上げ新たな敷設場所に設置し
た後、フックの敷鉄板からの抜去(脱着)を、脱去用ロ
ック機構により行なうものである。即ち、前記したよう
に、本発明者らが先に提案した脱去用ロック機構(6)
は、フック支持体(1) 側に配設された抜去用ロック本体
(61)とフック(3) 側に配設された係止部(62)から構成さ
れるものである。
【0013】しかしながら、フックの重量物からの抜去
(脱着)を助力するための前記脱去用ロック機構(6)
は、 ・抜去用ロック本体(61)と係止部(62)を、フック支持体
部とフック部の外部に突設させているため、作業環境に
よってはこれらの部材が破損してしまう場合があり得る
こと、 ・フック支持体に抜去用ロック本体(61)を配設するた
め、該フック支持体の強度低下があり得ること、 ・抜去用ロック機構を構成する部品点数が多くなるこ
と、 ・抜去用ロック本体(61)と係止部(62)の突設が、フック
装置全体の外観を損ねること、 などの問題点があり、更に改良を加える余地を残すもの
である。
【0014】本発明は、前記した本発明者の先に提案し
たフック装置(特願平4−267923号、特許第28
33679号参照)を改良し、特にフック部の抜去(脱
着)機構を合理的なものにした新たな構造のフック装置
を提供しようとするものである。
【0015】
【問題点を解決するための手段】本発明を概説すれば、
本発明は、吊上げ装置のワイヤー先端に取付けられ、重
量物を吊上げるためのフック装置(F)において、該フ
ック装置(F)が、 (i). 先端部に脱落防止部(11)、後端部にワイヤー固定
部(12)を有するフック支持体(1) 、 (ii). フック先端部(31)及び二股構造の後端部(32,3
2')を有するフック(3) であって、該二股構造の空間内
に配置された前記フック支持体(1) の略中央部(13)を貫
通し、該後端部(32,32')間に誇設した接合ピン(2) を
介して前記フック支持体(1) に対して回動自在に配設さ
れたフック(3) 、 (iii). 前記フック(3) の二股構造の後端部(32,32')
内に配設されたラチェット機構(4) であって、前記ラチ
ェット機構(4) は、 (iii)-1. フック(3) の先端部(31)とフック支持体(1)
の先端部の脱落防止部(11)の係合状態を維持するため
、前記フック支持体(1) の略中央部(13)の周縁に突設
された突部(13a) 係合するラチェット爪部(4a)、及び (iii)-2. フック(3) の先端部(31)とフック支持体(1)
の先端部の脱落防止部(11)の係合状態を解除してフック
(3) をフック支持体(1) に対して略 180°反転回動さ
せ、フック(3) の背部(33)がフック支持体(1) の 側部(1
4)に略当接する配置関係とし、前記配置関係を維持して
フック (3) の先端部(31)を重量物から抜去するための、
前記フック支持体(1) の略中央部(13)の周縁に突設され
た突部(13b) 係合するラチェット爪部(4b)、を有する
ものであり、以上の構成 から成ることを特徴とする重量物吊上げ用フ
ック装置に関するものである。
【0016】本発明は、前記したように本発明者らが先
に提案したフック装置(特願平4−267923号)の
改良に関し、重量のある吊上げ対象物、例えば敷鉄板に
フックを極めて容易に引掛けることができ、所定の敷設
場所に搬送、敷設された後、該敷鉄板からフックを作業
者に負担を掛けることなしに容易に脱着できるようにし
た点に最大の特徴を有するものである。
【0017】本発明のフック装置の開発の着眼点は、
(1) この種のフック装置は、クレーン(起重機)の使用
を前提としていること、(2) 従って、重量が数トンにも
およぶ吊上げ対象物、例えば敷鉄板からフック装置を抜
去(脱着)するとき、作業者の人力に依存せず、該クレ
ーンの動力を使えること、(3) そのための具体的な機構
を案出すること、である。そして、前記した具体的な機
構は、先の提案のものと比較して、前記(iii),(iii)-1,
(iii)-2 のラチェット機構とした点に特徴を有するもの
である。そして、本発明においては、フックの抜去(脱
着)機能の発現とともにロック機能(フック先端部と脱
落防止部の係合によるロック機能)の発現をも該ラチェ
ット機構にもたせ、これを二股構造のフックの後端部(3
2,32')の空間スペース内に組込んだ点に特徴を有する。
【0018】以下、本発明の技術的構成及び実施態様を
図面を参照して詳しく説明する。なお、本発明は図示の
ものに限定されないことはいうまでもないことである。
【0019】図1は、本発明の第一実施態様のフック装
置の構造を説明するための正面図である。図示されるよ
うに、フック装置(F)は、フック支持体(1) 、フック
(3) 、ラチェット機構(4) の主要な構成要素から成る。
なお、図1は、後述するようにフック(3) の後端部(32,
32')が二股構造になっているために、その一部を切欠い
て二股空間部の構造を示しており、更にフック(3) がロ
ック状態にあるとき(点線表示)と略180゜に反転回
動させたとき(実線表示)の状態を示している。
【0020】本発明のフック支持体(1) は、先端部に脱
落防止部(11)、後端部にクレーン(C)の巻取機構に接
続されたワイヤーロープ(R)を固定するためのワイヤ
ー固定部(12)を有するものである。なお、図示のフック
支持体(1) は一枚の鋼鉄製のものである。また、フック
支持体(1) は、その略中央の部位に外側に半円弧状に突
出した中央部(13)を有するものであり、該フック支持体
(1) の略中央部(13)は、二股構造のフック(3) の後端部
(32,32')の二股空間部に遊嵌され、かつフック(3) の後
端部(32,32')間に誇設された接合ピン(2) により回動自
在に軸着される。
【0021】更に、前記フック支持体(1) の略中央部(1
3)の周縁には、後述するフック(3)の二股構造の後端部
(32,32')間の二股空間部に配設されたラチェット機構
(4) と共働してフック支持体(1) とフック(3) とのロッ
ク状態を実現したり、ロック状態を解除したりするため
の二つの突部(3a,3b) が設けられている。なお、前記略
中央部(13)の形状は、図示のように円形突部をもつ形状
がラチェット機構(4) との共働動作において好ましいこ
とはいうまでもないことである。
【0022】本発明のフック(3) は、ロック状態時に前
記フック支持体(1) の脱落防止部(11)と共働して敷鉄板
などの重量物が脱落しないようにするフック先端部(3
1)、フック背部(33)、及び前記フック支持体(1) の略中
央部(13)を遊嵌させ、かつ後述するラチェット機構(4)
を収納することができる十分な空間スペースを有する二
股構造のフック後端部(32,32')から成るものである。図
示されるように、フック(3) は、二股構造の後端部(32,
32')から背部(33)、先端部(31)に至る形状が所望のフッ
ク形状をしているものである。
【0023】本発明のラチェット機構(4) は、図1に示
されるように二股構造の後端部(32,32')の二股空間内に
配置された前記フック支持体(1) の略中央部(13)と共働
させて、フックの抜去(脱着)機能とロック機能の二つ
の機能を発現させるものである。本発明の第一実施態様
のフック装置(F)に適用されるラチェット機構(4)
は、図1とともに図2にその詳細が示されている。
【0024】本発明のラチェット機構(4) の構造を図1
〜図2により説明する。図示されるように、ラチェット
機構(4) は、ラチェット本体(41)、該本体の左右対象位
置に一体的に形成されたラチェット爪部(4a,4b) 、該ラ
チェット爪部のいずれかの爪部を選択するためのラチェ
ット切換レバー(4c)、該ラチェット本体のラチェット爪
部(4a,4b) をフック支持体(1) の略中央部(13)の周縁部
に弾発力により押圧するためのスプリング(4d)を主要部
材として構成される。なお、図2には、ラチェット本体
(41)をフック(3) の二股構造の後端部(32,32')の空間ス
ペース(SP)内に配設し、かつその端部にラチェット切換
レバー(4c)を配設するためのラチェット取付けピン(4
e)、左右のラチェット爪部(4a,4b) の選択を確実にする
ためのラチェット本体(41)の中央部に突設する突部(4
f)、及びスプリング(4d)の先端に固定され、ラチェット
本体(41)の周縁を弾発力により押圧するプランジャー(4
g)が示されている。
【0025】前記したように、本発明のラチェット機構
(4) の重要な機能の一つは、前記フック支持体(1) の脱
落防止部(11)とフック(3) の先端部(31)との当接関係を
維持させ、ロック状態を維持することである。この機能
は、フック(3) の先端部31)に敷鉄板の吊上げ用孔部が
挿入され吊上げられて搬送されるとき、フック(3) の開
口部をフック支持体(1) の脱落防止部(11)により確実に
閉塞させるものであり、極めて重要な機能である。前記
ロック状態は、図1の一点鎖線で示されたフック(3)
(下側)とフック支持体(1) の脱落防止部(11)の位置関
係で示されるものである。この場合、ラチェット機構
(4) のラチェット爪部(4a,4b) において、ラチェット爪
(4a)が選択され、フック支持体(1) の略中央部(13)の周
縁に形成された突部(13a) との係合によりロック状態が
維持される。
【0026】本発明のラチェット機構(4) の他の重要な
機能は、前記したように例えば敷鉄板の敷設後にフック
先端部(31)を該敷鉄板から極めて容易に抜去(脱着)で
きるようにする点であり、吊上げ対象物の重量が重いこ
とを考慮するとこの機能も極めて重要なものである。フ
ックの抜去(脱着)状態は図1の実線で示されたフック
(3) (上側)とフック支持体(1) の脱落防止部(11)の位
置関係で行なわれるものである。例えば敷鉄板を敷設
後、フック(3) を略180°反転回動させ、即ち、フッ
ク支持体の上部側部(14)とフック(3) の背部(33)を当接
させるようにし、この状態を維持しながらフックが抜去
(脱着)される。この場合、ラチェット機構(4) のラチ
ェット爪部(4a,4b) において、ラチェット爪(4b)が選択
され、フック支持体(1) の略中央部(13)の周縁に形成さ
れた突部(13b) との係合により、フック(3) の抜去(脱
着)状態が確保される。前記した本発明のラチェット機
構(4) の二つの機能は、図3〜図8を参照して本発明の
フック装置(F)の使用態様を説明するときに、詳しく
言及する。
【0027】本発明のフック装置の大きな特徴点は、前
記したラチェット機構(4) との関連で説明した二つの機
能のほかに、ロック状態が解除されたとき、フック(3)
の先端部(31)とフック支持体(1) の脱落防止部(11)との
開口幅を略180゜という極めて大きな開口幅に設定で
きるという点である。図1には、前記したようにロック
状態を解除、フック(3) が略180゜反転回動した状態
が示されている。このような状態は、本発明において容
易に達成することができる。即ち、ロック状態を解除、
具体的には、ラチェット機構(4) のラチェット爪(4a)と
フック支持体(11)の略中央部(13)の突部(13a) の係合関
係を解除したとき、フック(3) は図示のように略180
゜反転回動させることができる。本発明においては極
力、開口幅を大きくするという技術的構成を採用してい
ることから、フック(3) の背部(33)が、フック支持体
(1) の側部(14)にほぼ当接できるようにすることが好ま
しい。これは、前記したように例えば敷鉄板の吊上げ、
敷設作業を考慮したとき明らかなことである。従って、
本発明のフック支持体(1) の構造上、フック(3) の略1
80゜の反転回動を阻害するものは避けるべきである。
例えば、フック(3) のの回動中心となる接合ピン(2) の
配設位置を工夫し、開口幅を大きくすることが重要であ
る。前記した開口幅を略180゜にすること、具体的に
はフック(3) の背部(33)とフック支持体(1) の側部(14)
が略当接するような位置関係をとるということは本発明
の重要な構成要素である。
【0028】次に、図3〜図8を参照して本発明のフッ
ク装置(F)の使用態様を説明する。図3〜図8は、図
1に示される構造のフック装置(F)の使用態様を説明
する図である。本発明のフック装置(F)は、前記した
ようにラチェット機構(4) のラチェット爪部(4a,4b)
と、フック支持体の略中央部(13)に配設された突部(13
a,13b) の共働作業により重要な機能を発揮するもので
あり、この部位の機構を明らかにするため、各図におい
てフック後端部(32,32')の一部を切欠き省略してある。
【0029】図3は、本発明のフック装置(F)を用い
て吊上げられた敷鉄板(I)を、所望の敷設場所に搬送
し、地面(E)に敷設した直後の状態を示すものであ
る。この状態のフック装置(F)は、敷鉄板(I)の吊
上げ時、かつ搬送時、更には地面(E)への敷設時に敷
鉄板(I)がフック(3) から外れないようにするため
に、フック先端部(31)とフック支持体(1) の脱落防止部
(11)がロック状態となっている。前記ロック状態は、ラ
チェット機構(4) のラチェット爪(4a)とフック支持体
(1) の突部(13a) の係合により達成される。敷鉄板
(I)の敷設後、前記ロック状態を解除し、フック先端
部(31)を敷鉄板(I)の穴部(H)から抜去(脱着)し
なければならない。図示のごとく、敷鉄板(I)の敷設
直後は、フック(3) の一部が地中に埋設している。従っ
て、重量が数トンにも及ぶ敷鉄板(I)がフック(3) 埋
設部位を押圧しているため、ロック状態を解除して、フ
ックを抜去(脱着)するには、従来のフック装置におい
ては作業者に多大の負担を強いることになる。この点、
以下に示すように本発明のフック装置(F)において
は、極めて容易にフックを抜去(脱着)することが出来
る。
【0030】図4は、図3の位置関係においてロック状
態を解除、即ちラチェット機構(4)の爪(4a)とフック支
持体(1) 側の突部(13a) の係合をラチェット切換レバー
(4c)の回動により解除し、フック支持体(1) を略180
°、最大に反転回動させている状態を示す。
【0031】図5は、フック支持体(1) を略180°、
最大に反転回動させた状態を示す。なお、本発明におい
て、略180°に最大に反転回動させるとは、図示のよ
うにフック(3) の背部(33)とフック支持体(1) の側部(1
4)が略当接するように反転させることであり厳密に18
0°という意味ではない。このような略180°の反転
回動により、重量の重い敷設状態にある敷鉄板などの敷
設物を容易にフック部で吊上げることが出来るようにな
る。このとき、ラチェット切換レバーの爪(4b)とフック
支持体(1) 側の突部(13b)が係合状態に入る。
【0032】図6は、前記図5で示されたラチェット切
換レバーの爪(4b)とフック支持体(1) 側の突部(13b) の
係合状態が完成したあと、フック支持体のワイヤー固定
部(12)に係止されているワイヤー(R)を、吊上げ装置
(クレーン等)で吊上げたとき、フック(3) が自動的に
敷鉄板(I)の穴部(H)から抜去される初期段階を示
す。図7は抜去(脱着)がかなり進行した途中段階を示
し、図8は完全に抜去(脱着)された最終段階を示す。
【0033】図9は、本発明のフック装置(F)に適用
される第二実施態様のラチェット機構を説明する図であ
る。ラチェット機構(4) は、第一実施態様のようにラチ
ェット爪部(4a,4b) が、ラチェット本体(41)に一体でな
くてもよく、図9に示されるように別体のラチェット片
(4a,4b) であってもよい。このほか、本発明のラチェッ
ト機構には、当業界において公知の種々のものが適用で
きることはいうまでもないことである。
【0034】前記図5〜図8に示されるように、本発明
のフック装置(F)において、フックは自動的に抜去
(脱着)されるが、その理由を図10〜図11により補
足説明する。図10には、図5の状態にあるフック(3)
において、フック(3) のフック開口部に内接する中心点
(O)を有する内接円、該中心点(O)から開口幅(前
記内接円の直径に相当する。)の1/2 の距離を通る線分
OX、前記線分OXに直交する線分OY、更にフック支
持体(1) のワイヤ固定部(12)の中心点(Z)と該内接円
の中心点Oを結ぶ線分OZが示されている。図11は、
抜去工程が最終段階に入った状態(図7の状態のも
の。)において、前記各線分の位置関係を示すものであ
る。図10〜図11から判るように、角度XOY(90
°)よりも角度ZOXのなす角度の方が大きいため、本
発明のフック装置は常にフック(3) が敷鉄板(I)から
抜去(脱着)されようとする力が作用することが判る。
この抜去(脱着)性向を保証するには、フック(3) の背
部(33)とフック支持体(1) の側部(14)が、略180°に
最大に反転回動したときに相互に当接するような配位関
係にあることが重要である。図10〜図11に示される
線分で説明すれば、線分OZは線分OYより外側に存在
し、角度ZOXが角度YOZ(90°)より広角になる
ことが必要である。
【0035】本発明のフック装置(F)において、図8
に示される敷鉄板(I)の完全な抜去(脱着)後に、新
たな敷鉄板(I)を吊上げ搬送するには、図8において
ラチェット切換レバー(4c)を回動してラチェット爪(4a)
とフック支持体(1) 側の突部(13a) が係合するようにし
てやればよい。このようにしてから、今度は、敷鉄板
(I)の吊上げ作業を念頭において、図を図8→図4→
図3の順に考察すれば、本発明のフック装置(F)によ
り新たな敷鉄板(I)が安定、確実に吊上げられて搬送
できることが容易に理解できる。
【0036】本発明のフック装置(F)の応用例とし
て、重量の重い敷鉄板の吊上げ作業について説明した
が、重量の重いブロック体など、各種の重量の重い構造
体の吊上げにも効果的に適用できることはいうまでもな
いことである。
【0037】
【発明の効果】本発明のフック装置は、鉄板等の重量の
重い各種の構造物の吊上げ、搬送、ならびに抜去(脱
着)作業を極めて安全に、かつ効率的に行なうことがで
きる。特に、本発明のフック装置は、脱落防止部とフッ
ク先端部の開口幅を従来より大きくすることができるた
め、フックを鉄板等の重量構造物に設けた穴部(引掛け
口)に極めて容易、かつ確実に引掛けることができる。
また、本発明のフック装置に適用される新規なラチェッ
ト機構により、吊上げ搬送中及び脱着時にフック先端部
と脱落防止部が一体的にロックされているため重量構造
物がフックから外れることはない。更に、鉄板等の重量
構造物を地上に敷設した後のフックの脱着は、脱落防止
部とフック先端部の開口幅が大きいことと、前記ラチェ
ット機構に抜去(脱着)機能を保持させているため極め
て容易に行なうことができる。更にまた、本発明のフッ
ク装置に適用される前記ロック機能とフックの抜去(脱
着)機能を発現するラチェット機構は、フック部の二股
構造が形成する空間スペース内に収納されるため、外か
ら保護され長期に亘り前記重要な機能を果すことが出来
る。前記したように本発明のフック装置は、重量構造物
の吊上げ作業において、フックの外れによる鉄板等の重
量構造物の転倒事故を防ぐことができることから、現場
での安全作業を向上させることができ、更に重量構造物
から極めて容易にフック装置を抜去(脱着)できること
から作業性に優れており、その意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフック装置の正面図である。
【図2】 本発明のフック装置に適用される第一実施態
様のラチェット機構(4) の斜視図である。
【図3】 本発明のフック装置の使用態様を示すもの
で、敷鉄板(I)を吊上げ搬送後に、地面(E)に敷設
した直後の状態を示す。
【図4】 本発明のフック装置の使用態様を示すもの
で、図3の状態からロック解除し、フック支持体を反転
させている状態を示す。
【図5】 本発明のフック装置の使用態様を示すもの
で、図4の状態から更にフック支持体を反転させラチェ
ット機構に抜去機能をもたせた状態を示す。
【図6】 本発明のフック装置の使用態様を示すもの
で、図5の状態からフックを抜去したときの初期状態を
示す。
【図7】 本発明のフック装置の使用態様を示すもの
で、図6の状態から更にフックを抜去したときの中間段
階を示す。
【図8】 本発明のフック装置の使用態様を示すもの
で、図7の状態から完全にフックを抜去したときの最終
段階を示す。
【図9】 本発明のフック装置に適用される第二実施態
様のラチェット機構の平面図である。
【図10】 本発明のフック装置における抜去(脱着)
原理を説明する第一の説明図である。
【図11】 本発明のフック装置における抜去(脱着)
原理を説明する第二の説明図である。
【符号の説明】
F……………フック装置 1……………フック支持体 11…………脱落防止部 12…………ワイヤー固定部 13…………略中央部 13a,13b…………突部 14…………側部 2……………接合ピン 3……………フック 31…………フック先端部 32,32´…………(二股構造の)フック後端部 33…………フック背部 4……………ラチェット機構 41…………ラチェット本体 4a,4b…………ラチェット爪部 4c………ラチェット切換レバー 4d………スプリング

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吊上げ装置のワイヤー先端に取付けら
    れ、重量物を吊上げるためのフック装置(F)におい
    て、該フック装置(F)が、 (i). 先端部に脱落防止部(11)、後端部にワイヤー固定
    部(12)を有するフック支持体(1) 、 (ii). フック先端部(31)及び二股構造の後端部(32,3
    2')を有するフック(3) であって、該二股構造の空間内
    に配置された前記フック支持体(1) の略中央部(13)を貫
    通し、該後端部(32,32')間に誇設した接合ピン(2) を
    介して前記フック支持体(1) に対して回動自在に配設さ
    れたフック(3) 、 (iii). 前記フック(3) の二股構造の後端部(32,32')
    内に配設されたラチェット機構(4) であって、前記ラチ
    ェット機構(4) は、 (iii)-1. フック(3) の先端部(31)とフック支持体(1)
    の先端部の脱落防止部(11)の係合状態を維持するため
    、前記フック支持体(1) の略中央部(13)の周縁に突設
    された突部(13a) 係合するラチェット爪部(4a)、及び (iii)-2. フック(3) の先端部(31)とフック支持体(1)
    の先端部の脱落防止部(11)の係合状態を解除してフック
    (3) をフック支持体(1) に対して略 180°反転回動さ
    せ、フック(3) の背部(33)がフック支持体(1) の 側部(1
    4)に略当接する配置関係とし、前記配置関係を維持して
    フック (3) の先端部(31)を重量物から抜去するための、
    前記フック支持体(1) の略中央部(13)の周縁に突設され
    た突部(13b) 係合するラチェット爪部(4b)、 を有するものであり、以上の構成 から成ることを特徴とする重量物吊上げ用フ
    ック装置。
  2. 【請求項2】 フック(3) の二股構造の後端部(32,32')
    の空間内に配設されたラチェット機構(4) が、ラチェッ
    ト本体(41)の左右対象位置にラチェット本体(41)に一体
    的に設けられたラチェット爪部(4a,4b) を有するもので
    ある請求項1に記載の重量物吊上げ用フック装置。
  3. 【請求項3】 フック(3) の二股構造の後端部(32,32')
    の空間内に配設されたラチェット機構(4) が、独立した
    ラチェット爪部(4a,4b) を有するものである請求項1に
    記載の重量物吊上げ用フック装置。
  4. 【請求項4】 ラチェット機構(4) が、ラチェット爪部
    (4a,4b) の選択を行なう操作レバー(4c)を有するもので
    ある請求項2または3に記載の重量物吊上げ用フック装
    置。
  5. 【請求項5】 ラチェット機構(4) のラチェット爪部(4
    a,4b) が、フック(3) の二股構造の後端部(32,32')の空
    間内に配設されたスプリング(4d)の弾発力により、フッ
    ク支持体の略中央部(13)の周縁ならびに突部(13a,4b)に
    当接するものである請求項2または3に記載の重量物吊
    上げ用フック装置。
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