JP3227317B2 - 毛髪染毛前処理剤および毛髪染毛前処理化粧料ならびに染毛方法 - Google Patents

毛髪染毛前処理剤および毛髪染毛前処理化粧料ならびに染毛方法

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JP3227317B2 JP26621994A JP26621994A JP3227317B2 JP 3227317 B2 JP3227317 B2 JP 3227317B2 JP 26621994 A JP26621994 A JP 26621994A JP 26621994 A JP26621994 A JP 26621994A JP 3227317 B2 JP3227317 B2 JP 3227317B2
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カネボウ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚につかず、毛髪に
特異的に結合する抗毛髪ケラチン抗体を用いた染毛方法
において用いられる毛髪染毛前処理剤(以下、単に毛髪
前処理剤という)、それを含有する毛髪染毛前処理化粧
(以下、単に毛髪前処理化粧料という)、および染毛
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、抗体を利用した化粧料の研究がな
されている (特開平5−163123号公報)。抗体を
用いる化粧料は、抗体が蛋白質であること等から、毛髪
を損傷させず、また皮膚に対する刺激も少ない等の利点
を有する。
【0003】しかし、これを染毛剤として用いる際に
は、抗体に充分量の色素を結合させることはできず、ま
た抗体の毛髪への結合力も不十分となり、到底染毛料と
して実用に供することはできなかった。その点を解決す
るために特願平4−351973号公報、特願平4−3
51971号公報および特開平2−134012号公報
においては、抗体に、顔料又は色素を修飾したものや酵
素を修飾したものを染毛剤として使用する方法が示され
ている。しかしながら、実際に染毛効果を十分に発揮さ
せるためには、さらに抗体自身を毛髪へ効率的に結合さ
せる必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的とするところは、抗毛髪抗体を利用した、着色性が
良く、色落ちしにくく、皮膚を染色せず、皮膚刺激がな
く、しかも毛髪の感触を向上させる染毛剤または毛髪化
粧料の染毛効果を高める毛髪前処理剤、さらに該毛髪前
処理剤を含有する毛髪化粧料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記課題を達成する方法を鋭意検討した結果、架橋構造を
有するケラチンタンパク繊維を液体中で還元処理し、つ
いで不溶物を除いた溶液にカチオン界面活性剤を加えた
後に、還元剤を除去することにより得られる可溶性ケラ
チンタンパク質かケラチン蛋白質からなる毛髪前処理
剤、該毛髪前処理剤を含有する毛髪処理料で毛髪を処理
した後、ケラチン蛋白質に対して免疫活性有する抗体に
顔料又は色素や酵素を修飾したものを含有する染毛剤で
染毛することにより、着色性を飛躍的に向上できること
を発見し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明の請求項1は、架橋構造
を有するケラチンタンパク繊維を液体中で還元処理し、
ついで不溶物を除いた溶液にカチオン界面活性剤を加え
た後に、還元剤を除去することにより得られる可溶性ケ
ラチンタンパク質、または架橋構造を有するケラチンタ
ンパク繊維を還元剤とカチオン界面活性剤を含む液体中
と接触させ、ついで不溶物を除いた溶液から還元剤を除
去することにより得られる可溶性ケラチンタンパク質か
らなる毛髪前処理剤である。
【0007】また、請求項2は、請求項1記載の毛髪前
処理剤を含有することを特徴とする毛髪前処理化粧料で
ある。
【0008】さらに、請求項3は、毛髪を、請求項1記
載の毛髪前処理剤または請求項2記載の毛髪前処理化粧
料で処理した後、顔料又は色素で修飾されたケラチン蛋
白質に対して免疫活性を有する抗体で染毛することを特
徴とする染毛方法である。
【0009】請求項4は、毛髪を、請求項1記載の毛髪
前処理剤または請求項2記載の毛髪前処理化粧料で処理
した後、酵素で修飾されたケラチン蛋白質に対して免疫
活性を有する抗体で染毛することを特徴とする染毛方法
である。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明に用いるケラチン含有物質としては、ヒト、羊、山
羊、馬、豚、牛、兎等の毛や爪、各種鳥類の羽毛が好ま
しく用いられるが経済的な面からは羊毛が望ましい。ま
た、効果の面からは、抗体を作製する時の抗原を調製し
た動物の種に近い種を用いることが望ましい。
【0011】還元剤としては一般的なもので良く、チオ
グリコール酸、メルカプトエタノールや亜硫酸水素ナト
リウムが用いられる。これら還元剤の濃度は、ケラチン
含有物質10 gに対して0.05〜0.5モルで使用さ
れる。ケラチン含有物質の還元処理に用いる溶媒は、使
用時の簡便さから水や緩衝液が用いられる。その量は、
ケラチン含有物質の溶媒に対する割合が0.5〜10重
量%程度が好ましい。
【0012】また、毛髪、爪、獣毛、羽毛、角、蹄等
は、ジスルフィド結合が開裂しても水素結合のために液
体媒体に対する溶解性が十分でない時がある。この様な
場合は液体媒体中に尿素、チオ尿素等のタンパク質変性
剤、水酸化ナトリウム、アンモニア等のアルカリ、塩化
ナトリウム等の無機塩などを溶解助剤として含有させ還
元物の溶解性を付与した溶液を用いるのが良い。このよ
うな溶解助剤は、その用量が多いほど有効であるが、液
体媒体に対する溶解性や後の還元剤等の除去操作の効率
を考慮して適当量が決定される。
【0013】還元可溶化反応は中性でも良好な結果が得
られるが、望ましくはアルカリ性下、さらに望ましくは
pH10〜11で行なうことが好ましい。また、反応温度
と反応時間は、還元反応が完全に行なわれるように適宜
組み合わせる。たとえば、室温では3〜6時間、5℃で
は24〜48時間、40〜60℃では30〜120分反
応を行なえば十分である。
【0014】得られたケラチン溶液中の還元剤や溶解助
剤等の除去処理の前に、溶液中に存在している不溶物を
予め遠心分離や濾過によって除去しておく。
【0015】不溶物の除去後、ケラチン溶液に加えるカ
チオン界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩であ
る塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリ
ルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルジメチルベン
ジルアンモニウム、N−ヒドロキシエチルプロピルアル
キルアマイドニトレート等が用いられる。
【0016】カチオン界面活性剤の添加量は、溶液中に
0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%、さ
らに好ましくは0.5〜2重量%が良い。添加量はケラ
チン溶液の濃度や、原料ケラチンの種類によって異なる
が、10重量%を超えると経済的に好ましくない傾向に
なる。
【0017】さらに、このカチオン界面活性剤の添加
は、最初の還元剤添加時に予め加えておいても良い。
【0018】還元剤の除去は、透析、ゲル濾過、膜濾
過、電気透析等の手段で行なう。この除去によりケラチ
ン溶液は、濁りや不溶物の全くない液として得ることが
できる。
【0019】得られたケラチン溶液は、膜や乾燥によっ
て濃縮することができ、またさらに乾燥させることによ
り、乾燥粉末を得ることができる。なお、このようにし
て得られたケラチンは水溶解性が非常に高い。また、ケ
ラチンタンパク中のアミノ酸100残基あたり、システ
インを0.5〜5個、シスチンを0.5〜5個含み、分
子量は40,000〜70,000の高分子ケラチンで
ある。また、この保存安定性は非常に高く、溶液状態で
少なくとも半年間は不溶物を生じなかった。
【0020】この可溶性ケラチンタンパク質からなる毛
髪前処理剤は、溶液状態、あるいはシャンプー、リン
ス、スタイリングフォーム、ヘアーコンディショナー、
ヘアーパック、ヘアークリーム、ヘアーリキッド、ヘア
ートニック、パーマネントウェーブ用剤シャンプー、リ
ンス、セット剤、パーマ剤に配合し、毛髪に適用され
る。
【0021】その配合量は、最終ケラチン濃度で0.0
1〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜
2.0重量%である。
【0022】本発明において毛髪前処理剤あるいは毛髪
化粧料と、毛髪とを固定化するには、物理的吸着や化学
的結合等が用いられる。
【0023】物理的吸着は、毛髪に、毛髪前処理剤ある
いは該毛髪前処理剤を含有する毛髪化粧料を施与するこ
とによって行なうことができる。
【0024】化学的結合による場合は、毛髪の官能基
(アミノ基、カルボキシル基、スルフィド基等)を利用
して行なう。
【0025】これらの官能基と、毛髪前処理剤あるいは
該毛髪前処理剤を含有する毛髪化粧料は、公知の方法に
より結合させることができる。官能基がアミノ基である
場合はグルタルアルデヒドにより、カルボキシル基であ
る場合には水溶性カルボジイミドである1−エチル−3
−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドによ
り結合できる。また、SH基の場合にはN−スクシニミ
ジル−3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオネート
(以下SPDPと略記する)のような架橋試薬が利用で
きる。
【0026】本発明に用いられる毛髪蛋白質に対して免
疫活性を有する抗体は、特願平4−351973号公
報、特願平4−351971号公報および特開平2−1
34012号公報における記載の方法を用いることがで
きる。すなわち、上述した毛髪蛋白質を牛、馬、羊、ヤ
ギ、兎、ニワトリ等に免疫し、その常乳、初乳、血清、
卵黄等から抽出することによって、得ることができる
が、牛の常乳または初乳、あるいは卵黄より得られる抗
体が、大量に取得できるため好ましい。
【0027】以上述べた抗体原料からの抗体の精製は公
知の方法に従えばよく、たとえば適当な方法により脂質
を除いたのち、硫安分画法、アルコール沈澱法あるいは
膜分離法などにより精製し、粗精製抗体を得ることがで
きる。必要ならばイオン交換クロマトグラフィーやゲル
濾過クロマトグラフィー等でさらに精製を行ない精製抗
体を得ることができる。さらに、必要ならば免疫に用い
た抗原をリガンドとするアフィニティークロマトグラフ
ィーを行なうことにより、高純度精製抗体を得ることが
できる。
【0028】また、目的とする抗体を産生する抗体産生
細胞とミエローマ細胞の融合細胞から、モノクローン抗
体として抗体を得ることもできる。
【0029】以上のようにして得られた抗体は、パパイ
ンあるいはペプシン等の酵素で処理し、免疫グロブリン
のFc部分を除去した抗体断片としてもよい。また、2
−メルカプトエタノールで抗体を還元して得られるH鎖
やL鎖を用いてもよい。さらに、免疫した動物の脾臓細
胞あるいはリンパ球からクローニングされた免疫グロブ
リン遺伝子断片を導入した微生物あるいは培養細胞の産
物であってもよい。
【0030】本発明において抗体を顔料に固定化するに
は、直接固定化する方法と高分子担体を介する方法があ
り、そのいずれも、色素結合抗体(直接結合)に比べて
毛髪への結合力に優れているが、直接固定化する方法は
毛髪との結合力がより強いという点で好ましく、一方高
分子担体を介する方法は、官能面での改善が著しいとい
う点で好ましい。なお、抗体を色素に固定化するには、
高分子担体を介する方法が挙げられる。
【0031】本発明に用いられる高分子担体としては、
不溶性高分子担体、水溶性高分子担体等が挙げられる。
不溶性高分子担体は、毛髪のはり、弾力感、こし、すべ
り、まとまり、風合いの改善が著しいという点で好まし
く、水溶性高分子担体は、毛髪のしっとり感、なめらか
さ、しなやかさ、すべり、風合いの改善が著しいという
点で好ましい。
【0032】不溶性高分子担体としては、合成高分子ポ
リマー、不溶性蛋白質、不溶性多糖、リポソーム等が挙
げられる。
【0033】合成高分子ポリマーとしては、ポリスチレ
ン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリビニルトルエ
ン、ポリクロルメチルスチレン、ポリクロルスチレン、
ポリ塩化ビニル、ポリ臭化ビニル、ポリアクリロニトリ
ル、ポリメタクリロニトリル、ポリアクリル酸エチル、
ポリアクリル酸オクチル、ポリアクリル酸ヒドロキシプ
ロピル、ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メトキ
シエチル、ポリアクリル酸ヒドロキシエチル、ポリアク
リル酸ラウリル、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリメ
タクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタ
クリル酸プロピル、ポリメタクリル酸ブチルアミノエチ
ル、ポリヒドロキシメタクリル酸、ポリ酢酸ビニル、ポ
リアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポ
リスチレンスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸)、ポリアクリルアミド、
ポリメタクリルアミド、ポリ{N−(2−ヒドロキシプ
ロピル)メタクリルアミド}、ポリ(2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート)、ポリ(グリセロールモノメタク
リレート)、ポリ(2−オキシエチルアクリレート)、
ポリ(2−オキシエチルメタクリレート)、ポリエチレ
ングリコールメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブテン、ポリイソブテン等の重合体及びこ
れらの共重合体、ポリウレタン、ポリウレタンとシリコ
ン等との共重合体、ナイロンビーズ等が挙げられる。ま
た、それらのビーズの表面を改質したものを用いること
もできる。これらの合成高分子のうち、粒子径の制御が
容易であるという点で、ポリスチレンが好ましい。
【0034】不溶性蛋白質としては、中性で不溶性のも
のや、水溶性の蛋白質を架橋して不溶化・高分子化した
ものを使用すればよい。具体的には、フィブロイン、ゼ
ラチン、コラーゲン等が挙げられる。
【0035】不溶性多糖としては、架橋したアガロー
ス、デキストラン、キチン等が挙げられる。
【0036】リポソームの原料となる脂質としては、フ
ォスファチジルコリン、フォスファチジルセリン、フォ
スファチジルエタノールアミン、リゾレシチン等のリン
脂質等が挙げられる。
【0037】これらの不溶性高分子担体の粒子形態は特
に限定されるものではなく、球形や板状であっても使用
できるが、粒子サイズの揃った球形のものが好ましい。
また、大きさについては特に限定されないが、0.00
1〜100μmの大きさが好ましく、特に0.001〜
1μmが、高い染毛度が得られる点で好ましい。
【0038】不溶性高分子担体と抗体の量比は使用する
不溶性高分子担体によって異なり一概に規定できるもの
ではないが、不溶性高分子担体1g あたりに、抗体0.
01〜100mgが固定化されているのが好ましい。
【0039】水溶性高分子担体としては、天然物、合成
物を問わず使用することができる。このようなものとし
ては天然物由来の多糖類、蛋白質等が挙げられる。多糖
類としては、たとえば植物由来のデンプン、アミロー
ス、アミロペクチン、ペクチン、カラギーナン、マンナ
ン、ガラクタン、アルギン酸ナトリウム、トラガントゴ
ム、アラビアゴム等、微生物由来のデキストラン、プル
ラン、カードラン、レバン、グルカン、スクシノグルカ
ン、キサンタンガム等、動物由来のヒアルロン酸、コン
ドロイチン硫酸等が挙げられる。
【0040】蛋白質としては、にかわ、ゼラチン、カゼ
イン、コラーゲン、フィブロイン等が挙げられる。
【0041】半合成物としては、ビスコース、メチルセ
ルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、可溶化デンプン、カルボキシメチルデン
プン、ジアルデヒドデンプン等が挙げられる。
【0042】合成物としてはポリビニルアルコール、カ
ルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、
ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリリ
ジン、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸等が挙げ
られる。
【0043】これらの水溶性高分子担体の粒子形態は特
に限定されるものではなく、直鎖型でも分岐鎖型であっ
ても使用できるが、ある程度分子量の揃ったものが好ま
しく、たとえば分子量1万から200万のものが挙げら
れる。
【0044】水溶性高分子と抗体の量比は、使用する高
分子によって異なり一概に規定できるものではないが、
水溶性高分子1gあたりに、抗体0.01mg〜1g が固
定化されているのが好ましい。
【0045】本発明に用いられる顔料、色素としては、
チタンブラックや白色チタン等の酸化チタン、酸化鉄、
磁性粒子等の無機顔料、有機顔料、タール系色素を始め
とする各種の合成色素、反応性色素、蛍光色素、合成メ
ラニン色素、動物、植物、微生物由来の天然色素等が挙
げられるが、顔料およびタール系色素が、刺激が少ない
という点で好ましい。また、顔料は、抗体の毛髪への結
合を強固にするという点でも好ましい。
【0046】顔料の大きさは、一概には規定できない
が、0.01〜6μmが好ましい。
【0047】顔料、色素と抗体の量比は、その種類によ
って異なり一概に規定できるものではないが、抗体を直
接固定化する場合、抗体1g に対して顔料5〜100g
(顔料1g に対して抗体10〜200mg)が好ましく、
高分子担体を介して固定化する場合、高分子担体1g あ
たり1mg〜10g が好ましい。
【0048】本発明において顔料と抗体を直接固定化す
るには、物理的吸着や化学的結合が用いられる。物理的
吸着は、顔料と抗体を混合することによって行なうこと
ができる。化学的結合による場合は、顔料が有機官能基
を有している場合はよいが、無機顔料のように有機官能
基を有していない場合には、顔料の表面に有機官能基を
導入する必要がある。顔料の表面に有機官能基を導入す
る方法としては、カップリング剤を用いる方法やシリコ
ン処理等による方法等が挙げられる。カップリング剤と
しては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップ
リング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアル
ミネート系カップリング剤等が挙げられる。シリコン処
理に用いるものとしては、アミノ変性シリコンや、カル
ボキシ変性シリコン等が挙げられる。たとえば、3−ア
ミノプロピルトリエトキシシランを反応させれば、顔料
表面にアミノ基を導入することができる。このアミノ基
に無水グルタル酸や無水コハク酸を反応させることによ
りカルボキシル基に変換することも可能である。また、
3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを反応させ
れば、SH基を導入することができる。
【0049】これら有機官能基と抗体は、公知の方法に
より結合させることができる。官能基がアミノ基である
場合はグルタルアルデヒドにより、カルボキシル基であ
る場合には水溶性カルボジイミドである1−エチル−3
−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドによ
り結合できる。また、SH基の場合にはN−スクシニミ
ジル−3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオネートの
ような架橋試薬が利用できる。
【0050】本発明において、不溶性高分子担体または
水溶性高分子担体に顔料、色素を保持させる方法として
は、物理的方法と化学的方法が挙げられる。物理的方法
としては、顔料、色素を不溶性高分子担体に吸着させる
吸着法、不溶性高分子担体作製時に顔料、色素を添加す
る内添法、不溶性高分子担体内に顔料、色素を包み込む
内包法、不溶性高分子担体内で色素前駆体を重合させる
重合法等がある。官能基を有する不溶性高分子担体ある
いは水溶性高分子担体を用いる場合、化学的結合により
固定化することができる。官能基としてはアミノ基、カ
ルボキシル基、アルデヒド基、水酸基、チオール基等が
利用される。多糖はそのまま用いてもよいが、必要に応
じて化学修飾を施してもよい。たとえば、多糖をメタ過
ヨウ素酸等で酸化すればアルデヒド基を生成させること
ができる。このアルデヒド基にジアミン類を反応させれ
ばアミノ基を、ε−アミノカプロン酸等を反応させれば
カルボキシル基を導入させることも可能である。また、
多糖に塩化シアヌルやシアン化臭素等の活性化試薬を反
応させ多糖に反応性をもたせることも可能である。
【0051】本発明において、不溶性高分子担体または
水溶性高分子担体に抗体を固定化させる方法としては、
物理的吸着または化学的結合が挙げられる。化学的結合
に用いられる抗体の官能基としてはアミノ基、カルボキ
シル基、チオール基、糖鎖部分などがあり、色素と担体
の結合の場合と同様にして固定化することができる。た
とえば糖鎖部分を結合に用いる場合は糖鎖部分をメタ過
ヨウ素酸等で酸化してアルデヒド基を生成させ、担体の
アミノ基との間でシッフ塩基形成により固定化すること
ができる。チオール基を用いる場合はSPDP試薬等を
用いて固定化することができる。
【0052】以上のようにして得られた、抗体が固定化
された顔料または色素は、水溶液等の様に適当な溶媒を
用いた溶液または分散液として、あるいは凍結乾燥、噴
霧乾燥等の操作により得た乾燥品として供される。
【0053】また酵素結合抗体は、以下に示す方法によ
って作製することができる。これら酵素と抗体は、公知
の方法により結合させることができる。官能基がアミノ
基である場合はグルタルアルデヒドにより、カルボキシ
ル基である場合には水溶性カルボジイミドである1−エ
チル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイ
ミドにより結合できる。また、SH基の場合にはN−ス
クシニミジル−3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオ
ネートのような架橋試薬が利用できる。この酵素結合抗
体を染毛剤として用いる場合には、毛髪に抗体を結合さ
せた後、発色薬剤を用いることにより酵素の作用で毛髪
を染色することができる。
【0054】以上のようにして得られた修飾抗体は、着
色に十分な量の顔料または色素を担っており、毛髪に特
異的に反応結合し、着色することができるほか、はり、
すべり、まとまり、風合い、しっとり感、なめらかさ、
しなやかさ等の毛髪の感触を向上させることもできる。
特に、不溶性高分子担体として合成高分子ポリマーを用
いた場合には、毛髪にこしと弾力感を、不溶性蛋白質を
用いた場合には、しなやかさを、不溶性多糖を用いた場
合には、しっとり感を、リポソームを用いた場合にはつ
やを、水溶性高分子担体を用いた場合には、しっとり感
を付与することができる。また、顔料に直接抗体を固定
化した染毛剤は、従来の色素(直接)結合抗体に比べ
て、毛髪蛋白質に対する結合力が強固である。
【0055】本発明の毛髪化粧料中における染毛剤の含
有量は、化粧料の種類等により適宜定めれば良いが、一
般に化粧料総量を100として0.01〜80重量%程
度である。
【0056】本発明では、色素,顔料や酵素等で修飾し
た抗毛髪蛋白質抗体と本発明の毛髪前処理剤あるいは該
毛髪前処理剤を含有する毛髪前処理化粧料を組み合わせ
ることによって、従来にない高い染毛度を有する染毛方
法を提供することができる。
【0057】また、本発明の毛髪前処理剤あるいは該毛
髪前処理剤を含有する毛髪前処理化粧料を使用すること
によって、抗毛髪蛋白質抗体を含有する染毛料の毛髪に
対する結合力が増大し、さらには官能面でも改善が著し
く改善するといった優れた効果を得ることができる。
【0058】
【作用】毛髪に施与されたケラチン等に染毛料を有する
抗毛髪ケラチン抗体が特異的に結合することによって、
高い染毛効果を得ることができる。
【0059】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。
【0060】実施例1(可溶性ケラチンの調製) 羊毛 (雑種) 20g を3%β−メルカプトエタノールと
1mM EDTAを含む8M 尿素水溶液(600ml)に浸漬
し、10%水酸化カリウムでpHを10.5にした。つい
で脱気操作を行なったのちに密閉した。室温で3時間攪
拌し還元を行なった後、6N HClでpHを中性に戻し、
12,000r.p.m.、4℃で30分間遠心分離を行ない7
40mlの上清を得た。この溶液にカチオン界面活性剤で
ある塩化ステアリルトリメチルアンモニウム (カチオン
AB600 、63% 品) を最終濃度2%になるように加え、完
全に均一にした後、還元剤を除去するために透析膜を用
い、10リットルのイオン交換水に対して各3時間、3
回透析操作を行なった。その結果、不溶物のない透明な
ケラチン溶液を得ることができた。羊毛20g から可溶
化ケラチンタンパクの回収率は76.5重量%であっ
た。タンパク濃度は30.0 mg/mlであった。また、分
子量を測定したところ、還元剤非存在下処理で40,0
00〜70,000であった。なお、分子量の測定はソ
ジウムドデシルサルフェート−ポリアクリルアミドゲル
電気泳動法(SDS−PAGE)により行った。
【0061】比較例1 カチオン界面活性剤のかわりにアニオン界面活性剤とし
てドデシル硫酸ナトリウム (半井社製) を用いる以外は
実施例1と同様の方法でケラチン溶液を得た。その結
果、可溶化ケラチンタンパクの回収率は70重量%であ
った。また、分子量は40,000〜70,000であ
った。
【0062】実施例2(抗カルボキシメチル化ケラチン
抗体の調製) A.抗原(カルボキシメチル化ケラチン)の調製 男性の健常毛髪5g と女性の健常毛髪5g とを混合し、
2%ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(3E.
O.)水溶液にて洗浄した。洗浄した健常毛髪を2500
mlの、8M 尿素および0.2M 2−メルカプトエタノー
ルを含有する0.2M トリス塩酸緩衝液(pH9.2)中
で50℃窒素バブリング下にて1時間撹拌し、テフロン
ホモジナイザーを用いてすりつぶした。上記の抽出操作
を繰り返し、得られた抽出液を1,000×gで30分
間遠心することで不溶物を除き、毛髪ケラチン抗原抽出
液を得た。これに200g のモノヨード酢酸(予め40
0g のトリスを溶かした溶液760mlに溶かす)溶液を
加え、室温遮光下で1時間撹拌反応させた。7mlの2−
メルカプトエタノールを加えて反応を止め、充分量の水
に対して透析し、5μmのフィルターを通し、不溶物を
除去し毛髪ケラチン抗原水溶液を得た(6リットル)。
さらに、この液4容量部に0.5M 酢酸ナトリウム緩衝
液(pH4.2)1容量部を添加し(pH4.2になる様に
酢酸で調製)、毛髪ケラチンを等電点沈澱させた。1
0,000×gで10分間遠心し、上清部を除き、沈澱
物を集めた。その沈澱物を生理食塩水にて溶解させ、
0.2μmのフィルターを通して除菌し、さらに限外濾
過膜にて濃縮してカルボキシメチル化ケラチンを得た
(蛋白質として2.6g )。
【0063】B.牛の免疫化 上記で調製したカルボキシメチル化ケラチン抗原溶液の
蛋白質濃度を生理食塩水にて20mg/ml に調整し、その
溶液とフロインドの完全アジュバントを1:1の容量割
合で混合して油中水型のエマルジョンを作製した。出産
2か月前の妊娠ホルスタイン牛2頭の首に1頭当たり
5.0mlの前記エマルジョンを皮下投与した。その後1
0日間隔で、フロインドの不完全アジュバントで作製し
た初回免疫と同量の抗原を含んだエマルジョンを、皮下
あるいは筋注にて投与し免疫化した(1〜3回目;皮下
投与、4〜5回目;筋注)。
【0064】C.抗体の採取と精製 上記抗原を免疫した牛の初乳を出産直後より3日間補集
した。クリームセパレーターを用いて、初乳より脂肪層
を除き、脱脂乳を得た。このようにして得られた脱脂乳
から、以下のような方法にて抗体の分画精製を行なっ
た。すなわち、脱脂乳に0.1N 塩酸を添加してpH4.
5に調整し、カゼインを沈澱させた。沈澱物を濾布にて
荒く除いた後、2,500×gの連続遠心操作にて上清
を得た。得られた上清を中和した後、33%飽和になる
ように硫酸アンモニウムを加え、抗体を塩析させた。
2,500×gの連続遠心操作にて沈澱部を集め、生理
リン酸緩衝液(以下PBSと略記)に溶解した。この硫
安塩析操作を繰り返した。得られた溶液を10mMリン酸
緩衝液(pH7.5)に対して透析し、同緩衝液にて平衡
化した2リットルのジエチルアミノセルロースカラム
(DEAE−セルロースカラム、DE−52、ワットマ
ン製)に5回に分けてアプライした。同緩衝液にて、未
吸着の蛋白を洗い流した後、50mM塩化ナトリウム含有
の同緩衝液にて抗体を溶出させ、この画分を集めた(抗
体として200g )。この画分の抗体純度は90重量%
以上であった。この画分を、精製毛髪ケラチンを常法に
て結合させた400mlのアフィニティ担体(アフィゲル
15、バイオラッド社)に5回に分けて供した。アフィ
ニティ担体に結合した抗毛髪ケラチン抗体を、0.2M
グリシン塩酸緩衝液(pH2.5)にて溶出させ、直ちに
3M トリス溶液にてpHを8付近に調整し、毛髪ケラチン
抗原に対して特異的に結合する抗毛髪ケラチン抗体(ア
フィニティ精製)を得た。以下、単に抗ケラチン抗体と
記載する。
【0065】D.対照抗体の調製 免疫化しない牛の初乳からも本手法と同様に抗体を精製
し、これを対照抗体とした。なお、比較例に使用した対
照抗体は、DEAE−セルロースカラムで精製した、純
度90重量%以上のものであった。
【0066】実施例3(チタンブラックへの抗カルボキ
シメチル化ケラチン抗体の固定化) A.チタンブラックの表面処理 チタンブラック10S(粒径0.025μm、三菱金属
社製)1g を蒸留水10mlに超音波で分散させた。この
分散液に1%の3−アミノプロピルトリエトキシシラン
水溶液75μlを加え、室温で2時間撹拌した。40℃
に加温しながらエバポレーターで減圧脱水した後、11
0℃で10分間乾燥させることで、チタンブラック表面
にアミノ基を導入した。
【0067】B.シラン処理チタンブラックとグルタル
アルデヒドとの反応 シラン処理にてアミノ基を導入したチタンブラック80
mgを蒸留水4mlに超音波で分散させた。この分散液に
0.25%グルタルアルデヒド水溶液4mlを加え、室温
で2時間撹拌した。20℃、10,000r.p.m.、20
分間遠心し、蒸留水8mlに再分散させた。この洗浄操作
を5回繰り返した。
【0068】C.チタンブラックと抗ケラチン抗体の結
合 グルタルアルデヒド処理したチタンブラック1%分散液
0.5mlに、PBSで10mg/ml に調整した抗ケラチン
抗体溶液0.5mlを加え、4℃で一晩撹拌した。20
℃、12,000r.p.m.、20分間遠心し、0.1%ウ
シ血清アルブミン(以下BSAと略記する)含有PBS
0.5mlに再分散させた。もう一度20℃、12,00
0r.p.m.、20分間遠心し、0.1%BSA含有PBS
0.5mlに再分散させたのち、室温で1時間放置し
た。つぎに0.005M 水素化ホウ素ナトリウム水溶液
を10μl加え、室温で1時間放置した。20℃、1
2,000r.p.m.、20分間遠心し、0.1%Twee
n20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレー
ト、20E.O.)および0.1%BSAを含有するPBS
0.5mlに再分散させた。得られた染毛剤には、チタン
ブラック1g あたり144mgの抗体が固定化されてい
た。
【0069】比較例2 実施例3において、抗ケラチン抗体の代わりに実施例2
−Dの対照抗体を固定化したチタンブラックを製造し、
これを比較例2とした。得られた染毛剤には、チタンブ
ラック1g あたり243mgの抗体が固定化されていた。
【0070】実施例4(可溶化ケラチンによる毛髪処
理) 実施例1にて調製した可溶化ケラチンをPBSによりタ
ンパク濃度10mg/mlに調整した。この可溶化ケラチン
溶液に約4cmのヒト白髪毛束を浸積させた。5分後、白
髪毛束を取り出し、乾燥させた。この操作により、可溶
化ケラチンが表面ないしは、毛髪内部に固定化したヒト
白髪毛束を作製することができた。
【0071】試験例1(染毛試験) 実施例3および比較例2の染毛剤を0.1%Tween
20および0.1%BSAを含有するPBSで希釈し、
顔料およびラテックスの濃度が0.1%になるように調
整した。各染毛剤1mlに実施例4で作製したヒト白髪の
毛束または可溶化ケラチン処理をしていない未処理のヒ
ト白髪の毛束を浸漬し、室温下1時間回転させた。つい
で、この毛束を0.02%Tween20含有生理食塩
水中で振り洗いして風乾し、目視により染毛度を評価し
た。なお、○は「染まっている。」、×は「染まってい
ない。」を表す。また、○の数が多いほどよく染毛され
ていることを示しておりその最高数は5である。結果を
表1にまとめた。
【0072】
【表1】
【0073】表1からわかる通り、何も処理していない
ヒト白髪は、抗ケラチン抗体を用いた実施例3の染毛剤
にて染毛されたが、可溶化ケラチンで処理した実施例4
の毛髪はそれ以上に染毛され、可溶化ケラチンで前処理
することにより飛躍的に染毛度が向上した。一方、対照
抗体を用いた比較例2では、未処理、可溶化ケラチン処
理にかかわらず、ほとんど染毛されなかった。
【0074】比較例3(アニオン界面活性剤可溶化ケラ
チンによる毛髪処理) 比較例1にて調製したアニオン界面活性剤可溶化ケラチ
ンをPBSによりタンパク濃度10mg/ml に調整した。
この可溶化ケラチン溶液に約4cmのヒト白髪毛束を浸積
させた。5分後、白髪毛束を取り出し、乾燥させた。こ
の操作により、可溶化ケラチンが表面ないしは、毛髪内
部に固定化したヒト白髪毛束を作製することができた。
【0075】比較例4 実施例3の染毛剤を0.1%Tween20および0.
1%BSAを含有するPBSで希釈し、顔料およびラテ
ックスの濃度が0.1%になるように調整した。各染毛
剤1mlに実施例4および比較例3で作製したヒト白髪の
毛束を浸漬し、室温下1時間回転させた。ついで、この
毛束を0.02%Tween20含有生理食塩水中で振
り洗いして風乾し、目視により染毛度を評価した。な
お、評価法は試験例1と同様である。結果を表2にまと
めた。
【0076】
【表2】
【0077】表2から明らかな通り、抗ケラチン抗体を
用いた実施例3の染毛剤で染毛した場合、実施例4で調
製したヒト白髪は、比較例3で調製したヒト白髪よりも
より染毛された。すなわち、カチオン界面活性剤で可溶
化することにより作製した本発明の可溶化ケラチンは、
アニオン界面活性剤で可溶化することにより作製した可
溶化ケラチンよりも染毛剤の前処理剤として非常に優れ
ていることが明らかとなった。
【0078】実施例5(シャンプー) 実施例1の可溶化ケラチンを表3に示した組成でシャン
プーに配合し、常法に従い製造した。
【0079】
【表3】
【0080】実施例6(リンス) 実施例3の染毛剤を表4に示す組成で配合し、着色効果
のあるリンスを常法に従い製造した。
【0081】
【表4】
【0082】実施例6のリンスを1ケ月間連用した。そ
して白髪の染まり具合、顔や手の染まり具合、シャンプ
ーによる色落ち、頭皮のかゆみやかぶれの有無、官能を
評価した。その結果、実施例6のリンスは白髪の染まり
が良く、顔や手の染まりも見られなかった。また、シャ
ンプーによる色落ちも見られず、頭皮のかゆみやかぶれ
等もなく、官能の向上も見られた。
【0083】試験例2〔前処理による染毛度向上試験
(実用テスト)〕 3名の白髪が目立つボランティアに協力により、ハーフ
ヘッドにて、片方は実施例4のシャンプー、もう片方に
は実施例4の可溶化ケラチンを除く以外は実施例5と同
組成のシャンプーを使用させ、つぎに実施例6の染毛剤
配合のリンスを使用させた。1週間連用の結果、実施例
5のシャンプーを使用したほうが白髪の染まりがよく、
目立たなくなるのが早かった。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、毛髪を損傷させず、ま
た皮膚刺激もなく、高い染毛効果を得ることができる。
しかも、毛髪を官能面でも改善することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 臼井 俊博 神奈川県小田原市寿町5丁目3番28号 鐘紡株式会社 生化学研究所内 審査官 内田 淳子 (56)参考文献 特開 昭63−301909(JP,A) 特開 平6−227955(JP,A) 特開 平7−330556(JP,A) 特開 平8−92295(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/06 - 7/155

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋構造を有するケラチンタンパク繊維
    を液体中で還元処理し、ついで不溶物を除いた溶液にカ
    チオン界面活性剤を加えた後に、還元剤を除去すること
    により得られる可溶性ケラチンタンパク質、または架橋
    構造を有するケラチンタンパク繊維を還元剤とカチオン
    界面活性剤を含む液体中と接触させ、ついで不溶物を除
    いた溶液から還元剤を除去することにより得られる可溶
    性ケラチンタンパク質からなる毛髪染毛前処理剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の毛髪染毛前処理剤を含有
    することを特徴とする毛髪染毛前処理化粧料。
  3. 【請求項3】 毛髪を、請求項1記載の毛髪染毛前処理
    剤または請求項2記載の毛髪染毛前処理化粧料で処理し
    た後、顔料又は色素で修飾されたケラチン蛋白質に対し
    て免疫活性を有する抗体で染毛することを特徴とする染
    毛方法。
  4. 【請求項4】 毛髪を、請求項1記載の毛髪染毛前処理
    剤または請求項2記載の毛髪染毛前処理化粧料で処理し
    た後、酵素で修飾されたケラチン蛋白質に対して免疫活
    性を有する抗体で染毛することを特徴とする染毛方法。
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