JP3226359B2 - 過酸化脂質生成抑制剤及びこれを含有する組成物 - Google Patents

過酸化脂質生成抑制剤及びこれを含有する組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、過酸化脂質生成抑制剤
及びこれを含有する組成物に関し、詳しくは、ペラルゴ
ニウム属植物の抽出物を含有する過酸化脂質生成抑制剤
及びこの過酸化脂質生成抑制剤を含有する組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、生体内で生成される活性酸素が、
不飽和脂肪酸と反応して過酸化脂質を生じ、人体に悪影
響を及ぼすことが明らかになってきている。例えば、過
酸化脂質やその酸化分解物は、核酸やタンパクに作用
し、動脈硬化による血管障害、肝機能障害、網膜症や白
内障等を引き起こすことや、発癌、老化等にも関与して
いることが知られている。
【0003】特に、外界から直接に環境因子の影響を受
けやすい皮膚では、紫外線や自然放射線などの攻撃を受
け易い状態にあり、これらの作用により活性酸素が生成
しやすく、これが生体膜リン脂質あるいは皮脂の不飽和
脂肪酸と反応して、過酸化脂質を多く生成する。その結
果、シミ、ソバカス等の異常な色素沈着、炎症、浮腫、
壊死、皺、老化等の問題を起こし易い。
【0004】又、化粧品、医薬品、飲食品などにおいて
は、油脂類を多く含有するものが多く、保存中や使用時
に活性酸素と反応して過酸化脂質を生成し、これによる
品質低下や、上記のような人体への毒性の発現が大きな
問題となっている。
【0005】このために、従来より生体内過酸化脂質異
常を改善する薬剤の探索研究が、広く行われている。代
表的なものでは、天然物由来のものとして、脂溶性のト
コフェロール(ビタミンE)や、水溶性のアスコルビン
酸(ビタミンC)があり、合成化合物として、BHT
(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエ
ン)や、BHA(2(3)−tert−ブチル−ヒドロ
キシアニソール)などが挙げられるが、その効果は満足
できるものではなかった。
【0006】これに対し、生体内過酸化脂質異常を改善
する効果の高い過酸化脂質生成抑制物質を得ようという
試みが数多くなされおり、種々の生薬抽出物が開示され
ている(例えば、特開昭60−224629号、特開昭
61−24522号、特開平2−193930号、特開
平2−243632号、特開平2−264727号、特
開平3−153629号、特開平3−221587号、
特開平4−69343号、特開平4−202138号、
特開平4−247010号等)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記生薬抽出
物は、トコフェロールやアスコルビン酸等に比べれば、
ある程度高い過酸化脂質異常改善効果は得られるが、未
だ充分な過酸化脂質生成抑制効果を有するものではな
い。又、合成化合物のBHT、BHAには、発癌性の疑
いが持たれている等の問題がある。したがって、過酸化
脂質生成抑制効果に優れ、かつ安全性の高い物質が望ま
れている。
【0008】また、過酸化脂質の生成を抑制するには、
脂質の酸化を抑える抗酸化作用以外にも、活性酸素自体
補捉除去する作用が挙げられるが、従来知られている
活性酸素補捉除去作用を有するスーパーオキシドディス
ムターゼやカタラーゼ等は、極めて安定性が低く、実用
に耐えるものではない。もしも、活性酸素補捉除去作用
を有する安定な物質が得られれば、抗酸化剤との併用に
より一層高い過酸化脂質生成抑制効果が得られることが
期待される。
【0009】本発明は、上記観点からなされたものであ
り、高い活性酸素捕捉除去作用を有し、過酸化脂質生成
抑制効果に優れ、且つ安定性、安全性の高い過酸化脂質
生成抑制剤を提供するとともに、これを含有する過酸化
脂質が生成しにくい組成物を提供することを課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために、活性酸素捕捉除去作用及び過酸化脂質
生成抑制作用を有する成分を鋭意探索した結果、ペラル
ゴニウム属植物の抽出物に、強い活性酸素捕捉除去作用
を有する成分が存在することを見出し、本発明を完成す
るに至った すなわち、本発明は、ペラルゴニウム属植物の抽出物を
含有する過酸化脂質生成抑制剤及びこの過酸化脂質生成
抑制剤を含有する化粧品、食品、医薬品等の組成物であ
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】<1>本発明の過酸化脂質生成抑制剤 (1)ペラルゴニウム属植物の抽出物 本発明の過酸化脂質生成抑制剤は、ペラルゴニウム属植
物の抽出物を含有する。
【0012】まず、本発明に用いるペラルゴニウム属植
物とは、フウロソウ科ペラルゴニウム属に属する植物で
あり、例えば、南アフリカ原産のペラルゴニウム ゾナ
レ(Pelargonium zonale)、ペラルゴニウム インクイナ
ンス(Pelargonium inquinans)、ペラルゴニウム ホル
トラム(Pelargonium hortorum)、ペラルゴニウム グロ
スラリオイデス(Pelargonium grossularioides)、ペラ
ルゴニウム オドラチシマム(Pelargonium odoratissim
um)等が挙げられる。
【0013】尚、これらの植物は、J. J. A. Van der W
alt & P. J. Vorster, Pelargoniums of Southern Afri
ca Vol.1-4, National Botanic Gardens Kirstenbosch
(1988)に詳しく記載されている。
【0014】上記ペラルゴニウム属植物は、人体に有害
な過酸化脂質の生成を引き起こす要因となる活性酸素を
捕捉し不活性化する働きを持つ成分を含んでおり、粉砕
した葉をそのまま用いることも可能であるが、前記成分
を抽出して取出したものを、本発明の過酸化脂質生成抑
制剤の有効成分として用いることが好ましい。
【0015】以下に、ペラルゴニウム属植物から活性酸
素捕捉除去作用を有する成分を抽出する方法の1例を説
明する。まずペラルゴニウム属植物の葉を粉砕する。こ
の際、葉を粉砕し易くするために、例えば、液体窒素で
凍結する等の前処理を行うとよい。次に、抽出溶媒に粉
砕したペラルゴニウム属植物を入れて抽出を行い、その
後、必要に応じて濃縮乾固させる。
【0016】抽出に用いる溶媒は、水、アルコール、ア
セトン、酢酸エチルから選ばれる1種あるいは2種以上
が用いられ、好ましくは30〜99.5vol%のエタ
ノール水溶液であり、更に好ましくは、40〜80vo
l%のエタノール水溶液が用いられる。例えば、80v
ol%エタノール水溶液を用いて、常温で一晩抽出し、
濃縮乾固する。
【0017】必要に応じて、活性酸素捕捉除去作用を有
する成分を、さらに抽出する。例えば、上記乾固物を等
量の酢酸エチルと水とからなる混合液に溶解させる。次
いで、この混合液を分液ロート等を用いて酢酸エチル層
と水層に分離し、酢酸エチル溶液を濃縮して、高い活性
酸素捕捉除去作用を有する成分を乾固物として取り出
す。こうして得られた乾固物は、緑色を呈し、水溶性で
あるが、完全に乾固させると水に溶解しにくくなること
があるので、水系で用いる場合はやや湿潤状態で保存す
るとよい。
【0018】 (2)ペラルゴニウム属植物抽出物の抽出例 次に、各種溶媒によるペラルゴニウム属植物からの抽出
例を示す。ペラルゴニウム ゾナレの生葉1gを、液体
窒素で凍結後粉砕し、水、40%エタノール水溶
液、80%エタノール水溶液、99.5%エタノー
ル水溶液、アセトン、酢酸エチル、各20mlを用
い、常温で5時間抽出を行った後、各々同じ溶媒を加え
て50mlとした。
【0019】こうして得られた抽出液を試料として用
い、活性酸素捕捉除去作用の評価を行った。この評価
は、各試料によるモデルラジカルの不活性化を化学量論
的に測定すること(ラジカルスカベンジャー能の測定)
で行った。すなわち、活性酸素のモデルとして、安定な
フリーラジカル、α,α−ジフェニル−β−ピクリルヒ
ドラジル(DPPH・)を用い、試料と一定の割合で、
一定時間反応させ、それによって減少するラジカルの量
を、517nmの吸光度の減少量として測定した。
【0020】各抽出溶液10μlを各々試験管に取り、
各々、99.5%エタノール水溶液2ml、0.1M酢
酸緩衝液(pH5.5)2ml、0.5mMα,α−ジ
フェニル−β−ピクリルヒドラジル(DPPH・)(
カライテスク(株)製)エタノール溶液1mlを加え、
30分後に517nmの吸光度の減少量を測定した。測
定は、福沢健治、寺尾純二 共著”化学と生物 実験ラ
イン2、脂質過酸化実験法”p79に従って行った。
【0021】結果を表1に示す。尚、吸光度の減少量
は、吸光度が全く減少しなかったときを0、吸光度が0
まで減少したときを1として表し、吸光度の減少量が多
いほどフリーラジカルの減少量が多いことを示す。
【0022】
【表1】
【0023】この結果から、どの溶媒を用いても、十分
な活性酸素捕捉除去作用を持つ成分が抽出され、特に4
0〜80%エタノール水溶液が好ましいことがわかる。
【0024】(3)過酸化脂質生成抑制剤 本発明の過酸化脂質生成抑制剤は、上記ペラルゴニウム
属植物の抽出物を含有するものであり、ペラルゴニウム
属に属する2種以上の植物の抽出物を混合して用いても
よい。また、上記抽出物そのものでもよく、各種基剤
に、必要に応じて他の過酸化脂質抑制物質とともに配合
してもよい。
【0025】配合量や基剤の種類は特に限定されるもの
ではなく、適宜設定すればよい。また、他の過酸化脂質
抑制物質としては、トコフェロール、アスコルビン酸等
従来用いられている物質が挙げられる。
【0026】<2>本発明の過酸化脂質生成抑制剤を含
有した組成物 本発明の組成物は、上記過酸化脂質生成抑制剤を配合し
たものであり、過酸化脂質を生成しやすい脂質を含むも
のであれば適用することができ、例えば化粧品、食品、
医薬品、医薬部外品等が挙げられる。
【0027】本発明が適用される化粧品としては、剤型
は特に制限されず、例えば乳液状、クリーム状、水性ゲ
ル状等の下地料の他に、ファンデーション、コントロー
ルカラー等の仕上げ料を挙げることができる。これらの
化粧品は、上記過酸化脂質生成抑制剤を配合する以外
は、通常の化粧品と同様の方法で製造することができ
る。
【0028】上記過酸化脂質生成抑制剤の配合量は特に
限定されないが、0.005〜1重量%の範囲で化粧品
に配合されることが好ましい。また、本発明の化粧品に
は、化粧品に一般に用いられる各種成分、すなわち水性
成分、油性成分、粉末成分、界面活性剤、保湿剤、増粘
剤、色剤、香料、抗酸化剤、pH調整剤、キレート剤、
防腐剤、あるいは紫外線防御剤、抗炎症剤、美白剤等を
配合することができる。
【0029】食品に、上記過酸化脂質生成抑制剤を用い
る場合には、一般食品として、各々の食品原料に抽出物
の所要量を加え、通常の製造方法により加工製造するこ
とにより、また、健康食品、機能性食品として、植物や
抽出物をそのまま、或は食べ易い状態にして使用するこ
とができる。一般に、上記過酸化脂質生成抑制剤の食品
への配合量は、0.01〜2重量%の範囲が好ましい。
【0030】本発明の過酸化脂質生成抑制剤を医薬品に
用いる場合は、剤型は特に限定されないが、一般に製剤
上許容される無害の一種、或は数種のベヒクル、坦体、
賦形剤、統合剤、防腐剤、安定剤、香味剤等と共に混和
して、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、水薬等の内服剤、軟
膏剤、クリーム、水剤等の外用剤、無菌溶液剤、懸濁液
剤等の注射剤とすることができる。これらは、従来公知
の技術を用いて製造することができる。
【0031】例えば、上記過酸化脂質生成抑制剤とコー
ンスターチ、ゼラチン等の統合剤、微晶性セルロース等
の賦形剤、馬鈴薯デンプン、アルギン酸ナトリウム等の
膨化剤、乳糖、ショ糖等の甘味剤等を、配剤して散剤、
錠剤、顆粒剤、カプセル剤とすることができる。また、
注射剤とする場合は、溶媒は注射用蒸留水、又はポリエ
チレングリコール等が使用され、或はこれに分散剤、緩
衝剤、防腐剤、抗酸化剤等を必要に応じて添加してもよ
い。外用剤とする場合には、基剤としてワセリン、パラ
フィン、油脂類、ラノリン等が使用される。
【0032】投与量に関しては、患者の年齢、疾患の種
類、症状等により異なるが、一般には経口投与では、過
酸化脂質抑制剤の量として、0.005〜1重量%、注
射の場合、0.001〜1重量%、外用剤として、0.
005〜1重量%の範囲で用いることにより、所期の効
果が期待できる。
【0033】尚、ペラルゴニウム属の植物は、南アフリ
カにおいてハーブとして食品等に活用されているもので
あり、安全性に対して問題はない。
【0034】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。尚、以
下に用いる%は、特記しないものは全て重量%である。
【0035】はじめに、本発明の過酸化脂質生成抑制剤
の実施例を以下に示す。
【0036】
【実施例1】 過酸化脂質生成抑制剤 ペラルゴニウム ゾナレの葉10gを、液体窒素で凍結
後粉砕し、80%エタノール水溶液200mlに浸漬し
て、一昼夜抽出した。抽出液をブフナーロートで濾過
後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮乾固し、
1.31gの乾固物を得た。
【0037】これを、等量の水と酢酸エチルからなる混
合液100mlに加え溶解させた。この混合液を、分液
ロートにて分画して酢酸エチル層を分取し、これをロー
タリーエバポレーターにて濃縮乾固、緑色の乾固物0.
72gを得、これを過酸化脂質生成抑制剤とした。
【0038】
【実施例2】過酸化脂質生成抑制剤 実施例で得られた最終的な濃縮乾固物と、等重量のdl
−α−トコフェロール(ナカライテスク(株)製)を混
合し、過酸化脂質生成抑制剤とした。
【0039】
【実施例3】 過酸化脂質生成抑制剤 ペラルゴニウム ゾナレの葉10gを細断し、40%エ
タノール水溶液200mlに分散させ、ソックスレー抽
出器で3時間抽出した。抽出物をロータリーエバポレー
ターを用いて濃縮乾固し、1.54gの緑色乾固物を得
た。これをそのまま過酸化脂質抑制剤とした。
【0040】
【実施例4】 過酸化脂質生成抑制剤 ペラルゴニウム ホルトラムの葉10gを液体窒素で凍
結後粉砕し、アセトン200mlに浸漬して、5時間抽
出した。この抽出物をブフナーロートにて濾過した後、
ロータリーエバポレーターを用いて濃縮乾固し、1.3
8gの緑色乾固物を得た。これをそのまま過酸化脂質抑
制剤とした。
【0041】<本発明の過酸化脂質生成抑制剤の評価> 本発明の過酸化脂質生成抑制剤について、活性酸素捕捉
除去作用及び過酸化脂質生成抑制効果を評価した。尚、
比較のために、dl−α−トコフェロール(ナカライテ
スク(株)製)についても同様の評価を行った。
【0042】また、ペラルゴニウム属植物抽出物の保存
安定性、安全性についても評価を行った。
【0043】(1)活性酸素捕捉除去作用 20ml容スクリュー管に、実施例1の過酸化脂質生成
抑制剤あるいはdl−α−トコフェロールを99.5%
エタノールに溶解した溶液2mlと0.1M酢酸緩衝液
(pH5.5)2mlを入れ、更に、0.5mM DP
PH・エタノール溶液1mlを加え、30分後に517
nmの吸光度の減少量を測定した。更に、試料の濃度を
いろいろに変えて上記実験を行った。
【0044】結果は、図1に示す通りである。上記条件
下でDPPH・半分を捕捉するのに必要な量を示すEC
50は、実施例1の過酸化脂質生成抑制剤が24.66μ
g、dl−α−トコフェロールが42.27μgであっ
た。これにより、実施例1の過酸化脂質生成抑制剤の活
性酸素捕捉除去作用は、dl−α−トコフェロールの約
2倍であることがわかる。従って、実施例1の過酸化脂
質生成抑制剤を用いれば、dl−α−トコフェロールよ
り低濃度でも、活性酸素を含むフリーラジカルを有効に
捕捉することができる。
【0045】(2)過酸化脂質生成抑制効果 20ml容スクリュー管に、99.5%エタノール水溶
液で2.51%に希釈したリノール酸を2.052ml
取り、4mlの0.05M リン酸緩衝液(pH6.
0)を添加し、更に水を加えて10mlとした。これに
実施例1の過酸化脂質生成抑制剤あるいはdl−α−ト
コフェロールを0.01重量%となるように加えた。こ
れを暗条件で、40℃に維持し、経時的にTBA法によ
る過酸化脂質生成量を測定した。同様にして、試料を入
れないもの(スタンダード)についても過酸化脂質生成
量を測定した。
【0046】上記TBA法は、試料2mlに、20%ト
リクロロ酢酸水溶液2ml、次いで、0.167%チオ
バルビツール酸(ナカライテスク(株)製)水溶液1m
lを加え、100℃で10分間湯煎をした後、直ちに氷
冷し、3000rpmで10分間遠心分離し、532n
mでの吸光度を測定する(R.Inatani et al, Agric.Bio
l. Chem.,47[3],521(1983))というものである。尚、吸
光度が高いほど過酸化脂質の生成量が多い。
【0047】結果を図2に示す。dl−α−トコフェロ
ールでは、6日後から過酸化脂質の生成が始まっている
のに対し、実施例1の過酸化脂質生成抑制剤では、12
日間経過しても殆ど過酸化脂質の生成がみられず、過酸
化脂質生成抑制効果に優れていることがわかる。
【0048】(3)好酸化条件下での過酸化脂質生成抑
制効果 次に、硫酸第一鉄を用いた酸化しやすい条件下での過酸
化脂質生成抑制効果を調べた。
【0049】20ml容スクリュー管に、99.5%エ
タノール水溶液で2.51%にしたスクアレン(ナカラ
イテスク(株)製)2.052mlを入れ、4mlの
0.05Mリン酸緩衝液(pH6.0)を添加し、更
に、硫酸第一鉄とビタミンCを各々0.1Mになるよう
に添加し、水を加えて10mlとした。これに実施例
1、実施例2の過酸化脂質生成抑制剤、あるいはdl−
α−トコフェロールを0.01重量%となるように加え
た。
【0050】これを暗条件で、40℃に維持し、経時的
にTBA法により過酸化脂質生成量を測定した。同様に
して、試料を入れないもの(スタンダード)についても
過酸化脂質生成抑制量を測定した。
【0051】結果は、図3に示す通りである。この結果
から明らかなように、実施例1、2の過酸化脂質生成抑
制剤は、非常に酸化され易い条件下においても、過酸化
脂質の生成を効果的に抑制することができる。また、ペ
ラルゴニウム属抽出物にdl−α−トコフェロールを併
用すると、さらに高い効果が得られることがわかる。
【0052】(4)保存安定性 ペラルゴニウム ゾナレの葉1gを80%エタノール水
溶液で抽出し、この抽出液を濃縮乾固せずに常温で放置
し、2週間後及び4週間後に、DPPH・ラジカルを用
いて活性酸素補捉除去作用を調べた。
【0053】この結果、抽出直後の測定値と、2週間
後、4週間後の測定値にほとんど差が認められず、活性
は低下していないことがわかった。尚、わずかながら沈
澱物の生成が認められた。
【0054】次に、本発明の過酸化脂質生成抑制剤を含
有する組成物についての実施例を説明する。
【0055】
【実施例5】 化粧品(化粧水) 表2の成分を、室温にて均質に混合溶解して化粧水を得
た。
【0056】
【表2】
【0057】
【実施例6】 化粧品(クリーム) 表3のA成分及びB成分を各々70℃に加熱溶解した。
A成分を攪拌しながらそれにB成分を徐々に加え、乳化
反転させた後35℃まで冷却しC成分を加えクリームを
得た。
【0058】
【表3】
【0059】
【実施例7】 食品(クッキー) 実施例1の過酸化脂質生成抑制剤2重量%を含む小麦粉
に、食塩、ショ糖、バターなどで味付けしたものを、適
量の水で良く攪拌し、190〜200℃で30分間焼き
上げてクッキーとする。
【0060】
【実施例8】 食品(ゼリー) 寒天12gを水1lに攪拌加熱溶解し、更にショ糖40
0g、水飴150g及び塩少々を加え、攪拌しながら加
熱溶解させた後、2重量%の実施例1の過酸化脂質生成
抑制剤、香料を加え、冷却してゼリーとする。
【0061】
【実施例9】 医薬品(錠剤、カプセル剤) 下記成分を下記重量部で均一に混合し錠剤、又はカプセ
ル剤とした。 実施例1の過酸化脂質生成抑制剤 9.8 乳糖 80.0 ステアリン酸マグネシウム 10.0 ヒドロキシプロピルセルロース 0.2
【0062】
【実施例10】医薬品(散剤、顆粒剤) 下記成分を下記重量部で均一に混合し散剤、又は顆粒剤
とした。 実施例3の過酸化脂質生成抑制剤 10.0 デンプン 35.0 乳糖 54.7 ヒドロキシプロピルセルロース 0.3
【0063】
【発明の効果】本発明の過酸化脂質生成抑制剤は、ペラ
ルゴニウム属植物の抽出物を有効成分として含有し、高
い活性酸素捕捉除去作用を有する結果、過酸化脂質生成
抑制効果に優れ、しかも安定性及び安全性も高い。
【0064】また、本発明の過酸化脂質生成抑制剤を、
化粧品、食品、医薬品、医薬部外品等の油脂を含む組成
物に含有させることにより、過酸化脂質の生成が抑制さ
れた組成物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ペラルゴニウム属植物抽出物及びdl−α−
トコフェロールによるフリーラジカル減少量の比較を示
す図
【図2】 ペラルゴニウム属植物抽出物及びdl−α−
トコフェロール存在下での過酸化脂質生成量の比較を示
す図
【図3】 ペラルゴニウム属植物抽出物、dl−α−ト
コフェロール、及びこれらの混合物の存在下での、好酸
化条件下における過酸化脂質生成量の比較を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 35/78 A23L 1/30 A61K 7/00 BIOSIS(DIALOG) CA(STN) MEDLINE(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペラルゴニウム属植物の抽出物を含有す
    る過酸化脂質生成抑制剤。
  2. 【請求項2】 前記ペラルゴニウム属植物が、ペラルゴ
    ニウム ゾナレ、ペラルゴニウム インクイナンス、ペ
    ラルゴニウム ホルトラム、ペラルゴニウムグロスラリ
    オイデス、ペラルゴニウム オドラチシマムから選ばれ
    る1種あるいは2種以上である請求項1記載の過酸化脂
    質生成抑制剤。
  3. 【請求項3】 抽出溶媒が、水、アルコール、アセト
    ン、酢酸エチルから選ばれる1種あるいは2種以上であ
    る請求項1又は2記載の過酸化脂質生成抑制剤。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の過酸化脂質生成抑制剤を
    含有する組成物。
JP34285792A 1992-12-22 1992-12-22 過酸化脂質生成抑制剤及びこれを含有する組成物 Expired - Lifetime JP3226359B2 (ja)

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