JP2833679B2 - 重量物吊上げ用フック装置 - Google Patents

重量物吊上げ用フック装置

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    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66CCRANES; LOAD-ENGAGING ELEMENTS OR DEVICES FOR CRANES, CAPSTANS, WINCHES, OR TACKLES
    • B66C1/00Load-engaging elements or devices attached to lifting or lowering gear of cranes or adapted for connection therewith for transmitting lifting forces to articles or groups of articles
    • B66C1/10Load-engaging elements or devices attached to lifting or lowering gear of cranes or adapted for connection therewith for transmitting lifting forces to articles or groups of articles by mechanical means
    • B66C1/22Rigid members, e.g. L-shaped members, with parts engaging the under surface of the loads; Crane hooks
    • B66C1/34Crane hooks
    • B66C1/36Crane hooks with means, e.g. spring-biased detents, for preventing inadvertent disengagement of loads

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Load-Engaging Elements For Cranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建設現場などにおい
て、鉄板やブロック体などの重量物を吊上げるときに使
用されるフック装置に関する。更に詳しくは、本発明
は、鉄板やブロック体などの重量物を確実にかつ容易に
引掛けることができるとともに吊上げ時の落下の危険性
を排除でき、かつ容易に重量物から抜去することができ
る、重量物の吊上げに専用に使用されるフック装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、重さが数トンにもおよぶ鉄板が数
多くの建設現場で軟弱地盤の養生足場として地面に敷か
れて使用されている。そして、この種の建設現場での作
業の種類によっては、絶えず鉄板を移動しなければなら
ず、そのためにはクレーン等を用いて吊り上げ作業を行
なっている。即ち、前記した足場としての鉄板を吊上げ
て移動させる作業は、鉄板の所望の部位に吊上げ用の穴
が穿設されており、この穴にワイヤーを通し、該ワイヤ
ーをフックに引掛けるようにして行なっている。
【0003】前記した重さが数トンにもおよぶ鉄板(敷
鉄板ともいう。)の吊り上げ作業に多用されている従来
のフックの構造としては次のようなものがある。 (i) 弾発力に付勢されてフック先端部に当接する落下防
止板をフック本体部に配設し、かつフック先端部の開口
幅を極めて小さく設定した構造のものがある。いうまで
もないことであるが、フック先端部の開口幅を狭小にす
るのは、これによりワイヤーの外れを強力防止しようと
するものである。
【0004】(ii) また、フックを別体のフック支持体
とフック部で構成するとともに、両部材(フック支持体
とフック部)を相互に回動できるようにした構造のもの
がある。なお、重量物の吊上げ時にフック支持体の先端
部とフック部の先端部が当接し、落下防止の機能を果た
す。前記したフックは、取付けられたワイヤーをフック
部に引掛けて使用するというものであり、フック支持体
とフック部の回動時のフック先端部の開口幅は極めて狭
小のものである。
【0005】しかしながら、現場作業においては、敷設
されている重さが数トンにもおよぶ鉄板にワイヤーを引
掛ける作業それ自体がなかなかの重労働であり、いきお
い、フックの引掛け部(フック先端部)を直接、鉄板に
穿設された穴に挿入して吊上げるということが行なわれ
ている。この場合、前記したようにフック先端部の開口
幅が極めて小さいことから、フックを鉄板に引掛けるこ
とが極めて困難である。即ち、鉄板のように地面に敷設
された物を引掛けて吊上げる場合、従来のフックにおい
ては引掛け時に開口幅が極めて小さいために、なかなか
引掛けることが出来ず、そのうえ引掛けられたとしても
脱着時にフックを取り外すのに困難をきたす。
【0006】このため、本来ならば、この種の作業には
落下防止装置のないフックを使用することができないも
のであるが、多くの作業現場においては落下防止装置が
無く、かつ開口幅の大きなフックが使用されているのが
現状である。しかし、この種の作業に落下防止装置がな
く、かつ開口幅が大きなフックを使用した場合、相当に
危険なものである。この点を具体的にみると、脱落防止
装置の無いフックで重量体である鉄板を吊り上げている
時は外れる事はほとんど無いが、鉄板を地面に設置する
時、吊りワイヤーなどの緩みで吊上げ用の穴とフックの
間に遊びが生じ、フックが穴から外れてしまうケースが
多発する。一度、フックが穴から外れると鉄板の転倒事
故に繋がり、人が下敷きになり死亡事故に至るという危
険性がある。現実に、この種の作業現場において鉄板の
転倒による死亡事故が多発しているのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】本発明者は、前記し
た従来技術の問題点を解消すべく鋭意、検討を加えた。
その結果、本発明者はフック装置の構造として、フック
支持体に回動自在に配設されたフックが、ロック解除さ
れてロック状態(フックの先端部がフック支持体の脱落
防止部と一体的関係にあり、ロック状態を維持している
状態)から略180°、反転回動できる構造としたと
き、即ち、フックと脱落防止部との開口幅を従来に比し
て極めて大きくなるようにしたとき、地面などに敷かれ
た鉄板等の引掛け作業時に該重量物の引掛け用の穴にフ
ックの先端部を挿入し易すくすることができ、また、フ
ックの脱着作業時に脱落防止部が地面などに当接したり
埋没したりすることがないため、脱着作業に支障を来た
さないことを見い出し、先に新しい構造のフック装置を
提案した(特願平3-216524号参照)。
【0008】前記した本発明者の先に提案した、特に敷
鉄板の吊上げ用フック装置は、敷設状態にある敷鉄板を
フックに引掛けて他の敷設場所に搬送し敷設する過程に
おいて当初の優れた効果を発揮する。即ち、容易かつ確
実に敷鉄板の吊上げ用穴部にフック部を引掛けることが
できること、搬送中の落下を確実に防止することができ
ること、更に他の敷設場所に敷設するときに、吊上げ用
ロープが緩んでもフック部は敷鉄板から外れることがな
いこと、などの優れた効果を発現する。
【0009】しかしながら、先の提案のフック装置は、
敷設場所へ敷鉄板を搬送し、敷設した後、敷鉄板からフ
ック装置を取外す時に、まだ改良の余地を残すものであ
る。前記したように、先の提案のフック装置において
は、脱着時にフック支持体の脱落防止部が地面等に埋没
したりすることがないため、該脱落防止部はその後の脱
着作業を妨げるものではない。しかし、あくまでも、敷
鉄板からのフック装置の脱着は作業員に依存する方式で
あるため、前記脱落防止部の構造上の利点があっても重
量が数トンにもおよぶ敷鉄板からフック装置全体を脱着
するのは容易ではない。
【0010】本発明は、本発明者らの先に提案したフッ
ク装置の改良、特に敷鉄板からのフック装置の脱着を容
易にするための機構を備えたフック装置を提供しようと
するものである。
【0011】
【問題点を解決するための手段】本発明を概説すれば、
本発明は、吊上げ装置のワイヤー先端部に取付けられ、
重量物を吊上げるためのフック(F)において、前記フ
ック装置(F)が、 (i).先端部に脱落防止部(11)、後端部にワイヤー固定部
(12)を有するフック支持体(1)、 (ii).フック(3)の後端部(32,32')が二股構造であり、該
二股構造の空間内に配置された前記フック支持体(1)の
略中央部(13)を貫通し、該後端部(32,32')間に誇設した
接合ピン(2)を介して前記フック支持体(1)に対して回動
自在に配設されたフック(3)、 (iii).前記フック支持体(1)の脱落防止部(11)と前記フ
ック(3)の先端部(31)が略当接関係にあるときに、前記
フック支持体(1)と前記フック(3)をロック状態とするロ
ック(4)であって、前記ロック(4)は、前記フック(3)の
後端部(32,32')の二股空間内に配設されたものであり、 (iv).前記フック(3)と前記フック支持体(1)は、前記フ
ック(3)と前記ロック(4)のロックが解除されて前記フッ
ク(3)が前記フック支持体(1)の脱落防止部(11)に対して
反転回動されたとき、 (iv)-1.前記フック支持体(1)の脱落防止部(11)が、前記
フック(3)の先端部(31)の内側及び後端部(32,32')の内
側に接して描いた仮想略平行線の内側に存在しないよう
に配設され、かつ、 (iv)-2.前記ワイヤー固定部(12)の中心と接合ピン(2)の
中心を結ぶ線分と、前記仮想略平行線とが略平行になる
ように配設されたものであり、及び、 (v).前記フック(3)の背部(33)が前記フック支持体(1)の
側部(15)に当接する配置関係にあるときに、前記配置関
係を維持しつつフック装置(F)の重量物からの抜去を
助力するための抜去用ロック(6)であって、前記抜去用
ロック(6)は、前記フック支持体(1)の側に配設された抜
去用ロック本体(61)と前記フック(3)の側に配設された
係止部(62)とから構成されたものである、ことから成る
ことを特徴とする重量吊上げ用フック装置に関するもの
である。
【0012】前記「発明が解決しようとする問題点」の
項で説明したように、本発明は本発明者の先に提案した
フック装置(特願平3-216524号参照)の改良に関するも
のである。特に、本発明は、先に提案したフック装置に
敷鉄板が引掛けられ、所定の敷設場所に搬送、敷設され
た後、該敷鉄板からフック装置を作業者に負担を掛ける
ことなしに容易に脱着できるようにした点に最大の特徴
を有するものである。
【0013】本発明のフック装置の開発の着眼点は、
(1) 本発明が先に提案したフック装置は、クレーン(起
重機)の使用を前提としていること、(2) 従って、重量
が数トンにもおよぶ敷鉄板からフック装置を脱着すると
き、作業者の人力に依存せず、該クレーンの動力を使え
ること、(3) そのための具体的な機構を案出すること、
である。そして、前記した具体的な機構は、前記(v) の
構成であり、前記 (i)〜(iv)は、本発明者が先に提案し
たフック装置の必須の構成要件である。
【0014】以下、本発明の技術的構成を図面を参照し
て詳しく説明する。なお、本発明は図示のものに限定さ
れないことはいうまでもないことである。
【0015】図1は、本発明の第一実施態様のフック装
置の構造を説明するための正面図である。図示されるよ
うに、フック装置(F)は、フック支持体(1) 、フック
(3) 、ロック(4) 、抜去用ロック(6) の主要な構成要素
から成る。なお、図1は、後述するようにフック(3) の
後端部が二股構造になっているために、その一部を切欠
いて二股空間部の構造を示しており、更にフック(3) が
ロック状態にあるときと略180゜反転回動させたとき
の状態を示している。
【0016】本発明のフック支持体(1) は、先端部に脱
落防止部(11)、後端部にクレーン(C)の巻取機構に接
続されたワイヤーロープ(R)を固定するためのワイヤ
ー固定部(12)を有するものである。なお、図示のフック
支持体(1) は一枚の鋼鉄製のものである。また、フック
支持体(1) の略中間部位から脱落防止部(11)を突設させ
る部位、即ちフック支持体(1) の略中央部(13)は、二股
構造のフック(3) の後端部(32,32')の二股空間部に遊嵌
され、かつフック(3) の後端部(32,32')間に誇設された
接合ピン(2) により回動自在に軸着される。更に、フッ
ク支持体(1) の前記略中央部(13)には、後述するように
フック(3)の二股構造の後端部(32,32')間の二股空間部
に配設されたロック(4) と共働してフック支持体(1) と
フック(3) とのロック状態を実現したり、ロック状態を
解除したりするための凹部(14)が設けられている。な
お、前記略中央部(13)の形状は、図示のように円形突部
をもつ形状がロック(4) との共働動作において好ましい
ことはいうまでもないことである。
【0017】本発明のフック(3) は、ロック状態時に前
記フック支持体(1) の脱落防止部(11)と共働して鉄板な
どの重量物が脱落しないようにするフック先端部(31)、
フック背部(33)、及び前記フック支持体(1) の略中央部
(13)を遊嵌させ、かつ後述するロック(4) を収納するこ
とができる十分な空間を有する二股構造のフック後端部
(32,32')から成るものである。図示されるように、フッ
ク(3) は、二股構造の後端部(32,32')から背部(33)、先
端部(31)に至る形状が所望のフック形状をしているもの
である。
【0018】本発明のロック(4) は、図示されるように
二股構造の後端部(32,32')の二股空間内に、かつ前記フ
ック支持体(1) の略中央部(13)に当接するように配設さ
れるものである。そして、ロック(4) は前記フック支持
体(1) の脱落防止部(11)とフック(3) の先端部(31)が略
当接関係にあるときに両者の当接関係を維持するよう
に、即ちロック状態を維持するものである。例えば、ロ
ック状態は、次のようなロック(4)の構造により達成さ
れるが、本発明はこれに限定されない。ロック(4) の先
端部(41)の形状が、前記フック支持体(1) の略中央部(1
3)に設けられた凹部(14)と係合するようにされる。そし
て、ロック(4) は二股構造のフック(3) の後端部(32,3
2')間の二股空間内に配設され、図示のようにバネ体(5)
の弾発力によりフック支持体(1) の略中央部(13)に当接
させるようにすればよい。更に具体的には、ロック(4)
の端部(41)とフック支持体(1) の略中央部(13)に設けた
凹部(14)が、バネ体(5) の弾発力により係合し、フック
支持体(1) の脱落防止部(11)とフック(3) の先端部(31)
が安定したロック状態を維持するようにすればよい。な
お、図1には、ロック(4) を二股構造のフック後端部(3
2,32')間の空間内に安定的に収納するようにするため
に、該フック後端部(32,32')の間に誇設されたピン(43)
により軸着される。そして、該ピン(43)を利用して、常
にロック(4) の先端部(41)をフック支持体(1) の略中央
部(13)に当接させる弾発力が得られるようにバネ体(5)
を配設すればよい。
【0019】本発明のフック装置の第1の大きな特徴点
は、ロック(4) が解除されたとき、フック(3) の先端部
(31)とフック支持体(1) の脱落防止部(11)との開口幅略
180゜という極めて大きな開口幅に設定できるという
点である。図1には、前記したようにロック(4) を解
除、フック(3) が略180゜反転回動した状態が示され
ている。このような状態は、本発明において容易に達成
することができる。即ち、ロック状態を解除、例えばロ
ック(4) の操作レバー(42)をその自重にさからう方向に
反転させてロック状態を解除すると、フック(3) は図示
のように略180゜反転回動させることができる。その
際、ロック(4) の操作レバー(42)は、フック支持体(1)
の略中央部(13)の周側形状(円弧形状)の関係で反転角
度が大きくなるとともにフック後端部(32,32')間の二股
空間部に収納されるようになる。なお、本発明において
は極力、開口幅を大きくするということから、フック
(3) の背部(33)が、フック支持体(1) の側部(15)に当接
できるようにすることが好ましい。従って、フック支持
体(1) の構造上、フック(3) の反転回動を阻害するもの
は避けるべきである。例えば、フック(3) の回動中心と
なる接合ピン(2) の配置を工夫するとか、あるいは前記
したようにフック(3) の後端部(32,32')から突出してい
るロック(4) の操作レバー(42)などをフック(3) の後端
部(32,32')に収納させてしまうことが好ましい。更に、
図1にも示されているがフック支持体(1) の側部(15)を
ワイヤー固定部(12)からみて非対称の位置に設けること
が好ましい。
【0020】本発明のフック装置の第2の大きな特徴点
は、ロック(4) が解除されて前記したようにフック(3)
を図1に示されるように略180°反転回動され、フッ
ク(3) の背部(33)がフック支持体(1) の側部(15)に当接
する位置関係におかれたとき、該位置関係を維持し、フ
ック装置(F)を敷鉄板などの重量物から抜去する作業
を助力するための抜去用ロック(6) を配設している点で
ある。前記抜去用ロック(6) は、図1に示されるように
フック支持体(1) 側に配設された抜去用ロック本体(61)
とフック(3) 側に配設された係止部(62)から構成される
ものである。なお、本発明の抜去用ロック(6) におい
て、図1に図示された構造のものに限定されず、前記し
た抜去作業を助力するものであれば特段の制約を受けな
い。また、抜去用ロック本体(61)は、フック支持体(1)
の一側または両側に配設してもよく、これらの対応及び
共働関係で係止部(62)をフック(3) 側に配設すればよ
い。
【0021】前記した本発明の第1の特徴点及び第2の
特徴点の重要性は、図2〜図8を参照してなされる本発
明のフック装置(F)の使用態様の説明において言及さ
れる。図2〜図8は、図1に示される構造のフック装置
(F)の使用態様を説明する図である。なお、図を簡略
にするためバネ体(5) などが省略されている。
【0022】図2は、クレーン(C)のワイヤー先端
(R)が、フック装置(F)のワイヤー固定部(12)に取
付けられた状態を示す。
【0023】図3は、鉄板(I)を吊上げる為にロック
(4) の操作レバー(42)を上に揚げて(図2の矢線方向)
ロック状態を解除し、脱落防止部(11)とフック先端部(3
1)を開口させている状態を示す。なお、図3にはロック
(4) の操作レバー(42)がフック(3) の二股構造の後端部
(32,32')に形成される二股空間部に都合よく収納されて
いる状態も示されている。
【0024】図4は、フック支持体(1) の脱落防止部(1
1)が地面(E)に当たること無く、鉄板(I)に穿設さ
れた穴(H)と地面の間にフック(3) の先端部(31)を差
込んでいる状態を示す。なお、図4にはすでにロック
(4) の操作レバー(42)がフック(3) の二股構造の後端部
(32,32')に収納されている状態も示されている。
【0025】図5は、クレーン(C)の吊上げによって
徐々に鉄板を吊上げるときに、フック支持体(1) が垂直
になり上昇するにしたがい、フック(3) が閉じられるよ
うに回転して鉄板の穴(H)に食込んで行く状態を示
す。この時、鉄板(I)の吊上げとともにフック支持体
(1) の脱落防止部(11)とフック(3) の先端部(31)は矢線
の方向に移動し、両者は次第にロック状態に接近する。
【0026】図6は、クレーン(C)の吊上げによって
鉄板(I)を地面(E)から完全に吊上げた状態を示
す。この時、ロック(4) の端部(41)とフック支持体(1)
の略中央部(13)の凹部(14)は完全に係合し、フック先端
部(31)とフック支持体(1) の脱落防止部(11)は完全なロ
ック状態となる。
【0027】これ以降の鉄板(I)の敷設作業及びフッ
ク装置(F)の敷設された鉄板(I)からの抜去作業
は、本発明のフック装置(F)のもとで、安全かつ容易
に行なうことができる。図7は、所望の敷設場所におい
て、地面(E)に鉄板(I)を倒して敷設した直後の状
態を示すものである。この状態において、図示されるよ
うにフック(3)の一部が地面(E)に埋没していること
と、重量が数トンにおよぶ鉄板(I)が、該フック(3)
の埋没部位を押圧していること、を考え合わせると、図
7に示される状態からロック(4) を上方に回動してフッ
ク支持体(1) とフック(3) のロック状態を解除し、フッ
ク支持体(1) の脱落防止部(11)を反転させ、鉄板(I)
の穴(H)からフック(3) の先端部(31)を抜去する際
に、多大の負荷を作業者に与えてしまう。
【0028】図8は、抜去用ロック(6) により、前記し
た敷設された鉄板(I)からフック装置(F)を抜去す
る作業が容易化される理由を説明するものである。即
ち、フック装置(F)を図7の状態から図8の状態へす
るには、次のようにすればよい。 (a) 前記したように図7の状態でロック(4) を上方に回
動してフック支持体(1) とフック(3) のロック状態を解
除し、フック支持体(1) の脱落防止部(11)を反転回動さ
せる。 (b) 次いで、フック支持体(1) の側部(15)とフック(3)
の背部(33)を当接させるとともに、抜去用ロック(6) を
作用させる。即ち、フック支持体(1) に配設された抜去
用ロック本体(61)と、フック(3) に配設された係止部(6
2)を係合係止させる。 次いで、図8に示されるように、クレーンによりワイヤ
ーを介してフック装置(F)を吊上げるとフック装置
(F)は図示の方向に反転回動する。即ち、作業者に負
担を強いることなしに、鉄板の吊上げに利用したクレー
ンの動力により、フック装置(F)を敷設された鉄板
(I)から極めて容易に脱着させることができる。
【0029】本発明のフック装置(F)の応用例とし
て、重量のある鉄板の吊上げ作業について説明したが、
重量のあるブロック体など、各種の重量のある構造体の
吊上げにも効果的に適用できることはいうまでもないこ
とである。
【0030】
【発明の効果】本発明のフック装置は、鉄板等の重量の
ある各種の構造物の吊上げ、搬送、ならびに脱着作業を
極めて安全に、かつ効率的に行なうことができる。即
ち、本発明のフック装置は、脱落防止部とフック先端部
の開口幅を従来より大きくすることができるため、フッ
クを鉄板等の重量構造物に設けた穴部(引掛け口)に極
めて容易、かつ確実に引掛けることができ、また、吊上
げ搬送中及び脱着時はフック先端部と脱落防止部が一体
的にロックされているため重量構造物がフックから外れ
ず、更にフックの脱着は脱落防止部とフック先端部の開
口幅が大きいことと抜去用ロック機構により極めて容易
に行なうことができる。前記したように本発明のフック
装置は、重量構造物の吊上げ作業において、フックの外
れによる鉄板等の重量構造物の転倒事故を防ぐことがで
きることから、現場での安全作業を向上させることがで
き、更に重量構造物から極めて容易にフック装置を脱着
できることから作業性に優れており、その意義は大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施装置態様のフック装置の正
面図である。
【図2】 本発明のフック装置の使用態様を示すもの
で、吊上げ作業時の第一段階を示す。
【図3】 本発明のフック装置の使用態様を示すもの
で、開口幅を大きくした段階を示す。
【図4】 本発明のフック装置の使用態様を示すもの
で、鉄板の穴にフックを引掛ける段階を示す。
【図5】 本発明のフック装置の使用態様を示すもの
で、鉄板の吊上げの初期段階を示す。
【図6】 本発明のフック装置の使用態様を示すもの
で、鉄板を完全に吊上げた段階を示す。
【図7】 本発明のフック装置の使用態様を示すもの
で、鉄板を敷設場所に敷設した状態を示す。
【図8】 本発明のフック装置の使用態様を示すもの
で、敷設された鉄板からフック装置を抜去する態様を説
明する図である。
【符号の説明】
F……………フック装置 1……………フック支持体 3……………フック 4……………ロック 6……………抜去用ロック 61…………抜去用ロック本体 62…………抜去用ロック本体の係止部

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吊上げ装置のワイヤー先端部に取付けら
    れ、重量物を吊上げるためのフック(F)において、前
    記フック装置(F)が、 (i).先端部に脱落防止部(11)、後端部にワイヤー固定部
    (12)を有するフック支持体(1)、 (ii).フック(3)の後端部(32,32')が二股構造であり、該
    二股構造の空間内に配置された前記フック支持体(1)の
    略中央部(13)を貫通し、該後端部(32,32')間に誇設した
    接合ピン(2)を介して前記フック支持体(1)に対して回動
    自在に配設されたフック(3)、 (iii).前記フック支持体(1)の脱落防止部(11)と前記フ
    ック(3)の先端部(31)が略当接関係にあるときに、前記
    フック支持体(1)と前記フック(3)をロック状態とするロ
    ック(4)であって、前記ロック(4)は、前記フック(3)の
    後端部(32,32')の二股空間内に配設されたものであり、 (iv).前記フック(3)と前記フック支持体(1)は、前記フ
    ック(3)と前記ロック(4)のロックが解除されて前記フッ
    ク(3)が前記フック支持体(1)の脱落防止部(11)に対して
    反転回動されたとき、 (iv)-1.前記フック支持体(1)の脱落防止部(11)が、前記
    フック(3)の先端部(31)の内側及び後端部(32,32')の内
    側に接して描いた仮想略平行線の内側に存在しないよう
    に配設され、かつ、 (iv)-2.前記ワイヤー固定部(12)の中心と接合ピン(2)の
    中心を結ぶ線分と、前記仮想略平行線とが略平行になる
    ように配設されたものであり、及び、 (v).前記フック(3)の背部(33)が前記フック支持体(1)の
    側部(15)に当接する配置関係にあるときに、前記配置関
    係を維持しつつフック装置(F)の重量物からの抜去を
    助力するための抜去用ロック(6)であって、前記抜去用
    ロック(6)は、前記フック支持体(1)の側に配設された抜
    去用ロック本体(61)と前記フック(3)の側に配設された
    係止部(62)とから構成されたものである、 ことから成ることを特徴とする重量吊上げ用フック装
    置。
  2. 【請求項2】 二股構造のフック(3)の後端部(3
    2,32´)の空間内に配設されたロック(4)の端部
    (41)が、バネ体(5)の弾発によりフック支持体
    (1)の略中央部(13)に当接するものである請求項
    1に記載の重量物吊上げ用フック装置。
  3. 【請求項3】 ロック(4)の端部(41)が、フック
    支持体(1)の略中央部(13)に設けた凹部(14)
    に係合してロック状態となる請求項2に記載の重量物吊
    上げ用フック装置。
  4. 【請求項4】 ロック(4)の操作レバー(42)が、
    フック支持体(1)の脱落防止部(11)とフック
    (3)の先端部(31)がロック(4)により係合解除
    されたとき、フック(3)の後端部(32,32´)か
    ら突出するものである請求項2に記載の重量物吊上げ用
    フック装置。
  5. 【請求項5】 ロック(4)の操作レバー(42)が、
    フック支持体(1)の脱落防止部(11)とフック
    (3)の先端部(31)がロック(4)により係合解除
    され、かつ、フック(3)の背部(33)をフック支持
    体(1)の側部(15)の方向に反転回動させたとき、
    二股構造のフック(3)の後端部(32,32´)間の
    空間内に収納するものである請求項4に記載の重量物吊
    上げ用フック装置。
  6. 【請求項6】 抜去用ロック(6)が、フック支持体
    (1)側のワイヤー固定部(12)の近傍部位に配設さ
    れた抜去用ロック本体(61)と、前記抜去用ロック本
    体(61)を係止するためのフック(3)側に配設され
    た係止部(62)とから構成されるものである請求項1
    に記載の重量物吊上げ用フック装置。
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