JP3226201U - カバーソックス - Google Patents

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Abstract

【課題】高摩擦性糸を裏糸として踵捕捉部に添加して編成することにより、滑り止め用のシリコーン樹脂体を内側に塗布しなくても着用者11の歩行・佇立時に足から脱離しないカバーソックスを提供する。【解決手段】着用者11の爪先部、両側辺部、足裏部および踵部を包み込む前方および後方袋部2,3からなるカバーソックス1において、該カバーソックスは編糸として表糸および裏糸を用いて編成しており、この編地と一体の踵捕捉部12において裏糸の一部または全部に高摩擦性糸を添加して編成を行い、この高摩擦性糸の摩擦抵抗が通常の裏糸のそれよりも大きい。【選択図】図1

Description

本考案は、高摩擦性糸を裏糸として踵捕捉部に添加して編成することにより、滑り止め用のシリコーン樹脂体を内側に塗布しなくても歩行・佇立時に足から脱離しないカバーソックスに関する。
カバーソックスは、女性や若者がパンプスやスニーカーを素足で履いたように見せるために用い、スニーカーソックスまたはフットカバーとも称する。通常のカバーソックスは、靴着用時にパンプスやスニーカーから見えないように、履き口の上方開口部が大きくカットされ、カバーソックスを履くと爪先部、両側辺部、足裏部および踵部を覆う。この種のカバーソックスは、履き口の上方開口部が大きくカットされているため、着用者の歩行時に脱げやすく、その履き位置がズレることが頻発する。
既に数多くの発明が、カバーソックスが歩行時に脱げやすいという欠陥を改善するために提案されている。従来のカバーソックスには、縫製によって全体を一体化するものが多く、各ニット部分の煩雑な縫製作業が必要になるのでコストアップになる。これに対し、特開2008−261079号や特開2011−52335号では、靴下編機を用いて爪先部、足底部、両側辺部、踵部を一体編成するため、生産効率が良いうえに目障りな太い縫着線が形成されない。
カバーソックスの上方開口部として、特開2008−261079号および特開2011−52335号では、靴下編機によって伸縮性を有するエンドレスの口ゴム部から編成していく。この口ゴム部は、ゴム糸が挿入されたエンドレスの平編またはリブ編であるから、着用者の足首下部の全周をほぼ均一に締め付ける。このカバーソックスは、口ゴム部だけで足首部全体に保持されるため、歩行時に脱げることを防ぐために口ゴム部で強く締め付けることを要する。このため、足甲部全体が強く圧迫されることにより、該カバーソックスの履き心地が悪くなる。
強い締め付けの口ゴム部を用いる代わりに、従来では、カバー踵部内面において薄い樹脂層を形成することも行われている。例えば、特開平10−292206号は、踵当接部の内面に摩擦付与体を取り付けており、該摩擦付与体は、ゴムやシリコーンゴムなどの突起状弾性体またはシートである。特開2015−137426号では、踵部および上方開口部近辺の側辺部に伸縮性および粘着性を有する幅5〜15mmの帯状シリコーン部を設けている。
特開2008−261079号公報 特開2011−52335号公報 特開平10−292206号公報 特開2015−137426号公報
公知技術において、特開平10−292206号は、踵当接部の内面に取り付けた摩擦付与体だけでカバーソックスの履き位置ズレを防ぐため、履き位置ズレを完全に防止することはできない。また、特開2015−137426号は、踵部および上方開口部近辺の側辺部において、伸縮性の細幅生地または帯状のシリコーン部を設けるので、この生地やテープがある程度の幅と厚みを有することにより、足甲部を必要以上に締め付ける。
前記の問題に加えて、滑り止め樹脂層を踵部内面に形成した際には、使用者の足は直接樹脂層と接触しているために、使用者によっては肌に接触した樹脂にかぶれるという問題が生じる。カバーソックスを着用して靴を履くと、その靴によって長時間肌に滑り止め樹脂層が強く押し付けられるから、肌のかぶれも当然酷くなる。
本考案は、従来のカバーソックスに関する脱落や履き位置ズレの問題を改善するために提案されたものであり、歩行・佇立時に位置ズレなどが起こりにくく、且つ踵当接部の内面に樹脂層が存在しないので肌がかぶれるようなことがないカバーソックスを提供することを目的としている。本考案の他の目的は、足首部や足甲部を締め付けることが少ないので履き心地が良いカバーソックスを提供することである。
本考案に係るカバーソックスは、着用者の爪先部、両側辺部、足裏部および踵部を包み込む前方および後方袋部からなる。このカバーソックスは、編糸として表糸および裏糸を用いて編成しており、この編地と一体の踵捕捉部において裏糸の一部または全部に高摩擦性糸を添加して編成を行い、この高摩擦性糸の摩擦抵抗が通常の裏糸のそれよりも大きいことにより、着用者の歩行・佇立時に足から脱離することを防ぐ。
高摩擦性糸を有する編地と一体の踵捕捉部は、本考案に係るカバーソックスでは上方開口部の周縁において着用者の両踝部に達する横幅を有する。この踵捕捉部は、後方袋部において足裏部を除く部分に形成されている。
本考案に係るカバーソックスにおいて、編地と一体の踵捕捉部における裏糸は、ポリウレタン糸やゴム糸単独であるかまたはこれらの糸を芯糸として合成繊維糸でカバーリングした被覆弾性糸であり、高摩擦性糸として用いるポリウレタン糸やゴム糸単独またはこれらの糸の芯材はその繊度が140デニール以上であると好ましい。または高摩擦性糸として割繊糸を用い、裏糸はポリウレタン糸やゴム糸を芯糸として割繊糸でカバーリングした被覆弾性糸であると好ましく、編成後に割繊処理によってこの割繊糸から摩擦抵抗の高いマイクロファイバーを得る。一方、高摩擦性糸として割繊糸を用い、通常の裏糸に割繊糸を引き揃えて加えて編成してもよく、編成後に割繊処理によってこの割繊糸からマイクロファイバーを得る。
本考案に係るカバーソックスは、踵捕捉部における編糸の裏糸に高摩擦性糸を加えて編成することにより、樹脂滑り止め部をソックス内側に形成する代わりに、着用者の踵部と密接する踵捕捉部によって滑り止め機能を発揮する。したがって、本考案のカバーソックスは、着用時に全体を伸ばし、着用者の足の爪先部、両側辺部、足裏部および踵部を覆うように履くと、滑り止め機能を有する踵捕捉部によってカバーソックスが着用者の足から脱離することがなく、樹脂滑り止め部も存在しないので履き心地が良好である。
本考案に係るカバーソックスは、踵捕捉部において編糸の裏糸に高摩擦性糸を一部または全部加えるだけであり、編糸の表糸が低弾性の綿糸、絹糸や麻糸などのいずれであっても感触性が良く、伸縮性も良好である。しかも、カバーソックスでは、足底部と着用者の足裏との間に間隙が生じないので、着用者の歩行・佇立時に位置ズレすることが少なく、長時間着用しても快適な履き心地を維持できる。
本考案に係るカバーソックスの一例を前方から示す透視状態の全体斜視図である。 図1のカバーソックスを後方から示す透視状態の全体斜視図である。 図1のカバーソックスに相当する概略展開図である。 カバーソックスの変形例を示す透視状態の全体斜視図である。 図4のカバーソックスに相当する概略展開図である。 カバーソックスの別の変形例を示す透視状態の全体斜視図である。 カバーソックスのさらに別の変形例を示す透視状態の全体斜視図である。
本考案に係るカバーソックス1は、図1および図2に示すように、全体として前方袋部2および後方袋部3で構成するように編成し、編地の爪先部5、両側辺部7,7、足裏部8および踵部10に分けることができ、着用時に爪先部5、両側辺部7、足裏部8および踵部10は着用者11(図1)の足の対応部分とそれぞれ接触する。カバーソックス1は、コンピュータ制御の全自動の靴下編機によって連続的に編成できるので比較的安価に製造できる。
カバーソックス1の編糸は、全体または大部分が表糸および裏糸からなり、一般的に、表糸は編糸の70〜80重量%、裏糸は20〜30重量%である。この編糸の表糸には感触性が良い綿糸、ポリエステル/綿混糸、羊毛、絹糸、麻糸、アクリル繊維などを用い、裏糸はポリウレタン糸やゴム糸単独またはこれらの糸を芯糸として合成繊維糸でカバーリングした被覆弾性糸(FTY)であり、該裏糸によってカバーソックス1は伸縮性を有する。カバーソックス1は、表糸と裏糸からなる編糸を用いて平編やリブ編みなどで編成されるが、高摩擦性糸を添えたプレーティング編みなども可能である。
編地と一体の踵捕捉部12は、カバーソックス1が着用者11の足からの脱離や位置ズレを防ぐために、裏糸の一部または全部において高摩擦性糸を添加する。踵捕捉部12は、図1と図2、図4または図6で例示するように、編地の踵部10に高摩擦性糸を付与した態様であり、通常、踵部10の平面形状と実質的に一致するが、この平面形状と異なっていてもよく、踵部10の平面形状よりも多少大きくしたり、図7のように踵部10の一部だけに形成してもよい。踵捕捉部12は、実際には、一般に上方開口部14の周縁において着用者11の両踝部に達する横幅を有し、該踵捕捉部は後方袋部3において足裏部8を除く部分であればよい。
編地と一体の踵捕捉部12において、裏糸はポリウレタン糸やゴム糸単独であるかまたはこれらの糸を芯糸として合成繊維糸でカバーリングした被覆弾性糸であり、高摩擦性糸として用いるポリウレタン糸やゴム糸単独またはこれらの糸の芯材はその繊度が140デニール以上であり、編機の編針に通るならば280デニール以上であると好ましい。この高摩擦性糸は、裏糸として編糸に組み込んだ際に、少なくとも編地裏面において通常編糸よりも摩擦抵抗が高いことを意味し、該高摩擦性糸がどの使用態様でも常に高摩擦性であることを意味するのではない。ポリウレタン糸などの芯糸にナイロンやポリエステルの合成繊維糸でカバーリングする場合には、カバーリング糸を甘く巻き付け、カバーソックス1の編成後に芯糸を部分的に露出させることが望ましい。
また、割繊糸を高摩擦性糸として用いる場合には、裏糸はポリウレタン糸やゴム糸を芯糸としてポリエステルやナイロンの割繊糸でカバーリングした被覆弾性糸であればよい。カバーソックス1の編成後に、アルカリ処理や加圧処理などの割繊処理を行うと、この割繊糸から多数本のマイクロファイバーを得ることができ、このマイクロファイバーによって踵捕捉部12の編地裏面において通常編糸よりも摩擦抵抗が高くなる。
割繊糸を高摩擦性糸として用いる別の場合には、通常の裏糸に割繊糸を引き揃えて加えて編成してもよい、カバーソックス1の編成後に割繊処理を行うと、この割繊糸から多数本のマイクロファイバーを得ることができ、このマイクロファイバーによって踵捕捉部12の編地裏面において通常編糸よりも摩擦抵抗が高くなる。割繊糸を引き揃えた芯糸には、ナイロンやポリエステルの合成繊維糸でカバーリングしてもよく、カバーリング糸は甘く巻き付けることが望ましい。
カバーソックス1は、踵捕捉部12における編糸の裏糸に高摩擦性糸を加えて編成することにより、着用者11の踵部と密接する踵捕捉部12によって滑り止め機能を発揮する。したがって、カバーソックス1は、全体を伸ばして着用者11の足の爪先部、両側辺部、足裏部および踵部を覆うように履くと、滑り止め機能を有する踵捕捉部12によってカバーソックス1が着用者11の足から脱離することがなく、カバーソックス1自体の伸縮性も高いので履き心地が良好である。
カバーソックス1では、かぶれが生じやすい樹脂滑り止め部が存在しないので、快適な履き心地を長時間維持できる。また、カバーソックス1は、踵捕捉部12において編糸の裏糸に高摩擦性糸を一部または全部加えるだけであり、編糸の表糸が低弾性の綿糸、絹糸や麻糸などのいずれであっても感触性が良く、伸縮性も低下せずに快適である。
次に、本考案を実施例に基づいて説明するが、本考案は実施例によって限定されるものではない。図1から図3に示すカバーソックス1は平編であり、その編糸は踵捕捉部12を除いて30/75FTYからなる。踵捕捉部12では、表糸にはコットン、裏糸は280デニールのポリウレタン糸を芯糸としてナイロン糸でカバーリングした被覆弾性糸を用い、ポリウレタン糸の芯糸が高摩擦性糸に相当する。ポリエステル繊維糸でカバーリングする際に、カバーリング糸を甘く巻き付け、カバーソックス1の編成後に芯糸を部分的に露出させることが望ましい。
カバーソックス1は、全周リブ編部16を後方に有する前方袋部2と、両側部7,7と足底部8の一部を構成する中間半筒部18と、踵部10を有する後方袋部3とを備え、踵捕捉部12(図面で暗色で示す)は実質的に踵部10と一致する。中間半筒部18は、全自動靴下編機のシリンダ振幅を半回転(180度)よりも大きい200〜300度で往復編みを行う。丸編の靴下編機において、シリンダを所定の回転だけ正回転と逆回転とに交互に切り替えながら作動することにより、円周方向の部分領域だけを編成する。
図3では各部分の幅と長さを概略で示す。図3を参照すると、公知の靴下編機を用いてカバーソックス1を上方開口部14の周縁後方から編み始める。カバーソックス1の後方袋部3では、例えば、その上方に編成した細幅の両面編部20が上方開口部14の周縁後方に対応し、該両面編部にゴム糸を挿入してもよい。細幅の両面編部20には30/75FTYを用い、シリンダ振幅が180度の半回転以上の往復編みで編成すると、その長さが約100mmである。
後方袋部3の踵部10が細幅の両面編部20から直接移行し、シリンダ振幅を適宜調整しながら約半回転の往復編みを行い、シリンダ振幅の調整に際し、シリンダ振幅の拡大および縮小を交互に行うと、左右両脇にゴアライン22および分岐ゴアライン24,26が形成され、ゴアライン22,22および分岐ゴアライン26,26で囲まれた部分が踵部10に相当する。踵捕捉部12は踵部10に相当し、該踵部と実質的に同じ平面形状である。踵捕捉部12は、表糸はコットン、裏糸は280デニールのポリウレタン糸を芯糸とするポリエステルの被覆弾性糸の平編地である。
踵捕捉部12は、後方袋部3において足裏部8を除く部分に形成することを要し、踵部10において、一般に分岐ゴアライン26,26の頂点のコース28程度まで存在させる。後方袋部3は、コース28を越えると30/75FTYで編成する。後方袋部3を図1に示すように立ち上げると、後方袋部3がゴアライン22,24,26によって着用者11の踵部に嵌まりやすいように丸みを帯びて膨らみ、且つ伸縮性の踵捕捉部12で滑り止めする。
一方、前方袋部2は中間半筒部18を経て全周になり、後方に位置する全周リブ編部16を有し、編成時にシリンダ全周を回転する8〜15コースの幅に定める。全周リブ編部16では、ゴム糸を挿入したり、ポリウレタン糸を芯糸とする合成繊維糸を二重にカバーリングした糸(DCY)を用いてもよい。前方袋部2では、前方に向かって全周リブ編部16から平編の全周トウ部30に移行し、さらに該前方袋部の爪先部5を編成する。前方袋部2の爪先部5を編成するには、全周トウ部30からシリンダ振幅を適宜に調整して半回転往復編みを行い、該全周編み部の残り周縁がリンキングコース34に相当する。
前方袋部2では、全周トウ部30の前周辺において、該トウ部の円周の半分長さがリンキングコース34である。爪先部5は、ゴアライン33によって封止筒状になるように編成する。リンキングコース34はかがり縫いによって縫合され、前方袋部2を封止筒状に一体化する。前方袋部2に関して、シリンダ振幅の拡大および縮小を正確に調整すると、左右の側辺形状が異なるように編成することも可能である。
カバーソックス1は、図1に示す着用時において、前方袋部2に足先を嵌めてから全体を伸ばして後方袋部3を立ち上げて嵌めると、着用者11の足の爪先部、両側辺部、足裏部および踵部を覆い、上開口部14が拡がって足甲部の大半および足首部が露出する。踵捕捉部12は、上方開口部14の周縁後方から下方に位置し、実質的に着用者11の両踝部に達する長さを有する。
踵捕捉部12の裏面において、着用時に編地の表糸および裏糸も引っ張られ、裏糸の芯糸のポリウレタン糸がカバーリング糸間から露出して着用者11の肌と直接接触することで滑り止め効果を発揮する。カバーソックス1では、滑り止め機能を有する踵捕捉部12が着用者11の踵部と接触することにより、該カバーソックスが着用者の足から脱離することがなく、伸縮性も高いので履き心地が良好である。
図4と図5は本考案の変形例を示し、カバーソックス36は平編であり、その編糸は踵捕捉部38を除いて20/75FTYからなる。踵捕捉部38では、表糸はコットン、裏糸は140デニールのポリウレタン糸を2本引き揃えて用い、裏糸のポリウレタン糸が高摩擦性糸に相当する。
図5は図4のカバーソックス36の展開図であり、図5では各部分の幅と長さを概略で示す。カバーソックス36では環状の口ゴム部40から編成し、該口ゴム部はゴム糸を挿入した30/75FTYのリブ編である。口ゴム部40から移行用の編み込み部(図示しない)を編成してから踵部42を編成する。
後方袋部44の踵部42は口ゴム部40から直接移行し、シリンダ振幅を適宜調整しながら約半回転の往復編みを行い、シリンダ振幅の拡大および縮小を交互に行うと、左右両脇にゴアライン46および分岐ゴアライン48,50が形成され、ゴアライン46,46および分岐ゴアライン48,50で囲まれた部分が踵部42に相当する。踵捕捉部38は踵部42に相当し、該踵部と実質的に同じ平面形状である。踵捕捉部38は、後方袋部44において足裏部54を除く部分に形成することを要し、一般に分岐ゴアライン50,50の頂点のコース56程度まで形成する。後方袋部44は、コース56を越えると20/75FTYで編成する。ソックス中間部において、両側部58,58の周端辺59を口ゴム部40の周辺に編み込む。
一方、前方袋部60では、前方に向かって平編の全周トウ部62に編成し、さらに該前方袋部の爪先部64を編成する。前方袋部60の爪先部64を編成するには、全周トウ部62からシリンダ振幅を適宜に調整して半回転往復編みを行い、該全周編み部の残り周縁がリンキングコース66に相当する。リンキングコース66はかがり縫いによって縫合され、前方袋部60の爪先部64を封止筒状に一体化する。
カバーソックス36において、踵捕捉部38は、口ゴム部40の周縁後方から下方に位置し、実質的に着用者の両踝部に達する長さを有する。カバーソックス36では、口ゴム部40で足首部に適宜に保持されるだけでなく、踵捕捉部38の裏面において、着用時に編地の表糸および裏糸も引っ張られ、裏糸のポリウレタン糸が着用者の肌と直接接触することで滑り止め効果を発揮する。
カバーソックス36では、口ゴム部40で足首部に適宜に保持されるとともに、滑り止め機能を有する踵捕捉部38が着用者の踵部と接触することにより、該カバーソックスが着用者の足から脱離することを防いでいる。このため、口ゴム部40で足首部を強く締め付ける必要がなく、該口ゴムで適当に保持されればよく、カバーソックス36の伸縮性も高いので履き心地が良好である。
図6は本考案の別の変形例を示し、カバーソックス68の編糸は、踵捕捉部70を除いて30/75FTYからなる。踵捕捉部70では、表糸はコットン、裏糸は70デニールのポリウレタン糸を芯糸としてポリエステル/ナイロンの割繊糸でカバーリングした被覆弾性糸であり、裏糸において芯糸をカバーリングした割繊糸が高摩擦性糸に相当する。
カバーソックス68は実施例1と同様に編成し、踵部72はゴアライン73,73および分岐ゴアライン74,76で囲まれた部分である。踵捕捉部70は、分岐ゴアライン76,76の頂点のコースまで存在させ、該踵捕捉部は踵部72に相当し、該踵部と実質的に同じ平面形状である。踵捕捉部70において、シリンダ振幅を適宜調整しながら約半回転の往復編みを行う際に、一方側からポリウレタン糸を芯糸としてポリエステル/ナイロンの割繊糸でカバーリングした被覆弾性糸を給糸し、他方側から通常の編糸を給糸することにより、高摩擦性糸を有する被覆弾性糸を1コース置きに編み込む。
カバーソックス68は、編成および染色した後にアルカリ処理による割繊処理を行い、ナイロン部分を溶融させて多数本のポリエステルマイクロファイバーを得、このマイクロファイバーがカバーリング糸になる。このマイクロファイバーが高摩擦性糸に相当し、高摩擦性糸を1コース置きに編み込んでも、踵捕捉部70の編地裏面において通常編糸よりも摩擦抵抗が高い。
カバーソックス68は、着用者の足の爪先部、両側辺部、足裏部および踵部を覆い、着用時に上開口部78が拡がって足甲部の大半および足首部が露出する。踵捕捉部70は、上方開口部78の周縁後方から下方に位置し、実質的に着用者の両踝部に達する長さを有する。カバーソックス68は、滑り止め機能を有する踵捕捉部70が着用者の踵部と接触することにより、該カバーソックスが着用者の足から脱離することがなく、踵捕捉部70において高摩擦性糸を1コース置きに編み込むのでいっそう経済的である。
図7は本考案のさらに別の変形例を示し、カバーソックス80の編糸は、踵捕捉部82を除いて30/75FTYからなり、該踵捕捉部では、表糸はコットン、裏糸はポリウエレタン糸にポリエステル/ナイロンの割繊糸を引き揃えて加え、この割繊糸が高摩擦性糸に相当する。
カバーソックス80は実施例1と同様に編成し、踵部84はゴアライン85,85および分岐ゴアライン86,88で囲まれた部分より狭く、約半分のコース数である。踵捕捉部82は、踵部84と比べて高さが約半分の平面形状である。踵捕捉部82において、シリンダ振幅を適宜調整しながら約半回転の往復編みを行う際に、一方側からポリウレタン糸とポリエステル/ナイロンの割繊糸とを引き揃えた裏糸を有する編糸を給糸し、他方側から通常の編糸を給糸することにより、この被覆弾性糸を1コース置きに編み込む。
カバーソックス80は、編成および染色した後にアルカリ処理による割繊処理を行い、ナイロン部分を溶融させて多数本のポリエステルマイクロファイバーを得、このマイクロファイバーがポリウレタン糸とともに裏糸に相当する。このマイクロファイバーが高摩擦性糸に相当し、高摩擦性糸を1コース置きに編み込んでも、踵捕捉部82の編地裏面において通常編糸よりも摩擦抵抗が高い。
カバーソックス80は、着用者の足の爪先部、両側辺部、足裏部および踵部を覆い、着用時に上開口部92が拡がって足甲部の大半および足首部が露出する。踵捕捉部82は、上方開口部92の周縁後方から下方に位置し、実質的に着用者の両踝部に達する長さを有する。カバーソックス80は、滑り止め機能を有する踵捕捉部82が着用者の踵部と接触することにより、該カバーソックスが着用者の足から脱離することがなく、踵捕捉部82は踵部84よりも狭く、しかも高摩擦性糸を1コース置きに編み込むのでいっそう経済的である。
1 カバーソックス
2 前方袋部
3 後方袋部
5 爪先部
10 踵部
12 踵捕捉部
14 上方開口部

Claims (5)

  1. 着用者の爪先部、両側辺部、足裏部および踵部を包み込む前方および後方袋部からなるカバーソックスにおいて、該カバーソックスは編糸として表糸および裏糸を用いて編成しており、この編地と一体の踵捕捉部において裏糸の一部または全部に高摩擦性糸を添加して編成を行い、この高摩擦性糸の摩擦抵抗が通常の裏糸のそれよりも大きいことにより、着用者の歩行・佇立時に足から脱離することを防ぐカバーソックス。
  2. 高摩擦性糸を有する編地と一体の踵捕捉部は、上方開口部の周縁において着用者の両踝部に達する横幅を有し、該踵捕捉部は後方袋部において足裏部を除く部分に形成されている請求項1記載のカバーソックス。
  3. 編地と一体の踵捕捉部における裏糸は、ポリウレタン糸やゴム糸単独であるかまたはこれらの糸を芯糸として合成繊維糸でカバーリングした被覆弾性糸であり、高摩擦性糸として用いるポリウレタン糸やゴム糸単独またはこれらの糸の芯材はその繊度が140デニール以上である請求項1または2記載のカバーソックス。
  4. 高摩擦性糸として割繊糸を用い、裏糸はポリウレタン糸やゴム糸を芯糸として割繊糸でカバーリングした被覆弾性糸であり、編成後に割繊処理によってこの割繊糸から摩擦抵抗がマイクロファイバーを得る請求項1または2記載のカバーソックス。
  5. 高摩擦性糸として割繊糸を用い、通常の裏糸に割繊糸を引き揃えて加えて編成し、編成後に割繊処理によってこの割繊糸から摩擦抵抗がマイクロファイバーを得る請求項1または2記載のカバーソックス。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022109360A (ja) * 2021-01-15 2022-07-28 シャープ株式会社 画像形成装置、画像形成システム、画像形成装置の制御プログラムおよび制御方法

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