JP3226561B2 - Fsk信号受信回路 - Google Patents

Fsk信号受信回路

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JP3226561B2 JP09711691A JP9711691A JP3226561B2 JP 3226561 B2 JP3226561 B2 JP 3226561B2 JP 09711691 A JP09711691 A JP 09711691A JP 9711691 A JP9711691 A JP 9711691A JP 3226561 B2 JP3226561 B2 JP 3226561B2
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    • H04L27/10Frequency-modulated carrier systems, i.e. using frequency-shift keying
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    • H04L27/144Demodulator circuits; Receiver circuits with demodulation using spectral properties of the received signal, e.g. by using frequency selective- or frequency sensitive elements
    • H04L27/152Demodulator circuits; Receiver circuits with demodulation using spectral properties of the received signal, e.g. by using frequency selective- or frequency sensitive elements using controlled oscillators, e.g. PLL arrangements
    • H04L27/1525Demodulator circuits; Receiver circuits with demodulation using spectral properties of the received signal, e.g. by using frequency selective- or frequency sensitive elements using controlled oscillators, e.g. PLL arrangements using quadrature demodulation

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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば移動無線通信シ
ステムや光通信システムで使用される通信装置におい
て、受信FSK信号を受信し復調するために用いられる
FSK信号受信回路に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば移動無線通信システムでは、ディ
ジタル信号の変調方式として例えばFSK(Frequency
Shift Keying)方式が多く使用されている。図18は従
来より使用されているFSK信号受信回路の一例を示す
ものである。
【0003】同図において、アンテナ1で受信されたF
SK信号は、高周波増幅器2で増幅されたのち二分岐さ
れてそれぞれ混合回路3I,3Qに入力される。これら
の混合回路3I,3Qではそれぞれ上記受信FSK信号
が、局部発振器4から発生された局部発振信号およびこ
の局部発振信号を移相器5でπ/2移相した局部発振信
号と混合され周波数変換される。ここで、上記局部発振
信号の周波数は上記受信FSK信号の搬送波周波数と略
等しく設定されている。このため、上記混合回路3I,
3Qからは中間周波信号ではなくベースバンド信号がそ
のまま出力される。すなわち、混合回路3I,3Qでは
ダイレクトコンバージョン方式による復調がなされる。
そして、上記混合回路3I,3Qにより得られた各FS
K復調信号は、それぞれ低域通過フィルタ6I,6Qで
高周波成分が除去され、しかるのち低周波増幅器7I,
7Qで増幅されたのち振幅制限器8I,8Qで振幅が制
限されて検波回路9に入力される。尚、振幅制限器8
I,8Qを用いる理由は、移動無線通信システムで使用
した場合、電波の伝播状態の変化や伝送データの符号パ
ターンの変化によって受信FSK信号の包絡線が変動す
るので、この包絡線の変動の影響を抑圧するためであ
る。
【0004】検波回路9は、例えば図19に示す如く4
個のDフリップフロップ91a〜91dと、加算器92
と、2個の反転回路93a,93bとから構成される。
そして、Dフリップフロップ91a,91bにより、上
記振幅制限器8Iの出力信号ISおよびその反転信号を
トリガ信号として、上記振幅制限器8Qの出力信号QS
の信号レベルをそれぞれ判定する。また、Dフリップフ
ロップ91c,91dにより、上記振幅制限器8Qの出
力信号QSおよびその反転信号をトリガ信号として、上
記振幅制限器8Iの出力信号ISの信号レベルをそれぞ
れ判定する。そして、これらのDフリップフロップ91
a〜91dの判定出力を加算器92で相互に加算するこ
とにより検波出力RSを得ている。
【0005】この様な構成であるから、いま仮に図20
のスペクトラム特性に示したように搬送波周波数がfc
、ディジタル信号の2値に対応する周波数偏移が±δ
に設定されたFSK信号が受信されたとする。そうする
と、局部発振信号の周波数fLは予め上記搬送波周波数
fc と等しく設定されており、かつ混合回路3I,3Q
に供給される局部発振信号にはπ/2の位相差が与えら
れているため、低域通過フィルタ6I,6Qからは周波
数が上記周波数偏移δに等しくかつ位相が互いに直交し
た2つのベースバンド信号がそれぞれ得られる。これら
のベースバンド信号はそれぞれ a(t) cos(2πδt) a(t) cos(2πδt+π/2) =−a(t) sin(2πδt) で表される。尚、a(t) は、受信回路への入力電圧、高
周波増幅器2の利得、混合回路3I,3Qおよび低域通
過フィルタ6I,6Qの特性により決まる振幅である。
【0006】上記低域通過フィルタ6I,6Qから出力
された各ベースバンド信号は、それぞれ低周波増幅器7
I,7Qおよび振幅制限器8I,8Qで波形整形された
のち、検波回路9に供給される。そして、この検波回路
9において、一方のベースバンド信号の信号レベルを他
方のベースバンド信号のエッジに同期してサンプリング
することにより、両ベースバンド信号IS,QS間の位
相関係が判定され、この位相関係から周波数偏移δの正
負が識別される。例えば、いま図21(a)に示すよう
なベースバンド信号IS,QSが検波回路9に入力され
たとすれば、ベースバンド信号QSの立ち上がりエッジ
でベースバンド信号ISの信号レベルを検出することに
より、ベースバンド信号ISに対しベースバンド信号Q
Sは遅れていると判定され、この位相関係から例えば周
波数偏移δは正であると識別される。一方、図21の
(b)に示すようなベースバンド信号IS,QSが入力
されれば、ベースバンド信号ISに対しベースバンド信
号QSは進んでいると判定され、この位相関係から例え
ば周波数偏移δは負であると識別される。
【0007】すなわち、この受信回路は位相が相互にπ
/2ずれた2つのベースバンド信号の零交差点(立ち上
がりエッジまたは立ち下がりエッジ)を利用して周波数
偏移δの正負を識別するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来のFSK信号受信回路には、次のような改善すべき
課題があった。すなわち、従来の受信回路は周波数偏移
δの正負を識別するために、2つのベースバンド信号I
S,QSの零交差点を利用している。このため、識別タ
イミングは零交差点の位置に限られることになり、その
他の位置では識別を行なえないことになる。したがっ
て、偏移周波数に比べてデータ伝送速度が大きく、特に
データの1スロットが偏移周波数の1/2以下となるよ
うに場合には、ベースバンド信号IS,QSの次の零交
差点が来る前にデータスロットが次のスロットに遷移し
てしまい、この結果受信データの符号が変化してもこの
符号変化が検出できなくなることがあった。つまり、高
速度の伝送データに対して受信データの欠落を生じるこ
とがあり、この結果データの伝送速度を制限せざるを得
なかった。
【0009】また、高速度の伝送データに対応するため
には、変調波周波数fm (受信FSK信号の周波数偏移
を+δと−δとの間で転換させる周波数で、データ伝送
速度の1/2に相当する)に比べて周波数偏移δを大き
く設定する必要がある。しかし、このようにすると伝送
帯域が広帯域化してしまう欠点があった。
【0010】そこで本発明の目的は、データ伝送速度に
比較して小さい偏移周波数で変調されたFSK信号に対
しても、データ欠落を生じることなく常に安定に復調を
行なうことができ、これによりデータ伝送速度の高速化
および伝送帯域の狭帯域化に容易に対応することができ
るFSK信号受信回路を提供することである。
【0011】また本発明の他の目的は、データ伝送速度
に比較して小さい偏移周波数で変調されたFSK信号に
対しても、データ欠落を生じることなく常に安定に復調
を行なえるようにして、データ伝送速度の高速化および
伝送帯域の狭帯域化に容易に対応することができ、さら
に検波信号の信号対雑音比を高めて高品質の受信データ
を得ることができるFSK信号受信回路を提供すること
である。
【0012】さらに本発明の別の目的は、ベースバンド
信号に対しばらつきのない高精度の位相推移を与えるこ
とができるようにして再現性および信頼性を高め、かつ
集積化による小形化が容易なFSK信号受信回路を提供
することである。
【0013】さらに本発明のその他の目的は、ベースバ
ンド信号に対しばらつきのない高精度の位相推移を与え
ることができ、かつ回路構成をより一層簡単化して小形
化を図り、しかも消費電力を低減することができるFS
K信号受信回路を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的及び上記別の目
的をそれぞれ達成するために本発明は、位相が互いに直
交する第1および第2の受信ベースバンド信号のうち、
第1のベースバンド信号を位相推移に相当する遅延時間
を有するディジタル遅延回路に通すことでこの第1のベ
ースバンド信号に対し所定の第1の位相推移を与えた第
3のベースバンド信号とこの信号に対し位相が直交する
第4のベースバンド信号とをそれぞれ得るとともに、上
記第2のベースバンド信号を位相推移に相当する遅延時
間を有するディジタル遅延回路に通すことでこの第2の
ベースバンド信号に上記第1の位相推移を与えた第5の
受信ベースバンド信号を得、上記第3のベースバンド信
号と第4のベースバンド信号とを掛け合わせるととも
に、第3のベースバンド信号と第5のベースバンド信号
とを掛け合わせ、さらにこれらの掛け合わせにより得ら
れた二つの信号どうしを掛け合わせてその出力を検波信
号とするようにしたものである。
【0015】また、上記他の目的を達成するために他の
本発明は、位相が互いに直交する第1および第2の受信
ベースバンド信号のうち、第1のベースバンド信号を基
に、この第1のベースバンド信号に対し所定の第1の位
相推移を与えた第3のベースバンド信号およびこの信号
に対し位相が直交する第4のベースバンド信号それぞれ
得るとともに、上記第2のベースバンド信号を基に、こ
の信号に対し上記第1の位相推移を与えた第5のベース
バンド信号およびこの信号に対し位相が直交する第6の
ベースバンド信号をそれぞれ得る。そして、上記第3の
ベースバンド信号と第4のベースバンド信号とを掛け合
わせて第1の乗算信号を得るとともに、上記第5のベー
スバンド信号と第6のベースバンド信号とを掛け合わせ
て第2の乗算信号を得、さらに上記第3のベースバンド
信号と第5のベースバンド信号とを掛け合わせて第3の
乗算信号を得、かつこの第3の乗算信号と上記第1の乗
算信号とを掛け合わせて第4の乗算信号を得るととも
に、第3の乗算信号と上記第2の乗算信号とを掛け合わ
せて第5の乗算信号を得、これにより得られた第4の乗
算信号と第5の乗算信号とを相互に合成して、その出力
を検波信号とするようにしたものである。
【0016】さらに上記別の目的を達成するために本発
明は、第1および第2の信号移相手段に、それぞれ位相
推移に相当する遅延時間を有するディジタル遅延回路を
設け、このディジタル遅延回路により入力ベースバンド
信号に対し位相推移を与えるようにしたものである。
【0017】さらに上記その他の目的を達成するために
本発明は、第1および第2の信号移相手段を、それぞれ
入力ベースバンド信号を、波形整形回路により波形整形
して2値信号に変換し、この2値信号を位相推移に相当
する遅延時間を有するディジタル遅延回路で遅延して出
力するように構成したものである。
【0018】
【作用】この結果本発明によれば、ベースバンド信号の
零交差点を用いてデータを識別するのではなく、ベース
バンド信号の波形全体で連続的にデータの識別が行なわ
れるので、FSK信号の変調周波数が周波数偏移に対し
十分に小さくない場合でも、つまりデータ伝送速度に比
較して偏移周波数が十分に小さくない場合でも、データ
欠落を生じることなく常に正確に安定な復調を行なうこ
とができる。したがって、周波数帯域幅を高帯域にする
ことなく高速データを安定に伝送することが可能にな
る。また本発明によれば、上記第1及び第2の信号移相
回路としてディジタル遅延回路を使用し、このディジタ
ル遅延回路により入力ベースバンド信号に対し位相推移
を与えるようにしているので、アナログ移相器を使用す
る場合に比べて、入力ベースバンド信号に対しばらつき
の少ない移相推移を与えることができ、しかも例えばC
MOSプロセスによる集積化を容易に行なうことができ
るので、回路規模の小形化および低消費電力化を図るこ
とができる。
【0019】また他の本発明によれば、第1のベースバ
ンド信号系で得られた検波出力つまり第4の乗算信号
と、第2のベースバンド信号系で得られた検波出力つま
り第5の乗算信号とが加算合成されて、その出力が検波
出力として用いられるので、一方の検波出力をそのまま
使用する場合に比べて、雑音レベルはそれ程増加しない
が信号レベルは倍増された検波出力を得ることができ
る。すなわち本発明によれば、上記発明と同様にデータ
伝送速度に比較して偏移周波数が十分に小さくない場合
でも、データ欠落を生じることなく常に正確に安定な復
調を行なうことができ、さらに検波出力の信号対雑音比
を高めることができるFSK信号受信回路を提供するこ
とができる。
【0020】さらに本発明によれば、移相回路としてデ
ィジタル遅延回路を使用し、このディジタル遅延回路に
より入力ベースバンド信号に対し位相推移を与えるよう
にしているので、アナログ移相器を使用する場合に比べ
て、入力ベースバンド信号に対しばらつきの少ない移相
推移を与えることができ、しかも例えばCMOSプロセ
スによる集積化を容易に行なうことができるので、回路
規模の小形化および低消費電力化を図ることができる。
【0021】また本発明によれば、アナログベースバン
ド信号をディジタル信号に変換するための回路として、
入力信号を二値化する波形成形回路を用いることによ
り、A/D変換器を不要にすることができ、これにより
回路構成をより一層簡単化し、かつ低消費電力かを図る
ことができる。
【0022】
【実施例】
[第1の実施例]図1は、本発明の第1の実施例におけ
るFSK受信回路の構成を示す回路ブロック図である。
尚、同図において前記図9と同一部分には同一符号を付
して詳しい説明は省略する。
【0023】低域通過フィルタ6I,6Qから出力され
た第1および第2のベースバンド信号KI,KQは、そ
れぞれ検波回路10に入力される。この検波回路10
は、上記第1のベースバンド信号KIに対し所定の位相
推移を与える第1の信号移相部と、上記第2のベースバ
ンド信号KQに対し所定の位相推移を与える第2の信号
移相部と、乗算部とから構成される。
【0024】先ず第1の信号移相部では、上記第1のベ
ースバンド信号KIが二分岐され、その一方は第1の移
相器11Iaに入力されて、この第1の移相器11Ia
で位相推移φ1 が与えられる。そして、この位相推移φ
1 が与えられた第1の分岐ベースバンド信号AIaは、
低周波増幅器12Iaおよび振幅制限器13Iaにより
矩形波に波形整形される。また上記二分岐された第1の
ベースバンド信号KIの他方は、第2の移相器11Ib
に入力され、この第2の移相器11Ibで位相推移φ2
が与えられる。そして、この位相推移φ2 が与えられた
第1の分岐ベースバンド信号AIbは、低周波増幅器1
2Ibおよび振幅制限器13Ibにより矩形波に波形整
形される。
【0025】次に第2の信号移相部では、前記第2のベ
ースバンド信号KQが第3の移相器11Qに入力され、
この第3の移相器11Qで位相推移φ3 が与えられる。
そして、この位相推移φ3 が与えられた第2のベースバ
ンド信号AQは、低周波増幅器12Qおよび振幅制限器
13Qにより矩形波に波形整形される。
【0026】尚、上記各移相器11Ia,11Ib,1
1Qは、コンデンサと抵抗とをL形接続したアナログ移
相器により構成される。また、上記位相推移量φ1 ,φ
2 ,φ3 は、 |φ1 −φ2 |=π/2 |φ2 −φ3 |=0 …(1) なる関係に設定される。
【0027】一方乗算部は、乗算器として3個の排他的
論理和回路14,15,16を有している。排他的論理
和回路14では、上記振幅制限器13Ia,13Ibか
ら出力された各信号BIa,BIbの排他的論理和がと
られる。また、排他的論理和回路15では、上記振幅制
限器13Ib,13Qから出力された各信号の排他的論
理和がとられる。さらに排他的論理和回路16では、上
記各排他的論理和回路14,15から出力された各信号
の排他的論理和がとられ、その出力が検波信号ESとし
て出力される。
【0028】次に以上のように構成された受信回路の動
作を説明する。局部発振器4から発生される局部発振信
号周波数fL は受信FSK信号の搬送波周波数fc と略
等しく設定されているため、低域通過フィルタ6I,6
Qからは基本波周波数として周波数偏移δの成分のみを
含むベースバンド信号KI,KQが得られる。これらの
ベースバンド信号KI,KQは、 KI=cos(2πδt) KQ=±sin(2πδt) …(2) のように表される。ここで、上記第2のベースバンド信
号KQの正負は、送信データの符号が“0”のときに正
(+)、送信データの符号が“1”のときに負(−)に
それぞれ対応するものと仮定する。尚、上記(2) 式では
説明の簡単のためベースバンド信号の振幅係数は省略し
ている。
【0029】これらのベースバンド信号KI,KQは、
それぞれ検波回路10の移相器11Ia,11Ib,1
1Qで所定の位相推移φ1 ,φ2 ,φ3 が与えられ、 AIa=cos(2πδt+φ1) AIb=cos(2πδt+φ2) AQ=±sin(2πδt+φ3) …(3) で表されるベースバンド信号AIa,AIb,AQとな
って出力される。ここで(1) 式から φ3 =φ2 =π/2+φ1 …(4) であるので、上記各ベースバンド信号AIa,AIb,
AQは AIa=cos(2πδt+φ1) AIb=cos(2πδt+π/2+φ1) =−sin(2πδt+φ1) AQ=±sin(2πδt+π/2+φ1) =±cos(2πδt+φ1) …(5) のようにも表される。
【0030】いま例えば、送信局から図2のTDに示す
ような送信データをFSK変調して送信したとする。そ
うすると、各移相器11Ia,11Ib,11Qからは
上記(5) 式から明らかなように図2に示すような波形の
ベースバンド信号AIa,AIb,AQが出力される。
これらのベースバンド信号AIa,AIb,AQは、そ
れぞれ低周波増幅器および振幅制限器により波形整形さ
れて図2のBIa,BIb,BQに示すように矩形波と
なる。そして、これらの矩形波となったベースバンド信
号BIa,BIb,BQは、排他的論理和回路14,1
5でそれぞれBIaとBIbとの間およびBIbとBQ
との間の排他的論理和がとられて図2のCI,DSのよ
うな波形の信号となり、さらに排他的論理和回路16に
てこれらの信号CI,DS間の排他的論理和がとられ
る。その結果、図2のESに示すような受信データが得
られる。
【0031】このように本実施例のFSK信号受信回路
は、位相が互いに直交する2つのベースバンド信号K
I,KQのうち、KIを二分岐してその各分岐信号に対
しπ/2の位相差を有する位相推移φ1 ,φ2 を与え、
かつ上記ベースバンド信号KQに対しても上記位相推移
φ2 と同量の位相推移φ3 を与える。そして、その上で
上記位相推移が与えられたベースバンド信号BIa,B
Ib,BQのうち、BIa,BIb相互間およびBI
b,BQ相互間でそれぞれ排他的論理和をとり、さらに
その排他的論理和出力相互間の排他的論理和をとること
により、検波信号ESを得ている。このため、受信ベー
スバンド信号の波形全体を使用して伝送データの検波が
行なわれることになり、これにより周波数偏移δに比べ
て変調波周波数fm (受信FSK信号の周波数偏移を+
δと−δとの間で転換させる周波数で、データ伝送速度
の1/2に相当する)が高い場合でも、データ抜けを生
じることなく常に安定に検波を行なうことができる。し
たがって、従来の零交差点を使用する回路では検波を行
なえなかった伝送速度が高速のシステムにおいても、十
分に使用することができる。また、周波数偏移量δを大
きくする必要もないので、広帯域の伝送帯域を使用する
必要もない。これらの効果は、近年の加入者の増大に対
応するために、伝送速度の高速化および無線チャネル間
隔の狭帯域化が課題になっている自動車・携帯無線電話
システム等の移動無線通信システムにあっては、極めて
有効である。
【0032】また、本実施例のFSK信号受信回路によ
れば次のような効果を得ることもできる。すなわち、上
記説明では各移相器11Ia,11Ib,11Qによる
移相量が正確に設定され、かつ低周波増幅器12Ia,
12Ib,12Qおよび振幅制限器13Ia,13I
b,13Qの特性が全く等しいものとして説明を行なっ
たが、実際には上記移相量および特性には多少のずれが
ある。このため、排他的論理和回路14,15から出力
されるベースバンド信号CI,DS相互間には、例えば
図3に示すごとく位相のずれが生じ、このずれが排他的
論理和回路16から出力される検波出力ESに図3に示
すようにインパルス状の雑音となって現れる。しかし、
本実施例の回路では、検波直前のベースバンド信号C
I,DSの基本周波数が2δになっているため、検波出
力ESに現れる上記インパルス状の雑音の基本周波数は
4δと比較的高いものとなる。したがって、この雑音は
後段に設けられた高周波成分除去用の低域通過フィルタ
(図示せず)により比較的容易にしかも効果的に除去さ
れる。
【0033】ちなみに、本実施例の回路に類似した回路
として、例えば図5に示すように混合回路3I,3Qお
よび低域通過フィルタ6I,6Qにより基本周波数が周
波数偏移δと等しいベースバンド信号KI,KQを得、
これらのベースバンド信号KI,KQに移相器11I,
11Qでπ/2の移相差を与えたのち、両信号を波形整
形して排他的論理和回路15により処理することにより
検波出力を得る回路が考えられている。しかし、このよ
うな回路では、検波直前のベースバンド信号BI,BQ
の基本周波数が周波数偏移δと等しくなっているため、
検波出力DSには例えば図4に示す如く基本周波数が2
δのインパルス状の雑音が現れる。この雑音は低周波で
あるため、後段の低域通過フィルタにおいて除去し難
く、このため検波出力のS/Nが劣化する。
【0034】[第2の実施例]図6は、本発明の第2の
実施例におけるFSK信号受信回路の構成を示す回路ブ
ロック図である。尚、同図において前記図1と同一部分
には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0035】この第2の実施例の受信回路が前記第1の
実施例の受信回路と構成を異にするところは、検波回路
20において、第1のベースバンド信号系と同様に、第
2のベースバンド信号系についてもその信号KQを二分
岐して各々所定の位相推移を与えたのち排他的論理和処
理し、この第2のベースバンド信号系で得られた検波信
号と、第1のベースバンド信号系で得られた検波出力と
を合成することにより検波信号を得るようにした点であ
る。
【0036】すなわち、低域通過フィルタ6Qから出力
された第2のベースバンド信号KQは、二分岐されて第
3および第4の移相器11Qa,11Qbにそれぞれ入
力される。これら第3および第4の移相器11Qa,1
1Qbは、第1および第2の移相器11Ia,11Ib
と同様、コンデンサと抵抗とをL形接続したアナログ移
相器により構成される。上記第3および第4の移相器1
1Qa,11Qbでは、上記第2のベースバンド信号K
Qに対し各々位相推移φ3 ,φ4 が与えられる。ここ
で、これらの位相推移量φ3 ,φ4 と、第1および第2
の移相器11Ia,11Ibにおいて第1のベースバン
ド信号に与えられる位相推移量φ1 ,φ2との関係は、 |φ1 −φ2 |=π/2 |φ2 −φ3 |=0 |φ3 −φ4 |=π/2 …(6) のように設定されている。上記第3および第4の各移相
器11Qa,11Qbから出力された信号AQa,AQ
bは、それぞれ低周波増幅器12Qa,12Qbおよび
振幅制限器13Qa,13Qbからなる回路により波形
整形されて矩形波となる。
【0037】また検波回路20は乗算部を構成する5個
の排他的論理和回路14〜18と、1個の減算器19と
を有している。上記各排他的論理和回路14〜18のう
ち、先ず排他的論理和回路14では、振幅制限器13I
a,13Ibから出力された各信号BIa,BIbの排
他的論理和がとられる。また、排他的論理和回路15で
は、上記振幅制限器13Ib,13Qから出力された各
信号の排他的論理和がとられる。さらに排他的論理和回
路16では、上記各排他的論理和回路14,15から出
力された各信号の排他的論理和がとられ、その出力が第
1のベースバンド信号系の検波信号ESとして出力され
る。一方排他的論理和回路17では、上記振幅制限器1
3Qa,13Qbから出力された各信号BQa,BQb
の排他的論理和がとられる。また排他的論理和回路18
では、上記排他的論理和回路17から出力された信号
と、排他的論理和回路15から出力されたBIbとBQ
aとの排他的論理和信号との排他的論理和がとられ、そ
の出力が第2のベースバンド信号系の検波信号FSとし
て出力される。
【0038】減算器19では、上記排他的論理和回路1
6から出力された検波信号ESから上記排他的論理和回
路18から出力された検波信号FSが減算される。そし
て、この減算器19から出力された信号は、低域通過フ
ィルタ21で低周波成分のみが抽出されたのち、低周波
増幅器22および振幅制限器23からなる波形整形回路
により矩形波に波形整形され、その出力信号が本実施例
の受信回路の検波信号HSとして出力される。
【0039】このような構成であるから、局部発振器4
から発生される局部発振信号周波数fL は受信FSK信
号の搬送波周波数fc と略等しく設定されているため、
低域通過フィルタ6I,6Qからは基本波周波数として
周波数偏移δの成分のみを含むベースバンド信号KI,
KQが得られる。これらのベースバンド信号KI,KQ
は、前記(2) 式で既に示したように KI=cos(2πδt) KQ=±sin(2πδt) のように表される。
【0040】これらのベースバンド信号KI,KQは、
検波回路10で各々二分岐されて、移相器11Ia,1
1Ib,11Qa,11Qbによりそれぞれ所定の位相
推移φ1 ,φ2 ,φ3 ,φ4 が与えられる。このため、
移相器11Ia,11Ib,11Qa,11Qbからは AIa=cos(2πδt+φ1) AIb=cos(2πδt+φ2) AQa=±sin(2πδt+φ3) AQb=±sin(2πδt+φ4) …(7) のように表されるベースバンド信号AIa,AIb,A
Qa,AQbが出力される。ここで上記(6) 式から各位
相推移量φ1 ,φ2 ,φ3 ,φ4 は φ3 =φ2 φ4 =φ1 φ2 =π/2+φ1 …(8) であるから、上記各ベースバンド信号AIa,AIb,
AQa,AQbは AIa=cos(2πδt+φ1) AIb=−sin(2πδt+φ1) AQa=±cos(2πδt+φ1) AQb=±sin(2πδt+φ1) …(9) のようになる。
【0041】いま例えば、送信局から図7のTDに示す
ような送信データをFSK変調して送信したとする。そ
うすると、各移相器11Ia,11Ib,11Qa,1
1Qbからは図2および図7に示すような波形のベース
バンド信号AIa,AIb,AQa,AQbが出力され
る。これらのベースバンド信号AIa,AIb,AQ
a,AQbは、それぞれ低周波増幅器および振幅制限器
により波形整形されて図2および図7のBIa,BI
b,BQa,BQbに示すように矩形波となる。そし
て、これらの矩形波となったベースバンド信号BIa,
BIb,BQa,BQbは、排他的論理和回路14,1
5,17でそれぞれBIaとBIbとの間、BIbとB
Qaとの間およびBQaとBQbとの間の排他的論理和
がとられて図2および図7のCI,DS,CQのような
波形の信号となり、さらに排他的論理和回路16,18
にてCIとDSとの間およびCQとDSとの間の排他的
論理和がとられる。この結果、図2および図7のES,
FSに示すような検波信号が得られる。そして、これら
の検波信号ES,FSは減算器19で相互に減算処理さ
れる。このとき、上記検波信号ES,FSは極性が互い
に反転しているため、上記減算処理により相互に加算さ
れたことになり、この結果図7のGSに示す如く信号レ
ベルが2倍の検波信号となって出力される。そして、こ
の検波信号GSは、低域通過フィルタ21で不要な高周
波成分が除去されたのち、低周波増幅器22および振幅
制限器23により波形整形され、この波形整形後の信号
が本実施例の受信回路の検波信号HSとして出力され
る。
【0042】このように本実施例のFSK信号受信回路
は、位相が互いに直交する2つのベースバンド信号K
I,KQを各々二分岐して、その各分岐信号に対しπ/
2の位相差を有する位相推移φ1 ,φ2 およびφ3 ,φ
4 を与え、これらの位相推移が与えられたベースバンド
信号BIa,BIb,BQa,BQbのうち、BIa,
BIb相互間、BIb,BQa相互間およびBQa,B
Qb相互間でそれぞれ排他的論理和をとる。そして、こ
れらの排他的論理和出力CI,DS,CQのうち、C
I,DS相互間およびCQ,DS相互間の排他的論理和
をそれぞれとり、さらにこれらの排他的論理和出力E
S,FSを減算器19で減算することにより検波信号G
Sを得ている。
【0043】このため、本実施例においても、前記第1
の実施例と同様に受信ベースバンド信号の波形全体を使
用して伝送データの検波が行なわれることになり、これ
により周波数偏移δに比べて変調波周波数fm が高い場
合でも、データ抜けを生じることなく常に安定に検波を
行なうことができる。したがって、従来の零交差点を使
用する回路では検波を行なえなかった伝送速度が高速の
システムにおいても、十分に使用することができる。ま
た、周波数偏移量δを大きくする必要もないので、広帯
域の伝送帯域を使用する必要もない。
【0044】さらに本実施例であれば、第1のベースバ
ンド信号系で得られた検波信号ESから第2のベースバ
ンド信号系で得られた検波信号FSを減算し、これらの
減算出力を検波信号GSとしているので、単独の検波信
号ES,FSに比べて検波信号の振幅を2倍にすること
ができる。この場合、検波信号ES,FSに含まれてい
る雑音間には相関がないので、上記減算処理により雑音
レベルが2倍になることはない。したがって、上記減算
処理により得られた検波信号GSは、単独の検波信号E
S,FSに比べて信号対雑音比(S/N)の高いものと
なり、これにより高品質の受信データを得ることができ
る。
【0045】図8は上記第1および第2の各実施例にお
ける受信回路の有効性を証明するために、シュミレーシ
ョンにより計算した受信誤り率特性を示したものであ
り、図中イが第1の実施例の受信回路(図1)による受
信誤り率特性を、またロが第2の実施例の受信回路(図
6)による受信誤り率特性をそれぞれ示している。ちな
みに、従来の受信回路(図18)による受信誤り率特性
は図中ハのようになる。この特性から明らかなように、
本発明の各実施例の受信回路であれば従来の回路に比べ
て良好な検波特性を得ることができる。
【0046】[第3の実施例]図9は、本発明の第3の
実施例におけるFSK信号受信回路の構成を示す回路ブ
ロック図である。尚、同図において前記図1と同一部分
には同一符号を付して詳しい説明は省略する。本実施例
の受信回路の前記図1の受信回路と構成を異にするとこ
ろは、検波回路30の各信号移相部を、アナログ・ディ
ジタル変換器(A/D)およびシフトレジスタを使用し
たディジタル遅延回路により構成した点である。
【0047】すなわち、低域通過フィルタ6Iから出力
された第1のベースバンド信号KIは、二分岐されたの
ち各々低周波増幅器31Ia,31Ibを介してA/D
変換器32Ia,32Ibに入力される。そして、これ
らの入力信号は、A/D変換器32Ia,32Ibでデ
ィジタル信号に変換されたのちシフトレジスタ(SR)
33Ia,33Ibで予め固定的に設定された所定時間
だけ遅延され、しかるのちその極性情報がディジタル比
較器34Ia,34Ibにより検出される。尚、低域通
過フィルタ6Qから出力された第2のベースバンド信号
KQも、同様に低周波増幅器31Qを介してA/D変換
器32Qでディジタル信号に変換されたのち、シフトレ
ジスタ(SR)33Qで予め固定的に設定された所定時
間だけ遅延され、しかるのちその極性情報がディジタル
比較器34Qにより検出される。
【0048】ここで、上記シフトレジスタ33Ia,3
3Ib,33Qは、それぞれ例えばDフリップフロップ
をN段縦続接続したものからなり、上記遅延時間はこの
接続段数Nおよびシフトレジスタ33Ia,33Ib,
33Qへのシフトクロック信号CKの周期Tにより決定
される。例えば、低域通過フィルタ6I,6Qから出力
される信号の平均的な周波数がfであるとすると、上記
シフトレジスタ33Ia,33Ib,33Qの接続段数
N1,N2,N3は N1−N2=1/4fT N2−N3=0 のように設定される。尚、Tは1/Tが低域通過フィル
タ6I,6Qから出力される信号に含まれる最高周波数
の2倍以上になるように設定する。
【0049】このような構成であれば、各信号移相部が
A/D変換器およびシフトレジスタを用いた、遅延量が
固定されたディジタル遅延回路により構成されているの
で、各信号移相部間の位相推移量のばらつきが少なくな
り、これにより再現性および信頼性の高い検波回路を構
成することができる。また、特にディジタル回路である
ためCMOSを使用した高集積化が可能であり、これに
より消費電力が極めて低い回路を実現することができ
る。
【0050】ちなみに、コンデンサおよび抵抗を使用し
たアナログの移相器は、遮断周波数の等しい高域通過フ
ィルタ(HPF)と低域通過フィルタ(LPF)との位
相差がπ/2であることを利用しているので、入力信号
が受ける減衰量が周波数によって異なる。このため、減
衰量の大きい周波数帯域の信号を元の信号レベル以上に
増幅する必要が生じ、増幅段数の増加を招く。しかも、
この増幅は移相器の移相量に影響を与えるほどの移相特
性を持ってはならないので、その利得特性は平坦なもの
にせざるを得ず、減衰量の少ない周波数帯域の信号は必
要以上の増幅を受け、増幅器が飽和するといった別の不
具合が発生することがある。振幅制限器よりも前段で増
幅器が飽和すると、歪みによるオフセットなどが発生し
て正しい振幅制限が行なえなくなる。また、減衰の大き
い周波数帯域の信号を元の信号レベル以上に増幅するた
めに、S/Nの劣化を生じる。さらに、集積回路中で実
現可能な抵抗およびコンデンサの素子は絶対精度が数十
%であり、位相推移量に大きなばらつきが生じやすい。
【0051】尚、本実施例の検波回路30は次のような
変形が可能である。図10はその構成の一例を示すもの
である。この検波回路30′は、低域通過フィルタ6I
から出力されたベースバンド信号KIを、低周波増幅器
31Iを介してA/D変換器32Iでディジタル信号に
変換したのち、二分岐してその一方をシフトレジスタ3
3Iaに、他方をシフトレジスタ33Ibにそれぞれ入
力するように構成したものである。このように構成する
と、低周波増幅器およびA/D変換器を図9の回路に比
べてそれぞれ1個減らすことができ、その分回路構成を
簡単化することができる。
【0052】[第4の実施例]図11は、本発明の第4
の実施例におけるFSK信号受信回路の構成を示す回路
ブロック図であり、前記図10と同一部分には同一符号
を付してある。
【0053】この第4の実施例の検波回路40は、移相
器の出力を増幅したのち振幅制限器で振幅制限を行なっ
ても、また振幅制限を行なった後に移相器を通しても得
られる情報は同じであり、さらに振幅制限器の出力信号
は2値信号として取り扱える点に着目したもので、低周
波増幅器および振幅制限器からなる波形整形回路の後段
にシフトレジスタにより構成される移相器を配設したも
のである。
【0054】すなわち、低域通過フィルタ6Iから出力
された第1のベースバンド信号KIは、二分岐されたの
ち各々検波回路40の低周波増幅器41Ia,41Ib
および振幅制限器42Ia,42Ibからなる波形整形
回路により2値信号に波形整形される。また、低域通過
フィルタ6Qから出力された第2のベースバンド信号K
Qは、低周波増幅器41Qおよび振幅制限器42Qから
なる波形整形回路により2値信号に波形整形される。そ
して、これらのうち振幅制限器42Iaから出力された
信号のみは、シフトレジスタ(SR)43Iaに入力さ
れ、このシフトレジスタ43Iaで一定時間の遅延を受
ける。
【0055】ここで、上記シフトレジスタ43Iaは例
えばDフリップフロップをN段縦続接続したものからな
り、上記遅延時間はこの接続段数Nおよびシフトクロッ
ク信号CKの周期により決定される。例えば、いま低域
通過フィルタ6Iから出力されたベースバンド信号KI
の平均的な周波数がfである場合に、この周波数fの信
号に対し移相量π/2に相当する遅延を与えるには、シ
フトクロックCKの周期をTとすると、Dフリップフロ
ップの接続段数Nを N=1/4fT となるように設定すればよい。尚、シフトクロックCK
の周期Tは、1ビットA/D変換器のサンプリング周期
に相当するので、1/Tが低域通過フィルタ6Iの出力
信号に含まれる最高周波数の2倍以上に設定する必要が
ある。
【0056】このような構成であれば、第1のベースバ
ンド信号KIのうちの一つは、低周波増幅器41Iaお
よび振幅制限器42Iaにより波形整形されて2値信号
に変換されたのち、シフトレジスタ43Iaにより上記
N=1/4fTに相当する時間だけ遅延される。このた
め、第1のベースバンド信号KIは、π/2移相された
ことと等価になる。したがって、排他的論理和回路1
4,15,16には前記図2に示した各信号BIa,B
Ib,BQと同じ信号が入力されることになり、この結
果受信ベースバンド信号の波形全体を使用した伝送デー
タの検波が行なわれる。
【0057】尚、本実施例の回路では、入力ベースバン
ド信号の全周波数成分のうちf以外の成分に対してはπ
/2からずれた移相量が与えられることになるが、誤り
率に対する影響は小さい。このため、コンデンサおよび
抵抗からなるアナログ移相器を使用した場合に比べて、
ばらつきが少なく高品質の検波を行なうことができる。
【0058】また、移相器としてしシフトレジスタを使
用しているので、集積化を格段に容易に行なうことがで
き、また低消費電力化を図ることができる。さらに、A
/D変換器の機能を2値信号を得るように構成した振幅
制限器、つまり単なる振幅比較器で代用しているので、
A/D変換器を不要にすることができ、これにより前記
第3の実施例と比較して回路規模を格段に簡単かつ小形
化することができる。また、回路の精度に対する要求も
著しく緩和され、これによりCMOS等のように高い精
度を比較的得難い製造プロセスを採用した場合でも、再
現性、信頼性の高い検波回路を構成することができる。
【0059】ところで、上記第3および第4の実施例で
は、移相器を一定の遅延時間を与えるディジタル遅延回
路により構成したが、このような回路を用いた場合に
は、遅延量が一定であるため入力信号の周波数が所望周
波数から偏差を生じたときに、本来必要としている移相
特性が得られなくなることが考えられる。所望周波数か
らの周波数偏差が生じる原因としては、主として局部発
振器の周波数オフセットにより周波数変換後のベースバ
ンド信号が所望周波数からオフセットすることが考えら
れる。しかし、この様な周波数偏差がある場合でも、前
記第3および第4の受信回路は実用的には何ら支障なく
使用することが可能である。
【0060】すなわち、コンデンサおよび抵抗からなる
アナログ移相器を用いた場合と、一定の遅延時間を有す
るディジタル移相器を用いた場合とで、それぞれ局部発
振器4の周波数オフセットと所定の受信誤り率(10-2
を得るためのEb /No との関係を数値計算により求
め、これを図示するとそれぞれ図12のニ,ホのように
なる。通常、局部発振器の温度特性等によって生じる周
波数偏差はVHF帯の受信機で5ppm 程度である。そこ
で、図12をみると、周波数偏差が5ppm 程度では、一
定の遅延時間を有するディジタル遅延回路を使用した場
合でも、アナログ移相器を使用した場合に比べて検波感
度の劣化はほとんどないことが分かる。したがって、前
記第3および第4の実施例の受信回路(図9および図1
1)のように、一定の遅延時間を有するディジタル遅延
回路を移相器として使用したとしても、FSK信号を良
好に検波することができる。
【0061】尚、本実施例の検波回路40は次のような
変形が可能である。すなわち、図13に示す如く低域通
過フィルタ6Iから出力されたベースバンド信号KI
は、低周波増幅器41Iおよび振幅制限器42Iで波形
整形されたのち、二分岐されてシフトレジスタ43I
a,43Ibにそれぞれ入力される。そして、これらの
シフトレジスタ43Ia,43Ibで各々位相が所定量
遅延されたのち、排他的論理和回路14により排他的論
理和処理される。一方、低域通過フィルタ6Qから出力
されたベースバンド信号KQは、低周波増幅器41Qお
よび振幅制限器42Qで波形整形されたのち、シフトレ
ジスタ43Qに入力される。そして、このシフトレジス
タ43Qで位相が所定量遅延されたのち排他的論理和回
路43Qに入力され、ここで上記シフトレジスタ43I
bから出力された信号との排他的論理和がとられる。そ
して、上記排他的論理和回路14から出力された信号と
上記排他的論理和回路15から出力された信号とは、排
他的論理和回路16で排他的論理和処理されて検波信号
ESとなり、この検波信号ESは反転回路21で論理反
転されて出力される。
【0062】このような構成であれば、第1のベースバ
ンド信号系における波形整形回路、つまり低周波増幅器
および振幅制限器を2回路から1回路に減らすことがで
き、これにより回路構成を簡単化することができる。ま
た、各信号系に各々シフトレジスタ43Ia,43I
b,43Qを設けたので、各ベースバンド信号に対する
遅延量の設定に自由度を持たせることができる。
【0063】[第5の実施例]図14および図15は、
本発明の第5の実施例におけるFSK信号受信回路の構
成を示す回路ブロック図である。尚、同図において前記
図13と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省
略する。
【0064】この第5の実施例の受信回路が前記第4の
実施例の受信回路と構成を異にするところは、検波回路
50において、第1のベースバンド信号系と同様に、第
2のベースバンド信号系についてもその信号KQを二分
岐して各々所定の遅延を行なったのち排他的論理和処理
し、この第2のベースバンド信号系で得られた検波信号
と、第1のベースバンド信号系で得られた検波出力とを
合成することにより検波信号を得るようにした点であ
る。
【0065】すなわち、低域通過フィルタ6Iから出力
された第1のベースバンド信号KIは、低周波増幅器4
1I,41Qおよび振幅制限器42I,42Qで波形整
形されたのち、二分岐されて第1および第2のシフトレ
ジスタ43Ia,43Ibにそれぞれ入力される。ま
た、同様に低域通過フィルタ6Qから出力された第2の
ベースバンド信号KQは、低周波増幅器41I,41Q
および振幅制限器42I,42Qで波形整形されたの
ち、二分岐されて第3および第4のシフトレジスタ43
Qa,43Qbにそれぞれ入力される。これら第1〜第
4の各シフトレジスタ43Ia,43Ib,43Qa,
43Qbの接続段数N1〜N4は N1−N2=1/4fT N2−N3=0 N4−N3=1/4fT なる関係に設定される。
【0066】そして、上記シフトレジスタ43Ia,4
3Ibから出力されたベースバンド信号は、排他的論理
和回路14で排他的論理和処理されたのち排他的論理和
回路16に入力され、またシフトレジスタ43Qa,4
3Qbから出力されたベースバンド信号は、排他的論理
和回路17で排他的論理和処理されたのち排他的論理和
回路18に入力される。さらに、上記シフトレジスタ4
3Ibおよび43Qaから出力されたベースバンド信号
は、排他的論理和回路15で排他的論理和処理されたの
ち、排他的論理和回路16,18にそれぞれ入力され
る。このうち排他的論理和回路16では、上記排他的論
理和回路14の出力信号と上記排他的論理和回路15の
出力信号との排他的論理和が行なわれ、その出力信号E
Sは反転回路21で論理反転されたのち加算回路22に
供給される。一方、排他的論理和回路18では、上記排
他的論理和回路17の出力信号と上記排他的論理和回路
15の出力信号との排他的論理和が行なわれ、その出力
信号FSはそのまま加算回路22に供給される。
【0067】加算回路22は、図15に示す如く1ビッ
トのディジタル加算器22aと、2ビットのディジタル
加算器22bとから構成される。1ビットのディジタル
加算器22aでは、上記反転回路21から供給された信
号ESと上記排他的論理和回路18の出力信号FSとが
加算されて、2ビットの加算データとなって出力され
る。2ビットのディジタル加算器22bでは、上記1ビ
ットのディジタル加算器22aから出力された加算デー
タに2ビットのデータ“11”が加算され、これにより
上記加算データは2の補数変換されて正負の値を持つ2
ビットのデータとなる。そして、このデータはディジタ
ルフィルタ25に入力される。
【0068】ディジタルフィルタ25は、2ビット単位
遅延回路をL段縦続接続したシフトレジスタ23と、低
域ろ波特性を有する積和演算回路24とからなる。そし
て、加算回路22から供給されたデータのうちの低周波
成分を、積和演算回路24のmビット出力のうちの最上
位ビットbmから取り出し、これを検波信号として出力
する。2ビット単位の遅延回路は、例えば図16のよう
に2個のDフリップフロップにより構成される。尚、図
17は以上のような上記ディジタルフィルタ25により
得られる低域ろ波特性の一例を示すものである。
【0069】この様な構成の受信回路であれば、前記第
2の実施例で述べた受信回路(図6)と同様に、振幅レ
ベルが2倍の検波信号を得ることができる。これに対
し、雑音成分の振幅レベルは加算しても21/2 (=1.41
42135 …)倍にしかならない。このため、検波信号のS
/Nを高めることができ、これによりビット誤り率を低
減することができる。
【0070】また、本実施例であれば、検波回路50か
らその後段の低域通過フィルタまでの全ての回路をディ
ジタル回路で構成することができる。したがって、受信
回路の大半をCMOSプロセスにより集積回路化するこ
とができ、これにより極めて小形でかつ低消費電力の回
路を提供することができる。
【0071】尚、本発明は上記各実施例に限定されるも
のではない。例えば、前記各実施例では受信FSK信号
を直接ベースバンド信号に周波数変換するいわゆるダイ
レクトコンバージョン方式を用いた場合について説明し
たが、受信FSK信号を一旦中間周波信号に変換したの
ちベースバンド信号に変換する方式を用いた場合にも同
様に実施することができる。その他、信号移相手段の構
成や位相推移量、波形整形回路の構成、乗算手段の構
成、信号合成手段の構成、ディジタルフィルタの構成、
適用するシステムの種類等についても、本発明の要旨を
逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0072】
【発明の効果】以上詳述したように本発明は、位相が互
いに直交する第1および第2の受信ベースバンド信号の
うち、第1のベースバンド信号を位相推移に相当する遅
延時間を有するディジタル遅延回路に通すことで、この
信号に対し所定の第1の位相推移を与えた第3のベース
バンド信号とこの信号に対し位相が直交する第4のベー
スバンド信号とをそれぞれ得るとともに、上記第2のベ
ースバンド信号を位相推移に相当する遅延時間を有する
ディジタル遅延回路に通すことでこの第2のベースバン
ド信号に対し上記第1の位相推移を与えた第5の受信ベ
ースバンド信号を得、上記第3のベースバンド信号と第
4のベースバンド信号とを掛け合わせるとともに、第3
のベースバンド信号と第5のベースバンド信号とを掛け
合わせ、さらにこれらの掛け合わせにより得られた二つ
の信号どうしを掛け合わせてその出力を検波出力とする
ようにしたものである。
【0073】したがって本発明によれば、データ伝送速
度に比較して小さい偏移周波数で変調されたFSK信号
に対しても、データ欠落を生じることなく常に安定に復
調を行なうことができ、これによりデータ伝送速度の高
速化および伝送帯域の狭帯域化に容易に対応することが
できるFSK信号受信回路を提供することができる。
た本発明によれば、ディジタル遅延回路を用いて入力ベ
ースバンド信号に位相推移を与えるようにしているの
で、アナログ移相器を使用する場合に比べて、入力ベー
スバンド信号に対しばらつきの少ない移相推移を与える
ことができ、しかも例えばCMOSプロセスによる集積
化を容易に行なうことができ、これにより回路規模の小
形化および低消費電力化を図り得るFSK信号受信回路
を提供することができる。
【0074】また他の本発明は、位相が互いに直交する
第1および第2の受信ベースバンド信号のうち、第1の
ベースバンド信号を基に、この第1のベースバンド信号
に対し所定の第1の位相推移を与えた第3のベースバン
ド信号およびこの信号に対し位相が直交する第4のベー
スバンド信号それぞれ得るとともに、上記第2のベース
バンド信号を基に、この信号に対し上記第1の位相推移
を与えた第5のベースバンド信号およびこの信号に対し
位相が直交する第6のベースバンド信号をそれぞれ得
る。そして、上記第3のベースバンド信号と第4のベー
スバンド信号とを掛け合わせて第1の乗算信号を得ると
ともに、上記第5のベースバンド信号と第6のベースバ
ンド信号とを掛け合わせて第2の乗算信号を得、さらに
上記第3のベースバンド信号と第5のベースバンド信号
とを掛け合わせて第3の乗算信号を得、かつこの第3の
乗算信号と上記第1の乗算信号とを掛け合わせて第4の
乗算信号を得るとともに、第3の乗算信号と上記第2の
乗算信号とを掛け合わせて第5の乗算信号を得、これに
より得られた第4の乗算信号と第5の乗算信号とを相互
に合成して、その出力を検波出力とするようにしたもの
である。
【0075】したがって本発明によれば、データ伝送速
度に比較して小さい偏移周波数で変調されたFSK信号
に対しても、データ欠落を生じることなく常に安定に復
調を行なうことができ、データ伝送速度の高速化および
伝送帯域の狭帯域化に容易に対応することができ、さら
に検波信号の信号対雑音比を高めて高品質の受信データ
を得ることができるFSK信号受信回路を提供すること
ができる。
【0076】さらに本発明は、第1および第2の信号移
相手段に、それぞれ第1の位相推移に相当する遅延時間
を有するディジタル遅延回路を設け、このディジタル遅
延回路により入力ベースバンド信号に対し位相推移を与
えるようにしたことによって、アナログ移相器を使用す
る場合に比べて、入力ベースバンド信号に対しばらつき
の少ない移相推移を与えることができ、しかも例えばC
MOSプロセスによる集積化を容易に行なうことがで
き、これにより回路規模の小形化および低消費電力化を
図り得るFSK信号受信回路を提供することができる。
【0077】さらに本発明は、第1および第2の信号移
相手段を、それぞれ入力ベースバンド信号を、波形整形
回路により波形整形して2値信号に変換し、この2値信
号を第1の位相推移に相当する遅延時間を有するディジ
タル遅延回路で遅延して出力するように構成したことに
よって、ベースバンド信号に対しばらつきのない高精度
の位相推移を与えることができ、かつ回路構成をより一
層簡単化して小形化を図り、しかも消費電力を低減する
ことができるFSK信号受信回路を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるFSK信号受信
回路の構成を示す回路ブロック図。
【図2】図1に示した受信回路の動作説明に使用するた
めの信号波形図。
【図3】図1に示した受信回路の効果を説明するための
信号波形図。
【図4】図1に示した受信回路の効果を説明するための
信号波形図。
【図5】従来より考えられているFSK信号受信回路の
構成の一例を示す回路ブロック図。
【図6】本発明の第2の実施例におけるFSK信号受信
回路の構成を示す回路ブロック図。
【図7】図6に示した受信回路の動作説明に使用するた
めの信号波形図。
【図8】図1および図6に示した受信回路の受信誤り率
特性を示す図。
【図9】本発明の第3の実施例におけるFSK信号受信
回路の構成を示す回路ブロック図。
【図10】図9に示した受信回路の変形例を示す回路ブ
ロック図。
【図11】本発明の第4の実施例におけるFSK信号受
信回路の構成を示す回路ブロック図。
【図12】局部発振器の周波数オフセットと所用受信誤
り率を得るためのEb/No との関係を示す図。
【図13】図11に示した受信回路の変形例を示す回路
ブロック図。
【図14】本発明の第5の実施例におけるFSK信号受
信回路の前段部分の構成を示す回路ブロック図。
【図15】本発明の第5の実施例におけるFSK信号受
信回路の後段部分の構成を示す回路ブロック図。
【図16】図15に示した受信回路中の2ビット単位遅
延回路の構成の一例を示す回路ブロック図。
【図17】図15に示した受信回路中のディジタルフィ
ルタの低域ろ波特性を示す図。
【図18】従来のFSK信号受信回路の構成の一例を示
す回路ブロック図。
【図19】従来の検波回路の構成を示す回路ブロック
図。
【図20】FSK信号の搬送波周波数と周波数偏移との
関係を示す周波数スペクトラム図。
【図21】図18に示した受信回路の動作説明に使用す
るタイミング図。
【符号の説明】
1…アンテナ、2…高周波増幅器、3I,3Q…混合回
路、4…局部発振器、5…π/2移相器、6I,6Q,
21…低域通過フィルタ、10,20,30,30′,
40,40′,50…検波回路、11Ia,11Ib,
11Qa,11Qb…移相器、12Ia,12Ib,1
2Qa,12Qb,22,31Ia,31Ib,31
Q,41Ia,41Ib,41Q…低周波増幅器、13
Ia,13Ib,13Qa,13Qb,23,34I
a,34Ib,34Q,42Ia,42Ib,42Q…
振幅制限器、14〜18…排他的論理和回路、19…減
算器、21…反転回路、22…加算回路、22a…1ビ
ットディジタル加算器、22b…2ビットディジタル加
算器、23…シフトレジスタ、231〜23l…2ビッ
ト単位遅延回路、24…積和演算回路、25…ディジタ
ルフィルタ、32I,32Ia,32Ib,32Q…A
/D変換器、33Ia,33Ib,33Q,43Ia,
43Ib,43Q,43Qa,43Qb…シフトレジス
タ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−44246(JP,A) 特開 昭59−168752(JP,A) 特開 平4−267656(JP,A) 特開 平1−231463(JP,A) 特開 昭60−146558(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 27/00 - 27/38

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信FSK信号を周波数変換して位相が
    相互に直交する第1および第2のベースバンド信号を得
    るためのベースバンド信号再生手段と、位相推移に相当する遅延時間を有するディジタル遅延回
    路を備え、このディジタル遅延回路により 前記第1のベ
    ースバンド信号に対し所定の第1の位相推移を与えた第
    3のベースバンド信号およびこの第3のベースバンド信
    号に対し位相が直交する第4のベースバンド信号をそれ
    ぞれ得るための第1の信号移相手段と、位相推移に相当する遅延時間を有するディジタル遅延回
    路を備え、このディジタル遅延回路により 前記第2のベ
    ースバンド信号に対し前記第1の位相推移を与えた第5
    のベースバンド信号を得るための第2の信号移相手段
    と、 前記第3のベースバンド信号と前記第4のベースバンド
    信号とを掛け合わせるとともに、前記第3のベースバン
    ド信号と前記第5のベースバンド信号とを掛け合わせ、
    さらにこれらの掛け合わせにより得られた二つの信号ど
    うしを掛け合わせてその出力を検波信号とする乗算手段
    とを具備したことを特徴とするFSK信号受信回路。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2の信号移相手段は、
    それぞれ入力ベースバンド信号を、アナログ・ディジタ
    ル変換器でディジタル信号に変換し、このディジタル化
    されたベースバンド信号を位相推移に相当する遅延時間
    を有するディジタル遅延回路で遅延し、この遅延された
    信号の極性を表わす情報を比較器で検出するものである
    ことを特徴とする請求項1記載のFSK信号受信回路。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2の信号移相手段は、
    それぞれ入力ベースバンド信号を、波形整形回路により
    波形整形して2値信号に変換し、この2値信号をそれぞ
    れ位相推移に相当する遅延時間を有するディジタル遅延
    回路で遅延して出力するものであることを特徴とする請
    求項1記載のFSK信号受信回路。
  4. 【請求項4】 受信FSK信号を周波数変換して位相が
    相互に直交する第1および第2のベースバンド信号を得
    るためのベースバンド信号再生手段と、 前記第1のベースバンド信号を基に、この第1のベース
    バンド信号に対し所定の第1の位相推移を与えた第3の
    ベースバンド信号およびこの第3のベースバンド信号に
    対し位相が直交する第4のベースバンド信号それぞれ得
    るための第1の信号移相手段と、 前記第2のベースバンド信号を基に、この第2のベース
    バンド信号に対し前記第1の位相推移を与えた第5のベ
    ースバンド信号およびこの第5のベースバンド信号に対
    し位相が直交する第6のベースバンド信号をそれぞれ得
    るための第2の信号移相手段と、 前記第3のベースバンド信号と前記第4のベースバンド
    信号とを掛け合わせて第1の乗算信号を得るとともに、
    前記第5のベースバンド信号と前記第6のベースバンド
    信号とを掛け合わせて第2の乗算信号を得、さらに前記
    第3のベースバンド信号と前記第5のベースバンド信号
    とを掛け合わせて第3の乗算信号を得、かつこの第3の
    乗算信号と前記第1の乗算信号とを掛け合わせて第4の
    乗算信号を得るとともに、第3の乗算信号と前記第2の
    乗算信号とを掛け合わせて第5の乗算信号を得る乗算手
    段と、 この乗算手段により得られた前記第4の乗算信号と前記
    第5の乗算信号とを相互に合成し、その出力を検波信号
    とする信号合成手段とを具備したことを特徴とするFS
    K信号受信回路。
  5. 【請求項5】 第1および第2の信号移相手段は、それ
    ぞれ位相推移に相当する遅延時間を有するディジタル遅
    延回路を備え、このディジタル遅延回路により入力ベー
    スバンド信号に対し位相推移を与えるものであることを
    特徴とする請求項4記載のFSK信号受信回路。
  6. 【請求項6】 第1および第2の信号移相手段は、それ
    ぞれ入力ベースバンド信号を、アナログ・ディジタル変
    換器でディジタル信号に変換し、このディジタル化され
    たベースバンド信号を位相推移に相当する遅延時間を有
    するディジタル遅延回路で遅延し、この遅延された信号
    の極性を表わす情報を比較器で検出するものであること
    を特徴とする請求項5記載のFSK信号受信回路。
  7. 【請求項7】 第1および第2の信号移相手段は、それ
    ぞれ入力ベースバンド信号を、波形整形回路により波形
    整形して2値信号に変換し、この2値信号をそれぞれ位
    相推移に相当する遅延時間を有するディジタル遅延回路
    で遅延して出力するものであることを特徴とする請求項
    5に記載のFSK信号受信回路。
  8. 【請求項8】 信号合成手段は、第4の乗算信号と前記
    第5の乗算信号とを相互に加算或いは減算するディジタ
    ル演算回路と、このディジタル演算回路から出力された
    ディジタル検波信号の不要周波数成分を除去するディジ
    タルフィルタとを備えたことを特徴とする請求項5記載
    のFSK信号受信回路。
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